○白根
説明員
法律上の問題になりますと、たとえば
廃棄物処理法によりますとか、あるいは水質汚濁防止法あるいは悪臭防止法というふうに、それぞれの立場から
法律がつくられております。それの所管は、それぞれの
法律に
規定されたものということになっておりますが、少なくともこの種の問題をどうやって防いでいくかというような指導の面になりますと、私
どもが大きく中心になって進めていかなければならない、こういう
考え方を持っておるわけでございます。
御参考までに私
どもがいままでとっておりますこと、あるいは本年度そのような指導の観点から、どのようなことを考えておるかということを御
説明申し上げたいと思います。
まず、先ほ
ども御
説明申し上げましたように、家畜のふん尿の
処理、処分ということにつきましては、やはりその
土地に還元する、農
用地に還元して有効活用するというような
考え方が、まず基本になるべきではないだろうか、こういうふうな
考え方を持っておりまして、そのためには、畜産経営もかなり規模が大きくなりましたので、ただ単に自分の経営の中だけでこのことを
処理するというところに現状の矛盾が出てきた
原因がある、こういうことを考えまして、耕種農家、お米とか野菜とか桑でございますとか、その種の畜産以外のものと申したほうがよろしいかと存じますが、そのような農家と畜産農家とが組織的に連携すると申しますか、このような形の新しい
仕組みを進めていく必要があるのではないだろうか、こういうふうに考えまして、これは四十六年度からでございますけれ
ども、広域厩肥利用促進
事業というような形で、その有効活用をはかるというような
事業を
仕組みまして、進めておるわけでございます。
それから、そうはいたしましても、現実に問題を起こしておるこのものにつきまして、どのようにするか。突き詰めましたところ、場合によりまして立地を選択しなければいけない、こういう問題が
一つあると考えておるわけでございます。この点につきましては、四十五年度から畜産団地造成
事業というものを
仕組みまして、その一部の経営につきまして、たとえば
都市近郊でございますとかいうようなところで大規模にやっておりますもの、これを移転することにつきまして助長をする、こういう
事業をやってきたわけでございます。
しかし、最近になりましてこの種の問題について、より具体的な、あるいは密度の深い施策をやる必要があるというような考えを持っておりまして、四十七年度からは、もう少し高度な技術を使いまして
処理、処分をいたします。たとえて申しますと、水
処理を行なうとか、
先生の御
指摘のございました豚が中心になろうかと思います、そういういわゆる技術の進展度合いともからみ合わせなければなりませんが、それらの実験展示をしていくというようなことで、家畜
処理施設設備実験
事業場なるものを三十五カ所で進めていきたいというようなことを本年度から考えておるわけでございます。
なお、すでにこれは比較的開発されて、ある程度使えるというようなものにつきましては、金融の面からものを考えたいと思いまして、農林漁業金融公庫からいわゆる財政資金を使いまして融資をするというような、たとえば水
処理施設でございますとか、焼く
施設でございますとか、乾燥する
施設でございますとか、そういうものをワクを広げまして環境
施設整備資金というものを設けますとか、あるいは農業改良資金で簡易なものにつきまして対象にしていくというようなことの道を開いておるわけでございます。
いずれにいたしましても、このような問題を正面から畜産農家が受けて、実態を認識して、みずからの存立のためにも改善をはかっていくというようなことが必要であろうと考えまして、ベースになる話といたしまして、私
ども、この際こういう事情と、それから応用し得る技術浸透というようなことを可及的すみやかに急ぐ必要があるということを考えまして、本年度から総合指導
事業を実施することにいたしまして、この
事業を強力に進めていく。県、市町村、それからこの
処理のしかたにつきましては、
地域の農業事情あるいは町の分布の状況とかいうものをからみ合わせながら、かなりこまかく現地に即した方針を出しながら農民を指導していく必要があるんじゃないか。県内を数ブロックに分けまして、この指導
事業を強力に進めていきたいということを考えておりまして、これらを今後なお積み重ねてまいりたい、こういう考えを持っておるわけでございます。