○大出
委員 時間がたいへん短うございますから、言いたいことはたくさんございますが焦点をしぼります。
そこで、
総理、また
外務大臣、
防衛庁長官おいでになりますけれ
ども、「
アメリカの
政策とアジアの安全保障」と申します、一九六八年、四十三年でございますが、ここでお書きになりましたフレッド・グリーンの著書をお読みになったことございますか。どなたかあったらお答え願いたい。――
大臣に聞いておるのです。ほかはいいです。――どうもどなたもお読みになってないとなりますと、先ほど来二、三度グリーンに触れた御
発言があり、やりとりがありましたが、お読みになっておらぬでお答えになっているというのはどうも奇妙な現象で、それじゃ
総理、やはり
ほんとうの論議はできませんよ。
総理はしゃあしゃ
あと、私がここに立っているのだからと言って、みごとに私はだまされた。
櫻内委員長に私は
沖繩返還協定特別
委員会で、まさか強行採決をやるまいと思ったところが、さっき御
質問なさった
青木さん、あなたのみごとなる連係プレーでここにいる二人ともみごとにだまされた。
外務大臣、あなたに私は昨年の十二月七日に三億二千万ドルの問題で
質問をいたしました。私のほうは愛知・マイヤー
会談等についての議事録を持っている、
資料を持っている、だから私のほうから出させることでなくて、
外務大臣、あなたのほうからお出し願いたいということを十二月七日に横路君の
質問に関連をして私は聞いた。あなた、何と答えたのですか。この間私、時間がなかったから言わなかったけれ
ども、御指摘のような会議の性格でございますから、いま
お話しの議事録はもとよりのこと、メモもとっておりません、すべて口頭でございますとあなたはゼスチュアを加えて、そういうものはしたがって一切ございません。一切なかったはずならば出てくることはないんで、
一つも
秘密騒ぎをすることはない。みんな出てきてしまう。私は、だからお答えをいただくにあたって、何にもあなたはお読みになっておらぬで答えるというのはこれはいかがなものかと思うのです。ただ状況説明は明確にしておかなければ困る。そういう
意味で申し上げますが、私ここに「
アメリカの
政策とアジアの安全保障」なるたいへん分厚いフレッド・グリーン氏の著書を持っている。これは曽祢先生から先ほど
お話がございましたが、一九六八年と申しますと、六五年の時代のMLF問題については一応決着の方向に進んでいた時代、それを踏まえて三年たっている。この時点で、しかもこのフレッド・グリーンという人はどういうことをやっておった人かといいますと、この著書に書いてある。一九六六年に――この著書をお書きになったのは六八年でございますから、六六年の中ごろに、この方は教授をやっておられましたけれ
ども、国務省の
政策担当スタッフで国務省に入っておいでになった。ここにございますが、国務省の情報
調査局に入っておられた。で、アジア太平洋部なるものを担当されていた時代であります。ここで、このみずからのやってこられた形の中でこの著書をお書きになっている。だから明確に、この表題からそうでございますが、
アメリカの
政策――中身もそうでございます。「
アメリカの
政策とアジアの安全保障」こうなっている。
そこで、この中にございますものを二、三点申し上げて明確にしていただきたいのですが、この中身は四四七ページにございますが、「西太平洋」という部門でございますけれ
ども、この中で「さきに
核兵器問題を論じたときに、われわれはひとつの
結論を下した。」
アメリカの
政策という
意味の
結論です。「われわれはひとつの
結論を下した。その
結論は、
日本は、
アメリカとの同盟
関係を継続させるための代償をワシントンに求めるだろう。」というところから始まりまして、核の問題に触れている。中国の核の脅威が非常にふえてくる、そうすると
アメリカが一部の
核兵器を供与するということを将来
日本が
アメリカに求める、そういう場合をグリーン氏はここで予測している。「われわれはひとつの
結論を下した。」これは一人じゃないですよ、
政策担当ですから。ここから始まりまして、「前にこの問題を論じた際、」つまりさっきのわれわれが
結論を下したときの話だ。「われわれは
日米間の
海軍BLF(二国間核戦力)の可能性を指摘した。これは、
日本は核問題に参画するが、管理権をもたないという解決策である。」いまの
海軍長官電報と一緒です。「管理権をもたないという解決策である。だが、この場合にも、そのような艦船が、」艦船ですよ、艦船の核は三国間管理だ、管理権は
アメリカにある。「果たして制約された基礎、あるいはもっと全般的な基礎に基づいて、
日本の港湾を使用することができるのかどうか、という問題がいぜんとして」これは
日本と
アメリカが話し合って最後まで「残るだろう。」と予測をしている。「また、この種類の問題は、
日本が自国の国防のために、重大なリスクを冒す用意があるかどうかを、」これはそうですよ。いまこの席上だって
総理はやめるやめないという問題まで論ぜられているのでしょう。
楢崎委員に対して、
ほんとうならば
総理の問題になるのだけれ
ども、うそならば
質問をした
楢崎委員の
責任問題まで皆さん論じているのでしょう。大きなリスクを伴うと、これも予測している。しかしこのことは、つまりBLFを
日本に求めることは「もっとも基本的な次元で、」これらのつまり重大なリスクに関する問題を「ためすことになろう。」重大な
発言です。重大な
内容です、これは。
ここから始まりまして、もう一点だけ、この点申し上げますけれ
ども、BLFは
沖繩の返還にからんでいることまでここに書かれている。ちょうどこれは
佐藤・ニクソン
会談の時期に近づいている。ジョンソン
会談等が行なわれている。そこでここに明確になっておりますのは、「BLFを創設し、
日本の港を自由に使用させる。
日米安保条約を長期間延長する。以上のことに
日本政府が合意すれば、その代償に
沖繩の施政権を返還しても、
アメリカにとって、安全保障の面で公正な取引きとなろう。」ここまで明確にしているのですね。いいですか。ここまで明らかになっているものを――まだ
資料はほかにありますが、時間がありませんから、BLF問題はこれ
一つだけにしぼりますが、ほかにもBLF問題が出てくるのがあります、
アメリカの
政策として。ここまで明確になっていて――かつて私は、 エコノミストに書いてある人の論文に引用してありましたから、当時、私はこれを読んで
国会で
質問した経験がある。にもかかわらず、
外務省はじめ皆さんは、
江崎長官もそうですが、
アメリカ側はその
構想もない、このことをあなた方はまるのみして新聞にものを言っておられる。私は、これはたいへん不見識きわまると思うのです。マクロスキー情報官の説明は、
構想もない、全くない。それをあなた方は受け売りしてものを言っておられたんじゃ、何のために私
どもはしからばフレッド・グリーン論文に触れてかつて論議したのか、これはわからぬ。どんどんあなた方はお変わりになるからそういうことになる。この点について、しかとあなた方は、この
構想は
アメリカの
政策の中にないということを言い切れますか、承りたい。