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西宮委員 ぜひとも厳重に
注意してもらって、私、昨年の予算
委員会で取り上げた二・四・五Tが今日使われておらないということはけっこうなんだけれども、あれはずいぶんみんなが
林野庁に迫って、あれは使わないようにということをずいぶん各方面から訴えたわけですよ。当時はなかなか
林野庁もそれには耳をかさなかった。しかしいまになってみると、やはりその薬が悪かったのだ、こういうことがいま反省されておるわけであります。私は、一ぺんそういうことをやってしまうと、
あと取り返しのつかないことなんだから、ほんとうに新しい薬を使うというような場合には、慎重にも慎重を期すということが絶対に必要だと思う。あそこで、
坂下で使われておるのは塩素剤なんですね。やはり
あとであれはぐあいが悪かったのだというようなことになって、
あとから反省されるということになっては、これはたいへんなことなんです。とにかく、いずれにしてもなるべく薬剤で除草したりその他こういうことを極力避けることが私は一番いい
方法だと思うのです。人間の力でやるということが
原則でなければならぬというふうに考えるわけです。
だんだん時間がなくなりますから、もう少し伺って終わることにいたしたいと思いますが、こういうふうに見てまいりますると、私は、今日、
日本の山野を荒らしておるもの、あるいは国土を荒廃さしておるもの、これは一見すると、たとえば山にすばらしい観光道路ができるとか、あるいはまた住宅地ができるとか、そういうことで緑の山野が荒らされておるというふうに外見的には見えますけれども、それ以上に、さらに国土を荒廃さしておるものは、こういう
林野行政の不手ぎわだ。つまり、もうこれからはやらぬのだという話だけれども、その大
面積の皆伐をやるとか、
あと地の植栽が不徹底であるとか、そういうことでその国土が荒らされておるということのほうが、実をいうと、国土の荒廃という問題では、そのほうがはるかに広範囲な、また根本的な問題だと思うのですよ。そういう点を徹底的に反省をしなければならぬと考えるわけです。しかもこの
森林のになっておる使命は、国土の保全、水資源の確保あるいは大気の浄化というような問題があるわけですね。さらに
森林資源を確保するということが当然の本来の仕事でしょうけれども、それ以外に、国土の保全とか水資源の確保とかあるいは大気の浄化とか、これは
総理大臣の演説の中からとったことばですけれども、そういう任務を持っておるというのであれば、こういう任務を
国有林がになっておる——もちろん
国有林だけではありません。民有林も公有林もひとしくになっているわけだけれども、
国有林もになっておるというのであれば、その
国有林の木を切って、その金でまかなうということ自体が、全く矛盾というかナンセンスというか、私は、
国有林の木を切ってまかなう、それで黒字だ
赤字だといって議論をする、そういう筋合いのものでは断じてないと思うのですよ。これは
林野庁長官に言うよりは、むしろ
農林大臣なり、ないしは大蔵
大臣、
総理大臣に聞いてもらいたいことなんだけれども、私がいまあげたような、きわめてわれわれ国民の生活にとって必要不可欠な、あるいは生存にとって必要不可欠な国土の保全なり水資源の確保なりあるいは大気の浄化というような問題等は、これは国全体の責任において負担すべき問題です。それを無理やり
特別会計というワクの中でこれをやろうとするところに問題が起こる。私は、質問を終わりにいたしますけれども、いまの点は、これは
林野庁長官として予算要求等の際にぜひ強調してもらいたい。
答弁を求めません。なぜならば、これは
答弁を要求するとすれば大蔵
大臣その他に求める問題だと思うので、長官には
お尋ねをいたしませんから、そのかわり、そういう点を踏んまえて、ぜひがんばってもらいたいと思います。
長官に
お尋ねをしたいのは、そういう無理やりに独算ということを強化するあまり、たとえば請負にしてなるべく手を省いていく、こういうために、請負機関が次から次へと下請に回す。部落の人たちに最後はまかせてしまう。こういうことで責任がなくなってしまう。さらにまた途中で何段階にも分かれて、ピンはねがされる、こういう点が問題であります。
さらに、もう
一つは、そういう
林野庁の末端で請負しておる機関は、ほとんど例外なしに
林野庁の職員の退職した人たちがつくっておる機関です。もちろん
林野行政の
管理職の立場にあった人の機関でありますけれども、これが大半であります。そういうことになると、いわばそういう退職者のための救済機関としてこういうものがあるというふうに見られてもやむを得ないのではないかというふうに考えるわけです。私は、そういうやり方はきわめて不健全であり、かつ不
経済でもあるというふうに考えるわけであります。その点についてどうですか。