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1972-04-05 第68回国会 衆議院 商工委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月五日(水曜日)     午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 鴨田 宗一君   理事 浦野 幸男君 理事 小宮山重四郎君    理事 進藤 一馬君 理事 橋口  隆君    理事 武藤 嘉文君 理事 中村 重光君    理事 近江巳記夫君 理事 吉田 泰造君       稲村 利幸君    小川 平二君       大久保武雄君    北澤 直吉君       左藤  恵君    坂本三十次君       始関 伊平君    塩崎  潤君       田中 榮一君    羽田野忠文君       八田 貞義君    前田 正男君       松永  光君    山田 久就君       石川 次夫君    岡田 利春君       加藤 清二君    田中 武夫君       松平 忠久君    岡本 富夫君       松尾 信人君    伊藤卯四郎君       川端 文夫君  出席政府委員         通商産業政務次         官      稻村左近四郎君         通商産業省鉱山         石炭局長    莊   清君         中小企業庁次長 進   淳君         運輸大臣官房審         議官      見坊 力男君  委員外出席者         参  考  人         (石油開発公団         総裁)     島田 喜仁君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ――――――――――――― 委員の異動 四月五日  辞任         補欠選任   中谷 鉄也君     楯 兼次郎君 同日  辞任         補欠選任   楯 兼次郎君     中谷 鉄也君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  石油開発公団法の一部を改正する法律案内閣  提出第三七号)  石油パイプライン事業法案内閣提出第一〇  六号)      ――――◇―――――
  2. 鴨田宗一

    鴨田委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  先ほどの理事会で御協議願いましたとおり、石油パイプライン事業法案の審議のため、参考人出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鴨田宗一

    鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選及び出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鴨田宗一

    鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  5. 鴨田宗一

    鴨田委員長 内閣提出石油開発公団法の一部を改正する法律案及び石油パイプライン事業法案の両案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田利春君。
  6. 岡田利春

    岡田委員 私は、初めに国内石油資源開発の問題にまず触れて御質問いたしたいと思います。  すでに、第四次五カ年計画昭和四十五年度を初年度として、今年度は三年目を迎えておるわけです。しかし、国内石油開発政策は従来の政策と比べて、そう画期的なまた前進的な政策というものは出されていないわけです。いわゆる基礎ボーリング及び試掘ボーリングに対する補助金、この二点を軸にして国内石油開発に処しておるわけでありますが、しかし、私の調べたところによりますと、基礎ボーリングはこれは国庫において負担をし実施をするボーリングであるわけです。もちろん一〇〇%これを見るということになっているわけですが、実際しかし、今日行なっている基礎ボーリング実績等から判断いたしますと、そのボーリングの結果、相当の赤字が出ている。このことは、基礎ボーリングに対する基礎的な基本的な考え方からいって改善されるべきではないのか。さらにまた、試掘ボーリングにつきましても五〇%の探鉱補助金を出すというたてまえになっておるのでありますが、実勢的にこれを分析いたしますと、実際は平均三〇%にとどまっている、こういう内容になっていると思うわけです。  昨今、石油開発の問題が非常に内外を通じまして注視を浴びておるわけでありますけれども、その技術的な主体である国内石油資源開発についても、やはり注意深く目を向けてまいらなければならないと思うわけです。したがって、今回公団法の改正が提出をされておるわけですが、国内政策については一体いまのままでいくという考え方なのか、あるいは改善しようという考え方があるのか、あるいはさらに何らかの形で政策追加を検討しておるのか、この問題についてまずお答え願いたいと思います。
  7. 莊清

    莊政府委員 国内天然ガス資源等開発補助金の問題でございますが、昭和二十七年以来、石油及び可燃性天然ガス資源開発法に基づきまして補助金交付をやってまいりまして、四十六年度までで約百億円の実績があろうかと存じます。四十七年度以降も、御案内のように石炭石油特別会計石油勘定から企業に対して補助金交付するということで、六億円の予算が四十七年度提案されておるわけでございます。ただ御指摘のとおり、この補助金につきましては、その実際の補助率としては五〇%を下回っておるのではないかという点が確かにあろうと存じます。現在の交付規則では、深度が八百メートルまでの場合それから三千八百メートル以上の場合というふうなことで、その間を全部で五段階に切りまして、浅いものには一メートル当たり単価が安い。それから深いものには一メートル当たり単価が高い。当然でございますが、それぞれ規則できめられておりますが、長年やっております間に、現在の予算頭打ち単価というものが、確かに御指摘のように概算でも二、三割方は実際のコストよりも低くなっておりはせぬかというふうに思っております。私どもこういう問題意識を持っておりまして、財政当局とも話はいたしておりまするが、残念ながらまだ四十七年度予算ではこの点の改善が実はなされておりません。今後はこの補助金額につきましても、また資源開発見地から増加の必要もあろうかと存じます。そういう問題とからめまして、やはり国内資源開発という点からこれを強化するという姿勢で取り組みたいとかように考えております。
  8. 岡田利春

    岡田委員 この対象会社石開及び帝石二社であるわけです。昨年あたり探鉱試錐実績等を見ますと、もちろん深度は深くなっておりますけれども、本数では十年前に比較すると三分の一ぐらいに減っている。そういう意味では予算の組み方、並びにこれに対処のしかた、こういう点について再検討すべきではなかろうか。それと同時に、私はこの機会に、では一体こういう補助制度をとっておりますけれども帝石及び石開の今日の経営内容、成績というものは、通産省としては一体どのように把握し、受けとめておるか、この点を承っておきたいと思います。
  9. 莊清

    莊政府委員 帝石につきましてもこれは歴史の古い会社でございまして、国内において主として事業を行なってきたということでございますが、現在は大陸だなの石油開発、これにも乗り出しておりまするし、また遠くはアフリカのナイジェリア方面にまで、関係企業との提携という形で石油探鉱に乗り出しておるということで、事業としてはやはり資源開発というところに徹しまして前向きの経営方針で臨んでおるということでございます。それぞれのプロジェクトに対しまして国としても石油公団を通じまして所要の助成を行なっておるわけでございますが、やはり国内相当歴史があるだけに、相当優秀な技術者を持っておるこれは貴重な存在ではないかというふうに考えております。やはりこれを一つの柱にいたしまして、必ずしも経営内容良好とは思っておりませんけれども、やはり蓄積もございますので、今後はこの経験を生かして育てていくという姿勢で臨みたいとかように考えております。
  10. 岡田利春

    岡田委員 旧SK公団事業本部でありまして、これを法律に従って三年以内に民間に委託をする、分離をするということが石油開発公団法の制定にあたって定められたわけです。その後今日の石開が設立をされておるわけですが、この石開は一体民間会社なんですか、あるいは特殊法人に準ずる会社なんですか、どう性格づけをしたらよろしいでしょうか。
  11. 莊清

    莊政府委員 企業でございますからやはりそれぞれの歴史を背負っておるということは当然だと存じまするが、申すまでもなく、かつてのこれは政府機関でございまして、これが分離をいたしまして通常の私企業としてやっていくという基本方針でやっておるわけでございまするが、資本構成の面におきましては、まだ相当政府系統からの出資が非常に多いという過渡期的な存在だろうと思います。これが政府機関民間機関かということであれば、法律上は明らかに民間のものである。石油開発公団はいろいろなところに開発プロジェクトに対して出資いたしておりますが、資本構成の面からいえばちょうど石油資源開発に準じたような形の開発主体というものがほかにもあろうかと存じます。ただ歴史がございます。ここにもやはり国の事業として行なわれておった時代からつちかわれた技術者というものが帝石と並んで豊富にある。ほかの開発企業と比べますと相当な格差があるくらいの蓄積があるという意味におきまして、やはり国としては一つの柱として今後開発を担当させるということが方針でございます。
  12. 岡田利春

    岡田委員 純然たる公団子会社、しかし資本金は百四十二億八千九百万ですか、ですからこのうちに大体九十億程度国資が入っておるはずです。私はそういう意味において、前の法律の立て方からいえば三年内に民間会社に移行するのだ、それには無理があるとわれわれは指摘をいたしておったわけです。むしろ公団子会社にすべきではないのかというような意見を述べたのでありますが、いやあくまでも民間にこれは分離をするのだ。では、いま局長答弁されましたけれども、この公団子会社である石油資源開発株式会社は今後民間にこれを移譲するという考え方があるのか、あるとするならば当然もうプログラムがきまっていなければならぬと思うが、この点はどうか。
  13. 莊清

    莊政府委員 私の承知しております限りでは、たとえば公団が持っております株式民間に競売で売るとか、こういう計画があるとは承知いたしておりません。石油探鉱開発というのはたいへんなリスクマネーの要る仕事でございますから、先ほども申し上げましたとおりそれぞれのプロジェクトに分かれてはおりますけれども民間資本で一応できた開発株式会社に対して、政府というものの大幅な助成がますます要請されておる昨今でございます。資金需要SKの場合、今後とも非常に大きいだろう、かように考えますので、しいてこれを民間譲渡しなければならぬということはないのではないか。ただ、あくまで企業としての経営責任というものは民間企業としてのあり方、これにおいてひとつ合理性に徹して、国から切り離した形で他の企業と同様の考えでやってもらう、こういう考えで切り離されておる、かように考えております。
  14. 岡田利春

    岡田委員 いまの局長答弁では非常に問題点があると私は思うわけです。しかし、そのことを議論することが本質でありませんからそれ以上の具体的な議論はやめますけれども、これからそれに関連して順次質問する中で考え方を確かめてまいりたい、こう思います。  私は、当時旧SK不良資産が六十億程度ある、こう指摘をしました。そんなにないという答弁でありましたけれども、その後非常に経営は順調にいきまして、毎年不良資産の消化を順調に行なって、大体あと十億、これが消化できればほぼきれいな会社になる、こう私は見ておるわけです。一方帝石の場合もいま収支が黒字になりましたが、しかし膨大な負債の借金を払っている、利子を負担しておるという面で、これが今後近い時間に急速に経営内容が好転するということは、なかなかそう理解はできないわけです。いずれにしても、今日生産する石油及び天然ガスによってまあ一応小康を保ちつつ経営体制が築かれている、こう私は実は見ておるわけです。  そこで、なぜこの問題をお聞きするかということは、すでに石開は新しく日本海洋石油資源開発株式会社をつくって、一方出光日本海石油開発株式会社、これは出光興産の子会社でありますけれども、これをつくって、いま大陸だなの開発着手をしているわけです。報道されるところによれば、阿賀野川河口沖合い試掘号井では従来の国内最大油田を上回るだろうといわれる大規模プロジェクト開発されつつあるわけです。そこで、この日本海の大陸だなの開発をする場合においても、石開石開子会社をつくる、もちろん鉱区等関係もあって出水も子会社をつくって、そしてこれに公団が半分ずつ出資をする、こういう中でいまこの大陸だなの開発着手をいたしておるわけです。いわば、さらにまた子会社をつくっているわけです。言うならば公団子会社、その次の孫会社、これが日本海洋石油資源開発会社であり、海外ではジャペックス・オーストラリア、ジャペックス・カナダ、こういう石開子会社があるわけです。そういう関連からいって、また昨今の国内開発内容等を検討いたしますと、いますでに開発されている石油天然ガスのライフがあるうちはある程度順調にいくのですが、それが量が減ればそれだけ経営内容が苦しくなっていくのではないか。それを上回る国内開発というものはなかなかむずかしいのではないか、私はこう考えざるを得ない側面があると思うわけです。そうしますと、この帝石の建て直しあるいはまた石開そのものの将来等考える場合に、少なくとも目の前にある大陸だなの開発について、企業が全然分離をされてしまうという形がそのままとられてしまうとするならば問題があるのではなかろうか。もちろん公団出資をしている出資額については、将来営業に移る場合には現在それぞれ出資している会社株式の比率でこれを日本海洋石油資源開発株式会社譲渡をするという考え方なのか、あるいは出光日本海石油開発株守会社譲渡するという考え方なのか。譲渡されて営業段階に入った場合には、この開発会社と石間の関係、あるいは今後おそらく直江津でも開発が進められようとしておる帝石の場合でも、そういう段階になれば帝石と一緒にこの企業を合同させていくという展望なのかどうか。その点が私はきわめて不明確だと思うのでありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  15. 莊清

    莊政府委員 帝石とか石油資源開発株式会社の場合もさようでございますけれども、現在の日本海外におきます原油開発プロジェクトというものは、それぞれのプロジェクト投資会社というものが結成されて、それぞれ関連企業がそれに対して出資を行なって共同事業として行なうという形に相なっております。それに対して石油公団政府の立場から出資をさらに行なうということでございます。数が非常に乱立いたしまして非常にばらばらではないかという御批判がございまして、この点につきましては、私どもも、たとえばグループごと統括会社の結成というようなことが望ましい方向であるということで、少しずつではございますが、その方向に向かって業界を指導し実績を出しつつあるという段階でございますが、やはり危険の分散という見地から一つ理由がございまして、それぞれのプロジェクトごと企業をつくるということを通じましてリスク分散ということを行なっておるという面も事実としてあろうかと存じます。したがいまして、石油資源開発会社なり帝国石油の場合におきましても、同様のような理由から帝石あるいは石油資源開発会社に協力するような形で出資をする、出資者であるところの油のユーザー関係業界等の希望といいますかビヘービアもございまして、現在のところは国内大陸だなについてもやはりプロジェクトごとの別会社というものがつくられているというのが実は実情かと存じます。それにつきまして、政府出資をしておる場合、これが成功すればこれは非常にけっこうなことでございまして、その場合には資金の回転の問題もございましょうし、また政府助成姿勢というものが、少なくとも現在までのところは一番リスクの高いところをめんどうを見ようということでございましょうから、現在の時点の判断としては、やはりこれは一応民間に適正な価格譲渡をして、回収した資金をまたリスクマネーとして、次の新しい探鉱資金として他のプロジェクトに回していくというのが現時点までの考え方でございます。
  16. 岡田利春

    岡田委員 私は、海外開発及び大陸だなの開発プロジェクトごとにそれぞれの会社がつくられておるのは承知をいたしておりますが、帝石及び石開の場合には歴史的にこの二社だけがいま国内石油資源開発を行なっておるわけです。それ以外の会社はその実績を持っていないわけです。そのもとをただせば、帝石が一社、国策に従ってSKができて、鉱区の分譲を行なって二社になった、こういうことでございますから、その点の事情を十分勘案をしなければ、ほかの場合と同一視することは非常に問題があるのではなかろうか。ということは、陸上が枯渇すれば当然大陸だなの開発に重点が向いていくわけですから、したがって出資している親会社出資をされた子会社大陸だなの開発会社との関係を、長期的な視点に立ってこれを調整していくということが帝石及び石開の場合になければならないのではないか。ですから、日本海洋石油資源開発株式会社石開子会社であると同時に、これに対して公団から出資をいたしておるわけでありますから、その金は資本的には非常に似ているわけです。六割強とにかく公団の、国の資金資本として石開には入っているわけです。そして石開公団からこの新会社出資している。いわばこの会社はほとんど国の資金で運用されている会社だ、こう言って過言ではないわけです。したがって、その関係をやはり整理をしていかなければ、私は将来問題を残すのではないか、このように考えるわけです。ですから、石開及び帝石について、大陸だなを開発する新しいプロジェクトに対する新しい子会社がつくられた場合には、ほかの会社同列で取り扱う、同列で常に問題を処理をしていくという考え方は間違いではないか、やはりこの二社については考え方を変えておかなければならないのではないか、そして国内開発を進めておる会社大陸だなを開発する会社、この関係が、結局帝石石開の将来の任務が果たせる体制焦点を合わしていくということがなければならないと思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。
  17. 莊清

