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1972-05-10 第68回国会 衆議院 建設委員会 第14号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和四十七年五月十日(水曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 亀山 孝一君    理事 天野 光晴君 理事 金子 一平君    理事 田村 良平君 理事 葉梨 信行君    理事 服部 安司君 理事 阿部 昭吾君    理事 渡辺 武三君       小沢 一郎君    大村 襄治君       梶山 静六君    草野一郎平君       藤波 孝生君    古内 広雄君       村田敬次郎君    森下 國雄君       山下 徳夫君    山本 幸雄君     早稻田柳右エ門君    井上 普方君       卜部 政巳君    後藤 俊男君       佐野 憲治君    柳田 秀一君       北側 義一君    吉田 之久君       浦井  洋君  出席国務大臣         建 設 大 臣         国 務 大 臣         (近畿圏整備長         官)      西村 英一君  出席政府委員         近畿圏整備本部         次長      朝日 邦夫君         環境庁水質保全         局長      岡安  誠君         水産庁次長   藤村 弘毅君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省都市局長 古兼 三郎君         建設省河川局長 川崎 精一君         建設省河川局次         長       川田 陽吉君  委員外出席者         参議院議員   田中  一君         自治省財政局指         導課長     植弘 親民君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ————————————— 委員の異動 五月十日  辞任         補欠選任   卜部 政巳君     後藤俊男君 同日  辞任         補欠選任   後藤 俊男君     卜部 政巳君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第七一号)(参議院送付)  都市公園整備緊急措置法案内閣提出第七二  号)(参議院送付)  琵琶湖総合開発特別措置法案内閣提出第一〇  四号)      ————◇—————
  2. 亀山孝一

    亀山委員長 これより会議を開きます。  去る四月二十四日参議院より送付され、木付託となりました内閣提出都市公園整備緊急措置法案議題といたします。
  3. 亀山孝一

    亀山委員長 以上で提案理由説明聴取は終わりました。  なお、本法律案参議院修正を経た議案でありますので、その修正趣旨について、提出者参議院議員田中一君より説明を求めます。田中一君。
  4. 田中一

    田中一参議院議員 ただいま議題となりました都市公園整備緊急措置法案に対する修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  第一点は、この法案にいう「都市公園」には、都市公園法に規定する都市公園以外の公園、緑地が含まれておりますが、同じ用語を使用しているため、両者を混同するおそれもあり、参議院建設委員会におきましては、検討の結果、法律用語の使い方として不適切であるという結論に達しましたので、この法律の題名及び本則中第二条第一項第一号を除く「都市公園」を、「都市公園等」に改めたものであります。  第二点は、附則で「昭和四十七年四月一日」から施行することになっておりますのを、「公布の日」から施行することに改めたものであります。  以上がこの法案に対する修正趣旨でありますが、何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
  5. 亀山孝一

    亀山委員長 以上で説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  6. 亀山孝一

    亀山委員長 次に、内閣提出参議院送付治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案についての質疑は、昨九日終了しております。  これより本案討論に付するのでありますが、討論申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  内閣提出治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  7. 亀山孝一

    亀山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
  8. 亀山孝一

    亀山委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、天野光晴君、阿部昭吾君、北側義一君及び渡辺武三君から、附帯決議を付すべしとの動議提出されております。  まず、提出者天野光晴君から趣旨説明を求めます。天野光晴君。
  9. 天野光晴

    天野(光)委員 ただいま議題となりました治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、その趣旨説明申し上げます。  案文はお手元に配付してあります。  御承知のとおり、本法案は、最近における異常な災害の頻発及び水需要の増大に対処するため、現行の治山治水事業五カ年計画の改定について所要の規定を整備しようとするものでありますが、本法の施行にあたっては、特に、新治山治水事業五カ年計画経済社会発展計画との調整、伐採方法改善等予防治山充実河川総合開発事業の推進、海岸事業を緊急かつ計画的に促進するための法制整備国有林野事業特別会計への一般会計導入等について、政府は適切な措置を講ずる必要があると思うのであります。  以上で趣旨説明を終わります。委員各位の御賛同をお願いいたします。     —————————————    治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 社会経済発展に即応し、災害の発生に対処して国土保全開発を図るため、今次の治山事業五箇年計画及び治水事業五箇年計画については、近く改訂される新経済社会発展計画と総合的に調整して、さらに充実したものとするとともに、事業実施に当たつては、これを緊急かつ先行的に行ない、計画完全達成を期すること。 二 森林のもつ公益的機能確保に対する国民的要請が高まりつつある現状にかんがみ、国土保全水資源確保のため、林地保全を無視した林道開設施工自然破壊山地災害を誘発する過度の伐採、大面積皆伐等の施業方法を抜本的に改善し、予防治山充実に努めること。 三 水需給ひつ迫に対処し、水資源開発を図るため、河川総合開発事業を積極的に推進すること。 四 海岸災害の激化と海浜の減少に対処し、国土保全と民生の安定向上を図ることの緊要性にかんがみ、海岸事業の緊急かつ計画的な実施を促進するための法制整備を検討すること。 五 国有林内治山事業に要する費用は、管理費を含め一般会計から国有林野事業特別会計への繰入れ等必要な財政措置を講ずること。  右決議する。      —————————————
  10. 亀山孝一

    亀山委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  本動議に対し、別に発言申し出もありませんので、これより採決いたします。  本動議賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  11. 亀山孝一

    亀山委員長 起立多数。よって、天野光晴君外三名提出のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、西村建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。西村建設大臣
  12. 西村英一

    西村国務大臣 本法案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見については、今後その趣旨を生かすようつとめるとともに、決議されました附帯決議につきましても、その趣旨を十分尊重し、今後の運用に万全を期し、各位の御期待に沿うようにする所存であります。  ここに、本法案審議を終わるに際し、委員長はじめ委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、あいさつといたします。(拍手)     —————————————
  13. 亀山孝一

    亀山委員長 なお、おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  15. 亀山孝一

    亀山委員長 次に、内閣提出琵琶湖総合開発特別措置法案議題といたします。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。草野一郎平君。
  16. 草野一郎平

    草野委員 若干の質問を申し上げたいと存じます。  この琵琶湖総合開発が初めて話題にのぼりましてから十年の歳月を経過いたしましたが、この十年間の建設省の非常な御苦心に対して、まずもってお礼を申し上げますとともに、特に委員会各位に、一昨日、上流下流にわたってつぶさに御見学いただきましたことを、この機会にあわせて深くお礼申し上げたいと存じます。  私は、きわめて率直に申し上げたいと存じますが、この法案がいよいよ最終的決定を見るにあたりまして、建設大臣上流下流滋賀大阪兵庫の三府県の知事を招集してお話し合いをなさったそうでありますが、その三府県知事話し合いの結果は一体どんなものでありましたか。概略的なことをひとつ伺っておきたいと思います。
  17. 西村英一

    西村国務大臣 御案内のように、琵琶湖総合開発というものは非常に長い間の懸案でございましたが、この水源地である滋賀県におきましても、また下流のほうの水利用の県におきましても、なかなか意見が一致しないということで今日まで過ごしたのでございます。この時点におきまして、もし琵琶湖及びその周辺をこのままにしておけば、水源地琵琶湖それ自身、その周辺が非常に悪化するであろうから、水源地琵琶湖知事さんにおきましても、もういい段階ではなかろうか。また下流の水を利用する県の方々におきましても、この事業を達成するということになればとても滋賀県一県ではどうすることもできません。水利用をされる両県の知事方々が一緒になって、共同でこの滋賀県を助けるということでなければとうていできません。また、もしそうであるならば国といたしましても応分の援助をしなければならぬ、こういうふうなことをお話し申し上げました。そこで具体的な問題になるわけでございますが、やはり滋賀県の財政といたしましても、一県でこれを開発することはできぬ、したがいまして利用県に援助をしてもらいたいという話はもう前からあったわけでございます。それらの点につきましてなかなか一致点が得られなかったのでございますが、大局的立場に立ちましてひとつこれをきめようじゃないかというお話をざっくばらんにいたしました。二回ほど会談をいたしたのでございますが、三県の知事とも非常に快く、大局に立って合意に達したような次第でございます。しかしながら計画それ自身といたしましては、ピンからキリまでうまくできておるわけではございません。長い間、今後十カ年にわたってやることでございますから、滋賀県の県民方々にはもちろんいろいろな御要望があり、また下流県におきましてもいろいろ御要望があるけれども、とりあえず大局に立ってひとつ話し合いをしようじゃないかということで、大局的な立場皆さん方が立ってくださったために、今日ようやく概略的な合意に達したわけでございます。しかし、この琵琶湖開発を今後進める上におきましては、なお詳細な面で今後とも両県民あるいは三県民がいろいろ話し合いをしなければならぬことが多々残っておりますので、この点につきましては委員各位におきましてもひとつざっくばらんに御協議を願って、この事業が満足に達成されるように私も心からお願いを申し上げる次第でございます。  大体以上でございますが、なおお話がございますれば、その点について触れたいと思います。
  18. 草野一郎平

    草野委員 概略の点をお伺いしたのでありますが、その過程において、最終結論の中で、たとえば水量の問題とか水位の問題とかいうものはなかったのでございますか。それと同時に、京都府を除いたのはどういうわけでございましょう。
  19. 西村英一

    西村国務大臣 この法律で考えておることは、第一番の目的は琵琶湖及びその周辺の環境をよくするということでございます。第二番は、琵琶湖はわが国の一大湖でございますから、これにたくわえられたところの水資源を有効適切に使わせていただきたいということでございます。第三番は、そのためにはいろいろな公共事業をやらなければならぬということでございます。そのうちで最も問題になるのは、水の利用について従来たいへんいきさつがございました。そこでまず、水源県である滋賀県としては、琵琶湖水位をゼロメートルから一体幾らぐらいまで下げられるか。これはもう従来いろいろいわれておったように、セロラインから一メートル五十までは下げても、従来の例からいえばたいした被害はなかろう。しかし、それ以上に下げるということにつきましてはいろいろ問題があるというので、一・五メートルのこの利用水位というものはおのずからいままでの話し合いで大体常識的にきまっておったようでありまして、一メートル五十以下に下げるということに滋賀県としてもたいへんな問題があったのでございます。したがいましてそれらの点につきまして、利用水位を一メートル五十とする、それ以下は、異常な渇水のときであろうからさらに下げていただきたいということ、これは、そういう場合については水を利用する県におきましても、そういう渇水時にはやはり水の節約もしてもらわなければならぬ、こういうようなことをお話ししまして、大体一メートル五十、それまで低水位、それできめたようなわけでございます。一方また、水を利用する両県といたしましても、いまおそらく常時大阪及び兵庫淀川水系にたよっておるいろいろな水の量は百二十トンくらいではないかと思います。しかし今後考えますると、さらに淀川にたよる水の量が、六十トンくらいはどうしても不足だ、こういうことになっておるようでございますので、水を利用する両県としては六十トンくらいの水が必要だ。しかしその中で、淀川のみならずほかのところから水をだんだん持ってくるとして、少なくとも四十トン毎秒の水くらいは淀川に依存しなければならぬだろうという気持ちを持っておったようであります。これは下流の水を使うような県の問題でございます。しかし上流滋賀県のほうはそんなに水は毎秒出せない。これはいまの既得権水利以上にそれだけプラスでございますから、やはりもう少し水の量を少なくしてもらいたいというような意見が従来あったのでございまするが、大体その点につきましても、一メートル五十まで下げることによって四十トンの水は出る、こういうことになりましてきまったようなわけでございます。したがいまして、もう一回申し上げますると、一メートル五十の利用水位によって下のほうの両県については毎秒四十トンの水利用ができるということでございます。異常渇水時においては、これはまた別にそのときの状況を見て建設大臣がきめなければならぬのではないか、かようになっておるわけでございます。  京都府をなぜ入れなかったか、これは別に他意あるわけではございません。ほんとうに他意ないのです。ただ、従来の経験上、京都府としてはこの淀川それ自身の問題につきまして非常な大きな関心があったわけでもありません。(発言する者あり)とんでもない話じゃないのです。もちろんいま疎水によりまして相当の水を送っております。その水がきれいになることにつきましては、これはもちろん京都もたいへん喜んでおるわけでございまするけれども、特にこの琵琶湖の一番問題でありまする水位をどれだけ下げるか、あるいはどれだけの水がほしいとかということについて、特にいままで発言があったわけではありません。したがいまして他意なかったわけでございまするが、ただ一番むずかしい問題でありました利用水位渇水時の処置、それから水利用の大きい問題、そういうことをつかまえてやったわけでございまして、京都府知事について特に他意があって話がなかったわけではございません。もしかりに今後いろいろな関係ができるとするならば、私は今後とも話し合いに応ずる十分な気持ちは持っている次第でございます。
  20. 草野一郎平

