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1972-04-05 第68回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月五日(水曜日)     午前九時三十六分開議  出席委員    委員長 亀山 孝一君    理事 天野 光晴君 理事 金子 一平君    理事 田村 良平君 理事 葉梨 信行君    理事 阿部 昭吾君 理事 渡辺 武三君       小沢 一郎君    大村 襄治君       笠岡  喬君    梶山 静六君       浜田 幸一君    古内 広雄君       村田敬次郎君    森下 國雄君       山本 幸雄君    井上 普方君       佐野 憲治君    松浦 利尚君       新井 彬之君    北側 義一君       吉田 之久君    津川 武一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 西村 英一君  出席政府委員         大蔵政務次官  田中 六助君         建設政務次官  藤尾 正行君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省計画局長 高橋 弘篤君         建設省都市局長 吉兼 三郎君         建設省住宅局長         事務代理    沢田 光英君  委員外出席者         環境庁企画調整         局防止計画課長 冨崎 逸男君         大蔵省主計局主         計官      藤井 直樹君         文部省大学学術         局技術教育課長 角井  宏君         建設省都市局下         水道部長    久保  赳君         住宅金融公庫総         裁       淺村  廉君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ――――――――――――― 委員の異動 三月二十一日  辞任         補欠選任   松浦 利尚君     安宅 常彦君   吉田 之久君     春日 一幸君 同日  辞任         補欠選任   安宅 常彦君     松浦 利尚君   春日 一幸君     吉田 之久君 同月二十二日  辞任         補欠選任   松浦 利尚君     安宅 常彦君 同日  辞任         補欠選任   安宅 常彦君     松浦 利尚君 同月二十三日  辞任         補欠選任   松浦 利尚君     八木  昇君 同日  辞任         補欠選任   八木  昇君     松浦 利尚君 同月二十四日  辞任         補欠選任   松浦 利尚君     阪上安太郎君 同日  辞任         補欠選任   阪上安太郎君     松浦 利尚君 同月三十一日  辞任         補欠選任   浦井  洋君     米原  昶君 同日  辞任         補欠選任   米原  昶君     浦井  洋君 四月五日  辞任         補欠選任   山下 徳夫君     笠岡  喬君   浦井  洋君     津川 武一君 同日  辞任         補欠選任   笠岡  喬君     山下 徳夫君   津川 武一君     浦井  洋君     ――――――――――――― 四月一日  琵琶湖総合開発特別措置法案内閣提出第一〇  四号) 三月十八日  名古屋都市高速道路鏡ケ池線建設反対に関す  る請願外二件(加藤清二紹介)(第一六〇七  号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一六〇八号)  同外二件(加藤清二紹介)(第一六五〇号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一六五一号)  同外二件(加藤清二紹介)(第一七一四号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一七一五号)  同外二件(加藤清二紹介)(第一七七二号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一七七三号) 同月二十三日  国道一二七号線天羽地区歩道整備に関する請  願(鳥居一雄紹介)(第一八〇四号)  富津市萩生一五一番地付近の国道一二七号線排  水溝整備に関する請願鳥居一雄紹介)(第  一八〇五号)  名古屋都市高速道路鏡ケ池線建設反対に関す  る請願外二件(加藤清二紹介)(第一八〇六  号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一八〇七号)  同外二件(加藤清二紹介)(第一八五三号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一八五四号)  同外二件(加藤清二紹介)(第一八八六号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一八八七号)  同外二件(加藤清二紹介)(第一九一八号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一九一九号)  同外二件(加藤清二紹介)(第一九五三号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一九五四号)  同外二件(加藤清二紹介)(第一九七九号)  同外二件(横山利秋紹介)(第一九八〇号) 同月三十一日  名古屋都市高速道路鏡ケ池線建設反対に関す  る請願外二件(加藤清二紹介)(第二〇〇九  号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二〇一〇号)  同外二件(加藤清二紹介)(第二〇三二号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二〇三三号)  同外二件(加藤清二紹介)(第二〇七八号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二〇七九号)  同外二件(加藤清二紹介)(第二一一八号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二一一九号)  同外二件(加藤清二紹介)(第二一三六号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二一三七号)  同外二件(加藤清二紹介)(第二一六八号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二一六九号)  同外二件(加藤清二紹介)(第二一九九号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二二〇〇号)  高速道路三ツ沢線路線変更に関する請願(門  司亮紹介)(第二一三五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月二十九日  里道水路等取扱い明確化に関する陳情書  (第一七六号)  北関東地域都市開発促進に関する陳情書  (第一七七号)  地方道整備促進に関する陳情書  (第一七八号)  大和郡山市都市計画道路並びに再開発計画反対  に関する陳情書  (第一七九号)  建設省直轄道路維持修繕費に係る都道府県負担  全免措置に関する陳情書  (第一八〇号)  下水道整備事業の推進に関する陳情書  (第一八一号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣  提出第六一号)  下水道事業センター法案内閣提出第六二号)      ――――◇―――――
  2. 亀山孝一

    亀山委員長 これより会議を開きます。  内閣提出住宅金融公庫法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑申し出がありますので、これを許します。阿部昭吾君。
  3. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 大臣、簡潔にお尋ねをいたします。  いままでもこの法案審議過程においていろいろと論議がかわされた点でありますけれども、今回の改正によって、民間デベロッパーがたとえばマンション等を建てるというような場合に、今度公庫融資対象にするという内容になっておるわけでありますが、民間デベロッパーに対する融資が、今回の改正を機会として次第次第に広げられていくのではないか。このことは、住宅金融公庫法個人住宅融資、いわば庶民住宅建設資金の問題を解決していくという本来のたてまえから、そういう民間デベロッパーという業者を擁護する制度に、次第次第に質的な変化を遂げていくのではないかということを懸念するわけであります。したがって、今回のこの改正がそういう道を次第に広げるというものにならないという歯どめを、私どもいままでの審議過程の中でもはっきりと確認をしておかなければならない、こういうことなんであります。大臣所見をひとつ承りたいのであります。
  4. 西村英一

    西村国務大臣 大都市におきましては個人持ち家取得はきわめて困難になっておるため、公団公庫等公的分譲住宅拡大をはかるとともに、民間のエネルギーを活用し、計画的に開発された良質な住宅供給を促進する必要があると考え、この制度を設けた次第であります。したがって、御説のとおり良質低廉な住宅供給を促進するよう指導するとともに、他の貸し付けを圧迫することのないよう十分配慮してまいりたいのでございます。民間デベロッパーといいましてもピンからキリまでありますので、この辺は十分私のところで監督をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  5. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 若干不明確な感じもいたしますが、いままでの審議過程の中で特に指摘をされたこの問題に対して、さらに一そうの厳格な態度で、無制限に民間デベロッパーに対する融資拡大などということにならないような基本的な立場確認をいたしたいと思うのであります。  第二の問題は、今回の改正、これは融資率の問題、金利あるいは償還期間、こういう問題がいままでは全部法律事項だったのであります。これをほとんど全部政令事項に移したというところに今回の改正の大きな特徴があるわけでありますが、庶民住宅建設資金融資、こういう制度でありますから、こういう問題は全部法律事項にしておくべきだ、こういう御意見がいままでの審査過程で強く出されておるのであります。したがって、いま私ども、この改正案審議経過の中でいろいろ議論がありましたけれども政令事項にしたからといって大臣を信用せぬわけじゃありませんが、政府の一方的な恣意でそういう基準というものをどんどんやられたんじゃ、私どもは従来の住宅政策のあり方やいろんな問題点等から考えまして、実は安心できないものがある。したがって、基本的にはこういう問題を法律事項にしておくべきだという認識でございますが、当面、政令事項をいろいろ改変いたします場合には、国会意思を十分に尊重するという立場でやってもらわなければいけないというふうに思うのであります。われわれ自体も一つ自己矛盾を感ずるのであります。今回のこの改正については、政令事項に移すという、こういう改正案が出ておるのでありますから、私どもいま議論としては、いかぬと言うべき立場なんでありますが、いろんな経過があっていまのような私ども意見を申し上げるということは若干矛盾撞着を感ずるのでありまして、基本的には法律事項にしておくべきである。しかし、いまこの改正案審査がずっと進んでまいりました経過の中で、私どもとしては国会意思を十分尊重して政令の改変には当たってもらわなければいけない、これが一つ質問であります。  さらに、時間の関係で、要約して申し上げますが、いま住宅金融公庫融資のこの制度の中で、たとえば標準価格の問題、標準建設費の問題、こういう問題が実情に即しておらないのであります。たとえば三・三平米木造住宅で十何万かする。ところが標準単価はその六、七〇%にしかならぬ、こういうような状況、あるいは特に、いま土地等に対しても融資対象としておるわけでありますが、このあたりになりますとまるで標準単価というものが問題にならない。しかも、この融資を受けました方々は、融資対象になった土地建物は全部一番の抵当権を設定するということにほとんどなっておるわけでありますから、そういう面から見ますると、いまの標準建設費標準単価というものを今日の実情に即したものに改善をしていくという努力が求められなければならないのであります。この辺さらに一そうの努力をお願いしたい、かように思うのでありますが、大臣所見を承りたいと思います。
  6. 西村英一

    西村国務大臣 今回の公庫法改正によりまして、確かにこの公庫融資率金利償還期間等政令で定められることになりましたが、本建設委員会においてもたいへん議論のあったところでございます。したがいまして、政令を定められましても、国会における、この委員会における審議趣旨を十分尊前して今後この政令を定めたいと思っております。  次にもう一つの御質問でございますが、個人住宅等融資ワク増加とかあるいは標準建設費標準価格の引き上げ、償還期間延長等につきましては、従来建設省といたしましては予算の折衝のおりにたいへん努力をしてまいりましたが、十分皆さま方の御満足のいくような結果にはなっておらないのは率直に認めなければならぬと私は思っております。したがいまして、それらの問題が実勢に合うような努力を今後といたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  7. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 最後に、いまの新住宅市街地開発事業その他大規模開発事業実施、こういう場合に、地方財政負担というものがなかなかたいへんなんであります。これに対して政府適確措置を考えてもらわなければならぬと思うのであります。特にいわゆる利便施設関連公共公益施設建設資金については、公団が行ないます場合と地方自治団体等が行なう場合との間に、その償還期限にものすごい差がついておるわけであります。したがって、この不合理は当然私ども是正をしてもらなければならぬと考えて、いままでも委員会審議経過の中でいろいろ質疑を展開してまいったわけでありますけれども、さらに建設省としてもこの問題を解決するための努力をしてもらわなければならない、こういうふうに思うのであります。償還期限の大幅な延長地方自治体に対する財政の問題について適切な措置を講じていく、こういう努力を払ってもらわなければならない、こういうふうに思うのでありますが、大臣の見解をお聞きしたいのであります。
  8. 西村英一

    西村国務大臣 お尋ねでございますが、大規模宅地開発事業実施にあたりましては、あわせて整備しなければならぬ道路、公園、学校等関連公共公益施設の費用について、地元の市町村に一時的に多大の財政負担をもたらすことになりますため、従来からその負担の軽減をはかる措置といたしましてはいわゆる五省協定があります。その五省協定に基づきまして、住宅金融公庫による立てかえ資金融通等、各般の対策を講じているところでございますが、なお地方財政負担を考慮いたしまして一そうその措置の強化が必要であると考えております。今回の住宅金融公庫法の一部改正法案におきましてもそのような立場から、新住宅市街地開発専業その他政令で定むる大規模事業につきましては償還期間を五年から七年以内に延長することとしていますが、今回の措置のみでは必ずしも十分ではないと考えますので、今後早急に御指摘のような趣旨に沿って再検討いたします。償還期間の大幅な延長その他貸し付け条件改善につとめてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  9. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 さらに一そうの努力を要望して私の質疑を終わります。
  10. 亀山孝一

