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中村(重)
委員 これで終わりますが、先日の
委員会の際に、大臣にたいへん執拗に私は食い下がったような形になりまして恐縮であったわけですが、被爆者の遺族の方々の心情を思いますとき、何としても大臣に前向きに取り組んでもらわなければならないという点から、さきの厚生大臣であられたときの大臣の答弁を実は引用いたしまして申し上げたわけでありますから、要望という形にもなりましょうし、ぜひこれは実現をしてもらいたいということで申し上げるわけであります。
先般申し上げました防空法にも基づくわけでありますが、
医療従事者、具体的には警防団であるとか、あるいは医大の学生であるとか、あるいは看護学校の生徒の
問題等々につきましては、御
承知のように当時七万円の見舞い金が支給をされておるわけですが、七万円で打ち切りであるということでは実はなかったわけであります。当時の實本援護
局長に対しまして、私は医大の学生の問題で申し上げますが、防空従事者であるから、これに対しては当然防空法に基づいての
措置を行なうべきであると言ったことに対しまして、實本
局長は、一年生は、これはお医者さんの卵だからどうにもしょうがないでしょうが、二年生以上は、これは当然防空法に基づいて
考えなければならぬと思うというようなことであったわけなんですが、いまひっかかっておりますのは、その医大の学生が、一度総動員法によって徴用され、それから解除されたというこの点と、それから防空業務に従事しておったか、教室の中に入っておったかというこの二点が実はひっかかっておるわけです。総動員法によって徴用されておった、それが解除されたというのは、必要がなくなって解除されたのではなくて、戦争が苛烈になり、医者が非常に不足をしておった、もう前線にも送らなければならない。それから焼夷弾攻撃等があって、負傷者が出る。それに対して、それの救護作業もやらせなければならないということから、実は速成教育をしなければならないというので、夏休みをさせないで、速成教育をやっておる。そして、直ちにこれは
法律に基づきまして学徒報国隊を編成し、それから防護団を編成をし、班編成によって絶えず教育訓練が行なわれ、焼夷弾攻撃によって負傷者が出たような場合、その際は直ちに出動して、それの救護作業を行なうという実情に実はあったということなんです。
ですから、問題はそのときの瞬間に教室におったかどうかということよりも、どういう環境の中に学生が置かれておったかということに
重点を置いて、この問題に対処していかなければならないということです。総動員法によって徴用されておった人たちであっても、その日に休んでおった人でも、実は軍人軍属遺族等援護法の対象になって扶助料が支給されておるという実態を
考えてみますとき、瞬間によって事が
措置されておるのではないということです。環境によってこれが
措置されておるということを十分お
考えになられて、歴代大臣も前向きで答弁をされておることでありますし、歴代の
局長もその点に対しては十分前向きの答弁、その実情に即して
措置していかなければならないという答弁があるわけであります。与党の増岡原爆被爆者
対策小
委員長も十分な理解と同情を持っておられると私は確信をいたしております。私
ども地元選出の与野党の議員といたしましても、これを何とかしなければならないという気持ちに変わりはないわけであります。ですから、大臣の前回の答弁、それから二十三日でございましたか、あの際も、十分実情に即してこれに対処するよう
検討するということばも最終的にあったわけでありますから、その答弁の上に立って、このことも十分
措置していかれるように、そのことを強く要望しておきたいと思います。
大臣の最後のお答えをいただいて、これで終わります。