○近江委員 この日本
原子力産業
会議がまとめた「二〇〇〇年にいたる
原子力構想」によりますと、
わが国の
原子力の
発電設備容量が、二〇〇〇年において二億二千万キロワット、総
発電設備容量のほぼ五〇%に達するわけです。いまのこの
原子力発電所の
建設状況また
計画を見ておりますと、確かにその点は私はそれ以上上回る線で進んでいくのじゃないか、このように思うわけです。このエネルギー政策の面からいきまして、私
たちは決して
平和利用ということをまっ向から反対しておるわけじゃないわけです。しかし、私どもがいつも申し上げておりますように、もろもろの
安全性の問題とかあるいは
環境汚染の問題とか、そういうことをシビアに対策を練らずして、ただ
計画だけが先行しておる。この点を私どもは非常に心配するわけでございます。特に今回、この福井の
大飯の
世界最大級の原発が、
原子力委員会の
原子炉安全専門審査会、ここで一応パスをしたということになっておるわけでございますが、これだけの
大型のものはいまだかつてつくられたことがないわけです。こういう点、どこまで慎重に
検討されたか、非常に心配になるわけであります。
そこで、今回のこの炉型を見ますと、これは軽水型の一つということを聞いておりますが、大体米
原子力航空母艦等と同じ型式の、それの
大型である、このようにも聞いておるわけであります。そこで、この
審査をパスされたというわけでございますけれども、いままでこれだけの
大型のものはまだない。こういうことで、いままでの軽水型のこういう経過をずっと見てまいりますと、
昭和四十二年十二月、オイスタークリーク
発電所、これが圧力容器の水圧試験を行なったところ、圧力容器底の溶接部、あるいはパイプ百三十七本のうち百八本のつなぎ目にひび割れが発生しておる。同様なひび割れば、インドに輸出されたタラプール
発電所でも、イタリアでも生じているわけです。こういう点からいきますと、米国型のこの軽水
発電所の第一号というものは、実質的には敦賀
発電所であったといえるんじゃないか、このようにも思うわけです。そうしますと、この敦賀
発電所の核燃料のこういう燃焼プログラム、これはオイスタークリークの経験によることになっておるわけですが、わずか数カ月先行して動き出した
発電所の経験がノーハウであるというような、それはわれわれとしては確信の持てるものじゃないわけです。
米国
原子力委員会は、軽水型
原子力発電所の実用価値認定について、次のように決定しているわけです。「
原子力法第百二条における意味では、軽水炉の実用価値の法律的な認定は、現在
建設中の
大型原子力発電所の
技術や実績にもとづく経済性の十分な評価を待たねばならない」云々、「大容量プラントの完成とその
運転がなされるまでは、AECはいかなる型の
原子力施設も、
原子力法第百二条の意味において実用価値がある程度まで十分に
開発されたと法律的に設定するための、軽水炉などの原子炉の
建設・
運転のコストが十分に確定されたとは
考えていない。」簡単にいいますと、メーカーは実証炉と宣伝しておりますけれども、五十万キロワット以上の
大型軽水炉の
運転実績はまだ一つもないから、
技術的にも経済的にも実証された商業用
発電炉としては認定できない、こういうことを言っておるのですよ。それをあなた方は、何万キロワットですか、
大飯はたしか百十七万五千でしょう。これだけの
大型のものを、何の根拠に基づいてパスされているのですか。まずその性能等の問題について、確とした、私
たちが確信の持てる
答弁をしてください。