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1971-12-07 第67回国会 参議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十二月七日(火曜日)    午前十時三十二分開会     —————————————    委員の異動  十一月十七日     辞任         補欠選任      鈴木  強君     藤田  進君  十一月二十九日     辞任         補欠選任      藤田  進君     瀬谷 英行君  十二月一日     辞任         補欠選任      瀬谷 英行君     鈴木  強君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         横川 正市君     理 事                 植竹 春彦君                 長田 裕二君                 古池 信三君                 森  勝治君     委 員                 今泉 正二君                 郡  祐一君                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 松平 勇雄君                 鈴木  強君                 野上  元君                 松本 賢一君                 木島 則夫君                 青島 幸男君                 松岡 克由君    国務大臣        郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君    政府委員        郵政大臣官房長  森田 行正君        郵政省郵務局長  溝呂木 繁君        郵政省貯金局長  石井多加三君        郵政省簡易保険        局長       野田誠二郎君        郵政省人事局長  北 雄一郎君        郵政省経理局長  浅見 喜作君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    説明員        郵政大臣官房首        席監察官     舘野  繁君        郵政大臣官房建        築部長      山中  侠君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○派遣委員報告郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (春日部郵便局における強盗殺人事件に関する  件)  (郵便局における業務運営等に関する件)     —————————————
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) それではただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員派遣報告に関する件を議題といたします。  前国会の閉会中に当委員会が行ないました郵政事業電気通信事業及び電波監理並びに放送に関する実情調査のため、委員派遣についてそれぞれ派遣委員から報告を願います。  まず、第一班の報告を願います。今泉君。
  3. 今泉正二

    今泉正二君 報告をいたします。  私は横川委員長及び青島委員とともに去る八月の二十日から五日間、北海道地方における逓信関係業務運営状況を視察してまいりましたが、その詳しいことにつきましては、委員長のお許しを得まして会議録にとどめたいと思います。御了承をお願いいたします。  以上、簡単ではございますが、第一班の御報告を申し上げます。
  4. 横川正市

    委員長横川正市君) 次に第二班の報告をお願いするところですが、鈴木君の出席がおくれておりますので、自後の時間に適当なところに挿入いたしたいと思います。取り扱いその他についてはその時点でおはかりをいたしたいと思います。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、さようにいたします。     —————————————
  6. 横川正市

    委員長横川正市君) 次に、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査議題といたします。  本件に関し質疑のおありの方は順次発言願います。森君。
  7. 森勝治

    森勝治君 最近、特に郵便局等がねらわれ、すなわち盗難等が最近頻発している模様で、はなはだしいのは現職の警官すらも、関西ですか、局を襲ったというような忌まわしい問題等があります。したがって、きょうはその件について質問をしたいのでありますが、いま申し上げましたように、私どもが知る範囲でも、もう幾つか指を折ることができる事故が派生しておりますので、これらの状況と、最近における傾向ですね。郵政盗難傾向についてひとつ担当者からお伺いをしたい。
  8. 舘野繁

    説明員舘野繁君) 最近におきます郵政関係局舎侵入事件の概要について御説明申し上げます。  局舎侵入発生件数といたしましては、四十三年度三百三十八件、四十四年度二百九十八件、四十五年度二百九十一件でございます。  なお、本年度は、上半期におきまして百四十六件の局舎侵入がございます。大部分夜間局におきまする留置現金あるいは物品等を取ろうとして局舎に入るというものでございます。大部分は未遂に終わっております。  なお、その中で、いわゆる強盗事件といいますものは、四十三年度十四件、四十四年度七件、四十五年度十三件、本年度上半期において四件ばかり発生しております。  これらに対しまして予防措置をいろいろ講じてございますが、その中で、物的な設備といたしましての警報装置等の配備及びその取り扱いにつきましてはかねてから注意しておるところでございますが、年々この警報装置の効用と申しまするか、それがありましたために、侵入した者、またしようとした者が全然目的を達せずに逃亡したという件数の割合は毎年上がっておるということでございます。しかしながら、その中に、いま申し上げましたように、いわゆる職員等に対して人身の被害を与えた、また、与えようとした強盗事件というものが、毎年十件内外発生しているということにつきましては心してこの予防、及び不幸にしてそういう賊が侵入しましたときの人身の保全ということにつきましては一段と注意をしていかなければならないものと思っております。
  9. 森勝治

    森勝治君 大臣にお伺いしますが、職場における防犯というものの基本的考え方はどうなのか、この点お聞かせ願いたい。
  10. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 申し上げるまでもなく、郵便局で扱っておりますお金等は、すべて国民のきわめて大切なお金でございますし、これに携わっております職員国民の奉任者であります公務員でありますわけでございますので、特にその中で事故があっちゃならない、国民に御迷惑をかけちゃならないというのが根本だと思うのでありまして、ただいま首席監察官から申しましたような事故の頻発にかんがみまして、職員心がまえも、また各種の設備につきましても、いろいろ研究いたしまして万遺憾なきを期して対策を練っておりますつもりでございますけれども、やっぱり何ぶん局舎の数も多いというようなことで、ときどきこういうような事件が起こりますわけでございまして、まことに申しわけないと思っております。今後さらに一そう注意いたしまして、御期待に沿うように努力してまいりたいと、このように考えております。
  11. 森勝治

    森勝治君 私どもの推定と申しましょうか、想像したところによりますと、いわゆる自主防犯というこの考え方にほど遠いような気がするのです。先ほど担当の方は、いま全国犯罪件数をことあげいたしましたときに、はしなくも警報装置というような表現を用いられましたが、何かこの警報装置開発というので郵政省はだいぶ御自慢な御様子でございまして、何かの新聞等に、さすが郵政省なんていうことが出ていましたが、盗難ベルがいかに優秀であっても、職場を守るという根本理念に欠けておったんでは、これは何にもならぬじゃないでしょうか。失礼でありますが、いまの郵政職場、なかんずく少人数においての局舎においての運営は、ベルさえつけておけば事足りる、あとは他人様におまかせするという思想が横溢しているのではないか、あえて私は横溢ということばを使いますけれども横溢しておるのではないかと思うのですが、私のこの想像は少しへそ曲がりの想像でしょうか、大臣率直にお答えいただきたい。
  12. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 先刻私からお答え申しましたように、物的と申しますか、設備施設方面で万全を期して努力をいたしますとともに、従事する職員心がまえもきわめて大切だと思うのでございまして、したがって、私どもといたしましては、事業精神の堅持ということについては絶えず強調いたしておるわけでございまして、その事業精神一つに、やはりサービス精神が中核をなすものだと、このように考えていますけれども郵便局で扱います国民の大切な財産、資金、こういう点については、十分公務員といたしまして奉仕——サービス精神を持って粗漏のないように努力することが大切だと思うのございまして、そういうようなことは大いに強調いたしておりますわけでございますけれども先生のおっしゃる横溢ということばはどうかと思いますけれども、ときどきゆるみが出てまいりまして、そのゆるみにつけ込んでこのような事件が発生するということはまことに遺憾だと思っております。したがいまして、さらに一そう全職員を指導いたしまして、信用のおける郵政事業だというような成果を高めさせなくちゃならないと、このように考えております。
  13. 森勝治

    森勝治君 私がきょう質問したいということは、具体的に申し上げますと、埼玉県下における特定局における強盗殺人事件の件でございます。この点についての概略の御報告をいただきたい。
  14. 舘野繁

    説明員舘野繁君) お答えいたします。  先生指摘事件は、埼玉春日部藤塚局という無集配特定局で起きました事件でございますが、本年九月十一日払暁でございますが、午前二時半前後に起きた事件でございます。この局はいわゆる夜間無人局でございまして、夜は締め切っておる局でございますが、たまたま午前二時二十分ごろ、近所の向かいにおすし屋さんがございますが、そのおすし屋さんの店員の若い人、二人が外出先から帰ってまいりますと、その郵便局自動防犯ベルが鳴動していたということでございます。それで、たまたま同じ時刻に帰宅いたしました近所の方と三人で相談をいたしまして、三人でその局舎の中を見てみようということで、怪しい者が入っているんじゃないかということで、三人が局舎のそれぞれの方向から局内をのぞいて、そのうち一人がお店に帰って、これは怪しい者が入っている、一一〇番しようということで、お店に一一〇番に電話をしに帰りました。その直後店員さんの一人、その局の外から、中を監視いたしておりました店員さんの声が、何をするかというような声が聞えたそうでございますが、そちらの方向近所のもう一人の監視をしておりました人と、それから一一〇番に電話をした店員さんがかけつけましたところ、その声を出していた店員さんが胸を刺されて倒れていた。犯人とおぼしき者は逃走して見つからなかった。三十五分ごろパトカーが到着したそうでございますが、その後春日部署捜査本部において捜査をいたしておりますが、まだ犯人が検挙されていないという事件でございます。
  15. 森勝治

    森勝治君 建築部長おいででない模様ですから、郵務局長にお伺いいたしますが、この局のできたのは四十五年の五月ですか、六月ですか。
  16. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 四十六年の五月十六日だそうでございます。
  17. 森勝治

    森勝治君 この局は郵政省モデル局だそうですが、そのとおりですか。
  18. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 私、ちょっとその問題について、いま事情を知っておりませんので、お答えしかねるわけでございます。
  19. 森勝治

    森勝治君 東京郵政局長は来ておりませんか。呼んでおったはずですが、おいで願えませんか。——それではいいです。それでは所管外で恐縮ですが、おそらく当時経理局長当該郵政局長だというように私は記憶いたしておりますので、御存じでしたらお聞かせ願いたい。所管外で申しわけないのですが。
  20. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 確かに四十五年五月当時、私、東京郵政局長でございましたが、まことに申しわけございませんが、その局舎状況をさだかに覚えておりません。
  21. 森勝治

    森勝治君 この局舎東京郵政局の設計だそうですが、間違いありませんか。
  22. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) その点も承知いたしておりません。
  23. 森勝治

