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1972-05-16 第68回国会 衆議院 建設委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年五月十六日(火曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 亀山 孝一君    理事 天野 光晴君 理事 金子 一平君    理事 葉梨 信行君 理事 服部 安司君    理事 阿部 昭吾君       小沢 一郎君    大村 襄治君       梶山 静六君    浜田 幸一君       古内 広雄君    村田敬次郎君       森下 國雄君    山下 徳夫君       山本 幸雄君  早稻田柳右エ門君       井上 普方君    後藤 俊男君       佐野 憲治君    柳田 秀一君       新井 彬之君    北側 義一君       吉田 之久君    浦井  洋君  出席政府委員         近畿圏整備本部         次長      朝日 邦夫君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省河川局長 川崎 精一君         建設省河川局次         長       川田 陽吉君  委員外出席者         参  考  人         (京都教育大学         教授)     木村 春彦君         参  考  人         (日本鑄鉄管協         会顧問)    澤竹 慶三君         参  考  人         (滋賀大学教         授)      立川 正久君         参  考  人         (神戸大学教         授)      米花  稔君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ————————————— 委員の異動 五月十六日  辞任         補欠選任   卜部 政巳君     後藤 俊男君 同日  辞任         補欠選任   後藤 俊男君     卜部 政巳君     ————————————— 五月十三日  名古屋市都市高速道路鏡ヶ池線建設反対に関す  る請願外二件(横山利秋紹介)(第三〇八〇  号)  同外二件(横山利秋紹介)(第三一一七号)  同外二件(横山利秋紹介)(第三一五一号)  同外二件(横山利秋紹介)(第三二〇五号)  同外二件(横山利秋紹介)(第三二三六号)  同外二件(横山利秋紹介)(第三二八二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  参考人出頭要求に関する件  琵琶湖総合開発特別措置法案内閣提出第一〇  四号)      ————◇—————
  2. 亀山孝一

    亀山委員長 これより会議を開きます。  内閣提出琵琶湖総合開発特別措置法案を議題といたします。  本日御出席を願いました参考人は、京都教育大学教授木村春彦君、日本鋳鉄管協会顧問澤竹慶三君、滋賀大学教授立川正久君及び神戸大学教授米花稔君であります。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用のところ本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。ただいま本委員会におきましては、琵琶湖総合開発特別措置法案を審査いたしておりますが、本案につきまして参考人方々の忌憚のない御意見を伺いたいと存じます。  なお、御意見の御開陳はお一人十分間程度お願いすることとし、後刻委員からの質疑の際、十分お答えくださいますようお願いを申し上げます。  なお、御意見開陳は、木村参考人澤竹参考人立川参考人及び木村参考人の順序でお願いをいたします。  まず、木村参考人お願いをいたします。
  3. 木村春彦

    木村参考人 失礼します。  私は淀川水系水資源開発基本計画と関連いたしまして、総合開発計画について特に意見を言わしていただきたいと思います。  まず結論から申し上げますと、水の絶対量がそれほど足らないのじゃなくて、きれいな使える水がないのではないかということを申し上げたいと思います。水質の問題が水の量の危機よりもはるかに重大である。水質解決利水解決にイコールなるというふうに考えております。ですから、琵琶湖のいろいろの開発等を行なう前にそのことの解決というものが非常に重大かと思います。現在行なわれておりますような総合開発計画では、結局環境保全というものと両立し得ないのではないかというふうに思います。そして、質の悪化がだんだん量の、取水の困難を招くということです。現にどんどんと琵琶湖周辺が買い占められており、また保安林申請等の解除も出ておるということがございます。結局、この開発の意味というものは、人間にとってどういうふうに幸福になるのかということの根本から考えていただきたいというふうに思います。  以下、そういうふうな結論に達しました理由を申し上げますと、二十年前の琵琶湖は非常にきれいであったわけですが、現在は鳥もほとんどおらず、それから京都へ引く疎水ではユスリカとトビケラというこん虫も全滅しております。それから透明度についていいますと、昭和三十九年には十一メートル以上あった。これは北湖の一番きれいなところでそれくらいあったのが、昭和四十五年には四・五メートル、そしてここへ参ります五日ほど前にはかりましたところでは、晴天の日であるにかかわらず二メートルしかありません。プランクトンネットにも、汚水に多い緑藻類がべっとりとひっつくような状態で、北湖汚染も非常に急激に悪化してきております。それから南湖では珪藻——珪藻と申しますのはプランクトンですが、シジミ貝奇形のものが非常にたくさん出ております。この奇形細胞核がやられており、染色体異常を来たしという状態で、こういう現象は、人間細胞からできておりますから、特に排せつ機能を持たない胎児に対して非常に大きな影響が出てくるというふうに思います。これは濃縮されるわけですから非常に危険でありまして、子孫の負担もそれによって増してくるというふうに思います。野洲川等におきましてはすでにいろいろ問題が出ておりますが、具体的なことは時間がございませんので省略します。  次に、開発のいまの計画問題点に若干触れたいと思います。いま行なわれているのは水質対策があまりない、そのまま行なわれようとしているということで非常に危険だと考えるわけです。水質の点では、流域下水道計画されておるようですが、投資額におきましても、たとえば緊急を要しない琵琶湖周道路等のほうの予算額が大きい。それからこういうものは、北湖は非常に波が荒いものですから、破堤すると危険であるし、それから内水排除が非常に困難になるというような問題があるわけです。  それから、特に水位の点について申し上げますと、一九六二年から六十四年の間に、埋め立てと汚染で水藻が非常に減っております。一八%に減っておりますが、こういう現象、さらに琵琶湖に流入いたします中小河川の三角州で産卵するアユやマス、こういうものの産卵場が失われまして、一・五メートル低下すればそういうものが全滅の危機に瀕するということであります。アユなどは全国河川に稚アユとして琵琶湖のものを放流しておるわけですが、非常に大きな影響になってくると考えております。それから南湖のほうは水深が非常に浅くて、一・五メートルほど下がればかなり大量の水が減るわけで、湖岸線が百数十メートルも後退するということがございます。こういうことになりますと汚染がますます強くなる。それから、水田が減りますと、天然浄水場であるところの浄化機能も減ります。昭和十四年の渇水期には大体百センチちょっとの低下が起こりましたが、これが常水位に完全に回復するのには二年間を要しておるわけです。そういうことで非常にアンノーンファクターが多いわけです。ですから、私としましては、水位計画の実施という場合に、変動は、少しずつテストをやりながら、もしやるとしても徐々に水面低下を行なっていく。まず九十センチあたりから行なってみて、そう大きな影響がないということがわかれば、あるいはまたそういうことに対する手当てが尽くされてからさらに行なっていくべきだというふうに考えます。  それから水利対策にしましても、かなり水不足の見積もりが過大ではないかと思います。それは、たとえば昭和四十年を基準にして六十年を想定しておるわけですが、取水量が三倍になるということですが、四十年以降の若干の年数の実績から推定しますと二倍程度であるというふうに考えられます。いまのは工業用水ですが、家庭用水の場合は工業用水の十分の一くらいの量でいいわけでして、一千万人で五トン程度でできるわけです。さらに必要であれば各工場がタンクで放流を貯水することもできるわけですから、そういったほかの対策も考えられるのではないかということです。さらに天然ダムというふうにいわれる森林の育成というものも非常に必要かと思います。現在は伐採や開発でどんどんこれが減っておるということがございます。  それからいますぐできる対策といたしましては、多少よごれた水も使えるということが一つと、それから水を節約するということが考えられますが、この多少よごれた水を使うというのはいわゆる再生利用を強化するということでございます。現に北九州や大牟田、それから千葉等ではそれぞれ七七%、八七%、六八%といったような再生利用を行なっておるわけで、こういうところはもともと水があまり豊富でないということもあるわけですが、結局水がどんどん供給されると再生利用がなかなか行なわれないということがございます。それからし業用水の値段が非常に安いということもかなり関連しておると思います。しかもあちこちで工業用水が売れ残っておる。ですから、売れ残っているということは無効放流をやっているということと同じことになるわけです。そして伊丹市のように、上水によごれた工業用水がしばしば補給されるという場合も起こっておるわけです。用水の値上げをしますと物価にはね返るという話もあるかもしれませんが、水の経費というものはそれほど大きいものではない、〇・何%くらいであるということで、そう大きな影響はないと考えます。それからその次に強調いたしたいのは、水道水の漏水が非常に多いということで、大体少ないところで二〇%、多いところで四〇%もございます。メーターロスを引いても平均二十数%であるということで、こういうものを先に解決するということが非常に必要かと思います。つまり再生利用や節約をやりましたら、現在の水不足かなりの部分が直るというふうに思います。それから水質規制とかあるいは工場の誘致の規制、それから下水道国庫負担、これは今回かなり上がっておりますが、それでもまだ不十分であると思いますが、この三つが開発の前の基本的な前提になるべきであると考えております。そしてそのためには特別立法等も考えていただきたいというふうに思うわけです。少なくとも現在計画されている観光開発利水開発等の費用というものを下水道建設促進費に回すというようなこと、あるいは湖周道路よりも湖周下水道がより先に必要でないかというような点が考えられます。そうしてそのほかにもう少しぜひ考慮していただきたいと思っておることは京都下水の問題でございます。京都下水汚染かなり大きな量を持っておるわけですから、同時に京都下水に対する十分なる措置、補助というものがあれば淀川下流汚染問題も半減するわけであります。現在利水開発コストは十数億円というふうに思われますが、結局この利水開発コスト水質浄化のほうに回せばそういう水の問題がかなり解決すると思います。  最後に結論を申し上げますと、水質対策というものが軽視されたまま水資源開発しても、それだけよごれた水がふえるだけで終わらないかというおそれがあるわけです。そうしますと対策がますます困難になるということです。いまたとえば沿岸の住民とか科学者企業行政等が、それぞれこういう問題についての理解価値観が異なって、食い違っておるということがございます。特に企業行政のほうでは水質問題にもっと力を入れて諸種の手当てをしていただきたいというふうに思っております。したがいまして、こういう理解の違いを相互に緩和するためには水質問題という問題で話し合う必要があるかと思います。利水問題というのは、歴史が示しておりますように上流下流の対立の歴史でございました。しかし水質問題は、上流住民下流住民もともに共通利害でともに手を握れる一番重要な問題であるかと思います。そしてまたその水質問題で話し合うことが水利問題の解決に直接的に役立つというふうに考えます。またそのためには、いままでずいぶんといろいろの研究者、学者がこまかく研究しておりますデータを活用していただいて、また公聴会等みょうなものはぜひ開いていただきたいというふうに思っております。  以上です。
  4. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとう存じました。  次に、澤竹参考人お願いいたします。
  5. 澤竹慶三