    草野委員 ただいまの京都府知事の問題は、これは現在疎水がいっておることでありますし、しかもこれというのは明治天皇さんのお声がかりでできたくらいで、綸言汗のごとしで、たいへんなおそろしさをもってやったくらいです。ところが京都から水代というものをもらっておるわけではない。感謝金というのが出ておるわけであります。それも、こういう物価の変動しているときに四十万や五十万の金をもらってみたところでどうなるものでもないし、また滋賀県側としては、水を流す責任はありますけれども、どんな水を流したらいいという責任はありませんから、あそこへどろどろの水を流したところで、PCBが入っておったところで知ったことじゃないということになってきますから、そうなったときはたいへんでありますから、やはりこれは適当な時期に建設大臣あたりなりが御仲介になっていただいて話し合いをつけてもらう必要があるのではないか、そう思っております。これはちょっとつけ加えて申し上げておきますけれども……。  ところで、ただいま琵琶湖のことについていろいろ非常に詳しいお話がありましたが、琵琶湖という湖はあれは陥没湖でありまして、ちょうどこの間御視察をいただいたのでありますが、滋賀県を上流として見てもらうとたいへんな間違いが起こるのであります。なぜかと申しますと、私は詳しいことはわかりませんが、この間もある学者に、琵琶湖はいつごろできたのだと聞いたら、大体二百三十万年から二百五十万年くらい昔にできたというような気の遠くなるような話をしますし、それで百万年前は伊賀の盆地まで琵琶湖だったのが、鈴鹿山脈が突起したときに縮小されて湖盆形、いわゆる水の盆地形式をとってきたので非常に深い湖になってしまった。そうして、ちょうど琵琶湖はそういう形式の湖でありますから、滋賀県が琵琶湖というものに対してどういう考え方を持っておるかといいますと、琵琶湖の水というのは滋賀県の使い古しの水でもなければ使い残りの水でもないのであります。まだ手をつけておらないところの処女水が流れております。そういうあらたかな水でありますから、琵琶湖の水は滋賀県が使った水ではないのです。どういうことになるかと申しますと、滋賀県じゅうに一年に降る雨は大体七十三億トンといわれておりますが、そのうちの三分の一が琵琶湖へ入ってきておりまして、そうして三分の一は地面の中に——陸地琵琶湖の大体六倍ありますから、その六倍の陸地の中へしみ込んでしまうのであります。そうして、しみ込んだ水というものは地下水を通って琵琶湖へ流れ込むのであります。これは建設省でお調べになっておりますが、建設省琵琶湖工事事務所というのがありまして、あそこでいまから三年ほど前、近江八幡のところで琵琶湖から東海道線まで八キロの間を約百メートルにわたってボーリングをやりました。百メートルのところを掘り込みますと洪積層まで到達するそうでありますが、それを見てみますと、地下水の形態がちょうど牛肉の断面を切ったように筋がすっと流れておりまして、滋賀県の全部の水は琵琶湖にたまってしまうのです。琵琶湖は水がたまっておるが、滋賀県それ自体は水不足を感じておる。滋賀県には御承知のとおり天井川というふしぎな川があるのです。天井川というのは、一克水が出たときに、すなわち洪水のときに全部砂を流し込んでしまう。そうしてだんだん河床が高くなってしまって、東海道の鉄道よりも上のほうに川があって、その川の下を汽車が通っておるのであります。そういう川というのは、たとえば草津川であるとか——川の数が滋賀県には大体七百河川ほどありますが、琵琶湖に流れ込んでおるのは百十何河川であります。それが全部天井川になってしまっている。そして全部地面の下にしみ込んでしまって地下水を流れておりますから、したがって琵琶湖周辺では逆水をやるのであります。水道をやるといたしますと全部琵琶湖の水を取ってくるのでありまして、上から取ってくる方法がないのであります。たとえば農業用水にしましても、安土とか長浜というものは逆水工事をしまして、琵琶湖のまん中に鉄管を持っていって、そこヘポンプをしかけて、そうしてあげてきてそれを逆水にしている、こういう状態でありますから、琵琶湖滋賀県の上流になっておって、滋賀自体下流なんです。そういうことを考えていただかぬというと、この琵琶湖総合開発の解決はしていけません。ただ、滋賀県は、上流だから上流としての対策をとらなければならぬ、山の対策もとらなければなりませんし、あるいは農業用水対策もとらなければなりませんが、むしろ逆に琵琶湖の水に依存しておるところの県民が多いということをひとつ考えていただかなければならぬということであります。  そこで、ただいまのお話を聞きますと、水位は一メートル五十まで下げよう、毎秒四十トンずつにしようということでありますが、もし一メートル五十まで下げるということになりますと、いまの平水位から、いわゆるゼロメートルから一メートル五十でありますが、三十センチまでは無害水位であります。   〔委員長退席天野(光)委員長代理着席琵琶湖は、上がっても下がっても何のこともありません。したがって三十センチまでは常識的な水位として、常水位として見ておりますが、それが一メートルまで下がったということになりますとその周辺が変わってきます。私は実は心配しておるのですが、琵琶湖総合開発法案のかかるのはきょうが初めてでございますけれども、滋賀県ではもう十年も前から琵琶湖総合開発をいっておるわけです。琵琶湖総合開発の内容は知りませんが、タイトルだけ知っておる。文句だけ知っておる。そして今度は何千億かの金をかけてたいへんなことになるらしい。そうすると、手放しでユートピアができるようなことをいっておりますけれども、もしこれを一メートル五十まで下げると——昭和十四年に大干ばつがあって、一メートル三センチまで下がっております。そのときの干ばつはたいへんなものでありますが、しかし琵琶湖総合開発はまだやっておりませんから、天然現象だと思ってあきらめております。ことしは大ひでりでひどい目にあったという程度でしか考えておりません。また琵琶湖の水が増水して、水が湛水してきたが、これも天然現象だ、えらいことになったとあきらめムードであります。これが、琵琶湖総合開発に下をつけるということになりますと人工的なものでありますから、そうすると減ってもふえても文句が必ず出てくると思うのです。そうしたときに一メートル五十ということまでになりますと、一メートル五十をこえたときからごうごうとして問題が起こってくると私は思うのですが、そのときの対策をよほど考えておいていただかぬと、これは県とかあるいは国に大挙してやってくるという状態になります。大体滋賀県で見てみますのに、滋賀県全部のうち琵琶湖水位が低くて影響するところが、水田などでも六万八千ヘクタールある中でその半分はある。ちょうど汽車で通りますと、東海道沿線でなしに、名神高速道路が通っておりますが、名神高速道路あたりまでが、琵琶湖水位地下水に影響するそうであります。そこまで影響してくるのでありますから、問題は、水のあるときに四十トン流すことは何でもないのであります。そんなことは流すよりしようがないのであります。また流れて出るのが当然でありますからよろしいのでありますが、異常干ばつのときに水をどんどん持っていくということになりますと、どうして持っていくか、そのときの被害に対してごうごうたる問題が起こってきたときにどうするかということは、私はたいへんだと思うのです。  きょうは水産庁の方だれか来ていますか。——実は自民党で琵琶湖総合開発の部会を開いたときなんかでも、他府県から一斉に文句の出てきたことは、琵琶湖から稚アユを配給しています。昨年でも大体三百トンくらい配給しております。これは全国の河川放流の七割までを琵琶湖に依存しております。琵琶湖の稚アユはいつまでたっても大きくならぬのでありますが、秋になって産卵期になりますと、遡行しておったやつが下流へ下がってきまして、そして河口の砂地のところで産卵するのであります。それがこの前一メートル三センチの減水のときも、百メートルぐらいまで水が沖へ引いてしまった。そうすると砂地がなくなってしまう。瓦れき地帯になってしまう。アユの産卵ができなくなってしまうのでありますが、そういう対策は養殖の方法をとるとか、どうしてやりますか。何か考え方がありましょうか。これは滋賀県の問題だけでなしに全国的な問題になってくるのでありますが、私は水産庁から聞いてみたいと思います。
  21. 藤村弘毅

    ○藤村政府委員 現在考えておりますことは、万一水が一メートル以上減ったような場合に、天然のアユの産卵場がなくなりまして稚アユが非常に減るということの対策でございますが、人工的な産卵床をつくることが一つ。もう一つは人工河川をつくりまして、水が減りましても、人工河川に水を引き入れておきまして、そこで天然産卵させるというような、二つの方法を考えて対策をとりたいというふうに考えております。
  22. 草野一郎平

    草野委員 アユの対策などはそうでありますが、被害がたいへん出てきますと、たとえば、これはあまりだれも気がつかぬのでありますが、琵琶湖の湖岸にはヨシというものがはえております。あのヨシというものは水位が高くても低くても育たない。ちょうど平水位のときに育ってくる。全部見てみたって知れたものです、何十万円か、何百万円ぐらいの損害にしかならぬのでありますけれども、そういうものが全滅していくのですね。したがって、この水産対策とそれから治水対策という二つの問題がありますから、重要な双壁として考えていただきたい。ただいま申しましたように、一メートル三センチになったとき百メートル沖合いまで引いていったそうです。それは湖岸を歩いて通ったという経験者ばかりで話しているのですから。それが人工的に干上がっていったということになるとたいへんなことになる。そのときの対策というものを建設省としてはとっていただけるか。もし文句が出てきて、想像もせぬような問題がぼちぼち出てくるときにどうするのだということをいまからきめておいていただかぬと、安心してかかれぬということになる。ただ湖岸に道路をつくるとか下水道をつくるということはそれで解決しますけれども、上水道だけつくってしまえば井、戸水がかれても何でもないと思っていても、井戸水がかれたときに、上水道のことを言わぬで井戸水のことばかり言うことになる。人情というものはそういうものであります。そういう点、異常渇水のときに人工的に毎秒四十トンずつ持っていって一メートル五十までくる、そこでとめるはずでありますけれども、一メートル五十まできたときにはたいへんなことになる。何十年に一ぺんしかない干ばつでありましょうが、来年あるかもしれない。何十年に一ぺんだからといって、ことしから勘定して何十年目にくるというわけではないのでありますから、そういうときの政府とか県とかいうものの心がまえができていないと安心してかかれぬということですが、これは近畿圏ですか、どうでしょう。
  23. 西村英一