    森勝治君 どうも困りますなあ。私が、この種の問題で御質問申し上げることは、皆さんもう十分御承知のはずですからね。だから、私は大臣に、防犯というこの根本理念が欠けているんではないかという疑念を持ったから、私は質問申し上げているんですから。郵政省のモデルケースということならば、あるいはこの盗難は防げたのではないかというのが埼玉県の関係方面意見です。あえて私はばく然と関係方面と言います。なぜかと申しますと、なるほど前面は、局舎の表面は鉄格子ですか、それらでりっぱにできている模様でありますが、さて一たび裏側にまいったときにどうだろうか、小石一つガラスが破られて侵入される。当然、これは盗難が予想される。なるほどこの裏側でも若干ではあるけれども鉄格子がはまったところとはまっていないところがある。したがって、そういうところから入られたということでありますれば、これは表からあけて、ガラス窓をこわして手を差し入れて中からかぎをあけて入ったと、こういうことですね。舘野さん、それ間違いありませんか。
  24. 舘野繁

    説明員舘野繁君) お話のように、金網入りガラス窓をこわしてクレッセント錠をこわして入ったものでございます。
  25. 横川正市

    委員長横川正市君) いまの前段の質問答弁者がいませんが、官房長しかるべき人をすぐ呼んでもらえますか。
  26. 森田行正

    政府委員森田行正君) いま呼んでおります。
  27. 森勝治

    森勝治君 これはあれですか、担当がいないから、私も、いないということですから聞きにくいのですが、表だけ飾って裏はかまわないという、変な話だがみえっ張り郵便局だと、こういっている、地元では。表はりっぱだが、人は五時以降にはいなくなる。ベルはりっぱなベルだそうでありますが、さすがに郵政省自慢だけあって、大体二百メートル聞こえるというのですが、この晩は二百五十メートル離れたところで通行人が明快にこの警報ベルを聞いたそうです。そうなると、私は先ほど若干触れましたベルさえつけておけばよろしいという観念郵政の部内に横溢していると、私は断言する。これは私の見た目で申し上げるのですから御異論があれば反論していただきたいが、どうもそういう傾向がある。自主防犯観念に、ややもすれば欠けているのじゃないか。そして、新規ベル開発などと堂々と外部に発表して、ベルがじりじりと鳴ったって、こういう事件が起こってくるのですよ、御承知でしょう。このベル郵政省自慢防犯ベルがじりじりとなっているのにどろぼうがかぎをあけて中へ侵入したという事件でしょう。大臣そこはおわかりでしょうか、聞いていますか、報告来ておりますか。
  28. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 御指摘のことはよくわかるんでございまして、建築部長参りましたので、専門的にひとつお聞き取り願いたいと思いますが、私の感じで申しますと、どうも郵政省は、古来建築技術には非常に優秀であるというような伝統を持っておるのでございまして、一見建物は非常にモダンと申しますか、明るい、また内部で仕事をいたしましても、非常に採光なんかいいようでございますが、御指摘の御自慢というような点については、やっぱりこの際考える必要があるのじゃないかというような気がいたしておるのでありまして、もう一つ私が気がついておりますことは盗難ばかりでなくて、火災の場合にどうも郵便局建物シャッターがついていない。この間建築部長を招致しまして、郵便局にはどこにもシャッターがついていないが、現金を扱う役所、職場、もっとも郵便局の金はそのつど銀行に持っていくというようなこともあるかもしれませんけれども、そういうふうなことについてもくふうが足らないのじゃないかというような気がいたすのでございまして、こういう事故のこういうことを契機に、また先生方のいろんな御意見も拝聴いたしまして、ひとつ考えてみなければならぬじゃないかということが気がついていることでございます。
  29. 森勝治

    森勝治君 郵政省の御自慢モデル特定郵便局だとおっしゃるけれども関係方面からはそういう点について欠くるところありという指摘を受けている模様ですが、そういうことはございませんか。防犯体制について若干欠けておるのではないか、そういう指摘は受けませんでしたか。どなたでしょうか、やっぱり舘野さんの所管ですか。
  30. 舘野繁

    説明員舘野繁君) 私、当該局局舎が最近できましたものであることは承知しておりましたが、モデル的局であるということは承知しておりませんでした。なお、関係の向きから局舎のつくり方についてあるいは防犯上の欠陥について郵政側に対する御注意というものは私の承知しております限り、明確に指摘をされたということはないように存じておりました。
  31. 森勝治

    森勝治君 ならば私が聞いた事柄について申し上げましょう。表はりっぱだというのですよ、一たび裏側にいけば表の防犯鉄格子戸等から比較して、うしろは危険の状態だ。おやりになるならば何で全面に張りめぐらさないか。そうすれば、この事故はあるいは防げたのではないか、こういう見方を明らかに指摘しておるのですよ、当局は。  そこで、私はこれは今度は郵務局長に聞きたいのでありますが、私はこれはあえて通勤郵便局という名前で呼んでいるのです、夜だれもおらぬのですから、通いですから。こういう私の言う通勤郵便局等における夜間体制というものはどうされておられるか、いわゆる五時以降の局舎の、いま大臣火災等の話もされましたが、火災盗難等における措置というのはどうされておるのか、内規はどうなっているのか、通達はどう出されておるのか、このことについてお伺いしたい。こういう問題は担当官房長ですか、人事局長ですか、どちらですか。ちょっとお答えをいただきたい。
  32. 森田行正

    政府委員森田行正君) 夜間無人局におきます警備の問題でございますが、省といたしましては、宿直をさせるとか、何とかいうことはいろんな点で非常にむずかしい問題でございますので、ただいまお話の出ましたような防犯ベルその他を確実に作動できるようにセットいたしまして、犯人侵入を防ぐという点にとどまっております。
  33. 森勝治

    森勝治君 人事局長にお伺いしたいのですが、やはり公金ですからね、国民の金であり、違った角度から見ますれば国の金になるわけですから、大切だということはだれでもわかります。したがって、夜間無人ということにつきましては、これ非常に危険が伴うことはあたりまえです。有人の家屋でも侵入されるのが、残念ながらいまの世相でございますから。いわんや、無人で金を扱っておるところ、そういうところは当然これはねらわれてくるのではないかと危惧されるわけです。したがって、いま官房長は、この夜間定員の問題に若干触れた模様でありますが、当然これらの特定局といえども国の財産を守るという、そういう大極的見地に立ってもこれは定員を配置すべきだという、私は考え方を持つのだが、人事局長はどうその点はお考えになっておられるか。
  34. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 仰せの次第、ごもっとものこととは思いますけれども、御承知のように、そこまで定員をさくということが現実には困難でございます。そうであれば、定員をさくということでなくて、常在員に対しまして宿直ということを頼むかどうかという問題だと思いますが、これはたいへん恐縮でございますが、経理局主管でございますので経理局からお答え申し上げます。
  35. 森勝治

    森勝治君 人間をふやすのが妥当か妥当でないのかはあなたの所管でしょう。あちらは金の裏づけをするのでしょう。
  36. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 宿直関係につきましては経理局主管でございます。  定員につきましては、私ども見ておりますが、これはただいま申しましたように、そのために宿直オンリーの定員を置くということは、ただいま制度としてとっておりません。本来の勤務者に対して宿直をお願いする、そういうことをやっておる次第でございます。定員経済上そういうふうにやっております。
  37. 森勝治

    森勝治君 これは、定員経済なんて初めてのことばをいただきましたが、私は定員をさきなさい、こういう立場をとりませんよ。さけなどと、あなたがかってにそれを限られた数の中でやり繰りするという先入意思が働いているからそういうことを言われるので、私は員数をふやしなさい、こう申し上げておるのですから、この点は明らかにひとつしていただきたい。
  38. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 夜間無人になります局に対しまして警備のためにだけ新たに定員を増員するということは、これはもちろん考えられないことではございませんけれども現実にはきわめて困難なことだと思います。
  39. 森勝治

    森勝治君 なぜ困難なんですか。職員がちょっとしたことでも尾行をつけたり、たとえば、数年前だが大船渡郵便局の問題につきましては、延べ三百人も仙台郵政局職員を投入しているじゃないですか。郵政局をからっぽにしているじゃないですか。それほど郵政省が自分の所管業務をしなくても、たとえば建築部門のほうの、あるいはまた他の部門の者を郵便局郵便業務に長期間現地滞在出張命令をしてさせておるでしょう。仙台郵政局では人材が豊富と見ている。卑近な例では、都内の各局でもそうでしょう。どこの局でもみんな部下を信頼できなくて、上官が勤務時間中といえども尾行をしておる。そんなに管理者は余っておるんでしょう、そういうことができるのだから。大切な国の財産を守るために最低の守備をすることは、守ることは当然でしょう。部下監視はしなくても、部下を信頼すればできるのです。しかし、いまの問題は信頼とか信頼しないじゃなくて、本来郵政省国民財産、国の財産を守る責務があるんでしょう。だから当然そういうところに人間を配置する、ふやすのは当然でしょう。そうでしょう。
  40. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 御承知のように、夜間無人になります局は全国に多数あるわけであります。で、そこへ夜間警備だけの人間を配置するということになりますと、これまた御理解いただけますように、最低やはり一局一名はこれは配置しなければいかぬということになりますと、たいへんな人数が要るわけでございます。むろん、そこにあります局舎なり、あるいはその中にございます公金なり、あるいは事業用の諸施設、いずれも貴重なものでございますけれども、やはり全体のそういった多数の局にそういった配置をするということは、これはやはり郵政財政上たいへんむずかしい問題でございますので、そういった方法がとれませんので、先ほど来、他の局長から申し上げておりますような、そういった方法警備をしておる、こういう現状でございます。
  41. 森勝治

    森勝治君 監視労働には幾らでも金がさけるが、国民財産を守ることには一顧だに値しないということですね。そういうようにきめつけてよろしいですね。
  42. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 必ずしもそういうわけじゃございません。監視職員監視職員心要場所には配置しなければならぬわけでございますし、まあ限りある郵政事業の全体の経費ということを、最も合理的に、最も効果的に使うということに配慮しなくちゃならないものですから、いろいろ不自由な不足の場所もできてくるわけでございますけれども、そういうことにつきまして、また別途英知を傾けて、何かの対策を講ずるというようなことにしなければならないわけでございまして、人が多ければ多いほどいいわけでございますけれども、そう財政がままならぬということになりますわけでございますので、効率を考えながら対処するということ以外に方法はないと思うのでございます。
  43. 森勝治