    澤竹参考人 ただいま御紹介をいただきました澤竹でございます。  衆議院建設委員会委員方々並びに関係各位におかれましては、日ごろ緊迫する水資源問題解決のために御尽力を賜わりまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。本日この会議におきまして参考人として所見の一端を申し述べる機会を与えられましたことは、まことに光栄に存ずる次第でございます。  私は長年にわたり水道事業に携わってまいりましたが、その間最も頭を痛めてまいりましたものは水量水質の問題でございます。したがいまして、水資源開発推進水質保全につきましては強く要望をしてきた一人でございます。御承知のように、水は太陽、空気とともに人間生活にとって切り離すことのできない生命源でありますから、国民の豊かな文化生活を営む上に欠かすことのできないのが上水道でございます。  阪神地域水需要実態について調査いたしました結果でありますが、まず上水道用水需要について申し上げますと、昭和四十年から四十五年までの五年間に、人口は九百万人から一千三十五万人と、百三十五万人が増加しており、これに伴い上水道用水増加は、日量四百十八万立方メートルから五百七十八万立方メートルと、百六十万立方メートル増加いたしております。これは人口増によるほか、生活様式高度化等に起因する家庭用水の増大もありますが、大阪市のように昼間流入人口が百万人をこすような都市をかかえており、これらの都市で使用される都市的な業務用水の多いことがその要因であると考えられます。参考に、夜間人口に対する昼間流入人口割合を調べますと、東京都区部では二一%ですが、大阪市では三六%と非常に大きい割合を示しております。  次に、将来の需要についてでありますが、きわめて近い昭和五十年の府県の需要量を見ますと、上水道必要水量日量七百八十四万立方メートル必要となっております。人口増加生活様式、その他この地方の水需要実態から考えまして、決して過大な数値ではないと私は考えております。一方、工業用水についてでありますが、私は、水を大切に使い、大いに節水していると思っております。大阪府を例にとりますと、昭和四十年から四十五年までの五カ年間で生産額が約二倍になったのに対し、給水量増加はわずか二十万立方メートル程度で、約一〇%の伸びにとどまっております。これは一度使った水を回収しまして反復利用して、水の合理的利用に努力しているものと考えられます。工業生産の拡大は今後も予想されますが、将来の工業用水需要量についてはかなりきびしく見ており、回収率の向上、用水型工業抑制等、あらゆる施策を講ずることを前提に、最小限の需要量を算定したものと認められます。  このように、水需要につきましてはきわめて謙虚に想定しておりますが、この地域といたしましては淀川以外にたよれる水源がないということでございます。地下水利用は、いまなお地盤沈下を続けておる状況から見ましても期待することは困難であり、むしろ抑制をはかり、河川水に転換をはかる必要があると蓄えましょう。このようなことから見ましても、阪神地域としてはそのほとんどを淀川に依存せざるを得ないことは、いまさら私が申し上げるまでもないと存じます。この地域がさらに淀川に要望しております昭和五十年までの必要開発水量は、毎秒五十四立方メートルとなっております。この水量は膨大な量でありますが、私の経験から見ましても決して過大なものとは考えられません。淀川水系は、関係者の御尽力により、長柄の可動ぜき改築工事、高山、青蓮寺ダム建設、正蓮寺川利水事業等を進められたのでありますが、この新規必要水量毎秒五十四立方メートル確保のためには、琵琶湖総合開発以外にないと申し上げる次第でございます。また、琵琶湖開発が行なわれましてもなお需要を満たすことができないというのが現状でございます。  次に申し上げたいことは、量的な問題に加え水質の問題であると思います。淀川流量は、第一期河水統制事業によりまして、枚方の基準地点で毎秒約百三十七立方メートルを確保するよう定められたことは御承知のとおりでありますが、現実の流量はしばしば百立方メートル以下の値を記録いたしております。淀川は一千万人の飲料水水源として利用されているのみでなく、一方では都市排水路としても利用されておりまして、流量減少に伴い水質は急速に悪化いたします。これには私もずいぶん苦労したのでございますが、流量が少なくなると水質維持効果が破壊され、水質は急激に悪化し、各浄水場では多種多量の薬品を限界といわれるまで注入する等の最大の努力を払い、断水という最悪の事態だけはかろうじて避けてきたというのが実情であろうかと存じます。さらに加えて琵琶湖汚染も急速に進んでいるようであり、これによる異臭の除去に苦慮いたしていることも隠し得ない事実だと存じます。このような情勢にかんがみ、大阪府では水質保全対策には従来から最も力を入れられており、たとえば全国に先がけて流域下水道に着手するほか、排水規制につきましても全国基準を上回る基準規制する等、みずからも積極的に取り組まれているところであります。  このように、阪神地域水需給は、量的のみならず質的な問題も含めてきわめて窮迫している状況にかんがみ、一日もすみやかに琵琶湖総合開発事業を完成させるべきであると存じます。また、この事業広範多岐にわたる大規模なものであり、かつまた国家的に見ましても重要な事業であり、これが円滑なる推進をはかるためには強力な国の施策が必要であると考えます。幸い国におかせられましては、この事業を進めるにあたり特別法制定が進められ、今国会琵琶湖総合開発特別措置法案が審議されていることは、きわめて時宜を得た適切な措置であると存じます。阪神地域住民の一人としましても、ぜひ今国会で成立するよう格段の御配慮を賜わりますようお願い申し上げる次第でございます。
  6. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  次に、立川参考人お願いいたします。
  7. 立川正久

    立川参考人 琵琶湖のございます地元の大学といたしまして、われわれの大学湖沼研究所が長年研究を重ねてまいりました成果につきまして、このたびの琵琶湖総合開発法案のための参考人として呼んでいただいたことに非常に感謝いたしております。  まず、琵琶湖を科学的に研究する者にとりまして、琵琶湖総合開発法案及び関連法案が指向する最も重要な点は、琵琶湖水位低下にあります。周知のように、琵琶湖淀川水系は現在においても汚染が著しくなっておりまして、流域住民の健康がゆゆしい危険にさらされております。そこで水位低下については、水質保全の立場から十分な検討を必要とすると思います。  私は、主として私の所属します滋賀大学湖招研究所から得ました長年の調査研究の結果に基づきまして、おおむね次に述べるような琵琶湖自然科学的特質琵琶湖現況から考えまして、現時点での琵琶湖はその自然の平衡が全く人為的に失われていると断定せざるを得ないのであります。したがいまして、自然界の変遷の法則でありますところの、準平衡を保ちながら徐々に変化するならば千年以上もかかるような一メートル五十という水位変化を、その五十倍の速度でもって、わずか十数年の間に一度くらいの割合で起こすということは、すでに失われておりますところの琵琶湖自然平衡というものにさらに大きな破壊を加えるということになると思うのであります。そこで、そういう内容を含んでおりますところの開発ということを考える前に、いまこそまず失われている自然の平衡の回復を強く指向すべき時期であると考えます。そこで私は、滋賀県及び京阪神一千万人住民のきわめて近い将来の健康と福祉を憂慮し、このたびはこの法案制定を一時中止していただいて、琵琶湖の自然が平衡を取り戻すような自然の浄化作用の保護と、汚染防止措置をすみやかに実施していただく、それから後にあらためて提案をしていただきたいと思います。  さて、琵琶湖自然科学的現況の概要はただいま配付しましたパンフレットのとおりでございますが、かいつまんでその要点のみを述べますと、まず、琵琶湖の水は総量二百七十億トンでございまして、一年間に五十億トン、瀬田川及び疎水から流出するのであります。そこで簡単な割り算を試みますと、二百七十割る五十でございますから五・四年で全部が入れかわるというように従来は考えられておりました。しかし、われわれの研究によりましてこれがはなはだしい誤りであるということがわかったのであります。つまり琵琶湖の水は完全に入れかわるということはあり得ない。しかも、その九割が入れかわるために十三年間を要するということでございます。これが不幸にして、十数年に一度水位低下が起こるという周期と一致するわけであります。そういうことでございますので、汚染を一度いたしますと、この汚染は長年続いて、しかも汚染水が停滞しておるところではその湖底がはなはだしくよごれてしまいます。そして一たん湖底がよごれますと、これは水のようにかわるものではありませんので、ほとんど永久にそのような状態が固定されてしまいます。なお南湖の水が北湖に循環する仕組みになっているということは、これは特に注目すべき性質でございます。  次に水質について申しますと、三年前から水質は加速度度的に悪化いたしまして、南湖水源を持っております水道水はカビくささが抜けず、これがほとんど恒常化するきざしさえあります。北湖南湖汚水の循環によって植物プランクトンの繁殖により水が緑色を帯びまして、まさに富栄養湖の様相を呈しております。家庭廃液及び産業廃液汚染が、われわれの調査では、すでに最も美しい北湖中心部湖底にまで広がっていることを確認しております。  次に、琵琶湖湖底の表層にありますところのどろでございますが、これを全湖にわたりまして約百サンプルをとりまして、それの中の数種の重金属の分布を調べたのであります。その結果によりますと、鉛と亜鉛カドミウムというのは、自然状態で推積したどろに比べますと非常に高い値をすでに示しております。この事実は、湖の水の中にもこれと同様に元素が標準より多く含まれているということを意味していると思うのであります。それからマンガン以外の諸元素、つまり亜鉛とか鉛、コバルト、ストロンチウム、銅、カドミウム、そういったものは、地球科学的に見て琵琶湖底に異常に分布しております。この事実は、これらの元素琵琶湖流入水域中の特定の地域から多量に供給されている二とを意味するわけであります。このように数種の重金属について調べた結果からだけでも、汚染はすでに底質にまで及んでおるということがいえます。特に南湖水深平均四メートルでございますが、その浅さを考えますと、地球科学的にはとても考えられない多量な鉛と亜鉛がこの湖底に分布しております。そしてこの南湖底のはなはだしい汚染というものはいますでに北湖の南部にまで侵入しております。これは先ほど申しました湖底流に乗って広がるものと考えられます。  このようなことでございますが、そこに住む生物はどうかと申しますと、富栄養化が進みましたために植物プランクトンがはなはだしく増殖しまして、そのために動物プランクトンが逆に減少しました。で、ただ一種類、ゲンゴロウブナだけが植物プランクトンを食べますが、そのほかの魚はすべて動物プランクトンをえさにしておりますので、いまやえさの不足にさらされているという現況でございます。工業排水からの影響を考えてみますと、魚類の中に水銀、カドミウム、PCB、こういつたものが、水銀は〇・五、カドミウムは〇・四、PCBは一〇PPM、これは、アメリカの許容量が〇・五でございますから、おそるべき量が入っているといわなければならないと思います。  このような現況琵琶湖で、もしも水位を一・五メートル、十数年に一度でも下げるということを考えた場合に、このような緊急時は少なくとも滋賀県、京阪神というのは日照りが相当続いたときでありまして、琵琶湖に流入する百本近くの川は、ほとんどその河口附近は干上がって、ただ伏流水が一日一メートルくらいの早さで細々と琵琶湖に流れ込んでおる、そういうときだと思うのであります。そういうときに、南湖の周囲は都市としても、産業都市としましても非常に人口稠密でございますが、そういうところでの人間生活といべものはその間といえどもとめどなく行なわれて、平常どおり汚物が琵琶湖に流入いたします。そのときの南湖水量はどうなっているかと申しますと、先ほど申しましたように現在平均四メートルでございますから、一・五メートル下げますというと水量は四十億トンからその半分の二十億トンに減ってしまうわけでございます。そこえ平常どおりの汚物が入りますと、このときには日々通常のときの二倍の速度で汚染が進む、しかもそれが湖底流に乗りまして南湖から北湖に蔓延して、全湖がまたたくうちに汚染を受けるということが起こると思うのであります。この汚染の結果というものは、先ほど申しましたように九〇%の回復に十三年もかかるということを考えまして、またその間に底質がさらに汚染されるということを考えますならば、このようなことを二度、三度繰り返せば、湖はまさに死の湖になると予言せざるを得ないと思うのであります。  こういう意味で当初のような結論と提案を行なったわけでございます。
  8. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  次に、米花参考人お願いいたします。
  9. 米花稔

