○石川委員 計画はないということで、それはそれとして了承いたします。現在の設備ですね。これはいろいろな
学者の
意見があって必ずしも定説になっているかどうかわかりませんけれども、サンゴバンと契約をして、今度はその
設計を取り入れるということになっておりまして、いろいろな
意見はございます。いろいろな
意見はございますけれども、もうサンゴバンの
設計は古いではないかという
意見が出ております。したがって、特にこのトリチウム、
クリプトン——トリチウムの関係は特に遺伝に大きな
影響があるだろう、こういうのが大体の
学者の定説になっております。遺伝的な問題として
相当大きくクローズアップされてきている問題であります。
クリプトンは一日八千キュリーであります。八千キュリーでしかも空気よりも重いわけであります。最悪の状態になりますと、ある一定の場所にたまってしまうということになって、とんだ公害を起こさないという保証はどこにもないわけです。これをこのままどうにもしかたがないのだということで一体野放しにしていいんだろうか。
アメリカでは今度はゼロシリーズということでもって、もう全然そういうものを出さない計画をしようということで必死になって取り組んでいる。だから、国際的な関連でもこの
対策を
考えなければならぬと思うのでありますけれども、いまのままの
設計でもやむを得ないという形でやってしまうということに対しては、公害という観点から見れば私は非常に大きな疑義があると思わざるを得ないのです。八千キュリーというのは大きいですよ。それからトリチウムにしても四百キュリーくらいが予定されておるようであります。これまたばかにできない数字です。これは
発電所だってそんなにまとめて出るところはどこにもございません。
そういうことで、不
活性でやむを得ない、いまの
技術ではどうにもならないのだということで既定
方針どおりやってしまうのだということだけでは、なかなか住民の納得を得ることはむずかしいのではないか。この問題、声を大にして言ったら、たちまち反対運動が瞭原の火のごとく広がるとぼくは思うのです。そういうふうなことがあるので、この不
活性の問題について、これはもうしかたがないのだ、いまの
技術ではしかたがないのだということでやめてしまうという態度ではなくて、何としてもこの
対策は
考える。
考えた上でなければ
建設はしない、こういうことでないと、私はもう再
処理の
建設という問題に対してはどう
考えてもそのまますなおに納得することはできないと思う。これはエネルギーの問題でございますから、このほかに、そのうち
原子力と火力の問題と両方いろいろな問題が出てまいりまして、いずれこの委員会では排煙脱硫の問題
——きのう私、商工委員会で重大問題だ、どうしても排煙脱硫は
技術的に完成させなければ、
アメリカではともかく、ヨーロッパではともかく、
日本ではもう火力発電はできませんよ。何とか解決しましょう。と同時に、この
原子力の問題も、この不
活性元素の問題は何としても解決をはかる、こういう
体制を
相当思い切った
政府側の決意でつくっていかなければならぬ重大な問題ではないか。エネルギーが枯渇をすればほとんどもう
日本の産業というものはストップすることは目に見えているので、火力の場合に例をとりますと、各地区でもって何年先には〇・何PPMにするとかいうふうな
基準を立てておりますが、これでいったらもうほとんどどこの
発電所もストップせざるを得ないのじゃないか。したがって、排煙脱硫はマンハッタン計画的な計画でもってやれ、同時に、
原子力の場合も私たちが何回も申し入れをしておりますように、
相当まとまった国全体の総合的な
対策をつくってくれということを強く要求しておるわけですね。この不
活性元素の問題はその中核に出てくる問題ではなかろうかと思うのです。
それで、これは
原子力局長あるいは
山田原子力委員にお願いをしたいのですが、やむを得ない、このままやっちゃうのだということだけではわれわれ納得できない。何としてもこの
対策を
考える。そのためにはどういうふうな組織をつくってこの善後措置を講ずるか。
アメリカでさえ
相当問題になっているので、
アメリカの八倍の密度でもってこれからエネルギーが
日本では現在するんだ。これから十倍、十五倍になろうとしているというとき、
アメリカでさえ問題にしているものが
日本でそれ以上の決意をもって臨まなかったら将来のエネルギーは一体どうするのだ、こういうことを私は非常に懸念をしているわけです。これはいまのところ
クリプトンあるいはトリチウム、この不
活性元素に対する
対策というものをほんとうに腹をきめてやるというふうな
体制はできておりますか。