    森勝治君 大臣ことばじりをとらまえるようで恐縮でございますが、いまあなたは合理的、効果的という表現を用いられました。合理的、効果的に人を配置するならば、監視労働、近くは中野の局ですか、ストップ・ウォッチを持ってやったという——知っているでしょう、そういうようなのはあなたのおっしゃる合理的——そちらから見ればあるいは合理的でしょうが、少なくとも合理的な配置ですか。それほど、昔のようにむちを持って作業に従事させた悪大官や領主の、それのごとき措置がいま郵政職場で厳として行なわれておるわけですから、それを合理的と称し、あるいはまた効果的と称せられるおつもりですか。
  44. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) いまの問題につきましては、先般来全逓御出身の国会議員、その他郵政事業に御熱意を持っていらっしゃる国会議員が、各現場を何カ所か御視察をいただきまして、いろいろ御指摘を賜わっておりますそのうちの一つに、いまの問題もあったわけでございますが、常時ストップ・ウォッチを持って鞭撻する、虐待するというようなことは、これはまさに人権侵害だと思うのでございまして、決して私の申しております効果的とか合理的とかいう意味ではない、むしろ逆の行為だと思いますわけでございます。で、御指摘の場合は、どうもいろいろないきさつがございまして、能率ダウンが故意に行なわれておりそうだということで、特に指導しなければならないというようなことで、ストップ・ウォッチを使ったということではないかと思うのでございます。これはまあ例外中の例外、まあそういうような場合であったと、このように考えます。決して、私の申しております合理的とか、あるいは効率的とか申しますのは、そういう意味でないのでございまして、みんなが明るい朗らかな気持ちを持って、相ともに協和の精神で仕事がやっていけるという、そういう職場をつくるための方針でなくちゃならないと、こういうように考えております。
  45. 森勝治

    森勝治君 大臣、こういうことですね。ストップ・ウォッチを持って監視労働等をすることは職員を虐待することであって、本来郵政省のあるべき姿でない、とるべき手段ではない、こういうことですね。
  46. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) ケースバイケースで考えなくちゃならない問題だと思うのでございまして、あるいは何かの事情によって、そういうようなことも心要になってくるというようなことが、必ずしもないではないというような気もいたしますわけでございます。一般的に申しますと、私は、いま森先生おっしゃるとおりだと思っております。
  47. 森勝治

    森勝治君 一般的というのは、基本的にということですね。根本理念がそういうことだというのでありますね。くどいようでありますが、これは非常に大切なことでありますから、重ねてお尋ねしたい。
  48. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) ケースバイケースでそういうこともやむを得ないというようなことがあり得ると思いますけれども、原則的に、一般的に申しますと、いま森先生のおっしゃるとおりでございます。
  49. 森勝治

    森勝治君 ストップ・ウォッチ、あるいはまた、むち等を持って監視労働をするがごときことは、郵政省の設置の趣旨からもかんがみてあるべき姿ではない、こういうふうに基本的な考え方郵政大臣がいまお話しになったものと、——いいですか。ですから、これは本来あるべき姿でないということが私の質問によって確認されたものと私は理解をいたします。したがって、次に進みます。  経理局長にお伺いいたしますが、先ほど人事局長が、後半をにごされて、あなたを名ざしされた模様でありますから、その点についてひとつお答えをいただきたい。
  50. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) お答えいたします。  先ほどの宿直に関しますことにつきまして私の所管から申しますと、御高承のように、労働組合との間に宿直協約というものがございまして、局模様に従いまして、夜間、本務者がかわりばんこに泊まるという制度がございます。ただ、問題になっております局等、定員が二人、三人、四人というような局になりますというと、局員全員でかわりばんに泊まりましても非常に頻度が高くなるわけでありまして、そういう場合には、阪犯ベルを主体にいたしまして、あと、帰りますとき厳重な施錠、あるいはベルが有効に作動するようなセットをいたしまして帰るというたてまえにいたしておる次第でございます。
  51. 森勝治

    森勝治君 経理局長宿直協約によってと、労使双方の宿直協約に従って運営しているというお答えですが、これは間違いありませんね。いいですね。
  52. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) そのとおりでございます。
  53. 森勝治

    森勝治君 協約は当然守るべきであり、守らなければなりませんね。
  54. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) そのとおりでございます。
  55. 森勝治

    森勝治君 大臣にお伺いします。いま、宿直協約についても明快にそういうようにお答えをいただきました。したがって、郵政事業全般に対する職員側との協約等についても守らなきゃならぬし守るべき事柄だろうと思いますが、この点、お答えをいただきたい。
  56. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) そのとおりだと存じます。
  57. 森勝治

    森勝治君 大臣は明快におっしゃいましたが、数え切れないほどの全国職場における当局側からの協約破りというものは、一体、どう陳弁をされるつもりですか。幾つかの問題につきましては、私ども、もう大臣にも幾たびかことあげして反省を促していることがあります。あなたの耳に届かない問題はおびただしい件数に上がります。職員側が提訴している問題も御承知のようにたくさんあります。このように、当局側から惹起されました幾多の協約破りというものを大臣はどうお考えですか。
  58. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 協約破りということは、まさによろしくないことでございまして、つきましては、今度の年末の労働組合との折衝にあたりまして千件ほどの御指摘があったわけでございますが、それは正解もあれば誤解もあるというようなことであろうと思うわけでございまして、この問題につきましては、御承知の、昨年の十二月十四日の確認事項に基づきまして本省と郵政局に六人委員会というものがつくられておりまして、労使双方から同数の委員をもって構成されておるわけでございます。その委員会で一々取り上げて検討いたしまして、二、三日前に、御承知の五日の午後八時四十分に年末闘争に対する労使双方の妥結ができたわけでございますが、それまでに大部分は解決を見たわけでございますけれども、まだ残っております問題が幾つかあろうかと思いますが、そういうことについては、今後ともこの六人委員会の場で真剣に、精力的に検討を進めて、労使の間にいささかの不信感も持つ余地がないように、お互いに誠意を持って対処して解決していこうという姿勢でただいま進めておるわけでございます。御指摘の協約を守らないということは最も悪いことでございますから、そういうことのないようにつとめてまいっております姿が、ただいま申しましたとおりでございます。
  59. 森勝治

    森勝治君 協約の次に、職場の秩序を保つために最も大切なことは労使慣行ということだろうと思うのでありますが、この労使慣行は労働協約の次に当然守られてしかるべきものであり、かつまた労使双方とも守らなければならぬ事柄だろうと思いますが、この点はいかがですか。大臣から……。
  60. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 森先生から私に御指名ございましたが、誤解を生じるかもしれませんので担当人事局長から詳しく答弁させます。
  61. 森勝治

    森勝治君 労使慣行ということですから誤解もヘチマもないですよ、明快なのですから。これ、一々、大臣の答弁を促している、基本的な姿勢ですから。いいですか、一省の最高の位置に位するあなたから聞きたいのですから、属僚からは聞きたいと思いません、基本的な問題ですから。そういうことが今日の労使紛争を混乱させ、職場が混迷におちいった一番の悪い現象がその姿だ。そのささやいている姿が郵政省の今日の混乱した状態を招来した根本的な姿だから、はしなくもそれを露呈しているだろう。だから、そういうことはだめです。
  62. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 慣行と申しましても悪慣行もございますでしょうし、そういうことにつきましては、今度の闘争にあたりましても労使間で話し合いをいたしましたけれども、まだ結論が出ておりませんので、今後労使間で慣行の問題については、誠意を持って話し合いを進めていくというようなことになっておりますわけでございます。
  63. 森勝治

    森勝治君 大臣承知のように、労使慣行というのは伝統と歴史の中からはぐくまれたものでしょう、そうですね。伝統と歴史の中から労使慣行というものははぐくまれたのですから、新しい局長が来たからこれはおれの方法でやるんだと言ってその労使慣行をはばむがごとき行為をした場合には、上司と部下における、局長職員間における断絶がその瞬間から始まることは御承知でしょう。たとえばたくさんあります労使慣行、具体的な事例で申し上げますが、たとえば職場における組合掲示板でございます。十年も十五年も二十年もその局において労使慣行として組合側の掲示板がずっと掲げられている。慣行として長い間認められてきたもの、こういうものを組合側に一片の連絡すらもなく局長権限のゆえをもって撤去し、あまつさえ組合掲示板に掲げられたもろもろの組合側の周知徹底のいわゆるパンフレット、ポスター等をいかなる権限があってそれを剥奪するか、そういうことはできないでしょう。ところが、現に多くの局所でこの事象が見られる。これは一体どういうことですか。
  64. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) いわゆる慣行につきましては是正すべきものが多うございますから、その解消につとめておるわけでございまして、その解消については組合とも十分話し合いをいたして進めてまいりたいと思っております。
  65. 森勝治

    森勝治君 大臣、間違いありませんね。労使慣行については組合側と十分話し合いをしていきたい、よろしいですね。
  66. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) そのとおりでございます。
  67. 森勝治

    森勝治君 それでは、いま全国職場に、たとえば私、具体的な事例として、掲示板のことを申し上げましたが、こういう問題について、組合側に一片の連絡も行なわずに撤去した問題については、いま大臣の見解が明確に示されたことですから、これは原形に復しておいてください。そうでなければ前段の、大臣は本委員会において私に偽りの答弁をしたものと断ぜざるを得ません。
  68. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 具体的に掲示板の例をお出しになりましたが、これについては取るように、撤去するようにという指示をいたしまして、どうしても取らないという場合は管理者のほうで取るというようなことになっておりますようでございます。
  69. 森勝治