    亀山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
  11. 亀山孝一

    亀山委員長 この際、天野光晴君、阿部昭吾君、北側義一君及び渡辺武三君から、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対する修正案提出されております。
  12. 亀山孝一

    亀山委員長 提出者天野光晴君から趣旨説明を求めます。天野君。
  13. 天野光晴

    天野(光)委員 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党日本社会党公明党及び民社党を代表して、その趣旨を申し上げます。  案文はお手元に配付してあります。  御承知のとおり、政府原案では、この法律昭和四十七年四月一日から施行することとしておりますが、御説明申し上げるまでもなく、現在すでにその期日を経過しておりますので、これを公布の日から施行することに改めようとするものであります。  以上で修正案趣旨説明を終わります。
  14. 亀山孝一

    亀山委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  本修正案について、別に発言のお申し出もありません。
  15. 亀山孝一

    亀山委員長 これより両案を一括して討論に付するのでありますが、討論申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、大野光晴君外三名提出修正案について採決いたします。  本修正案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  16. 亀山孝一

    亀山委員長 賛成多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  17. 亀山孝一

    亀山委員長 起立多数。よって、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案は、天野光晴君外三名提出修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。     —————————————
  18. 亀山孝一

    亀山委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対しまして、天野光晴君、阿部昭吾君、北側義一君及び渡辺武三君から附帯決議を付すべしとの動議提出されております。  まず、提出者天野光晴君から趣旨説明を求めます。天野君。
  19. 天野光晴

    天野(光)委員 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党日本社会党公明党及び民社党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してあります。  御承知のとおり、本法律案につきましては、委員会において慎重に審議されてまいったのでありますが、民間デベロッパーに対する貸し付け融資率等政令で定める場合の国会意思の尊重、個人住宅融資ワク増加関連公共公益施設に対する貸し付け金償還期間延長資金早期貸し付け等については、審議過程において特に議論された重要な問題でありますので、ここに附帯決議を付し、政府の適切なる措置を要望するものであります。  以上が本案附帯決議を付さんとする理由であります。  各位の従賛同をお願いいたす次第であります。     —————————————    住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の施行にあたつては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、公庫貸付を受ける民間デベロツパーに対しては、良質かつ低廉な住宅供給するよう十分監督指導するとともに民間デベロツパーに対する貸付枠を安易に拡大しないこと。 二、公庫融資率金利償還期間等政令で定める場合は国会意思を尊重すること。 三、個人住宅等融資枠の増加標準建設費標準価額の引上げ、償還期間延長を図るよう格段努力をすること。 四、新住宅市街地開発事業その他大規模開発事業実施に対しては、地方財政負担を考慮し関連公庫公益施設建設資金に対する公庫貸付制度を根本的に再検討するとともに、償還期間の大幅な延長その他貸付条件改善についてすみやかに適切な措置を講ずること。 五、公庫事務能率化を図り早期貸付について今後とも格段努力をすること。  右決議する。     —————————————
  20. 亀山孝一

    亀山委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  本動議に対し、別に発言申し出もありませんので、これより採決いたします。  本動議賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者規律
  21. 亀山孝一

    亀山委員長 起立総員。よって、天野光春君外三名提出のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、西村建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。西村建設大臣
  22. 西村英一

    西村国務大臣 本法案の御審議をお願いして以来、本委員会においては熱心な御付議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきまして、今後その趣旨を生かすようつとめるとともに、全会一致をもってただいま議決されました附帯決議につきましても、その趣旨を十分尊重し、今後の運用に万全を期して、各位の御期待に沿うようにする所存でございます。  ここに本法案審議を終わるに際しまして、委員長はじめ委員各位の御指導、御協力をいただき、深く感謝の意を表してごあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手)     —————————————
  23. 亀山孝一

    亀山委員長 おはかりいたします。  ただいま修正議決いたしました本案に対する委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  25. 亀山孝一

    亀山委員長 次に、内閣提出下水道事業センター法案議題といたします。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。古内広雄君。
  26. 古内広雄

    古内委員 日本で一番欠けていることはやはり下水道整備だろうと思うのでございまして、せっかく日本は国力も整ってきたし、先進国であるというふうになってきたのだけれども内容を見ていろいろ欠けているところがある中で、下水道というものが一番欠けているというふうに常々感じておりましたところ、今回、下水道事業センターができることになって、下水道整備に大いに馬力をかけていただくということになりまして、政府当局の御努力に対して非常な敬意を表するわけでございます。しかし、この下水道整備をできるだけ完全にしてもらいたいというような観点から見ますと、いろいろ疑問もあるわけでございまして、これからその疑問点につきまして若干質問をさせていただきたいと思うのでございます。  その一つは、いま上程されている下水道センターというものと、政府当局が当初に考えておられた下水道事業団というものとの区別と申しますか、そういうものについて少し説明していただきたいと思うのでございます。つまり、下水道事業団というものはどうして下水道センターというものになっていったのか。その名前だけの違いじゃないんだろうと思うのでございまして、その間に、その機能の点あるいはその力の点におきまして多少の差があるのかどうか、そういうような点をひとつ解明していただきたいと思うのでございます。
  27. 藤尾正行

    藤尾政府委員 まことにお恥かしい次第でございまするけれども、これから下水道を当然われわれの国土建設中心課題といたしましてやっていかなければならぬ。ところが、全国的に見まして、大都市におきましてはそれぞれの下水道を所管をいたします技術者をそれぞれの部門において持っておられまするけれども、残念ながら地方中小都市におきましてはそれだけの技術者を持っていない、こういった従来の経緯がございます。まことにこれは私ども建設事業に当たります当局者といたしましてお恥ずかしい次第でございまするけれども下水道といいまするものが今日まで日本国土建設の中に占める地位がきわめて低かった、これは非常に間違いであったと思います。したがいまして、これを早く埋めていかなければならない、こういう要請に私どもは迫られるわけでございます。当然、こういった技術者早期の養成と充実、これを地方にそれぞれ持っていただくための努力をする、そういうことをいたさなければならぬのでございまして、それを当面、いまから出かけまして技術者がすぐに育つというものではございません。そこで、その年限を埋めまするために、現在おりまする技術者を全部集めまして、そうしてこれを要請に応じまして必要なところに必要なときに充足をさせていただきまして、下水道の早い、しかも確実な普及をはかっていきたい、こういう考えで下水道事業団といいまするものを私どもは考えたわけでございます。しかしながら、御案内のとおり、政府の方針といたしまして、公庫公団といいまするものをやたらにつくることは相ならぬという一つ要請がございます。ただいまのところでは、予算編成過程におきまして、一つ事業団を設置するためには一つ事業団をつぶしていかなければならぬ、こういう行政管理庁の強い要請がございまするので、絶対に必要な下水道事業団といいまするものを設置するにいたしましても、そのためには、いままで私どもが持っておりまする住宅でありますとか、あるいは道路でありますとか、あるいはその他の公団公庫といいまするものをつぶさなければ、新たな下水道のための事業団を設置することができない、こういう強い抵抗にあいましてやむを得ずこれを直しましたのが、今日生まれようといたしておりますセンター法でございます。したがいまして、事業団とセンターは根本的にその性格を異にいたしておりますから、その中におります役員、職員その他の身分におきましても当然違ってくるわけでございますけれども、本来の目的自体が下水道早期かつ着実な伸展をはかるというところにあるという点におきましては変わるはずはございません。したがいまして、現在のセンター法で御規定をいただいておりまするものを十二分に運用の上で活用いたしまして、事業団公団に劣らない、より以上の効果をあげさせるような運用をしてその違いを埋めてまいりたいというのが私どもの考え方でございます。これは行政上の制約でございまして、国民の皆さま方にそのために御迷惑をかけるようなことがあってはならないわけでございますから、その性格が違う、したがいましてその責任も違ってくるということはございますけれども、その点は私どもの指導、運用を十二分にいたしましてカバーをいたしてまいりたい、そのように考えております。
  28. 古内広雄

    古内委員 実際的な運用の面において、当初考えられた下水道事業団と今度のセンターとほとんど違いないという御説明でございますが、それでもいろいろ、資金調達の面とか、そんな面で違うのではないかというふうにまだ考えられますので、もう少しその点の御説明を得たいと思いますが、その前に、事業団であればほかの事業団一つつぶさなければこれを認められないというような御説明、そういう方針というのは内閣で何かきまっている方針でございますか。
  29. 藤尾正行

    藤尾政府委員 さようでございます。
  30. 古内広雄

    古内委員 それでは、先ほどちょっと申しました、センターになった場合と、それから事業団にかりに当初の考えのとおりなった場合とで、特に下水道施設をやっていく場合の資金面で何か差があるのかどうか、ひとつお伺いしたいと思うのであります。
  31. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 事業団とセンターとの違いにつきましては、政務次官からただいまお答え申し上げましたことに尽きるわけでございますが、さらに具体的に事業をやります際の資金調達の点でどういう違いがあるかというお尋ねにつきましては、御承知のとおり、事業団政府が直接設立をいたしますところの、いわゆる公団公庫のたぐいの特殊法人でございます。通常、こういった特殊法人におきましては、事業を遂行いたしますために、資金調達のための債券の発行でありますとか、それに対しまして国の財政融資の面におきましても特別な政府の低利資金を融通いたしますとか、そういう措置制度上担保されておるというのが通例でございます。ところが、このセンターにつきましては、いろいろ立案の過程におきまして議論がございましたが、結論といたしましては、センターもやはり、長期借り入れの権能は認められるということになっております。ただ、その資金の操作としまして、政府の低利資金を導入することを私どもは要望いたしたのでございますが、今回の発足にあたりましては、そういう政府低利資金の導入というものが確保されるに至らなかったということでございます。これにつきましては今後の課題かと思いますが、当面、私どものセンターの持つ機能という点からいきまして、センターは公共団体の要請に基づきまして、本来公共団体がやる事業をセンターがかわって受託を受けて仕事をやる、その際にその資金を立てかえてやるということになるわけでございますが、この立てかえ資金が原則として比較的短期間、私どもは二年未満というふうなことになろうかと思っておりますが、そういういわば通常補助の施越し的なものをセンターが立てかえ資金でやりまして、その立てかえたものは、翌年度におきまして公共団体が補助金なり起債をもらってセンターにそれを返すというような運用が考えられます。したがいまして、比較的これは短期的な資金の調達で十分対応ができるというふうなことから、政府の低利資金を導入することはベターでございますが、当面は民間資金をもって十分対応できる。しかも、この民間資金の調達に対しましては、今回の制度におきまして政府並びに地方公共団体の債務保証というふうな担保もいたしておりますので、こういった措置で当面十分にセンターの事業運営におきまして支障はないというふうに判断をいたしておるわけでございます。事業団とセンターの資金調達面の違いという点につきましてのおもな点は、以上申し上げましたような内容かと存じます。
  32. 古内広雄

