○中村(重)
委員 基本的な方向としては
大臣がおっしゃるとおりですが、具体的にやれるものをびしびしやっていくということですよ。ただ、この前も資料として提出されたのだけれども、ギャンブル益金の配分が機械振興に対しましてわずかに十何%です。しかも中小
企業に対してあまり重点を置いてないということです。だからああいったような益金の配分こそ、中小
企業のようにみずから
公害防止設備ができないようなものに対して優先的に配分をしていくということでなければならぬ。
公害立法がたくさんできましたけれども、その設備をしろ、設備をしろというようなことで
企業に迫っておりますけれども、まだ
政府の態度が決定してない。私は幾つもの事例にぶつかっているのです。たとえば屠場の浄化設備ですが、食肉の排水設備には中小
企業金融公庫とか農林中金というものから融資の道があるけれども、屠場というものにはないのだ。そういったように、
公害立法はつくったけれども中身はまだ何もできてないというのが今日の実態なんです。まだ、これからいろいろ
法律を変えたり、省政令を改めていったり、規則をつくったり、そういうことをやらなければならないという
あと追いの
状態ということです。それ、やれやれと言いながら何ら融資の道を
考えていないというこの姿は、十分
大臣も検討されて、そして積極的にそうしたことが行なわれるようにされる必要がある。私どもは具体的な問題としてみずからぶつかってわかっておりますから、だからそのことを申し上げておくわけです。
時間がありませんから、先ほど
大臣が、
ストックホルムの
会議において実は
患者が出ていっているのだ――新聞をお読みになってのことだろうと思うのですが、私もいまこの新聞の切り抜きを持っているのだけれども、「例のないむごさだ、国連環境
会議「
日本の夕べ」、
カネミ患者らの姿に絶句」、この中に、長崎県が中心であります例の
カネミ油症
患者も実は行っているのです。私も、行かれるときに握手をして、十分からだに気をつけていらっしゃい、こう言いましたが、この
委員会でも、
患者が行って、
政府の今日まで
カネミ油症
患者にとってきた態度、そういうものはおそらく明らかにされるだろう、ほんとうに
日本として恥ずかしい結果になるのだということを実は申し上げたわけです。
大臣もお聞きになっていらっしゃると思うのですけれども、
カネミ油症
患者に対してどういう薬を飲ましていいかすらも、まだ何もわからないのです。治療方法が確立してないのですよ、
大臣。実は、この前
厚生省から来てもらいまして、環境衛生
局長から
答弁がありましたが、実は一億数千万円という金が出ているのだと言っている。ところが、その一億数千万円も、
患者の中を分断させるために、ある者には三十万円という金を渡しているが、渡してない者がたくさんあるというのです。治療費もみずからですよ、
大臣。
生活もできないのですよ。生んだ
子供はまっ黒い
子供が生まれる。診察のときには何もなかったようだけれども、帰ってみるとまた吹き出ものが出る。穴があくのですからね。実に何というか、そのむごさに至っては、ことばに尽くせませんよ。こういうことが放置されておるということです。
通産省としても、このことは
厚生省の所管だなんというような形でおってはならぬと私は思うのです。
企業に対するところの
責任、
指導、監督というものは、これは
通産省の
責任なんだから、もっときびしく
企業に対しても反省を求めて、徹底してそうした
患者に対するところの
生活あるいは治療のための費用を手厚くし、
患者を守っていくということでなければならぬと思う。同時に
政府も、みずから進んでそうした問題の解決に当たっていく、
患者を守っていく、一日も早くその健康と生命を守っていくという態度でなければならぬと私は思う。
患者が向こうへ行っているのだ、こういうことで
大臣はおっしゃいましたが、それだけのことばでございましたから、
大臣の心中は実はわかりません。しかし、ほんとうに
日本として恥ずかしいことではなかったのか、このようにも書いておりますが、
日本のスキャンダルだと、
公害をここまで放置している
日本の政治、社会に鋭いことばが出席をしておった人たちの中から出たということが新聞にも書いてあるのです。
大臣、これに対してどうお思いになりますか。ただ
大臣の気持ちを聞くだけではなくて、これではいけないから進んで
大臣がこの問題の解決に当たる、そしてその健康と生命を守る、
生活費も、あるいは適切な治療も一日も早くここに確立をする、そういうようなことを
大臣が進んでやるべきである。
企業に対しても反省を促して、それだけの
措置を
企業にも講じさせる、こういうことでなければならないと思いますが、
大臣の決意のほどもあわせて伺いたいと思います。