    西村国務大臣 これも根本問題でございまして、草野さんは当地の御出身でありますから、事情はよく知っております。簡単に琵琶湖総合開発といって名を打っても、この内容は非常に複雑でございます。しかしまた一方、現在のままにしておいてはたして琵琶湖がいいだろうか。その周辺がいいだろうか。御案内のとおり、あそこは非常に景勝の地でございますので、観光地としてレジャーがたいへん盛んでございます。そのためにも相当環境を荒らしておるわけでございます。それから、このままにほうっておいたならば一体琵琶湖及びその周辺がどういうふうになるであろうかということと、開発をしていろいろな困難に遭遇する。いま言われましたようなアシの問題、これは自然にまかせればそれはそれでもって一番いいかもしれませんが、そういうことを自然にほうったらかしたほうがいいか、やはりこの際開発をしたほうがいいかという、そのバランスの問題でございまして、開発するからには、やはりあんまり大胆なやり方で何でもかでもやるというようなことではなしに、相当な学識経験者等の意見を聞いて進めなければならぬ。また土地の方々意見を聞いて進めなければならぬ。そういうふうに考えておるわけでございますから、あなたはほんとうによく琵琶湖を御存じの方でございますので、今後ともひとつ御協力を賜わりたい。また国でできること、地方公共団体でできることは、住民のために十分尽くしたい、かように考えておりますが、なお詳しい点は政府委員から御説明申し上げます。
  24. 草野一郎平

    草野委員 琵琶湖総合開発と申しましても非常に多面的な事業がございまして、ところがこれをやるにつきましては県の負担なり町村の負担があるわけであります。ところが琵琶湖総合開発というのはあまり宣伝し過ぎてしまって、地方によってはただでやってもらえると思っておるところがあるのです。そうはいかぬ、町村は町村として負担しなければなりませんから。そこで町村の負担にたえられる程度ということと、それからこれに対して起債をやはり十分確保していただくように政府で御努力いただかないと、町村というものはこれについていけません。それともう一つ、私は長い時間をとることを失礼したいと思いますが、滋賀県に約五十ほどの町村がありますが、琵琶湖総合開発と何の関係もない町村があるのですね。そういう村に対しては何らかの均てんするような方法を考えてみたらどうか。同時に、たとえば下水道をやるといたしましても、下水道も一定地域しかやれません。そうすると、それもなるべく拡大したほうが滋賀県のためであり、同時にこれは下流のためでもあります。下水道というものはむしろ私は上流というよりも下流のためだと思っておるくらいでございますから、そうしたものに対する一つの地元負担に対する起債の面に非常な御努力をいただきたいことと、一斉にこれだけの仕事にかかりますから、日本の技術者というものがあそこへ全部寄るわけにいきませんけれども、技術者が不足してくるのじゃないか。そういう場合のひとつ御配慮をいただきたいということを、これは町村側の要望でありますが、ひとつ特にお願いしておきたいと思います。
  25. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 ただいまの財政負担のお尋ねに対しまして、概略を御説明申し上げたいと思います。  先生もよく御存じのとおり、この琵琶湖総合開発事業は単に琵琶湖水資源開発事業だけでございませんで、それと関連をいたしまして、琵琶湖と関係のございます各種の事業を同時に行なうというものでございますが、ただいままで政府部内で滋賀県の御要望等も参酌をいたしまして検討いたしておりますところでは、この事業の総額は、水資源開発公団の事業約七百二十億を予定いたしておりますが、これを含めまして約四千三百億円に達するものと考えております。これの負担の区分でございますけれども、非常に大まかな数字で申し上げますると、国が約千七百億、それから県並びに市町村が約千五百億の負担に相なります。なおそのほかに、ただいま申し上げました水資源開発公団であるとかあるいは日本道路公団等が負担をいたします事業もございますから、それが約千百億、こういった負担の区分の内訳に相なろうかと思っております。これらにつきましては、ただいま先生のお話しのような趣旨を十分くみまして、御承知のとおり特定の事業につきましては国が補助率のかさ上げと申しますか、通常の負担の補助の割合を、特に下水道事業につきましては現在ございます制度の中で一番高率の補助率で事業実施しようというようなことを考えておりまして、それらの補助率のかさ上げ分が、ただいま申し上げた事業費を基礎に考えますると約百五十億程度に相なります。それから、これはこの法案の中でやはり下流の利水地方公共団体から負担をいただくという道を開いておるわけでございますが、これにつきましても、ただいま国がかさ上げによって持ちますといいますか、通常の負担以上に国が持ちますものと同等程度は下流も負担をいただく。さらにそのほか下流から滋賀県に対しまして特定の事業につきまして融資の道を開く、こういった助成を考えておるわけでございまして、それらによりましてただいま申し上げた地方負担がかなり軽減されるわけでございます。しかしそれとてもなお、お話しのように相当の事業を十カ年で集中してやろうというわけでございますから、この地方財政措置につきましては主として自治省にお願いをいたすわけでございますが、自治省とも十分連絡をいたしておりますし、今後また計画の決定、さらに事業実施の段階に入ってまいりますれば、お話しのように起債の特別な手当て等も必要になってくることもあろうかと思います。そういった点は個々具体に各年度の事業の執行に際しまして私どもも十分留意してまいりますし、自治省にもよくお願いをして万遺漏のないように取り計らってまいりたい、かように考えております。
  26. 草野一郎平

    草野委員 もう実は終わりたいと思います。思いますが、先ほども申し上げましたように、特にこの水位の調節によりまして被害が出てきたとき、この被害に対しては万全の措置をとっていただきたいということを特に申し上げておきたいことと、それから、ちょっと途中で触れましたが、たとえば下水道のごときも、琵琶湖周辺に七つの市がありまして、その市の一定の都市計画区域だけに限っておるわけでありますが、都市計画の境のところにも大きな町村があったりしますので、そういう町村を抜くということは意味をなしません。たとえば郡全体としてないような郡も出てきますから、そういうところのないように、下水道なんかももう少し普及をしてもらうことをこれからあらためて要求したいと思います。  そういうことを特にお願い申し上げて、私は特に被害の起こった場合に対する責任というものをひとつ確実にしていただきたい。そういうことは、人工的な被害になってきますと今後住民はあきらめません。これはいままでは天然自然の災害だと思って、大雨が降って水がふえてきて軒までついてきても、それまであきらめて畳を上げておるような状態干ばつがきて井戸水がかれても、これは天然自然のことだからと言ってあきらめてきましたが、今度は水を操作しておるのだということになるとそういうことになってきませんから、ひとつその増水のとき、減水のときの——実は滋賀県というところは減水のときにはいままで被害があまり出てこないのであります。増水のときにたいへんな困り方をしておるのであります。明治二十九年に、とにかく寺の山門まで水がついてきたということもあります。そういうことを話の種にするほど増水の被害が出てきております。増水、減水で三十センチ以上になって被害が出てきた場合には、これはあらためて配慮していただきたいということをひとつお願い申し上げておきたいと思います。  大体以上で終わります。
  27. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 ただいまの増水による被害ということでございますが、このたびの琵琶湖水資源開発事業、これは減水、水位低下を伴う事業であろうかと思いますが、この事業は同時に治水上の効果をもあわせて行なう事業でございます。そういった点で増水の対策は当然いたすわけでございます。  なお、水位低下に伴いましての影響でございますけれども、この際私どもが考えておりますことを簡単に申し上げておきたいと思いますが、御承知のとおり、水位が下がりますとやはり種々の影響が出てまいります。考えられますものは、ただいまの水位を基礎にして考えておりますような施設、これは各種の、取水施設でございますとか、港湾、漁港等の施設でございますとか、あるいは水産の施設あるいは漁業そのもの、こういったものの施設でございますが、そのほかに直接補償の対象にはなりませんものでもいろいろ影響があるものがございます。観光、レクリエーションの対象となりますようなもの、あるいは地下水によっておりますような井戸等の施設、その他いろいろ影響を受けるものがございますが、これらについては、現在認められております補償基準に準拠いたしまして必要な補償対策を講ずることはもちろんでございますが、さらにただいま申し上げましたような直接補償の対象にならないものでも、水質保全のための下水道事業でございますとか、景観の維持のための各種の公園事業だとか、漁業あるいは水産業に対します資源の維持なり振興の事業、そういったものもあわせて実施することを考えておるわけでございます。先生のお尋ねあるいは御意見趣旨、これは決してそう簡単なことではもちろんないと私ども承知いたしておりますが、十分留意をして対処させていただきたいと思います。
  28. 藤村弘毅

    ○藤村政府委員 水産業につきましては、先ほどもアユについてちょっとお答え申し上げましたけれども、資源を現在の線に回復する問題と、それからさらにこれを水産振興ということを考えまして、現在行なっております構造改善事業というものを沿岸構造改善事業の中に取り込んで、沿岸振興と同じように考えてさらに振興をはかってまいりたいと考えております。
  29. 植弘親民

    植弘説明員 先ほどの町村の負担等につきましては近畿圏の次長から御説明いたしたところでございますが、具体の事業執行につきましては、町村ごとに事業等の決定が行なわれます際に具体の町村の財政事情等をよく考えまして、地方債等の措置につきましては努力をいたしたい、このように考えております。
  30. 草野一郎平

    草野委員 ありがとうございました。
  31. 天野光晴

    天野(光)委員長代理 後藤俊男君。
  32. 後藤俊男

    後藤委員 まず最初、大臣にお尋ねするのですが、先ほど草野議員のほうから、京都府は一体なぜこの琵琶湖総合開発に関連した扱いをしておらぬのか、この点なんです。これについて大臣のほうから明確な御返答がいまなかったように私は思うわけですけれども、資料によりましても、兵庫県よりかは京都の利水のほうが量からいいますと非常に多いわけであります。さらに、最近京都あたりあるいはその周辺の市町村で問題になっておりますのは、くさい水の問題です。琵琶湖の水が非常に汚染しておる。これを何とかひとつきれいにしてもらえぬか。さらにPCB汚染の問題、これらの要望が強く京都府関係からも出ておるわけなんです。そうなりますと、兵庫県よりかは利水の量も非常に多いし、しかも、先ほど大臣は、京都のほうからは何も要求がないというような話をちらっとされたように思いますが、そうではなしに、最近の情勢というのは非常に変わってきておると思うのです。そうだとするなら、当然京都府もこの琵琶湖総合開発の問題につきましては参加して十分意見を聞く、協力できるところは協力していただく、これが普通の行き方だと私は思うわけなんですが、一体なぜ京都府を除外されたのか、この点をひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
  33. 川崎精一

    ○川崎政府委員 大臣からお答えする前に、ちょっと水資源の面からだけ補足をさせていただきますが、京都府の昭和五十五年を見通しました都市用水の需要は、大体毎秒にいたしまして約三・九トン程度になっております。これは現在経済企画庁で淀川水系水資源開発基本計画の需給状況を調製いたしておりますが、その中で経済企画庁が調べた数字でございます。これに対しまし  て、現在京都府の桂川流域に日吉ダムというのを  つくっておりますが、これがほぼそういった需要に身がわる程度のダムでございまして、この計画を進めますれば当面京都については心配がないんじゃなかろうか。なお、御承知のように明治以来京都疎水がございまして、こういった大きな安全弁もあるわけでございますので、特に水資源の面からは、今回の計画からは京都府をはずしたというのが実情でございます。
  34. 後藤俊男