    古内委員 ただいまの御説明によりますと、下水道をこれからつくっていくということは地方自治体が主になってやる。そこで、地方自治体が補助なり起債をもらってやっていくのであって、それで十分だ。ただ、起債なり補助なりがつくまでの、実際に金が出てくるまでの時間のつなぎとして政府資金を借りることができるというふうに了解したわけでございますが、大蔵省もせっかく来ておられるから、その点ひとつ、どういうことになっておるのか、もう一度御説明願いたいし、ただいま建設省のほうから御説明があった、政府資金の直接の導入ということでこの大事な下水道開発をやっていこうという、初めの建設省側の案が取り入れられなかったというようなことについて、大蔵省の御説明を少しいただきたいと思うのです。
  33. 藤井直樹

    ○藤井説明員 下水道事業センターの仕事の中に、地方公共団体から委託を受けて事業をするという項目があるわけでございます。その場合には、やはりその資金調達というのは地方公共団体が調達するというのが原則ではないかと考えております。しかし現実にはそういう調達に困難を感ずる地方団体も出てくる。そういう場合にはこのセンターが立てかえて支弁してやる。そういう場合の資金をどうするかということになりますときに、先ほど建設省の御答弁がありましたように、この事業は翌年度において補助対象事業になるわけでございます。そうすると補助金も出ます。またそれに伴いまして地方債もつくということで、その償還資金というものはかなり短期の間で調達できるということになるわけでございます。そこで、そういう短期の立てかえ資金の調達であれば、民間資金で調達して十分可能ではなかろうか。しかも、その調達した資金については、必要があれば国と地方団体が債務保証をする。そういう形で、全体としてこの事業センターの仕事が円滑にいくように配慮いたしまして、今回の法案の中に織り込んでございます。
  34. 古内広雄

    古内委員 私、しろうとでよくわかりませんが、その政府資金を直接導入した場合と、今度のような政府保証というふうなことで短期にでもお金が借りられるということで、その際利子の負担でたいへんな違いがあるのでしょうか。
  35. 藤尾正行

    藤尾政府委員 本来公共費をもって、補助金ないしは地方債をもってやるべきことを民間資金で立てかえるということです。したがいまして、一部政府資金を持っております、その金利民間金利とのさやがありますときには、当然その落差といいますものはそこへ出てくるわけでございます。したがいまして、運用の上からいいまして、短期といえども民間資金をもって、政府資金あるいは地方債をもってやるべきものを代替をしていくということには、それだけの犠牲が出てくるだろう、かように思います。そこのところが、冒頭に申し上げました事業団と今度のセンターとの違いになってまいるわけでございまして、実態の立て方といいまするものが、公団事業団になれない、やむを得ずセンターという組織をとったということによって起こってきます。それが私は資金上の問題であろう、かように思います。したがいまして、本来公団事業団であるべきものが他の理由によりまして果たせなかったということによってやむを得ずできた措置でございますから、そのよって起こってまいります負担といいますものは、当然翌年度におきます政府措置によりまして補てんをしてまいるわけでございまして、事業自体には私は御迷惑をかけることはないということを申し上げたいと存じます。
  36. 古内広雄

    古内委員 いま政務次官のお答えによりますと、やむを得ずセンターになったので、そこから生ずる資金的な不便あるいは負担の増大というものは、次の起債あるいは補助の実際に出てくる場合に政府側としてもいろいろ考慮してまいるというふうな御説明だと了解していいわけでございますね。
  37. 藤尾正行

    藤尾政府委員 さようでございます。
  38. 古内広雄

    古内委員 そこで、下水道整備というものは地方自治体が主体となってやるのだ、どこまでも地方自治体の力によって、自力によってやるのが本来の姿である、ただいろいろ困るだろうから援助をしてやるということでございますが、どうなんでございましょうか、地方自治体によっては非常に力のある自治体もあるけれども日本全体として見ればそう力のない地方自治体のほうの数が多いと思うのです。しかし他方において、下水道整備するということは、日本先進国である以上はこれはなるべく早急に日本全体について実施していかなければならない問題だと私は思うのでございますが、そのような理屈からいって、地方自治体へまかしておくというようなことで、それに補助なり起債なりで援助していくというようなことで、非常に早く日本全体について先進国並みの下水道整備ができるのだというふうな自信が持てるのかどうか、あるいは持てないならどういうふうにその点をお考えになるのか、ちょっと伺いたいと思うのです。
  39. 藤尾正行

    藤尾政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、本来これは国民に対する公共環境施設でございますから、どこの自治体に対しては優遇措置を与える、どこの自治体に対してはそれを与えられないというようなことがあってはならないわけであります。したがいまして、国内津々浦々に至りますまで一気に、それが同町に同じ機能を持って整備されるということが当然よってきたるべき理想像であり、そうしなければならぬはずでございます。しかしながら、何といいましてもこれは財政資金を多額に必要といたしますし、また私どもの、これはまことに申しわけのないことでございますけれども下水道事業に当たりまする技術者といいまするものも、いまだ発足期にございまして、十二分に充足するというわけにはいかない実情でございます。センターをつくらなければならないという残念ないまの実情もまたそこに大きな根があるわけでございますから、そういった点から考えまして、御趣旨のとおりいたしたいという念願は念願といたしまして、それを順序をつけまして、できるところから財政資金の許す範囲において充足してまいるということをせざるを得ない状況にあるということを、残念ながらお答えを申さなければならない、さように考えております。
  40. 古内広雄

    古内委員 いま政務次官のお答えでいろいろわかってまいりましたが、そこで、いま技術者の問題ということに言及なさいましたのでお伺いしたいのでございます。一体、いまのこの下水道センターを発足させていく、その際にあたりまして、下水道整備に必要な技術者というものの日本的な規模における現段階の状態、どの程度技術者養成ができていて、これからの計画についてはどれだけ足らないのか。その足らない面をどんな計画でやっていかれるのか。これはもう詳しく言えば非常に長くかかりますから、ごくしろうとわかりのする程度で大ざっぱに、下水道センターをおつくりになるについての基本的なこの技術者養成についての考え方をひとつ、政府当局からでけっこうですが、お答え願いたいと思います。
  41. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 まず、下水道関係の技術者の不足状況を全国的にマクロ的に申し上げますと、私どものつかんでおります資料によりますと、四十五年度末におきますところの公共団体関係の下水道技術者の総数は約八千七百名程度でございます。ところで、今後第三次下水道整備五カ年計画ということで事業量の拡大をはかってまいるわけでございますが、この事業量の拡大に対応いたしまして技術者をどの程度確保すればいいかという推算をいたしておりますが、これによりますと、昭和五十年度までにおおむね前段申し上げました現有の三倍程度の二万四千人程度の技術者が必要じゃなかろうかというふうに推定をいたしております。このうち、従来の技術者の通常の増加ぺ−スで今後充足が期待されますのが一万三千人程度でございますので、差し引き計算で申し上げますと、昭和五十年におきましては一万一千人程度の技術者が不足するということになるわけでございます。また、この絶対的な不足数は全国、マクロで申し上げたのでございますが、具体の各自治団体の状況を見まするに、下水道技術者は指定都市とかあるいは地方の中心都市とか、そういうところに非常に偏在をいたしております。したがいまして、一般の中小都市は非常に技術者が不足している。皆無に近いような市町村が多うございます。したがいまして、この偏在いたしておりますところの技術者の状況、それから絶対数の不足というものを踏まえまして、いかにこの技術者を確保していくかということが下水道事業遂行上の一番大きな問題になっているわけでございます。この対策といたしましては、何と申しましてもこの技術者を急速に養成をしていくということが一番大事かと思います。それから、偏在しております技術者の全国的な移動的な有効活用ということも必要かと思います。この二つの要請を踏まえまして、今回下水道事業センターというようなものを御提案申し上げている次第でございます。  この技術者の絶対不足数に対しましての養成、訓練につきましては、センターもむろん中心になってやりますが、これ以外に他のいろいろな研修機関、私どもで申し上げますと建設大学校、それから建設省の認可団体でございますところの下水道協会といったようなもの、それから都道府県段階等々におきまして、そういう技術者の転換等の研修を強力に進めていくということもあわせて考えてまいりますが、一番根本はやはり学校教育の面におきまして——どうも現有の大学あるいは高専等の段階におきましても技術者関係の学校の体制が十分じゃございません。そういう方面につきましても、もうすでに文部省等関係当局に強く私どもお願いをいたしておりますが、さらにこれを強力に促進方、整備の充実方につきましても要請をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  42. 古内広雄

    古内委員 そこでちょっとお伺いしたいのですけれども日本下水道整備状況というか、普及の状況ですが、先進国といわれる国々、たとえばヨーロッパでいえばイギリス、ドイツ、フランスくらいのところと、それから共産圏の代表としてソ連くらいと比較して、あまりこまかい数でなくてけっこうですが、たとえば市街地面積に対するパーセンテージでいって、日本といま申しました国々だけでけっこうですが、比較ができればちょっと教えてもらいたいと思います。
  43. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 主要先進国との下水道普及状況の対比でございますが、この普及状況をあらわすのに、市街地面積に対しましての普及率という、そういう統計につきましては、国際統計はそうなっておりません。国際統計は総人口と排水人口というふうな統計になっておりますので、それで申し上げますならば、若干その調査年次の前後はございますが、アメリカが総人口に対しましての排水人口が六八%の普及率、それから同じくイギリスが九〇%、それから西ドイツが六三%、フランスが四〇%。ソ連がちょっといまのところ私ども資料をつかみ得ておりませんので申し上げかねます。これに対しまして、総人口対比の排水人口は日本が二一%という状況でございます。
  44. 古内広雄

    古内委員 いま大蔵政務次官がおいでになりまして、非常にお急ぎのようでございますから、質問を予定よりちょっと順序を変えて、田中政務次官に一言お伺いしたいのですけれども、先ほど主計官からもお答えをいただいたからいろいろわかりましたが、要するに、日本先進国といわれているけれども内容を見ればまだいろいろ足らないところがあり、ことにその足らないところでも下水道整備ということは最も足らないところだと思うのです。そこで今度下水道センターというものをつくる。当初政府としては、建設省としては下水道公団事業団をつくって、政府資金を直接導入できるようなことを考えたのだけれども、それはできないような状況なので今度のセンターにして、地方自治体が補助なり起債をするのをできるだけ援助してやるし、そこへいくまでのつなぎは民間から借りる。その政府保証をしてやるということになったわけでございますけれども、そのような、いわばわれわれから見れば中途はんぱなことでこの大事業を一体やりおおせるのかどうかということです。やはり日本として先進国になっていくためには、最も足らないところから重点的に充足していかなければならない。その中で先進国として最も不名誉なことは、われわれの大部分がまだ、率直に申しましてくさい便所と一緒にうちの中に住んでいる、こういうことが一番恥ずかしいことでございますが、そういう点に財政の重点を償いて、ひとつ政府資金も常々とつぎ込んで早期にこれを完成していくというようなことに関しまして、大蔵御当局、ことに大蔵の首脳部となさいましてどういうふうに考えておられるか、ひとつわれわれにお示し願いたいということでございます。
  45. 田中六助

