○小松
政府委員 昭和四十七年度
通商産業省
関係予算案及び
財政投融資計画につきまして御説明申し上げます。
まず、
昭和四十七年度の一般会計予定経費要求額は、千六百三十二億五千七百万円でありまして、前年度予算に対しまして、四百九十六億三千五百万円、四三・七%の増となっております。
次に重点
事項別に予算の内容を御説明申し上げます。
第一は、適正な
産業配置と
環境保全の促進でございます。これにつきましては、前年度比三一・二%の増の百七十七億九千一百万円を計上いたしております。
まず、新たに、
工業再
配置促進
対策を
推進することとし、一般会計五億円を計上し、
工業再
配置促進補助金と
工業団地造成利子補給金等に充てることとしております。また
産炭地域振興事業団を
改組拡充いたしまして
工業再
配置、産
炭地域振興公団(仮称)といたしまして、同公団に対し、産投出資四十五億円、
財政融資等百億円を計上して
あと地の
融資・買い上げ、
移転資金融資及び中核団地造成の資金に充てることといたしております。
公害の
防止対策といたしましては、既存事業の大幅な
拡充をはかるほか、新たに、
産業系廃プラスチックの有効利用を促進するため、公益法人廃プラスチック有効利用促進協会(仮称)の基金として、七千五百万円の補助を行なうことといたしております。
また、
公害計測機器及び
防止機器につきまして、その性能の
確保をはかるため、
検定制度を
実施することといたしまして、新たに一千九百万円を計上いたしております。
第二は
資源・
エネルギー対策の総合的展開であります。
これにつきましては二十四億七千三百万円を計上いたしておりますが、このほかに、石油の安定的かつ低廉な供給を
確保するため、
石炭対策特別会計を
改組拡充いたしまして、
石炭及び
石油対策特別会計とし、石油の探鉱、
開発、備蓄等の
施策を抜本的に
強化いたすこととし、
昭和四十七年度は、特別会計の石油
対策分として、二百五十八億一百万円を計上いたしております。
第三は
産業構造の
知識集約化の
推進でございます。
これにつきましては、まず、
電子計算機産業の国際競争力の急速な
強化をはかりますため、
昭和四十七年度から
電子計算機産業振興対策を
推進することといたしまして、そのための経費五十二億一千三百万円を計上いたしております。
また、次期民間輸送機の
開発のため、二億円を計上し、
所要の
調査を
実施することといたしております。
YS11の量産事業の赤字
対策につきましては、官民分担で赤字解消をはかることといたしまして、
昭和四十七年度におきましては、その経費の一部として、四十八億九千三百万円を計上いたしております。
第四は
経済の国際的展開でございます。
これにつきましては、総額百二十八億七百万円を計上しております。
まず、ジェトロに関しましては、総合的な
調査、情報収集、
わが国諸
施策のPRというものの
拡充等に重点を置きまして五十六億二千三百万円を計上いたしております。また、日本日中覚書
貿易事務所が行ないます中国市場
調査に対する補助金を大幅に
拡充いたしますとともに、中国
経済に関し、総合的に
調査、研究するための経費二千万円を、新たに計上いたしております。
経済協力の
推進につきましては、アジア
貿易開発協会の行ないます
発展途上国一次産品
開発輸入促進事業を一そう
拡充することとし、そのための経費十二億五千万円を計上いたしております。
第五は
中小企業対策の
拡充でございます。
これにつきましては、従来に引き続き特に重点を置いておりますところでございまして、臨時
繊維産業特別
対策費のうち、
中小企業対策相当分を含めまして、前年度比五三%増の六百九十一億四千一百万円を計上いたしております。
中小企業振興事業団につきましては、
高度化資金
融資のための出資の
拡充に重点を置き、三百五十四億二千六百万円を計上いたしております。
また、小規模事業
対策費といたしまして、前年度比二五%増の五十九億六千六百万円を計上いたしまして、経営
指導員の大幅増員、待遇
改善、商工会
指導施設の増加等経営
改善普及事業の
拡充をはかることといたしております。
中小企業の
公害防止対策の
推進につきましては、
技術改善費補助金の中に、
公害ワクを設け四分の三の高率補助を行なうなど、
技術、
指導面に重点を置いて、
拡充をはかることといたしております。
繊維産業対策につきましては、従来に引き続き
構造改善対策を
推進してまいるほか、臨時
繊維産業特別
対策費二百三十五億五千万円を計上いたしまして、織布業等の
過剰設備の買い上げ等に必要な資金の補助及び新商品、新
技術の
開発促進等のために繊維
工業構造
改善事業協会に設けられます
振興基金に対して出資などを行なうことにいたしております。
第六は
消費者利益の
増進と
流通部門の
近代化であります。
これにつきましては、前年度比二六・三%増の三億六千九百万円を計上いたしております。
第七は
技術開発の
推進であります。
これにつきましては、二百八十五億五千万円を計上いたしております。
まず、大型プロジェクトにつきましては、前年度比二四%増の六十六億七千七百万円を計上いたしております。
重要
技術研究開発費につきましては、総額二十三億二千三百万円を計上いたしておりますが、その中で今回は新たに、生産工程の無
公害化のためのクローズドプロセス
技術開発ワクを設け、高率の補助を行なうとともに、緊急に
開発を
要請されております特定の