    莊政府委員 わが国大陸だなの開発と一言で申しますが、たとえば島根県の沖合いで、これは特に政府資金は入っておらないと思いますが、三菱グループがシェル共同でやっておる。シェルが入っておりますけれども、そこで出た原油というものは、当然にシェルわが国で大きな石油事業をやっておりますので、すべて一滴残らず国内で使われるということは、この事業が始まる前からもう明確になっておるわけでございます。幸いに御指摘のとおり、国と非常に歴史的にもつながりが深かった、そして現在でも資金的に非常に密接な関係にあります二社というものがございまして、これが従来から国内資源開発をやっておりました関係もございまして、わが国民間企業の中では、大陸だなにこの二社が大体代表選手としていま出つつある、あるいは東シナ海等でも非常に積極的に努力をしつつあるということでございます。これはこれでやはり結果としては大陸だなという問題の特殊性から考えまして、この事実というのはこれでよかったことではないか。いわゆる民族系資本として大陸だな開発にとにかく先べんをつけて実績をだんだん出しつつある、この実態というものはこれは政府としても大切にして育てていくという考え方で今後とも対処をする、善処をいたしたい、かように考えております。
  18. 岡田利春

    岡田委員 国内石油資源開発には、私は、政府二つの面からこの企業を温存し、開発任務に当たらせるという政策をとってきたと思うのです。一つは先ほど申し上げました試掘ボーリングに対する補助金政策一つは採出した原油の引き取り価格、この二つの面で私はささえてきた、こう思うわけです。最近国内原油の引き取り価格も、帝石の見合いでこの価格が漸次低落をしているわけです。しかし国内原油は、御承知のようにサルファ〇・一%の優良原油であります。今回伝えられるところによれば、この一日からインドネシア原油値上げ問題が出てまいりまして、これは一方的に二二・八%値上げをする、こう通告されておるわけです。そういたしますと、今度インドネシアが四月一日から二二・八%の値上げを一方的に行なう、その場合の原油価格と、現在の国内引き取り原油帝石及びSKから引き取る原油価格値差というものは、ほとんど変わらなくなってくるのではなかろうか。これらを試算した場合には、いままで政策的にきめていた国内原油価格と、今度新たに値上がり分を含めたインドネシア原油の引き取り価格、この点は一体どの程度の差になっていくのでしょうか、承っておきたいと思います。
  19. 莊清

    莊政府委員 大陸だなの石油で、最近第一号ともいうべきものが阿賀野川沖で発見されたわけでございますが、〇・一%というふうな非常に低硫黄のものであったと聞いております。ただ、まだ一本目の試掘井が成功したという段階でございまして、どれだけの広がりを持った、またどれだけの量のある油田であるかということは、今後追加投資、つまり探鉱をさらに続けまして、詳細な調査をするということが必要な段階になっております。全体のそういう探鉱資金なりあるいは開発資金、これは近くでございますからあまりかからないんじゃないかと思いまするが、もしも相当規模な、大きな油の量の油田が確認されました場合には、これは非常に企業としても楽しみと申しますか、採算のいい大陸だなの油田というものが生産可能になる、こういうふうに見通されるわけでございまするが、現在のところそういうあたりの見通しが明確ではございません。明確ではございませんが、輸送コスト等考えれば、これは明らかに裏日本製油所を使う限りにおいては圧倒的に有利であろうと申せると思います。  ただ今後大陸だなで発見されるであろう石油原油につきましても、やはり日本に近いというだけではなくて、どの程度のまとまった量のものがあるかということが、そのコストに対して非常に大きな影響を及ぼすのではないか。小さなものが分散してある場合と、相当大きなものが一カ所でもまとまってある場合と、産油のコストとしては非常に大きな差が出てくるのではないか、こういうふうに考えております。
  20. 岡田利春

    岡田委員 私は今度の阿賀野川河口沖合い原油が〇・一%だ、こう焦点をしぼって申し上げておるのではなくして、国内産の原油サルファ〇・一%が常識であり、大陸だなもすべて〇・一%程度であろうというのがほぼ地質学的に常識化されておるわけです。そういたしますと、インドネシアが一方的に、昨年以来今度は三度目になりますか、ミナス原油をはじめ次々と値上げを行なってきておるわけです。しかもその八〇%はわが国が引き取り、その二〇%はアメリカが引き取っているわけですから交渉の余地はない。一方通告で終わりというのがいままでの実例でもあるわけです。したがって、私が聞いているのは、政策的に定めた国内原油の引き取り価格と、今度のインドネシアの十三・八%引き上げられたそのわが国が引き取る価格との値差は一体どうなっていくのか。さらにインドネシアの低硫黄原油というものは、毎年毎年上がっていく傾向にあることはもう間違いないと思うわけです。そういう意味では、従来定めてきた国内原油の引き取り価格政策価格ですね、これはもうこのままずっと据え置いていくのか、そういう関係で調整をむしろ積極的にするのかという問題がやはり当然考えられなければならないのではないかと思うわけです。そういう傾向を一体どう見ているのかということをお聞きいたしたいし、そういう中から大陸だな資源開発の戦略的な新しい構築をしなければならないのではないかという意見を私は持っているわけです。その点はいかがですか。
  21. 莊清

    莊政府委員 低硫黄原油というのは、わが国全体として見ました場合には非常に需要が強いわけでございまするから、これは輸入のものにつきましても、また大陸だなから出たものにつきましても、これは貴重品でございますから、ことさら安い価格大陸だなのものは国内で売らせなければならないということには非常に限界があろうかと思います。石油開発企業の体質の充実ということは、世界のメージャーとわが国を比べた場合には非常におくれておる点でございますから、そういう点への配慮というものも国の政策としては同時になければならぬだろうと思います。ただ、セキュリティーという点から言いまして、大陸だなの石油というものはわが国にとって非常に大切なものでございますから、コストがかりに、逆の場合でございますが、若干高くても、良質かつ豊富なものが発見された場合には、国としてそれが放置されないような形、資源化するような政策こそむしろ大切な方向ではなかろうか、こういうふうに考えております。
  22. 岡田利春

    岡田委員 インドネシア硫黄原油のこれからの価格の動向の見通し、国内原油価格はわかっておりますから、これをひとつ別に資料としていただきたいと思います。  そこで、先般当たりました阿賀野川河口沖のプロジェクトは、いまの油圧傾向からいって一油井当たり日産大体千バーレルぐらい見込まれるのではないかといわれているわけです。したがって、将来このプロジェクトが二十本の油井を掘って、三層で平均で日産千バーレル出ると仮定すれば、これは二万バーレルという数字になるわけです。いま、インドネシアのスマトラ石油会社ですか、これはもう生産されておりますけれども、大体日産三万バーレル、こういわれているわけです。アラ石は日産三十二、三万ですか、三十四、五万になっておりますか、この程度といわれているわけです。すでに海外でこの開発の成功しておるのは二社でありますから、そういう意味で、スマトラ石油株式会社に比較をすると、想定されている今度のプロジェクトが、二十本の油井で、もし平均千バーレル出るとすれば、ほぼインドネシアに次ぐプロジェクトになるということに位置づけができるのではないかと思うわけです。しかも、どちらも低硫黄原油であるという面から考えて、大陸だなの開発というものについて、この公団法の改正にあたって、むしろこれを重点的に積極的に推進をするという姿勢が打ち立てられなければならないのではないか。今度帝石では直江津沖のプロジェクトにかかるわけでありますけれども、そういう積極的な姿勢がなければならぬのではないか。まして価格の値上がりの動向等から考えても、わが国は、大陸だな資源の積極的な開発姿勢、こういうものを従来の方向を見直してあらためて位置づけする必要がある。今度は投融資が特別会計で行なわれてまいりますけれども、その場合といえども大陸だな開発を特に優先的に位置づけるという姿勢があっていいのではないか、こう私は考えるのでありますけれども、その点はいかがでしょうか。
  23. 莊清

    莊政府委員 そのとおりであろうと存じます。今回の石油開発公団法の改正では、特に表向きそれが条文の上でどこそこに出ておるというわけではございませんが、特別会計の運用の姿勢といたしまして、そういうことはぜひ堅持すべき政策だろうと考えております。
  24. 岡田利春

    岡田委員 そういたしますと、現在わが国では公団が第二日竜号を建設して、この第二日竜号で今度の試掘ボーリングを行なったわけです。ところが、この第二日竜号は七年償却ということを前提として組まれている。したがって一日百八十万円で賃貸をいたす仕組みになっていると伺っているわけです。私は、この第二日竜号が一日百八十万円で賃貸しているというのは、もしこれと同じようなものを外国の企業から賃借をした場合というそういう前提で計算をした場合に、これは一体高いのか安いのか。わざわざ曳航して持ってきてそして借りて使った場合に、この価格より高いのか安いのか。七年償却という根拠は一体どういうところに根拠を置いておるのかという点について伺っておきたいと思います。
  25. 莊清

    莊政府委員 世界で現在二百隻以上の海洋掘さく船というものがあるようでございますが、第二日竜程度以上の性能を持ったものというのは、隻数からいってそれの一割とか二割とか、非常に限られたものだと聞いております。一日百八十万円の貸し付け料というのは一体どういうことかというお尋ねでございますが、この白竜号は公団に対する政府出資というような形の金でつくられておる資産でございますから、当然に料金を取って貸していくということに相なろうかと思います。もちろん、法律の上でではございますけれども、これは公団の業務の中ではっきり探鉱に必要な機械の貸し付けということでうたわれておるあの事業でございまして、あの業務に関する十九条でございますか、あの規定がすべてそうでございますように、やはり民間の足りないところを政府が適切な援助をするという精神に出た業務の一環でございますから、適切な価格でなければいけませんが、なるべく安いということが筋としては正しい考え方であろうと当然に私どもは思っております。  ただ、その経緯でございますが、第二日竜をつくりました当時、四十六年の初めにできて、これは二年ほどかかってつくったそうでございますが、まだ公団も、現在でもそうでございましょうけれども、その資金というのは豊富ではなかったというふうなことから、悲しいことでございますが、なるべく回転はおそいよりも早いほうがいい、あるいは技術革新が非常にございますから、十分な調査はいたしておりませんが、外国のこういう切削作業を専門にしておる請負の会社、こういうのが多数あるようでございますが、五年ぐらいの償却でやっておるのではないかという情報もございます。それで、船の性能等にもよるかと思いますが、借りた場合には一日一万ドルでは済まない、たいへん高いものであるらしいということも、ちょっと小耳にしたことがございます。したがいまして、そういうものに比べますと、公団の場合に必ずしも高いとはいえないかもしれません。ただし、最初に申し上げましたとおり、公団法第十九条の業務の一環としての貸し付けでございます。日本の国にはまだほとんどないわけでございますから引っぱりだこで使われておるということでございますから、今後はやはり公団の資卒源の充実とにらみ合いまして、こういう船も、できればもっとふやすのが政策であろうし、それからまた償却の期間ももう少し短くする。これを補助金とか交付金のような形で、ただででも使わせていいような形で持たせるまではまだ財政も許さないかと思いますが、できる範囲で、資金源の充実と見合って、それを合理化していくという方向考えたいと思います。
  26. 岡田利春

    岡田委員 第一白竜号は建設されて今日十五年目を迎えておるわけです。アラブの航海に行って、いま休んでおるわけですか――働いているわけですね。十五年たっておる。それはもちろん改造もされておるでしょう。第二日竜号は九千メートル掘るというのですから、画期的な船であることは間違いない。しかし私は、先ほどから述べておりますように、大陸だなの戦略的な開発の位置づけ、特にローサルファ原油、それとインドネシアのローサルファ石油価格が急上昇にのぼってきておるというこの環境、こういうものを考える場合に、やはりそういう開発政策というものを、たとえばいまの第二日竜号の問題についても明確に位置づけていく必要があるだろう。それと同時に、すでに大陸だなに重点が移ってまいりますと、第二日竜号一隻ではもう不十分ではないのか、すみやかに第三白竜号を建設するという姿勢がもう打ち出されていいのではないか、こう私は積極的に考えてまいらなければならないと思うわけです。そういう意味で、第三白竜号を昭和四十八年度の予算で要求する意思があるかないかという点について承っておきたいと思います。
  27. 莊清

    莊政府委員 これからの海洋石油開発ということは、石油資源開発の中核になろうと存じます。これは大陸だなだけでなくて、海外、いわゆる外国におきましても、主要なプロジェクトというものが漸次海洋に移行していくということはもう既定の事実でございます。  そこで白竜号規模のものがわが国として一隻しかないということは、やはり若干さびしいというか問題だろうというふうに思います。ただ四十八年度の予算でという具体的なお尋ねがございましたけれども、御趣旨は私ども同感でございますが、はたして四十八年から直ちにそこへ踏み切れるかどうか、これはまだ何ともちょっと申しかねますが、方向としてはやはり技術の革新もございましょう、数も一隻では確かに不十分だと存じます。資金の状況をよくにらみながら、何らかの方法で、これのあと第三白竜など、これを国産新技術で極力開発をするというふうなことを念頭に置きながら今後よく検討をしていただくということで御了承いただきたいと存じます。
  28. 岡田利春

    岡田委員 四十八年度の予算要求で――第二日竜号建造まで二年かかった、そうすると四十八年、四十九年、したがってこれが動くのは昭和五十年ということになるわけですね。そうして政府は一方、昭和五十五年、昭和六十年を展望しながらわが国石油開発方向を定めて、この石油開発公団法の改正が出されておるわけです。私はそういう点から考えて、さらに第三白竜号の建設というのは、そういう意味では、タイミングとしてはもう当然昭和四十八年度から予算を要求してこれにかからなければならないタイミングではないか、こう思わざるを得ないわけです。ですからこれから検討する期間はまだあるわけでありますから、そういう積極的な姿勢でぜひ臨まなければならない、こう思うわけです。  それで船が建造されればこれはもう引っぱりだこになることは目に見えているわけですし、そういう意味で今度の阿賀野川河口沖合いの問題についても、これはどんどんボーリングしていくわけでありますから、最終プロジェクトが固まるまでには相当な年数がかかる。したがって、ここに独占されるような形態にもなっていきかねないわけでありますから、そういう意味でぜひそういう積極的な姿勢を確立願いたい。日本海の大陸だなとの関係でありますから、この際政務次官からこの面について意見を承っておきたいと思います。
  29. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)政府委員 御指摘の掘さく船の建造の問題については、前向きに検討いたしたいと思います。
  30. 岡田利春

    岡田委員 今度石油開発公団法の改正が出されましたが、この公団法の改正をするという政府大陸だなを含めて海外石油資源開発の戦略的な構想は一体何なのか、この点だけ明快にこの機会に説明願いたいと思います。
  31. 莊清

    莊政府委員 従来わが国は大量の石油を消費する国でありながら、精製産業のほうがかろうじて外資法なり石油業法の運用ということで、ヨーロッパのたとえばドイツ等と違いまして、国内の精製規模の約半分、したがって国内マーケットの約半分というものは民族資本ということで何とかキープをするという政策が一応成功した形に相なっておりますが、六〇年代を通じまして原油価格というのは世界的に年々下がってまいったという状況のもとで、もっぱら輸入に依存する形で対応してきたというのが実情でございます。  今後わが国として、資源開発の一環として特に原油開発に積極的に乗り出すべきだという戦略的なという御質問でございますが、特に私ども戦略というふうなものではございませんで、これはもう世界の原油の需給というものはいろいろ見方はあるかもしれませんが、長期的に見て、たとえば十年タームで見た場合に、明らかに七〇年代は六〇年代よりも、八〇年代は七〇年代よりも、やはり消費の伸びとそれから資源の新規の発見量とのバランスというものがミートしてこないというところから、世界的にやはり石油の供給というのはタイトになる、それを背景として、価格というものもおそらく強含みでずっと推移するであろう、こういうふうに見ておるわけでございまして、やはりわが国の経済あるいは社会というものにとって、当分の間石油というものが不可欠であります以上、わが国としても、ここまで国力がついた場合にはこれはやはり世界の全体の石油資源というものの発見、開発ということに対してわが国が積極的に参加をし、それを人類共通の資産としてふやしていくということに努力をすべきである、かように考えておることが基本でございます。また、こういう姿勢で臨むことを通じまして、初めて石油のいわゆる供給不安というものの根本が少しでも是正される、それによって国内にあまり資源のない、しかも大量に消費するわが国としては、エネルギーのセキュリティーの見地からも一つの安定的な要因になる、これがわが国石油開発に取り組むべき基本の姿勢であろうと思います。
  32. 岡田利春