    ○田中(六)政府委員 古内委員指摘のように、下水道利用率、そういうものにつきましては日本は全く先進国並みに達してないどころか、そういう点では非常に後進国並みでございまして、GNPが二番とか三番とかいっておる割合にすると全く恥ずかしいことでございます。最近たまたま外貨保有高も百六十億ドルをこえておりますし、国内の社会資本の充実とかあるいは社会保障制度の充実という観点から大きく発想の転換を迫られております。したがって、下水道あるいは公園、緑地、道路、こういうものを近代国家並みにする、先進国並みにするということは、私どもの至上命題でございます。財政もそういうふうに持っていくことが非常にいいことでございますので、私どもは大まかにいって、根本的にはそういう考え方で進めております。  上下水道につきましても、御承知のように四十六年度から五カ年計画を持っておりまして、四十六年度には六百六十五億というお金を計上しておりますが、四十七年度は九百八十三億という金を計上しておりまして、下水道のこれを完成しますと、現在は二十数%でございますが、利用率がちょうど三八%くらいになるという計算でございます。それでも先ほど指摘されましたフランスの四十数%に劣りますが、私どもも五カ年計画をぜひとも遂行してフランス並みにはぜひ実現したい。そうして国民の下水道利用率を高めたいというふうに考えております。
  46. 古内広雄

    古内委員 もう二、三分いらっしゃれるようでございますから、一つお願いしておきたい。  いろんな事情で事業団にならなくてセンターになりましたけれども、そこで、ただいま御決意のほどを大蔵首脳部として田中次官から言っていただいたのでございますが、センターでもしかたがない。センターの計画に従って各地方自治体で下水道整備していく場合に、起債とか補助とかの面で、ことしも大いに努力されたのでございましょうが、今後ますますひとつそういう点に重点を置いていただくように心からお願いする次第でございまして、それに対する確認のおことばをちょうだいして次官を放免したいと思います。
  47. 田中六助

    ○田中(六)政府委員 この五カ年計画を遂行するにあたりましては、どうしても地方自治体に対する起債とか補助ということに対して万全の措置をとっておかなければなりませんので、その点は私ども十分心して遂行したいというふうに考えております。
  48. 古内広雄

    古内委員 どうもありがとうございました。次官はいいです。  もう少し質問を続けさせていただきます。  そこで、いま公害対策基本法がございます。その公害対策基本法の中で最も大事なことは水の問題だろうと思うのです。この基本法に基づいて水質の基準をきめるということがありますし、そこで公害防止計画を立てて、国が基本方針を立ててて、各県の知事にそれを実施させるということになっておると了解しておりますが、この公害防止計画の立案、これを立てる場合に最も大事な問題は、要するに下水道整備であろうと思うのでございます。それで私ども聞いておるところによりますと、この下水道計画について第一次計画とか第二次計画とかがあるというふうに聞いております。私はしろうとでございますが、その辺がどういうことになるのか、ちょっと御説明願いたいと思うのです。技術的な問題でございますので、どうぞひとつ……。
  49. 冨崎逸男

    冨崎説明員 公害防止計画は、いまお話しになりました公害対策基本法十九条に基づいて、内閣総理大臣が基本方針を示しまして、都道府県知事によって策定をされております。現在第一次地域といたしまして、千葉市原、四日市、水島の三地域がすでに五カ年の計画目標をもって、四十六年度を初年度とする計画実施年度に人っております。なお第二次以降第三次、第四次、さらに本年度から第五次の計画ということで、逐次公害の著しい区域あるいは今後著しくなるおそれのある区域、これらを計画対象に選びまして、現在第二次並びに第三次がそれぞれ計画の策定をほぼ終わりまして、今後これが承認——この承認は内閣総理大臣による承認でございますが、この承認の手続に入ろうとしておる状況でございます。
  50. 古内広雄

    古内委員 そこで、この第一次計画、第二次計画、第三次計画となってまいりまして、そこでいま言われたような市、町につきまして下水道整備の計画をここまでやれということになるわけでございますか。
  51. 冨崎逸男

    冨崎説明員 公害防止計画の中身におきましては、民間事業者側が講ずべき措置と、主として公共団体が主体になって講ずべき対策がございます。その後者の公共団体が主体となってやります事業の中におきまして、いま御指摘下水道事業計画が、第一次地域の場合でございますが、七割をこえております。今後二次、三次につきましても大体同様な傾向がうかがえます。したがいまして、公害防止計画の中の公共分担に属します事業の過半は下水道事業であるというふうなことが申せるかと思います。
  52. 古内広雄

    古内委員 そこで、第一次、第二次というような計画の中で、公共関係では下水道整備が最も大事なことだということでございますが、そうすると、このように第一次計画、第二次計画、第三次計画と、それに従って最も必要な市町村についてそれが指定され、その各地区の下水道整備の計画を立てていくわけでございます。そういうように数がふえてまいりまして、それに一々、それが十分達成されるように大蔵省からも起債なり補助をもらっていくということになりますが、御当局の考えとして、一体その補助なり起債なりがこれらの計画に十分行き渡るように出るという自信があるのかどうかという第一の質問。第二の質問は、それらの計画を遂行することにその財政措置のぎりぎりまで使い果たしてしまって、それ以外の、その指定を受けないほかの市町村については、一体そういうような財政措置がなされる余地があるのかどうかということをひとつ聞かせてもらいたい。
  53. 冨崎逸男

    冨崎説明員 防止計画の現在のスケジュールで、先ほど第一次地域を申し上げましたが、第二次地域には、東京、神奈川、大阪、並びにその周辺にございます千葉、埼玉、京都、奈良という大都市圏を中心とする区域に対して計画の策定を指示し、現在計画を策定中であるということでございます。さらに第三次地域につきましても、鹿島、大分のような今後開発が進んでいく区域のほかに、名古屋周辺並びに尼崎、西宮、さらに北九州市というような大都市群が加わっております。さらに現在第四次地域について計画の基本方針策定指示の予定をいたしておりますが、この中には富士地区、播磨地区、岩国、大竹地区、大牟田地区というような工業都市等が含まれております。今後第五次地域、第六次というふうに逐次地域を指定してまいるわけでございますが、何ぶんにもただいま申し上げましたような大都市圏あるいは地方の工業都市、そういうようなものが主体になって計画の策定が進められております関係上、これに要します公共事業、ことに下水道事業の経費はたいへん膨大なものが想定されるわけでございまして、私どもも現在いろいろ計画策定について事前に協議をいたしておりますが、これに要します財源的な措置というものはたいへん問題があるところじゃなかろうかというふうに考えております。なおこれらの計画の実施にあたりましては、御承知のように国におきまして財政上の特別措置法が成立しておりまして、財政上のかさ上げ措置等があるわけでございます。そうした手段をもってできるだけ計画の実施を担保していく、こういう仕組みになっておりますが、やはり御指摘のように、全国的な視野におきまして、下水道整備という観点におきまする財源問題は一番の大きなネックになるのではなかろうかというように考えております。
  54. 古内広雄

    古内委員 ついでにちょっと伺わしてもらいたいのだけれども、私は宮城県の出身でございますが、いままで御指摘の区域には東北はあまり入っておりませんが、東北はそのうち第何次ごろに入ってきますか。
  55. 冨崎逸男

    冨崎説明員 防止計画の策定に先立ちまして基礎調査をいたします区域がございます。今年度、四十七年度からは第五次地域の地域選定に入っておるわけでございます。その中で東北ブロックにつきましても主要な地域をやりたいこのように考えております。
  56. 古内広雄

    古内委員 大体これで私の伺いたいことを伺ったわけでございますが、最後に政務次官にもう一度確認的にお願いしたい。要するに、下水道整備日本先進国となっていくためにたいへん必要なことでございますので、今後とも建設省として大蔵省を激励の上、大いにやっていただくことをお願いする次第でございます。
  57. 藤尾正行

    藤尾政府委員 冒頭に申し上げましたとおり、国内津々浦々に至りまするまで環境の改善といいますことを均てんをしていく、これが政治の要諦であろうと私は思います。したがいまして、ただいま環境庁から申し上げましたような一次とか二次とか三次とか五次というような順序をつけること自体が、まことに国民をばかにした、考え方の錯誤である、かように私は思います。しかしながら、それはそれなりに財政上の計量をかってにいたしまして、まずもってやりたいところということを役人は役人なりに考えてそのようなことを申したのだと思いますけれども、そのようなことがあってはならないのでございまして、私どもといたしましては極力私どもの総力をあげまして、全国的にそれが行き渡って、世界一の環境整備国になりまするように努力をしてまいりたいと思いまするし、誓ってそのようにいたします。
  58. 古内広雄