    米花参考人 私、経営学をやっている人間でございますので、その面から地域開発問題をやってきました。そういう観点から、今度の琵琶湖淀川水系の問題をどう考え、あるいは今度の特別措置法に関連する位置づけをどう考えるかということについて、若干申し延べさしていただきたいと思います。  琵琶湖淀川水系の問題は三つの側面に問題意識が、地域問題からいうとあるように思うのであります。直接的には水資源と水の利用側との問題であるわけでありますけれども、よりレベルを高めて申しますと、先ほどからお話がございましたように、近畿一千万あるいは一千二百万ぐらいの人々の水ということからの広域的な機能と、しかし琵琶湖を中心として九十万以上の方々が、その地域生活をしておられる、仕事をしておられる、そういう地域社会的な問題と広域的な問題との間におけるかかわりの問題もあるわけであります。第三にもう一つは、われわれは未来への期待というものが無限であり、次の世代次の世代へといまよりも悪くないもの、よりよいものを移していかなければならないということ、現在の人々の仕事と生活の条件を整えなければならないということ、しかも資源とか土地利用とかいうものには限りがあるというような、三つの側.面に問題があると思うのであります。そうしますと、そういう、たとえば水の場合には——ここの場合は水でございますけれども、水にかかわるところの関係機関なり関係主体というものが非常に多いという中において、いまのようなむずかしい問題を少しでも解決しながら次の世代へ、あるいはまた現在の人々の仕事と生活の中で役立てていかなければならないという問題、これは地域開発問題に共通の問題としていま当面しているわけでございます。しかもいまその関係主体、府県、国の各機関の中で、とにもかくにも一応共通の出発点というものがここで整えられようとしているというふうな解釈ができようかと思うのであります。したがって、これは問題の解決ではなくて、これからの出発点である、問題解決への出発点という意味の取り組み方が必要でなかろうかというふうに思うのであります。  いまから十年余り前のことなのでございますけれども、当時国連の経済社会局次長をしておりましたワイズマンをはじめとして、六人の欧米の都市問題の専門家が阪神都市圏の調査に参りました。近畿圏的な視点からこの問題に取り組んだわけでございます。若干、関西の者も協力したわけでありますが、その報告の一つの中に、琵琶湖淀川の水の問題というのは、何よりもその関係各機関あるいは各主体の間の協力方式、共同方式をさがしだすことが最も大切な緊急の課題であるというふうなことが指摘されたことを出い出すのでございます。そういう方々は、あるいはあたかもアメリカのTVA方式のようなことが一部頭にあったと思うのでございますけれども、むしろ問題に応じて協力をする方式をその中からさがし求めて、それに基づいてやっていかなければならないというふうな指摘があったと思うのであります。その意味では、琵琶湖淀川水系の問題というのは、いまやっと出発点に立とうとしているというふうな見方もできるのではなかろうかというふうに思うのであります。そういう観点からこれを見ますと、むしろ、かりにこの問題がいま法案によって進められるといたしましても、これは出発点であるという見方、そして私、いろいろな分野にとうてい及びませんけれども、何といっても二つの側面から考えてみたいのであります。  一つは、水利用というものが、先ほどからもお話がございますように、水質問題と密接不可分であるということ、しかも、さしあたりこれは昭和五十五年ごろをめどにして進められるようでございますが、五十五年以後、六十年、六十五年、七十年ということを考えたらどうなるのかということを考えますと、こういう出発点を前提にしてい系ら本格的に——いままでも淀川水質協議会であるとか淀川水系水資源開発基本計画とか、いろいろあって、おやりになっているようでございますけれども、より広い視野から、水質水量の問題を含めて、本格的な取り組み方をしていかなければならないであろう。水の需要というものを、質と量を含めまして、このままほっとするのではなしに、もしいまからやっておかなかったならば、かりに十年したあとどうなるかということを考えてもいろいろな問題が出てまいります。むしろここを出発点として、関係の主体が寄って、水の循環利用も進められておるといいながら、もっとシステム的な問題についていろいろな提案が専門の方からもなされているようでございますので、そういういろいろな研究成果を活用しながら、この問題と取り組めるような方向というものが一つ非常に必要でなかろうかというように思うのであります。  もう一つの問題は、水というものは、上流から下流まで一体として、あるいはその地域生活なり仕事を含めて考れていかなければならないという問題からしまして、琵琶湖の総合開発というのは保全と開発ということが指摘されておるのでございますが、その計画の具体的なことを私はよく承知しておりませんけれども、そういう総合的な計画あるいは保全と開発というのでしょうか、それの計画というものを進めていくのには、とにかく琵琶湖淀川というものはやはり非常に大きなものでございますので、しかもいままでわれわれの経験しない、未知なるもの、未経験なものに次々出くわしながらこれをやっていくのでございますから、その計画の中におけるフレキシブルな進め方といいますか、そういう一つ一つについて体得しながら進めていけるような、フレキシブルな計画のとり方ということをまず前提に考えてほしいと思うのであります。  それからまた、計画というものは総合されましても、実施段階でなかなかうまくいかない。特に琵琶湖の問題なんかは関係が非常に複雑でございます。複雑というのは、国の各機関なり公団であるとか、あるいは県、市町村、あるいはその他のもろもろの関係者が多いわけであります。その中において総合ということは一体どういうことであるか、問題に応じて協力できるような仕組みなりあるいは姿勢というものをその中で持っていかなければならないであろうということであります。これは、計画が総合されても、実施の段階でタイミングが一つ狂いますと、非常に違った、似ても似つかぬものになるおそれがある。したがって、計画の実施についてのタイミングを十分考えて、問題意識の中でこの問題を考えていく必要があるだろうと思うのであります。  それからまた、こういうものを担当されるところの行政機関というものは、きまったときには問題意識は非常に明確でございまして、それぞれの方が苦労なさっておるのでありますけれども、たいてい異動がございます。異動してまいりますと、担当者がかわりますと、形は残るのでありますが、初めの問題意識なりきびしさなりくふうなりというものがどこかえいって、受け付けられなくなってしまう。そこで似ても似つかぬものになるおそれがございますので、そういう面も十分くふうしてほしいと思うのであります。  以上のような点を頭に置きまして今度の問題を考えますと、一つの水というものを手がかりにしながら、上流から下流までが一緒になってこの問題を考える、そういう理想的な体系というのはまだかなりの距離があると思われるのでありますけれども、少なくとも水なら水だけで問題を考えようというのではなしに、水と地域生活なりあるいは自然と人間との関係であるとか、あるいは上流下流との関係を考えながらこれを進めていくという第一歩になろうかと思うのであります。こういう、初めに申しました問題意識というものは、現在の日本の地域開発問題で各所で当面しておって、しかもこれがバランスがとれないでうまくいかないということが、非常に多くの地点にございます。その意味では、不完全ながらそういう一つの取り組み方についての出発点ということが今度いえそうに思いますので、これがもしうまくいかなかったならば、今後の広域的なこういう取り組み方というものを進めるのに非常に支障を来たすであろうと思いますし、一つ一つについて多少ともいい成果をあげていくということができれば、これは今後の一つの手がかりにもなるだろうと思うのであります。そういう意味で、そういう問題というものを十分意識した中でこの問題の取り組み方を進めていただきたいということを申し上げまして、私の一応の説明を終わらせていただきます。
  10. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の御意見開陳は終わりました。
  11. 亀山孝一

    亀山委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤俊男君。
  12. 後藤俊男

    後藤委員 第一番に立川参考人にお尋ねいたしたいと思います。時間が十分以内になっておりますので、簡潔でけっこうでございます。  一つは、琵琶湖の水が最近非常に汚染が激しくなってきておる、こういわれておるわけですけれども、過去と比較した場合どれくらい琵琶湖の水がよごれておるのか。これは、いわば一般の人が聞きましてよくわかるような方法があれば、その方法で簡潔にひとつ御説明をいただきたいわけなんです。  それから二つ目の問題でございますが、今回のこの措置法の考え方によりますと、水を四十万トン云々で一・五メートルでございますか、水位低下ということになるわけですけれども、この水位低下琵琶湖の水の汚染なり水質とどういうふうな関係になってくるのか。この点も特にわかりやすく御説明をいただきたいと思います。  それから三つ目の問題といたしまして、水位低下によりまして農業なり漁業の被害が出ると思うわけなんです。この被害の実情というのは科学的に確認できるものかどうか。これは非常に私はむずかしい問題だと思うのです。さらにまた特に地元における農漁民の皆さんといたしましても、これは非常に関心の深い問題でございます。これらの被害の実情というのは科学的に確認できるかどうか、この点でございます。  この三つの点を立川参考人お願いをいたしたいと思います。  それから、全部続けて——木村参考人にお尋ねいたしたいと思うのですが、御承知のようにこの琵琶湖総合開発特別措置法案が現在審議中でございます。これが審議が行なわれまして、これからどういうふうに進んでいくかはこれからの問題でございますけれども、基本的な事業なり関係開発事業等が四千二百六十六億というような予算のもとに今日措置法が出されておるわけでございますが、この中におきましては、特に中に書かれておるのは、下水道工事、公共下水道流域下水道等が入っておるわけです。これらがかなり琵琶湖の水に対することを考えておるのだというような説明があるわけでございますが、具体的なこういう計画のもとに琵琶湖総合開発が進められるとした場合に、将来の琵琶湖の水、いわゆる水質はどういうふうな見通しになるだろうか。この琵琶湖総合開発が実行に移されて十カ年たつ、そうなった場合に琵琶湖水質については科学的にどういうふうな見通しになるのだろうか。この点について木村参考人にお尋ねいたしたいと思います。  それから次は米花参考人にお尋ねいたしたいわけですが、地域開発関係も非常に研究もしておられますし、さらにまたこの琵琶湖の問題につきましても非常に勉強しておられると私は考えておるわけでございますが、第一番の問題としまして、今日やみの取水ですね、とれが十トンぐらい、いわゆる水権利以上に十トンぐらいが流れておると私は聞いておるわけでございます。一体このことに対してどういうふうにお考えになっておるか。これが一番でございます。  それから二つ目の問題としまして、現在の琵琶湖から流れておる水につきましては、昭和四十年度に調査を行なったところの予測に基づいて今日行なわれておると思うのです。その予測と実態というのは、今日合っておるのかどうか。この点が二つ目としてお尋ねいたしたいと思います。  それからその次には、これは兵庫なり大阪、いわゆる近畿地方の人口なり生産高の問題でございますけれども、いろいろな資料によりましても、昭和六十年には二百万ぐらいの人口が伸びるだろう、あるいは生産高もかなり伸びるだろう、こういうふうな見通しのもとに琵琶湖の水に対する考え方も出ておるように思うわけでございますけれども、現在の大阪なり淀川水系人口というのは、昭和六十年で、はたして二百万も伸びるような情勢にあるだろうか。生産高がどんどんそのように伸びていくような方向にあるだろうか。またはたしてそのことが可能であるかどうかというようなことにつきましても私は一つの疑問を持っておるわけでございますけれども、この点についてどういうふうにお考えになっておられるか、お尋ねいたしたいと思います。  三名の参考人に、以上申し上げました点を御質問申し上げます。
  13. 亀山孝一