    森勝治君 大臣、それはおかしいじゃないですか。労使慣行を破るんでしょう。労使慣行というのは歴史と伝統がはぐくんだ結果ですよ、そうですね。それを撤去しなさい、撤去しなさい。あなた労使慣行を認めているんでしょう。労使慣行を認めて撤去しなさいというのは、労使慣行を破る尤なるものでしょう。職場に相互信頼がつくれますか。そこにあるものは断絶であり、憎悪がみなぎるだけでしょう。そう思いませんか。  そこで、重ねて私はあなたに聞く。あなたは部内の先輩であります。われわれはあなたが郵政大臣としていま郵政省を一手に率いておられる努力は高く評価したい。特にあなたが事あるごとに、あなたの持論として申されておる逓信一家ということばについては私は善意に理解し、これを支持します。しかし、あなたのおっしゃる逓信一家というのは一体そもいかなるものか。あなたがほんとうに真情を吐露して郵政省を指揮されるならば、全国に次から次に惹起される、当局側において引き起こされるこの不当労働行為は根絶されてしかるべきである。にもかかわらず、当委員会で数年前にわれわれがたとえば全逓金沢大会以来幾たびかこの委員会でも指摘し、社労でも指摘し、歴代の大臣、歴代の局長の諸君ともたくさんのお約束をしてまいりましたが、次から次へとあなた方の一方的な見解で破られてまいりました。少なくとも郵政事業の問題については、私は私の立場から申しますならば、まことにわれわれはあなた方に顔にどろを塗られたなどというなまやさしいものではなくて、国会の答弁をあたかも無視するがごとき職場に対する行為につきましては許せない。しかし、あなたのこの労使の不和というものを調和させ、あるいは仲直りさせ、円満な事業の運行をはからんとする御努力は高く評価したい。しかし、どうもあなたのおっしゃる逓信一家というのは合点がいかない。あなたの言う逓信一家というのはほうとうに血の通い合う、上司と部下の連帯の立場だろうと思うのでありますけれども職場はそんなものではない、えてしてあなた方は組合は敵だということをよくおっしゃる模様であるけれども、われわれが幾たびかつぶさに指摘しましたもろもろの事件については、大臣もこれではならぬと思っておられることは一再ならずおありのはずです。大臣が真にわれわれがかつて考えておった逓信一家の象徴たらんとされるならば、あなたが考えておられるとおりに具体的な行動を起こしていただきたい。したがいまして、まことにまじめなあなたに対して恐縮でございますが、あなたの考えておられる逓信一家とはそもいかなるものか、この際お聞かせ願いたい。
  70. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 私は郵政省関係職場というものは明るいものにしなければならないというのが私の信念でございまして、そのためには郵便にいたしましても、電信電話にいたしましても、その職場だけでは済まない、こちらの職場とともに相手のある仕事というのが郵政事業でございます。そこで、事業精神の一番根本をなしますのは、そういう見地から協和の精神を持つということが一番大切であり、仲よくする、お互いに相提携して手を携えて事業の推進に当たり、こちらもあれば向こうもある、そういうのが逓信事業の本質ではないか、このように考えてあえて協和ということを強調いたしておるわけでございますが、具体的に申しますと、ただいま森先生がおっしゃられました管理者と一般の職員との関係、これももちろんそういう会話の気持ちをもって、つまり逓信一家の気持ちをもって、そうして不信感を払拭して、誠意をもって相対処していかなければならない。労働問題、組合問題なんというのはそういうことが一番根本である。不信感というものをなくしてしまって、そして相手を信頼して、誠意をもって対処する、話し合うということが私は根本義であると思っております。こういうような気持ちは逓信一家ということに帰着するものだと、こういうように考えて、あえて私、大臣になりまして以来、郵政一家とか、逓信一家とか、逓信一家と申しますのはひとり郵政省の仕事ばかりでなく、電電公社とか、国際電電とか、こういうような職場の方々とも仲よくしていこうという意味も含まれておるわけでございますが、そういうような気持ちで事業の運営、組合対策、すべて対処していくべきだというのが私の逓信一家の考えの根本でございます。
  71. 横川正市

    委員長横川正市君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、次に第二班の報告鈴木君からお願いいたします。鈴木君。
  72. 鈴木強

    鈴木強君 私は、新谷委員とともに、去る九月二十七日から五日間、東海、近畿両地方における逓信関係業務運営状況を視察してまいりましたが、その詳細につきましては、委員長のお許しを得て、会議録にとどめたいと存じますので、御了承をお願いいたします。  以上、簡単でありますが、御報告申し上げます。
  73. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいま報告がございました各班から別途詳細にわたる報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 横川正市

    委員長横川正市君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  十三時まで休憩いたします。    午前十一時三十一分休憩      —————・—————    午後二時三分開会
  75. 横川正市

    委員長横川正市君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  質疑のおありの方は順次発言を願います。森君。
  76. 森勝治

    森勝治君 先ほど大臣から大臣の考えている逓信一家というものの心がまえをお聞かせ願ったわけです。これは大臣の真心のこもったお話と私は真摯に拝聴いたしました。もし大臣にしてその心ありとするならば、今後の各職場におけるあるいはまた郵政省の最高方針というものがその趣旨をくんで具体的に実践の場に移されなければならぬと思うのです。したがって、これを心から私は期待しながら次の質問に移りたいと思うのです。  そこで、先ほどの一番最初に通告いたしました春日部強盗殺人事件について質問を続けたいと思うのでありますが、建築部長来ておりますね。建築部長にお伺いしたいのでありますが、強盗事件の発生いたしました春日部当該局局舎は、郵政省モデル局舎というふうに承っておりますが、そのとおりですか。
  77. 山中侠

    説明員(山中侠君) 春日部局舎は私有の局舎でございますので、われわれのほうで、東京郵政局の建築部のほうでいろいろ審査をいたしまして、その結果できましたもので、いわゆるモデル局というものは一般的につくっておりません。
  78. 森勝治

    森勝治君 そういうお答えですけれども、設計は東京郵政局設計でしょう。
  79. 山中侠

    説明員(山中侠君) 適当な設計者がございませんときには、東京郵政局の技術のものがそのほうに精通しておるものでございますから、個人的に依頼されまして設計いたすことはございます。春日部の局はその一つであると思います。
  80. 森勝治

    森勝治君 そういたしますと、直轄局はいざ知らず、世に言う特定局の庁舎の新築、改築、造営等については郵政省はあずかり知らぬと、こういうことですね。
  81. 山中侠

    説明員(山中侠君) 基準がございまして、郵政局の建築部で技術的な面は審査いたしますから、その審査が通らないと着工できないことになりますから、あずかり知らぬということではないと思います。
  82. 森勝治

    森勝治君 かりそめにも委託経営という経営内容であろうとも、国家事業の一端をになうものでありますね。これは御承知のとおりであります。したがって、その運営の衝に当たる局長の選定、局舎の構築等につきましては非常にきびしい審査の手を経なければ具体的ないわゆる実現という運びにはならぬのでしょう。いまの話を聞きますと、頼まれればやります、あとは民間ですからかまいませんという、私の受けた印象ではやや投げやり的なお答えで積極的な御意思と承っていない。そうじゃないでしょう。建築なんていうのはもっときびしいのじゃないですか。そうじゃないですか。
  83. 山中侠

    説明員(山中侠君) 投げやりとお受け取りになりましたのは私の説明がまずかったと思いますけれども、投げやりにやっておるという考え方は全くないと思います。かなり厳密な審査基準がございまして、それに適合したものだけを許可するということでございます。ただ、できましたものが何ぶんにも数が多く、われわれの技官の数は限られておりますので、仕上がりましたのを全部見まして審査した上で使用するということは遺憾ながらできておりません。それができれば理想だと思いますけれども、全部にそういうことはできておりません。しかし、ある程度の部分的抽出によってでき上がりましたものを確認するということはやっております。
  84. 森勝治

    森勝治君 大臣、いまのお答えを何と感じられましたか。全部見ることはできないとおっしゃっておるのですよ。人をふやせばいいじゃないですか。大臣何です、この答弁は。
  85. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) どうも私も質問答弁を聞いておりまして、何だか責任がはっきりしないようなふうに受け取ったのでありまして、ただ、特定局が自分の局舎を建てるということでございますから私的な要素も入っておりますけれども、しかし、使います局舎先生指摘のとおり公的な機関でございますから、そこで本省としましては、あるいは郵政局としましては十分指導しておられるというふうに考えておりますけれども、その辺の説明がちょっと足らなかったのではないかと思いますが、もう少しいかがでございますか、私はまあさような感じを受けました。
  86. 森勝治

    森勝治君 私が再質問に立たなくても、いまの大臣ことばで説明が足りなかったとおっしゃるのですから、担当部長は補足説明があってしかるべきだと思って私は席を立たなかったのでありますが、委員長の命令でございますから、私はそんな意地はってもしょうがありませんから再質問をいたしますけれども、おかしいじゃないですか。そういう最も厳格な審査を経て、盗難、火難、水難、天災、地変その他不慮の災害にあわないように、もしそういうものに遭遇したような場合にはどうかという各面からの配慮があって、十分審査を経て、しかる後に認めるのでしょう。規則はそうなっているでしょう。非常にいかめしい規則でしょう、建築基準なんかでも郵便局の庁舎につきましては。そうですね。人手がないから全部見られないということであるならば、これはたいへんな問題なんですよ。あなたは正直におっしゃったかもしれませんけれども、ここは国会ですから、それならばモデルハウスと称する春日部の局はこれは東京郵政局の設計だけれども、これはもうずさんなものだと言わざるを得ないでしょう、そうでしょう。大臣だって説明が不足だとおっしゃっておられるのですから、もう少し何というんでしょうかな、お答えがあってしかるべきだと思うのです。
  87. 山中侠

    説明員(山中侠君) 事実、東京郵政局で竣工いたします特定局の数は、正確な数は覚えませんけれども百台の数だと思います。それを一つ一つでき上がったものを関東全域にわたって審査に参りますということは、事実問題として現在の人員では残念ながらできておりません。特定局以外にも普通局その他の仕事もたくさんかかえておりまして、非常に忙しく仕事をやっておりますので、趣旨としてはおっしゃるとおりだと思いますけれども、残念ながらいまのところそれができないので、抽出的に審査をしてやっております。
  88. 森勝治

