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石原説明員 基準金利というものがございまして、御
承知のようにこれは市中の
長期信用銀行のいわゆるプライムレートと申しますか、最優遇金利に相当するものであります。御
承知のような沿革がございまして、
開発銀行が発足いたしまして十年くらいまでの間は御
承知のように鉄鋼、石炭、電力、海運というものに、多いときは八割以上の
融資をいたしていた時期がございます。鉄鋼あたりにつきましては世銀借款でやっておりますので、特殊な金利でございまするけれ
ども、それ以外におきましては一応六分五厘というものをベースにいたしまして、海運には
融資のほか利子補給
制度がございます。利子補給の問題は実は
財政問題でございますので、私
どものほうの金利について申し上げますと、そういうような基幹
産業を中心といたします六分五厘の率が非常に大きくあった時期があったわけであります。それがだんだん鉄鋼のほうも世銀
資金の打ち切りとともに打ち切られる。石炭のほうも近年におきましては非常に企業的にも採算の見通しが立つようなものだけに
融資するということで、これも非常に少なくなってまいりました。海運がだいぶ減ってまいりました。三十八、九年、四十年ころにかけましては、一時全
融資額の四割を占めておったことがありますが、現在は二五、六%以内になっておる。シェアから申しますとだんだんダウンをいたしてまいっております。電力もこれは御
承知のようにいわゆる重油火力、重油をたきます火力は三十七年でございましたか、やめております。石炭火力は続いておったのでありますが、これも四十五年でやめております。そのほかに重電延べ払いというものがございまして、これは大型発電機の国産化という
意味におきまして外国の大会社に匹敵するような延べ払いをしなければいかぬということで、重電延べ払い
融資ということでまいりました。これは四十五年をもって新規を打ち切り、四十六年で全部終了いたしております。
現在残っておりますのは原子力発電でございます。原子力発電につきましては、これは国産化ということはしなくてはならぬ問題でございます。いわゆる国産化
融資ということを始めまして、このほうは御
承知のように次第にふえております。ただこの
融資につきましては、本年度から六分五厘の金利を七分に上げまして、同時にまた
融資対象につきましても、よく第一次系二次系ということを申しますが、第一次系の水蒸気を発生いたしますまでの
部分のみを
融資の
対象とし、その水蒸気でタービンを回し発電をいたしますタービンジェネレーターのいわゆる第二次系の
部分は四十七年度から
融資対象としては落としました。すなわち水蒸気を発生いたしますまでのその
部分に
融資対象を限定いたしました。それでも現在のような原子力発電をふやしていかなければならぬ
状況でございますので、これはふえる。したがいまして、四十六年度あたりから原子力発電が盛んになってきたものでありまするから、やや六・五%の金額がふえてきております。大体そこまでの四、五年の間、ことに重油火力を打ち切りまして以来、私
どものほうでは電力会社から回収が二百億近くございます。それに対しまして
融資額が大体同額くらいございましたから、したがって、ほとんどふえないという
状況であります。最近におきましてまたちょっとふえてまいったという
状況でございます。したがいまして六分五厘のものの大口であります海運もシェアダウンをいたしまして、電力のほうもそういうことでシェアダウン。そういうことでございますので、かつて基幹
産業育成の当時ございました六分五厘の金利が非常に多いという事態はだんだん変わってきておるわけでございます。
ただ、それにかわりまして新しく起こりましたのは、先ほど来
堀委員お話のございました
都市再
開発の問題であるとか、あるいは公害の問題であるとか、最近の例で申しますと、たとえばパイプラインであるとかいうようなものがございまして、そういうような公共的色彩の非常に強い、したがって採算的にも非常にむずかしいもの、流通関係がそうでございますが、そういうような新しい、大ざっぱに申しますと
社会開発的要素の強いもの、それから技術
開発というものがこれまた非常に強い要請になっておりますので、国産技術
開発、あるいは電子計算機でございますとかそういうもので、新しくまたふえたものがございます。
しかし、概観して申しますと、国産技術
開発だけは六分五厘でございますが、
あとは七分とか七分五厘ということになっておりますので、六分五厘の従来のものは減少してきて、そのかわり七分とか七分五厘というものの
政策要素が非常に
多様化してまいったものでございますから、そのニュアンスに応じましてあるいは七分とか七分五厘とかいう
融資をいたしておるわけでございます。ただこれを通観して申しますと、六分五厘のもので減ってまいっておりますものが多いものでございますから、平均の融
資金利は六分七、八厘でございましたのが、いま大体六分九厘、年によりますと七分をこすというようになりまして、ごくわずかでございますが、
融資の平均金利というものは若干今日までふえてきておる、こういうことでございます。