    亀山委員長 立川参考人、お答え願います。
  14. 立川正久

    立川参考人 それではいまの御質問にお答えいたします。  まず、汚染の過去との比較ということでございますが、これは時間の関係で申し上げられなかったので非常に残念でございましたが、申しますと、まず昭和四十二年まで、明治以降四十二年までの大体の平均でございます。最終的には四十二年に北湖の中央部ではかりました透明度——これは二十五センチメートルの白い円盤を上から垂直におろしまして、それが見えなくなった深さをいうわけでございますが、北湖の中央部で、四十三年までは七ないし八メートルの範囲を繰り返しておりました。ところが四十五年から六年の両年は、四季ともに、春夏秋冬ともに二・五から四メートル、ほぼ半分に減ってしまったわけであります。本年は、最近、四月に測定いたしましたところ、年じゅうで最も美しい水は三月及び四月でございますが、このときにすら北湖では、南半分は三・五から四メートルで回復のきざしを見せておりません。北湖の北半分のほうはやっと六メートル前後に回復しましたが、これは直ちに五、六、七月という植物のプランクトンの繁殖期を迎えますので、やがてもとどおりになるものと予想されます。それからツツミモの例を申しますと、これは四十二年までは一立方ミリメートル当たり一個でございました。あるいは一個以下でございましたが、本年の四月では三百ないし四百個が一立方ミリメートル中におるようになりました。これは驚くべき繁殖でございます。それから懸濁物質でございますが、これも本年四月にはかりましたところ、植物性の懸濁質が九〇%を占めまして、わずかに一〇%が無機の懸濁質というようなことで、非常な植物プランクトンの異常繁殖、これは結果としまして、四十五年度以降、南湖はもちろん北湖にまでいわゆる富栄養化ということが進んだ証拠でございまして、このツツミモが非常に繁殖いたしますと、いわゆるいそくさい臭気を出します。で、琵琶湖は現在絶えずこのにおいに悩まされるという現状でございます。それから全窒素の量、それから全燐、それからABS、少し専門的なことになりますが、そういうものもすべて、残念なことでございますが、富栄養化の線に合格いたしました。これは四十五年以降、変わりなく合格線以上にございます。だから現在の琵琶湖は富栄養化に移っておると申し上げることができます。  それから次に、一・五メートル水位を下げた場合、これがどういうように水質影響するかということでございますが、これは私たちの最も心配するところでございまして、御存じのように、琵琶湖には大体百の河川がございまして、それからは絶えずコンスタントに水が流れ込んでおります。そしてその水が琵琶湖に入りまして、大体四〇%が蒸発いたします。あと六〇%が流れ出す。ほとんど地下からの湧水というものがないわけでございます。そこで、先ほども申しましたように、一・五メートル下げますというと、そのときには京阪神、滋賀県というのは干ばつの非常にひどいときだと考えますので、先ほどコンスタントに入るべき水が地下伏流水として流れ込みますので、現在の流量のほうから考えますとほとんどゼロに近いというような状況になっておる。そういうときに、下流が要るからというわけでどんどん水位を下げますと、先ほどのように周囲からの汚物というのは、これは人間生活をやめない限りは絶えず入るわけでございますので、これは一日一日と驚くべき速度で汚染が進んでいく。ところが、琵琶湖が単に川のように上流から下流へ流れておるものならばこれはそれでけっこうなんですが、というのは、こちらのきたないものは、これは残念なことですけれども、淀川水系に入っていくわけですが、琵琶湖としては正常に保たれる。ところが先ほど申しましたように、琵琶湖の水というのは絶えず攪拌されておる。全体が一様になっていると考えてもらっていいわけです。そうしますと南湖の浅い所が一番汚染を受ける。その水が瀬田川へ出ずに北湖のほうに広がっていく。そしてその期間が長ければ長いほど北湖への汚染の広がりがひどくなっていく。これは当然なことなんですね。それが回復するのに先ほど申しましたように十三年、しかもそれが九〇%の回復、その間に何度も一メートルまでの水位低下あるいは八十センチというようなことがあるとすれば、そういうことが積み重なっていくかけでございますから、これはまたたく間にいわゆる生物も住めない湖になる。富栄養湖どころか、いわゆる死の湖になるというように私は考えるわけでございますね。だから、こういうことを防止する方法ですが、これはいまの御質問にございませんので申しませんが、いろいろ考えれば出てくるだろうと思うのですが、とにかく私の提案として、現在の平衡の破れたこの湖を平衡状態まで戻すということが、そういう汚染を防ぐ唯一の道だと考えております。  それから次は農業被害の問題でございます。御存じのように農業というのは水をまいて、そしてたんぼに稲を育てるわけでございますが、いまのように一・五メートル水位が下がりますと、これはおかの上で地下水の面が一・五メートルから二メートル五十やがては下がると考えざるを得ない。そうしますとたんぼに入れた水というのはこぼれる。幾らやってもこれはほとんど意味をなさないということは当然でございます。ところが、一・五メートル湖が下がったために地下水面のどこまでがその被害を受けた範囲なのかということになりますと、これは地下のことでございますのでおそらく判断はできないということを考えます。というのは、先ほどもお話がありましたように、昭和十四年に琵琶湖始まって以来一メートルという水位低下をわれわれ一ぺん経験しておるわけですね。そのときに干ばつの出た範囲というのはこれは調査でわかっておりますが、一・五メートルというのはいままで天然でやったことがないわけですから、そうすると補償の問題ということになれば、これは、それよりも山に近いほうではどこまでがそのためのものかということは、なかなか判断がむずかしいのではないかというように考えております。  以上でございます。
  15. 亀山孝一

    亀山委員長 それでは、木村参考人
  16. 木村春彦

    木村参考人 流域下水道ができた場合に、将来どういう汚染の見通しかということでございますが、いまのような流域下水道のやり方ですと、これは非常に年数がかかりますして、おそらく十年ぐらいあるいはそれ以上、完成までに、付帯設備を入れましてかかるんじゃないかと思うわけです。この流域下水道の現在の聞いております計画では、湖南、湖東だけであって、全湖をカバーしていないということが一つあります。ところが先ほど申しましたように、琵琶湖全周域にわたりまして非常な速度で開発が現在進行しておりますし、また将来総合開発計画によって諸種の事業が行なわれるわけです。特に現在の問題としてはスプロール化でございますが、これは工場のスプロール化、それから住宅団地等のスプロール化、それから観光のスプロール化という三つのスプロール化があるわけです。これがさらに総合開発事業等に合まってふえていきますと、私の見通しではおそらく、焼け石に水といわないまでも、それに近いのではないかというふうに思います。それからもう一つ問題は、終末処理のしかたにもかなりよるわけでして、下水処理で落ちないもの、たとえば重金属とかPCBというようなものは下水処理をやってもなかなか落ちないわけです。こういうものがスラッジとしてたまってくるわけで、これの捨て場所がない。大阪等でも京都等でも困っておるわけです。一部ではまだ川に捨てるしか方法がないというような場合もあるわけです。このこともやり方によるわけですが、おそらく二次汚染として問題になってくるという可能性がございます。結局、は速度の問題で、よほど建設速度を上げないと開発速度に追いつかないということは、これははっきりといえると思います。したがいまして、対策としては、よほど下水道に重点的に投資して建設速度を上げるということと、それから単に湖南、湖東だけではなくて、やはり将来一つの事業の行なわれることを予想して、湖周下水道をつくる必要があると思っております。
  17. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  次に、米花参考人
  18. 米花稔

    米花参考人 私に対する御質問、三つございましたのですが、残念ながら初めの二つ、やみの取水十トンをどう考えるか、これはおそらく維持用水を食っているという問題について御質問でなかろうかと思うのですが、私自身こういう問題について特になにしておりませんので、ただ第二の、水の昭和四十年度の予測から実態がどうなっているか、おそらくすべての予測を越えているのではないかと思うのですが、そういうことがまた維持用水を食うということになったと思いますが、その辺のことについて私正確な知識を持っておりませんのでお答えできない状態でございます。  最後の問題でございますが、兵庫、大阪における人口増加並びに生産額増加をどう考えるかということでございます。すでに地方からの大都市への人口増加というものがある限度まできたということは確かでございますが、今度、集まった人口の中の再生産力というか、自然増加というものが相当大きいという問題がございまして、そのことから既成地域人口というものの分散がなかなか簡単にいかないという問題がございます。これは自然、出荷額とか仕事の側面に関係あると思うのでありますが、現在阪神地方の工場実態をこまかしく見ているわけではございませんのですけれども、内容がかなり変わってきつつある面があるようでございます。いわゆる二次産業といわれる工業の中で、研究開発的なものとかあるいはまた加工度の高いものであるとかいうものに切りかえしようとしつつある状況かなり多いようでございます。したがって、従来の基礎産業的なものがこれからだんだん周辺部へ行くとか、あるいは日本の産業構造自体がそういうものでないものを要求するように、発展途上国の関係とかあるいは先進工業国の関係においても日本の産業構造が大きく変わりつつある。その中において、阪神地方は日本の中心の一つでございますから、これから十年、阪神地方における産業構造は変わらなければならぬし、変わるはずでございます。ただそれがすぐに分散とつながるかということになりますと、その分散のしかたというのはむしろ新規の部分が他の地域でなされるということであろうと思うのです。問題は、現在の部分がそれなりにふえていく、そこで仕事を持ち、生活をしている人も仕事に合わせていくためにそれなりにふえていくものを、さらに地方までどう持っていくかという問題にあるのではなかろうかと思うのであります。そういうことについてのくふうが簡単にできないと、やはりある程度増加ということがございましょうし、また、いずれにしてもその土地利用の中においては内容が変わってくる。三次産業的二次産業といいましょうか、変わってくると思うのであります。ただ、分散という問題がどの程度成果をあげるかということがこれから十年間の勝負でなかろうかと思うのです。その場合に、特に近畿の場合に考えなければならないことは、関東のように、関東平野にずっと北関東までいろんなプロジェクトをもってやるというふうな自然的な条件でございませんで、緑があり山があり海があり盆地があるという、非常に多彩な自然的条件を持っておる近畿でございまして、簡単に周辺部へ伸びるというかっこうでは伸びない。その意味ではいわゆるスプロール化ということの、自然現象からいう、自然的な制約から、最小限度の食い込みはあるわけでございますが、同時に、周辺部に伸びていくということが簡単にいきにくいという状況がございます。そこで、そのことについて特別のくふうをしていかなければならぬ、それがこれからの勝負でなかろうかと思うのであります。  ただ問題は、百万の人がおられるところに十万の人がふえる——仕事の問題でございますけれども——ということは、過密になるという条件があって好ましくないということはわかるし、また何とかしなければならないのであります。ところが三万のところに十万ふえるということはそれ以上にまたきびしい問題がございます。自治体の問題、地域社会の問題新しい人と古い人との問題、あるいは環境の問題というものがございます。そういうものを近畿がかまえていかなければならないというので、これからの十年の中でどの程度、ふえる部分、新規な部分を分散といいますか、そういう地域において新しいものと従来のところと組み合わしてやっていくような手法を十分その中で勉強していかないと、スプロール化といいますか、また同じようなものを広げていくことになる。そこで、従来の都市におけるものの改造とそれから新しくふえる部分をよくしていくという中にいろいろな問題が組み合わさっているものを、これから解決していかなければならないという課題がございます。いずれをとりましても簡単にいかないむずかしい課題、簡単にやろうとすればそこには好ましくないものがいろいろなところに出てくるという状況であろうと思うのです。しかもそれを今後どう考えるかというお話でございます。これは昭和六十年でなしに、いま昭和四十七年でございますが、ここ十年が勝負でなかろうか。ここ十年にそういうやり方を体得できるかでさないかということで、昭和六十年の問題がかけるかかけぬかということになろうかというふうに思っております。  十分なお答えになりませんと思いますが、以上です。
  19. 後藤俊男

