○久保委員 いまの
お話だと、ことしを含めて三回、三年ごとに実収一五%、パーセンテージにすると、あまり条件が変わりなければ、ことしと同じような率ですね。それで五十六
年度、最終
年度では大体一〇%を上げようかと思うんだが、これはまだ決定はしていない。そうしますと、この五十年、五十三
年度の値上げは決定したというふうにとっていいのか。しかもそれを
織り込み済みじゃないと、五十六
年度のまで、一〇%まで計算しなければ、いまの御
説明では五十六
年度で
償却後黒字にはならない、こういうふうにほんとうに思っていらっしゃるかどうか。たいへん長期に、十年間の運賃値上げまでこの
委員会で約束されるということになりますと、話はだいぶ違うんであります。これはしかしものの計算でありますから、計算をしなくちゃならないから、当然そこにそういうものを置いていくということだったら、これは仮説だろうと思うのでありますが、しかしいままでの御答弁、それからその他の話や
資料も見ますると、これは既定の事実として織り込んでいって初めて計算が成り立ちますということなんですね。私は前にも申し上げましたが、このこと自体についてこれはたいへんな問題だと思うのですね。いまの値上げは詳細わかるけれ
ども、
あとの値上げはわからぬというんならまた話は別でありますが、
あとの値上げが、実収一五%だけは三年ごとにいただきます。もちろんこれは今回初めて始まった話ではありません。四十四年から始まった現にあるところの
再建計画の中では、四十八
年度に運賃値上げを予想したのですね。四十八年と五十三年ですか、そういうことを予想して、まあ言うならば、四十八年の値上げは、四十四年に
国民に対して、この次は少なくとも四十八年には上げてもらうかもわかり出せんという前提で運賃値上げをして
設備投資をしてきた。しかし
計画は狂って、いま
提案になっているような形だということ。何か
国民の側にすれば、理屈は別にして、しょっちゅうだまされたような気持ちになるのがあたりまえだと思うのです。こういうやり方は少しく民主的ではないじゃないかということが
一つ。
それから、いつでも失敗すれば、どうも
伸び率を低く見たとか
ベースアップが思いがけなくたくさん出たとかいうことで、
理由はある一定の時間で
説明すれば終わりになっていきますが、
国民の生活の中では、そういうふうにはなかなか理解できないところですね。そういう意味で、私はもう少しまじめに——まじめにと言ってはたいへん語弊がありますが、まじめにおやりになっているとは思いますが、少しこの問題を甘く見て考えていやしませんかということです。私はいつも
提案のときに、てまえ
どもの
提案でもそうでありますが、私
どもは少なくとも十カ年
計画などは
出しません。これはなぜ出さぬかというと、予想もつきませんということですよ。それほどに
国鉄の
体質はわからぬ。
政府の手によって、いまどっちにいくのか、どういうふうに改造するかもわからぬ。それがどうして、いろんな不安定な要素がたくさんあるのに、何で十カ年
計画だけそろばんがはじけるのだろうかということですよ、これに対して私が聞きたいのは。なるほどためし算はよろしい、いいだろう、しかし十カ年
計画は長きに失する。これはまじめにやるのなら少なくとも五年であって、前期三カ年間を
一つのものとして、いわゆる
予算措置その他の
財政措置も全部コンクリートするということがまず先決ですよ。そうでしょう。たとえばあなたたちは十カ年間の
計画をしたというが、
予算の裏づけがどこにありますか。いま
運輸大臣がお述べになった、十カ年間に二兆円、あるいはその他ずっと並べましたたくさんな
政府の
投資があるようであります。
財政援助があるようでありますが、これは何にも約束がないということですよ。前回も同じです。その前も同じ。三十二年から、第二次五カ年
計画からずっとやってきてて同じことをやっているのです。
予算の編成にどうしてもそろばんが合わなくなるとやる
のでありまして、まあ法律ができたから多少かっこうがついているようなものでありますが、四十七
年度の
予算は十カ年
計画の第一年目、初年目という
予算ではありません。いつもやる手、やってまいりますところの単
年度予算のころがし
予算というものであります、はっきり言って。もしそういうことを言われることかどうも気に食わぬということならば、なぜ——十カ年間の
投資は幾らでありました。十カ年間に出資は九千八百五十億ですね、お述べになったのは。九千八百五十億なら、一番金が必要なのはいまなんです。
設備投資が全部一回り回っちゃって、それで稼働率がたくさん上がってきたときにはもはや金は要らないのです、自力でかせぐのですから。またそうしてもらわなければ困るのです。そうでしょう。だから九千八百五十億を十年間に出すというならば、これを繰り上げて五年間に
出してほしい。
あとの五年間は要らない。いままで大蔵省を中心にして
財政主導型だか何だか知りませんけれ
ども、
国鉄が三十二年からやられてきたものは何かというと、ちびりちびり
出してきたから結局ものの用に立たなくなってきてしまったのです。いまあわてて五百億なり六百億の出資をしても、なるほどこれは急場の間に合いません。はっきりいうと、ないよりはましです。しかし、額は一千億以上のものを今回は
政府は
国鉄の
財政援助をします。だから運賃値上げもやむを得ませんということを言いたいのでしょうが、われわれから見るとどうもそんなものは理屈にならぬと思うのです。九千八百五十億なら、十年に割ってみれば九百八十五億一年間に出すのが普通のやり口ですよ。それが六百十六億、これは三百六十億も低い
投資ですよ。それをもってみても、十カ年間に九千八百五十億の
投資があるものとして信用するものはただの一人もいない。
国鉄総裁も信用はしておらないと私は思うのです。はっきりいって来年どうなるかわからぬ、いままでのやり口はそうなんですから。だから私はこういう十カ年
計画は子供だましだというのです、もしもそういうことが暴言であるというならば、さっき申し上げたように、三カ年間のいわゆる
財政再建の
財政支出はどうするか、幾らやる。出資は幾ら、
利子補給はどれだけ、それをきっちりコンクリートして、閣議決定でいいですからここへ
出してほしい、こういうふうに思います。いかがでしょう。