    森勝治君 大臣お聞きのとおりです。あなた、いま首をかしげておられますが、説明が不足ではないかというあなたのあたたかい親心というものは、私の印象からいたしますならば、みごとに裏切られたものと言わざるを得ません。いいですか、大臣、同じようなことを二度繰り返して答弁されています。現実に見られないというんですよ。どうするおつもりですか、大臣。これ、やるべきことをやってないでしょう。はしなくも、一回なら言い間違い、聞き違い、そら耳ということもありますよ、二度にわたってできないと言っている。できないことをあなたは部下に命令しておるのですか。大臣、明快にお答えいただきたい。どうして検査ができないのです。こんなことできないことないでしょう。職員を取り締まることには百人でも二百人でも、一カ月でも二カ月でも長期出張させておいて、やらなければならない初歩的なことができないはずがないでしょう。
  89. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 重ねてのお尋ねでございますが、まあ私どもといたしましては、あとで建築部長が事実上人手が足らないというようなことを述べましたけれども、まあ私どもが完全にすべてを審査するということはできないといたしましても、戸締まりとかあるいは火の用心とか、そういうようなことについての建築の勘どころと申しますか、要所要所、そういうところは十分つかんで指導しているのではないかと思いますし、もともとそういう建築の設計をいたしますのは、一級建築士とか二級建築士とかいう、おそらく設計を頼む以上は、なるべく上等の腕のすぐれた建築士に頼むということになりましょうから、一級建築士というようなことで、すぐれた設計者に頼んでのことであろうかと思いますし、そういう人が一応は建築といたしましての基礎的な、また勘どころについては十分気をつけて設計をし、それをまた郵政省郵政局という立場で審査しておると思いますので、大体それでいいんじゃないかと思いますけれども、ほんとうに人手不足で、そういう要所、きわめて大切なところすら審査ができてないという現在の状態でありますれば、やっぱり定員等についても考えなくちゃならないという問題が起こってくるかと思います。もう少し私といたしましては突っ込んで調査いたします。一応御答弁申し上げておりますから、それがうそだとは思いませんけれども、もう少し研究いたしまして、ほんとうに人手が不足でずさんな手落ちの多い建築が続けられているということになれば大いに問題だと、こういうように考えております。
  90. 長田裕二

    ○長田裕二君 関連しまして、先ほどから大臣建築部長が答えておられますが、私ちょっと脇から聞いておりまして、建築部長の答弁は、指定建築というか、郵政省が建築すると同じような原則を何か頭に描いて答えておられるんじゃないかという感じがします。設計については頼まれてやってやることがある。その設計書に従って工事がされる。途中のよく言われる現場監督だとか何とか、そういうことはやるたてまえでないということは容易にわかりますけれども、あとでき上がりがどういうものであるか、初めの設計書と全く違ったようなものができているかどうか、そういうようなことについては、かりに建築の者が現場へ行かなくても、借り上げの問題で検討する場がある、あるいは会計検査の者が行く、あるいは監察の者が行く、そういう機会におそらく新築の局舎については設計どおりになされているかというようなことくらいは見る機会もあるし、大体の局の機能なり何なりというものはそこらで見られるのじゃないかという感じがちょっとするわけですが、少しそこらを分けて見た場合に、どういうことになるかも、ちょっとお答え願いたいと思います。あるいは建築部じゃなくてもっと広い別の立場でもけっこうだと思いますが。
  91. 山中侠

    説明員(山中侠君) われわれが許可いたしました図面、仕様書等によって建築をやるわけでございますけれども、その建築がどういうふうにでき上がったかということは、まずほとんど全部の場合が図面、仕様書でわれわれのほうでチェックしておりますので、そのとおりにでき上がっておるということで考えて差しつかえないと思います。いま御質問の中にありましたように、ほかの目も届くことでございますので、許可した図面その他と非常に違ったものができるということは、まずあり得ないと考えていいと思いますので、その辺で、ぼくの考えましたのは、図面と違ったものができるんではないかという御質問だと思いましたので申し上げましたが、そう変わったものはできないんだということは、過去の実績からいって保証できるんじゃないかと思います。
  92. 森勝治

    森勝治君 どうもふに落ちないことばかりなのですよ。だってそれはあれでしょう。よく実態を検査して、しかる後に、いわゆる郵便局としてのその当該局にふさわしい形態を備えているかどうか、万般を調査した後、しかる後に開局を許可するということに原則はなっているんでしょう。建築申請が出たからあとは、それはもう請負だから知らないと、こういう答弁に受け取れるのですよ。だからそれは前向きの答弁でなくして、投げやりな答弁ではないかと私は指摘をしておるのですよ。もし実際できなければ、厳重な審査基準なんていうものは設けなければいいじゃないですか、あなた方が言うようにできないというならば。そうでしょう。私は拘泥するようですが、あなた方はそういう面についてはやるべきことを果たさずして、できないできないとおっしゃっておる。やらなくてもよいところはどんどんどんどん人間をつぎ込んで、むちを持って職員をこき使っている、そういう実態があるのですよ。首尾一貫しないじゃないですか、そのことは。大臣、いいですか、できないことなら規則を取りかえなさい、できなければ。こんなのはもの笑いになるから規則取りかえなさい。規則をもっと簡単なものにしなさい、できないなら。
  93. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 建築につきましては建築基準法というのがございますし、また郵政省郵政省で、私はまあ法規の名前ははっきり存じませんけれども、何かのよりどころがあると思うのでございまして、それが妥当でないということでございますれば、考えなくちゃならない問題だと思っております。
  94. 野上元

    ○野上元君 ちょっと関連さしてください。  郵政大臣、この問題いろいろ聞いておりますと、郵便局舎とは何ぞや、郵便業務とは何ぞやという問題について若干当局の考え方にあいまいな点があるのじゃないかというような気がするのですが、たとえば普通局の場合の局舎においては、おそらく郵政省、あるいは郵政局が設計工事をしてそれで監督をする。だから設計のとおり行なわれておるかどうかを最後まで見る義務があるのだというふうに一つ考えられているのじゃないかという気がするのですね。ところが特定局の場合には、局長個人が建てるのだから、それまでは、設計書だけ見たら大体条件が満たされておればもうそのままやりなさい、あとまで見る必要はないのだ、こういうふうな考え方になっておるのじゃないかと思うのですね。ぼくはそこに問題があるような気がする。というのは、たまたま郵政省あるいは郵政局が設計をし、そして工事をするから、最後まで監督しなければならぬのだというのと、特定局は同じ仕事をやりながら、郵便局長個人が建てるのだから、それは最後まで見る義務はないのだというふうに考えられる。ここに私はやはり問題があると思うのです。おっておることは全く同じなんですからね。ただ大であり小であるという違いだけだと思うのです。中身はあまり変わらない。とするならば、やはり特定局舎といえども郵便業務を遂行するに適切であるかどうかという問題については、設計ばかりでなく、あとのでき上がりについても当然私は郵政業務を運行される管理者としては監督される必要があると思う。でないと、このものの考え方があいまいだと思うのですよ。普通局は自営だから見ると、片一方はそうじゃないからもう見なくてもいいのだという考え方でやられるところに問題が出てくるように思うのですがね。そういう点はどういうふうに考えておられるのですか。
  95. 森田行正

    政府委員森田行正君) 郵便局舎の問題でございますが、特定局におきましても、国営の場合は建築部で最初から最後まで見届ける、これはもう当然でございます。いわゆる借り入れ局舎の場合は、でき上がったものを郵政省郵便局として使うにふさわしいかどうかという点ができておれば借り入れてやるということでございますので、いまの例は、たまたまいい設計士がいなかったので、建築部のほうの技官にお願いしてつくったということでございますが、建築部がタッチしなくとも、設計をどなたがおやりになっても、こちらの基準に合致しておればいいということでございます。したがいまして、借り入れ局舎の場合は、最後のでき上がった局舎が、当方として、郵便局舎として使用し得るということになれば、それで十分であるというように考えております。
  96. 野上元

    ○野上元君 その最後のところが、使用し得ると判断する場所はどこなんですか。何を基準に判断するのですか。一番最初の設計書を見ただけで判断するのですか。やはり仕上がったときの状況を見て判断するのか、そこのところがはっきりせぬから森さんがやかましく言っていると思うのですよ。片一方の普通局はちゃんとでき上がったのを見て、設計書と間違いなしと、これなら郵便業務を運行できるし、盗難火災、その他の災難の予防はできるのだという一つの基準があって建てられるわけでありますから、それまで検査をされてオーケーを出すわけでしょう。特定局も同じ仕事をしているのだから、私はその考え方特定局にあってしかるべきだと言うのです。ところが、ここは局長がかってに建てるのだから、設計書どおりにやっているだろう。設計書の段階において、オーケーを出した、もういいんだという考え方は、郵便業務の大小において差別をしているような考え方になるのではないかという、その点を私は問うているわけです。その点はどうなんですか。
  97. 山中侠

    説明員(山中侠君) いままで私が申し上げましたのは、建築関係の建築部の構造とか平面とか、そういう技術的な面について申し上げましたので、そういう面では、全部でき上がったものがチェックできない場合があると申し上げましたが、借り入れる場合には、省のどこかの目が通りまして、その上で認定しております。
  98. 森勝治

    森勝治君 どこの目なんだ。明快に。
  99. 山中侠

    説明員(山中侠君) 借り入れ担当官が見る場合もございますし、使用局が見る場合もございますし、妥当であるかどうかということ、そのあたりを検討した上で使用するということになっております。
  100. 森勝治