    後藤委員 ありがとうございました。
  20. 亀山孝一

    亀山委員長 それでは、次は北側義一君。
  21. 北側義一

    ○北側委員 参考人方々のいろいろな御異見を聞かしていただきまして、このたびの法案の審議に大いに役立つ、このように喜んでおります。  そこで、まず木村先生にお尋ねしたいのですが、今回のこの計画につきましては、環境の整備ということと水質の保全とそれから開発、この両面の問題があるわけです。そういう問題がこの計画の目的にはうたわれておるわけですが、それが両立しないということになりますと、この計画が非常にたいへんなことになるわけです。そういう面で、先生のお話によりますとこれは両立できない、このように先生はおっしゃっておられるわけですが、そこでお尋ねをしたいのは、たとえば現在の南湖、これは水質が非常に汚濁しております。先ほどの説明のとおりであろう、このように思うわけであります。この原因はやはり家庭排水及び工場排水、これらが大きな原因をなしておるのではないか、このように私たちは考えておるわけです。急速に南湖周辺が非常に発達してきた。町が発展し、工場等が誘致された。誘致されたかどうか知りませんが、工場等が多数立ち並んだ、そういうことが原因であろう、こう思うわけであります。そこで、そういう南湖流域下水道と、これから計画されていく、いま滋賀県としての流域下水道をやっておるように思いますが、たとえば湖周の流域下水道をやった場合に、いままでの水質の問題というものはやはりよくなってくるのではないか、私こういう見方をしておるわけです。それに対する先生の御意見があったらお伺いしたいものです。  次に、澤竹さんにちょっとお聞きしたいのですが、非常に詳しい資料をもっていろいろと述べられたわけですが、琵琶湖開発計画がされないで——私の聞くところによりますと、現在淀川のすでに河川維持水も少し食っておる、こういう状況である、このように聞いております。そこで、この計画ができない場合に、一千万人の阪神の水需要昭和五十年、また五十五年、六十年の場合にはたしてどうなってくるのか。たとえば市民の生活に及ぶ影響、また地下水のくみ上げによる地盤沈下、いろいろあろうと思いますが、一体どのような形になってあらわれてくるか、そういうところをひとつお聞きしたいものです。  それから立川先生にお聞きしたいのですが、マイナス一・五メートル下がりますと非常に危険である、こういうお話です。マイナス一・五メートル下がった場合について、そういういろいろな研究の資料からおっしゃっておるのではないかと思いますが、やはり総合計画で一番重点に置かなければならないのは水質の問題であろうと思います。総合計画をすることによってどれだけ水質がよくなるのか、そこらの問題が非常に重大な問題ではないかと思います。たとえば流域下水道とか、また造林とか、いろいろな問題があろうと思うのです。そういう関係を見まして、先ほどもちょっと話を聞いておりますと、下水道にしても十年以上かかるのではないか、こういうお話ですが、しかし、それではこの計画というのは初めから計画が全然つぶれてくるわけです。なるほど下水道の場合ですと国庫補助対象率が非常に低い。たとえば補助率を少々上げたところで市町村のこうむる負担は非常に大きくなってくるのではないか、こういう心配もあろうかと思うのでありますが、どのような前提でそういう、下水道がこの期間内にできないのではないかというようなことをおっしゃっておられるのか。それを、何か原因があるようでしたらお教えいただきたいということと、マイナス一・五メートル、これは一体何年に一ぺんくらい琵琶湖ではこういう水位が下がったことがあるのか、そういう点もできたらひとつお教えいただきたいと思うのです。  最後に米花先生にお尋ねしたいのですが、なるほど先生いわれたとおり、今回の水資源開発、これは全国で初めてなわけです。たとえば下流負担をしてやる、こういう水資源開発の方法というものはいままでなかったものです。また日本の現状を考えてみますと、水資源開発というものが内政としては非常に重大な問題になってくるのではないか、このように思うわけです。そういう点から考えますと、この計画が失敗をし、水質が汚濁して琵琶湖が死の湖と化する、こうなりますとこれはたいへんなことになるわけです。これからの日本の水資源開発ということがおそらくできない。たとえばダムを一つつくるにしましても、実際問題としては補償問題とかいろいろな問題でなかなかできておらないのが実情です。そこらで私は非常に悩んでおるわけでありますが、これから関東におきましても、東京におきましてもこの問題は相続いて起こってくるのではないか、そう考えるわけです。そういう立場に立って、たとえば今後のこういう水資源開発のあり方について何か参考になるような意見がありましたらひとつお教えいただきたい、このように思うわけです。以上です。
  22. 亀山孝一

  23. 木村春彦

    木村参考人 ちょっと質問の御趣旨が聞き取れない部分がございましたが、湖周下水道ができたらどうなるかということですか。
  24. 北側義一

    ○北側委員 もう一ぺん言いましょうか。たとえば、今回の計画では、御存じのとおり琵琶湖に注ぐ下水流域下水道で拾って、そこで処理して琵琶湖に流す、このようになろうと思うのです。その場合、琵琶湖水質は現状以上に回復するかどうかということです。それをお聞きしたわけです。
  25. 木村春彦

    木村参考人 それはもちろん相対的な問題でございまして、下水道ができたほうがはるかに状況はよくなると思うのですが、先ほども申しましたように、下水道建設速度と、それからほかの開発事業建設速度というようなもののある程度の競争になると思うわけです。それからもう一つは、これも先ほど申し上げましたように、終末処理のしかたですね。これは、出てきた、処理したスラッジをどういうふうに扱うかということによってもかなり違ってくると思います。現在のところ、これも先ほどから重複になりましたが、落とせないものが、重金属やPCB等かなりあるわけですから、下水道さえできたらすぐ水はきれいになるのだというわけにはこれはなかなかいかないので、今後浄水技術等の開発かなり投資をしていただいて、そういう落ちないものも落ちるようにするということが非常に必要かと思いますし、また、下水処理の費用というものがばかになりませんので、この下水道に流れてくるまでにすでに工場において一次処理、二次処理程度まで行なっておれば自治体の負担も減るし、ということで、そういうこともぜひやっていただければもちろん効果はあるし、そういうことをやらなければそれだけ効果は薄いということでございます。
  26. 亀山孝一

  27. 澤竹慶三

    澤竹参考人 琵琶潮総合開発計画ができなかったら現在の市民生活にどのように影響するかというお尋ねでございますが、すでに御承知のように、数年前でも淀川本川流量が百トンを割ったこともございます。ここ二、三年、わりあいに夏季において豊水時期を迎えておると申しますか、最近夏季に大きな渇水期を迎えておりません。そういう関係で、下流水道事業者といたしましてもどうにか取水ができておるという状態でございまして、年々の需要量と申しますか、必要量から見ましても、もし現在において夏に渇水が起きた場合には、現在でもすでに危険な状態になる。それで水道の場合に節水ということを、まず夏季になる前に各水道事業者は毎年のように呼びかけております。しかし、水道というものは一たん断水いたしますと、また断水の予告をしますと、一般市民の方はかえってため置きをされます。そのことが、むしろそれを有効に利用するのではなしに、水道が出るようになればそれを捨ててしまう。断水したからといって必ずしも一般市民の方は節水になるというようには思っておりません。そういうような現在の淀川の事情、流れております水量から見ましても、この琵琶湖総合開発ができなければ、また夏に渇水を迎えるようなことになりますれば、ここ何年もつのではなしに、現在でもすでにあぶない状態にあるというように私は考えております。
  28. 亀山孝一

  29. 立川正久

    立川参考人 先ほどの御質問ですが、下水道が十年以内にできなければという前提は私は話をしなかったと思うのです。これは省略させていただきます。  それで、マイナス一・五メートルの記録でございますが、これは実はございません、先ほど申しましたように。最高に下がったのが昭和十四年の、先ほど木村参考人から申された一メートル強でございます。そのときの被害が二年かかって回復している。だから、われわれがとにかく有史以来一・五メートルを科学的に調べたという記録はないわけでございます。  私は、とにかく現在の琵琶湖汚染状態というのはもう異常である、これは自然の平衡が破れておる証拠であるという立場に立っております。だからこれをとめてから総合開発計画に移らなければいかぬ。このままで三年経過しますと、おそらく京都の水も飲めなくなるのじゃないかという心配をしております。それの原因でございますが、少し話さしていただいてよければ、下水道と関連がございますので……。これは、南湖汚染は単に下水道ができてなおるものではないのでございます。というのは、琵琶湖のまわりには百ほどの河川がございまして、これは大体平均しております。例を申しますと野洲川から草津川という川、あれは天井川でございます。その間を地質調査所の方が三十七年ごろに調査された。十年ほど前です。その精細な調査の結果を見ますと、全部三角州が折り重なって手をつないだようにあって湖岸をつくっておる。だから琵琶湖の全周囲というのは実は天然の大浄水場になっておる。いわゆる二次処理を済ませた水を天然が入れてくれておる。それを破壊した。いわゆる護岸をやり埋め立てをやる、これは南湖は非常に大きいわけです、延長面積から申しますと。これが汚濁の原因です。だから単に下水道をつくったからといってとまるものではない、こういう立場でございます。
  30. 亀山孝一

  31. 米花稔

    米花参考人 私に対する御質問、水資源開発についての考え方というものに何か参考になることはないかということでございますが、あらためて私先ほど引用いたしましたワイズマンを思い出すのでありますが、あのワイズマンのレポートの中に、水問題について協力方式を探求されなければならない。どういうふうにせいというのではなしに、協力方式を探求されなければならないというふうな非常に意味の深い勧告がございまして、そのことに関連して何カ月かワイズマンさんなんかと一緒にやったときに、あの人のそういう地域問題に対する進め方についての印象深いものをいまだに私覚えておるのでございますが、そこで初めに申しましたような、広域的な機能と地域社会の持っておる問題とをどのように組み合わせ得るかということと、現在と将来、次の世代ということを考えた中において、これがどのようにできるかというようなことを中心にしまして、その河川なり水資源なりの地域に応じて考えてみなければならないのではなかろうかと思うのです。実はこの淀川琵琶湖以前に、吉野川水系で四国四県で非常に問題になっておった。ところが地元で協力なさいまして——琵琶湖淀川がすでに話を始めら席でございましたけれども、阪神なり近畿では協力して話し合いをしておるということを話したことがあったのですが、その後に、かえって吉野川ができた。これは川とか水系によって問題が違うので、そういう広域的な問題と地域社会的な問題あるいは現在と次の世代というものを考えながら、その地域の問題に応じた方式を創造し、あるいはこのごろのことばでいえばシステム的な進め方についてのあり方を考えていかなければならない。そういうことができるようなフレキシブルな姿勢で考えていかなければならないのではなかろうかと思うのです。そのときに一つの問題は、行政の中で、前例がないということによってそういう創造がなかなかしにくいということと、また、一つしますとこれは前例になるからといってなかなか取り上げられないという、そういう問題について、特にこれから創造ということを考えていかなければならないとすれば、その問題を行政の中でどう考えていくかということについて特にお考えいただきたいというふうに思います。
  32. 亀山孝一