    後藤委員 はずされたというのが実情でございますから、はずしてはいかぬということを私は言っておるわけなんです。大臣いかがですか。
  35. 西村英一

    西村国務大臣 はずしたということばはあまりよくないですね。とにかく琵琶湖の水質をよくすることにおいては京都府が反対するわけじゃありません。多々ますますよくしてほしいということです。そしていま疎水で送っている水は、これは一定の既定の水利権でコンスタントでございますから、それについてさらに増してくれということも、刑に従来から問題になったわけでもないのです。したがって、多々ますますよくすることを京都府も好んでおるわけでありますから、いま言いましたように、京都府の水の利用につきましては別途の方法でもってダムをつくってやるということなんです。京都市内の問題は多々あります。下水道を完備するとか、いろいろある。京都市内の問題はありますけれども、しいてこの問題につきまして京都で負担してもらって、そうして琵琶湖開発をやろうじゃないかとかいうような面接的な関係がなかったということなので、直接的な関係があればそれははずすどころじゃございません、大いに参加してもらって、負担もしてもらいたかったわけです。全然それはないのですよ。やはりこれは淀川の水系にみな依存しておる県でありますから、この今回の問題においては参加を願わなかったけれども、今後淀川水系全体について基本計画等の問題をやらなければなりません。淀川の基本計画はまだきまっていないのです。その水系についてのいろいろな問題のときにはもちろん京都府も参画してもらわなければならぬ。琵琶湖総合開発は多々ますますよくしてもらいたいというのが京都府の希望であろうと思いますから、はずしたのじゃないわけですから、その点は誤解のないようにしていただきたいのでございます。
  36. 後藤俊男

    後藤委員 はずしたのじゃないと言われますけれども、入っておらぬわけですね。先ほど説明されましたけれども、大阪府としては百三十トンですか、これは四十六年の調査ですが、兵庫県が五トン余りですね。それから京都府が十七トン余りです。これは琵琶潮の水の利用水量ですね。そういう点から考えるとするならば、当然京都府もはずさずに——はずすというとまた大臣何か言われましょうけれども、一緒に入れて、総合開発に協力してもらうような体制で話を進めるのが至当ではないかというふうに思うわけです。それともう一つ、最近特に気がつきますのは、琵琶湖総合開発の問題にありましては、その中の一項として水質問題が重要な問題だと私は思うのです。ところが最近京都府なり兵庫大阪におきましても、先ほど言いました琵琶湖の水汚染というのが非常に問題になっているわけなんです。特に京都あたりでもくさい水の問題が毎年一カ月間続く。やはりこの問題が問題になっているわけですね。これは結局琵琶湖の水質汚染の問題だと私は思うわけなんです。こういうような重要な問題がありとするのならば、当然京都府も参加してもらって、それに対する対策等については十分相談してやっていく、こうなければいけないと私は思うわけなんです。いかがでしょう。
  37. 川崎精一

    ○川崎政府委員 先ほどは表現がまずうございまして失礼いたしました。水資源の面から申し上げますと、いわゆる淀川水系京都府も依存をいたしておるわけでございますが、これにつきまして昭和五十五年末を想定いたしますと、京都の水道用水が毎秒で二・八トン、それから工業用水が毎秒で一・一トン、合計しますと先ほど申し上げました三・九トン程度になるわけでございまして、今回の直接の琵琶湖開発されます水量には京都は依存はいたしておりませんけれども、淀川水系全体の開発水量の中には当然やはり京都の今後の水需要も考慮に入れてやっておるわけでございます。水質その他いろいろな関連は当然あるわけでございますが、水量といたしますれば、特に琵琶湖京都は、疎水を除きますと、新しい水利権とすれば依存する必要が当面ないんじゃないか、こういうようなことから、今回の琵琶湖総合開発には特にまたいろいろ負担等も伴うことでございますので、そういった点で京都は入ってないということでございます。しかし水質等につきましては、これは単に大阪兵庫だけではなくて京都も大いに助かるわけでございますから、そういった面では琵琶湖の水質の問題というのはまさに大阪京都兵庫下流全府県の問題かと思います。そういった面につきましては今後とも十分、水質の点では利用するものも、それからこれを処理するものも、一緒になって計画を立てていく必要があろうかと思います。
  38. 後藤俊男

    後藤委員 そうしますと、いま説明されました十分相談をしてやっていく必要があろうということは、京都府も一緒にしてこれから琵琶湖総合開発の問題については相談をしてやっていくんだ、こういうふうに解釈していいわけですか。
  39. 西村英一

    西村国務大臣 これからの淀川全体の水系についていろいろ問題があろうと思います。またしいてこちらが参加を拒んだわけじゃございませんから、必要があれば京都府にもひとつ参加をお願いするということが当然あってよかろうと思っております。ただ、この水質問題が一番大きい問題でございまするが、この水質問題は、琵琶湖及びその周辺をとにかく滋賀県としてよくしてもらわなければいかないのであります。そのためにはい生も流域下水道について三カ所ほど計画をいたしております。私は三カ所では足らないということをいま言っておるのですが、一応セットされたのは三カ所、下水道に使う金は合計五百九十億となっております。五百九十億の金を使えば、いま琵琶湖の南湖、これはやはりCODにして一・五ぐらいでございますが、これはしかし基準はAAの基準でございまするからやはり一になっております。どういう方法かというと、下水道の整備をやってよくなるのと、工場排水の規制によってよくなる、そういうことをやりましてやはり一よりも少ない数字にしたいということで、その点はもう京都府のあれをまつまでもなく、滋賀県それ自身としてひとつやってもらわなければならぬ。その負担もたいへんであるから、最も利用が盛んになっておる両県、大阪京都には若干の負担をしてもらわぬと、滋賀県だけではできませんから、こういうことになっておるわけですが、今後全般の計画について必要があればこちらから参加をお願いをするというようなことは当然考えていいものだ、かように思っておる次第でございます。
  40. 後藤俊男

    後藤委員 こまかいことになるかもしれませんが、いま大臣言われた、負担については滋賀県だけでは無理ですから、琵琶湖の利水関係の兵庫大阪京都と言われましたが、京都も入っておるのですか。
  41. 西村英一

    西村国務大臣 京都は入れません。京都を言いましたか。——それでは訂正いたします。京都は負担は入っておりません。大阪兵庫両県でございます。
  42. 後藤俊男

    後藤委員 ぜひひとついま申し上げました問題についても今後十分検討していただいて、間違いのない方向で進めていただくようにこれはお願いしたいと思います。  それから、これも先ほど質問があったかと思いますけれども、琵琶湖総合開発の全般的な予算計画なんです、このことについて御説明いただきたいと思います。
  43. 西村英一

    西村国務大臣 いま朝日君からもちょっとお話がございましたが、大ざっぱに申しまして、大蔵省とも、琵琶湖総合開発につきましてこれは十カ年計画でやりたい。その十カ年計画の大ワクは、四千三百億ぐらいなワクでやりたい。その内訳も十分わかっております。しかしこれは、一口に四千三百億といいましても、まだ非常に詳細なところについて詰まっておるわけじゃございませんが、一応のワクはそういうことでございます。私はこれを前期と後期に分けてみたいと思うのです。この十カ年の計画を一ぺんに全部着手するわけにはいきません。したがって、何が急ぐか、前期の五カ年計画、後期の五カ年計画、前期のものには早く予算をつけてもらいたい。こういうふうにして事柄を分けてそうして進めたい、かように思っておりますが、地方負担が幾らになってということは、これは政府委員から説明させます。
  44. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 先ほど草野先生のお尋ねにお答えしたわけでございますけれども、重ねてのお尋ねでございますので再度お答えを申し上げたいと思います。  ただいま大臣からもお話がございましたように、今日の段階で、各関係の省庁とも調整をいたしまして、また滋賀県の御要望等も徴しまして、十カ年間で水資源開発事業も含めまして四千三百億円程度の事業を考えておるわけでございます。これの負担区分は、まず国で約千七百億円、それから県、市町村合わせまして約千五百億円程度、その他といたしまして、先ほども申しあげましたけれども、たとえば約六百億円程度は水資源公団の事業で、これはいわゆる利水者負担でございます。それから約二百億円弱のものが道路公団の事業として予定をされております。そういったもののほかに受益者負担がございますが、そういうものが千百億。こういう負担の区分に相なっておるわけでございます。これに対しまして、先ほど申し上げましたように国も補助率のかさ上げをいたしますし、大阪兵庫の利水団体の負掛も国のかさ上げ程度負担をするということで関係者の意見の一致、合意を見ておる。これの具体的な事柄につきましては、当然これからこの法律が成立をいたしました暁におきまして、計画を立案する、その事業実施をいたしてまいる過程において、並行して再度の協議をするということでございますが、現在のところ大ワクといたしましてはその程度の予算を考えております。
  45. 後藤俊男

    後藤委員 今度の特別措置法によると、助成金のかさ上げというのがあるわけなんです。これは四千二百六十六億の総工事費だと思いますが、この中には七百二十億も含んでおるわけなんです。普通の助成金の上に積み重ねる分として金額的にはどれくらいな金額になるのか、この点をお尋ねしたいと思います。
  46. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 ただいま先生おっしゃいました四千二百何十億という数字が、これは細部の数字でございますけれども、先ほど私が大ワクで申し上げました国費が約千七百億円、これが通常の負担をいたします場合の国の負担でございます。これに対しまして、ただいま予定をいたしておりますような下水道事業その他特定の事業につきまして、通常の負担割合以上に負担をしました場合の額としましては約百五十億円でございます。
  47. 後藤俊男

    後藤委員 いま言われました積み上げ分の百五十億、それから兵庫大阪で術五十億、その他の五十億が滋賀県にどうこうというような話がここでございましたが、その点は一体どうなっておるのか、お尋ねします。
  48. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 ただいまの国のいわゆる補助率のかさ上げによりまして、四千三百億円程度の事業を前提といたしますと、千七百億円に対して百五十億円程度国がさらに負担をいたすということになりますから、その限度で当然滋賀県の地方負担が減るわけでございます。そのほかにこれと同等程度の下流の負担をいたすということで合意を見ておりますから、これを合わせますると三百億、そのほかに五十億円程度は、これは負担ではございませんけれども、下流の利水団体から滋賀県に対しまして資金の融通をいたそう、こういうお話し合いを進めておりまして、これも近く合意に達するかと思いますが、そういう段階になっておるわけでございます。
  49. 後藤俊男

    後藤委員 これは私の記憶違いかもわかりませんけれども、いま言われました五十億については国のほうで何らかひとつ考えよう、こういうふうにいわれたと私は思っておるわけです。そうだとするのならいまの話はちょっとおかしいような気がするのですが、この点いかがでしょう。
  50. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 ただいまの五十億円につきましても、下流に融資をしていただきます際には、その財源等につきましては自治省とも協議をいたしておりまして、できる限りの手当てをして差し上げるということにいたしておりますが、受け入れられるほうの滋賀県といたしましては、これは滋賀県に特別の負担をしていただくということでなしに、その条件等はこれからさらに詳細を詰めますけれども、下流の負担で融資をしていただく、こういう方向で協議を進めておるところでございます。
  51. 後藤俊男

