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後藤委員 東京地方本部の新鶴見支部の処分問題につきましては、
労使の間で協定がありまして、処分を行なう前に弁明、弁護をやっておるわけなんですね、これらの弁明、弁護を終わりまして処分の発表、発令というのですか、これがいままでの慣行としてやられておったと思うのです。ところが十二名の免職の中には、新鶴見の支部の
関係の人が八名おいでになるわけです。これらの人につきましては、いま申し上げました弁明、弁護が終わってから、その上に立っての発令じゃなしに、途中での発令になっておるわけなんです。慣行を無視したやり方になっておるわけなんです。そうなりますと、
国会で国
会議員がこの問題を取り上げて追及をした、それが三月三十日である、地方の掲示板には三月三十一日に処分の予告の発表までされておる、四月四日に処分の発令、こうなってまいりますと、
総裁がいかにどう言われましても、その辺に一連の関連があるのではないのか、こういうふうに疑わざるを得ないわけなんです、人間として。それはそれといたしておきまして、慣行を破ってまでこういう時期になぜ一体処分を発令しなければいけないのか。しかも、私が聞くところによりますと、去年からことしにかけてのマル生問題の途中におきましては、いろいろな問題があったと思うのです。たとえば、
動力車労働
組合なり三つの
組合があるわけですけれ
ども、あえて
暴力問題は
組合だけではなかったと私は記憶いたしております。現場長のほうにも、あるいは
管理者のほうにも
暴力問題があったわけなんです。これは
総裁も御
承知だと思いますけれ
ども、
動力車労働
組合として三件か四件やはり告訴しておるわけなんです。だけれ
ども、マル生問題その他ずっと
解決をしてまいりまして、それじゃけんか両成敗というわけじゃございませんけれ
ども、
動力車労働
組合も告訴を
暴力問題については取り下げましょうということで、取り下げておるわけなんです。ですから、あの間に起きたところのいろいろな問題につきましては、一応、しっかりした書いたものはないにいたしましても、
解決したものだという気持ちに立つのが当然じゃないかと私は思うのですね。そういうふうな空気になっております今日において、しかもまさに
春闘が激しくなろうとするこういう時点において、三百七十名から処分されれば、いかなる
組合といえ
ども不当処分反対闘争で立ち上がるのは当然だと思うのです。これは私が言わなくても、
国鉄総裁なり
職員局長あたりも十分わかると思うのです。なぜこういう時期にそういうような、かりに百歩譲ってその処分の発令をするにしても、時期というものを考えるべきじゃなかったのか。慣行を破ってまでこの時点でなぜ一体処分を行なったのかということが、客観的な情勢その他から考えまして、どうしても私はわからないわけなんです。ですから、この不当処分の問題につきましては、これは抜き打ちの発令であろうと私は思います。ですから、この不当処分はぜひひとつ撤回していただく、そうして
労使の間で十分話をしてもらう、こういう方向へ
総裁といたしましても一考をしていただくようにお願いしたい、こう思うわけであります。
それからその次の問題としまして、新鶴見の問題でございますけれ
ども、私も二、三日前に新鶴見へ行って
調査をしてまいりました。話せば長くなりますから、詳細な
説明はいたしませんけれ
ども、あそこの職場に参りましてまず第一番に私驚きましたことは、いずこに原因があるかは別問題として、どこの機関区に参りましても指導助役さんというのは多くて三名ぐらいだと思いますけれ
ども、あの新鶴見は指導助役さんが十数名おいでになるわけです。しかも乗務員を指導するところの指導員というのは九名だそうでございますけれ
ども、職場には全然姿が見えない。大東亜戦争じゃないけれ
ども、どこかへ疎開をして仕事をしておられる。こういうような実態を私は見てまいりました。これは非常に変わったケースで、指導助役さんが十数名おられて指導員さんが九名、しかもその指導員というのは機関車に添乗しまして乗務員を指導する任務にあろうと思うのです。そういう人が新鶴見には現場に参りましても全然姿がなし、どこかへ疎開をしておられる。指導助役さんに指導員は一体どこに行っているんですかと聞きましたら、われわれの口から申すわけにはまいりませんとこう言うので、その場では全然聞けなかったわけですけれ
ども、こういうような職制のあり方というのははたして妥当なのかどうか、これもやはり
問題点であろうと思います。
それからさらに、時間があまりございませんので簡潔に申し上げますけれ
ども、きょうの新聞にもいろいろ載っておりました。パンタグラフの故障の問題、また着線変更等が当直助役の
ミスによって、しかも乗務員の注意力によって防止したというような問題、あるいは時刻変更の問題、あるいはその他入れかえ貨車の云々の問題、これら相当多く
管理者に業務上の
ミスがあるわけなんですね。その
ミスに対しましては、
ミスをやった人がほとんど始末書を書いておるわけなんです。ここに全部私持っておりますけれ
ども、数えれば切りがないほど
管理者の業務上の