    古内委員 どうもありがとうございました。
  59. 亀山孝一

  60. 村田敬次郎

    ○村田委員 下水道事業センター法案について御質問を申し上げたいと存じます。ただいま古内先生の御質疑の中にもいろいろ重要問題点が出てまいったわけでございますので、できるだけ重複を避けて御質問いたしたいと存じます。  まず、下水道整備は全国を通じて現下最も緊急を要する問題点であり、そして政府としてもその促進のために十分の助成をはからなければならない、これは当然のことであろうと思います。  さて、この建設委員会におきまして、こうした観点から昭和四十五年十二月九日、下水道法の一部改正法案審議に際しまして、数項目にわたり附帯決議を行なったわけでございます。この附帯決議は、御案内のように、財政問題についての補助率、それから補助対象、それから起債の問題、受益者負担制度、それから下水排出基準についての予防効果の確保のための届出制を許可制に改めるといったような問題、あるいは水質汚濁防止を確立するためのばらばらな公害行政を改め、国は一元的な機関のもとで強力に監視指導体制を確立するようにつとめよといったような問題、それからまた水洗便所の改造義務等についての生活困窮者等に対する国や地方公共団体の助成措置等四項目にわたっておるわけでございます。そのどの措置についても、これは非常に重要な附帯決議であると思うわけでございますが、こうした本委員会要請に対して、その後政府におかれましてはどのような措置を講じてこられたか、まずその点を伺いたいと思います。
  61. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 下水道法の一部を改正する法律案の御審議にあたりまして、非常に意欲的な附帯決議がなされたわけでございますが、決議の御趣旨に沿いまして今日まで私ども措置をいたしました事項につきまして、ごく概略御説明を申し上げてまいります。  まず第一点の、現行下水道法の中の公共下水道、流域下水道、都市下水路につきまして、それぞれ補助率が定まっておりますが、この補助率を公共下水道では大幅にこれを引き上げるという決議の内容でございます。これにつきましては、御案内のとおり第三次下水道整備五カ年計画におきましていろいろ議論がございましたが、下水道につきましては補助率の問題もございますが、まず補助対象率といいますものが非常に低率でございますので、この補助対象率を引き上げるということに重点を置きまして、現行の補助対象率を五七%引き上げるということを実現を見たわけでございます。  それから次は、現行の幹線管渠とか終末処理場等限定されました補助対象を改め、地方公共団体が設置する下水道施設を、公共下水道、流域下水道、都市下水路の区別なく、すべてを対象にすること。また、補助の採択にあたっては、基準を政令で設け差別なくすみやかに措置すること、こういう御決議でございますが、これにつきましては、前段に申し上げました補助対象率のアップとあわせまして、当時までまだ未制定でございました下水道法の三十四条の国の補助に関する政令を制定いたしまして、その補助率、補助対象の範囲の明確化等をはかったわけでございます。なお沖繩につきましては、流域下水道に対する補助率の引き上げをはかりますとともに、補助対象率につきましては、公共、流域ともに一〇〇%というふうにいたしたわけでございます。  それから第三点は、国の財源負担の強化に伴いまして、受益者負担制度は検討することとし、当面、一般需要者の軽減に努力することという内容でございますが、受益者負担制度につきましては、これは採用するかどうかということはあくまでも公共団体側の自主的な判断に基づきまして、条例でこれは規定される性質のものでございます。下水道事業の推進をはかっていく見地からいたしまして、下水道の設置、管理に伴いますところの応益負担といった観点から受益者負担制度といいますものが現在採用されておるわけでございますが、私どもは、これの運営にあたりましては極力負担の公平を期してまいりますように指導をしてまいりたいと考えております。また、この制度そのものの存廃につきましては、今後の下水道整備におきますところのいわゆる地方負担のあり方、そういったものと重大な関連を持ってまいるものでございますので、これは将来の課題といたしまして、私どもも十分に検討してまいりたい、かように存じております。  それから次は、政令で定める悪質な下水を排出する者に対し、その量または質の排出基準を順守させ、事前に予防効果を確保するため、届出制を許可制に改める検討を進めるとともに、当面、届出制に対してもきびしい事前調査、改善命令等のもとで許可制とひとしい権限を地方公共団体に確保させるようにすることというふうな内容でございますが、本件につきましては、御決議の趣旨を尊重して十分私ども検討を進めてまいるつもりでございますが、当面、届け出制度運用にあたりましては、事前の審査とかあるいは適正な除害施設の設置、管理の指導等の徹底を期してまいりたいと思います。これにつきましては、すでに下水道の除害施設の設置指針というものを定めまして、その趣旨を公共団体に対して十分徹底をはかってまいっております。  それからその次は、水洗便所の改造義務に関連いたしまして、単に融資措置にとどまらず、改造費の三分の一程度を負担し、また生活困窮者に対して全額を負担できるように努力し、その助成措置をとる公共団体に対しまして、補助、融資等の十分な資金を保証するよう努力すること、こういう内容でございますが、これにつきましては、国が、従来より水洗便所の設置に対しまして助成を行なっております公共団体に対しまして、国民年金の積み立て特別融資というものを実施してまいっております。これにつきましては、四十七年度も四十六年度に対しましてかなり大幅な資金ワクを確保しております。この資金を有効に活用してまいりたいと思っております。それから、改造費に対する国の直接の補助の点につきましては、すでに公共団体が一部、この改造に対して、生活困窮者等に対しまして補助をいたしておる例がかなりございますが、これを全国的なベースで国の補助制度として取り上げるかどうかといった点につきましては、これはまだいろいろ問題があろうかと思いますので、今後の課題ということで検討をしてまいりたい、かように存じております。  以上でございます。
  62. 村田敬次郎

    ○村田委員 次に藤尾政務次官にお伺いをいたしたいと思います。  それは、現在わが国におきます都市化の進行というのは、いわゆる爆発する都市ともいわれておりまして、非常なスピードで進行しております。したがって、過密過疎といったような問題あるいは公害といったような問題、いろいろ開発のひずみの問題が顕在化をしておるわけでございますが、特に太平洋ベルト地帯、または別のことばでいえば東海道メガロポリス地帯といったような、いわゆる首都圏の東京、千葉から近畿圏の京都、大阪、神戸に及ぶ太平洋岸の地域の人口集中が実に激しいわけであります。その中で都市的な施設の立ちおくれが同時に非常に目立っておるわけでございますが、特に下水道については都市施設の、言うなればこれは目玉商品だと思います。しかるにそれは非常に立ちおくれておる。これは先ほど吉兼都市局長から各国の例をあげてパーセンテージで示されたとおりでありまして、民主主義国家というのに、あるいは先進工業国家というのに恥ずかしい日本下水道普及状況であることは次官も御承知のとおりでございます。先般内閣広報室で行ないました社会意識に関する世論調査というのがあるわけでございますが、この世論調査の中で、日常生活障害になっているものということに対するアンケートの回答が出ておりますが、東京都の二十三区、それから六大市、十万以上の都市のトップが下水道になっております。それに次いで、道路、公園、遊び場、交通機関、保育所、老人ホームなどといったふうになっておるわけでございます。都市計画中央解議会で昭和四一五年八月十四日に行なわれました「下水道整備のための方策に関する答申」の中でも、昭和四十五年度末におけるわが国の下水道の普及率は総人口に対して一八%であり、イギリス九〇%、オランダ九〇%、ドイツ六三%、アメリカ六八%に対してきわめて低く、そのため水質汚濁による公害の発生、都市の生活環境の劣悪化など深刻な社会問題を惹起していると指摘をしております。この数値は、先ほど吉兼局長のおっしゃった数値とは、調査時点その他の与件のために若干異なっておりますが、大体傾向としては一致しておるわけです。一体どうしてこのような下水道の施行が立ちおくれておるのか、このことをよく考えてみなければならないと思うのです。  アメリカではニクソン大統領が環境教書というのを発表しておりまして、まず一九七〇年の環境教書ではニクソンはこういうことを言っております。われわれの全国的な水質保全基準を満たすのに必要とされる市町村汚水処理場及び汚水遮断ラインを完備するためには、五年の期間にわたって総額百億ドルの資本投資を必要とする。このために二つの連邦援助計画を提案をしたいということで、第一が、折半出資方式によって、総額百億ドルのうち連邦負担分総額をまかなうために、一九七一会計年度に四十億ドルの支出権限が即時大統領に付与される河川浄化法を提案するというのが第一点。第二点が、全国のすべての市町村が汚水処理場建設債を売り出す機会を持ち得るように、新たに環境整備金融公庫を設立することを提案する、こういう二つの提案をしております。さらに一九七一年、つまり昨年の年頭教書におきましては、必要建設費として百二十億ドル増額をいたしまして、そして連邦政府が毎年二十億ドルずつ、計六十億ドルを一九七二年から一九七四年までの三年間に支出すべきことを提案しておるのであります。百二十億ドル、これはいまの邦貨に換算いたしますれば三兆数千億、約四兆円近くになるわけでありまして、日本下水道関係の整備計画に比べれば引当規模が大きいわけであります。また、もう一つ例をあげて申し上げますが、イギリス政府の白書「環境の保全、汚染との戦い」というのを見てみますと、十九世紀にはテームズ川の悪臭のために議会を休まねばならないほどであった。一、二年、そのテームズ川に魚が再び住みつくようになり、ロンドンのスモッグは姿を消した、というふうに指摘をしております。  つまり、イギリスでもアメリカでも、このように環境浄化のために政府として必要な措置をいろいろとっておるわけでございますが、日本の主要河川の水質汚濁の状況に関してこれを見ますと、むしろ事態は逆でありまして、年とともに悪くなっている。たとえばBOD、いわゆる生物化学的酸素要求量の値は、隅田川が一八・二PPM、それから名古屋の庄内川が二〇・一PPM、これは平均値であります。最大値になるとこれの数倍という驚くべき数値でありますが、京都の桂川が二三・四PPM、大阪を通っております大和川が三〇PPMといったように、非常にたいへんな水質汚濁状況でございまして、これは年とともに非常な勢いで増しておるわけであります。こういう状況を見てみますと、先進国に比べて日本の水質汚濁状況が非常に激しいというのは、政府の住民福祉に対する考えに方に立ちおくれがあるのじゃないか。つまり、いままでのような所得倍増的な生産第一主義から、福祉倍増的な、いわゆる国民の福祉を第一にする主義に切りかえる必要があるのではないかという時点に、はっきり立っておると思います。これは四十七年度の自民党の予算に対する意見開陳におきましても、そういったことを中曽根さんが言っておられるのでございますが、こういう下水道関係その他の都市施設がきわめて立ちおくれておるということについて、政務次官はどういうふうにお考えになるか、具体的に承りたい。
  63. 藤尾正行

    藤尾政府委員 お答えをいたします。  具体的におまえの考え方を言えということでございますけれども、私はあなたのような専門家ではございませんから、具体的にどこはBODがどうであるとかなんとかいう研究はいたしておりません。しかしながら政治家といたしまして、今日のような環境の悪化といいまするものを私どもがそのまま許しておいたんでは、これは私ども日本の国だけではございません、全世界でそうでございますけれども、地球が滅びてしまう、人間自体が滅びてしまうというような危機に立たされておるという認識は、私どもも持っておるわけでございます。そういう認識に今日にして私どもが立たざるを得なくなったというところまで環境を汚染してきたこの責任といいまするものは、私ども政治家全体が背負うべきものである。また、政治家もさようでございますけれども日本国民をはじめといたしまして、人類全体が、われわれの住んでおる地球をどのようにして浄化をしていくべきかということをもっともっと早く考えて、それに対する措置を当然やらなければならなかったにかかわらず、それをやってこなかった。これは私ども恥ずかしいことでございますけれども、私どもの選挙区におきましても、暮夜ひそかに汚物を川に投棄するような不心得者がまだおるということを私は知っております。そういうようなもとで私どもは今日の環境破壊をもとに戻していくという努力をしなければならないわけでありますから、ただ単に環境の悪化を防ぐということだけでなく、すでに破壊されたものを取り返していくということもやっていかなければならぬ。それには数倍、数十倍のエネルギーが必要ではないか、私はかように考えております。したがいまして、今日の政治の場におきまして、そのような人類に対する責任、地球に対する責任、国土に対する責任あるいは地域に対する責任といいまするものは、当然政治の基本として考えるべきであって、そういう考えの上に立って、あらゆる部面からその目的のためにアプローチをしていくという姿勢こそが今日の政治の課題でなければならぬ、かように考えております。  今日、はなはだおそくて申しわけがないのでありまするけれども日本の国の政治全体といいまするものが、これはそれだけの理由ではございませんが、まことに残念ではございまするけれども、いままで産業優先であった。いまだに産業優先である。これを、生活を中心とする社会福祉並びに公共事業を中心とする社会資本充実のために変えていかなければならぬとかいうことがいわれておる。私どもといたしましては、おそきに失しておりまするけれども、なおかつ今日でも、その目的に向かって猛烈なダッシュをかけてやっていかなければならないのではないか、かように考えておるわけでありまして、そういった目的に向かって具体的に、下水道なら下水道、公園なら公園というような、一つの環境を守る社会資本の充実、公共投資というものに対して、国土を再建していくために力をいたさなければならぬ。これは当然のことだと考えます。予算措置におきましてもまだまだ、至らない点があるわけでありますけれども、これは申しわけがないのでございまするが、技術者もまだ十二分ではございませんし、また財政全体も、経済全体との関係もございまして一挙にこれを解決するに至らない。まことに残念なことではございまするけれども、その中におきましても最善を尽くしてやっていかなければならぬというのがわれわれの任務ではなかろうか、かように考えておるわけであります。姿勢だけを申し上げまして、具体的な事実に触れられませんでしたことをまことに残念に考えております。
  64. 村田敬次郎