    後藤委員 それから大臣、琵琶湖総合開発の問題につきましては、四千数百億という非常に膨大なる事業だと思うのです。これは私が言うまでもございませんが。その中で、先ほども話が出ておりましたように、水位低下が一メートルなのか、一メートル半なのか、二メートルなのかということで、淀川水系関係の府県と滋賀県との間で長い間いろいろと協議をしておったわけなんです。そこで、この特別措置法によりますと、これから十カ年計画でやっていく。前期五年、後期五年というような大臣の説明があったわけです。先ほども話が出ましたように、飢饉というのはいつくるかわからぬと思うのです。たとえばこの夏に飢饉がきた、そういう場合には、一メートル半という約束でございますが、こういうものは一体どういう立場に立つのか。それとあわせて、一メートル半実施ということは、いわゆる飢饉の際において一メートル半下げてもよろしい、それに対応する対応策で全部琵琶湖総合開発でやっていくのです、というような意味から考えるとするのなら、十年たって十一年目から一・五なら一・五というものは効力を発生するのだというような考え方も出てくるわけです。さらにまた、一・五メートル水面を低下することになりますと犠牲が非常に大きいわけです。漁業の問題、農村の問題、観光の問題と、いろいろ多くの問題があるわけです。ですから、これらに対する対応策がきっちりできまして、これで滋賀県民としてもだれ一人不満な者はおらない、りっぱにできたという暁において一・五メートルが効力を発生するということなら私は話がわかるわけなんです。そういう考え方に立つならば、この措置法による十カ年計画が全部完成しまして、算術的なことを言いますけれども、十一年目から一・五メートルというのは効力を発生してくるのだ、こういうような考えも成り立つのじゃないかと私は思います。この点、大臣としてはどういうふうにお考えになるでしょうか。   〔天野(光)委員長代理退席、田村(良)委員長代理着席
  52. 西村英一

    西村国務大臣 端的に、この法律が通ればすぐ毎秒四十トン流すのか、いまの水利権以外に、こういうお尋ねでしょう。それはそうはいかないと思います。しかし十一年目、全部開発ができてからでなければいかぬ、そういうことも私は考えておりません。やはり毎秒四十トンを取るために湖面が低下するという、その低下で被害を受けるというようなことは、それに対する対策ができたときに両県と話し合って、関係者と話し合ってその時点できめたい。現在はきめておりません、いつからこうやるのだということは。しかしとにかく被害を受けるものをほうっておいてやるわけにはいきません。被害を受けるいろいろな施設に対して整備ができたときにあらためて話し合いをやる。全部十一年たってからというようなことも考えませんが、法律が通って直ちに一メートル五十に下げるのだ、そういうことも考えておりません。これはその開発が進むにつれてもう一ぺんそういうものを結ぶ時期があろうと思いますが、いまその時期を申し上げるのはまだ早過ぎると思います。
  53. 後藤俊男

    後藤委員 いま大臣が言われましたことをもう少しわかりやすく言いますと、この法律が制定されれば着工の運びになっていくと思うのです。しかもこれは十カ年計画である。ところが、一・五メートルということは下流府県と滋賀県の間で話し合いはついたけれども、この法律が通ったからといってすぐ一・五メートルというのは効力を発生するものではない。それはそうだと思うのです。それなら十一年目まで待つのかというと、十カ年計画総合開発が全部完成した暁において一・五メートルというものの効力を発生するのだということでもない。ということになると途中になるわけですね。ですから、総合開発に基づく水面の低下による影響ということに対する対策が全部できましたときに、関係府県が寄りまして、この時期から総合開発特別措置法のできる以前の相談どおり一・五メートルを実施していくのだと、その時点で十分協議をしてそこできめないことには一・五メートルの効力というものは発生しないのだ、こういうふうに解釈してよろしいですか。
  54. 西村英一

    西村国務大臣 大体そういうようなことで私はいいと思います。いまでも琵琶湖から取っておる水は、疎水、それから電力、五十五トン取っております。その他残った水は、いまごろは水が非常に豊富でしょうから、おそらく四十トンも六十トンも流れておるんじゃないかと思われます。そこで、いまの水利権以上に義務としてプラス四十トンというのは、下流のほうにおきましても、それは多々ますます弁ずでございましょうけれども、プラス四十トンすぐ要るんだというわけでもありません。四十トンというのは、大阪兵庫におきまして水が要るようになるというのはじわじわ要るようになるわけでございます。順次要るわけでございますから、前期、後期に分けて、なるべくならば——これはなるべくならばですが、前期ぐらいに少なくとも水面低下による被害が起こらないように操作したい。これも大体の考え方ですけれども、被害が起こらないような措置ができれば初めてそのときに話し合ってやりたい、こういうふうにいま考えておるわけでございます。
  55. 後藤俊男

    後藤委員 これも先ほどからいろいろ話が出ておったのですが、琵琶湖の水質汚濁の問題です。琵琶湖総合開発の一番中心になるのは水質の問題だと思うのです。一々こまかいことは私は説明いたしませんけれども、たまには赤潮が出たり、今日琵琶湖の水が非常に汚染されつつあるということは私が申し上げるまでもないと思うのです。このままのかっこうで推移するとするならば、琵琶湖関係の研究をしておられる大学の先生あたり意見を聞いてみましても、十年後にはおそらく琵琶湖は死に水になってしまうのではないか、こういう意見が非常に強いわけなんです。それというのは、工場排水の問題なり、各家庭の排水の問題なり、あるいは下水道が完備しておらぬ問題なり、その他いろいろな問題がありまして、琵琶湖の水がどんどん汚染されつつある。さらにまたプランクトンの増加につきましても、これは琵琶湖の魚はいま七十一種類いるそうです。この七十一種類の魚の中で、動物性プランクトンを食べるのはゲンゴロウブナだけだそうです。それ以外は全部植物性のプランクトンということになっておるそうです。そういうような点から考えてくると、まず琵琶湖総合開発の中の一つの問題として、琵琶湖の水質をいかにして復元するか、いかにしてきれいにするか、いかにして今後よごさないようにもっていくか、このことが一番重要な問題ではないかと私は思うわけです。ところがこの総合開発の中を見ますると、湖底なり湖岸の清掃というのは入っております。それから下水道にいたしましても、公共下水道、流域下水道、普通の下水道というようなことで、しかもこれは全市町村にわたっておるわけじゃないわけなんです。しかもまた十カ年計画なんです。十カ年たたないことには下水道が完備しないという計画になっておるわけです。こういうことをやっておりましたのでは、先ほど言いましたように琵琶湖の水はどんどん汚染される一方ではないか。御承知のように、滋賀県におきましても工場誘致であるとかあるいは山の自然を伐採して宅造が進んでおる。こういうような情勢を考えるとき、琵琶湖の水の汚染はさらに激しくなるような気がするわけです。これに対する対策というのはこの措置法の中には入っておらぬと申し上げても間違いないと私は思うのです。ただ下水道工事だけなんです。しかもこれも十カ年計画なんです。下水道が完備した時分には琵琶湖の水はもう死に水になってしまう。フナもおらなくなってしまう、イケチョウ貝もおらなくなってしまう、モロコもおらなくなってしまう、シジミも食べられなくなってしまうというような結果に、このままでいくならば進んでいきますよ。そのことに力を入れるべきではないか。琵琶湖総合開発はけっこうですけれども、それ以前にやるべきことは、琵琶湖の水質をいかにして改善し、復元し、保全をしてきれいにもっていくか、このことに力を入れるべきだというのが、大体琵琶湖の水質その他を研究されておる人の強い主張なんです。しかも、滋賀県民といたしましては、先ほどの話ではございませんが、琵琶湖総合開発で四千数百億の金が入ってくる。第一番に土建業者が喜ぶだろう。ところが滋賀県民から考えるときに、万一取り返しがつかないようなことに琵琶湖の水が進んでしまったとしたら、これはたいへんなことだと思うのです。こういう点につきまして大臣としてはどういうふうにお考えになっておるか、お尋ねいたしたいと思います。
  56. 西村英一

    西村国務大臣 それはとんだ誤解です。琵琶湖総合開発のおもな仕事は、下水道、水処理の問題です。それだから四千数百億といった中にも大きい金が入っておるわけです。十カ年計画というのは全部の事業が十カ年計画でありまして、下水道の処理、水質保全なんかまっ先にやらなければならぬ事業なんです。ほうっておけば死に水になりますから、そこで私は前期にやる仕事と後期にやる仕事とがある、こう言っておるのです。最も早くやらなければならぬのは、この水保全の問題でございます。さいぜんもちょっと申し上げましたが、いまでも流域下水道三カ所、三カ所でも足らないが、いま流域下水道をやっております。公共下水道もやります。下水路もやりますが、三カ所でも足りない。四千二百億の中にも約五百数十億下水道が含まれておりますが、それでは私はまだ金が少ないと思っております。しかし十カ年間でございますから、これは徐々に考えたい。  いま参考のために、後藤さんよく知っていらっしやるでしょうけれども、ここに計算したものがありますからちょっと結果だけを申し上げます。北湖は、現状の水質はCODで〇・七PPMでございまして比較的いいのでございます。いいけれども、それはほうっておけばたいへん悪くなります。したがいまして、工場の規制の効果によって、あるいは今度の総合開発の下水処理によってこれを改善すれば、計算上〇・九二くらいになる。つまり一PPM以下になるわけでございます。また南湖のほうは相当に悪いのです。これは後藤さんよく知っていらっしゃるとおり、現状の水質はCODで一・五PPMでございます。これは琵琶湖総合開発によって下水道の整備が行なわれますれば〇・八八PPMくらいにしたい。これには工場排水の規制の問題、これはやはり通産省でやってもらわなければなりません。私のところではできません。それから総合開発による下水の処理で改善をしたいというのでございます。なおこれ以外に、いま三カ所の流域下水道を考えておるが、滋賀県としてはもう一カ所やってもらいたいという希望があります。これはまだいま入っておりません。そういうようなことも今後いろいろ考えて、早く前期でやってもらいたい。これは一番大事な仕事でございます。したがって、十年間を待たなければ下水道が全部できないなんということは考えておりません。早目にひとつこういう事業はやりたい、かように考えておる次第でございます。
  57. 後藤俊男

    後藤委員 そうすると、いま大臣が言われましたのは、下水道関係についてはできれば前期の五カ年間くらいに完成をというような気持ちだと思うのです。そこで問題になりますのは市町村の財政負担能力の問題なんです。これを全部国でやるのならそういうことを考える必要はないわけなんです。ところが、この助成金にある程度のかさ上げはしていただきましたけれども、各市町村の負担というのは大きいと思うのです。さらに、市町村の負担が大きいところへ各個人の負担というのがまた大きいわけなんです。そこが問題になってくると私は思うわけなんです。だから、いま大臣が言われました気持ち気持ちとしてわからぬことはないのですが、現実にそれでは下水道工事は五カ年間で完成してしまおうじゃないか、こういうことになってくると、七市におきましても、その他十二郡あるわけですけれども、これは各市町村の自治体がたいへんなことになるわけなんです。さらにまた個人の負担ということでたいへんなことになると思う。こういうようなことになることは私間違いないと思うのですが、そういうことに対して国としては何かお考えになっておられるのかどうか。いま大臣が言われましたことを実現するとするのなら、当然国としてさらに考える必要があると私は思うのです。この点いかがですか。
  58. 西村英一

