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石川委員 一応
説明でわかるのですが、
日本の場合に、御
承知のように
原子力基本法というものがあって、公開の原則が守られなければならぬ。二、三日前に私は
原子力研究所へ行ってまいりまして、事故があってもほとんどもう表に出すまい、それから
原子力の安全性についてのいろいろな疑義が出たり、それに異議をはさむ学者があれば、その意見が表に出ないように出ないようにと徹底的に封じ込んでいるという傾向があることを見てまいりまして、私は非常に慨嘆にたえないのです。そこへ持ってきて、また商業上の秘密とかなんとかというふうなものがふんだんに出てくる。新聞の切り抜きですら
外務省ではマル秘にしているような状態です。そうすると、全部これは
原子力の
関係もマル秘、マル秘でもって押えられてしまうのじゃないかという非常な危険を私は感じているのです。この件は、
原子力基本法の公開の原則は一体どうなんだということについては、またあらためて
質問することにして、きょうはこれ以上その点については申し上げません。
それで、ほんとうはまだまだ聞きたいことがたくさんあるのですけれども、時間が非常に制約されておりますので、先を急ぎまして、核防
条約の
関係――わが党ではまだこの核防
条約に賛成という態度にはなっておりません。批准するかどうかということについては、これから
検討を要する問題がたくさんございます。
一番問題なのは、核軍縮あるいは
核兵器を廃棄するということについて、
アメリカとソビエトはそれぞれ
責任を感じ、これを明文化するというようなことになっておらないで、自分のところだけは見せない、ひとつの国だけは査察をするという、こういう不遜きわまる態度に対してはわれわれどうしても納得がいかないということで、実は
海外におととし行ったときも各国を回ってこの
趣旨を徹底して説きました。実はソビエトへ行きましたとき、
外務省で頭から、なぜ
日本は批准しないんだというふうな言い方をされました。それで私は憤然として、一体こんな身がってなことがあるか、大体あなたのほうは、自分のほうは全然見せないでおいて、ひとの国だけ査察をして、核武装はさせないんだというのでのぞき込んで商業機密まで盗んでいく、
日本の国における査察の実態をあなたは一体知っているのですか、けしからぬというようなことで激論をしたことがあるわけです。そういうことで、われわれは賛成するのには非常な抵抗を感じておるわけです。
しかしながら、一方では
日本の核武装というものに対する危惧の念というものは、国民だけではなくて国際的にもだいぶ広がっておる。したがって、この
NPTにも参加をすることを通じてそういう疑惑を取り除くという必要性も、別の見方から出てくるのではなかろうか。その
機会というのも、
ユーラトムのほうで現在
交渉を進めておるわけですから、それをはずれて
日本だけがおくれるという形になると、それと対等の条件がとれないかもしれぬという
危険性もあるし、また、
日本だけはいつまでも査察をさせないことに抵抗しているという印象を与えることもいかがか。これはまた別な見方をすれば、
日本の軍国主義というものに結びつけた懸念を諸外国に与えるのではなかろうかというようなことも、一面考えられないことはないのです。
でありますから、これに対しては、査察が非常にひんぱんに
日本は行なわれている。世界で一番多いのです。しかもわけのわからぬ連中がといってはたいへん語弊があるが、権威者が来ているわけなんですけれども、炉をとめちゃう。炉をとめちゃって、炉を開始するのには相当な手数とロスがあるわけです。それを、簡単にそういうことも命令するというようなことも行なわれている。非常に回数が多い。
それから、何といっても
日本の国においては基本法というものを守って自己管理というものが相当行なわれておるわけだ。
技術的にいえば、大体二〇%以上の濃度になればこれは軍事用だという
可能性も出てきますけれども、二〇%以下ならばこれは軍事用ということはまず考えられない。多少はあります。高速増殖炉のために若干使うということはあるが、ごく微量であります。そういうふうなことがあって、その範囲内であるということの確認ができるような自己監査というものが十分行なわれておれば、別に
NPTのほうでのぞき込んでみなくたって、これは十分証明ができることじゃないのか。電力の消費量を見ただけでも、それはわかるわけなんです。
それから査察のやり方については、のぞき込んで一々調べるということではなくて、出口と入り口で調べる。そして中にあるのはどのくらいだ。あるいは電力の消費量なんかもからみ合わして考えれば、計測
技術というものは相当発達をするということは
アメリカでもいっておったし、ヨーロッパでもそういうことをいっておりました。したがって、自己査察というものをやる上にそういう計測
技術というもので出口、入り口でもって大体見れば、中をのぞき込まなくてもわかるという問題が
一つあるわけです。
それから商業機密に関しては、だからそういうものについては決して立ち入りはしないというようなことで、何とか
ユーラトムと並行して話を進めるという努力をしたほうがいいのではなかろうかと、これは私個人の見解なんでありますが、思っておるわけです。それに対する意見を国連
局長から伺いたい。
それからあと
一つ、これは
保障措置についてはモデル
協定が結ばれているわけですね。これは
日本の意見が、いま私が言ったような意見がだいぶ入ってモデル
協定ができておって、国内の管理制度と
ユーラトムの
地域管理制度というものは、大体平等な形でもって見ていくというようなことが前提となってそういう話が進んでおるというふうに聞いておるわけです。
原子力局長に伺いたいのでありますが、このモデル
協定が一体どういうふうなものか。これは資料があればひとつ出してもらいたいと思うし、それからいま言ったようなことでどういうふうに話が進められておるのか、国連
局長に伺いたいと思います。