    森勝治君 どこかどこかって、全くどこかの国のできごとのように言われるから、われわれは腹が立つのですよ、正直言って。責任の帰属するところは、おのずから明快なんですよ。いいですね。あなたのお話官房長お話は明らかに食い違いがあるのですよ。あなたはでき上がったものを実際上人が少ないから、見なければならない義務はあるけれども、事実問題として残念ながらできません、目が届きません。借り入れ局舎については、できぐあいを見て、それでそれは開局させるのだと言っている。だれが見るんだということになったら、だれかが見る、どこかの人が見る。それは見るのはどこだと聞いているのだ。明らかに食い違うではないですか。検査をやるでしょう。私が質問しているのは、特定局根本的な制度問題に関連があるから、私は建築になぞらえて質問しているのですよ。あなた方は、直営事業はしっかりやれ、請負制度のほうは、あちらに権利をまかしてしまうのだから、そんなことかまわない、こういう思想ではないですか、そうでしょう。それではいかぬのでしょう。いま言ったように、特定局であろうと直轄局であろうとも同じでしょう、目的は。同一視するのが正しいやり方でしょう。そうではないですか。おかしいじゃないですか。どこか、だれかがやります、大臣、そういうのでいいんですか。のらりくらりで困るでしょう。こういう答弁は聞くにたえないですよ、正直言って。郵便局の形態がさだかであるかどうかわからぬで開局できますか。規則に書いてあるじゃないですか、特定局設置の許可基準にいろいろあるでしょう。おのずから定まっていることでしょう。そんなことはだれがやる、かれがやる、明らかでしょう、そんなの。
  101. 山中侠

    説明員(山中侠君) 答弁がまずくて申しわけありませんでしたが、先ほど申し上げ三したように、私の申しましたのは建築技術的にどうかということは、それは設計書どおりできてるんだということで、行かれない場合もあるということを申し上げましたが、借り入れる場合には借り入れの担当官が行く、あるいは竣工したときには事業局のほうから行くということで妥当かどうかということを判定しております。
  102. 森勝治

    森勝治君 重ねて恐縮ですが、借り入れ、借り入れとおっしゃるが、あなた方は設計書は局でやり、その基準に従ってやるわけでしょう。そうすると、そういう場合にあなたのほうで、どこそこの特定局はできましたよと、その借り入れ担当官なら担当官のところへ通知をするんでしょう。建築を見た目で、審査した目でこれはよろしいと、合格ですという通知を郵政省のあなたの部門からどこかの部門に行くんでしょう。そういう手順があるんでしょう。そうでしょう。それを現状を認識せずしてその書類が出せますかと私は申し上げているんですよ、いいですか。あなたはみんな書面審査でおやりだそうだが、それでは無責任過ぎるんじゃないですかと言っているんです。そうしたら、事実問題として職員の数が少ないからできませんよとあなたはおっしゃっておる。できない、できないと言ったって、役所のそういう関係の規則を見りゃ、厳重に検査をして、確かめてからということになってるんじゃないですか。そうでしょう、あなた。いまうなずいておられるでしょう。そういう規則があるのに、なぜそういうやるべきことを開局のときに怠っているんだ。そうでしょう。そうじゃないですか。なぜ怠っているんだ。だから、できないというから大臣にどうだと聞いたら、大臣もまたウナギの親分のようにのらりくらりしているんだ。ナマズか、のらりくらりは。そうでしょう、失敬な話だけれども。やるべき義務があるんですよ、建築部門として。そういうように大臣聞いているでしょう。それを怠ってるんだ。数が少ないからできないと言ってるんだ。できるかできないかの問題じゃないでしょう、郵政省の規則があるんですから。これをやらなきゃ開局させられないんだ。そうでしょう。それなのに、そういう事実確認をしないで、どんどん開局をさせていくというこのルーズな姿を一体あなた方はどう考えておられるか。建築部長が言われるように、実際できないならば役所の規則を取りかえなさい、できなければ。そうでしょう。役所の規則は取りかえないわ、ほっかぶりで過ごすわ、職員をいじめるわ、これでは通らぬのじゃないですか。これではどこかひとつくぎが抜けてるか、かどが曲がっているか、どちらかでしょう。そこらを明快にしてくださいよ。責任の帰属を明らかにしてくださいよ。たまたまこういう強盗殺人事件というような問題に端を発して私は質問いたしております。こんな質問はしたくない、正直言って。しかし、不幸なできごとが起こっているから、いま言った特定局制度の根本に触れるごくわずかの一端について私はいま触れているんですよ。借り入れだろうと何であろうとも、それは郵政事業でしょう。少しも変わらないでしょう。借家だろうと自家であろうと変わりないですよ、中身は。ところが、そういうところからあなた方は扱いが違うのですよ。しかもやるべきことをやっていないんですよ。それでいいですかと聞いているのですよ。大臣、お答えをいただきたい。それでよろしければ、われわれはまた質問のしかたがあるんですよ。
  103. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 問題の焦点は、本省直営の普通局の局舎ではないので特定局局舎の問題だと、こういうように察するわけでございますが、特定局の建築の場合は、国が建てるのでなくて自分自身で局舎を建てるという場合は、しかるべき地元の建築士に頼んで設計すると、それが郵政事業運営に適当であるかどうかということはいま御指摘のように審査を行なわなくちゃならぬわけでございますが、自分でしかるべき人に頼んでやりました設計に基づきまして地方の郵政局に申請をやるようでございます。申請をやって地方の郵政局の建築のほうでそれを審査して、これならばよろしいということになりまして建築にかかります。そうしてでき上がって、その際地元の市町村や県の関係は普通の建築の法令に従って検査を受けると思いますけれども郵政省の仕事の職場でございますから、地方の郵政局の検査を受けることも必要だと思いますわけでございますが、いまいろいろ聞いてみますと、その検査をやる場合もあれば、やらない場合もあるというようでございまして、竣工検査を地元で受けますとともに、郵政局で受けることも郵政事業としましては必要だと思いますので、その点をひとつ全国的に方針を定めまして遺漏のないような指導をいたしたいと、かように考えております。
  104. 森勝治

    森勝治君 大臣がまあ御努力くださるというのですから信用いたしまして、次の問題に移りますけれども、とにかく厳たる規則が控えておるのですから、それを忠実に守らなければいかぬと思うのです。特にこれは郵政県モデル——私はモデルケースとして聞いているんです。ですから、モデルケースとして建てた庁舎が盗難予防のそういうものも、火難等についても配慮をしたと称する局舎がぶち破られて入られているんですよ。そこに問題があるんですよ。これが十年も二十年も昔の設計だというならいざ知らず、五月か六月でしょう、開局が。そこで三月か四月たつかたたないうちにもうどろぼうに、強盗に入られた。結果的には強盗に早変わりしたわけですが、どろぼうに入られているんですよ。ですから、いまになって、なんだ、モデルハウス郵便局だったのがおかしいじゃないかと言われるのがいやだから、いまになってモデルじゃありません、ありませんと逃げているが、当時発表は建築は郵政局のモデル郵便局だと、そういうように発表しているんですよ。地元ではそういうふうに発表している。ですから、大臣がせっかくそういうことで努力をするということですから、信頼して次に移りますが、なるほど夜間の無住局のこの当該局防犯ベルはりっぱだそうですね。先ほど聞きましたように、鳴り響く音が大体二百メートルだそうでありますから、夜中ですから、これは二百五十メートル当該局から離れたところの人も非常ベルを耳にしたそうであります。で、郵政ではこういう夜間不在の局の防犯ベルをつけることによって事足れりとされておられるのかどうか。そのほかの配慮はおやりになっておるのか、この点ですね、夜間無住局の局舎防犯関係についてはどういう配慮をされておるか。この担当はどちらですか。これは官房長ですか。
  105. 森田行正

    政府委員森田行正君) 私どもといたしましては、午前中も御説明申し上げましたが、厳重に戸締まりをし、施錠をし防犯ベルを完備し、さらに局舎内に公金をはじめといたしまして、できるだけ金品を置かない、損害を防ぐということをやれば、現在のところ十分とは申しませんが、それでいいということを考えております。
  106. 森勝治

    森勝治君 それだけで十分と考えておるんですね。一一〇番との連結ということは考えておられないんですか。十分だとおっしゃるが、まだ不備な点があるでしょう。
  107. 森田行正

    政府委員森田行正君) 夜間無人局でございますから、その局からどうこうということはできませんが、近隣の方に、防犯ベルが鳴動いたしました場合に、局長宅なり、一一〇番にお願いいたしますというふうに、近隣の方にお願いしてございます。さらに警察方面には、近隣の方から連絡があった場合すぐ出動していただきたいというふうな連絡は密接にとっております。
  108. 森勝治

    森勝治君 あなたは近隣の方に非常事態発生のときには御足労願いたいと依頼しているとおっしゃっていますが、間違いありませんね。
  109. 森田行正

    政府委員森田行正君) 間違いございません。
  110. 森勝治

    森勝治君 そういたしますと、依頼を受けた近隣の、たとえば何のだれべえさんは庁舎を守る義務が生まれてまいりますね、依頼を受けているんですから。
  111. 森田行正

    政府委員森田行正君) 直接庁舎を守る義務というものはないと思います。局長に連絡したり、一一〇番に連絡したりという限度であろうかと心得ております。
  112. 森勝治

    森勝治君 少なくとも郵政事業の一翼をになうということですね、広義に解釈すれば。そうでしょうね。特定の職員とかそういう者ではないけれども、お願いしているわけですから。
  113. 森田行正

    政府委員森田行正君) 広義に解すればそのとおりだと思います。
  114. 森勝治

    森勝治君 これらの方々の報酬はどうされておりますか。
  115. 森田行正

    政府委員森田行正君) 別段定まった報酬というものは差し上げていないと思います。善意にお願いしているというふうに心得ております。
  116. 森勝治

    森勝治君 そうすると、夜間無住の局は市民の善意に期待をして、あとは防犯ベルをつけて、局長は家へ帰って高いびきと、こういうのが夜間無住の局における郵政事業のあり方だ、こういうことですね。
  117. 森田行正

    政府委員森田行正君) おことばを返すようですが、高いびきというふうなのにはちょっと異論がございます。郵便局長は常々神経過敏になっておりますけれども現実の問題といたしましては、夜間無人局はやはり防犯ベルその他で守るだけというふうに考えております。
  118. 森勝治

    森勝治君 高いびきというのは、社会通念上安心してぐっすり寝ることなんですよ。私は野人ですから、あなたのように文化人でないから、ことばが粗野ですけれども、私はそういうように素朴に理解するんです。神経過敏になっていて、職員をいかにいじめるか、全逓を分断させるかというそのほうに神経を消耗されているであろうけれども、家では寝ていることは事実ですよ。しかし、少なくともこの局の周辺のどなたかに夜間のことはお願いすると頼んでいるはずですよ。  そこで、舘野さんにお伺いいたしますが、この事件の発生したときに何人かおいでになりましたね。
  119. 舘野繁