    岡田委員 日本資源政策というのは、主張はあるけれども、確固たる政策がない。主張に向かって一体どう確保するかという戦略的な構想、そういうものが構築されていないという弱点があるわけです。これは単に資源開発のみならず、経済協力についても言えることなんです。戦術があって戦略がないわけです。私はこの公団法の改正案を見て、これは戦術はあるけれども戦略が欠けている、こういう感じを、公団法改正の思想を読み取りながら、率直に感じました。その点が非常に私は遺憾だと思うのですが、以下これに関連して質問してみたいと思います。  これからの世界の石油の消費動向というのは、年率、現在イランで産出している産油量に匹敵するだけ伸びていく、こういわれておるわけなんです。たいへんな伸びを示している。そういう中で、しかも最近のOPEC等の動向から判断をして、いまわれわれの石油資源開発というものは、安定及び低廉という二つの主張を掲げてきたけれども、一体これからは安定供給にむしろ重点を置いて考えていくのか、それとも従来と同じように、六〇年代のように、安い石油を使ってきたそういう流れの上に立って、やはり安定と低廉というものを完全に両立をさせていくという視点に立つのか、ここのきめ方がこれからの石油開発の戦略上非常に私は重大だと思うわけです。一体政府はこの石油資源開発にあたって、安定供給というものにウエートを置いてものごとを考えておるのか、六〇年代の流れのように安定供給かつ低廉な石油資源の確保――もちろんその低廉ということは望ましいことであるわけです。私はこれを全然否定するという考え方ではないのでありまして、ただ今日の国際的なな環境から判断をしますと、これからの石油資源開発は、安定供給というところに大きな重点を置いて、そちらのほうにウエートをよけいかけて、そして石油資源開発に臨むべきだというのが私の意見でありますけれども、この点についてはいかがですか。
  33. 莊清

    莊政府委員 全く私どもも同様に考えております。
  34. 岡田利春

    岡田委員 そこで、先般田中構想で発表があったわけですが、昭和五十五年度のわが国石油消費量は五億一千万キロリットルないし五億五千万キロリットル、そして従来の戦略である三〇%を確保するとすれば一億六千万キロリットルになるわけでありますが、田中構想では昭和五十五年までこのうち一億三千万キロリットルをわが国開発で確保する、そして現在のプロジェクト昭和五十五年には大体その生産量は三千万キロリットル程度であろう、こう予測をしておるわけです。一方、前に出された指標は、昭和六十年では国内消費量は七億キロリットル、これを三〇%とすれば二億一千万キロリットル、実にアラビア石油の十倍になるわけです。  そこで、六十年の問題は別として、ごく最近出された指標として、昭和五十五年のわが国石油の消費見通し及び開発に対する指標、一億三千万キロリットルを開発するという指標、これは私は本気でやる気があるのかどうか、こう実は疑わざるを得ないわけです。一体この指標を出すにあたって、ではどういう一応の基本的な方向の中で、ものごとの考え方の中で一億三千万キロリットルを確保するのか、新たなプロジェクトで一億キロリットルをとにかく確保しなければならぬわけです。この数字はもうごく四、五日前新聞を通じて発表されておるわけです。もちろんこれだけの構想を発表する以上これを裏づける何らかの柱があってしかるべきではないのか、こう思うのでありますけれども、こういう柱は、これを確保する開発政策の原則というものは何と何があるのか。従来よりも大きく前進しなければ確保できないことはあたりまえでありますけれども、当然何らかの柱が立てられるものと想定するわけです。この点についてはいかがですか。
  35. 莊清

    莊政府委員 昭和五十五年の一億三千万キロリットルのいわゆる自主開発という数字は、実は昭和六十年の七億キロリットル、それのおおむね三割、二億キロリットル程度を自主開発でまかないたいというかねがねの通産省としての一応の総合エネルギー調査会での検討結果というものを踏まえまして、それを現時点にグラフで引き戻したという数字でございます。  この六十年の七億キロリットルに対して約三〇%というのは、まず姿勢としてどういう意味かということが問題に相なるわけでございますけれども、三割というのが、そう明確な、積み上げ計算でありますとかあるいはこれでなければどうしても矛盾が生ずるというふうなマクロ計算とかそういうものが実はあるわけではございません。その当時のいろいろ御検討いただきました御専門の方に私もお会いして聞いたこともございますけれども、これはまあ欲をいえばもっと多いほうがいいことはわかっておる、しかし、現在二億キロリットルにだんだん近づいていく、そういう状態のもとで今後五億キロリットルないしそれ以上のものがふえるというものに対しまして、それの六割、七割、新規の需要分の六割、七割なんということはとてもできまい、まあ四割、五割と言いたいが、新規の需要分に対してせいぜい四割かそこらではあるまいか、たとえばそういうきわめて大づかみのアプローチから出てきた数字であるかのごとく実は私は承知しておるわけでございます。この六十年の数字と現時点とを数字的に結びましてマクロ的な計算をした結果、こういう数字が、一億三千万キロリットルというのが実は出たというのが実情だと思います。  なお現在のいわゆる自主開発をやっておるもので、その時点で達成可能というのはせいぜい三千万キロリットル程度じゃあるまいかということも述べられておるようでございますけれども、私少し楽観に過ぎるかもしれませんが、最近アブダビ石油とかあるいはインドネシア方面等である程度の成功を見つつございますので、これが順調に生産段階に移行できればもう少し多い数字のものが、少なくとも五十五年では、現在すでにめどの立っておるもので十分出るだろうという感じがいたします。  この数字は、実は昨年の十月、通産省で初の資源白書というのを提出したわけでございますが、その中で、こういう計算というのは非常に前提もあり客観情勢も流動的であるから確たるものではないけれども、一応のかりにマクロ的な試算をしておけばという前提のもとで、昨年十月の白書の中に実はその表が載っておるというのが実態でございまして、最近新聞等でも報道されて、またあらためて御批判をいただいておるのではないかというふうに存じます。  それで数字はともかくとして今後相当膨大にふえていく石油需要、特に新規のふえ分に対して四割とか五割とかいうたいへんな意欲的ないわゆる自主開発はほんとうに達成できるかというお尋ねでございましたが、かつて通産省は特にそうだったと思いますが、自分で利権を取って、他人をすべて排除して井戸を押えて、そこで資源を抜き取ってわが国に全部持って帰ってくるというふうな形でいわゆる自主開発ということばが使われておったきらいがなきにしもあらずでございますが、今日われわれそういう考えは全然持っておりません。後進国であるところのOPECの貴重な資源でございますから、これはもう資源保有国との提携ということは当然でございまするし、必要ならば技術も借りる、販路も利用するというような、メージャーと組むのもいいだろうと思います。また新規の利権というものはなかなかもうそうすばらしいものがころがっておるのではないようでございまして、その点石油開発公団ども日夜非常に御苦心願っておるわけでございます。外国のメージャーであるとか、あるいはインデペンデンスなどの事業を本格的に拡充するというふうなことで現地の子会社等の増資をするとかあるいは資金をふやすというふうな場合に、わが国が何らかのかっこうでそういうところへ資金的に参画をしていくということも、またすぐれた自主開発の方法だろうと思います。あるいはチュメニ油田でございますとかそういうものに対して、ローンの形でやっていくということもまた私は日本開発に参加した原油の取得であり、参加しておるという意味においてパートナーである相手方もわが国に対しては特別な態度で臨む、それがまた安定供給にもつながるという意味においてりっぱな自主開発ではないかと思います。  そういうふうにして、まず形態の多角化をはかるということと、それを通じまして同時に地理的にもなるべく局所集中を避けまして分散に持っていくというふうなことをあわせて行なうことによって努力をするということが大切なんだろうと思います。これは三割の自主開発原油の確保と申しましてもたいへんな量でございますから、問題は必ずしも量ではないわけであって、そういう姿勢でアプローチするということによりまして、また相手方も日本に協力をしてほしいということを求めてくることもあろうかと思います。そういうチャンスも含めましてやはり広くチャンスを拾っていくことが、こういう道をおのずから実現可能に持っていく基本的な姿勢だろうと思います。このためには、わが国としては外貨が余っておるものであればこういうものにも積極的に使うという姿勢を示すということが、またこういう事業日本が参加し得るチャンスをみずから、水を呼ぶと申しますか、そういうことにもつながるだろうと考えておる次第でございます。
  36. 岡田利春

    岡田委員 現在すでに二十五社、最近またできておりますからふえてくるでしょうけれども、二十五社、三十一のプロジェクトでいま開発を進めておるわけです。その最大なものはアラビア石油であるわけです。しかしこのアラビア石油といえどもメージャーの超大型プロジェクトに比較すると大体八分の一くらいですね。バーレルにすると三十二、三万であれば、イランなどの一つプロジェクトで大体二百六、七十万から二百九十万、三百万バーレルですから大体八倍、こういうプロジェクトで国際石油資本は採油を行なっておるわけです。したがって、相当いいプロジェクトはすべて国際石油資本が押えている、こういえるわけであります。しかしある程度リスクはあるけれども、まだ大型プロジェクトの可能性は存在している、こう私は判断をするわけです。この指標から判断をすれば、私は超大型とまではいわなくても、アラ石よりもさらに大きいプロジェクトをねらうというような積極的な姿勢が確立されていいのではないのか。いま局長が説明したように、一方チュメニの油田開発の問題も昨今、日ソ経済協力で出ておりますけれども、そういう姿勢があるのかないのか、あるとすれば、公団法の改正は不十分ではないかということになるわけですが、そういう姿勢というものがほんとうにあるのか。それとも二十五社、三十一プロジェクトの従来の実績のようなものをふやしてやっていこうという考え方なのか。昨年イラニアンの石油会社ができて、これが注目をされておりますけれども、やはり最重点的な開発政策というものを当然この場合には立てなければこの指標は達成できないのではないか、こう思うわけです。そういう積極的な姿勢があるのですか、ないのですか。
  37. 莊清

    莊政府委員 申し上げるまでもなく、なるべく大規模な優秀な油田開発ということを重点に国力を投入していく、そういう機会を積極的にさがすということが基本であろうかと考えております。
  38. 岡田利春

    岡田委員 この際島田総裁にお伺いしたいと思うわけですが、私は最近の石油利権の獲得の動向等をずっと判断してまいりますと、石油開発公団の果たしておる役割りというものが非常に大きいし、最近とみに海外からも注目をされ、また期待もされておるのではないか、こうすなおに受けとめておるわけです。今回の公団法の改正には、残念ながら公団が利権を取得するということは認められていないわけです。答申にはありましたけれども、本法改正にはこの点は除かれておるわけです。そして利権獲得のタイミングからいって、また従来のイランや今度のサウジアラビア、いろいろな面で果たしてきた公団の役割り等をわれわれが判断する場合に、この利権の獲得の機能を石油開発公団に与えなかったということは、いま局長から答弁がありましたけれども、どうもこれは消極的になっていくのではないか、実はこういう気がしてならないわけです。   〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 そういう意味で、昨今の非常にきびしくなりつつある石油開発政策、こういう状況の中でこの面について一体総裁はどういう見解を持っておられるのか、この際率直に承っておきたいと思います。
  39. 島田喜仁

    ○島田参考人 ただいま岡田先生から御指摘がございましたように、有望な石油利権の獲得というのは非常に困難な情勢になりつつありまして、これはOPEC攻勢等を御判断いただければおわかりのことと思います。  今度の改正法案につきましては、政府でいろいろと考えていただいておったようでございますが、ただ一つ問題がございますのは、民間と離れまして私ども公団が大型の利権を獲得するということにつきましては、法律改正に盛られておらないと私ども判断をいたしております。しかし私ども公団といたしましては、日本の現在置かれておる経済体制から考えますと、やはり民間のバイタリティーを活用いたしまして利権を獲得することは私も基本であると考えておりますけれども、俗に民間主導あるいは政府主導というような抽象的な考え方が云々されておりますが、石油の利権獲得等につきましては、民間主導も政府主導もない。言いかえますと、民間政府も、私ども公団はもちろんでございますが、一体となって利権獲得に全力を傾倒すべきである、こういうふうに考えております。したがいまして私どもといたしましては、民間と極秘裏に話し合いのもとに、私は今度の公団法の範囲内で積極的に利権の獲得のために、あるいはその基盤をつくるために、あるいは大きな話し合いのために資源国の政府首脳、あるいは資源国は全部公社を持っておりますので、総裁と幹部との接触あるいはオイルカンパニーの首脳、あるいは後発国でありまするELF-ERAP、ENI、デミネックス等とも接触をとりまして、いま私の申し上げましたように、民間とタイアップしつつ利権の獲得をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
  40. 岡田利春

    岡田委員 石油開発公団政府公団でありますから、その程度答弁しかできないのだろうと私は思うわけです。しかし日本の国は石油資源がないわけでありますから、そうすると、資源政策の先達をつけている諸外国のいろいろな実例等をすなおに学ばなければならないのではないかと思うのです。いまのような腰の定まらない姿勢でいくと、石炭のように非常におくれを政策的にとるのではないのか、こう私は心配をいたしておるわけです。ですから、民間主導か政府主導か、緊密な連絡をとって、いわば民間政府総がらみで利権の獲得、わが国の自主的な強力な資源開発を進めていくんだ、こう言われますけれども、私は、今日の資源国、OPEC加盟諸国等の実情、政治経済の動向、こういうものを判断する場合に、やはり政府が、政府機関がむしろ積極的に利権の獲得に乗り出していくというほうが相手に対して信頼感も与えるでしょうし、また仕事も非常に早いのではないか、こう思うわけです。アメリカと日本の国が利権交渉をするのなら、これは別ですよ。いわば南北の、南側の資源国と折衝するわけでありますから、やはり社会化の方向を歩んでおる国が圧倒的に多い。もちろんOPEC内部でもサウジアラビアのようなあるいはインドネシアのような例はありますけれども、内部にも矛盾はありますけれども、しかし概していえば、大体国営の石油開発会社が設けられている、あるいは相当政府の息のかかったオイルカンパニーがつくられている。その中で統一的に資源の把握をしているのが現状でありますし、しかもその方向は社会化の方向にある、こう見なければならないと思うわけです。ですから、当初の二十五社、三十一プロジェクトにかかっていくような認識と今日七〇年代の認識では大きく変わっているんだ、だから民間主導がいいか政府主導がいいかという議論の前に、その相手の情勢は大きく変わっているんだ、そこからわが国政策の結論がすなおに導き出されなければならない問題なんだ、こういう受けとめ方をすれば、私はのおずからその方向は出てくるのではないかと思うわけです。したがって、今国会に公団法の改正が出ておりますけれども、今回はこの程度の改正にとどめるという気持ちで改正案を出したのか。いま申し上げましたように、わが国石油開発戦略の中軸に石油開発公団を据える一段階として出したのか。いわば踊り場があるのか、二階があるのか。この改正案はどういう前提で出されたか、伺っておきたいと思います。
  41. 莊清

    莊政府委員 世界の石油事情というのは、先ほどお答えいたしましたように長期的に見てやはり価格は上がり、需給もほうっておけばタイトになっていくということが争うべからざる趨勢だろうと存じます。世界第一の消費国であり、わが国の四倍以上の石油を消費しておるアメリカすら、国内油田の賦存量が十年を切ってきたというふうなことから、従来の方策を変えて買い出動に向かっておるやにも聞いております。こういう事情を一つとりましても、わが国としてはよほど腰を据えて、世界の情勢を的確に見通しながら十分な対処をして、先手を打ってやっていくということが基本であろうと存じます。  先ほど公団総裁から御答弁ございましたが、実はこの公団法の改正、もう少し大規模な改正ということが昨年来いろいろ議論されておったということはまぎれもない事実でございます。予算期にもいろいろ詰めた検討が行なわれたわけでございますけれども、たとえば公団がもっぱら――もっぱらではございませんが、必要な場合には利権を取得して、取得した以上は相手国から要請があれば探鉱もやり開発もやり、その取得した石油日本に向かって売ってくるというふうなところ、あるいはイランの協定にございましたように、油が出てきた場合には、またジョイントベンチャーとして相手国の公社と石油精製企業まで行なうことについて前向きに真剣に検討するというふうな一条が入ってサインがされている、そういうサインされたすべての条項に対して万全の最終的な義務を負うという制約のもとに、イラン国会の了承を受けて例の四社が利権を取得できた。この全体に対して責任を負わないとか、途中でほうり投げるかもしれないという形で、はたして相手が利権を与えるという保証があるかないかというふうな問題も、たとえばないわけではございません。  こういうことを詰めて考えてまいりますと、ENIとかERAPの例もございますけれども、国情は違いますけれども、やはり国としてどこまでほんとうに踏み込んでやっていくか、それに対して、ユーザー業界あるいは生産業界を含めて、全体のナショナルコンセンサスというものがなかなかまだ未熟でございまして必ずしもはっきりしなかった、こういうことを私ども政策当局として実は反省をいたしております。この問題は実は残された大きな問題であるというふうに通産省は考えており、引き続き検討するという大きな課題にいたしております。
  42. 岡田利春