    亀山委員長 次は井上君。
  33. 井上普方

    ○井上委員 まず木村参考人にお伺いいたしたいのですが、開発と自然保全というものが両立できない、こういうお話でございます。そのとおりだろうと思います。しかし私どもの使命といたしましては、いかにして自然保全をやるか、同時に、何をいいましても文明というのは人間のためにあるのでございますので、極力その方向にも努力しなければいかぬ。いかに調和させるかというところが大きな問題であり、かつまた琵琶湖という民族に与えられた資源、これをいかにして自然のままに後世に伝えるかというのが私どもの、現在に生きるものの使命ではなかろうか、このように実は考えておるわけであります。そういう面からいたしますと、まず第一番に、現在汚濁が進行しつつあるこの琵琶湖周辺において、いかに早く下水道を完備させるかという問題もこれは非常な問題であろうと思いますし、木村さんのおっしゃるように、全琵琶湖周辺下水道を甘美させなければならないという点も私はわかるものでございます。特に、内湖でございますがゆえに外洋に水が流れていかないという点から、汚濁が蓄積されるという点も私らは大いに考えなければならない点であろうと思うのでございます。現在加速度的に汚濁は進行しつつあると私は思います。そこで水質を保全するために一これは立川参考人にも関係いたすのでございますけれども、ここ五年以内に完備するならば、予測としてどの程度にまで汚濁を押えることができるだろうか、この点ひとつお伺いいたしたいのです。少なくとも現在計画いたしております湖南あるいは湖東の下水道を五年以内に完備したならば、現在進行しつつある汚濁を何%くらいにまで押えられるか。これは非常にむずかしい問題で、数字であらわせぬかもわかりませんが、その点をお伺いいたしたいのです。  もう一つは、工場排水の規制を厳格にする必要がある。これは木村さんも立川さんもおっしゃられたのですが、どの程度にまで具体的に工場排水を規制さすべきか、この点ひとつ御意見がございましたらお伺いいたしたいと思うのでございます。  それから木村参考人に、特にいままで言われていなかったのですが、京都下水道が非常におくれておる。これが下流流域にかなり影響を及ぼしてくるんじゃなかろうか、このように思われますので、この点の影響がおわかりでございましたらひとつお示し願いたいと思うのでございます。  質問が飛び飛びになってまことに申しわけないのでございますけれども、澤竹参考人はいま大阪の水につきまして非常に御経験もあるようでございますのでお伺いいたしたい。大阪淀川流域において人間が増してきた、水が要る、これは当然でございます。しかしそれにつきまして、大阪府、大阪下流当局が水質保全についてあるいは水量の節減についていかなる努力をなされたか、その点ひとつお伺いいたしたいのであります。  第三点といたしまして、米花参考人にお伺いいたしますが、地域開発をどんどん進めます、あるいは工場分散をしますということになりますと、大阪周辺の工場がどんどんのぼっていって、琵琶湖周辺にまでのぼっていくのではないか、こういうおそれもなきにしもあらずです。もちろん用水型のものは水を求めてどんどん行きますから、そういう結果になるのをまずいかにして規制すべきか、この点ひとつお伺いいたしたいと思うのです。  それから、これは四人の方全部にお伺いいたしたいのですが、むしろ今後も琵琶湖を自然のままに残すべく努力いたしますと、琵琶湖というものが非常に阪神地帯の人たちのレクリエーションの場になるだろう。この点につきまして私どもはさらに大規模なそれに対する対策を講じなければならぬのじゃないか、このように考える次第です。これにつきましての御意見がございましたらお伺いいたしたいと思います。  さらに、木村さんと立川さんにお伺いするのでございますが、私はどうも現在の下水道、あるいはまた工場排水というものを規制いたしましても、やはり自然破壊、水質汚濁というのはかなり現状よりも進むのじゃなかろうか、このように考えるのです。したがいまして、水質を保全させて自然保護をやるというにつきましては、アメリカではミシガン湖の例もあるようでございますので、これらの例を御存じでございましたならばひとつお伺いいたしたい、このように思う次第です。  それから、特に立川先生にお伺いいたしたいのですが、日本の農業にいたしましても、いままでは人糞に依存しておったのが、化学肥料に変わった。これによる汚水下水道に当然かかってくるわけですが、こういうものがかなり大きい影響を及ぼしておる。同時に、肥料は全部化学肥料に転換したというので、これもまた大きい原因になっておるのじゃなかろうか、このようにも考えられます。さらにもう一つの問題といたしましては、新しい公害物質がどんどんと出てくる。これは単にいまは、重金属あるいはまたPCBということだけに限定しておるようでございますけれども、まだまだほかにも未知なる公害物質があるのじゃなかろうか、このようにも考えられるわけなんです。しかも、先生が先ほどおっしゃられました内湖もしくは三角州、この自然浄化をやらす自然サークルですか、これを人間が現在破壊しておる。しかし、この内湖を復元しろ、あるいはまた三角州を復元しろという問題は、実際問題としては現在の政治の力をもってしましてはこれは不可能に近いと思います。しからば自然サークルを起こさせる方法として何か別な方法が考えられるのじゃないだろうか、このようにも考えられるわけです。この点につきましても御意見がございましたらひとつお伺いいたしたい。
  34. 亀山孝一

    亀山委員長 では順次お願いいたします。まず立川参考人お願いいたします。
  35. 立川正久

    立川参考人 貴重な御質問をたくさんいただきましたので、順を追って申したいと思います。  まず、五年以内にもしも湖南、湖東地域下水道が完備したならば汚染の進行がどの程度食いとめられるか、こういう問題でございますね。これにつきましては、いまのところどれだけの可能性があるかという問題からまず私は考えて、大津市という中都市の現在の下水道の完備とそれに加入する人の割合を見てみますと、せっかく下水道ができておっても水洗便所にはなかなかしない。特に郡部を控えております湖東地域に完備といっても、一番問題になりますのは湖辺部のいわゆる三角州のところ——滋賀県ではもう人間の一番よく住むところは三角州だと考えていいと思うのです。そういうところでは、きたない話ですが、便所の先をそのまま砂の中へ埋め込んで、それで浄水して流しておるタイプが非常に多いわけですね。これはおそらく五年やそこらではとても下水道へ流そうとはしないと考えます。そういうことをおきましても、これができたとしてどの程度食いとめられるかということですが、これは当然ある程度は食いとめられましょうが、最も重要な重金属とか、それからPCB、ABSというような問題ですね、これはおそらくほとんど効果がないと考えなければならないと考えます。なぜかと申しますと、天然でその重金属とかPCBとかABSというものがうまく浄化されて湖に入ってくるというのは、いわゆるわれわれがまだ知らないバクテリアの作用というものが相当三角州で働いている。三角州にもし砂と石だけでありましたらこれは二次処理がやっとでございますが、ここにいわゆるバクテリア類の住む樹木の堆積したもの、そういったものがありまして、そういうところをくぐっている間にそのバクテリアが重金属を吸収したり、あるいはPCB、ABSを分解したりということをやっておって、そしてそういうものからほとんど純粋になった水を供給している。だから人工で、たとえば京都市があのくさい臭気を抜こうとして、何億円だか知りませんが、炭素を浄水池の中に入れてみたが、無機のものを混合したのではほとんど抜けない。臭気は抜けますけれども、重金属、PCB、ABSというのはやはり残るということを考えますと、そういう点についてはこれはほとんど効果を持たないだろう、こういうように考えるのですね。  そこで三角州の代理の問題でございますけれども、これは先ほどおっしゃるように、行政上、私権の問題がありまして非常にむずかしいと思います。けれども、とにかく琵琶湖があれだけ大きな面積を占めておって、そのまわりに天然浄水場をつくってくれておるのだから、しかもいまのような微妙な作用をする浄水場を持っておるのだから、現在破壊されておらない三角州だけでも守るということをやる。そのためには県なり国なりで、琵琶湖のまわりに五百メートルくらいのグリーンゾーンというものを設定して、そこではとにかく樹木を植える。それから、幾ら私権のあるところであってもある程度の、風致地区とかなんとか、そういうようなもので規制をするということで、これ以上三角州を荒らさないようにしてもらいたい。そして、いままでこわされた分についてはやむを得ませんから、無機のものをまぜたいわゆる浄水施設で三次処理までしたものを川へ流して琵琶湖へ出すというようにやっていく。そうすると、いままでのこわされた三角州の分がどれくらいであるかということは見積もりができますから、それに見合うだけの浄水施設をつくっていけばこれはやっていけるだろう、そういうように考えるのでございます。  それから次に、工場排水の規制でございますけれども、これはいわゆる濃度で現在規制をされておりますが、これをやっている限りは絶対に、琵琶湖のような、ある程度水がめでございますから、それに入る水の中の汚濁物というものを押えることはできない。だから一年間に絶対量を何ぼというように規制をしなければいけない、こういうように思うのです。  それからレクリエーションの場につきまして、私はやはり琵琶湖のようなみなの飲料水を供給する場でのレクリエーションの場というものは、国民休暇村形式のものでなければいかぬ。現在のあの琵琶湖で異常な鉛があるということは、これはいわゆる原動機つきの船が使っているガソリンからのものが相当ある。それから周囲の自動車道路を走る自動車ですね、これがまた滋賀県に非常に多うございますが、そういうものが湖面に非常に降るわけでございます。そういったものから相当供給されている。それから油がまた非常に水の中にまざり込んでいて、この量が非常い多いのですね。そういう点から考えまして、レクリエーションのセンターをつくった場合でも原動機つきの船というのは現在以上にはできるだけふやさない、そしてヨット式のものでやっていくということを提案したい、こういうように思うのです。  以上でございます。
  36. 亀山孝一

  37. 木村春彦

    木村参考人 まず開発と自然保護との両立の問題でございますが、これは、開発は、いきなり自然保護に両立しないという、開発一般ではなくて、開発のしかたについて申し上げたわけでございます。つまり、いまのような、あるいはさらに琵琶湖総合開発で予定されているような開発のしかたでは非常に問題があると言いたいわけです。現に淀川水系の水の汚染は、まず最初に支流の中小河川工場排水路として使われるようになって始まってきたわけです。中小支流河川が使えないようになって、そこでこの淀川のもう少しきれいな水をという期待になって、淀川から直接取水するようになってきたわけです。その淀川がよごれますと、今度は琵琶湖のきれいな水を使おう。ところがその琵琶湖南湖もすでに余命が幾ばくもないということで、こういうふうに自然を食いつぶしながら上流上流へとさかのぼっていくというやり方、そういうような開発のしかたについて申し上げたわけです。それに対してどういう開発のしかたがあるかと申しますと、いまも言われていましたように、できるだけ自然の利点を利用する、自然を生かす。たとえば浄化にしても自然が非常に浄化能力を持っております。それからたんぼも持っております。それから森林も持っております。ですからできるだけその自然のなまの形を残すということとして考えていただきたいと思います。また現在すでにつぶれているところは徹底した緑化を行なうというようなことを、これも非常に重要に考えていただきたいということです。  それから工場排水の規制の点につきましては、いま立川参考人が言われたわけですが、そのほかに補足させていただきますと、回収利用ということを工場が考えるべきではないか。これは工場排水の中にかなり有用な成分が含まれている、しかも相当濃度に。それを回収してまた再利用するというシステムです。これは一つの工場ではむずかしいわけなのです。ある工場が捨てたものを他の工場が回収するという場合もあれば、これは一つの一貫した、人工閉鎖型とわれわれ言いますが、そういう閉鎖型的な、内部でたらい回しに廃棄物をそういう扱い方をする。これはなかなかむずかしいので、こういうことはもちろんどんどんと研究していく必要があるわけです。  もう一つは、いろいろの規制、先ほど言われましたように、濃度でなくて量で規制する必要があるということですが、またこれがPPMでいきますと非常に監視体制と申しますか、その調べる体制が必要になってくるわけです。またそれも当然やらなければならないわけですが、たとえばある測定した値が、ある役所でやった値とある大学でやった値と違うというような問題がしばしば出てきますが、これは出てきて当然でありまして、どっちかが間違っておるということはめったにないので、たとえば朝やれば、工場排水あるいは河川、一けたも二けたもきれいです。それから夕方にやれば非常にきたない。それから一雨降ればすぐ薄まるというふうに、水のほうは時々刻々に濃度が変化するわけですから、よほど継続的なモニタリングというものが重要であるわけです。  もう一つ、京都の水問題に触られたわけですが、その程度は、大体京都汚染度が四に対して、BODでいきますと琵琶湖が一の割合です。ただこれはBODだけですから、たとえばPPMというものであれば、それがおそらくは、数字はちょっと持っておりませんが、その逆、あるいは逆以上になるわけです。しかしそれにいたしましても京都汚染の負荷量というものは現在のところかなりウエートがあります。ところが京都下水道というものが、都市下水で補助率も低いということもあって、いまの地方自治体の財政内では、非常に全力を尽くしましても長いことかかるということでありますので、琵琶湖淀川水系全体の一つのシステムとして考えた場合は、京都下水の処理ということは特別に考える必要があるのではないかということです。  以上です。
  38. 亀山孝一