    西村国務大臣 それでありますから一般の場合よりもこの補助率を高く上げた、かさ上げをした。流域下水道は普通は半分しか国が持たぬのに、沖繩と同じような程度に、三分の二にいたしましょう、公共下水道にしてもかさ上げしましょう、こういって、なるべく県並びに地方公共団体の負担がかからないようにかさ上げをした。普通補助金のかさ上げというのは、沖繩を除いては、この下水道のかさ上げなんというものは滋賀県のこの開発が初めてでございます。したがって、そういうことで地方公共団体をなるべく助けたい、こういうことをやっておるのでございます。
  59. 後藤俊男

    後藤委員 いま大臣が言われましたかさ上げ問題ですけれども、これも、こういうことを言うとおしかりを受けるかもしれませんが、たいしたかさ上げじゃないわけなんです。たいした金額じゃございません。これは先ほども御説明がありましたけれども、それだけのことをやっておるから、それなら下水道工事は最初の五カ年間でやってしまいなさい、そうすれば琵琶湖の水は汚染されませんよ。理屈としてはこれはわかるわけなんです。現実の問題を私は言っておるわけなんです。滋賀県の関係市町村において五カ年間で全部下水道工事を完了さしてしまうというようなことになれば、これは各自治体ともたいへんな問題だと私は思うのです。だけれども、大臣がそういうふうにやっていくんだと言われるならば、国としてこれは当然何らかの措置を考える必要があると私は思うのです。  あわせて近畿圏整備本部のほうにちょっと聞きたいのですが、関係市町村、ここの財政負担能力というのは一体どれくらいあるか、その点もあわせてお尋ねいたしたいと思います。
  60. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 ただいま私どものほうで、個々具体の市町村ごとの事業についてどれくらいの負担になって、その能力がどうだという、個々についてまだ把握をいたしておりません。しかしながら、全体の事業計画がきまりまして、それの年度ごとの実施量がきまってまいりますると、当然のことでございますけれども、こういう特別の措置をいたしますもののほかに、当然本来の地方財政に対する手当の制度があるわけでございます。そういった面は先ほども大臣からお答えがありましたように、確かに相当量の事業を集中的に実施をいたします結果、地方公共団体の負担がかなり一時的にふえるわけでございます。   〔田村(良)委員長代理退席、委員長着席〕 それらについて、そのために事業ができなくなるというふうなことになりませんように、これは計画の実行の段階で十分関係省庁とも協議をいたし、配慮をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
  61. 後藤俊男

    後藤委員 いまあなたはそう言われますけれども、この措置法の中身を見ると、すべて十カ年計画になっておるわけなのです。これを、先ほどの大臣のお話によりますと、前期五カ年くらいで下水道関係は完備したい、こういう考え方を言われたわけなんです。そうなってまいりますと関係市町村自治体はたいへんなことです。財政的な負担能力というのは私はおそらくないと思うのです。ところがそれをやらなければ琵琶湖の水というのはどんどん汚染されていってしまう。十カ年で計画が終わって、やれ措置法に基づく琵琶湖総合開発完備という暁には、琵琶湖の水は全く取り返しのつかないことになってしまう。そうならないように、そうしないために、大臣としては前期五カ年間で下水道関係についてはと、こういう気持ちだと思うのです。その気持ちはわかるわけなんです。その気持ちはわかります以上、さらにまた大臣がそう言われました以上は、この措置法でもはっきり、前期五カ年で下水道は全部完備するのだと、どこかに明記してもらう必要があると思うのです。そうしない以上は、ややもすれば水質の汚染でたいへんなことになってくる。そこへ問題になってくるのが地方財政の負担能力の問題になってくるわけなのです。大臣は、かさ上げはしたんだからそれでやってくれ、こういうものの言い方ですけれども、あれだけのかさ上げで、先ほど言いましたところの五百九十億ですか、下水道関係、これらがはたして実現の可能性があるかどうかということなんです。各市町村がそれにこたえてやってくれるかどうかということなんです。私はそんなことはおそらく無理だと思うのです。そうだとするのならば、さらに国のほうとして琵琶湖を守るという大きな見地に立って何らかの措置を考えていただかなければ、大臣の言われた前半五カ年間で大半下水道の工事を完備してしまうんだということにはならぬと私は思うのですがね。重ねて大臣いかがでしょう。
  62. 西村英一

    西村国務大臣 五カ年内に早く、水質のことですからやっていきたい、これは私が気持ちを言ったのです。実際の計画滋賀知事が作成するわけでございます。知事としてはやはり、何を一番先にやって何をあと回しにするか、また地方公共団体についてはどういう負担がかかるか、いろいろなことを考えて滋賀県の琵琶湖総合開発計画をつくると思います。そこでかさ上げも、それは下水がたいへんな金がかかりますから、政府としてはいままでないような破格のかさ上げをしておるのです。二分の一をいま言いましたように三分の二にし、公共下水道も十分の四が十分の五・五でしたか、そのくらいいろいろ手当てしている。そこで地元の負担があります。県の負担もあれば、あるいは地方公共団体の負担もありまするけれども、それらについてはやはり地方公共団体が起債を起こす、そういう起債の点につきましてはこれは自治省がフルに認めてくれると思います。自治省も見えておりましたけれども、ちょっと帰ったようですが、それは十分私は起債等についてめんどうを見てくれると思う。いずれにしてもたいへんな仕事でございますけれども、私はやはり早目にやらなければならぬと思っておる。そこで同じ下水道にしましても、東京あたりの下水道の工事をやるよりも、何といいましてもいまならまだやりいいと思います。したがいまして早く、水が汚濁しない間にひとつそういう大事なことは早目にやってもらいたい。計画滋賀知事がつくるのですが、私は、せっかくのお尋ねでございますから、一体何をやるんだ、下水道は十年もかかっては困るじゃないかとあなたが言うから、それは下水道なんか早くやりたいのだ、こういうことを申し上げたのでございます。実際の実施計画滋賀知事が今後つくるというものであります。さように御了承願いたいと思います。
  63. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 ただいま数字の話が出ましたのでちょっと補足して申し上げておきたいと思いますが、ただいま大臣のお話の、一応現在予定しております五百九十億、これは流域、公共、合わせましての下水道事業の予定額でございますけれども、そのうちで国が、先ほど申しました流域下水道二分の一を三分の二、公共下水道十分の四を十分の五・五という引き上げをすることによりまして、通常負担以上にふえてまいります国の負担が約七十七億程度でございます。割合にいたしましても一割をこえるプラスでございます。もちろんそれ以外の地方負担につきましてもしかるべき、起債その他の手当てをするわけでございます。私どもといたしましても、国としても、この下水道事業については特に力を入れて助成をしておる、滋賀県ないしは市町村の負担を軽減する措置を講じておるというつもりでございます。
  64. 後藤俊男

    後藤委員 私が言いましたのは、大臣の気持ちを聞いておるということではなしに、これが制定されれば実行に移るわけなんですね。それ以下のことについては、先ほど大臣の話じゃないが、それは滋賀知事のほうで計画してやるだろう、こういうことですけれども、われわれの見通しといたしましては、県以下におきまして、各市町村の負担におきまして下水道工事を五カ年間で完成させるというのは無理だと思うのです。私はやれないと思うのです。やれないものを、大臣は気持ちとして言うたのだと言われましても、その辺のところが非常に問題になってくる点なんです。ではそれはやらないとするならば、琵琶湖の水質は一体どうだ、プランクトンはどうなるのだ、PCBはどうなるのだ、京都なり兵庫なり大阪のほうから、くさい水、くさい水で、早く水質をよくしてくれという申し入れが強くある。四千三百億に達するところの総合開発の大きな事業が行なわれる。ところが、私冒頭言いましたように、琵琶湖の水質保全、これは下水道関係だけなんですよ、入っておりますのは。下水道と、湖岸と湖底の清掃。この湖岸と湖底の清掃にしても地方自治団体の管理になっているのです。管理費も全部地方自治団体が負担するのです。さらに、先ほど北湖の問題と南湖の問題を言われましたが、特に北湖のほうにおきましては、琵琶湖の湖底には鉛であるとかマンガンであるとか、ああいうのが南湖より多いわけなんです。なぜかというと、上倉鉱山から流れ込む。大体十幾つ廃鉱になった鉱山があるそうですよ。それらが全部そのまま放置されておるわけなんです。そこからどんどん琵琶湖に水が流れ込む。それで金属関係のものが琵琶湖に流れ込んで、琵琶湖の湖底、北湖のほうが一番よごれておるわけなんです。そういうような点を考えるとするならば、琵琶湖の水質保全、水質改善と申しましょうか、水質を復元させる、もっときれいにする、このことに、この総合開発特別措置法ができるのなら、そこへなぜもっと大きく目を開かなかったのだろうか。そこに目を向けない以上は琵琶湖の水というのは取り返しのつかないことになってしまいますよ。一般的に、学問的に、科学的に計算した結果が発表されておるわけなんです。そのことを特に地元の滋賀県としても心配をしておるわけなんです。もちろん京都関係なり、兵庫大阪関係も心配をしておるわけなんです。だから、その点に対する対策はどうかといえば、十カ年計画を五カ年計画でやりたい。そういうことならそういうことで、はっきり地方財政能力を調査していただきまして、地元滋賀県なりその関係のところと十分相談をして、それじゃ下水道関係につきましては五カ年計画でやります、特にこの問題については水質の関係もあるから、というようなことではっきりしていただければ、これは検討の必要があると私は思うのです。そうではなしに、これはただ大臣の気持ちとしてそう言ったというだけではこの問題は納得できないわけなんです。それくらい水質の問題はたいへんな問題になっておるということを申し上げておるわけたんです。いかがでしょう。
  65. 岡安誠

    ○岡安政府委員 水質のお話がございましたので、環境庁のほうから琵琶湖の水質などにつきましてお答え申し上げておきます。  お話しのとおり、現在琵琶湖は、北湖につきましては平均いたしまして、CODでございますけれども、〇・七四PPM程度でございますので、これは相当水質としてはいい水質が保たれておりますが、南湖のほうは平均いたしまして一・二四程度というふうにいわれておりますので、これは湖水の環境基準から申しますとAAのランクには入らないで、Aのランクに入っているという状態でございます。私どもは、昨年度の末に琵琶湖につきましての環境基準を設定いたしまして、北湖につきましてはAA、それから南湖につきましては現状Aでございますけれども、近い将来にAAに持っていくというような環境基準を定めたわけであります。ただ、こういうように南湖の汚濁が進んでおりますので、このまま放置いたしますと、おっしゃるとおり相当琵琶湖の汚濁というものは進行すると私ども考えております。その原因を私どもで考えておりますのは、やはりCOD負荷量に換算いたしまして考えますと、汚濁の主たる原因は工場排水、これが琵琶湖の場合に大体七六%程度の割合を持っております。それから家庭下水が二〇%、その他が四%というふうに私ども推定いたしております。  そこで、この琵琶湖の汚染をこれ以上進行させないために、私どもといたしましてはやはり工場排水につきましてその規制を強化する、環境基準を、AAを達成できるような、それに相応するような規制を加えるということを考えておりまして、これは現在水質汚濁防止法によって定めております一律基準に上のせを滋賀県でいたしまして、上のせ基準によりまして工場排水の規制を強化したいというふうに考えております。これによって相当程度琵琶湖の汚染の進行は食いとめられるというふうに考えております。家庭下水につきましては、先ほどからお話がありますとおり下水道の整備によって対処するということを私ども考えております。下水道の整備につきましては、私ども現在の五カ年計画によりまして考えておられるような進捗状況も勘案いたしまして下水道の整備を期待しているわけでございますが、もちろん工場排水、家庭下水とも、これ以上のテンポで規制が強化されることを私どもは希望はいたしております。私どもの現在の計算によりますと、工場排水につきましては水質規制、それから家庭下水につきましては計画によります下水道の整備、これができれば現状よりも琵琶湖の水はきたなくはならないし、多少浄化されるというふうに私どもは考えております。ただ、窒素とか燐とか、富栄養の点につきましてはなお問題がございます。特に南湖につきましては富栄養化の状態に入っているのじゃなかろうかというふうに私ども考えております。これにつきましては、窒素、燐の対策というものはなかなかむずかしい問題をはらんでおります。それで私どもは四十七年度、今年度でございますけれども、琵琶湖その他富栄養の水を対象といたしまして、窒素、燐につきましても水質調査その他をいたしまして原因を明らかにし、さらにできれば対策まで樹立するというふうに持ってまいりたい。これもさらに早急に対策を樹立いたしませんと、琵琶湖その他富栄養化の進んでおります水につきましては非常に重大な結果になることをおそれておりますので、私どもできるだけその対策を考えてまいりたいというふうに考えております。
  66. 後藤俊男