    ○村田委員 政府は、こうしたような現状に対処をいたしまして、下水道整備の促進をはかるために、さきに第三次五カ年計画を策定いたしたわけでございます。第三次五カ年計画は四十六年度から五十年度まで、公共下水道、流域下水道、都市下水路、特定公共下水道、予備費等に分かれておりまして、二兆六千億に及ぶものでございますけれども、この五カ年計画はその後どのように進捗をしておるか。それから、昭和四十七年度における進捗見込み及び今後の見通しといったような問題について、これはいま藤尾政務次官が触れられた原則的な問題に対して、今度は具体的な問題になってくると思いますが、お答えを願いたいと思います。五カ年計画の問題であります。
  65. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 五カ年計画の進捗状況、今後の見通しでございますが、五カ年計画は御案内のとおり二兆六千億、予備費一千億込みでございますが、これに対しまして四十六年度は総事業費で三千七百三十八億円の事業実施いたしております。また四十七年度の予算でございますが、これは予算案におきましては総事業費で三千四百十三億円を予定いたしております。したがいまして、第三次五カ年計画の四十七年度末、つまり二年度末の進捗率は、予備費を除きました総事業費に対しまして二八・六%、こういう進捗率になる見込みでございます。このぺースでまいりますと、今後の事業につきましては毎年三〇%程度の事業費伸率を確保いたしますならば、当初の計画は十分達成できるというふうに私どもは考えております。
  66. 村田敬次郎

    ○村田委員 この第三次下水道整備五カ年計画の中で特に注目に値するのは流域下水道事業であると私は思っております。伸び率から見ましても、昭和四十二年から四十六年度までの第二次計画の六倍に流域下水道だけはなっておるのでございまして、これはほかの公共下水道や都市下水路等予算の伸び率に比較してはるかに大きいわけでございます。この流域下水道事業計画の規模の大きさ、それから都道府県施行という、施行主体が市町村でなくてもっと大きいといったような点からも今後大いに期待をされる問題であると思っております。私はかつて愛知県庁で水道部長や建築部長をやっておりました関係で、こういう下水道の問題に直接触れる機会が非常に多かったわけでございますので、その意味で特に感ずるわけでございますけれども、上水道についても下水道についても、新しいきれいな川、新しいきたない川、つまり、私はこれを鉄道の新幹線にたとえて、上水道の新幹線、下水道の新幹線と呼んでおりますが、下水道の新幹線に当たるのが流域下水道ではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。この流域下水道計画に私どもは大いに期待をし、そしてまた今後の成果を見守っておるわけでございますが、この流域下水道計画の全体計画、それから昭和四十六年度までの実績、四十七年度以降の計画等について、全体計画をお伺いしたい。
  67. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 御指摘のとおり、流域下水道下水道幣備を推進していく上の機関車的な役刷りというこてとで、最も重点を置いてこの事業の促進をはかってまいりたいと私どもは思っております。下水道全体につきましての長期ビジョンということでございますが、新全国総合開発計画という政府の長期構想の一環といたしまして、下水道昭和六十年までには全市街地に完備するというふうな長期ビジョンを持っておりますが、このための投資額は、現在の試算で見ますと約二十兆円くらいというふうに見積もられております。この中で流域下水道整備といいますものが一番根幹になると思っております。したがいまして、環境基準が設定されました水域という地域を重点にいたしまして、総事業費約五兆円程度、現在の予定ではおおむね全国で九十カ所の流域下水道整備する必要があるというふうな予想をいたしております。この長期の計画を踏まえまして、現在の第三次の五カ年計画の中におきましては、先ほど御指摘になりました流域下水道関係は三千六百億円を予定いたしておりますが、それで五十年までに流域下水道に着手する個所はおおむね五十カ所程度というふうに予定をいたしております。
  68. 村田敬次郎

    ○村田委員 総事業費五兆円、それから全国九十カ所ということを承ったわけでありますが、その目標年度は昭和何年ですか。
  69. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 お答えいたします。昭和六十年を……。
  70. 村田敬次郎

    ○村田委員 今回の法案については下水道事業センター法案でございまして、この中ではいわゆる中小都市等を非常に大きな対象にしておられるように考えられるわけでございます。事実財政的にも脆弱であり、先ほど政務次官もおっしゃったように技術者も非常に不足しておる状況から見ると、中小都市に力を入れなければならないのは当然でございますが、流域下水道事業といったような数カ市町村にまたがる事業、そういったものを考えてみますると、今後の方向としては数カ市町村でなくて、さらにもっと大規模な、数都府県にまたがるような大規模な広域下水道整備が必要になるというふうに考えられる時期も私どもは予想されると思うのであります。そういったときに、今度設立をされる本センターの事業といったようなものではたして対処ができるか。またそういう数都府県にまたがる大規模な広域下水道についてのお考えというものはどうか、この際承っておきたいと思います。
  71. 藤尾正行

    藤尾政府委員 お答えを申し上げます。  御指摘のとおりでございまして、下水道にかかわらずすべてそうでございまするけれども、自分のところだけがよければいいのだというものの考え方は私は間違いであろうと思います。したがいまして、自分のところをきれいにするということは、都市だけでなされてしかるべきものではないのであって、国土全体がそうでなければならない。したがいまして、御指摘のような非常に大規模な、水系ごとに、たとえば利根川なら利根川、淀川なら淀川というふうな、大きな水系全体を処理する下水道といいまするものの制度ができていくのが当然でございまして、それに対処すべき準備措置をあらゆる面から考えてまいる、これが私は当然の考え方であろうと思います。  それに対しまして、いまの下水道センターがはたしてその機構で十二分かどうかという御質問でございまするけれども、十二分であろうとなかろうとそれをやらなければいけないのでありますから、それをやらせていくように私どもはこれを育て上げていく、それが私は政治であろうと考えております。したがいまして、現時点におきまする力がこれから将来に対しまする力ではない。これがますます育っていくということもお考えをいただいて、そのようなあらゆる措置に対して万全の対処のできるセンターに仕上げていきたい、かように考えて御審議を願っておるわけであります。
  72. 村田敬次郎

    ○村田委員 政務次官のおっしゃるのは、今度の下水道センターは、下水道事業のようなそういった大きな本来の事業実施していくための糸川であって、これからどんどんと拡大していくのだ、そして国民の要請にこたえていくのだ、そういうふうに承っていいわけですね。
  73. 藤尾正行

    藤尾政府委員 さようでございます。
  74. 村田敬次郎

    ○村田委員 流域下水道について具体的な事例を一、二お伺いをしておきたいと思います。これは私自身がタッチしておったので伺いたいのでありますが、現在全国十九水系を指定をされておるということを承りましたが、たとえば私のおりました愛知県では矢作川、境川流域下水道、それからまた豊川の流域下水道、二つの流域下水道が具体的に、矢作川のほうは昭和四十六年度、豊川流域下水道のほうは四十六年度に調査費がつきまして四十七年度から事業実施するというふうに承っておりますが、この全体計画、それから具体的な施行の計画についてお伺いをしたいと思います。
  75. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 まず矢作川、境川流域下水道でございますが、これは四十六年度から事業に着手をしております。全体事業費はおおむね千二百億円程度であります。昭和六十年度を目標にいたしまして現在鋭意建設中でございまして、当五カ年計画の最終年、昭和五十年度には一部通水が行なわれるものというふうに私どもは予想しております。豊川につきましては全体の事業費が百二十億程度でございまして、昭和六十年を目標に四十七年から事業に着手することにいたしております。これまた本計画期間中に一部通水ができるものというふうに予想をいたしております。
  76. 村田敬次郎

    ○村田委員 たとえば矢作川、境川流域下水道の関係の中には豊田市であるとか岡崎市であるとか、そういった内陸の都市が含まれております。私が愛知県の建築部長当時に、豊田市でいろいろな公営住宅その他の企画をいたしました場合に、いつも隘路になったのは下水道計画でありまして、下水道がないために汚物処理について非常に困難な点があったということをいま覚えております。それからまた豊川の流域下水道に関連をいたしましては、豊川市という市がございますが、これは内陸工業地帯としては最近非常に目ざましく伸びてまいりまして、人口約九万の都市でございます。その人口九万の都市に一つ下水道もいまだ設置をされていないという状況でございます。その隣の豊橋市のほうは、非常にこれは下水道の先進市でございまして、すでに下水道普及率も全国の都市平均をはるかに上回っておる状況でございますが、豊川市の場合は、人口九万人に近い都市で下水道もまだ全然ないといったような状況でございます。おそらくこういったことは豊川、矢作川にとどまらず、全国的な内陸工業都市、内陸都市の場合に非常に当てはまる問題ではないかと思うわけでございまして、ぜひひとつ流域下水道を今後強力に推進をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  さて次に、下水道整備の促進のためには、財源の確保とともに事業実施のための体制の整備が当然非常に必要であると思います。この執行体制についてお伺いをしたいと思うのでございますが、全国的に見て技術者も非常に不足をしておる。これは数字の拝見をしたのでございますが、指定部市あるいは十万以上の都市の場合の技術者の数というのは相当の数、現在でもあるわけでございますが、十万以下の都市に至ってはまことにお寒い次第であります。先ほど吉兼局長の御説明の中では、全国約八千七百名の技術者の中で十万人以上の都市におられる方が約七千名近いわけでございまして、したがって非常に数が多い十万人以下の都心の技術者の数は実に千八百人という、非常にお寒い状況であるということがわかっておるわけであります。また、その執行体制につきましても、次官通牒あるいは都市局長の通牒が下水道法の改正のときに出されております。これも私全部見せていただいたのでございますが、この通達等によっていろいろ執行体制の整備というものをはかろうしておられるわけでございますが、全国的に見てまだまだこれが非常に不十分なように思われます。その実情をどういうふうに考えておられるのか。また政府はこのためにどういったような施策を講ずべきものと考えておられるのか。これを伺いたいと思います。
  77. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 先刻古内委員にもお答え申し上げましたとおりでございまして、技術者の絶対数が不足しておるということと、それから執行体制の面におきましては公共団体が組織がきわめて、不十分である、弱体であるということでございます。御指摘のとおりでございます。  まず、この組織につきましては、何といいましても私どもは都道府県の下水道の執行体制の組織の強化をはかっていかなければならないというふうに考えております。ところが、下水道というものは大体市町村の事業ということでいままで推進されてまいりました沿革的なこともありまして、流域下水道で県が事業主体になってやるというふうな体制は最近の状況でございまして、非常に県の組織体制が弱体でございます。これにつきましては、たびたび私どもは都道府県知事のほうに対しまして、強くそういう組織の強化の要請をしておりますことは御案内のとおりでございます。現在、県の段階で下水道課という、そういう組織を持っておりますのが千葉、愛知、大阪、それから茨城が最近やっと下水道課が設置されたようでございます。近く滋賀県あるいは埼玉県とか、そういったような地域におきましてもそういう課という組織が設置されるという見込みのようでございます。私どもは全国的にすみやかにこれに類するような組織体制を整備するように、重ねて都道府県知事のほうに要請をしてまいりたいというふうに考えております。  それから技術者不足対策につきまして、まず学校教育からそういう体制の整備をはかっていく必要があるというふうなことを強く痛感いたしておりまして、本件につきましては昨年文部省当局並びに都道府県の教育委員会等に対しましてもそういう要請を強くいたしております。これにつきましては、いまそういう要請の結果顕著な新しい制度なり新しい講座というようなものがあらわれてきておりませんが、これは今後とも、来年度のこともございますので、重ねて要請してまいりたい、かように考えております。
  78. 村田敬次郎