ミスというのはあるわけなんです。いつでしたか、時刻表の作製が間違っておりまして停車駅を通過した。これは新聞でも報道されましたけれ
ども、そういう
事故に至らんばかりのいわゆる業務上の
管理者の
ミスというのがたくさんある。これはもう私が申し上げるまでもなく、実態は十分御
承知だと思います。
それからその次には、いま新鶴見で一番問題になっておりますのは、これは気持ちの上の問題でございますけれ
ども、やはり
管理者と
職員というのは一心同体のような和気あいあいな職場というのが一番望ましいと私思うわけですけれ
ども、
一般の乗務員等がちょっと
ミスをおかしたことにおいては、
管理者が徹底的にこれを追及する。それならそれだけ
管理者が
ミスをした場合には一体どうなんだ。
管理者自体がたくさんの業務上の
ミスをやっておりながら、おれらがちょっと
ミスをやるとこれは徹底的に追及される。こんなばかなことが一体どこにある。これらのことも今度の新鶴見の闘争の一つの大きな原因になっておるのではないかというふうに私は考えるわけなんです。
それからさらに、新鶴見に行って驚きましたことは、われわれが行ったときには公安官が三十名、さらにまた局の課員が三十名、これが白昼、新鶴見の建物の二階のつくえの上にみな寝ていらっしゃるのです。これは四月の三日から常駐でございますから、ずっと常駐されておられるというようなところも見てまいりました。さらにまた四月の六日でございますか、事件の——事件というとおかしいですが問題の日は、あのときには公安官がやはり三十名以上おられたと思うのです。局の課員が三十名以上おられたと思うのです。しかもあのときの問題が起きておりましたのは晩の八時半ごろでございますけれ
ども、七時三十五分に現場長が機動隊の出動を要請いたしまして機動隊が出てきた。しかも出てきた機動隊は全部がたてを持っておる。さらに、中にはガス銃まで持ってきておる。こういうようなかっこうで機動隊が
国鉄の現場の中に入り込んできておる。この問題につきましては神奈川の県会において県警本部長のほうから、いわゆる過剰警護でまことに申しわけなかったということを表明されておると私聞いておるわけでございます。ですからいま申し上げましたようなかっこうで、あの新鶴見へ行きまして私も驚いたようなわけでございます。先ほど
島本委員の
質問に対して
総裁は、一刻も早く
解決するように
労使の間で云々ということを言われたと思いますけれ
ども、その間に、いま申し上げましたような雰囲気の中で
動労の東京地方本部のほうから南の東京鉄道
局長のほうへ、総務部長を通じて紛争
解決のために
団体交渉をやりたいということを二回、三回申し入れをしておるわけなんです。このままで進んでいくと、これはたいへんなことになる、一刻も早く
解決しなければいけない、こういうことで二回も三回も申し込んでおりますけれ
ども、全部拒否をされておる。さらにまた
動力車の本部といたしましても、本社のほうの原田
職員局長のほうへ話はいっておると思うのです。ところが、先ほど
総裁がちらっと言われたかと思いますけれ
ども、こういう問題は組織問題じゃない、
団体交渉で
解決すべき問題じゃないんだからこんなものは知らぬ、本社のほうでは、そんなものは東京鉄道局の問題だから本社では知らぬ、こういうふうに言って拒否をされておるというようなことも私は聞いたわけなんです。
そこで私が言いたいのは、どちらに分があるにいたしましても、いかなる経過をたどったにいたしましても、この紛争を一刻も早く
解決しなければいけないというのは
管理者の義務であろうと私は思うのです。でありますのに、
団体交渉をやって
解決しようじゃないかといって数回申し込んでもそれを拒否する。これをひっくり返しますと、
組合には徹底的にやらして徹底的に処分をしよう、その道に通ずるような気が私はするわけです。そうではなしに、一刻も早く
団体交渉をやってこの問題の
解決をはかる。しかもまた先ほど言いましたように、公安官なり課員等があの新鶴見へあれだけ常駐しておりますけれ
ども、これらの問題につきましても一刻も早く引き揚げてもらう。引き揚げることができないので、そこで
団体交渉を
労使の間でやって、これだけ、生鮮食品が三割くらいしか輸送されない、生鮮食品の値段が上がる、そういう大事に至っておる
現状を
解決すべく全力を傾注すべきじゃないかと私は思うのです。これは何も私は
管理者だけに言っておるわけじゃない。
労使の間でやらなければいけない問題だ。労働
組合のほうは何回
団体交渉をやろうやろうと言ったところで、拒否ばかりされておる。きのうきょうの動きは私は知りません。私が行きました時点においてはそういう
現状だったのです。これは原田
職員局長も十分御
承知だと思うのです。私が原田
職員局長なら、いまごろ新鶴見へ飛んでいって、これはえらい問題だ、労働
組合とさっそく
団体交渉をやろうじゃないか、君らの言うことを聞こうじゃないかということで
団体交渉をやって、一刻も早くこの事態を
解決するのがあなた方の義務じゃないかと私は思うのです。それを組織前の問題であるとか
暴力の問題であるとか何であるとか、どんどん引き延ばすところに、さらに
解決をむずかしくする方向へ進めていってしまうのじゃないかと私は思うわけなんです。これらの点に対しまして
総裁としてはどうお考えになっていますか。