○有島
委員 ただいま
国鉄のほうでは、この備品についてはコンピューター管理をやる。それからもう
一つは、
全国の工場が多過ぎるから、これを親工場それから子工場に分けてまとめた
一つのブロック体制を組んでいく。そういうふうな御構想を初めて承りましたが、なおいまの
問題で、時間のある限りもう少し言いますけれ
ども、予備品が入庫するときとそれから使用するときと、これはまたこまかい話でございますけれ
ども、これをコンピューターにかければ、非常にまた
合理化されると思いますが、新しい車両が配置されるとすぐにその備品がついて歩く。ところが、この車両を全般的に点検するということは、最近では、五年以内ぐらいになっておるそうですね。それから、
部分的に見るのが一年以内というのもあるようですね。ですから、その備品を回転しながら使っていくについても、それを配備したと同時にそれを持っていくということは別に必要ないことでございまして、車両を何年目ごとにやるというのは、
日本国有鉄道運転規則に定められているそうですけれ
ども、この増備と同時に、ふやして配置するのと同時に備品を配置しなければならないということは、これは全く工場の
実情とは合っておらない。それで、いわゆる検査院の指摘のとおりですけれ
ども、部品調達にあたっては、新製車両の配置に直ちに比例した部品調達価格を基準とするようなやり方をいままでどおりやっているならば、やはりこれは金のむだが起こってくるわけですね。これは修繕の施行時期やあるいは工場の予備品保有
状況がいままでどのくらいあったか、こういったことを勘案して決定すれば、調達数量のだぶつきが減少できるのではないか。この例が、名古屋工場では自動すき間調整器というのですか、私はしろうとでどんなものであるか知りませんけれ
ども、これを調達したのが
昭和四十五年の七月だというんですね。これを実際に使いますのは四十八年の七月になるわけです。まる三年間も早手回しにやった、と言えばいいけれ
ども、それはむだになっておる。それから盛岡工場で、主電動機、電気期関車の主電動機ですけれ
ども、これが調達数量六個、金額にして七百十七万六千円、これが四十五年六月に調達されて、実際に検査するのは満二年後の四十七年六月である、こういうようなことが指摘されているわけです。こうした放漫な調達による損害というのは、今回の調査の範囲でどのくらいになるのか。
それから予備品の管理につきまして帳面上の
問題と実際上の
問題が次にあるわけです。初めに会計上の処理の
問題ですけれ
ども、新しく調達した予備品は車両工場の貯蔵庫から出して使用されるときには、その部品の価格の五分の一
相当額を資産勘定に回す、そういうことになっているそうですね。これを怠って、工場の経費につけてしまう。このために新品と交換して戻ってきたものを補修して、また新品同様に回転するわけですけれ
ども、その反復使用されているものが予備品台帳に全然載せられないまま、資産外のものとして通用しているものがある。ですから、今度は上のほうから見れば、また足らないんだろうといって追加しなければならないようなことにもなる。こうした金額が浜松工場で五百七十三万九千円、それから小倉工場で五百万千円、それから名古屋工場で二百四十四万四千円、おそらく
全国ではこのほうだけでも四千五百万円にのぼると聞いている。時間がありませんからこれを一々だめ押ししませんけれ
ども、もう
一つは、この部品は何回も直しては使い、直しては使ってきたんだが、これ以上修理はできない、廃棄しようというふうに落とすものもあるわけです。ところが、経理上修理不能として落とした数量と、それから実際に生じた修理不能品の数量とが食い違いておる。だから帳面から落ちているのだけれ
ども、実際に使われておる、こういった例が大井工場で四百九万三千円、名古屋工場で三百六十九万二千円、鷹取工場では四百五十七万九千円、これは
全国的な範囲だと、もっと大きい金額になるかと思いますけれ
ども、
一つ一つの例でもこういったことがあったわけです。
以上、たいへんこまかいようなことでございますけれ
ども、この点について
国民は、
国鉄さんだから非常にがっちりやっているんだろう、そういうふうに心から信頼しているわけなんですね。一種の裏切り行為であると思います。
それから見のがすことができないことは、こういった予備品が回転していることについても伝票がたくさんついて回る。
一つ何万枚ものたくさんの伝票がついて回って、それを処理する
人件費というものがばかにならないわけですね。実際の品物よりもその
人件費がたいへんなわけです。コンピューターをお使いになるという
お話がいまございましたので、これは早急にその方向でやっていただきたいと思います。
最後に
運輸大臣に、こうした
実態があった。こういった
実態を隠して
運賃値上げをするのはほんとうにもってのほかだと私は思うのですけれ
ども、こうした点についての総点検をなさるお考えはないかどうか。
運輸大臣どうですか。