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国務大臣(
中村寅太君) 最近
警察官が不祥
事件を引き起こしまして、まことに国民の皆さま方に対しましても申しわけないと心からおわびを申し上げる次第でございます。なお、この
事件をなくするためには、いろいろ諸点に
配慮を必要とすることは
山崎議員の御
指摘のとおりであります。最近の
事件の起こりました
事例はあとで
局長から答えさせるといたしまして、私から今後の対策についてひとつ申し上げさしていただきたいと思います。
この
事件がこうして
警察官の間で起こっておりますことにつきましては非常に申しわけのないことはもちろんでございますが、これをどうして防ぐかということにつきましては、いろいろの角度からやらなければならぬことであろうと思っております。いま雑誌か何かに秦野さんが書いておられるということの引例もございましたが、やはり私はそういうことももちろん必要でございますが、一番大事なことは、やはり
警察官が自己の職務の責任というものをはっきり自覚して、そうして厳粛に
警察官の
任務に従事するということが
原則であると思うのであります。そういうふうに全
警察官をどうしてなすかというところに問題があると思いますが、これは上司は下の者に対していろいろそういう
指導をやっていくということも非常に必要でありますが、そういう意味で、今日まで私は
警察の内部といたしましてはできるだけのことはやっておるとは思っておるのでございますが、しかし、結果としてこういうことが出ますので、これは十分であるとは言い切るわけにはまいりませんが、さらに
警察官の
任務に対する自覚を高め、あるいは人間的な教養を高めさせながら、みずからの規律によって正しい行為をするようにしていくことがこれは第一義でございますが、さらに私は、やはりこれにはいろいろの関連した問題等を
配慮していかなければならぬと思います。
先ほど、秦野さんの例も出ましたように、やはり生活の安定をはからせて、そうして心の落ち着きを持たせるということも必要であろうと思いますし、そういうことをさらに、知り合い、お友だち同士といいますか、同僚同士はお互いに心を引き締め合っていくとか、あるいは生活の問題等を話し合っていくというような形で、やはり
警察官としての職務を全うすると同時に、やはり人間生活というものを都合よくやっていくような
一つの
配慮というものも、やはり変な
事件を起こさない用心になると、こういうようなことを考えるものでございまして、きょうの
新聞にも、
警視総監が何か阻止の
委員会をつくってやろうというようなことを言っているようでありますが、やはりそんなことを考えているのも、そういう総合的なことをやる何か部署をつくってみたいというようなことではないかと思います。
私も、やはりこういう
事件を起こしている
人たちをあとから見てみますと、何時間か前までは勤務について一生懸命仕事をしておった帰りしなに突然
事件を起こしたというような問題等もございますし、いろいろなことを考えますし、
事件を起こした人の周辺の人からいろいろ
調査してみますと、そういうようなことを起こすような人柄ではなかった。平素もまじめな
警察官であったというようなこともございますので、私はやはり生活
相談と申しますか、何か自分の心の中に持っておる悩み、あるいは困っておる問題等もすなおに
相談をして、
相談に乗ってくれるような何かそういう仕組みというものもあっていいのではなかろうかと思います。
そういうことから考えまして、ただいま
山崎議員から御
指摘のありましたその退職した人を嘱託でというようなことは、これは私が記者会見の際に、何か方法は考えておるのかということがございました際に、
警察官のそのための増員ということが非常にむずかしゅうございますので、とにかく
警察署長とかあるいは警視とか警部をやった人で、
警察官の若い
人たちからおやじおやじと慕われておるような者もおるから、そういう
人たちの力を借りて、生活
相談といいますか、人間的な悩みとか、困った問題等の
相談相手になって、励ましながらりっぱな
警察官として成長していくような何かくふうはないだろうか、こういうことを考えまして、その際話しておった問題でございます。いま
警察庁といたしましても、この問題につきましては、先ほどあげましたいろいろの問題を総合的に何かひとつ対策を立てなければならぬということで検討しておる段階でございます。