  39. 澤竹慶三

    澤竹参考人 私が大阪府に在職しておりました当時、どのように水質保全に力を入れ、また大阪水質保全対策がどうあったか、また水量の節約についてどのような方法をとったかというようなお尋ねでございましたが、先ほど意見関陳の際に述べましたように、淀川の支川を通じて下水、排水の入るのを押える意味からいいまして、大阪ではいわゆる流域下水道をやっております。寝屋川北部、最近では安威川流域等の流域下水道が施行されております。また、本日手持ちいたしておりませんが、工場排水に対する規制措置、これは全国基準より上回った基準規制を行なっております。そういう点を大阪府では水質保全対策として考えておる次第でございます。  なお、水道の使用量の節約の問題でございますが、大阪の府営水道は、府下の市町村に水の一括供給をいたしておる水道でございます。したがいまして、府下の市町村に対しましては、毎年六月に各市の夏の需要量の要望を出していただきますが、府営水道のほうではそれを一応自己水量その他とにらみ合わせまして、府営水道から送る量を一応市と相談の上で、査定と申すとはなはだ何ですが、話し合いの上でその水量をお互いに最小限度にとめてもらうようにいたしております。なお、何といいましても節水ということは家庭の御婦人がまず第一線に立たれるわけでございますので、毎年できる限り婦人会の浄水場見学ということを行なっております。実際に水がいかにして上水にされるかという施設を見ていただくことによって、こんな大きな規模で飲める水ができるのかという点について、参会された方は非常に、初めて見るような考え方を持たれた方が多いわけでございます。もちろんPR用の映画もつくっておりますが、そういう映画も見せながら、見学会をできるだけやって地元の関係の方々に見ていただくように努力をいたしておるわけでございます。特に具体的にこういうような制限をしてやっておるという極端なこはやっておりませんが、できる限り夜間水量をためていただいて、昼間の最大水量をまかなっていただくということに重点を置いて、そういうような施策が行なわれるように市町村を指導してまいった次第でございます。
  40. 亀山孝一

    亀山委員長 それでは次に、米花参考人
  41. 米花稔

    米花参考人 先ほど、工場分散ということをやはりやらなければならないが、そうすると滋賀県へ入ってきて、またいろいろな問題が出てくるという御指摘がございました。確かにいま工場の分散という問題が、単に分散だけでは問題が済まないのであって、分散したという、あるいは新しくふえた部分が立地する場所におけるあり方が問題になるのであって、そのことを早く体制を立てなければいけないというのが今日の地域問題の一つだと思うのです。しかも、それも単に工場という仕事をする場だけの問題ではなしに、そこには仕事に従事する人々があります。そこには生活があるわけでございますので、工場の分散と都市的なもの、都市問題というような関係の中でこの問題を考えていかなければならない。単に工場分散をして立地をきめるというだけでなしに、そこで工場がぽつぽつあることもございましょうが、やはり工場というものの計画的な集団化ということもございましょう。しかしそこには当然生活があるわけでありますから、そういう都市という側面からどのようにいい環境のものをつくっていけるかという中で考えなければなりませんし、先ほどもお話しにございましたレクリエーションの問題も、他の地域から来る人々とともに、従来のその地域の人々との関係も考えていかなければならない。そういう広域的なものと地域社会的なものとを組み合わせたようなシステムとして、その地域なり都市問題の中で工場立地も考えていかなければならないだろうと思うのです。  ただ、上流ということになりますと、かつて琵琶湖というものが、工場立地において水資源ということが一つの立地条件であったと思うのですが、いまむしろ内陸の工場というものが、非用水型というものを考えていかなければならないのじゃなかろうかと、実情はよく存じませんけれども、一般的には、私、内陸ではそういうように思うのです。それからもう一つ、それによって都市ができ上がって、人が住むということになりますと、最近何か一平方キロ当たり何人ぐらいまでならば、河川底の水は自浄作用で何とか——川の大きさにもよりますが、それに下水処理をすればどのくらいまでいけるだろうというような歯どめのような考え方というのも最近とられつつありますので、そういうことも含めてこの問題を考えていかなければならないのでなかろうかというふうに思うのです。特に阪神とか都市圏において、周辺に新しいベッドタウンとしてのニュータウンをつくったりするやり方というのはかなり習熟されてまいっておるようでありますが、そういうところを離れて、仕事場と生活の場をつくっていくという分散型の問題を考えた場合には、その亡とについての習熟はまだあまり十分にできていない。だからこれをじょうずにやっていくことがこれからのここ十年の課題でなかろうか。滋賀県の場合も一つの課題でなかろうかというふうに思うのです。  なお、レクリエーションの問題は実はそういう中で考えなければならないと思うのですが、もう一つ私ども個人的に考えておりますのは、レクリエーションという中でも、特にそれを含んだわれわれの自由時間というものと、都市問題と地域問題をどう考えるかというところにいかないと、どうも一億の人間が時間が余ったらただレリエーションというかっこうでいきますと、これは産業だけではなしに、レクリエーションにおける環境破壊の問題もあるという問題もございますので、基本的には、どうも都市問題とか地域問題と人々の自由時間との関係をもうちょっといろいろな角度から考えて、それをお互いにどのようにしたらいいかということを一つの課題にしていかなければならないというふうに思っております。
  42. 亀山孝一

    亀山委員長 それでは最後に、浦井洋君。
  43. 浦井洋

    ○浦井委員 澤竹さんにたくさんお聞きしたいのですが、いろいろ大阪に関してのお話をお伺いしたのですが、津竹さんは水道の専門家でいらっしゃる。だからこの場合には、淀川下流大阪府、市あるいは阪神水道企業団、この範囲を含めてひとつお答え願えればはなはだ幸いであると思っておるわけなんです。  まず、工業用水の問題なんですが、工業用水は先ほどのお話しのように、大阪の場合、生産額に比べて非常に使用量の伸びが鈍化してきておる。非常に企業としても努力をしておるというお話なんですが、木村先生がその前に言われたように、大阪工業用水の場合、回収率がたとえば福岡であるとかあるいは千葉ですか、こういうところに比べて非常に低い。八〇%ぐらいい、ておるところが大阪では五〇%、兵庫もそうだということなんですが、二の回収率をもっと高めるような可能性は一体あるのかないのかという問題をひとつお伺いをしたいわけです。  それから、私いろいろな本を読んで調べてみたわけですが、大阪府からも資料をいただいて、水道の使用量の原単位の問題非常に業種によって原単位がばらついておるということなんですが、しかも業種によってばらつくだけでなしに、これはある程度不可避の問題だと思うのですが、同一業種であって、しかも経営規模も小から大までさまざまなものを取り出してみても、非常に原単位がばらついておるということを学者が主張しておられるわけです。これは一体事実なのかどうかという問題やはり企業としては原単位を低くする努力を当然しなければならないと思うわけですが、これまで澤竹さんの御経験からいってそういう各企業の生産工程にまでわたって、いろいろ水の使用を規制をしたりあるいはいろいろな指導をされたりというようなことがあったのかどうかというような問題についてひとつお伺いをしたいと思います。  それから、これも木村先生のほうからお話があったと思うのですが、現在工業用水の施設が十分に使われずに、いわば遊休部分があるということをお聞きするわけなんですが、その辺の実情をお聞きをしたいわけです。  それから次に、都市用水の問題については、大阪市にひとつ限ってみましょう。大阪市に限っていえば、第一の問題は、漏水があるというお話なんですが、漏水の実情は一体どういうものなのか、数字をお持ちならばひとつ数字をお示し願いたい。大阪市としては、澤竹さんの知っておられる範囲でどのような対策を立てておられるのか、あるいは今後どうされようとしておるのか、二の辺を第一点お聞きしたい。  それから第二点は、上水道の中で、家庭用水と、それから工場事業所が使っておると思うのですが、工場事業所が使用しておる水量と家庭が使用しておる水量の比率は、大阪市の場合は一体どのくらいなのかというのを教えていただきたい。それが第二点。  それから第三点は、家庭も事業所も含めまして、上水道ということで一括して膨大な量が使われておるわけですが、ぜひ上水でなければならない部分というのは一体どれくらいなのか。たとえば水洗であるとか車を洗う洗車あるいは庭に水をまくというような部分と、それからぜひ上水でなければならぬ部分との比率というのは一体どれくらいなのか。これが第三点です。  それから第四点は、少し大きな問題ですが、最近いろいろなところで中水道——京都下水を再利用するという問題に当てはまると思うのですが、中水道構想ということが急激に叫ばれておりますけれども、この辺の必要性はあると思うのですが、実現性というようなものについてひとつ爆竹先生のうんちくを傾けていただきたいということです。  それから総括的には、このたびマイナス一・五メートル、そして取水量最大四十トンというような線がきめられたというふうに聞いておるわけなんですが、先ほどからのいろいろな皆さん方のお話を聞いておりますと、当面足らないのだから水を取るよりしかたがないのだというお話なんです。そういうことでいくならば、おそらくここ五年、十年の間にまた水を取らなければならないというような事態が起こるのではないかというふうに私は非常に憂慮するわけなんですが、その辺の予測について爆竹さんにお聞きをしたいと思うわけでございます。  それから木村外生に一つ、もうあまりお尋ねすることもないようなんでございますけれども、木村先生は京都の教育大学におられて琵琶湖の問題について非常に造詣が深いというように聞いておるわけなんですが、今度の琵琶湖の総合開発の問題について、一体琵琶湖関係の関西の科学者がどれだけ関与をしておるのか、あるいはどれだけ国なり県なりというような行政のほうから相談があったのか、この辺の実情をお聞かせを願いたいと思うわけであります。具体的には、たとえば四月の初めでしたか、滋賀大学湖沼研究所の学者の先生方が、この総合開発計画というのは非常に琵琶湖汚染するというので危険だ、全面的に再検討すべきであるというような意見書を出されたというふうに聞いておるわけなんですが、そういうものに対する行政の側の反応あるいは他の学会などのいろいろな反応、この辺をひとつお聞きをしたいと思うわけです。  それから、立川先生にも、あまりお聞きする部分はないわけなんですが、一番ポイントは水質の問題だということはよくわかるのですが、この辺はもう済みましたので、飛ばしまして、私たちは琵琶湖の水というのは北から南へ流れていくものだというふうに単純に考えておったわけなんですが、先生の御研究によりますと、南から北へも行くのだということを非常に強調されました。新しい知見を私ども得させていただいたわけでございますけれども、この辺の南から北へ水が交流するという機構を私たちにもう少し詳しく教えていただければ非常に幸いであるというふうに考えておるわけでございます。  最後に米花参考人には、できたら、澤竹さんに私お聞きをいたしました点で補充をしていただ、あるいは先ほどからいろいろ話は出ておりますが、私も聞きたいのですが、行政の側の出しているいろいろな人口予測が、端的に申し上げてこれはなかなか困難な問題でしょうけれども、正しいというのか、当たる可能性があるのかどうかというような辺について、一言お答え願えれば非常に幸いであると思います。
  44. 亀山孝一

    亀山委員長 参考人各位に申し上げます。本日午後一時から本会議がありますので、どうかその点お含みくださいまして簡単にひとつ御説明願います。まず木材参考人
  45. 木村春彦

    木村参考人 いまの琵琶湖問題に取り組んでおります研究者等の件につきましては、時間がございませんのでこまかくは申し上げませんが、たとえば滋賀大学湖沼研究所、それから京都大学の臨湖実験所、あるいは防災研究所、それからその他京都大学京都教育大学、立命館大学等、いずれもそれぞれの研究者がそれぞれの専門等にわたって、中には十数年来あるいはもっと、琵琶湖の問題を生涯の仕事として研究をしておられる先生方もたくさんおられるわけです。そういう成果は逐次それぞれの学会あるいはそれぞれの研究会等で発表もされ、それらはかなりのものが社会的にも新聞等では取り上げられておるわけです。しかしながら、そういう問題について行政の側からあまり突っ込んだ意見というものは聞かれておらないのは、これは事実だろうと思うのです。また、そういう研究者は、私は寡聞で例外はあるかもしれませんが、ほとんどの方が口をそろえて、琵琶湖の自然をいじることの危険性と、それから水質の問題について警告をいろいろな立場から発しておられるわけです。このことはやはりいいかげんなことを言っておるというようなものではなくて、非常にまじめに研究された多くのデータがございますから、こういうものをできるだけ見ていただいて、行政に反映していただきたいというのがもう切なる願いでございます。少なくともそういうものを十分検討していただいて、見通しがはっきりするまではこの琵琶湖総合開発法案も少し延ばしていただく、あるいは徹底的に再検討していただくということをぜひこの機会にお願いしたいと思います。
  46. 亀山孝一