    岡田委員 私は、先ほど安定化、低廉化という問題について考え方を聞いたわけですが、低廉ということを考えるならば、なりふりかまわず買いあさればいいわけですよ。それで安いのを買えばいいわけですよ。しかし、これからの石油の需要の伸び等から判断して、しかも最大の消費国であるわが国としては、国際開発に協力をしなければならぬし、そういう義務も信義の問題も当然ございますし、またわが国のエネルギーの安定供給のためにも積極的な開発を進めなければならぬということになってまいりますから、そういう意味では当然後発石油開発国としてはある程度高いものになっていくことはもう避けられないと思うわけです。たとえば、イランでフィフティー・フィフティーの出資になったとか、あるいはアルジェリアで四九%ないし五一%になったとか、あるいは今度サウジアラビアでも五〇%とか、これに対してどうも高いものを買っているのではないかという批判もあるようですが、私はこの批判は当たらない、こう思うわけです。この傾向は避けられないわけですよ。OPEC内部だってこの問題はありますけれども、二〇%の参加ということは結局五一%の参加まで進んでまいるわけですから、むしろ後発国としては積極的に有望な開発プロジェクトをいまにして確保しなければその機会を逸するだろうというぐらいに、私は見方を持っているわけなんです。ですから、私はそういう意味において、いま局長から答弁がございましたけれども、この点はこれ以上質問してもそれ以上の答弁はいただけないと思いますから、いずれ本法案が上がるまでに、大臣に対しての質問事項として留保しておきたいと思いますので、委員長のほうでしかるべくひとつお願いをいたしておきたい、こう思います。  そこでもう一つの問題でございますが、私は当初石油開発公団法の改正と同時に石油業法の改正が出されるのではないか、こう思っていたわけです。しかし石油開発公団法だけの改正になってまいりました。そこで、先ほど局長からも答弁がございましたけれども、イラニアンの方針というのは、結局現地精製もする、日本がそれを引き取るというところまで展望を持ちながらいま探鉱着手をしているというのが現状であるわけです。したがってわが国石油政策として、開発からさらに下の精製、さらにまた販売政策、いわば一貫体制とこれに対応する政策というものが構築されていかなければならないのではないのか、しかもそれはスピードは相当アップしていかなければならないのではないのか、こう思っておるわけです。先般の決議に、石油開発公団原油の引き取り機能をも与えていいのではないのか、それを発動するかどうかは大臣が認可すればいいことだ、むしろそのくらいの装置をしておくことが、いろいろな政策の面である程度チェックでき得る力を公団側が持つことがむしろ有利ではないかというような意見を述べ、決議の中にも一応原油の引き取り等の問題についても触れてあるわけです。今回の改正は、答申にはこの問題についてはございませんけれども原油の引き取りの問題については何らの議論もなかったのか、あるいは将来の問題として何か議論があったのか。いわば今度の改正は、私は当初大体デミネックス方式でこの改正をするのではないか、日本の場合にはENI、ERAPというわけにはいかないでしょうけれども、大体デミネックス方式ではないだろうかという感触を当初から期待しておったのですが、改正案の内容はそこまでもまだ出てきていないわけです。ですから、もし三〇%の確保ができないとするという場合にはむしろ積極的に公団原油を確保する、こういうことを考えてしかるべきであろうし、また最近サウジアラビアからは、原油を直接引き取ってはどうか、価格は高いけれども、安くはできないけれども、リベートで返すから実質的に安い原油を供給いたしましょうという積極的な誘いも出ておりまして、これもまたOPEC内部のいろいろな問題もございますし、これからのOPECの戦略もあるでしょうけれども、そういう動きも出てきておることはやはり注目しなければならないと思うわけです。機能を発揮するかしないかは別として、そういう道を公団に与えていく、そして名実ともにわが国石油開発戦略の中軸の任務を果たさせるものに育て上げていくということが望ましいのではないのか、こう私は考えるのでありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  43. 莊清

    莊政府委員 御指摘の問題も今後の重要な検討課題の一つであろうと考えております。サウジアラビアのお話がちょっとあったのでございますが、今回サウジアラビアとか現地のメージャーであるところのアラムコ会社株式の二〇%に参加するということに伴いまして、サウジの政府原油を取得するという方向に向かいつつございまして、今回も非公式でございますけれども、その取得した原油を直接日本業界に輸出したいんだがどういう考えかというようなサウンドが業界に対してもあったように聞いておるわけでございます。とりあえずの考え方としては、先方も、メージャーと並んで自分たちも原油を取得してこれを世界のマーケットに対して原油で売っていく、将来は日本企業も大いにOPEC諸国に資本投下をして共同で製油事業を営む、そして必要な製品は持って帰ってもらうし、また近隣の諸国へ自分たちと一緒にマーケティングをやろうではないかという姿勢というものを実は持っておるようでございます。公団がかりに直接利権を取得して、生産まで行なうということになりますれば、これはもう一貫して行なうことになりますから問題ございませんが、現在公団の役割りと民間の役割りというのをどのあたりで線を引くのが最も日本の国情に合うのか、探鉱まで踏み込むのか、その前の段階民間に利権を譲渡するのが一番いいか、こういうふうなところが実は一つございまして、その問題を検討していく一環として、やはり公団原油を直接取得するところまで踏み込まなければいけないかどうか、それが最もわが国にとって適切な形かどうかというふうなことも考え、位置づけを行なう、こういうことが必要であろう、こう存じておる次第でございます。
  44. 岡田利春

    岡田委員 現在公団が投融資している対象企業数は十七社に及んでいるわけです。そこで、先般この公団の投融資の比率、内容等を資料としていただいたわけです。そのほとんどが融資ではなくして投資であるということになっておるわけですが、当初、公団では投融資、特に融資は八年間据え置きですか十八年間償還、それが結局は投資にのみ片寄っているという内容になっておるわけです。そこで、これは試掘段階までは投資をしておって、試掘段階を過ぎて今度は採掘段階に入れば、そこに利潤が出ればもちろん公団は配当を受けることは当然だと思うわけです。しかしその基本的な方針は、もし営業段階になって採算がとれるようになれば、民間に投資を譲渡するというのが基本方針だと聞いておるのですが、間違いございませんか。
  45. 莊清

    莊政府委員 御提案申し上げております石油公団法改正後の形におきましても、従来と同様、その点は変化が特にございません。
  46. 岡田利春

    岡田委員 いま答申にも出ておりますように、あるいは内外の常識になっておりますように、海外開発の二十五社、三十一プロジェクト、これのやはりブロック的なあるいは一つ資本系列的な再編成をしなければならない、これはもう常識化されておる段階なわけです。そしていま公団は大体五〇%近い投資を行なっている、しかもそれは十七社に及ぶということになっておるわけです。私は、今度の公団法の改正にあたってその基本的な方針についてもう少し修正をすべきではないのか、こういう意見の持ち主であるわけです。いわばそれを民間譲渡するかどうかということは、大体これからのプロジェクトでも、そう簡単に採掘段階に入って営業が成り立つという目ぼしいものは、まだそう確信をもってこうだというようなものは見当たらない情勢にあるわけですが、そういう情勢の中で、何も不動のものとしてこの方針は改正後も引き継ぐのだ、変わらないという立場をとり続ける必要はないのではないのか。むしろ公団出資をしておるから再編成をするような場合においても発言権はあるわけでありますから、そういう点をむしろ積極的にてことして、再編成の問題や今後新しく変わる情勢にわが国が対応する場合にやりいい条件というものを持っているべきではないのか、こういう意見なんです。当たらなければ金はどうせパアになってしまうわけでしょう。せっかく当たって営業に移るという場合に、もうこれは十分採算がとれるという場合に、民間になぜ譲渡しなければいかぬのでしょうか。それが民間主導という一本の原則の上に立っているものごとの考え方だと思うわけです。私は今日の国際的な環境からいえば、そういう従来のかたくなな考え方を続けていくことがむしろ誤りである、こういう意見を実は持っているわけです。そういう意味でこの点は、従来の原則というものについて再検討すべきである。採掘段階営業段階に入った場合に、これを譲渡をするということについては明確な方針とすべきでない、こう思っておるのでありますが、この点についてもう一度御答弁願いたいと思います。
  47. 莊清

    莊政府委員 世界の石油市場で開発に取り組んでおるメージャー、これはもう豊富なその蓄積を利用しまして、それの再投資というものを中心に、探鉱も行なえばいわゆる生産段階の生産投資も行なう、あるいはタンカーの建造も行なうということで百年来やってまいっておるわけでございます。また、今後おそらく石油開発事業に積極的に乗り出すと思われるOPECの諸国というものは、国家資金をもって直接必要と考えるすべての事業に乗り出してくるであろうことは、これはもう言うまでもないところでございます。したがいまして、わが国の場合にも非常に多額の資金が必要となるわけでございますが、現在残念ながらその原資というものが、特別会計もできるわけではございますけれども、これはメージャーの資金力あるいはOPEC全体の将来持つであろう国家資金力というものに比べた場合には、まだまだ弱いというのが現状でございます。そこでやはり一番リスクのある探鉱、もし失敗すればゼロに帰してしまう、そういうリスクの最も高いところに対して負担のかからない形での政府助成という意味出資する、それが幸いに成功したならば、やはり次のプロジェクトに対してその資金を移動していくということをわが国の現在の政策としては考えざるを得ない、これが実情ではなかろうかと存じます。  ただ、私ども日ごろ内部で考えておる一端をこの際申し述べてみたいと存じまするが、生産段階に移行したときに、しからば日本政府は全然めんどうを見ないのかということでございますが、実はそうではございません。金利はつくわけでございますが、輸出入銀行から相当過半数の資金の融通をするということが実は別途あるわけでございまして、探鉱から開発まで一貫して政府が関与しておる、助成を行なうということは実はあるわけでございます。ただメージャーは自分のふところ一本でやる。OPECも自分の財政一本で開発から生産から精製まで一貫してやるというのに比べまして、わが国の場合には、機関が従来のたてまえから、あっちにいったりこっちにいったり分かれておるというふうなところが、もし今後の資源開発に関する政府の全体的な政策の一環といたしまして、そういう点について何らかの前向きの検討なり調整ということがかりに実施できるのであれば、いま御指摘になったような問題も、その面から一つ解決の糸口というものがないわけではないような気がいたします。やはりこの問題を一つ解決するにもなかなか幅広い問題が実は伴う問題としてございます。そういう問題をやはり全体として、資源開発政策の一環として今後は検討するということが非常に大切な時期にきておるという意味におきまして、御指摘の点はまことに私どもも同感に存じておる点だろう、こう考えております。
  48. 岡田利春

    岡田委員 民間主導型といえば非常にことばはきれいですけれども、いままでのあり方は民間に振り回され型なんですよ。民間がこうやりたい、ここの利権を獲得してやるんだ……。これに対して大体つくられた会社、当初は制度がなかったのですけれども、制度ができてからは、ほとんどこれはもうみな入っておるわけですね。それに対して、ほんとうに政府なり公団が――これはもう公団としては投融資ができないという実例は、額の問題についてはございましょうけれども、あまり話は聞かないわけです。言うなれば民間に振り回され型。そして民間のほうは、アラ石の夢よもう一度ということで夢を見ながら、それぞれ資本がわんわん石油開発に乗り出したというのが、私はいままでの傾向だったと思うわけです。やはり是正をしなければならぬという声は、財界からもまた関係者からも出ておるわけでありますから、そういう意味でこれらの問題を決する場合には、当然そういう再編成の展望、いわば見直されたわが国石油開発戦略の構築の上に立ってきめらるべきものだ、そこがはっきりしない限りは、簡単にこの投資を民間に移譲するという考え方に立つべきではないという意見でありますので、この機会に特に強く申し上げておきたいと思います。  それと同時に、もう一つこれに関連してお伺いいたしたいのでありますが、中間答申の場合には、民間の一貫体制という方針を答申の中に織り込んでおるわけです。そういう一つ方向と同時に、石油開発公団を軸にして一貫体制をつくり上げていくという視点もございますし、あるいはまた、民間内部においても、持ち株会社をつくってこれをてこにしながら民族系のそれぞれの会社と提携をし、一貫体制をつくるという自主的な意見も展開をされておるわけです。その答申の一貫体制というのは、いま財界で、あるいは関係者から述べられている後者の方向の中での一貫体制を想定しておるのか、それともそれ以外の一貫体制というものを想定しておるのか、いずれを想定をして審議会は答申をしたのか。答申を受けた側として、この答申のねらい、構想というものについて説明をいただいておきたいと思います。
  49. 莊清

    莊政府委員 わが国石油産業を見ました場合に、ある半分の部分では完全な一貫体制が実は御案内のとおりあるわけでございます。それは外資系の精製企業でございまして、メージャーの系列企業でございますから、メージャーが世界じゅうで石油を掘りまして、それを日本に持ってきて精製販売しておるという意味で、完全な形の一貫体制が実は半分はあるわけでございます。ただ今後通産省が考えておりまするのは、やはり国内のマーケットの半分というものは、これはやはりセキュリティーという見地も含めまして、民族系資本というものによって持っていく、持たせたい。外資系と民族系とがヒフティー・ヒフティーの形で今後伸びていく、石油市場に対する安定供給体制を組むということが最も合理的であろうということで考えておるわけでございます。また今後わが国石油原油開発にかりに成功しました場合に、その原油の円滑な引き取りということが当然大きな問題になってくるわけでございますが、そういうセキュリティーの観点、それから開発原油の引き取りの観点、その他いろいろなことを含めまして、やはり民族系資本を中核としたところの一貫体制というものがこれはどうしても長期的な戦略目標になる、こういう判断を持っているわけでございます。ただ、その具体的な形が精製が中心になるのか、開発が中心になるのか、あるいはそれぞれ開発段階と精製販売の段階が、もう少し統合集約化の方向に向かってそれぞれが完全な提携関係に立つという形での、上は上でまとまり下は下でまとまって、それがまた提携するという形、いずれであるかというふうなことは、今後さらに検討する必要があるということで、昨年十二月末の中間答申では、まさに中間答申でございまして、問題意識指摘はございましたが、その方向づけということについては、これはやや具体的な問題になりまするので実は検討がなされておらない、今後残された重要な課題である、こういうふうになっておるのが実態でございます。
  50. 岡田利春

    岡田委員 現在二億キロリットル程度のものが、先ほどの話でも五十五年にはミニマムで見ても五億一千万キロリットル、あるいは指標としては六十年に七億キロリットル。ですから、石油の需要消費が七〇年代年々伸びていく、この中で明確に石油政策というものが、不動なものが完成されなければならぬという気持ちを私は持っておるわけです。大体、伸びがスローになってきた中でやるということは、いままでの体制というものを改革していくということは非常に困難なわけです。摩擦が非常に多く生じるわけです。しかし、高成長に経済が伸びていく、石油の消費もそれに見合ったカーブで、それが五%か七%か一〇%かは別にして伸びていく、そういう中でこれらの関係を整備し、いままでの体制というものを改革していくということは、ごく摩擦が少なくてできる機会だと思うわけです。そういう意味で、石油の寿命も五十年も百年もあるわけではございませんから、のんべんだらりんしておりますと、もうこれは石油の寿命の見通しがついたころにそのことを考えても、これはすでにおそいわけです。いわば七〇年代内にこれらの問題が一応政策として完成されなければならない、こう思うのでありますけれども、そういう目途については、判断についてはどう思われますか、伺っておきたいと思います。
  51. 莊清

