○岡本
委員 長官、私が言っているのは、
行政の立場は
行政の立場でありましょう。しかし
健康被害調査、どういう
状態によってこうなったか、これは実は富山県の
イタイイタイ病にしましても、当時の厚生省が非常にがんばった。そうしてああした神岡鉱山以外の排出は見当たらない、カドミウム中毒によるんだというこういうものが出たために
裁判の対象になったわけです。あれが出なかったらとっかかりも何もないわけですよ。かつて
環境庁におきまして、悪臭による人体
被害についてどういう調査があるのか、どういう関係があるのか、あるいはまた振動によってどうなのか、確かにノイローゼになった人たくさんございますよ、病気になったのはそれが原因で。この
因果関係というものがはっきりしておるのは交通騒音なんです。いままでは全然そこに道路がなかった、そこに大きな道路がついたためにノイローゼになってしまった。いまその病気になっているのを医学的に
因果関係を解明をするというのは非常にむずかしかろうと思うのです。ではこれはどこでやるのかということになるんですよ。結局、
行政もありますけれども、そういった研究をやってあげることが
環境庁としての大きな
一つの
責任ではなかろうか。こういう研究所がなくて、こういう人体との
因果関係の解明がなくて、
行政だけではうまくいかないと思うのです。そこのところを私は先ほど話したのであって、いま
長官の言うようにこのままいきましたら、その解明は七年も八年も、十年たってもおそらく出てこない。出てこないというのはどこに原因があるのか。こうした悪臭や騒音の人体
被害の調査研究をしなかったところにある。だれがするかといったら、
企業はやりませんよ。原因を出している者は絶対しません。だから私が言うのには、そういうものを含めれば
——そうすると今度は基本法はそうではないんだという挙証
責任の転換と申しますか、こうだこうだということになって非常に進むのではないかという御
意見を申し上げたわけです。これはどっちかというと政府がやらぬからこういうことになるのですよ。だから
国民の立場、
被害者の立場に立った場合はそうしなければならぬのじゃないか。
一つの例をあげますから聞いておってもらいたいと思うのです。国鉄来ておりますね。
——これは
長官に
判断してもらいたい。
山陽新幹線ができまして、私この間ずっと調査に行って見てきたのですけれども、尼崎地区におきましてはものすごい騒音と振動なんですね。それに対して国鉄は市長との間に覚書を交わしておる。「乙は、」乙とは国鉄です。「乙は、地元住民等から新幹線列車の運行により騒音、振動等の実害が発生した旨の申入れを受けたときは、遅滞なく実情を調査のうえ、一箇月以内に当該申入者に対し、
公害対策、
補償等について回答しなければならない。」こういうふうになっておる。それは国鉄の新幹線は決して
過失をおかしておるのではないでしょうね、運行しておるわけですから。ところが
被害を受けている方は非常に困っているわけです。これに対してどういう調査をし、またどういう対策をしたのかひとつ聞かしてもらいたい。