    ○村田委員 昭和四十七年一月二十六日の建設事務次官から都道府県知事あての「地方公共団体の下水道事業執行体制の強化について」の通牒、それから同じく同日付の建設事務次官から自治事務次官に対して「地方公共団体の下水道事業執行体制の強化について」の通牒、これはいずれも執行体制強化について「都道府県における流域下水道事業の着手等下水道の建設及びその維持管理業務の増大、管内の下水道管理者に対する指導の徹底等に対処する必要にかんがみ、各都道府県におかれては下水道担当組織の充実等下水道事業執行体制の強化について格段措置を講ぜられたい。」という趣旨でございます。非常にけっこうでございますが、これが一月に発せられてからまだ数カ月しかたっておりませんので、現在全国的には三府県しか設置をされていないというふうに承りました。これは非常に弱体でございます。こういった全国的な要請からいうならば、閣議の席ででもこういった問題を出して、下水道の執行体制というものを完ぺきにする必要があると思うくらいでございます。  それからまた技術者の養成のために、建設大臣官房長から文部大臣官房長あてに昭和四十六年十一月十一日付で「下水道工学関係学科目等の充実について」の依頼状を発しております。これもやはり公共用水域の水質保全のため、下水道整備が緊急の社会的要請とされていることにかんがみて、執行体制の整備要請し、そして下水道工学関係学科目等の充実を文部大臣のほうに依頼をしたものであり、また四十六年十一月二十日付で建設省の下水道部長から各都道府県の教育長あてに同趣旨の、工業同等学校における関係科目の充実についての配慮方の依頼が出ておりますし、それからまた同じく下水道部長から国立大学協会、高専協会、公立大学協会、日本私立大学協会あてに、四十六年十一月二十日付で「下水道工学関係学科目等の充実について」の依頼が出ておるわけであります。これは当然昭和四十七年度からのそういった科目の充実を要請したものだと思われるわけでありますが、きょうは文部省の担当課長もおいでになっておられるようでございますが、こういった建設省からの通牒に対して文部省はどういう措置をされたか、それからまた今後はどういうふうにしていかれるおつもりであるか、承っておきたい。
  79. 角井宏

    ○角井説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘下水道関係学科と申しますと、具体的には大学では上水道工学あるいは下水道工学あるいは水質管理工学ないしは衛生工学といったような講座でございます。これらにつきましては、御承知のように大学側からの要求に基づきまして文部省といたしましては設置を計画いたすわけでございます。十一月の段階におきまして建設当局から文部省のほうに確かに御要請をいただきまして、私どもといたしましてもこの面で人材養成には十分御協力を申し上げる必要があると考えておるのでございますが、何ぶんにもそういった時日の関係もございまして、四十七年度に実現いたしましたものといたしましては、宮崎大学の土木工学科に衛生工学の学科目を設置するというようなことにとどまったわけでございます。なお、こういった関係の学科といたしましては、衛生工学あるいは水工土木あるいは土木工学といったような学科がございますが、これらは今日定員で申しますというと大体四千五百、六十九学科、国公私立でございます。これらの学科の整備につきましては今後とも格段に御指摘の点を配慮いたしまして、整備をはかりたいというふうに考えております。
  80. 村田敬次郎

    ○村田委員 その御説明はちょっと抽象的過ぎてどうもよくわからないんですが、きょうは久保下水道部長おいでになっておられますが、下水道部長は専門家として、これは具体的にどういうふうにしていったら技術者の確保というものが十分はかられるか、何か具体的な御意見を承りたいと思います。
  81. 久保赳

    ○久保説明員 お答えいたします。  やはり技術者の問題は、ただいま文部省から御答弁がございましたが、学校教育の課程がまず第一であろうかと思います。これにつきましては引き続き文部省にもお願いをし、あるいは全国の大学なりあるいは、工専なりあるいは工業高校なりという分野でその学科目の強化をはかっていく。昨年の十一月に要請をいたしましたので直ちにその効果が即効的に出てくるというものじゃございませんけれども、それを第一にしてまいりたいと思います。  それから第二の問題は、これは下水道技術者と申しましてもいろいろございまして、土木工学の分野もございますし、あるいは機械とかあるいは電気、さらには化学——水質の分析あるいは処理ということになりますと化学とか生物学とか、かなり広い分野にわたるものがございます。土木工学の分野におきましては、これは一般土木あるいは農業土木、これらの分野でいままで知識経験を得てこられた方に下水道の知識を、講習会あるいは短期間の研修会等を通じまして、下水道技術者としての基礎的なことを訓練することによって比較的容易にこれは再教育ができるかと思います。したがいまして、そういう分野の方々におきましては、既存の研修機関がございますから、たとえば建設大学校であるとかあるいは下水道協会等の研修会、これらを通じましてそれをさらに強化していくということもございます。さらに非常に専門的な研修になりますと、ただいま御審議をいただいております下水道事業センター、そういう中で非常に実務的な研修を繰り返していくという努力を継続的にしていくことによって、技術者の層を厚くていしかなければならぬ、かように考えるところでございます。
  82. 村田敬次郎

    ○村田委員 この人づくりの問題、特に技術革新といわれておる時代に、私は日本の教育制度自体の問題だと思いますが、いわゆる工学部、医学部、そういった理工科系統の人材の養成が非常に不十分であって、そういったことに対する政府努力がまだまだ不十分であると思います。文部省もきょうは担当課長がおいでになっておられるわけでありますが、ひとつこういった下水道部門——きょうはは下水道事業センター法の審議でございますから、下水道部その他いわゆる理工科系の充実についてはひとつ格段の配慮をお願いするように、文部省の上司のほうにもよく御連絡をとられて、特に具体的な措置を今後御検討いただきたいと思います。  次に進みます。これは政務次官にお伺いをしたい。新しい都市計画法による市街化区域の指定状況の問題に関連をするわけでございますが、新都市計画法の施行というのは、いわゆる市街化区域、市街化調整区域といった二つの区域を区分することによって、市街化区域に指定をされた地域については下水道をはじめとする都市施設を整備していかなければならないといったような具体的な目標があると思うのでございます。そういったことに関連をして、新都市計画法による市街化区域の推定が行なわれたわけでございますけれども、これは当初約八十万ヘクタールくらいを全国で予想したわけでありますが、その後それが、非常に各地域からの要望がありまして、現実には百二十万ヘクタールになったというふうに聞いておりますが、この指定状況、これについてどうなっておりますか、まずそれを承りたいと思います。
  83. 藤尾正行

    藤尾政府委員 お答えをいたします。  そういう問題につきましては、もし数字に間違いがございますといけませんから、その数字の点につきましては係官から御答弁をさしていただきますけれども、大体私ども承知をいたしておりまするところによれば、四十六年度末におきまして四十六都道府県の七百数十市町村に対しまして指定を完了いたしておる。したがいまして、全都市に対しましてその指定状況の割合は九三%くらいであるというように承っております。しかしながら数字に間違いがあっちゃいけませんから、その点はひとつ役人から御確認をいただきたい。
  84. 村田敬次郎

    ○村田委員 都市局長、補足がございますか。
  85. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 現在市街化区域の設定作業を進めております市町村は約七百九十でございまして、この関係市町村の市街化区域の面積は約百二十万ヘクタールになるものと見込んでおります。それで現在までにいわゆる線引き作業が完了をいたしておりますのが七百三十三市町村でございまして、これは全対象の市町村の七百九十に対しまして九三%という進捗状況でございます。
  86. 村田敬次郎

    ○村田委員 せんだっていわゆるA農地、B農地、C農地の課税の問題、これは三月に非常に大きな政治問題になったわけでございますが、この市街化農地の宅地並み課税の問題に関連をして、私は地方行政委員会で自治大臣に御質問を申し上げ、そうして政府としては、佐藤首相あるいは自治大臣が答弁されておるように、この市街化農地の宅地並み課税の問題については既定方針どおり、四十七年度から実施するという方針を貫くべきであるということを申し上げまして、結果的にはそういうふうに落ちついたわけでございます。そのときにいわゆる市街化区域の農地問題につきまして、現在市街化区域として指定すべきでないところが市街化区域になっておったり、あるいは市街化区域として指定すべきところが市街化調整区域になっておったりしておる事実があるのではないかということを、実は建設省の都市局の大塩参事官をお招きをして伺ったわけでございます。この線引き作業が非常に不徹底であるためにこういった税制の混乱等の問題もあるいは出てくるという理由が一つあるのではないか。これは当然、下水道事業等のような都市施設を行なう場合に、市街化区域、市街化調整区域が正確に行なわれるということは必要な前提条件でありますから、この調整区域、市街化区域の指定作業というものは予定どおり行なわれておるか。それからまた、最初正しいと思われておっても、その後の地域開発の進行の事態のために変更を要する面があるのではないか、そういった点についてのお考え方は、政務次官、いかがでございますか。
  87. 藤尾正行

    藤尾政府委員 まあ人間のやることでございますから、時代とともに変わっていくということは十二分にあり得るわけでございまして、そのときはそのときの国民の皆さま方の御要望に応じて、ここは市街化区域にしてもらいたい、ここは困るというようなことで私は線引きを進めておったと思います。しかしながら課税その他のいろいろな要請が別途出てまいりまして、それをあわせて考えてみると、ここは困る、ここは新たにしてもらいたいというような御要請が出てくるのは当然でございまして、そういった当然の御要望に応じて線引き自体も変えていくということが政治の機動性というものであろうと私は考えます。したがいまして、そのときそのときの必要に応じて変えていく、当然のことでございまして、私どもといたしましては、五年に一回しかやり直しはしないとかいうような固定したものの考え方、ワクをはめた考え方はできるだけ避けて、その運用の面でできるだけ親切に、できるだけ実態に合うようにやっていく努力をしていかなければならぬのではないか、かように考えます。しかしながら原則は原則でございますから、原則は原則として打ち立てていく。当然のことでございますから、これを併用して運用してまいるつもりでございます。
  88. 村田敬次郎

    ○村田委員 非常に明快な御答弁でけっこうです。新都市計画法の第六条に——いま政務次官は五年ということを言われたのですが、それはこれを踏まえておると思います。都市計画に関する基礎調査につきまして、新都計法の第六条は「都道府県知事は、都市計画区域について、おおむね五年ごとに、建設省令で定めるところにより、人口規模、産業分類別の就業人口の規模、市街地の面積、土地利用、交通量その他建設省令で定める事項に関する現況及び将来の見通しについての調査を行なうものとする。」こうなっておりまして、線引きは五年ごとに変更されるのが原則である。これはいま次官も御指摘になったように、また私も指摘を申し上げましたように、地域開発というのは、地域によって発展のバランスが当初計画とズレがくるのは当然でございますから、それを変えていく努力をせられるのは当然のことでございます。その場合に、五年たたなければやらないというのはいけないことで、たとえ一年でも二年でも、これでは困る、現況が非常に不十分であるという場合には、あやまちを改むるにはばかることなかれで、さっそくやるほうがいいじゃないかというふうに考えます。大塩参事官も地方行政委員会における私の質問に対しまして、その変更の理由によりましては直ちにやるべきもの、あるいは二、三年内に直せばいいようなものというようなことがあろうかと思いますが、ひとつ線引きの変更を十分検討したいという答弁をいただいておるわけであります。政務次官、そういうふうに間違ったところ——間違ったという指摘はどうかわかりませんけれども、妥当でないところについては、線引きを五年たたないでも、一年でも二年でも変えていく御方針であるというふうに了解してよろしゅうございますか。
  89. 藤尾正行

