○阿部(助)
委員 私はそこで先ほど皆さんの自主性の問題を聞いたわけなんです、ほんとうは。皆さんが実際に貸し出す場合は皆さんの判断だ、こうおっしゃった。大きな
政策に従っているにしても、そこで実際に東京
電力なり関西
電力に金を貸す場合は皆さんの御判断だ、こうおっしゃった。そのときに、いわゆる普通の
銀行のようにただ返済が確実であるとか担保が確かであるから貸すというものではないはずなんです、皆さんの
銀行は。そうすれば、これだけの問題で、大きなウエートを持つ原子力の問題について、皆さん自体で判断をされる何ものかをやはり踏まえておられるのだろう、私はそう思わざるを得ない。それは当然のことであります。
そうするならば、たとえばの話ですが、大宮の問題にしましても、三菱は、これは
企業秘密だ、こういうのであります。これもいまの
段階では私たちそれ以上わからない。
企業秘密というのはウエスチングハウスと三菱との間の取りきめによる秘密なのか、日米原子力協定によるところからくる秘密なのか。この原子力
関係で私のいままでいろいろと調べたところによると、大体
日本の
政府も
日本の
企業もこの
内容、技術的な面に対して発表するしないの自主的な能力を持っていないのです。アメリカの原子力法にこれはみんなくくられておって、
日本では自主能力がないのです。それだけに
——アメリカのほうは広いところでなるたけ住民のいないところでこれはおつくりになっているようでありますけれ
ども、
日本の場合にはそうはいかない。私の新潟県の柏崎なんというのは、由中角栄さんの足元で、
田中通産大臣がいろいろとあっせんしたというような話で、地元ではそれはもっぱらでありますけれ
ども、土地も大体それらしいというようなことで問題になっておるわけでありますが、あれだけ人口の密集した地域のすぐわきで、ほんとうにすぐわきで、しかも一千万キロの原子力発電をしようなんということになったら、この放射能というのは一体どうなるのか。私の記憶が正しければ、冷却水だけでたしか毎日一万五千トンの第一次冷却水が要るわけであります。第一次冷却水は当然放射能を含んで、二次冷却水の海水にこれが薄められるだけの話なんです。薄められるけれ
ども、毎日一万五千トンの大量の一次冷却水が出るということは、それだけ大きな放射能が海へ流されるということなんであります。信濃川と阿賀野川とを二つ合わしたより大きな流れになって、この温度差の違う、あたたかい水が海に流れるということになれば、気象
条件も違ってくるだろうし、雪が降ればみんな放射能を含んだ雪が頭の上に落ちてくるということになってくる。そういう点での危険性というものを一体どのように皆さん認識しておられるのか。
本来ならばいままで
——いま公害問題はこれだけ大きな
日本の政治課題になっておる。ある
意味では、ある程度その元凶というか基盤をつくられたのは皆さんなんです。それをまた原子力の場合に再び繰り返しておやりになろうとするのか。そんなにこの危険なものを急ぐ必要はないのです。そんなに急いで原子力発電をしなければ
日本の民族は滅びてしまうというものでもない。急いでやることによって
日本民族が奇形児になるかもわからない。そういう危険な、重大な問題を皆さんがどの程度の認識で、
政府がこうおっしゃるからこうだといういわゆる当事者能力のないことならば、私はそれでそれなりの
質問をいたします。当事者能力があるというならば、そのいまの私の
質問に
お答えを願いたい。