公害防止技術の
開発につきましても一そうの
拡充をはかることといたしております。
第八は沖繩復帰
対策であります。
これに関しましては、沖繩
経済の
発展をはかりますため、
通商産業省といたしましては、
産業基盤の整備、
中小企業対策の
強化及び
沖繩国際海洋博覧会の開催
準備に特に重点を置きまして、復帰
対策経費といたしまして七億二千四百万円を計上しております。
第九に、その他でございますが、特別会計といたしまして、アルコール専売事業特別会計、輸出保険特別会計、機械類信用保険特別会計等にそれぞれ
所要の額を計上いたしております。
また、
石炭対策につきましては、歳入歳出とも一千一億五千百万円を計上いたしておりますが、このうち、通産省
関係の歳出は八百四十九億九千四百万円であります。
引き続きまして、
財政投融資計画につきまして御説明申し上げます。
総額は一兆七千二百八十三億円でありまして、前年度当初
計画比二六・六%の伸びとなっております。
第一に、適正な
産業配置と
環境保全の促進でありますが、設定を予定されております
工業再
配置・産
炭地域振興公団の再
配置関係の事業費として百四十億円を
確保し、産
炭地域振興関係の事業費としましては百九十四億円を
確保することといたしております。
また、大規模
工業基地の
開発を促進いたしますため、日本
開発銀行法を
改正して、
開発主体に対し、出資を行ない得るように
措置いたしたいと考えております。
公害防止対策につきましては、開銀の公宮
防止ワクを前年度の百億円から三百五十億円へと飛躍的に
拡充することにいたしております。
第二に、
資源・
エネルギー対策の総合的展開でございますが、
石油開発公団に対しまして、探鉱
融資のための
財政融資三十億円、備蓄原油購入資金
融資のための
政府保証つき市中借り入れ六十億円を
確保することといたしております。
また、民族系石油業を
育成しますため、開銀から百八十億円の
融資を行なうことといたしておりますほか、
原油備蓄施設、
石油パイプラインの
建設に対しても、開銀から
所要の
融資を行なうことといたしております。
次に、鉱物
資源の
開発を促進しますため、金属鉱物探鉱促進事業団につきまして、海外探鉱
融資事業の分野で、新たにウランに関し、成功払い方式を導入することといたしております。また、
地質調査船の建造に着手することといたしております。
電力につきましては、原子力発電を促進しますため、開銀から新たに、日本原子力発電株式会社に対し、
融資を行なうことといたしておりますほか、開銀の原子力発電機器延べ払いワクを大幅に
拡充し、三百億円といたしております。
さらに、
熱供給事業に対し、開銀、北東公庫から
所要の
融資を行なうことといたしておりますほか、開銀に、新たにガスわくを設け、液化天然ガス設備及び特定導管の
設置を促進することとしております。
第三に、
産業構造の
知識集約化の
推進でございますが、国産電子計算機のレンタル資金を
確保しますため、日本電子計算機株式会社に対する開銀
融資のワク二百億円を
確保しますとともに、新たに、開銀からオンライン情報処理の
振興、国産電子計算機メーカーの集約化に対しまして、
所要の
融資を行なうこととしております。
第四に
経済の国際的展開につきましては、日本輸出入銀行につきましては、貸し付け規模を六千三百五十億円と前年度比一八・七%増に
拡大することとしております。
また、
国際化に伴います
産業体制を確立しますため、繊維
工業、石油化学
工業、その他に対しまして、開銀から引き続き
産業構造改善ワクによる
融資を行なうこととし、百五十九円億を
確保することといたしております。
さらに、電子
工業及び機械
工業の
振興をはかりますため、開銀
融資、百十億円を
確保しますとともに、中小公庫の特別貸し付けにつきましても、機械
工業に対し五十五億円を
確保することといたしております。
第五に
中小企業対策の
拡充でございますが、
中小企業金融三機関につきましては、前年度当初
計画比一八%増の一兆三千九百五十四億円の普通貸し付け規模を
確保しますとともに、中小公庫につきましては、新たに事業転換貸し付け及び
貿易取引
高度化貸し付けを創設することといたしております。また、
国民公庫につきましても事業転換貸し付けを創設する予定であります。
第六に
消費者利益の
増進と
流通部門の
近代化であります。これにつきましては、開銀の流通
近代化ワク百八十四億円から、引き続き、
流通システム化の
推進、
卸商業団地に入居する中堅企業に対する
助成等を行なうことといたしております。
第七に
技術開発の促進でありますが、開銀の国産
技術振興ワクを前年度の百八十五億円から二百三十億円へと大幅に
拡充するとともに、中小公庫の国産新
技術企業化等貸し付けも増額することといたしております。
第八に沖繩復帰
対策でございますが、沖繩
振興開発金融公庫(仮称)を設立することといたしまして、同公庫から沖繩への進出企業及び地場
産業に対しまして
所要資金を
融資することとなっております。
また、琉球電力公社の業務を継承して設立される予定でございますところの沖繩電力株式会社に対しまして、産投出資十億円を
確保しますとともに、沖繩
振興開発金融公庫からも低利
融資を行なうことといたしております。
以上でございます。
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