○佐藤(観)
委員 国民的合意ということばは、非常にいいことばだけれ
ども、これは調べようがあるわけではない。
先ほど渡邊局長もちょっと言っておられたように、
一つは、日
本人は働き過ぎだという非難を受けて、そして今度ドルがたまって、国際間では不公正な競争だと非難される。こういう
一つの実体的側面がある。もちろん勤勉であることは非常に大切なことで、日
本人として誇りに思うべきことですが、それと
関連をしますけれ
ども、日本のいままでの経済政策というのがあまりにも成長第一主義であった。したがって、福祉ということが忘れられてきた。こういう面からいくと、どうしても将来とも週休二日制にしなければいけない情勢にあると私は思う。
しかもいまは、ドルの保有高が百六十四億ドルということで非常に高くなっている。ところが、アメリカの二月の貿易収支の赤字は六億ドルですか、これは月にして史上二番目という。そうすると再び、日本は単独の円切り上げを迫られるだろう。そういうような時期に日本だけが長時間労働を——長時間というとまた語弊がありますけれ
ども、他の先進国に比べて長時間の労働をしている。しかも銀行を見てみると、たしか先進国で土曜日やっているのは日本だけだ。もう一カ所どこかあったですか、とにかくほとんどないわけですね。そういう情勢ですから、経済の基盤である金融から始めていくのは必ずしも悪いことではないのじゃないか。いま松川さん言われたように、現在でも銀行法を
改正しないで、つまり土曜日は半分だけ人が出てくるというような形でやっているわけですからね。しかもいま勤務の状況なんかいろいろ聞いてみると、コンピューターが入ったことによって、逆にかなり労働がきつくなっているという数字がずいぶん出て、このごろ女の方が銀行を好まなくなったというデータもあるわけですね。そういうようなことから
考えていきますと、私は、週休二日制というものがこれから定着していくならば、まずできるところ、つまりいま土曜日三時間しか労働していないようなところからやっていってもいいのじゃないかというふうに
考えるわけなんです。
日本経済自体が、金融が経営に非常に参画をしているというか、金融主導型の部分が経営にあるものだから、そういう面では、土曜、日曜休みにしても、銀行の場合は利子がつくということで、いろいろ国民的感情の反発はありますが、松川さん言われるように、国民的合意ということばはいいけれ
ども、その機が熟するまで待っていると、いま日本の置かれている経済情勢からいって少しおくれをとるのではないか。それならばできるところ、つまり現在、土曜日三時間しか働いてないというか、銀行は表向きとしては三時間ですね、中で事務処理が二時間ぐらいあるわけですけれ
どもね。そういうことから、ラッシュのこと、その他のこと、いろいろ
考えてみて、もう少し前向きに
考える必要があるのじゃないか。
私は、あとでまた経済企画庁の方にお伺いしますけれ
ども、この週休二日制というのは、かなり画期的なことだと思うのですよ。というのは、いままでは一週間のうち一日休みだったわけですね。それが二日になるということは、パーセンテージにしますと一四・三%くらいに当たるわけです。たいへんな率の休みになるわけですよ。アメリカのいろいろな
資料を見てみると、週休三日になったことでずいぶん人生観が変わって、初めて人生が開けたなんという
報告もあるくらいですから、二日になれば、これはかなりいろいろなものの
考え方を変えなければいけないと思うのです。この辺は最後に経済企画庁の方にお伺いをしたいのですけれ
ども、そのくらいの画期的なことをやるのですから、もちろんいろいろ抵抗はありますよ。抵抗はあるけれ
ども、いま日本の置かれている経済情勢、それから成長第一主義から社会福祉優先の政治に大きく軌道修正をしようというときには、やはりやれる部分からやっていく。しかも銀行と公務員がやれば、これはかなり企業のほうにも——私はあとで中小企業庁の方にお伺いしますが、これはまた
一つ大きな問題があるわけです。その面でもう少し大蔵省も前向きに
考える必要があるのじゃないかと思うのですけれ
ども、いかがですか。