    説明員舘野繁君) はい。
  120. 森勝治

    森勝治君 この方々は路傍の人でしょうか、行きすがりの人でしょうか、通行人がそれを発見したんでしょうか。
  121. 舘野繁

    説明員舘野繁君) 先ほど御説明申し上げましたように、近隣の方でございます。近所のおすし屋店員さん二人、それから同じく近所の方でございます。
  122. 森勝治

    森勝治君 この方々は夜間お願いしますよと頼まれた人でしょうか。頼まれない、全くいわゆる俗語で言う通行人だったんでしょうか。
  123. 舘野繁

    説明員舘野繁君) おすし屋さんには、防犯ベルが鳴動したら局長かあるいは一一〇番に御連絡願いたいということを、局長は開局のときに、近隣に対するごあいさつのときに、ごあいさつの中で申し上げたということでございます。
  124. 森勝治

    森勝治君 開局のときのあいさつのときにあいさつをしたということは、具体的に言ってどういうことですか。
  125. 舘野繁

    説明員舘野繁君) この防犯ベルが鳴動いたしますと、何らかの異状があるんで、とにかく、局の中をごらん願いたいというところまではもちろんお願いしてございませんし、そういうつもりもございませんが、できますならば、一一〇番になり、あるいは私の自宅のほうにお電話をいただければありがたいということを御依頼申し上げていたそうでございます。
  126. 森勝治

    森勝治君 まあ、失礼ですけれども、そのように依頼をしたという消極的な発言方法をもってされておりますけれども、逆でしょう。「私が岩槻に住んでおるので夜間は留守にいたします。申しわけありませんが、御近所のよしみでそういう問題が起こったら、ぜひともお願いします。」といって頭を下げているのでしょう。積極的に協力をお願いしているわけでしょう。そうだったでしょう。
  127. 舘野繁

    説明員舘野繁君) 私、報告で御答弁申し上げているわけでございますが、開局の際に御近所の方、特におすし屋さんには一一〇番ないし自分のところに御連絡願いたいということをごあいさつの中で御依頼申し上げたという報告を受けております。
  128. 森勝治

    森勝治君 了解いたしました。あなたがすし屋に特にお願いした。「特に」という表現をされましたから、それで了解いたします。  そうすると、この犠牲になってなくなられた青年はすし屋店員ですよ。したがって、すし屋防犯その他のそういう連絡をお願いしておったので、その従業員である被害者の方のやったことは、郵政省の広義における依頼に基づいての行動だというふうに素朴に理解できますが、そのとおりですか。
  129. 舘野繁

    説明員舘野繁君) 御依頼申し上げた当該局長の気持ちといたしましては、このような御迷惑を——とんでもない御迷惑をかけるということ、あるいはそのおそれもあるということまでお願いはしてございませんようでありまするし、お願い申し上げる筋合いでもないと思いますけれども、たまたま外出先から帰って来られた店員さんといたしましては、その方のお気持ちはそんたく以外にはございませんけれども、かねて連絡方を頼まれていた局のことであるからというお気持ちもあって、おかしな者が入っているのじゃないかということで、局の窓口のほうに回ってみたということではなかろうかと思いまするけれども、これは私個人のそんたくでございまして、何とも申し上げようがございません。
  130. 森勝治

    森勝治君 私も大かたそういうことだろうと思うのですよ。ですから、この犠牲者の方は、単に通りかかってその事件に遭遇したというのではなくて、かねてから自分の働いている職場の長が依頼を受けているというそういう考え方が、潜在的にあるいは顕在的に頭の中をこの事件の当時交錯したのではないかという善意における推量が成り立つだろうと思うのです。そうでなければ——こういう二十歳に満たない若い前途有為の青年が逓信事業のために犠牲になってしまったことですから、そういうふうに考えてやることもまた、私は死者の霊を弔う一つ考え方ではないかと思うのです。そうじゃないでしょうか。  ところで、これは人事局長にお伺いいたしますが、たとえばの話で、仮定の方法を用いますが、ことし高校を卒業した青年がことしの四月に新規採用になって、その人がいまのような事態で不慮の死で犠牲になった場合の慰謝料と申しましょうか、犠牲者扶助と申しましょうか、そういうものは大体どのくらい出るものでしょう。あまり明るい話題でなくて恐縮でありますが、お聞かせ願いたい。
  131. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) たいへん申しわけございませんが、ちょっとただいますぐにとおっしゃいましてもちょっと計算いたしかねるわけでございます。お時間いただければ計算してもけっこうでございます。
  132. 森勝治

    森勝治君 それはいいですよ、あとでも。たとえば国家公務員災害補償法ですね、共済組合法あるいはまた退職手当法いろいろ法律がありますからどなたか、専門家ですから十分か十五分あればできるでしょうから。私は具体的に、まあこれは仮定の人というか、なぞらえて一応かりにということで申し上げたんですが、総額でどのくらいになるか、そろばんをはじいてもらいたいんです。——いいですか、もうできましたか。それは頭がいい。どうぞ。
  133. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 郵便の内勤職員で、たとえば春日部市内——地域差かございますから春日部市内の職員だったとして、これが公務執行中に災害にあって死亡したという場合でございますと、俸給が——これは俸給だけが基礎になりますので、俸給が三万九千百円、これではじきますと、遺族に対する補償、一時金が百三十万四千円ということに相なります。また郵便外勤でございますと、これは初任給が四万四千六百円ということに相なりますので、同様算出いたしますと百四十八万六千円と、こういう結果に相なります。
  134. 森勝治

    森勝治君 それだけですか。一切がっさいを全部くるめて。
  135. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) ただいまのは国家公務員災害補償法による補償の分でございます。そのほかに葬祭のほうの、お葬式のことでございますが、葬祭補償といたしまして……。
  136. 横川正市

    委員長横川正市君) ちょっと発言中ですが、全部取りまとめて計算ちょっとしてみてください。その間二、三分休憩しましょう。
  137. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) わかりました。
  138. 横川正市

    委員長横川正市君) じゃちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  139. 横川正市

    委員長横川正市君) じゃ速記を起こして。  続いてそれじゃ北人事局長
  140. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 合計いたしますと、郵便の内勤職員といたしました場合、百三十八万二千二百円ということになります。外勤職員と仮定しますと、百五十七万五千二百円何がしということになります。なお俸給は、御本人が満十八歳でございましたので、その年齢からいたしまして高校卒のその地域における初任給というものを適用したと、こういう計算でございます。
  141. 森勝治

    森勝治君 交通事故等の一般の死者の場合等の賠償金などはもう二千万、三千万というのですね、いまの一般の世間のあれでは。ところがいまのお話聞きますと、満十八歳で郵政事業のために殉職した人がわずかに百三十八万二千円しかもらえない。私はもっと出るような気がするのですが、いま公式なお答えですから——それしか出ないということ、これは不当な低い額に押えられているような気がするのです。特に郵便の外務の諸君はただでさえあぶない交通地獄の中に毎日毎日さらけ出されておるのですから、その人が郵政事業のために犠牲になって、たとえ若いみそらで、若年だといわれながらそういう額ではお話にならぬわけですね。そうでしょう。そこであまりにも少ないということで、各省独自でいわゆる弔慰金制度というのをとっているんじゃないでしょうか。たとえば法務省、警察庁、防衛庁、海上保安庁なんかそうですね。しかし、これでも、弔慰金制度とっても最高は二百万程度だと、こういわれておる。それで今度は、何か聞くところによりますと、この青年に郵政大臣の名をもって三百万のお見舞いを贈ったということでありますね。この三百万という根拠、私は三百万でも正直言ってそんなはした金かと、はした金というと変ですけれども、一生棒に振った人にはあまりにも少な過ぎると、こう率直に考えますが、三百万のお見舞いを贈ったそうですが、それは事実ですか。
  142. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) ただいまお話にございましたように三百万円差し上げました。
  143. 森勝治

    森勝治君 その根拠、よりどころですね、それはどこからそういう三百万という数字をはじき出されたのですか。
  144. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 見舞い金の性質から申しまして具体的な根拠に基づいたものではございませんが、たまたま先ほども先生お話の中に出てまいりました「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律」というものがございまして、その定めなど、おおむね社会通念上このくらいは差し上げるべきだという判断のもとに額をきめた次第でございます。
  145. 森勝治

    森勝治君 社会通念とおっしゃいますが、公金支出ですから根拠が必要でありますね。根拠のないところには支出できないんでありますから、その根拠をどこに求められましたか。社会通念上と言われてもちょっと合点がいきません。明快にお答えをいただきたい。
  146. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 事業運営上、いろいろ心要とされる経費がございまして、こういう種類の場合にはやはり行政上の裁量と申しますか、そういうことで行なったものでございます。
  147. 森勝治

    森勝治君 行政上の裁量とおっしゃいましたが、それは郵政の中のどういう規定、あるいは内規、いろいろありますね、運用の。それのどこに属するのですか。そういう自己裁量でやること、いわゆる世間ではよくお手盛りというんですね。お手盛りはどこでやるのか、どういう規則で出てくるのか。
  148. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 郵政大臣が大蔵大臣と協議して定めますものに予算の目、及び目の細目というものがございまして、款等につきましては、国会で先生方に御審議願ってお許しをいただくわけでありますけれども、目及びその細目に関しましては大蔵大臣と協議いたしまして郵政大臣が定めたものがございます。その目、及びその細目という中に、目に需品費というものがございまして、需品費の使用方につきまして、先ほど申し上げましたごとく、加えますならば人件費でありますとか、貯蔵品勘定でありますとか、固定的に使わなければならないもの以外の、かなり広い範囲に使うことと定められた費目があるわけでございます。
  149. 森勝治

    森勝治君 そうすると、省の内規にはもうそういうのがないということですね。
  150. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 先ほど申し上げましたように公達で定めました目、及びその細目の中にそういう使い方の載っているところがあるということに相なります。
  151. 森勝治

