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加藤(清)
委員 対象に
関係ないとは言いませんけれ
ども、目下の
対象外の関税
委員会の何がしの連中に話を聞いたって答えが出るはずはない。この際はまだ関税
委員会の手に渡る前の問題を
政府側がどう
考えているかということを尋ねるべきなんです。
そこでお尋ねするけれ
ども、これは去年の三月バーリントンのキャラウエーが提訴した問題なのです。これはあなた御存じのとおりニクソンの金主もとです。ペプシのケンドールと一緒でニクソンの金主もとなんです。同時にインターナショナル・ウール・トレード・オーガニゼーションの世話役をやった男なんです。これがリンコルン・エンド・スチュワート
法律事務所に提訴してその
法律事務所から
政府側に渡った案件なのです。日本側としてはこれに対して、すでに御案内のとおり、経団連の顧問弁護士をやっているところのスティッツ・オフィスに頼んでいままで交渉を続けてきたわけです。私はここで心配することは、もしこれがここでアメリカの思うつぼへ追い込められますと、次に合繊に参ります。次に鉄に参ります。そういうおそれが十二分にある。日本側としてはまた鉄もそれらも同じスティッツ・オフィスにお世話になっているわけなんです。私はかつてここでこういうことを申し上げたことがある。財界の一部に、繊維ががんばっているから、それで次から次へとあれこれに
制限問題が起きてくるのだ、この際繊維さえ目をつぶってくれたら他の案件はスムーズにいくようになる、そういう攻撃を受けないで済むようになる、だから繊維は犠牲になれ、人柱になれ、こういう意見があるが、この人身御供論、人柱論はすでに私はアメリカで
関係の方々とよく話し合って、東洋哲学の中にはそのような観念があっても、アメリカにはそういう観念はありません、次々と二の矢、三の矢がつがえられるであろうということを聞いてきておりまするから、そのことをここで述べたことがある。もう一度述べます。いまここにして、これをほんとうにダンピング容疑濃厚ということで、ダンピング課税、ダンピングマージンをもし取られるようなことになったとするならば、第二の犠牲、第三の犠牲が次々と出てくる。これは明らかにあなたの総理コースに対するたいへんな衝撃になる、障害になるということを私はいまここで断言しておきます。私はあなたのような腕のある、腹のあるりっぱなまれに見る人物は、ぜひあなたの総理コースの
目的を達成してもらいたいと思えばこそ申し上げることなのです。ぜひひとつこの点は慎重にかまえて、もしなったらじゃないんです。そんなことを
考えておるときじゃない、まだそうならないのですから。もしそうなったらでなくして、そんなことをいまこちらで言う必要ない。アメリカの思うつぼになっちゃう。ならないようにいま緊急
対策をとるべきだと思うのです。当然のことなのです。
そこでお尋ねする。いままで日本側が相手国に対して弁明をしている案件がたくさんございます。本件についてその弁明の案件は
一つもいれられておりません。しかも相手方の要求は、先ほどあなたからの話もございましたように、全部アメリカベースの話なんです。二国間の貿易を行なうのに、二国間のコストを
調査するのに、なぜ日本の慣習が認められずにアメリカの慣習どおりにいかなければならないのか、私にはわからぬことなんです。確かに日本ではある
程度高く売られ、アメリカへは安く売られておるという向きはあるかもしれません。しかしこんなことは日本製品だけじゃなくてへたとえばジョニーウォーカーは特にイギリスだったらこれは千円
程度のものなんです。ジョニ赤だったら五百円
程度のものなん下す。それが日本においては五千円に売られる。ジョニ黒は一万円に売られておる。だからというて、小売りで売られているのが日本は非常に高い、だからそれと同じ値でアメリカに売らなければならぬという義理合いは、世界の国際法の中にも、商習慣の中にもどこにもないはずなんです。なぜそのくらいのことが向こうに反駁できないのですか。したとおっしゃるなら、何を反駁したか言ってください。しなければしないで、それじゃ私は、この問題はどう、この問題はどう、こう聞いていきますから……。