    莊政府委員 石油開発体制につきましては、先ほども先生から御指摘ございましたように、かりにプロジェクトごとになるにしても、やはりもう少し系列ごとに集約化と申しますか、全体の経営戦略を定め、資金を動員し、技術者を統括して効率的に使う、あるいは新しいプロジェクトが出たときに、そのグループとしてそれに取り組むかどうかというふうな判断を的確に、国とタイアップし得る形でなし得るような中核体というふうなものを少なくともつくるというふうな形、これは一歩前進だと存じますが、そういう形でのヘッドクォーターというふうなものをつくるということは、もう緊急に必要なことだろうと存じます。開発体制につきましては、何ぶん資金面におきましてリスクマネーでございますから、やはり国が大部分のものをめんどう見ざるを得ないという形でございますから、たびたび御指摘がございましたように、そういう体制整備につきましてもやはりほとんどの出資者である国が責任があるわけであります。通産省もそういう問題意識を持ってこれから臨む必要が非常にあるだろうというふうに痛感いたしております。  石油精製の国内業界のほうは、御案内のとおり戦後御存じのような経緯をたどりまして、ようやく国内石油精製販売シェアの五〇%を何とか民族系で押えるというところまでやっと追っかけてきたというような実態でございまして、ドイツのようにあっという間にメージャーにほとんど押えられるというふうなことにしなかったというのは、まずまずの結果ではなかったかと存じておりまするが、やはり企業を実態から見ますと、特に民族系企業の場合などは経営内容というのはまだ非常に脆弱でございます。こういう脆弱な企業体が国内の精製販売シェアの五〇%を占めておるということは、ある意味わが国のエネルギー源の一番基礎のところがきわめて脆弱であるという一つ問題点かと存じます。今後やはり、国内の需要が伸びるわけでございますから、それを背景に、なかなか政府が直接に関与して、命令してどうこうする性質のものでございませんけれども、とりあえず、数社につきましては販売面の共同化ということは手がけておりまするし、そういう販売事業をともにすることになった民族系の数社の石油企業が、今後新しい製油所をつくるときにはすべて共同の販売企業の直接事業というふうな形で、個々がばらばらにつくるのではなくて、すべてが共同投資という形で大きなユニットのものをつくっていくというふうな点についても、政府とそれぞれの企業との間で大体コンセンサスがほぼ固まりつつあります。こういう地道な積み上げによりまして、民族系石油精製企業というものももう少し企業らしい形に持っていく。それを通じまして今後は民族系石油精製企業ももう少し本格的に開発のほう、アップストリームのほうにも向かうだけの意欲と実力というものをつけるようにする。いままでのようにユーザーが主導権を持たざるを得ない、精製のほうは片すみでただ見ておるというふうな形での石油開発というものだけで、今後大きな開発ができるとは実は思わないわけでございます。政府としてもそういうことを念頭に置きながら、今後必要な施策を考えていく、こういう時期だろうと思います。
  52. 進藤一馬

    ○進藤委員長代理 午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十分休憩      ――――◇―――――    午後一時三十七分開議
  53. 鴨田宗一

    鴨田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。松尾信人君。
  54. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 最初に、今後の海外石油開発政策というような点について二、三お尋ねしていくわけでありますけれどもわが国が現在自主開発中のものであって、開発に成功し、今後輸入見込みのあるもの。どのようなところでそのように成功して、今後どのような年次でわが国に油が入ってくるかというのを――これははっきりとは言いにくい点がありましょうが、輸入の見込みの時期であるとか、おおよその数量というものをまず聞きたいと思います。
  55. 莊清

    莊政府委員 現在三十近い開発プロジェクトの中で、探鉱に成功いたしまして、近く原油わが国に着くというものが実は三つございます。一つは中近東のアブダビ石油でございます。四十七年度に百万キロリットル弱、日本に低硫黄原油が到達する予定になっております。それからインドネシアの海域で二つございます。一つインドネシア石油資源開発会社プロジェクトでございます。それからもう一つが、伊藤忠商事が外資と提携いたしまして、ジャパン・ローサルファオイル株式会社という会社でやっておりますが、これが成功いたしまして、インドネシア関係二つで百八十万キロリットルの低硫黄原油がことし着くと思います。したがいまして、三百万キロリットル弱でございますが、三つ成功したのが日本に船が入ってくるということに相なっております。  以上、この三つの先行き見通しでございますが、大体昭和五十年で、今後さらに探鉱し、生産の施設の拡充を行ないますので、一千万キロリットルに近いものが、五十年ではこの三つのプロジェクトから得られるのではないか。あと中近東方面でございますが、合同石油というのがございます。それからカタール石油というのもございます。これは四十七年は、まだ無理でございますが、四十九年になりましたら、五百万キロリットルから八百万キロリットルぐらいのものがさらに上積みになるのではないか、こういうふうに実は見ておるわけでございます。
  56. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 これは総裁のほうへお尋ねしたいと思いますが、現在石油開発公団の投融資対象事業が約二十社ありますね。その二十社が健全なる操業を現在しておるかどうか。何か資金的に行き詰まって困っておるような企業はないかどうか。それから、何か公団としても、現在の二十社に対してまだまだこのようにあるべきではないかというような方向づけのものがありましたら、総裁からお答え願いたいと思います。
  57. 島田喜仁

    ○島田参考人 公団が発足いたしました当時は、民間会社海外資源開発に対しまして前向きに進出しようというので、民間の金も相当に集まっておる状況でございました。ところが、実際に資源開発事業をいたしてまいりますと、予定しておったよりも相当金が要ってくる。あるいは、自分のところは必ず当たるであろう、こういう期待のもとに事業を進めてまいったわけでございますが、途中でまた試掘をやめて、もう一度物探その他の再検討をする、まっすぐ進めない状況も出てまいりましたので、民間会社、言いかえれば開発会社に対して出資をいたしております各会社資金の供給が円滑にいかない場合も、実は率直にいいまして間々あったわけでございます。ただし、私どもといたしましては、やはり民間資金を動員するために、私どもも進んで民間に対して資金の供給を続けるよう強く要請したこともございました。なお、御承知のように、最近の情勢によりますと、プロジェクトの大型化並びに自然的条件のむずかしさ等もさらに加わりまして、リスクマネーでございますので、民間としてはなかなか資金の供給が思うようにいかない場合も予想されておりまして、そのためには政府資金出資比率、投融資比率を高めてもらいたいという要請が二年ほど前から強く要望されてまいっておるわけでございます。  そういう意味におきまして、私どもといたしましては、たとえば最も重点を置きます大陸だな開発あるいは大型プロジェクト等につきましては、従来の原則の五〇%以上の投融資比率を考え方向考えざるを得ない、こういうふうに考えております。
  58. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 失敗して、もうどうしようもないというような事業はないわけですね。ただいまのお答えではそうと理解いたします。  そうしますと、残り、公団の投融資以外の会社があるわけであります。そういう会社に対しましては、同じ質問でありますけれども局長、どうですか。
  59. 莊清

    莊政府委員 三十幾つの中には、一番大きなアラビア石油も実は入った数字かと存じますが、これは古うございまして、すでに成功いたしておりますから輸出入銀行からは相当な財政資金が入っておりますが、公団探鉱資金関係ございません。それ以外に、新しいプロジェクト公団がまだ出資してないというふうなものも実はございますけれども、基礎調査をやっておるような段階というふうなものが実はございます。それで、いよいよ探鉱に踏み切っていくという場合には、一本の探鉱の井戸にも相当な、何億という金がかかりますので、当然これは公団がバックアップをしなければ、事業そのものが初めから成り立たないということであります。
  60. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 その点はわかりました。  次は、今後新たに将来自主開発の見込みのあるもの、そういうものの状況はいかがでしょう。
  61. 莊清

    莊政府委員 昭和六十年の時点でその約三割の自主開発目標を掲げて努力いたしておりますので、現在のプロジェクトだけではもちろん足りません。すべてが成功する保証はないわけでございますから、新しいプロジェクト開発していくということが非常に必要だと存じます。それで、今後は分散開発ということも同時に必要でございますので、現在三十あるプロジェクトのうちの約半分は実は東南アジアのプロジェクトになっておりますが、そのほか北米でありますとか、中近東、アフリカ等、あるいは豪州、幅広くこれを求めていくということが必要で、このための情報の収集とかあるいは物理探鉱の実施とかいうふうな問題が伴ってまいります。公団につきましても、今後はそういう幅広い業務ができるように、もっと政府として積極的なてこ入れを行なうということが必要だと存じます。  さらに、自主開発と一言で申し上げますが、たびたびお答え申し上げておりますとおり、既存の有望な企業等が日本資本参加を将来求めてくる可能性があると思います。こういう場合にも、機動的に日本企業がそれに参画をするということに対して、政府がやはり財政資金なり外貨なり、こういうものを機動的に使って助成ができるような制度というものを整備する必要があろうかと存じます。
  62. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 具体的なものはありませんか。
  63. 莊清

    莊政府委員 具体的なものといたしましては、現在検討の段階で、いろいろ幾つかのプロジェクトが、石油公団の手元でも企業との間で検討されておるというものが現在でも幾つかございます。
  64. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 現在すでに外貨との共同事業相当の数に達しておりますね。この中で、最初にわが国企業が独自で開発した、その後何らかの事情で外資と共同事業になったというようなものがあるのかどうかということと、最初から外資と共同事業を開始したというものがあると思うのですけれども、比率というか、そういう事情がどういうふうになっておるか。最初から提携したもの、最初日本でやったけれども何かの事情で外資と共同事業になったというようなもの、主としてその第一点のほうですけれども、これについて大体の状況をお知らせ願いたいと思います。
  65. 莊清

    莊政府委員 数はちょっと手元に資料がございませんので申し上げかねますが、外資との提携で現在進めておるものの大部分は、実はどちらかというと、外資が利権を先に持っておるというところに対して日本が参画をしたというのが多いと私は考えております。なお、イランの石油開発、これはたいへん大きなプロジェクトでございますが、これはイラン側の気持ちもありまして日本がパートナーになったわけでございますが、日本がこれを円滑に進めていくという自主的な判断の上から、かねがね希望しておったモービル石油というメージャーでございますけれども、これに呼びかけをして、片すみにそのパートナーとして入れてやった、こういう実態がございます。
  66. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 外資と共同事業をやっておりまして、要するに外資のシェアが非常に高い、五〇%以上外資がシェアを持っておるというものも相当あると思います。そういうものは、そこからとれた油ですね、その油の輸入につきましてどのような話し合いができて日本側で確保するようになっておるかということを、ひとつお答え願いたいと思うのです。
  67. 莊清

    莊政府委員 二つの具体例で申し上げたいと思いますが、先ほどわが国原油が着くと申し上げましたインドネシア海域のジャパン・ローサルファオイルの場合ですが、これは外資に対してわが国株式の比率は実は一割に満ちておりません。しかしながら、これに対しまして、地理的な条件もございまして、低硫黄原油でございますから、わが国としては約四割の生産について日本が取得できるというふうな契約のもとに一部資本参加したというふうな例がございます。それから先ほど触れましたイランの石油開発、これからでございますけれども、当然株の持ち分に応じまして原油を取得するということになっておりまするが、この場合には現地法人の株五〇%はイランの石油公社が持つわけでございます。イラン政府が半分持つわけでございます。その半分に相当する油というものはイラン政府が取得するわけでございますが、これの処理にあたりましては、事業の提携先としてのわが国というものについて、当然わが国が希望するのであれば他の諸国に優先いたしまして今後十分な交渉ができるという見通しを実は持っておる次第でございます。
  68. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 外資が相当、五〇%以上のシェアを持っておっても、輸入については有利な取りきめになっておる、間違いない、このようにお答えだったわけですね。  次は、この石油の需給の見通しでありますけれども、「資源問題の展望」、これの中にも、ちょっとここに書いてありますが、「資源の入手の方式別配分の一試案」というようなものも出ております。先ほど質問がありまして、最近の新聞にもそういう数字が載っておったということでありますけれども、この石油業法におきましても毎年五カ年の需給の見通しを立てていくわけでありますが、現在の時点においてこの需給の見通しというものをきちっと立てられたものがあるかどうか。あれば、その数字がどのようになっておるかということがわかっておれば、ここでちょっと発表してもらいたいと思います。
  69. 莊清

    莊政府委員 御案内のとおり、わが国石油業法では、向こう五年間の石油計画を国が定めましてこれを公表するという制度ができておりまして、毎年向こう五年のものを公表いたしております。四十七年以降昭和五十一年までの五年間のものにつきまして、先月石油審議会の御答申を得まして、通産省としてこれを公示したわけでございます。そこでは各石油製品の五カ年間の需要の数量が年度別にどうなるか、それに対して原油の割り当てをどうするかというふうな計画が詳細にきめられております。
  70. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 そのように業法関係でも需給の数字は出てくるわけでありますけれども、どのような考え方をそこに持たれてそのような需給の数字が出たかということが私は問題であろうと思うのです。単に、要するにGNPの問題だとか経済成長の問題、また過去のこのようなふえ方というものを土台にしまして計画を立てられておるとすれば、いままでは大体そのようなものを土台にしてこの需給の数量をお立てになっておるわけでありますけれども、現在においてはそのような行き方で需給の見通しを立てるべきではないのじゃないか。新しいいろいろの問題を取り上げていかなければいかぬのじゃないか。需給見通しからいろいろまた海外資源開発の問題も出てまいりましょうし、特に私がそこで考えなくちゃいけないというような要素でありますけれども、これは現在の交通の渋滞から自動車の使用というものも、もういままでのような伸びはないであろう。また産業の構造というものも相当今後変わっていかなければいけないだろう、燃料を多く消費する産業というものをどのように抑制をしていかなければいけないかというような問題も残っております。さらに公害という面からいきますれば、油の精製の段階においても相当出ておりますし、またそれが製品の段階において、また消費の段階において公害というものが広がっておりますし、大きな公害の要素が石油にあるといってもこれは過言でないわけでありますから、そういう問題も加味して、やはり需給というものは相当考えていかなければいかぬのじゃないか、私はこのように考えるわけです。ですから今後、いまお話のあった五カ年間の業法に基づく見通し、それにはそのような要素というものがはたして加味されておったかどうかですね。これは油の要ることは当然わかります。わかりますけれども、そのままでずっと需給というものを続けていくこと自体は、プラスの面とマイナスの面からいったならば、むしろ公害というものをよくよく考えていきませんとマイナスの面が大きくなってくるのじゃないか、これを心配して聞いておるわけであります。どうですか。
  71. 莊清

