○堀
委員 実は時間がありませんから、
大蔵省の資料をいただいて、一体
関税を
引き下げた
あと輸入の状態がどういうふうになっているかということを見てみますと、大体
引き下げた
あと一回は、そのときは非常に
輸入がたくさんふえるのですが、
あとは大体横ばいになるか、逆に少し減るものが出てくる。結局これは何に関係があるかといえば、
引き下げましたときはかなり大幅な
引き下げもあるし、それを一ぺんに、いまの皆さんの指導もあるものだから、そのときはある程度それを
価格に反映する。ところがもうその次の年、その次の年となると、一般の、さっきの人件費の上昇だ、やれ何だということで、それがさっと取り去られるものだから、そこでせっかくのカーブがまた横ばいになるか、大体下がりぎみになってくるというのが、
大蔵省からいただいた資料でわかるわけです。これもある程度全体の
物価が上昇することですからやむを得ませんけれども、
関税の問題といったって知れているわけですね。さっきの自動車の場合もそうですが、一〇%まできてしまった。三〇%から二〇%へ、二〇%から一〇%へどんどん下げて、
あとゼロ、ここでおしまいですね。だから結局問題は、どうもやはり流通問題をある程度整理をしなければ、アメリカが言うような問題になるのじゃないかという気が私は強くしているわけです。
そこで企画庁の
調整局長、入っておりますね。——実はことしの経済見通しですね。
昭和四十七年には経常収支が四十七億ドル、それで
貿易収支は七十一億五千万ドルの黒、輸出が二百五十四億ドル、
輸入が百八十二億五千万ドルだった、こういうことのようでありますね。これを見ますと、
昭和四十六年の当初が実は非常に似たかっこうになっているわけです。
昭和四十六年の当初は経常収支を二十一億五千万ドルに見込みましたけれども、結果としてこれは四十六年の
実績見込みが五十五億ドルになっておる。そして
貿易収支は当初四十六億五千万ドルを予想しておったところが、これは七十五億ドルになった。輸出は二百二十八億ドルを当初見通したが、これが二百三十四億ドルでありますから、輸出はかなり正確な見通しであったと思うのでありますが、
輸入が百八十一億五千万ドルと見たのが百五十八億五千万ドル、これはちょうど四十五年の
実績とほぼ横ばいというかっこうになってきた。私はこの資料をずっと見ながら、一体この四十七年の見通しというものの中で輸出の二百五十四億ドル、あまり望ましくないけれども、いまの状態からするとこのくらいはいくのだろうと思うのです。
輸出のほうはまた、本来私は、今度の新円
対策か何かの中で輸出税という話が出ておるのですが、日本の輸出のやり方は考えなければいけませんね。——
農林省はありますからちょっと待ってください。輸出はあまり制限しないで、やはり
輸入をいかにして拡大するかというのが、私は今後の日本の経済
政策の最も
中心的な課題として据えなければならぬのじゃないか。ここで百八十二億ドルの
輸入と見通しておるのが、またもや四十五年、四十六年と同じく百六十億ドルくらいになると仮定をしましょうか。百六十億ドルになると仮定をすれば、この
貿易収支というのはここで二十二億ドル変わってきますから、
貿易収支は九十三億ドルの黒、こういうことになるわけですね。この九十三億ドルの黒というのは、はっきり言いますと、どこかが赤字になるということですね。そうなるとこれは非常にたいへんなことなんで、ここでやはり考えなければならぬ問題というのは、どうやったら
輸入がふえるのかという問題だろうと思うのです。
そこで、
農林政務次官においでいただいておりますのは、私がここで申しますことは、わが党の中でも農村関係の議員の皆さんからは異論があろうかと思うのすけれども、これまでの
農産物輸入問題というのが
生産品との関係でリンクしているといいますか、この形を続けておる限り私はなかなか
農産物の
輸入というものは実はむずかしいのじゃないかと思うのですね。私、数年前にイギリスに参りましたときに、イギリスのスーパーマーケットで
価格を見てみますと、日本の商品に比べて野菜で非常に高いものと安いものとがあるのですね。どうしてこんな高いものがあるのかと思って聞いてみると、それは英国産です、こういうのです。安いのは、全部スペインやアフリカ産。そこから入っているものはみんな安い、それはイギリスでできないものですから、こういうのです。私はそれを見ながら、
国内でたくさん農業
物資ができるということは、ある意味では先進国になったときにはたいへんに大きな負担になるものだなという感じが実はしたのでありますけれども。しかし逆な面でいえば、
国内でできることはいいことですが、
価格面ではそいう問題が起こるな
あと思ったのですけれども、今後
農林省として、
輸入問題についてこれまでの
農林省の感触をわれわれ見ておりますと、できるだけ
輸入をふやしたくないというかまえだったように思うのですね。しかし私は、いまの
輸入物資というのは農林
物資とそれから通産所管の
物資だけなんですから、どうしてももう少し食料品を含めたそうした農業商品の
輸入ということも考えないことには
輸入の全体を伸ばしていくことはできないのじゃないか、こう思うのですが、
農林政務次官、その点のお考えはどうでしょうか。