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大石国務大臣 いまだいぶ
島本先生からおしかりを受けましたが、確かに
行政面でまずかった面もございます。たとえば
新浜のあの八十ヘクタールくらいの問題、あれも非常に思慮の足りなかった
行政であったと思いますが、当時はあのような急激な
経済開発の波に押されまして、それでも何とかあそこを守りたいということの一部の人の情熱が実りまして、あのような
計画になったわけでございます。当時は
環境庁もございませんでしたし、たとえば
自然保護を守るための
国立公園部にしましても、どちらかといえば力の弱い存在であったために、他のいろいろな
行政に押されてあのようなことになったと思いますが、それでも確かに
計画はあまりうまくありませんでしたが、あのようなものを残し得たということは、当時としては私はやむを得なかったと思う、けっこうであったと思います。これからそういうことはいたしません。たとえば
琵琶湖の道路にしましても、十分に向こうの、滋賀県の野崎知事に申し入れてあります。私、先ほどこれは
国立公園にまで繰り上げてきちんとしたいというのは、そういうものをやめさせたいということです。初めから完全なこっちの了解なしにいいかげんなことをさせないという
方針のもとに、そういうことを
考えておるわけでございまして、せっかくの自然を破壊するような
計画は一切させないように、また、それをさせないことができるような、これは
行政のあまり強いのも、語弊がありますが、
自然保護については私は
行政が強くともやむを得ないと思うのです。そういう
意味では
行政独善とは申しませんが、強いものにして守りたいということを
考えておるわけでございます。たとえば、干
がたにしましても、御
承知のように、
千葉県から東京都にかけての幕張とか、あるいはこっちのほうの葛西から、あるいは
新浜沖、これはああいうところは、いま実のところ申しますと、干
がたでなくなりつつあります。これはもちろん海水が汚染されているとか、あるいは埋め立てが行なわれておるという問題もありますけれ
ども、同時に地盤沈下がだんだん進んでまいりまして、干
がたがなくなりつつあるというのが
現実でございます。しかし、干
がたがなくなっては困りますので、何とかして干
がたを残したいという熱望によりまして、御
承知のように東京都の葛西沖には四百ヘクタールの干
がたをつくることに、それは人工的なものでありますが、わざわざ四百ヘクタールの干
がたを、つくることに東京都との間にいま合意ができまして、その仕事を進めております。これは魚を釣る人も簡単に不用意に入れないような非常にきびしい自然を守るための
規制までしてりっぱなものをつくろうという
計画を立てておりますし、たとえば
新浜にしましても、あそこのところは約一千ヘクタールの埋め立てが行なわれるわけでございますが、それをどのように
利用したらいいか、どのように干
がたをつくったらいいかまたどのように自然を楽しむ人のためにこれをつくったらいいかということを十分に検討して、りっぱなものをつくるために
千葉県と
環境庁と相談してチームをつくりまして、一番理想的な
計画をつくりつつあるというようなことでございまして、おっしゃるとおり、これから遺憾なことはいたしませんで、きちんとしたほんとうに役に立つ
行政を行ないたいと
考えておる次第でございます。