    莊政府委員 五カ年間の需給の計画の策定にあたりましては、十年、十五年の計画とはまた趣を異にいたしまして、わりあい近い五カ年間の計画でございますから、お話のございましたようにマクロ計算と申しますか、GNPとかあるいは鉱工業生産等の数字を使いましてマクロ的な試算ということももちろん実はいたします。と同時に、ガソリン一つとりましても、御指摘のございましたような自動車の伸びと内需の伸びというものは一定ではございません。そういう点につきましても、可能な限り五カ年間の先行きの見通しをミクロの見地からも分析検討いたしまして、毎年その変化を考慮して、毎年毎年向こう五カ年間というのを修正するというのが実は法の精神にも相なっております。  非常に大きな問題として御指摘のございました産業構造の変化とかあるいは燃料多消費型の産業構造、これを一体どう見るのかということでございますが、当面五カ年間程度の時期にそう大きな変化は実は予想されるわけではないと存じますが、方向といたしましては、やはり今後は燃料多消費型のものは立地の場所の問題、土地の問題あるいは水の問題輸送の問題等非常に多くの要因がございますので、やはりこういう産業は、ふえる部分のある部分というものは海外の原料のあるような場所に持っていくというふうな方向考えなければならない。たとえばアルミニウムの精錬一つとりましても、これは電力も使う、公害も起こるという大型産業でございますが、現在の開発プロジェクトというのはすべて現地海外でアルミナまでつくって持ってくるという計画でございますし、さらに一歩進めまして、インドネシアのあるところでは日米合同の形で実はアルミの地金までやりまして、そこに大きな発電所をつくって、電力の一部は先方の農業開発、かんがいにも使うというふうなことで、地金を持ってきて高度の加工をやるとふうようなことで動いておる産業も現にございます。すべてがそうはいっておりませんが、方向としては経済協力の一環としてこういうことは意識して今後行なう必要があろうかと思います。  ただ、現実の石油の需要、たとえば重油の需要をはじきます場合に、そこまでのミクロのブレークダウンというのが具体的にまだできないという段階でございます。公害の問題につきましては、これは確かに大きな問題でございまするが、やはり全体として重油の消費量というのが伸びることは否定できませんので、精製工場段階での脱硫それからユーザーの段階での排煙脱硫がおくれておりまするが、この技術開発を早く進めて、これの実施にどんどん踏み切っていくということも含めまして、積極的に公害を起こさないという路線の上でやっていく、これがやはり必要だろうと存じております。
  72. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 いまお答えがありましたけれども、要するにいままで経済成長第一主義というようなたてまえが非常に強かったわけであります。ですから消費量はふえる。また産業活動は非常に活発になる、その結果が公害その他のいろいろの問題をいま提起しておるわけであります。要するにすべてが国民生活第一、福祉第一というようなたてまえに、いままでの政策というものを見直していかなくてはできないということは当然であります。ですからそのような見直しをしながら、石油の需給につきましてもそういう観点を入れて訂正していく、毎年毎年のあなたのほうの業法に基づくものを訂正していくということが非常に必要であろう。要するに安易な需給の見通しはいけないということを強く私はここで要請しておくわけであります。  もう時間もあまりありませんので、次にまいりますけれども、いまお話のありました石油精製でございます。でありまするが、精製企業に対しまして、いろいろいま指導をしておられます。ですからどのような指導をして、その結果各企業がどのような公害防除の施設を行なってきて、そして精製の段階における直接防止がどのように進んできたか。今後ともにそういうことを推進していかなければいけないものが、なおなおどのくらい残っているかという点につきまして、お答えいただきたいと思います。
  73. 莊清

    莊政府委員 石油精製産業の公害防止努力がどうなっておるかという御質問かと承りましたが、石油精製産業自体は比較的――これは比較の問題でございますが、大気汚染にはあまり寄与しないと申しますか、比較的排出量の少ない事業でございます。そこで問題は、石油精製事業がございますところは実は火力発電所もそばにできる、鉄鋼工業も立地してくるという、大体従来過密工業地帯にございますので、その地域全体に対して低硫黄の燃料を供給していくという大きな責務がございます。まず第一の社会的な責務があるということで、御案内のように低硫黄原油開発にもっとめておりまするが、精製段階の責務として、相当規模な投資を行ないまして、脱硫装置の建設ということを設備許可のときの条件といたしまして、全部実はやらしておるということでございます。  それから石油精製工場自体から出る廃ガスあるいは亜硫酸ガスというのは比較的少ないと申し上げましたが、やはりそのオフガスと申しますか、製造工程で出てくる廃ガスがございます。これは硫黄分がほとんどゼロである。こういうふうなものを自家燃料に使うとか、あるいは低硫黄の重油を自家燃料に使うというふうなくふうを、精製企業みずからやるということをいたしておりまして、相当厳重な公害防止協定等、現地であるようでございます。年々きつくもなっておるようでございますが、一応その対策の中身まではっきりさせた形で、地元の公共団体等とは現在のところはあまり問題なく精製企業の場合にはいっておるのじゃないか、かように考えております。
  74. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 新たに精製許可という段階におきますれば、業法に基づくいろいろの規制ができていくわけでありますが、既設のものについてやはりいろいろきちっとやっていかなくてはできないというのがあるのだろう。その点は指導が行き届いて、既設の精製企業はほとんど公害を出さない程度までいっているかどうかということなんです。
  75. 莊清

    莊政府委員 最近大気汚染の基準等も強化されてきておりまするし、現実には地元の自治体等との間でさらにきびしい公害防止協定等が各地で実はできております。現実には、そういう公害防止協定で地元と約束がなされた線というもので企業としては対応しなければならないわけでございます。そちらのほうの規制も強まってはおりまするが、現在、石油精製産業総投資の約一五%ないしそれ以上のものを毎年公害防止投資に実は使っておるというふうな状況でございまして、ここ二、三年非常に改善されまして、現在の時点ではそう大きな問題のものは少なくともないのじゃないのか、かように存じております。
  76. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 今度は石油をいろいろ原料にして製品をつくるという段階ですね。これが相当大きな排煙脱硫の問題を起こしておるわけでありますけれども、これはいろいろの企業がございます。特にその中で化学部門というものが、やはり大きな排煙脱硫という問題をかかえておるんじゃないかと思うのですけれども、そういう業界に対してどのような指導、大気汚染に関する排煙脱硫に対する指導、その結果どのように業界がそれを受けて改善しつつあるのか、これは大まかでいいですから……。
  77. 莊清

    莊政府委員 排煙脱硫は、石油精製工場におけるいわゆる脱硫と並びまして非常に重要なこれからの問題だと思います。  それで一番の問題は、御案内のとおり火力発電所でございまするが、この排煙脱硫につきましては、まだ実は研究の段階でございます。通産省が大型プロジェクトで火力発電所用の排煙脱硫装置の開発に取り組みまして、基礎研究が二年ほど前に終了し、それを現在関東、中部、関西の三つの火力発電所で、大型のスケールアップした形で研究に取り組んでおる最中でございます。これが成功いたしましたならば、各発電所に、過密地帯にある部分は土地の関係でやや難があるそうでございますが、新規の発電所には、そういう排煙脱硫装置が取りつけられるように余地を残した形での電源立地というものを通産省としては指導もし、それを条件に新規の発電所の許可を現にやっておるということでございます。  それから鉄鋼でも、鉄鋼各社が共同いたしまして、たしか川崎だったと思いますが、そこで共同の研究プラントをつくりまして、これは鉄鉱石の焙焼工場の排煙脱硫装置でございますが、これをいま目下研究中でございます。これは相当成果が期待されるわけでございまして、成功すれば、各製鉄所の焙焼工場から出る亜硫酸ガスというものの除去に非常な威力を発揮するであろうということが期待されておるわけでございます。  そのほか一般工場でございますが、たしか、御指摘のございましたように化学工業関係、それから実は紙パルプ関係が亜硫酸ガスが相当出るわけでございます。これはいろいろな技術がございまして、外国からも、たとえばウエルマンロード方式といわれるような湿式法でのかなりいいものが最近開発されてまいりまして、四十七年度末現在で考えてみますと、化学工業を中心に大手の約十数社で二十基近い排煙脱硫装置が、湿式でございますが装置される計画で、これが具体化の日程にのっておる、こういう状況でございます。まだその程度でございますが、今後技術の改善と相まちまして排煙脱硫装置というものを極力大型の重油の消費者のところへ装備していくということを通産省としてはすすめる方針でございます。
  78. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 一番問題の火力発電だとか鉄鋼関係ですね、これについては研究段階ということでありますけれども、これはすみやかにそういうものを完成して、早くやりませんと大きな問題を起こすであろう、これは一言ここで申し上げておきます。  先ほどアルミニウムの話が出ましたけれども、そのようにOPECの関係だとかまたは現地のいろいろの事情、また日本における事情がありますから、現地で精製するという一つ方向というものを固めるべきではなかろうか、このように思うわけです。精製までやりたい、また化学工業までやりたいというようなOPECの意向もあるでしょう。どのような国々からそのような要請があるのか、国別に要りませんけれども、そのような要請があるかどうか。またわが国としても消費地精製主義というものについてどのように今後方向づけをしていこうと考えておるかどうかという問題であります。
  79. 莊清

    莊政府委員 幅の広い御質問がございましたので逐次御答弁申し上げます。  アルミニウムでは先ほど実例を申し上げたわけでございますが、たとえば石油化学でございますが、イランにわが国が最近利権を取りまして、石油探鉱に乗り出すことに相なったわけでございますが、それと並行いたしまして、イラン国でいま生産されておる天然ガスを使いましてわが国資本、技術を出しまして相当規模石油化学工場を建設するということが同時にきまりまして、現にそれがなされておる。わが国石油化学工業というのは逐次原料のあるところに工場を持っていくという動きが、この実例からございますように現にあるわけでございます。  それからあと非鉄金属の関係でもう一つ申し上げますと、銅の関係でございますが、OPECと並びましてCIPECという組織が実はございます。OPECほど強力ではございませんが、やはり産銅国の横の共同した機構でございまして、それらの国々はいずれも現地でやはり精錬までひとつ極力やってもらいたいという希望を申し述べております。具体的なプロジェクトとして、現在ペルーの南部におきまして、わが国の指導のもとに精錬所をぜひつくりたいというものがございます。  それからインドネシアにつきましてひとつ申し上げたいのですが、インドネシアにつきましてはわが国からの資本なり技術の提供によりまして、インドネシア自体が開発した原油というものをそこの精油所で製油をいたしまして、そこでできた低硫黄原油というものを代金の決済として日本に渡そうじゃないかということで、これが現在行なわれております。昨年の暮れあたりからそういう形での低硫黄の重油というものがわが国に輸入されつつあるという具体的な例がございます。これは日本のやはり今後の一つの形を示しておるのではないかと存じますが、やたらにただ海外製油所を建てるというだけではこれはあまり安定した形ではないのであって、日本がやはり石油開発に乗り出しておる国で、その場で一緒にやるというふうな形を中心にしながら安定した形で事業をやっていく、その場合にはOPEC等々と共同でやるということも十分考えていいんじゃないか、かように思っております。
  80. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 いろいろの情勢から現地で精製せざるを得ないような段階に入っていく、こういうことですね。  次は備蓄の問題でありますけれども、この原油代につきまして全信連から公団への融資が計画されております。これが四十七年度に六十億、全体で約五百八十億このようにいわれておるわけでありますけれども、この全信連というのはいかなる金融機関であるかということであります。これは特に零細な中小企業のほうのいわば専門の金融機関ではなかろうかと私は思うわけです。そういう資金がなぜ備蓄のほうに回っていかなくちゃならぬのか、そこにどういういきさつがあったのかということでありますが、どうです。
  81. 莊清

    莊政府委員 私ども考えでは、石油の備蓄と申しますのは国家的に重要な事業でございますし、それから原油の価値と申しますか、商品としての価値というものも安定しておるという意味で優良な貸し付け先といいますか、プロジェクトではないかという判断が一つございます。そこでどこから長期運転資金を調達してくるかということで財政当局ともいろいろ御相談申し上げたわけでございますが、たまたま相当規模な一兆円以上といわれるような金を持っておられる全信連という組織があって、現在中小企業のほうに対して十分な貸し付けを行なった上でなお余裕金がある。これは業務方法書等の上でも一応の制約がございますけれども、そのワク内においてこの備蓄資金というものは十分行なえるというふうな実はお話がございまして、財政当局のそういう御判断もありまして、この資金をひとつ活用しようというふうになった、これが経緯でございます。
  82. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 そのような経緯があったんでしょう。しかし筋道としましては備蓄というのは国家的な大きな問題でありまするし、筋が通らぬのじゃないか、このように私は解します。ですから、本年はかりに少し資金がダブついておる、また来年はどう再来年はどうということになりますと、この見通しは立たぬわけであります。昨年なんかは年度末の融資もしたわけであります。年末の融資も大きく出したわけでありまして、たびたび資金ワクというものは、中小企業に対する三機関のワクとともに相当大きく増していったわけでありますから、現在の段階でということはわかりますけれども、これは今後相当反省を要するのではないか、検討を要するのではないか。これは一言私はここで注意的に申し上げたいと思っておるわけです。  次は備蓄に伴う土地代でありますけれども、現在の石油の精製をやっているその隣接の地域にちゃんと土地があるのかどうか。どこか新たにまたそういう備蓄の基地というものを設けましてやっていかなくちゃできぬのではないか。どちらかということでありますが、この土地について余裕ありますか。土地代というものは非常にかさみまするし、計画を見ましても、油代よりも土地代のほうがタンクを含めてむしろ要るわけでありますから、そういう点はどうでしょうか。
  83. 莊清

    莊政府委員 御指摘のとおり、備蓄の実行にあたりましてはその土地という問題が非常に大きな問題でございます。また、土地の選定ということが保安の見地からも十分配慮されなければならない点かと存じます。それで、とりあえず昭和四十九年度までの三カ年間で十五日分の備蓄をふやしたい、六十日までふやしていくという計画でございますが、それを行ないます分につきましては、少なくとも、現在、土地の目途は実は立っております。これは若干の余裕地もございますけれども、すでに埋め立て等が地元の調整も終わりましてはっきりしておるというふうなものを含めまして、今後の備蓄は、四十九年ないし五十年度ごろまでの分は何とかなるというのが実情でございます。それ以降の分につきましては、現在具体的なものはございません。全国的に適地をよく調べまして、十分な配慮をした上で、そういう土地を活用していくことが必要に相なります。
  84. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 そこの問題でありますけれども、現在三カ年で十五日分ふやしていくということでありますけれども、手持ちの外貨の実態から、もう少し資源をいまのうちに手当てをしておいたほうがいいのじゃないかという議論もなされております。ですから、五日分、五日分、五日分というような計画を、外貨減らしという観点からふやそうという計画があるのかどうかということ、それが一点と、三カ年のこの計画が終わって、十五日分ふえたというその段階で、次の備蓄を考えておるのかどうかということであります。
  85. 莊清