    後藤委員 いま言われました中身から私は一つ問題があると思うのです。なるほど規制というか基準というか、数字できめられますけれども、こういうことではないかと思うのです。単純なものの言い方をしますけれども、工場排水の規制については基準がきめられる、基準内ならよろしい、そういうことになれば、一リットルの水に一滴入れるか十リットルの水に一滴入れるかで、水さえ流せばこれは基準内になるわけです。それが琵琶湖へどんどん流れ込むということになれば、琵琶湖の汚染、汚濁については何ら変わりがなくなるわけなんです。ですから規制のしかたにも問題がある。いまあなた言われましたけれども、その点はどういうふうにお考えになっていますか。
  67. 岡安誠

    ○岡安政府委員 お話しのとおり、現在水質汚濁防止法によりましては、これは全国一律の基準ということになっておりますので、濃度規制という方法をとっております。おっしゃるとおり、濃度規制だけでは、特に湖のように水の交換のよくないところにつきましては十分ではないと私ども考えております。そこで私ども、たとえば先ほど申し上げましたように琵琶湖の環境基準をつくったり、また工場その他の排水規制をする場合には、当然全体の汚水の量といいますか、それを考えまして規制のあり方というものをきめているわけでございます。たとえば琵琶湖につきましては、月当たりでございますけれども、CODの負荷量に換算いたしますと四十五年度で大体月当たり三十二トン程度のCOD負荷量が全体として流入をしているというふうに考えております。もしこれをこのまま放置いたしますと、五十年には三十五トンくらいにふえるのではなかろうか。それを規制を強化いたしまして三十一トン程度に押えるということで、そういうことが達成できるように上のせ排水規制をしようというふうに実は考えております。もちろんこれは全体の量、総量規制の方向で現在の法律運用しているという状態でございますので、総量規制のあり方というものができるだけ早く水質汚濁防止行政の中に取り入れられなければならないというふうに実は考えております。
  68. 後藤俊男

    後藤委員 いま言われましたように総量規制でいかぬことには、先ほど言いましたように、工場排水のごときは水を入れて濃度を薄めさえすれば規則基準内、基準の範囲内になるわけなんです。これがどんどん琵琶潮に入り込む、これが下水道に流れ込むというようなかっこうになりますから、これは環境庁としても十分考えていただく必要があろうと思うのです。  そこで大臣、先ほどの問題につきましては、大臣は大臣としてこれからも検討していただく必要があろうと思うのです。きょう言われましたこの下水道工事については、十カ年ということではなしに前期五カ年間くらいで何とかという気持ちは大臣も持っておられると思いますから、その問題については私は保留をしておきますから、さらに検討していただくようにお願いしたいわけなんです。  それからその次の、水産庁関係の問題ですが、これも先ほどいろいろ話がありましたアユの問題からモロコの問題からゲンゴロウブナの問題から、それからいろいろあったわけなんです。そこで、水面が一・五メートル下がった場合には産卵する場所というのが全部、干上がってしまうわけなんです。そうなりますと、琵琶湖におけるところの七十一種類の魚、その中でも多くの魚が非常に少なくなってしまう。いわゆる減産ですね。とれなくなってしまうということははっきりしていると思うのです。こういうことに対して水産庁としてはどういうふうにお考えになっておるか。  さらにあわせてこの漁業補償の問題あるいは農業補償の問題です。これらもこれからの問題として私は出てくると思うのです。ところが非常にむずかしいのは、終始一・五メートル下がっておるということを基準にして考えるならば計算はしやすいわけなんですが、そうではなしに、一・五メートル下がるというのは一年に一ぺんか二年に一ぺんかこれはわかりませんけれども、なかなか計算がしにくいわけなんですね。こういうしにくい現状から、漁業補償なり農業補償その他の観光関係の補償をいかにして計算して、いかにして納得をさせてやっていくのか、この点は非常に私はむずかしい問題だと思うのですが、水産庁なり近畿圏整備本部としてどういうふうにお考えになっておるか。何か方針はできておると私は思うのです。それがない限りにおいてはこういう特別措置法は提案できないと私は思うのです。その点を承りたいと思います。
  69. 藤村弘毅

    ○藤村政府委員 ただいま御指摘になりましたように、水が減りますと産卵場がなくなります。この点につきまして、温水性の魚につきましては陸上に池をつくりまして、そこで人工の産卵場をつくる。たとえばコイとかフナとかいうものは現在も池で産卵させる技術がもうすでにできておりますので、そういうことを一つ考えております。それから冷水性のアユとかビワマスのようなものにつきましては、ただの池だけでは産卵いたしませんので、人口河川とあわせてつくりましてこれに産卵させるというようなことを一つ考えております。またもう一つは、天然繁殖保護といたしまして、産卵床を人工的につくるとか、あるいは人工海藻のようなものをつくりまして、そこに産卵させるような、産卵場を設けるというようなことを一つ考えております。それからもう一つは、ただいま先生御指摘のような真珠等もやっておりますけれども、真珠等につきましても母貝の生産の漁場を内湖に設けたいというふうに考えておりまして、現在の生産を全く維持するというところまでは現在の技術はいっておりませんけれども、できるだけ現在の生産を維持できるようなことを考えたいということで、現在技術的な検討をいたしておるわけであります。
  70. 後藤俊男

    後藤委員 この措置法の第七条によりますと、漁業やさらに農業関係は犠牲にするという形になっておるわけなんです。いままで漁師で生活しておった人はこの総合開発によって漁師ができなくなってしまう。その場合には土地のあっせんであるとか職業訓練、これらを行なうようにつとめなければならない、こういう書き方がしてあるわけです。そうなりますと、琵琶湖総合開発によって、今日生活しておるところの農漁民の皆さんの生活に及ぼす影響というのは、私はまことに大きいものがあると思うのです。しかも、いま産卵場をつくるとかなんとか言われましたけれども、琵琶湖というのは内湖等がありまして、そこにヨシやらアシやらたくさんはえておったわけなんです。そこがいわゆる産卵場になっておったわけなんです。さらに百数十本の川が流れ込んでおるこの河口で産卵する。アユ等はそうなっておるわけなんです。これが全部干上がってしまうわけなんです。干上がってしまえば、この措置法に書いてありますように、この総合開発実施すればおのずから農漁民のどれだけかの人は犠牲になってしまう。いままでどおりの生活はできなくなってしまう。そのことを見込んだ上での措置法なんです、これは。そうだとするなら、これに対する補償なり、そういう問題はどう考えておるのだ。その人の生活は十分補償できるのかどうか。その補償の金額は一体予算的に言うとどこに入っておるのだ。その点を御説明をいただきたいと思います。
  71. 川崎精一

    ○川崎政府委員 農業関係等につきましては、これは水位の低下に伴いまして——現在かなりの面積の農地が滋賀県で逆水かんがいをしておるわけであります。したがって、こういったものの水の取り入れ施設等が水位の低下に伴ってやはり改善しなければいけない、ポンプの能力を上げなければいけない、こういう問題があろうかと思います。それからもう一つ、地下水の低下がありますので、多少減水深等がふえてくるのじゃないかということが予想されるわけでございます。したがって、在来よりもやはりたくさん水も補給しないと在来だけの収量を上げるのには困難という問題がございますので、そういった点につきましては農林省等とよく協議しまして、できるだけ被害のない施設あるいは水の供給等を行ないたいと考えております。  それから漁業等につきましては、これはやはり水位低下を行ないますので何がしかの減産の問題というのは避けられないのじゃないかと思います。しかし、そういった自然保護あるいは水産資源の保護、こういった面から、施設その他でカバーできるものはできるだけいたしたい。たとえば河川の河口等につきましては、アユができるだけのぼりやすくするような施設をつくるとか、あるいは現任養魚場等が周辺にございますが、そういった養魚場の水の取水等にもできるだけ在来の施設と違わない能力を持たせる、こういったことで減産をまずできるだけ避ける。同時に今後の人工養殖、こういった面の充実が非常に要望されておりますので、こういった面につきましては関連開発的な考え方から、水産庁等の指導を得まして、できるだけ今後も滋賀県の水産資源が少なくならないように、われわれといたしましても努力をいたしたいと考えております。
  72. 後藤俊男

    後藤委員 いま言われました琵琶湖の漁業関係の問題については、いろいろと考えておられることはわからぬことはないわけなんだ。全然そういうことを考えておられないとは私は言っておらぬわけなんです。しかしながら、この第七条を読んでみますと非常にあいまいな書き方がしてあるわけなんです。今度の総合開発によって犠牲になる農漁村の皆さんに対してはどうするのだということが、第七条の問題だと私は思うのです。これによりますと、「事情の許す限り、」ということが入っておるのです。これは七条を読んでもらえばわかるわけなんです。事情が許しませんからというと、補償なしでもうほうり出されるわけなんです。事情の許す限り、努力しなければいけない、つとめなければいけない、こういうあいまいな書き方がしてあるわけなんです。一体第七条はどういう趣旨でこういうあいまいな書き方をしたものか、御説明いただきたいと思います。
  73. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 第七条の趣旨でございますけれども、これは、この総合開発事業実施によりまして損失を受けて、必ずすべての方が生活の基礎を失われるということではございませんで、補償は当然定められた基準に従いまして補償いたすわけでございます。さらに直接の補償以外に、先ほど来水産庁のほうからもお話がございましたように、従前の資源を維持する方策、あるいは単に維持のみならず、さらに積極的に資源の開発と申しますか増進をはかっていくという対策を、特に漁業の血におきましては講じてまいるわけでございます。この第七条の規定は、同種の他の法令にも例があるのでございますけれども、万が一こういった方がお出になった場合に、その方のお申し出がございますれば、事業実施した者は極力そういう土地、建物の取得であるとかあるいは職業紹介等についてあっせんをしなければならぬという、事業実施者はそういういわば通常の補償以上に義務を負うのだという趣旨の規定でございまして、決して、補償を不十分にして、そのために生活の基礎を皆さん失われるんだということを前提としての規定ではございません。その点、むしろさらに進んでこういったお世話を事業実施者はしなければならぬということを規定している趣旨でございます。
  74. 後藤俊男

