○竹本
委員 品目は四品目、またそのうち二品目どうするとかいう話ですけれども、こういうものはたてまえの問題だとぼくは思うのですね。とにかく
日本には、おまえかってなことをしておるぞと言わんばかりに責めたてるけれども、自分のほうこそかってなことをやっておる。それを
日本が黙認するというのか、了承するというのか知りませんけれども、そういう
制度の存在を許すということにぼくは問題があると思うのです。だから、これはむしろ
政府の政治姿勢の問題であります。品目の数とかなんとかいう問題ではない。たてまえとして、とにかくそういう
世界じゅうから非難もされる、
アメリカ自身もわかっておるといったような問題を、鼓を鳴らして
日本のほうから責めたてるくらいの姿勢というものがなければいかぬ。これは予算
委員会においても私申しましたけれども、どうも
アメリカに対していまだに敗戦以来の
考え方といいますか、従属とか屈従とか申しませんけれども、とにかくそういう気分が
日本には残り過ぎておる。私はあのときも申しましたけれども、
アメリカの大学教授が本を書いても、
日本は
アメリカとともに立っておるということを初め書いておるけれども、あとカンマを切って、
アメリカのうしろに立っておるといってわざわざ書いておる。あれは佐藤
内閣のために書いたのかどうか知りませんが、イット・スタンズ・ウイズ・ザ・ユナイテッド・ステーツ、カンマを入れて、ビハインド・ザ・ユナイテッド・ステーツと書いておる。
アメリカの大学教授で佐藤さんとも会った、よく
日本を理解している人がそういうことを書いておるというところに、私は単なる
ことばの問題じゃなくて、まじめに
考えますと
一つのショッキングな表現だと思ったのです。
日本は
アメリカとともに立っておるということを書いて、それから
アメリカのうしろに立っておるということをわざわざカンマを切って書かなければならぬところに、問題があると思うのですね。そういう
意味で、
関税交渉あるいは貿易の問題にしましても、もう少し
アメリカに言うべきことは言ってもらいたい、ということを感ずるわけでありますが、今度の
関税の
改正におきましても、まあ肥育用の小牛の問題でも、いままで四万五千円の
関税をかけていたやつを、今度は五千頭ばかりは割当
制度で自由に入れるということになったようですけれども、そういうことをやることによって、一体
アメリカからは何をギブ・アンド・テークでかちとろうとしておるのか、その
考え方をひとつ承りたい。
時間がありませんからあわせてもう
一つ申しますが、これは後に出てくる問題でございますけれども、物品税の問題でもそうです。国際
経済情勢の何とかとえらい長い文章で書いてあるけれども、結局われわれの直観するところでは、
アメリカに言われたから大型自動車、中型自動車の物品税を四〇%もしくは三〇%から二〇%に下げるということだけじゃないか。あの
法案は一体どこに
内容があった、それしかない。ところが
日本の国内においては、六年も前にきめた、
物価はどんどん上がっておるときに、六年前の物品税をそのままにしておくということは全くおかしい。あらゆる強い
要望が出ておるのに、そのほうは
法案としては少なくともまだ出てこない。しかし、
アメリカの言うた問題は、大型自動車の物品税を下げろ、はい下げましょう。半分だ、二〇%。
関税も一〇%を八%にしましょう。オールサービスだ。そういう
態度にわれわれは非常な不満を持つわけです。私はただ
ことばだけで激しく対米追随であってはいかぬというようなことを言うわけじゃありませんが、具体的に、
アメリカが
要望したものは直ちに
法案となって出されるが、
国民の
要望したものは一体いつになって具体的に実現するのかさっぱりわからない。そういうことでは、ビハインド・ザ・ユナイテッド・ステーツになり過ぎる。われわれは、もう少し
アメリカに対しても言うべきことは言うべきだ。
関税の問題でも、われわれはこれだけの努力をして下げるならば、その見返りとして、
アメリカがかってにやっておるものはこれだけは
改正させるといったような見通しがあるのかないのか、その辺をちょっと伺って終わりにしたいと思います。