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田中国務
大臣 国連貿易開発
会議における最大の問題、これは開発途上国に対する援助、量もさることながら質へ、こういうところがいまちょうど山にかかったところでございますから、サンチアゴにおける
会議の主題は、問題はそこになると思います。
質の問題に対しては
——日本は現時点において十八億二千四百万ドルぐらい出しておるわけでございまして、これは
国民総生産の一%という申し合わせ、一%を下らないように努力をしよう、努力目標一%、これに対しては〇・九三%でございますから、数字の上では非常に量的にはよくなっております。ところが、この中における
政府の開発援助というものが一体幾らかというと〇・二三%ということであります。これは
アメリカが〇・三一%、フランスが〇・六五%、西独が〇・三二%、イギリスが〇・三七%、十六カ国合計は〇・三四%である。この〇・二三%をDACの平均数字である〇・三四%まで引き上げろ、また引き上げなければならない、ここがポイントでございます。ですから、そういう
意味で、まあ日本側の代表が出れば、これをいつまでにこの数字まで上げるのか、同時に、十六カ国の合計ではなく、テンの国家の平均に対してどうするのかという問題が当然出てまいると思います。そういう
意味で、そこらが問題でございます。
いままでの国際的な、四五年からの、第二次戦争直後から二十七年くらいのものを見ますと、これは世界的な金融は
三つになっております。一つはIMF、一つは世銀、一つは第二世銀、それにアジア開銀のように地域的な開発銀行ができている。言うならば四つかもわかりません。しかし大ざっぱにいうと
三つであり、まあフランの暴落やポンドの暴落に対しては、これはIMFがスタンドバイクレジットとかSDRの制度、十カ国が四十億ドル、四十五億ドルで、拠出してささえるということで調整をとっております。中進国から先進国に移行する過程は世銀がめんどうを見ております。だから日本は、戦後の鉄道、電力、鉄鋼、これはすべて世銀の力によってできたといっても過言でないわけでございます。
それから第二世銀というのは無利息五十年でございますから、これはもう発展途上国へということでございます。一部には無利息九十九年にしなさいという議論もあったということでございますが、しかし今度は
ほんとうに必要なものは、第二世銀無利息五十年でやろう。そうして無利息五十年の第二世銀と第一世銀をだき合わせることによって、半分ずつだき合わせれば、世銀の七・二五%は三分七厘になるわけでございます。そのだき合わせのやり方によって、五分にもなるし三分にもなるし七分にもなる。そうしてそれによって自動的に、償還年限が五十年までの間、三十年にする、二十五年にする、二十年にするということになるわけでございますので、これは合理的なのです。日本もその
意味で合理的になっているのです。これは海外経済協力基金がありまして、無利息ではありませんが、三分何厘ということであります。
アメリカの財務省証券と同じ利息で貸そうということでありますから、できてはおるのですが、この量が足らないということと、これと輸銀とのだき合わせの比率がよくないんだ。だからそういう問題でありまして、まあいま外貨を使わなければならぬというようなときでありますから、そういう
意味では日本も質の改善に何らか寄与できるということでございます。そういうところが国際
会議における南北問題のポイントでございますし、日本がやはり平価調整のとき受けたと同じくらいな状態で日本に対する外圧がかかるだろうというのはこの一点でございます。