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広瀬(秀)
委員 ただいま
議題となりました両法案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、
提案の
趣旨を簡単に御説明申し上げます。
案文は、印刷してお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。
本附帯決議案の内容のうち、第一点ないし第三点は、昨年、本
委員会で付しました附帯決議と同様のものでありまして、これらの諸点につきましては、他の諸
制度との関連において、あるいは、
共済制度のたてまえの上から種々複雑な問題もあろうかと思いますが、
政府においては引き続き
検討を加えられ、適切な
措置を講ずるよう切に要望するものであります。
特に、第一点の既裁定
年金の実質価値保全のための具体的な対策につきましては、
社会保障制度審議会からも、つとにその必要性が
指摘されており、今回の
法律案に対する同
審議会の答申においても、「恩給は、その内容に問題があるにしても、スライド制が事実上確立している。これを基礎に
検討を加えれば、
共済年金としてのスライド制の早急な策定はむずかしくないはずである。」と述べられているところであります。
近代福祉国家においては、
年金の実質的な価値を維持するということは、当面の最大の課題でもありますので、公的
年金制度調整連絡
会議における
検討を、従来に倍して精力的に進められ、一日も早く具体的な運用方式が確立されるよう、格別の
配慮を強く求める次第であります。
また、第四点につきましては、
沖繩県の
本土復帰に伴い、同県における
国家公務員等は、
本土の
共済組合制度が適用されることとなり、このため、
短期給付の
掛け金率が、従来の
医療保険の保険料率を大幅に上回ることとなるのであります。
ところで、
沖繩県における
医療制度は著しく立ちおくれておりますので、その整備拡充が行なわれるまでの間、
負担の軽減をはかる必要があると思われますので、特例
措置が
経過的に講ぜられるよう、前向きな
検討を要望するものであります。
さらに、第五点は、現在わが国でも、
国民皆
年金制度が実現せられておりますが、その
給付内容は、区々にわたっております。これは、各
制度の沿革、あるいは創設の
趣旨からある
程度やむを得ぬ点もあろうかと存じますが、いまやこれら
制度間における整合的調整が強く求められる時期に至っております。
政府においては、均衡のとれた公的
年金制度を樹立するため、早急に各
制度の
給付内容について調整
措置を講ずるよう十分努力することを強く求めるものであります。
以上が、本附帯決議案の
提案の
趣旨であります。
何とぞ御賛成くださいますよう
お願い申し上げます。
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昭和四十二年度以後における
国家公務員共済組合等からの
年金の額の
改定に関する
法律案、及び
昭和四十二年度以後における
公共企業体職員等共済組合法に規定する
共済組合が支給する
年金の額の
改定に関する
法律及び
公共企業体職員等共済組合法の一部を
改正する
法律案に対する附帯決議(案)
一
国家公務員共済組合法第一条の二、
公共企業体職員等共済組合法第一条の二制定の
趣旨にかんがみ、
国民の生活
水準、
国家公務員及び
公共企業体職員の給与、物価等を考慮し、既裁定
年金の実質価値保全のための具体的な対策を早急に進めること。
二
国家公務員がその身分を失った場合、その者について、他の
医療保険制度との関連を考慮しつつ、
医療給付の激変をさけるための
措置を
検討すること。
三 外国
政府職員等の雇傭員
期間を
職員期間として通算する
措置については他に就職することなく内地帰還後一年以内に公務員、
公共企業体職員等として就職した場合に限定する取扱いが行なわれているが、なお不充分であるので、
共済組合法の建前に充分配意し、合理的
措置をすみやかに実施するよう
検討すること。
四
沖繩県における
国家公務員等に係る
共済組合短期給付の掛金率については、
沖繩県における
医療制度の実情にかんがみ、その整備拡充が行なわれるまでの間、特例
措置を設けるよう
検討すること。
五 公的
年金の
給付内容については、各
制度の沿革を考慮しつつ、適切な調整
措置を講ずるよう
検討すること。
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