    莊政府委員 備蓄の問題は、ヨーロッパ諸国においても真剣な検討がなされておる実情でございます。わが国も、OECDですでに勧告のなされております最低六十日という線、これをぜひ達成しよう。OECDの場合は前の年の六十日ということでございますから、わが国の場合とは一わが国は翌年のふえていく量の六十日でございますから若干の差はございますが、とにかく二月分くらいは持たなければ、ちょっとのことでもたいへんなことになるということだと思います。  外貨の活用の一環いたしまして、石油に限らず、非鉄金属でございますとか、その他の備蓄の問題も政府部内でいま問題になってきております。どの程度原油を備蓄すればほんとうによろしいか。いたずらに備蓄だけいたしましても、土地の制約もございましょうし、コストの問題もないわけではございません。したがいまして、やはりわが国としては、あり得べき一時的な混乱と申しますか、そういうものを十分頭に置きながら、六十日では少し心細い、国際的な動きも見まして、今後前向きに検討する、外貨の活用も含めまして、通産省としても前向きに検討をやっておるところでございます。  三年後になったらどうするか。三年たてば、六十日の水準まではもう既定方針としてやるわけでございまするが、いま言いましたような状況でございまして、その六十日とはまた別に、いま検討をしておるところでございます。必要となりますれば、これは三年の途中からでも、あと五日でも十日でもふやすことは、方針がきまりましたならば当然のことかと思います。
  86. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 そのような方向になるのじゃないかということでありますが、これは真剣に検討しておくべきであろうと思います。  それで、一つは、そういう問題に関連いたしまして、現在米軍が基地を持っておりますが、その中に相当石油の基地がございます。石油の基地をいま米軍はどのくらい使っておるか。これはいまできていなければ、よくあとでちゃんときちっとしたものをつくっておかれたらいいのじゃないか。また、わかったらわれわれも聞きたい。  それと、これは佐世保の問題でございますけれども、佐世保には基地がございます。現在米軍が使用しておりますけれども、これは板付関係等の需要が減りまして、いまはほとんど使っていないという基地もあるわけです。赤崎地区というところは百十八万バーレルの貯油能力があります。庵崎というところは百四十五万バーレルの能力があります。さらに横瀬というところは二百七十五万バーレルという貯油能力があるわけであります。合計五百三十八万バーレル、大きいものであります。これはちゃんとタンクもあり、土地もきちっとあるわけでありますから、この備蓄について大きな国家の予算というものを出しておるわけでありますが、こういう米軍がもう使っていない、または使用が非常に減っておるというような基地については、これは当然政府として返還を要求すべきであろう、このように考えるわけであります。  政務次官がいらっしゃいますので、政務次官に伺いますが、これは大臣にもよくお取り次ぎ願って、真剣に折衝すべきであろう、このように思うわけでありますが、いかがでしょう。
  87. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)政府委員 米軍基地の中の石油貯油施設については、その能力等詳細なことはわかっておりませんが、それほどの大規模なものとは思われず、わが国石油需要量を考えた場合には、米軍基地内の石油貯油施設に多くの期待をすることはできないと思われるます。しかしながら、その量の可能性については、通産省といたしましても今後検討してまいりたいと思います。
  88. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 それは、総体的なそういう調査がなされまして、しかるべき段階の上での問題になると思いますけれども、現在こういうものがある、それについてはやはり真剣に取り上げて、そうしてこれは日本全体として国益のために使うべきであろう、こういうことを言っておるわけですから、今後積極的に折衝をなされるよう、これも強く要請しておきます。  最後でありますけれども、先般も外貨減らしの問題で第二外為会計等の話が出ております。大臣もそのような政府の統一見解を発表しておりますけれども、これは一つには、石油開発ということにからめましても、海外経済協力のために日本はいま思い切って外貨を使うべきである。特に政府援助というものが、情けないかな、日本は非常に少ないわけであります。どちらかというと輸出に伴うクレジット供与というような面でふえておりまして、内容的にいえばほんとうの海外経済協力になっておりません。でありますから、かりに第二の外為会計等ができた場合には、単にそれを備蓄に使うという考え方でなくて、やはり大きく相手の地元のために協力していく、この政府の援助というものを思い切ってふやしていく。いま民間のバイタリティーが大いに強いとおっしゃいますけれども、経済協力に伴って、石油開発というのは非常に大きな問題でありますから、そういうところで開発公団等をうんと使って、政府の援助というものを実効あらしめる結びつきをなしていくべきじゃなかろうか。そのようなところから出てくるプロジェクトというものを今後は公団中心にやらせていく必要があるのじゃないか、このように考えるわけです。ちょっと複雑な問題になりますけれども、これはひとつ政務次官からお答え願ったほうがいいのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
  89. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)政府委員 御指摘のように、石油開発を進めるためにはその前提として経済協力全般にわたり産油国との交流を進める必要があると思います。経済協力を行なう機関としては経済協力基金、輸銀があるからこれらを活用し、これらと石油開発公団とは密接な連携を保ちながら石油開発を進めてまいりたいと考えております。
  90. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 もう少し申し上げたいのですけれども、やはりうんと政府援助をするということですね。それから特に経済協力の関係石油開発というものを結びつけて、もう少し開発公団をうんと使え、バイタリティーを与える。そうしますと、民間のバイタリティーにたよっているいまの日本開発のあり方が自然と開発公団中心に移行するであろう、こういう観点から申し上げておるわけで、外貨減らしが一点と、その中で石油開発の問題、そこに開発公団を使っていきなさい、こういう一つのコンビでワンセットとして言うておるわけでありますが、もう一回どうぞ。
  91. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)政府委員 大臣も昨日お答えいたしましたとおり、外貨減らしという問題は、石油をはじめといたしまして、通産省といたしましては具体的に大蔵省と詰めをいたしておる現状でございます。そういう意味合いから、世界の石油事情の推移とまた日本の将来の消費の急増等々考えて、今度公団法の一部改正が提出されておるわけでございますが、これは一歩大きく前進をいたしておるわけでございますが、これで足りるものではございません。そういう意味合いから、いま御指摘の点は前向きにひとつ検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  92. 鴨田宗一

    鴨田委員長 川端文夫君。
  93. 川端文夫

    ○川端委員 きょうは私の都合もありまして時間を短く質問申し上げて、後日にまた質問を残したいと思いますけれども理事会の決定というものが守られていないことに対して、私は委員長に強い要請を申し上げておきたいと存じます。  私の都合で短い時間だということで申し上げるわけでありますからきょうは質問いたしますが、今後はこういう状態ならば質問を取りやめさせていただきたいことをあらかじめ御理解おきを願いたいと存じます。  そこで、長い時間公団の総裁にお待ち願ったわけでありますから、とりあえず公団の総裁に先に質問申し上げて、時間の許す限り他の質問をいたしてみたいと思うのであります。  この公団法の一部改正案は、昨年五月の石油資源政策確立に関する決議及び十二月における石油政策の確立に関する決議という商工委員会の決議がもとになってできてきたものとして私どもは受けとめ、これを審議しようとしているわけです。そこで公団総裁に申し上げたいのですが、いろいろけさからの御質問もありますように、石油政策を推進していく場合においては公団を強化しよう、これが法案の内容であろうと思うわけでありまして、そこでこの業務の拡大に伴って、いままでなかった備蓄なり可燃性天然ガス開発等をやられるわけになるわけですが、いま出ておる法案の中には理事二名を増員するということだけしか出ていないわけですが、公団内容に対してはどのような機能の強化に対しての準備、用意をされているかということをひとつお答え願いたいと思います。
  94. 島田喜仁

    ○島田参考人 私ども公団は人員が百二名でございます。百名ちょっとでございます。公団ができましてからですに四年半たっておりますが、その人員の内訳は女子職員、タイプ、交換手等を除きますと、実際に仕事をしておる者が約七十名程度でございますが、その中で技術陣が約四十名、三十名が事務系統でございます。  その中で、私が公団発足と同時に、職員として就任いたして以来、一番力を入れた問題は実は技術陣の確保でございます。これに私は全力を傾倒いたしたつもりであります。御承知のように私ども公団は、性格から申しまして単に資金を供給するということだけではございませんので、民間と一体になりまして、利権確保のためその鉱区の地質的評価等技術的な問題が非常に大事な問題でございまして、有望な地点を確保するというのがまず先決問題でございます。そういう意味で有能な技術陣をとることに全力を注いだわけでございますが、ただいま申し上げましたように四十名でございます。これは先ほど岡田先生からお話がございましたように、主としてかつて国策会社でありました石油資源開発を中心に協力を得まして説得もいたしました。政府機関でございますから、民間とは給与その他違うわけでございますが、石油開発に情熱を傾ける、そういう考え方のもとに四十名集まったわけでございます。ところが、全体といたしまして石油開発に関する技術者というのは、先ほどお話がございましたように帝石石油資源開発、それとアラビア石油、これだけといってもいいわけでございまして、しかも国内石油開発してまいりました関係から中堅の技術陣というものは非常に少ない。そういう技術陣は全体でせいぜい五百名足らずでございます。その中から私どものところに参ります中堅の技術陣というのは、単に現場の探鉱開発をする技術陣ではなくして、民間からいろいろプロジェクトが出てまいりましたときの地質評価をする、あるいは外国にデータがある場合には外国の資源国あるいはオイルカンパニーのデータを見ましてこれを判断をするという意味で、私どものところは民間の要請によりましてコンサルタント的業務をやっております。民間からそういう利権問題があったときにはほとんど私ども公団の技術陣に相談に参ります。同時に、民間その他外国の要請によりまして毎月技術陣が海外に出ていないことはおそらくございません。そういう意味で技術陣はフル運転でございますが、全体として非常に技術陣が足りないという面で、今後私どもの機能を拡充する上に一番困難を感じておりますのは、率直に言って技術陣でございます。しかし、私ども公団の業務というのは日本の国全体の業務でありまして、全体の仕事を受け持っておるわけでございますから個々の企業という立場でございませんので、ただいま申し上げますように幾らかでも公団に技術陣を集めて、これを民間全体として、あるいは日本全体として活用するつもりでおりますが、今後とも何とか無理をしてでも技術陣をふやそう、こういうふうに考えております。  それからもう一つは、石油の仕事というのは、事務系統もそうでございますが、全く経験に基づくわけでございます。ほかの政府金融機関と違いまして、一つの基準のもとに事務的な仕事をすることではございません。一つ一つプロジェクトが、条件も違えばその体質も違う、相手方も違うということでございます。同時に先ほどからお話がありましたように、条件の態様が急変しつつあるわけでございまして、資源国の条件しかり、またオイルカンパニーにファームインする場合のオイルカンパニーの経営戦略の激変またしかりでございます。そういう情勢に対応していくためにはいろんな経験を積んでまいらなければ、要するにネゴシエーターとしてもなりませんし、情報をキャッチする仕事にも実は向かないわけでございまして、そういう意味では訓練をしてまいらなければならぬわけでございます。先ほどの理事を増員するという問題は、これはまた御承知のように、外国との関係で利権関係の情報を収集したりあるいはこれとコンタクトしたり、利権交渉したりする場合はほとんど要するにトップレベルでございます。そういう意味海外に出ていったり交渉したりする場合には、どうしてもディレクターという立場でないとなかなかできないというところにこの二名増員の問題があると思います。そのほか、ただいまお話しのように、今度新しく政府政策として備蓄の問題あるいは天然ガスの問題あるいは技術センターの増強等ございますので、理事二名増員ということになったと思いますが、率直に申しまして、私どもの女の子に至るまで百名は夜を日に継いで仕事をいたしております。ただ私は、できるだけ人員をふやさずに精鋭主義でいこうという考え方に立っておりますことと、だれでも来て公団で仕事ができるというわけでございませんので、そういう意味では私ども与えられた人間を何とかして訓練し経験を積んでいくという面で考えると同時に、要するにこの中のチームワーク、そうして組織化を考えながら、もし理事二名の増員がここで御審議いただいて成立をいたしました場合には、同時に組織化の問題と増員の問題を、数の問題よりも質の問題を考えながら増員していきたい。しかし率直に申しまして、政府機関民間と違いますので、有能な人材を集めることはなかなか至難でございます。しかし私どものところにおります職員は、私から言うのは非常に口幅ったいわけでございますが、相当優秀なスタッフがあるということを私は誇りとしております。今後も努力して、少数精鋭で与えられた仕事の使命達成に邁進してまいりたい、こう考えております。
  95. 川端文夫

    ○川端委員 いろいろ現状に対する御説明はありましたが、私は何もいままでサボっていた、能力がなかったと言ったわけではないのでありまして、これだけいま公団法の改正をしてでも仕事を拡大してほしい、こういう要請のもとにこの法律をつくっても、ややもすると、人手不足その他において十分な機能を発揮できないのじゃないか。けさからの御質問の中にもありますように、いまの政府計画だけでは足りないのじゃないか。特に日本のような現在外貨の余っているときに、第二外為会計をつくってでも資源備蓄その他に対してもっと積極性を持つべきだといろのが大方の意見であったと思うわけです。したがって、これらの問題に対して対応できる心の準備というか人の用意というものが当然必要じゃないか。これらの訓練というか養成に対する用意がはたしてあるのであろうかどうか、こういう心配をしながら、まあ幹部職員はあるいは求めれば得られるかもしれぬけれども、中堅幹部はいまの時世に、給与ベースがどうなっているのか詳しいことは承っておりませんけれども、なかなか得にくいのじゃないか。多少の成績をあげたからといって、賞与を急に五割増しにするわけにもいきますまいし、いろいろな意味で容易ではなかろうと思うけれども、これらに対応して政府との積極的な折衝が必要ではないか、こういうことを考えながら御質問申し上げているわけです。時間の関係であまり長いこと言いませんが、せっかく仕事を与えてもいわゆるスタッフが足りぬというようなことで停滞するようなことのないように、十分の御配慮おきを願いたい、こう思うわけです。  もう一つは、これもまた午前中に議論がありました第二日竜丸を貸与されて現在動いておるわけですが、これをいろいろ調べてまいりますと、事業計画を始めたのが昭和四十年、それが四十六年にでき上がった、こう報告されておりますから、おそらく設計その他を準備したのはそれから一、二年先じゃなかろうか、こういうふうにも理解できるわけでして、いまのような技術テンポの早い時期に、もう第三白竜丸というか、何かの用意をなすべきではないか。私は日本海の海辺に生まれたものでありますからいろいろ見聞きする機会が多うございますけれども日本海は御存じのように非常に波浪の高いところで、特に冬などはたいへんな海であるわけでして、したがって冬には完全操業できないでときどき戻る、白竜丸をときどき退避させなければならぬということも聞いておるわけです。しかも白竜丸はやはり海で仕事をする場合に足をおろさなければならぬわけですから、これが五十メートルだという話でありまして、もう少し深くいければ、あるいはもっと資源開発にも有利な面があるように思える節もあるのですが、できたものは最新の技術を駆使してやっておいでになるという話もそのまま私どもは信用しますけれども、もうすでに四年なり五年の年月前に計画されたものから見れば、もっと優秀なものができる時期に至っているように思うし、今度はどうして次の白竜丸的な役割りを持つ船を用意されようとしなかったのかという一面と、もう一点は、時間の関係上全部言ってしまいますが、輸送船舶建造に対しての法律の仕組みを見ていると、ほかにあるのかもしれないが、石油なり天然ガスを運ぶためにだんだん大量になっていくことは、いろいろな意味から明らかになっておるわけですが、輸送船舶の問題に対して触れなくてもよかったのかどうか、この点を承っておきたいと思うわけです。
  96. 莊清

    莊政府委員 日本海外から石油を持ってくるわけでございますから、船なくしては話にならないわけでございますが、現在わが国が輸入いたしております原油邦船積み取り比率は大体六五%程度ではないかと思うわけでございます。船邦のほうが実は多いわけでございます。港の問題、海上交通安全の問題等いろいろ問題は山積しておるわけでございますけれども計画造船と申しますか、いろいろ造船関係についての助成措置もあるわけで、二十万トンクラスのタンカーをだんだん整備していくという方向で進んでおるようでございまして、今回の公団法の改正にあたりましては、主として最も立ちおくれになっております開発面での政府のてこ入れということを中心に考えた次第でございます。長期的に見て輸送が非常に重要な問題点であるという点は、まさに御指摘のとおりだと存じます。
  97. 島田喜仁

    ○島田参考人 先ほど、機能の拡充に伴う内部の整備の問題にお答えいたしましたが、不十分でございましたのでつけ加えますが、私どものところの定員はやはり予算で縛られることになるわけでございまして、毎年定員増加に非常に苦労をいたしております。定員のワクの範囲内で人員を雇うわけでございますので、この定員がふえない限りは私どものところは人員がふえないという問題は、当然御承知のことと存じます。そういう意味で、政府に対しましても、来年度、この法律改正が通ると同時に強く要請をいたしたい、こういうふうに考えております。  それからなお、例の掘さく船の問題につきましては、先ほども岡田先生から御質問がございましたが、掘さく会社といたしましては、少なくとも最小限十ぱい前後持たなければ世界的に掘さく会社にならない。しかも、いま先生のお話がございましたように、水深なりあるいは掘さく深度なり海洋の状況なりに応じましたいろいろの船を取りそろえて持っておるというのが本来掘さく会社の通例でございますが、日本は御承知のようにわずかの船しか持っておらぬ。それからもう一つの問題がございまして、耐用命数が、償却年限が七年では短過ぎるじゃないかというお話も先ほどございましたが、一番の問題点は、たとえばいま大陸だなで開発をいたしております時期に、同時にあちこちで一斉に船が必要になってくるわけでございます。そのときには船が多数要るわけでございますが、ある程度一巡しますと、同時にその船が遊ぶという問題が実は船にはつきまとうわけでございまして、掘さく船というのは、要するに仕事量さえあればリスキーではないわけでございます。それを順次に大陸だな周辺でやる場合に、一つの地域の掘さくが済んだら次をやるというふうに、時系列にやってくればいいわけでございますが、一斉にきたときには船がたくさん要って、それが今度は一巡しますとみな遊ぶという問題が、掘さく船にとって一番大きな問題でございます。したがって、そこに、いまのような時間的な問題からアイドルができる場合が非常に多い。これが半年休みますと実はたいへんなコストアップになるわけでございまして、これが一番、基本的に耐用命数を長くするか短くするかの一つのポイントになるわけです。  いま先生からお話がございましたように、掘さく船というのはどんどん進歩してまいりますから、そういう面では、技術革新に伴いまして償却年数というのは短くなるのが本来でございますけれども、いまのような問題を考えますと、アイドルの場合の採算に合わないという問題と、両方加味して考えなければならぬという問題があるわけでございます。ただ、しかし、先ほど鉱山石炭局長からもお話がございましたように、いまは要するに大陸だなの周辺ではもう船が足らないという実情でございまして、実はいまこれからつくろうとしても間に合わない。したがって、いまのような問題を加味しながら、おそらく通産省といたしましては前向きに検討するということでございますので、私どももそれに沿って検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  98. 川端文夫

