○田代
委員 ただいまの説明では、やはり私たち非常に危険に思っている機械万能主義、機械がとにかく完全に安全を保証するかのような印象を受けるのですが、そういう考え方に問題があるのじゃないか。やはり私は人間というのが最後的な問題じゃないかと思うのですよ。たとえば三河島、それからその次の鶴見、それから今度の船橋の事故、これは全部
大都市の近郊で起こっておるのですよ。現在のままではまたそういう事故が起こる危険性がある。なぜか。それは、私は実際に見てわかったのでけれ
ども、二分間そこそこのダイヤが次々来たんじゃ、これはとてもたまったものじゃない。あなたがおっしゃるように、機械に絶対事故がないということはないですね。今度のATSの問題でも、機械万能であったわけじゃないと思うのです。だから、そういう
都市近郊で、二分間隔の過密ダイヤでどんどん来て、とにかく
輸送効果ということだけで、そこでそろばんをはじかれるというところに問題があるのじゃないか。だから、私は全国全部二人乗務にせいというようなことは申しませんけれ
ども、少なくとも私は、この前船橋に行ったときに、もう一人そこに乗務員が補助的におったらあれは救えたのじゃないかということを、
ほんとうに感覚的に自分のはだで感じました。二分間隔の過密ダイヤがどんどん来るというときに、少なくとも人員を減らして、人件費をとにかくはじかせばいいというような考え方が、私は非常に危険だと思うわけなんですよ。ですから、そういう点でいま
総裁は、いろいろ安全については責任をおとりになる、これは
経営以前の問題だとおっしゃいましたが、全くそのとおりで、人命に関する問題なんですから、こういう
状態が続く限りまたどこかで起こる。そういう場合に、
国鉄の
総裁にいたしましても、それを指導する運輸
大臣にしても、実際に腹を切るかという問題ですよ。私は、腹を切らなければ
国民はがまんできないと思うのですよ。次々にやられたんじゃ、私
どもだって安心して乗るわけにいきません。そういうことをとくと考えて、この安全
輸送の問題についてば全責任をとっていただきたい。いたずらに人員の削減というようなところで
解決する、機械万能主義ということはやめていただきたい。その
一つに、たとえばすでに欠陥車を、これはもう長々申しませんけれ
ども、部分品を取り違えて七年間も走らせておったというようなことがありましたが、これは御
承知でしょう。こういうことではとても私
どもは安心できないと思うのです。
時間がありませんから、とにかくそれを強く要望しておきまして、最後の一問に入りたいと思うのです。
それは、これも今度の
法案、
計画とやはり切っても切れぬ
関係なんですけれ
ども、結局
企業努力ということが盛んに言われる。それが結局内部におけるけちけち運動とか、あるいは人員の削減とかいうようなことに結びつきがちであるし、それに反対する労働者、勤務員に対して、とにかく圧力あるいは弾圧を加えるというようなことになるならば、私はこれはたいへんなことになると思うのです。私はその点で
国鉄の姿勢が、実はきょう副
総裁見えておりますから率直に申しますけれ
ども、この間
委員会で副
総裁が説明なさっているときに、ちょうどあれはATSの闘争で国労か動労かの幹部の方と団体交渉をやられた結果なんでしょう。その結果を同僚議員の
質問に対して御答弁なさった。これは速記録に載っておると思いますから長々申しませんけれ
ども、おまえたちが何とかかんとかと、こういうことをおっしゃいましたね。私はびっくりしたのですよ。国会で、
国鉄の労働者に対しておまえたちがどうとかこうとか、そういう
ことば自体に、私はとにかく一体となって
国民の安全
輸送をしなければならない
国鉄が、
国鉄の労働者を敵視しているのじゃないか。そういうことでは、安全
輸送なんかとても考えられない。その後、
国鉄総裁のここでの御答弁やら姿勢を聞きますと、結局、人だ、
国鉄の労働者を信頼しなければ実際には
国鉄というのはやっていけないというような答弁がありましたので、これは当然だと思っているのですが、しかし、ああいうことを言われること自体が非常に私は問題があると思う。これでは
再建計画なんかできっこない。
国鉄の労働者が
ほんとうに
企業の方針を
納得していくという体制をつくるかつくらないかということは、これは運輸省の指導責任でもありますけれ
ども、直接的には
国鉄当局の責任だと私は思うのですね。それはとにかく、ちょっと例ですから、そんなことを言ってけしからぬといって労働者におこられるかもしれないけれ
ども、かりに労働者のほうで幾らか行き過ぎやら言い過ぎがあったと仮定いたしましても、当局としては大きな立場から抱きかかえて、そうして
納得していくという態勢を堅持しなければ、実際においてだめだと私は思うのです。おまえたちがどうだこうだというような形では、これはとても
国鉄労働者ががまんして、十分話しずくで安全
輸送の問題やその他をするということはないと私は思うのです。そこで、この問題の
法案と、それからこの
法案の中で、一応例のマル生運動については労働組合と一応の方向が出て、あのときに問題になりましたマル生運動については、これはやらないというような方向が出たように記憶しています。あのときのいわゆる行き過ぎがあったというようなことは、国会でも説明なさったと思うのです。しかし、私はなおこの問題について非常に危惧を感じますので、
総裁にお尋ねしたいのですけれ
ども、
国鉄の生産性の向上運動について、
総裁が新
再建十カ年
計画とあわせて新しく生産性向上運動を出発させたい、名前はどうでもよいが、計量ができない
合理化を進めるという観点から取り組みたい、こういうことをおっしゃっておるわけなんですね。ただいま私は労働者、労働組合と
国鉄当局との
関係について、基本的な姿勢なり考えについて
意見を述べましたけれ
ども、今後この百姓十カ年
計画とあわわせてこの問題をどのようにお考えになっておるのか。
ほんとうに労働者との
納得ずくで安全の問題やその他の問題についての話し合いとかなんとかを十分やるという方向でなさるのかどうか。この前されたような、いかにも権力本位で弾圧する、すぐ処分するというようなこととか、これは時間がありませんから申しませんけれ
ども、いわゆる労務管理の中で、私たちとしては非常に問題にしなければならない問題がたくさんあるのですね。つまり、管理職にする登用試験の場合に、とにかく思想調査までやる。時間がありませんから具体的に申し上げませんけれ
ども、そういう点が非常にきびしく出されて、これにマルをつけろ、バツをつけろということをやって、これに合わなければ管理職になれないというような思想調査、思想統制にひとしいような、とにかくそういう点検方法がやられているというようなことが見受けられるわけですね。そういうことをおやりになるかどうか。いわゆる
再建十カ年
計画との
関係において、労使間における基本的な考え方、それからマル生運動についてのこの前の反省の上に立ってどういう方向でお進みになるか、その点の御説明をお願いして、
質問を終わりたいと思うのです。