○林(百)
委員 自治大臣が
共管の大臣になる場合もありますけれども、最も基本の
基本計画の策定と
事業許可に参加できない。しかも農地を通るから農林大臣もというような、そういう次元の問題でないのです。
自治大臣が参加することは、
消防に関しては
自治大臣が掌握しているわけなんですから、もし
事故が起きた場合
消防がどういう責任を負うかというと、非常に重大な責任を負うと思うのです。火が出た場合、あなたの
通産省のどこが行って火を消すのですか。もし
事故が起きて火が出たならば、その火を消すのは
消防庁ですよ。
通産省だって
建設省だって
運輸省だって、それはできないのです。しかも
住民が一番
心配しているのはそこなんですから、その
意見を聞かなくて
基本計画を策定し
事業の
許可をするということは、これは片手落ちだと思うのです。そういうものを参加させろということなんです。このいきさつを見ますと、いろいろの経過があったことは私も知っています。ここでその経過は時間がありませんので詳しく申し上げられませんけれども、たとえば一九七一年九月の「近代
消防」を見ますと、第二回の
消防審議会では、「前回同様審議会は、
地震に対し懸念を持つ学者グループと、経済ペースで一早く
パイプラインを
建設しようという
通産、
運輸両省とが対立した。しかし、佐竹
委員から折衷案ともいうべき、
保安、防災
体制の一元化案が出され、これが全会一致で了承された。」だから
消防審議会では相当経済ペースで早くやろうというようなことと、それから
地震に対する懸念を持つ学者グループが対立しておるということもわかると思うのです。また第一回の
消防審議会で、この問題について河角廣東大名誉教授は、「
パイプの地下埋設は、ロス
地震の例もあり、その安全性には多くの疑問が残る。自分としては、
パイプラインを敷設するならば地上に」という
意見もあった。さらに
降矢消防庁長官が特に強調したことは「
パイプラインの通過する人口集中地区では、どんな
対策を講じても
住民の反対運動は必須であり、これを説得するのは一体誰なのか。」だれが責任を負うのか。あなた方
心配しなくていいと言えるのかというんです。もしその事態が起きた場合、その事態を防止できるのだという
消防庁の最終的な保障がなければ、あなたが行って何を言ったってそれはだめですよ。だから、そういう
意味で
降矢消防庁長官も言ったと思いますが、諸
外国の
パイプライン事故の低さからその安全性を強調する
通産省の
考え方については相当の突っ込んだ質問もあった。こういうような
専門家からその安全性について質問が出されており、防災の責任を負う
消防庁長官もその安全性について非常に
心配しているわけなんです。その
事故が起きた場合、最終的な責任を負う
消防庁を行政的に掌握しているのは
自治大臣なんですから、だから
基本計画の策定や
事業許可には
自治大臣を当然入れるべきではないか。農地を通るから農林大臣というような、そういうあなたがよく答弁に言いましたような次元の問題でないと思うのです。そうして、しかも
自治大臣に諮問する場合は「
基本計画を定めようとするときは、
関係行政機関の長及び
関係都道府県知事の
意見をきくものとする。」だから「
意見をきくものとする。」というのは、
意見を聞くので足りるという
意味にもとれるわけです。
都道府県知事に
意見を聞くあるいは
自治大臣が
意見を言う。それがノーの場合にあなたがあきらめるということには必ずしもこの文面からはなっておらないわけです。現に千葉市では、「
パイプライン時代の幕あけを告げる
事業なのだから、国が早い時期にしっかりした方策を講じて臨むべきでした。
保安法規もない段階で、空港開設のせっぱつまった時点になって、千葉市という一地方
自治体に、いっさいをおっかぶされた感じ」だ。それから
消防審議会の答申も、「その運用に際しては、
関係地方公共団体の
意見を尊重し、かつ、
地域住民の協力を得られるよう
配慮すべきである。」こうもいっておるわけです。
そこであなたは、いや、
自治大臣あるいは
都道府県知事あるいは市町村長が首を縦に振らなければこれはできないですよと言ってますが、さっき松本
委員からも質問があったんですが、もうこの
石油基地をつくる
計画を中止しておる高知県の宿毛の
地域、これはもう知事は原油基地をつくるという
計画で、伊藤忠が土地買収など始めたとき漁民の反対があって中止を決定している。決定しているにもかかわらず、あなたはあなたの
田中派の
高橋英吉君の寿記念の会に出席して、私のほうで新聞に出た正確なあなたのことばをもう少し詳しく申しますと、五十万トンタンカーの
時代が来る、このタンカーを入れることのできる良港は宿毛湾(高知)、志布志(鹿児島)、橘(徳島)、陸奥(青森)だけだ、特に宿毛湾は水深四十メートルもある、原油基地をつくるには適当なところである、
パイプラインで長浜を通り、第三本四架橋を通し本州へ、さらに佐田岬から九州にも送る、公害はない、公害を理由に反対をしないでほしい。知事が中止を決定しているのに、
石油ステーションをつくることについてそこの宿毛についてどうか反対しないでほしいと言っている。あなたの言動を見れば、必ずしも地方
自治体の
都道府県知事や市町村長が首を横に振ればこれは考慮しなければいけないというあなたのことばは信用できないと思いますが、どうでしょう、これは。