    後藤委員 いま説明されましたように、今度の総合開発で、犠牲ということばはどうかわかりませんけれども、漁業権なり土地の権利を喪失した者に対しては万全の策を積極的に講ずるのだ、こういういま説明だったと思うのです。ところがこの条文を読んでみますと、そういうことをいっておらぬわけなんです。犠牲になった者が、本人の申し出があった場合には「事情の許す限り、当該生活再建のための措置のあっせんに努めるものとする。」と、非常にやわらかく消極的にこれは書いてあるわけなんです。事情の許す限りも何もないじゃないですか、犠牲になった人なら。事情の許すとかなんとかで、どういうことを意味するためにこれは入っておるのですか。第七条です。
  75. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 先ほども申し上げましたように、第一義的には、事業実施者は当然認められる範囲内での補償は十分に尽くすということは、この条文には書いてございませんけれども、それは前提でございます。そうしました場合でもなおかっこういう生活の基礎が失われるような方が万が一にもあります場合には、事業実施者が、本来は補償はそれで済んだんだからもう知らないというふうなことでなくて、さらにこういったお世話をして差し上げなければいかぬのだ、こういう趣旨をあらわしておるものでございます。
  76. 後藤俊男

    後藤委員 いま第七条に前提があると言われましたが、どこに前提があるのですか。前提があって、それによって補償は十分やるけれども、さらに第七条によってやるのだ、こういう説明でした。その前提というものはどこにあるのですか、はっきりしてください。
  77. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 補償につきましては、憲法の規定等を引き合いに出すまでもございません。当然に事業実施いたしますについての損失については補償するわけでございますし、それについては定められた補償の基準があるわけでございます。それによってできる限りの補償をいたすわけでございます。それに、先ほども申し上げましたようにそういう損失の補償だけでなくて、さらに、いまの漁業の場合で申しますと、再度申し上げますけれども、従来の資源の維持あるいはそれ以上に増進をするための施策をあわせてこの総合開発事業の中ではかってまいりたい。こういうことでございまして、この規定はそうした場合でもなおかっこういった方がありました場合には、事業実施者は措置をしなければならぬのだということを念のため書いておる趣旨でございます。
  78. 後藤俊男

    後藤委員 そうしますと私は少しわからぬのです。いま憲法と言われましたけれども、憲法が大体基礎になって、補償云々の問題は規則であろうと思うのです。そうしますとこの第七条というのは——これは非常に関心の深いところから特に私はきょう言うわけですけれども、漁業権なり土地の権利を総合開発によって喪失した人、生活ができなくなった人、この人に対する補償は一体どうなんだ、このことを私は聞いておるわけなんです。そうすればあなたのほうでお答えになるのは、一般的な補償は一般的な規則で補償いたします、その上にいわゆる上のせです、第七条によってさらに補償をしていくというのですよ。こういう説明があなたからされたわけなんです。そういうふうに解釈してこれは間違いございませんか。
  79. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 事業実施あたりましては、かりにそれが水資源開発事業でございましょうと、あるいは関連の道路事業であれ河川事業であれ、当然補償は本来行なわれるわけでございます。しかしながらこの総合開発事業の中におきましては、そういった当然行なわれるべき補償以外にも、各種の事業をあわせて行なうことによりましてその対象となる方々の生活と申しますか、漁業者なり農業者の生活が成り立つように事業実施するわけでございます。この七条の規定はそれよりさらに、そういうことをいたした上でもなおかつ生活の基盤を失われるような方が万が一にも出ます場合には、すでにそういった措置が済んでおるんだからということでなしに、事業実施者は十分な配慮をしなければなりません。その内容はその各号に書いてあるようなことをいたすわけでございます。こういうことでございます。
  80. 後藤俊男

    後藤委員 大臣、いま言われましたような意味が第七条とするなら、第七条を訂正してもらいたいと思うのです。これは七条を読んだだけではいま説明があったような解釈はできないわけなんです。いわゆる単純に解釈しますと、第七条は先ほど言いましたように、総合開発によって大きな影響のある人に対して生活の再建をどうしていくか、その人らに対してはこういうふうに補償をしていきますよ。この七条が生活再建の措置ということでこれは書いてあるわけなんです。ところがいまの説明でございますと、一般の補償は一般の補償としてやっていくんだ。それに上のせをするというとおかしいのですけれども、この事業をやることによって影響のある人にはこの第七条でさらに補償を考えていくのですよ、これはこういう説明なんです。それならそれで、それに合うように第七条を直してもらわぬことには、そういう解釈は七条を読んだだけではできないわけなんです。これは大臣いかがですか。
  81. 西村英一

    西村国務大臣 この補償問題については、法律の条文の書き方でいろいろあると思いますが、おおむねいままでの書き方の例にならったものじゃないかと思います。いままでは大体補償というと金銭的な補償というようなことが主でございましたが、それではいかぬ。やはりとことんまで生活のお世話をするんだ。それから人によってはいろいろな希望がありますから、必ずしもその世話をやかれる人の希望に合致するものじゃございません。そこでこの「事情の許す」ということばを入れたのでございまして、あくまでもお世話をせよ、すべきだ、そういう意味に私は尽きておると思います。そこで、これはいままでの法文に例もあるのに見習っただけだと思いまして、決してこの書き方がどうであったからということじゃなかろう。あくまで損害の人にはお世話をするんだよ、こういう意味にとっていただけばいいんじゃないか。またそうなくちゃならぬと私は思っておるわけでございます。
  82. 後藤俊男

    後藤委員 それは大臣のお気持ちとしてはわかるわけなんです。だけれども、法律というものは気持ちだけで通用しませんからね。それで私はくどいようなことを言っているわけです。「事情の許す限り、」という文句はなぜこんなところに必要かということを私は言うわけなんです。先ほど説明されましたように、一般の補償は補償である。その補償に、総合開発をやるために問題になった人には、本人の申し出によって、職業あっせんするとか、あるいは建物の取得に関することをあっせんする、こういうことが書いてあるわけなんです。ところが読んでみますと、「その者の申出に基づき、事情の許す限り、」いま申し上げましたことはやります、こう書いてあるわけです。事情の許さぬというようなことは私は何もないと思うのです。こんなあいまいな文章は必要ないと思うのです、「事情の許す限り、」そいうようなことは。もう第七条の頭のほうでちゃんと書いてあるわけです。漁業権なり土地の権利で損失を受けた者に対してはこうやりなさいということが書いてあるわけなんです。ところが「事情の許す限り、」というのはどういうことを意味せんがために入っておるのか、私にはわからぬわけです。たとえば私が漁師であって、損害を受けた、どうしてくれるんだ。いろいろ調べたところが、おまえはほかのほうにも生活の手段があるから、事情が許さぬから何もできません。こういう逃げ口になると思うのです。その逃げ口をつくるために、事情の許す限りやりますけれども、事情が許さぬとできませんよということが第七条にちゃんと書いてある。先ほどのように積極的にそういう意味だということなら、「事情の許す」というような文句は要らぬと思うのです。しかもいままでの補償、補償と言いますけれども、今度の琵琶湖総合開発に伴う滋賀県民の大きな被害というもの、犠牲になる人もあるわけなんです。一メートル半水面が下がった場合に一体どうなる。おそらくこれはそこまでいってみないことにはわからぬくらいな大きい被害があると思うのです。その人らには当然遺憾のない補償なりあるいは仕事のあっせんなり職業訓練というものがあたりまえのことだと思うのです。それを何も第七条で、事情の許す限りやるけれども事情が許さなんだらやりませんよということは書く必要はないと私は思うのです。いかがですか。
  83. 朝日邦夫

    ○朝日政府委員 特に「事情の許す限り、」ということについて、あたりまえじゃないかということでございますが、たとえて申しますと、現在の都市計画法の中などにもやはり同じようなものがあるわけでございます。そういったことで、念のために、あくまでお世話をしなければならぬのだという趣旨をあらわしておる規定だと思います。そういうことでございまして、他に例文もあるわけでございますので、それと特別異なったところのない趣旨のものでございます。
  84. 後藤俊男

    後藤委員 いまの説明でも私はすっきりせぬわけですけれども、時間が来たようなので、私終わりますが、ぜひひとつ第七条の問題につきましては検討をしていただく。この第七条に対する質問に対しても私は保留をいたしておきたいと思います。  それからさらにもう一つとしまして、水産庁関係ですが、先ほど産卵場をつくるとか、現在いろいろ具体的な案を検討中だという御説明がございました。ございましたね。これに対する資料をいただきたいと思うのです。資料です。この措置法に基づいて水面曲がこうなった場合にはこういうふうになる、そういう場合には水産関係の資源を守るためにどういうような具体的な措置をとられるのだ。これに対する資料をぜひひとついただきたいと思うのです。  それからもう一つ、最後に大臣に、一番冒頭申し上げた問題でございますけれども、どうも私は、この措置法そのものが水質の汚濁ということを横目でにらんで通っておるような気がするわけなんです。そう言われるとあなたも一言言いたいかもわかりませんけれども、その点はどういう点だといえば、ただ湖岸と湖底の清掃、これも地方自治体にまかしてしまう。下水道工事、公共下水道なり流域下水道は十カ年計画でこれからやっていきます。大臣はどう思っておられるか知りませんけれども、措置法の中ではそうなっておると思うのですよ。十カ年ですから。そうなってしまうと、先ほどの話はもう繰り返しませんけれども、琵琶湖の水は死に水になってしまう。もう日本じゅうの河川にコアユを配給してやるわけにもいかぬ、あるいはそれらの関係で生活しておった漁師の人は全部干上がってしまう、こういうような重大な時期を迎えぬとも断言できないと私は思うわけなんです。ですから、大臣が先ほど言われました下水道工事については前半の五カ年間で完備する。さらにプランクトンの増加の問題とか、いろいろ環境庁から言われましたけれども、これらに対して一体どういう対策を立てていくのだ。この琵琶湖総合開発以前に、この水質問題については徹底して具体的方策を早急につくっていただく必要があるというふうに私は思います。具体的問題として、先ほど大臣が前期五カ年間で下水道云々という気持ちだと言われましたけれども、実際にそれを一ぺん検討していただいて、実現できるかどうか、そのことにつきましても次の委員会においてぜひ御説明をいただきたいというふうに思います。
  85. 西村英一

    西村国務大臣 非常に課題を投げかけられましたが、おっしゃいましたこと、非常に重大なことでございます。しかし計画それ自身建設省がつくって押しつけるものではございません。やはりあくまでも琵琶湖を抱いておる滋賀知事が実際の計画をつくらなければならぬ。もちろん私のほうもいろいろ計画をつくって当該県知事意見の調節をしなければなりませんから、私のほうも並行してつくるわけでございます。一口に総合開発といってもたいへんなむずかしいことでございます。後藤さん、出身の方でございますから、その辺はいろいろたいへん詳しいようでございますが、私たちもできるだけ勉強をしまして、この琵琶湖の水質保全のことについてはやはり早期に取り組んでまいりたい。この法律の第一条の「目的」に掲げてある琵琶湖のいわゆる自然環境、水を含んでの自然環境、決してそれをおろそかにするような書き方になっておりません。それを含んでのことでございます。そうなっておりまするが、実際問題の運用についてはむずかしい点が多々あろうと思いますから、十分研究はいたすつもりでございます。
  86. 亀山孝一

    亀山委員長 水産庁の藤村次長、先ほど後藤委員から要求されました資料はできますか。
  87. 藤村弘毅

    ○藤村政府委員 準備いたします。
  88. 後藤俊男

    後藤委員 それではきょうは終わります。     —————————————
  89. 亀山孝一

    亀山委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  琵琶湖総合開発特別措置法案審査のため、来たる十六日参考人の御出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来たる十二日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十二分散会