    藤尾政府委員 そのように指導をいたしておるつもりでございます。
  90. 村田敬次郎

    ○村田委員 今度は具体的な法案自体について承っておきたいと思います。  下水道事業センターにつきまして、地方債の資金、長期借り入れ金の金利、それから地方公共団体の年賦返済期間、こういった問題についてどういうふうに考えておられるかということであります。自治省で調べたところによりますと、下水道についての起債というのは相当優遇されておるのは事実であります。たとえば上水道、下水道、電気、高速鉄道については六分五厘——これは預金部資金それから郵政省の資金、簡保資金から見ますと六分五厘というものは一番安い金利であろうかと思いますが、五年据え置きの三十年償還というのが例になっておるようでございます。しかしほんとうは、上水道や下水道のような施設には、六分五厘、三十年という程度の恩恵ではなかなかもって事業の実益、実効性が期し得られないというふうに考えるのでございますが、この問題についてどういうふうにお考えになりますか。
  91. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 下水道センターの長期借り入れ金の金利、公共団体の年賦返済の期間はどうかというお尋ねでございますが、これは先ほど私どものほうでお答え申し上げましたように、センターが公共団体の委託を受けまして、受託工事で事業をやります際の立てかえ資金ということを予定いたしておりまして、その立てかえ資金を調達するための長期の借り入れの権能を認めるということでございます。センターが調達いたしますところの借り入れ金といいますものは、現在のところ政府の低利資金の導入を予定いたしておりませんで、民間の一般資金の借り入れということになろうかと思います。その際の借り入れ金の金利等でございますが、金融情勢の変動等によっていろいろ差があろうかと思いますが、現状におきましては政府保証、公共団体保証で大体七分程度の資金が確保できるのではないか。その資金によって二年程度の分を立てかえまして、当該年度は公共団体からの補助金なり調達されました起債資金が出されますが、翌年度は翌年度の補助金なり地方債の資金等で返済していただく、そういうしかけになろうかと思います。
  92. 村田敬次郎

    ○村田委員 そういたしますと、センターの借り入れ金は七分で二年立てかえということで、これは相当きびしい金利になると思います。県の企業局等で埋め立て事業をやったりいろいろな事業をいたします際には七分二厘、七分三厘というような金利があるのでございますが、下水道事業といったような公共的なもので七分というのは私は高過ぎると思うのでございます。民間資金の場合は七分でも一番安いほうの金利かもしれませんが、そういったことでやっていけますか。それとも、今後、それが十分でないとすれば、もっともっと金利を下げるように、あるいは政府資金を導入していくように考えることが必要ではないかと思うのでございますが、それについてのお考えはいかがですか。
  93. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 センターが借り入れ金をもって立てかえ事業をやるということでございますので、センターの経理上当然その金利負担については、公共団体側から立てかえ工事資金とともに返済していただかなければならぬということになるわけでございます。   〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕 公共団体側からのメリットといいますと、事業を一年なり二年なりそういうふうに繰り上げて施行するということは早期事業効果が期待できる、一括発注することによりまして全体の工事費等のコストダウンもはかられるというようなこと等から、若干の程度は金利の埋め合わせがつくのではないかというふうに私どもは思っております。したがって、こういう仕組みでセンターを発足させることは、下水道事業の施行上そう支障はないというふうに判断をしております。しかしながら、これは運営をした上におきまして、今後の問題としまして、公共団体とセンターとの関係につきまして先刻来御議論ございましたように、やはり政府の低利資金を入れなければならぬというふうな事態になることもあろうかと思いますので、これは今後の運営の状況を見ながら適切な措置を講じてまいりたい、かように思っております。
  94. 村田敬次郎

    ○村田委員 その資金の問題に関連してもう一つただしておかなければいけないと思うことは、昭和四十六年十一月十日付の建設費都市局長、つまり吉兼局長さんから各都道府県知事、指定市の市長にあてた「下水道法の一部を改正する法律の施行について」という通達がございます。これは局長、御存じですね。その通達の中に、第二章の二、流域下水道及び三十一条の二の関係でこういうことがきめてあります。流域下水道を建設をする際に、「当該都道府県の負担額は、その建設に要する費用については、従来どおり当該費用から国費を除いた額の少なくとも二分の一以上の額、その維持管理に、要する費用については、当該費用のうち関連公共下水道管理者が使用料として利用者に負担させるべき額、使用料の徴収状況等を勘案し、当該都道府県と関係市町村とが協議して定める額とされたい。」こうなっておるのでございますが、実はこの一片の通牒で府県と市町村と相談してきめよというのは、これは私はあまり妥当でないのじゃないかと思うのです。というのは、経費の分担の問題について最近では府県と市町村との間にいろいろと意見の食い違いがございます。しかも現在は、基本的地方公共団体である市町村が財政力が乏しいというのは天下公知の事実でございますので、こういったような基本的な都市施設の建設について、流域下水道の分担金等について県と市町村とが協議をしてきめなさいということは、これはいささか乱暴に過ぎると思う。できるだけ国がたくさん考え、そして都道府県がたくさん考えてやるというのが筋であろうかと思いますが、これについて都市局長はどういうふうにお考えになりますか。
  95. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 この流域下水道という制度が先般の改正法律制度化されたわけでございますが、公共団体の中でも都道府県が流域下水道事業をやるというふうなことになったわけでございます。そこで下水道法全体の体系のバランスから公共下水道は市町村が施行したい。それから流域下水道、公共下水道の根幹的なものを流域下水道として県がやるということになりますと、やはり県と市町村との間の費用負担関係の均衡というようなことが当然出てまいるわけでございます。公共下水道だけやる市町村は補助金以外のものは全部持たなければならぬ。流域でやるものについては県が主体になって、極端に言いますと、県が裏負担を全部持てば関係の公共団体は一文も持たなくてもいいということになりますといろいろ問題があろうかということから、私どもは一応の国の指導方針としまして、法律上は関係公共団体の間の協議になっておりますが、一つの目安としまして御指摘のありましたような都市局長の通達を出したわけであります。これはあくまでも一つの指針でございまして、具体的には関係の公共団体が話し合ってやるということであって、これは決して強制するとかそういう気持ちはございません。
  96. 村田敬次郎

    ○村田委員 できるだけその点をいま局長のおっしゃいましたように、市町村の過度の負担にならないように十分に考慮して運営をしていただきたいと思うのです。  それから、この下水道事業センター技術者のプール機関だといわれておるわけでございますが、このセンターに対する技術者供給源は、先ほども数字を申し上げましたように、分布状況から見ますと大都市またはこれに準ずるような比較的大規模な都市、これらから人的な援助を受けないと本センターというものは成り立っていかないのじゃないかと思うのです。さしあたり四十七年度における本センターの職員数、それからその供給源といったような問題についてどう考えておられるか。それからまた、この法案において特に国及び地方公共団体がこのセンターに対して人的及び技術的援助をするなど必要な配慮を加えることを規定をしておるわけでございますが、国または地方公共団体の職員がこのセンターの職員となる場合の身分保障、これは公務員が他の機関に転出かする場合の一番基本的な問題だと思うのです。そういう身分保障の問題について特別措置を考えるお考えがありますか。
  97. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 センターの四十七年度の発足にあたりましての職員構成は大体六十名程度、うち技術者が五十名程度というふうに予定しております。この技術者をどこから確保するかというふうなお尋ねでございますが、先刻来いろいろ申し上げておりますように、現状におきましては比較的大都市地域においては技術者がかなりおります。国もむろんでございますが、そういった国及び大都市地域の公共団体から技術者を派遣していただくというふうなことにいたしております。発足当初の先刻申し上げましたような規模の職員数につきましては、協力いただきまして十分確保できるというふうに私どもは予定いたしております。  ただその際に、御指摘のように地方公務員とこういった国の関係の認可法人との身分関係について、やはり特別な措置をしなければならぬというふうなことがあろうかと思います。これにつきましては法案の策定段階におきまして、人事院を含めまして関係当局と十分話し合いを詰めまして、大体の方向としましては、退職金並びに年金関係がおもでございますが、そういう点については身分が通算できるというふうな制度が確保される見通しでございます。退職金につきましては、身分が続きますので、ずっとセンターに派遣されて、またもとの公共団体に帰った場合に前後通算される。それから年金につきましても同様でございます。ただ、他の類似法人に対する措置と同様に、センター在職期間は二分の一で計算されるというふうなことになろうかと思いますが、要は身分が全部続くということに非常に大きなメリットがございますので、そういう点からりっぱな技術者が、しかも若手の優秀な人が確保できるというふうに私ども思っております。
  98. 村田敬次郎

    ○村田委員 私にいただいた時間は一時間でございますが、若干これを超過いたしまして申しわけございません。特にお許しをいただいた次第でございます。  最初に申し上げましたように、下水道整備というのは近代国家にとって最も重要な問題であって、しかも日本が最もおくれておる問題である。先ほど総理府の世論調査の例を申し上げましたが、そのほかにも東京都の世論調査、都政に対する都民の要望という、ことしの一月に調査をした東京都の世論調査の数字を持っておりますが、その中でも都民の要望項目はやはり住宅対策、都市公害対策、物価等の消費者対策、交通対策、公園、緑地整備の計画促進、それから下水道整備といったようなものが最もトップクラスに入っております。また横浜市長に対する投書の内容を集計をした結果というのが出ておりますが、昭和四十六年度の投書の内容で見ますと、下水道道路舗装と保育所がやはり圧倒的に高いという数字を示しております。こういった世論調査をいろいろ調べてみましても、下水道に対する要望というものがきわめて高い。そしてそれはまた日本下水道行政がきわめておくれておるということでもあるわけであります。由来、これほど都市化が推進しておるときに、きたないものの整理をするのが都市行政の根幹だと私は思うのでございまして、その根幹を忘れておって近代国家であるとか福祉国家であるといってみても、これはあまりにもアンバランスが激しいということになると思います。政務次官の先ほどの御答弁でもございましたが、いわゆる高度成長政策から高福祉政策に切りかえる新しい時点に来ているのがいまの国政のポイントであると思いますし、その高福祉政策の中でも下水道事業というのは特に目玉商品といってはばからないと思います。これは建設省のような総合的な建設の計画推進、あらゆる手足を持った官庁で総括をされていかれるということは非常にけっこうであります。ただともすれば建設行政というものは縦割りになりまして、たとえば厚生省であるとか、経済企画庁であるとか、大蔵省であるとか、自治省であるとか、そういった他の官庁との協調という問題を失いますと、せっかくの下水道事業が財源の問題その他の問題で行き詰まることも予想されるわけでございまして、われわれ建設委員会としてもこの下水道事業の促進のためには十分全力をあげてやっていかなければならないと思うわけでございますが、ぜひ政府におかれても大いにこの下水道事業に力を入れられて、今後最重点政策の一つとして、五カ年計画の修正とか、いろいろ具体的な私ども指摘をいたしましたこまかい問題点についても微細な検討をしていただきますように、そして最も早くこれが推進することができますように、諸種の御勘案をいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わらしていただきます。
  99. 天野光晴

    天野(光)委員長代理 次回は、来たる七日金曜日午前十時委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時一分散会