    ○川端委員 鉱山石炭局長、いまの総裁の答弁は、あなたも賛成できる立場でお答えいただけるかどうか。
  99. 莊清

    莊政府委員 これからの石油探鉱というのは、海が陸よりもむしろチャンスとしてもふえてくるのではないか。現在のわが国プロジェクトでも、海が実は非常に多いわけでございますが、そういうことから当分の間掘さく船、特により深いところの海で作業ができる近代的な掘さく船というのは、世界的にもそう数があるわけではございませんので、需要が多いのではないかというふうに考えます。したがいまして、総裁のお話にもございましたように、いま非常に不足しておるという点はそのとおりでございます。外国の船を使いますと第二日竜どころではない、もっと高い一日当たりの金が取られるということも実は聞いておりますが、何しろ現在白竜しかございませんから、海外のものもそれは使わざるを得ません。その場合にそのコストというのは、当然探鉱費としてそれだけかさむわけでございますから、国もその点は配慮して、民間に対して、船を雇うのに苦労しないように出資なり何なりでめんどうを見るということは一つの行き方だと存じます。しかしそれと同時に、やはりわが国として、これだけ海にも囲まれておりますし、東シナ海にも有望な油田があると聞きますし、長期的に見ました場合には、一隻ぐらいしか十分な性能の船がないということはいかにしてもさびしい問題でございまして、将来それがかりに岸につながれて、もう仕事があまりないというふうな、調査をし尽くしたような時点も来るかと存じますが、そのときはそのときでこれはまたしかたがないわけで、したがって、そういうリスクがあるからこそ石油公団あたり、国がひとつその船をつくりまして、助成業務の一環としてこれを民間に貸し付けていくというふうな体制は、現在よりも強化されることがやはり望ましかろうと思います。公団に船をふやす場合でも、一体出資でやるのか財政投融資でやるのか、いろいろな方法があろうかと存じます。補助金でやるのも考えられますし、出資考えるという方法もございましょう。そういういろいろ技術的な問題がございますが、やはり方向としては、この問題は前向きに考えるということが適当なんじゃないかと私ども考えております。
  100. 川端文夫

    ○川端委員 総裁、まだ承りたいことはありますが、後日また機会もありましょうから、どうぞお引取り願いたいと存じます。  局長にちょっと承りたいのですが、最近新潟沖の採掘成功もあって、大陸だなの問題が非常にクローズアップされてきておるわけです。そこで、日本大陸だなの条約には参加していないのじゃないかと思うのですが、国際条約は大陸だなというものの定義もありましょうから別にいたしましても、深層に至るといろいろな問題が隣国との間に起きるということを聞いておるわけです。たとえばシベリアの付近においてはソ連との関係が起きるのではないか、あるいは尖閣諸島の占有の問題をめぐっても三つの国がいまいろいろ所有権を言わざるを得ない。あえて言うならば、ここでは外交問題を言いませんから、言わざるを得ないということは、深層の海底資源の問題ではないか。そこで、大陸だなの境界等の問題なり大陸だなの解釈の問題に対して、どのような、国際的というか近隣諸国との協議が行なわれつつあるのか、行なわれていないのか、この点をお聞かせ願いたいと思うのです。
  101. 莊清

    莊政府委員 御案内のとおり、日本はまだ大陸だな条約には加盟いたしておりませんが、地理的な条件から申しまして、これからの大陸だな開発が非常に重要になっておりまして、韓国との間でも外交問題を実は生じております。それから台湾、中共との問題につきましては、尖閣列島その他御案内のとおりでございます。現在の大陸だな条約に日本は入っておりませんが、たとえば台湾も入っておりますし、当然国際的に話し合いをする場合には、この大陸だな条約というものにお互いに将来加入するであろうという前提のもとに、一つの重要な国際的な慣習と申しますか、そういう意味の力を持つわけでございますが、大陸だな条約の上では、どこまでがその国の大陸だななのかというのをきめる場合には、原則としてその当事国間の合意によりきまるのだ、合意が成り立たないときにはいわゆる中間線と申しますか、そういうものとしてさばいていくのだ、こういう条項一が実はございます。したがいまして、韓国、台湾等に対しましても、わが国大陸だな条約の精神というものを踏まえて、問題の地域についても当方としての権利を主張しておるということが現状でございます。  なお、それでは大陸だなというのはそれぞれの国の合意だと申しますが、具体的にどういう立場で主張するのが合理的なのかという問題でございます。大陸だな条約では二百メートルまでの深さのところ、これは明らかに大陸だなであるし、大陸だな斜面の一部、二百メートルからもう少し深くなっていくところでも、現在の技術で資源開発が可能であるというように考えられる深さのところまでは大陸だなと考えてしかるべきだ、こういうことになっておるようでございます。
  102. 川端文夫

    ○川端委員 その解釈は存じておって質問しているのです。私の聞こうとしているのは、いま大陸だな開発が非常に世論化しているときに、資源のない日本としては少しでもあればいいということで、大陸だなの問題はだいぶん国内の世論化しておる姿の中に、現在の原点に立っての大陸だなではやはり油層が狭い、少ない、こういう条件の中でしか掘れないということになっておるように承るので、したがって、やはり大陸だなの解釈を通じて隣の国との話し合いも行なわれるべき時期ではないのかという立場で聞いているのです。行なっていなければ行なってないでいいのです。やっているかやっていないか、協定なり交渉をしているのかどうか、こういうことを承ろうとしているわけであります。
  103. 莊清

    莊政府委員 現在のところ、大陸だなの共同開発についての近隣国との交渉というものはございません。現在問題になっております大陸だなに関する紛争と申しますのは、わが国開発を欲しており、しかもわが国の立場から見て明らかに日本大陸だなに属するという部分について、不幸にして相手国がそこへ権利を主張するためにそれが実行できないという意味において、外交交渉が韓国等とは行なわれておる、こういう状況でございます。したがいまして、明らかに相手方の大陸だなに属する部分について、当方も関心を持ち、相互に乗り入れの形で共同開発しよう、大陸だなを合わせて一本と見て開発しようというところまで現状はまだ熟しておらないというのが実情でございます。
  104. 川端文夫

    ○川端委員 これももう少し聞きたいのだが、後日に回しまして、いまの原油直接取引の問題点について一、二お尋ねしたいと思います。  現在来ておられるように思うのですが、OPECのパチャチ事務総長ですか、日本に来ておいでになっていろいろな接触をされておるように聞いておるのです。そのことはそれとして、いろいろの意味における接触はけっこうだと思うのだが、昨年の十二月の国会におけるいわゆる業界代表の参考人招集のときの答弁の中に、滝口石油連盟会長から、現実を無視するなという立場でかなり強い批判をされたいきさつがあったように承っておったのです。その問題は、かりに日本が直接買いなり直接探鉱をいたそうとすれば、当然国際資本というかメージャーの妨害等にあって、かえって不利になるのじゃないかという考え方からの御意見でないかとも受け取れる一面があったのですが、そういう、従来日本の需要石油の九割までメージャーから買っておった日本の現状から見て、このメージャーとの調整ということが、いまの立法をしてこれから日本海外資源確保をしていこうというときに、当然摩擦が起きるおそれがあるのではないか。ある意味におけるそれらの警戒が必要であるのではあるまいかと思うのですが、この関係は心配ございませんか。
  105. 莊清

    莊政府委員 OPECの値上げあるいは資本参加というふうな大きな流れの中で、従来長年続けておりましたメージャーの金城湯池と申しますか、そういう体制というのは実は大きな変革期に来ておるというのが世界の共通した認識でございますし、メージャー自身もその点は十分に考慮しておるというふうに私どもは実は考えております。  従来はOPECとメージャーが対立関係にあり、消費国である日本やドイツ等はそのメージャーのそでにぶら下がっておるというかっこうで場外に立たされておったという形から、今回はドイツ、日本とも積極的に原油開発に乗り出してくる、それからOPECのほうも、ただ値上げを迫っただけではなくて、原油をみずからの手に入れてこれの処分をしようということで、二極構造から三極構造に、世界の石油情勢はますます複雑になっていくということかと存じます。  その中で、ただいま滝口石連会長のお話も出ましたのですが、メージャーというものとのいい意味での協調、これは今後とも日本は十分に念頭に置いて考えていくことが正しかろうと存じます。何しろ、年に四十億ドルからの探鉱開発融資を続けておるメージャーでございまして、わが国との関係は深いわけでございますから、一つの安定供給源としてメージャーとの正しい意味の協調ということはぜひ考えるべきことでございます。同時に、開発の面ではメージャーだけにのみ依存しておればそれで十分なんだ、メージャーから輸入したほうがむしろ安いのだ、開発しても意味がないのだ、そういう形では、世界のこれからの石油事情を考えます場合に、これはとうてい十分でないということがまた多くの御意見であろうと思いますし、通産省としてもさように考えております。むしろこれからは、OPECを一つの柱とし、片やメージャーと日本とがまたそれに対して事業参加をしていくというふうな形での開発というものが相当重きをなしてくるのではないかと思います。  現在、中近東等でも古い形の利権というものはメージャーの手によって占められておりますが、昭和五十年から五十五年にかけまして、ほとんどそれらが契約の更改期に入ってくるという問題もございまして、それらの利権というものも今後OPECとしては前向きにどういう形で処理しようとするか、これは非常に大きな問題でございます。わが国としても、メージャーとは、一言で申せば協調的競争の関係を基本としながら、競争すべきところは競争し、協調すべきところは協調する、共同事業としてもやっていく、こういうことがやはり非常に必要ではないか。そうして、みずからも石油開発に乗り出すことを通じまして、従来のようにメージャーのそでにぶら下がっておったような形から漸次脱出することをはかっていく、これが非常に大切ではないか、こう存ずるわけでございます。
  106. 川端文夫

    ○川端委員 だいぶん私の予定時間がなくなって、申しわけないのですが、中小企業庁の進さんと大蔵省の淡野さんにも来ていただておるのですけれども、私のかってなんですが、お許しを願ってお引き取りをいただきたいと思います。どうも済みませんでした。  私は、いまの局長の御答弁に対しては、まあそううまくいけばいいということしか言いようがございません。いうなら、やってみなければわからぬ面もあるけれども、かなり業界の代表的な立場におる滝口さんですら、そうかってに、せっかちにものをやるべきじゃないという発言が委員会にあったことが頭に残っておるわけです。したがって、この点はやはり、いまや協調と競争というものの使い分けはなかなかむずかしかろうと思いますが、ひとつ十分留意されて、この法律ができたあとにこの法律そのものは完全だという立場でなく、もっと大幅にやるべきだというのが、いわゆる第二外為法をつくってでも積極性を持てというのが各議員の意見でもあることを考えると、当然わが国として資源の安定確保に対して大きな努力を踏み出そうとしているときだから、これらの問題に対しては単なる協調競争ということばではなくて、御準備をしておいてもらいたい。  それから、もう一つの問題は、時間がなくなりましたからちょっとお尋ねしたいのだが、先ほども同僚議員からの質問がありましたけれども石油の需要が減ってきているんじゃないか。この石油の需要計画を見ましても、GNPの伸びを年間大体一一%と見ながら計画を立てておる。ところが、昭和四十六年度は四・三か四になるだろうと言われておるし、四十七年度ははたして七・三になるかどうかというこの問題点もあるわけですが、しかし私どもは、長期展望に立っての資源確保に対してこれを否定する立場で聞こうとするんじゃないわけですが、現実の問題としては、新聞の伝えるところによると、ことしの石油精製設備は一年延長するということを伝えられておるわけですが、その原因は需要の減少か、あるいは設備過剰になっているのか、この内容をお聞かせ願いたいと思うのです。
  107. 莊清

    莊政府委員 率直に申し上げますと、従来の石油消費の伸びというのはマクロ的な一つの指標を中心に見ております。それで、石油国内供給にいささかも不安をなからしめるということが石油業法での設備許可の大原則でございますから、いささかも供給に不安なからしめるという前提で、大体三年向こうの設備を許可をしてまいっておるわけでございます。不幸にして今年度、四十七年度の経済成長率も予想よりもはるかに下回った低いものだと思いますけれども、だれでもそうだと思いまするが、四十七年度のような経済状態が今後永続することを願っておるものはだれもございませんし、日本経済の持てる力というものを十分に利用すれば、施策よろしきを得れば、当然に景気も立ち直り、いっときのように一二、三%の成長は無理といたしましても、もっと高い、四十七年度よりは高い安定成長路線で進むということが十分可能であろうと存じます。その場合に、お尋ねのございました石油需要でございますが、昭和六十年七億キロリットルというのも、実は今後の成長率の見方で六億数千万から七億数千万という範囲のある間の七億キロリットルということではじいておるわけでございまして、七億キロリットルというのが一年とか一年半先に延びることはあるかもしれません。しかし長期的に見れば、先生御指摘のとおり、わが国石油需要というのはやはり世界最大の伸びをすることだけは、これはもう全く疑う余地がございません。一九七〇年代を通じて世界の需要の伸びがやはり数%の伸びで、そうして七〇年代の石油の消費量というものはおそらく、世界で人類が石油を始めて以来今日までの約百十年間の総消費量に匹敵するだろうという点につきましては、これは米国なりヨーロッパの景気がやや停滞しておる昨今においてすら世界の石油の専門家の完全に一致した意見と聞いております。こういう点を、私どもは長期的な政策考えます場合には短期的な変動でぐらついてはいけないので、長期的に問題は何ら変わっておらぬ。一、二年のズレは、十年、十五年というタームで見ましたときにほんの誤差の範囲の程度であり、石油開発の重要性というのはふえることはあってもいささかも減らない、こういうことを政府としては肝に銘じて努力すべきであろうと考えております。
  108. 川端文夫

    ○川端委員 時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思うのですが、局長、この法案の中に盛られているのは、少なくとも石油需要がこれから伸びるであろうという意味において備蓄も考える、あるいは探鉱もやる、天然ガス開発ももちろんやるということを土台にして、基本にして考えて皆さん提案されているのです。したがって、そうであるとするならば、景気浮揚の意味からいっても、精製を一年延期するよりも、精製したものははたして備蓄はできないのでしょうか、この点はいかがですか。意見だけ聞いておきたい。
  109. 莊清

    莊政府委員 向こう三年目の設備を先へ先へ許可しておるということを申し上げましたので、昭和四十九年度一ぱいに必要となる設備というのは、昨年の秋に、許可書は出ておりませんが、すでに石油審議会の御了解を得て実は内示をいたしておりますし、地元の都道府県等とも完全に意見の調整を終わっております。ただ、これらのものはまだいずれも着工はされておりません。そういう状況でありますので、さらにその上にいたずらに先行きの許可の内示を積み重ねるということは必ずしも必要ではありません。現にそういう設備がきょうあるわけではございませんので、特に備蓄につきましては、製品で備蓄するよりもむしろ輸入原油で備蓄するという形のほうが備蓄コストの点一つとりましても合理的じゃなかろうかというふうに考えますので、備蓄のために設備増強をやりまして、そしてその製品を政府が買うとか、こういうことは実は考えておらないのでございます。
  110. 川端文夫

    ○川端委員 終わりますが、あまり議論をしたくないのですが、きょうはいろいろな問題を聞きたかったのですが、とにもかくにも、一面においては将来の日本のビジョンというか展望の問題に立ってのこの法案の問題であり、当面の問題もあるわけです。景気浮揚に対して何をしてもらったほうが、景気浮揚に一面役立つかというものも考えながら、私どもは審議をせざるを得ないという現実を持っているわけですから、そういう意味においては、私は昨年度許可したやつが今年まだ設備にかかっていないから、現在昨年のものさえやっていないのだから、三年後のやつはいまから許可せぬでもいいということをしないで、それはやはり景気浮揚というものを――あなた方は、鉱山石炭局長であるけれどもやはり日本の官僚なんだから、そういう意味において、景気を立て直す意味において役立つことがあればそこに多少の勇気があってもいいのじゃないかということを申し上げて、後日の質問を留保させていただきます。どうもきょうは失礼しました。
  111. 鴨田宗一

    鴨田委員長 次回は、来たる七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十九分散