  47. 澤竹慶三

    澤竹参考人 まず第一点の、大阪府における工業用水回収率が福岡、千葉に比較して低いじゃないかという御指摘でございますが、私の調べましたところによりますと、昭和四十四年で五〇%、四十五年で五五%という回収率大阪府の平均として出ております。しかしこれは中小企業の多い大阪でございますので、その分を含めた全体の平均でございまして、冷却温調用水だけを取り上げてみますと、その回収率は約七一%ということになっております。したがって今後まだこれを引き上げるよう努力しなければいけないとは存じますが、現在の二の比率を見ましても、そう福岡、千葉と大きな開きがあるというようには考えておりません。  次に、業種によって非常に原単位がばらついておる、大阪府に在職当時これをどのように指導したかというような点でございますが、堺・泉北臨海工業地帯に新しい工場が誘致される場合にあたりましては、工場のレイアウト並びにその使用状況を見まして、最大限の回収をするように指導した次第でございます。  なお、大阪府の工業用水の施設中に遊休状態のものがあるじゃないか。いわゆる工業用水道ができ上がってまだ使われておらない水があるじゃないかという御指摘でございますが、大阪府の場合を例にとりますと、地盤沈下対策用としての施設が百十四万トン、産業基盤整備用としての施設が六十三万トンでございます。そのうち約八割は現在稼働いたしておりまして、ここ数年のうちにはフル稼働になる、このように見ておるわけでございます。次に、上水道についてのお尋ねでございますが、大阪市の上水状態はどうだ。私直接担当しておりませんでしたので詳しいことは存じませんがが、約一九%前後じゃなかろうかと推定いたしております。なお、家庭用水工場用水の比率でございますが、大阪府下全体を見ました場合に、昭和四十四年の統計でございますが、一人一日最大給水量は五百五十五リットルでございまして、大阪市を除く府下の市町村は三百九十リットルでございます。これは、全国平均は四百二十九リットルでございますので、これより大阪府下では低い数字を示しておるわけでございます。大阪市の分は七百八十九リットル、これが大阪府下の全体として大きな比率になっておる原因でございます。この大阪市の七百八十九リットルのうち家庭用の占めておる割合は約三二%でございまして、約三百五十数リットルになろうかと存じます。大阪市の使用量に最も大きく影響いたしておりますのは、営業用と工場用でございます。営業用が三七・九%工場用が一七・九%、こういうように、大阪市の日最大のうちの半分以上が営業用、工場用でございます。  この営業用、工場用の大きい理由でございますが、先ほども申し上げましたように、夜間人口に対し昼間の流入人口が百万以上になっておる、いわゆる常住人口に対しまして三六%にも達しておるというのが一つの大きい原因であろうかと思います。また大阪という都市状態が、西日本の経済活動の中心であるということもありまして、二次産業、三次産業の活動が盛んで、これに対する比率が東京よりも大きいということにも原因しておるのではなかろうかと思います。またさらに、大阪市のほとんど大部分が地盤沈下に対して、工業用、建築物用の地下水のくみ上げ規制が行なわれております。したがって食料品製造業の原料用水とかボイラー用水等は上水を使わざるを得ない、上水に転換しておるものが相当ある、こういうことも影響しておるのではなかろうかと考えております。やはり何といいましても、一人当たりの使用水量が、夜間人口、いわゆる常住人口に対する比率でその数字が大きいからといって、必ずしも私は浪費しているとか乱費しているということにはならないと思います。やはりその都市の性格なり都市状況において、実際の使い方、いわゆる営業活動に必要な水量をどのように見るか、商業地域とかビルの面積、そういうものに比例して必要水量というものを算定しなければならないのじゃないかと思います。したがって家事用だけを見た場合におきましては、大阪も東京もそうたいした差はございません。一人当たりの使用水量は大体二百五十から二百七、八十というところになろうかと思います。  次に、上水でぜひやらなければならない部分がどのくらいになるか、お述べになりましたように、散水とか洗車用水とかいうものは上水道を使わなくても、他の代替水で間に合うじゃないかという御意見かと思います。炊事用とかふろ場用、こういうものは上水道を使うべきじゃなかろうか、このように考えておるわけです。現在こまかいデータを持ち合わせておりませんので、この部分につきましては資料ができました段階で、私なりまた関係の者より説明させていただきたいと思います。  それに関連いたしまして中水道構想の実現性があるかどうか。私は上水道のみにたよって地域開発構想が行なわれておるいまの段階では、やはり水のないところでは水のないような対策を考えるべきだ。ことに宅地開発が丘陵地帯を利用して行なわれるような場合におきましてはなおさらのこと、中水道構想というものも、今後の水資源の節約の意味から見ましても一つの考え方ではなかろうかと思っております。  なお、最後に琵琶湖が現在マイナス一メートル五十、四十立方メートルの開発が行なわれても、さらに今後五年ないし十年後にはまた同じような問題を起こすんじゃないか。これは御承知のように、やはり人口増加に対応した上水道施設なり、工業生産の伸びに伴う産業用水等は何らかの方法で見ていかなくちゃならないと思います。しかし、その地域開発構想との関連において水道を考える、また水対策を考えるのではなしに、水資源対策を先行さして、その範囲内においてそういう開発構想を打ち立てるべきだ、このように思っております。ことに阪神地区のように淀川一本しかたよれがい状態のもとにおきましてはなおさらその感を深くいたしますとともに、今後琵琶湖とともに、そういう関連水系の開発構想もあわせて早急に計画を立てていただきたい、このように思うわけでございます。  はなはだはしょりましたので行き届かなかったことと存じますが、以上で終わります。
  48. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  それでは立川参考人
  49. 立川正久

    立川参考人 先ほどの御質問でございますが、南湖の水が北湖へどのようにして回っていくかということでございます。これは四季を通じてありますのはいわゆる湖流と申しまして、還流でございます。南湖で申しますと、北の琵琶湖大橋のところから大津のまわりを回りまして、再び琵琶湖大橋のほうへ帰っていく。これが大体一日一千四百万トンでございます。それから今度は琵琶湖大橋のところをちょうど支点にいたしまして、そして、ここを琵琶湖大橋といたしますと、こういうような振動をいたします。これがやはり四季を通じまして起こりますが、一回振動いたし申すと二百万トンの水が南から北へ行きます。それから夏になりますと、いまの二つに加えまして、南湖北湖を結びます琵琶湖大橋を中心にして、やはりいまと同じものが少し水面より下がったところで起こります。これは非常に量が多うございまして、一回振動いたしますと大体南湖水量の五分の一が北湖に戻ります。だから五振動やりますと南湖の水は全部北湖に移る、こういうことで、周期は大体一日に一回起こるわけでございます。それから密度流というのが冬ありまして、これは南湖のほうは浅いものでございますから早く冷えまして、そして下まで二度、三度という温度になります。ところが北湖のほうは深いものですから冷えませんので、重い水がやはり琵琶湖大橋のところを通って滝のように北の底へ入り込む。これは一番困るわけでございますね。きたない底の水が北の底へ入り込む。そうすると北のほうはつぼでございますので、これはなかなが出てこない、こういうことでございます。それから吹き寄せ、吹き去りと申しまして、いわゆる南風が吹きますと南のものを北へ運ぶ。北風が吹きますと北のものを南に送る。これが大体南から吹いた場合に一回で大体百万トン南から北へ行く。こういうことで完全に南のものが北へ入るのだということだけ指摘しておきたいと思います。
  50. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  それでは米花参考人
  51. 米花稔

    米花参考人 先ほど人口予測が当たるかという問題のお話がございました。これは別のことになりますが、人口は予測のむずかしい中で全国では一番当たりやすいものだと思います。これを地域に分けるごとにだんだん狂ってくるという問題でございます。地域問題からいいますと、大体いままで十年ほどの傾向を見ておりますと、過密地域では少し低目に上げてある。そして過疎地域というか地方では少し期待を含めたような数字になっておる。これは実態は、低目にしてあるところがそれよりも多くなり、高目にしてあるところがなかなかそうはいかないというのが新産、工特時代からの傾向だったと思うのであります。ところが最近になりますと、よく地方の市町村は、最近の環境問題というようなことから、人口はあまりふやしたくないというふうな御意向をだんだんお持ちのようでございます。そういう意向の中で、近畿圏としての計画近畿圏整備本部が先ごろ計画を改定しておられますので、近畿全体の人口というのは一応方向づけられているようでございますけれども、大阪府地方計画であるとか兵庫県の県勢振興計画等々は現在改定しようというふうなことが伝えられておりますので、そういう中でいまのような考え方がどのように入れられるかということによってどっちへ振れるかというふうなことになるのでありますけれども、いずれにしましても、人口というものは予測の中では比較的とらまえやすい。ただその中で地域に分けるごとに、市とか町村ごとに分けるごとにむずかしくなる。しかしそのむずかしくなるときの加え方が、大体それぞれの行政なりのところでの考え方と組み合わされておりますので、見当がつきやすいのでなかろうかというふうに思っております。しかし、どちらにころびましても、その人口が過密地域における予測よりも多くふえては困る、あるいは過疎とか地方の地域で予測どおりふえるかふえぬかというような問題は、さいぜんの分散の問題と都市環境の問題というので改造をどのようにじょうずにするか、新しいところにどのようにうまくそれを、従来の人とふえる部分と組み合わしていくかという都市問題としてこれを取り組まなければいけないのではなかろうか。数字だけで相互に合わせるというだけでは、これからの問題は地域計画としてはなかなか不十分であるということになるかと思うのです。  それから先ほど灘竹さんのところにちょっとお聞きになっておりました、同じ業種でも、同じような規模のものが水を使っているがかなり違うということ、私は水の専門ではございませんのでわかりませんが、ただ私、経営の問題で、経営比較なんというようなことをよくやる場合に、同じ業種でも同じ企業でも、あるいは同じ工場のようなものでも、やり方が非常に多様であるということから、それをすぐいろいろな財務比率だとかその他のものを比較してもうまくいかない、あるいは工場におけるいろいろな比率を引いてもうまくいかないという場合がございます。したがって、私は水ではよくわからないのですけれども、同じような規模で、工場の水の使い方がよい場合と悪い場合で出てくる差もございますが、同時に、工場の内容が同じような業種でありながら、かなり違った取り方をしておるというのが、現在の企業経営における実情であるという、そのどちらが出ておるかということによって現場に当たらなければわからないのではなかろうかというふうに私は推測しております。これはあくまで資料でなしに推測でございます。  以上でございます。
  52. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、本案審査のためたいへん参考になりました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。      ————◇—————
  53. 亀山孝一

    亀山委員長 この際、連合審査会開会に関する件についておはかりいたします。  本委員会において審査中の内閣提出琵琶湖総合開発特別措置法案について、地方行政委員会、農林水産委員会及び公害対策並びに環境保全特別委員会から連合審査会開会の申し入れがありました。この際、これを受諾するのに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会は明十七日水曜日午後一時から第一委員室で開会いたします。     —————————————
  55. 亀山孝一

    亀山委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についてはおはかりいたします。  琵琶湖総合開発特別措置法案審査のため、水資源開発公団から参考人の御出席を願い、明十七日水曜日午後一時からの連合審査会において御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、明十七日水曜日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時散会