    森勝治君 それはどのがまぐちから出すかというお話でしょう。私のほうは三百万を出した。その根拠は何ぞと聞いているんです。先ほどの話ですと、私がことあげいたしましたいわゆる賞じゅつ金制度という、そういう名前を、他のところではそういう表現を用いていますが、それになぞらったと、こういうことでしょう。しかし、これは法的な規制がないわけですね。ですからいつですか、昭和四十二年ですね。四十二年の十二月二十日に人事院が災害補償特別調査研究会を通じて特別公務災害に関する研究の中間報告というのが出されておりますが、そこまででとまってしまって、この種のものはその後進展をみないまま不幸にしてこういう事件が起こってきたわけでありますが、ですから今度、いま言われて、満十八歳の内勤の方が百三十八万しか殉職してももらえない。外部の人のときには最低三百万ということになるならば、やはり内部の人が殉職したときには外部の人のような取り扱いをするという前提が生まれたと理解を持ってよろしいですね。
  152. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 先ほど人事局長からお答え申し上げましたように、国家公務員、その中で郵政省職員であります場合には明確によりどころとされる法律がございまして、それに基づいて差し上げるということに相なるわけでありまして、こういう部外の方がたまたま郵政省の固定資産管理上の災害から痛ましいことに相なられたことに対しますお見舞いといたしましては、先ほどお答え申し上げましたように、大臣の裁量行為ということに相なるわけでございます。
  153. 森勝治

    森勝治君 ですから私は申し上げておるのですよ、額が少ないではないかと。ましてや正規の職員お話にならぬのではないか。まあ、なくなられた人になぞらえて恐縮でありますが、部外の方に見舞い金として三百万お出しになった、もっとお出ししたいと私は個人的に思っておるけれども。まあ、一応三百万という額で大臣裁量でお出しになった。ならば部内の正規職員にはもっと出せるだろうということが、あなたのいわゆる社会通念上、そこに生まれてくるわけです。ところが、部内の職員は残念ながら百三十八万で一生を棒に振るという御答弁ではどうも私は合点がいかない。その辺はどうお考えなのですか。
  154. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 国家公務員でございます場合には、先ほど来申し上げております補償法がございます。したがいまして、法によって具体的にきめられておる給付を支給する。このことは、それ以上のことはできないということと同時に、それだけは必ず法律の条件を満たせば補償される、この二つの意味を持っておると、かように考えるわけであります。
  155. 森勝治

    森勝治君 あなた方の筆法を私流に理解いたしますならば、それならば職員の殉職に準ずるというお答えが出てくるはずでしょう。そうじゃないですか、あなた方のいまの説明だと。そうでしょう。職員の殉職に準ずるのだと、そういうお答えなんでしょう。私はそういうふうに理解するのですがね。職員に準ずる見舞い金ということになれば額が違ってくるのではないかと、こう私は素朴に思うのですよ。なぜあなた方は職員が殉職したのに百三十八万が安いと言わないのですか。法律、法律と言っておるけれども、あなた方、職員については法律を適用するのはあたりまえです。それならばやはり職員に準ずるということになれば理解できますけれども、三百万は安いでしょう。気の毒です。だけれども、それならばあなた方の御答弁から引き出せるのは、こういうときは職員に準ずるということにならなければあなた方の考えの裏づけがないですよ。そうじゃないですか。人事局長経理局長ともどもお答えいただきたい。
  156. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 現に法律がございます以上、私どもといたしましては、その法律の内容について公式にはとやかくは申せないのじゃないだろうかと存じます。また準ずると申しましても、私考えまするに、この法律自体の中に準ずるということはございませんので、こういった法律が国家公務員については存在するという事実、それを一方で見まして、先生指摘のような今回の事態も、いわばこれに準ずるといいますか、法律によって準ずるということでは必ずしもないのではないかと、これは推測でございまして恐縮でございますが、私はそう思う次第でございます。
  157. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 人事局長と同じことを申し上げることになるわけでありますが、これはお答えになりますかどうかわかりませんけれども、本件の場合に殺人行為が伴っておるわけでございまして、一般的に公務上の災害、公務災害補償法というものが法定されましたにつきましては、通常の職場あるいはもちろん職場外における公務活動でございますけれども、そういう場合の通常予想される災害に対しまして考えられたものではなかろうかと存じます。特に先生指摘の交通事故ということに相なりますと必ずや加害者がおるわけでございまして、国家公務員であります場合も、もちろん公務災害補償法に基づきます補償を支給するわけでございますが、加えまして加害者との何と申しますか、相談あるいは場合によっては裁判上の問題にも相なったりいたしまして、そちらで納得のいくお金を遺族の方が手にされることもあるということではなかろうかと思います。あるいは見当違いかもしれません。
  158. 森勝治

    森勝治君 私は交通の危険にさらされている外務職員という表現を用いたんですよ。交通事故によってのものだという質問はしてないんですよ。部内の職員がこの青年のように同一条件で殉職した場合のことを質問しているんですからね。あまり脱線しないで返事してもらいたいですよ。あなたの話だと、それじゃ人殺しをしたやつがいるんだから、そっちのほうから金を取れるんだからよかろうと、こういうことになるでしょう。あなたの言い方だと、強盗殺人事件だって加害者がいるから殺人というのが生まれるのでしょう。自殺して殺人なんて言いますか、そうでしょう。殺人というのは人殺し、被害者にとっては人に殺されたということだ。言海をひもとくまでもないでしょう。だからもう少し正確なお答えをいただきたい。
  159. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 取り違えましてたいへん申しわけございません。  最初にお答えいたしました算出根拠、社会通念と申し上げましたが、その前にあげましたように「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律」ということで、警察のほうから遺族の方に払われます場合、ちょうど今回も言ってみればそういうことに該当いたしまして、警察署のほうからもお見舞いがいっておるわけでございますが、そのお見舞いに差し上げた額などを参考にいたしたということに相なるわけでございまして、その際の警察署からお見舞い金として遺族の方に差し上げられました額かやはり三百万——ということに相なっておるように聞いております。
  160. 横川正市

    委員長横川正市君) ちょっと私のほうから一問お聞きをいたしますが、多様な事故があって補償が多様に出されておりますけれども、その多様性の中で、社会通念上という問題と、それからその補償のある場合とない場合と、そういうその取り扱いでは差があると思いますが、この場合、郵政省無人局周辺の方々に依頼をするということの評価はどういうふうにされているのかということですね。これは社会通念上というのは非常に無形なものであり、依頼ということも何となく社会通念上のできごとのように思いますけれども、依頼をするということは、何か契約にも該当するような性質を持った社会通念ではないか。その場合に私どもは計算その他に何か別途考慮すべきものがあっていいんじゃないかというふうに思われますが、これは他にもたくさんな無人局があって、将来の例にもなることでありますから、その点の評価はどうされるのかという問題ですね。評価されたか、されないかという問題とあわせてお答えいただきたいと思います。
  161. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) お答え申し上げます。  契約という概念は、私はこのケースの場合には入っておらないというふうに考えております。
  162. 横川正市

    委員長横川正市君) 通念上の中に契約に類似するようなものが発生していないかということなんです。たとえばあなたのほうで内規、規程、規則、法に基づいて出すとすればこれはないわけですね、出し方が。ただ他に類似する行為があったからそれに準じて出しましたと、こういうことが基本になっているわけですね。  それから無人局のような局が非常にたくさんあって、それの防犯、防衛、あるいは犯罪早期発見のための協力体制というものをやっておりますと、それは何の関係もない一般市民が警察から強盗その他の公開捜査に入った場合、たとえば町で、ああこれは似ているとか似ていないとかで通報するというようなこととか、あるいはそれが逃げた場合つかまえる。つかまえるときに事故が起こって殉職するというような、そういう事件が起こったことも前例として出されたわけですがね。ですから少なくとも局長すし屋さんならすし屋さんの人に、無人局だからもしも何らかのことが起こっておれば、ぜひひとつ協力していただきたいというそのことは、私は非常に隣組のような善意だけというふうにもとりかねる内容があるんではないかと思うので、その点は法律その他では解釈しにくいが、もっと郵政省としては人を配置するとか何とかでできない場合の頼み方といいますか、そういったものを金で評価することは妥当でないものかもしれませんが、一つの例として幾ら幾ら出せるというような結果が出てきてもいいんじゃないか。ですから法的にどうこうということではこれは出せないということになりますけれども、通念上ということならば、そこに累積する条件というものが出てくるんじゃないかと、こういうふうに思います。この点はどうですか。
  163. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) たいへんごもっともでございまして、私どもも今回初めて三百万円という額をお見舞い申し上げたわけでありまして、これが一つの前例に相なろうかと思いますが、今後おっしゃるような点につきまして関係部局と十分打ち合わせをいたしまして、今後の運営に資したいと、かように考えます。
  164. 横川正市

    委員長横川正市君) 大臣ね、たとえば全日空事件の補償金が一千七百万円ですね。あれはいわば加害者という形のものが明確であって、それが国に該当する。だからそのきめ方というのはおそらく法的根拠があったわけではない。やっぱり社会通念上いろいろな計算方式をとって出されたと思うのですがね、国としてはどうですか。いまのようなたとえば郵政職員の場合の殉職、公務災害その他によって補償されるいろいろな点の計算が、いま言う社会通念上から見たら非常に小さいものだというふうにおとりになりますか、その点どうですか、いまの関連でお聞きをいたします。
  165. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) この問題につきましては、まあ近所の人の善意、近所のつき合いということで、道義的にぜひよろしくお願いしますというようなことでお願いをしたものだと思いますけれども、したがって、また契約ではないということは先ほど経理局長からお答えしたとおりだと思うのですが、ただ、委員長もおっしゃるように社会通念から申しますと、守っていただく対象が郵便局というようなことで、公的性質のものでございますし、全日空のように防衛庁の航空機が接触して墜落させたというようなこととはいささか違いますけれども、普通の近所、近辺のつき合いで自分の留守宅をよろしくお願いしますよというようなこととは、いささかやはり違う公的な性格を要素として持っておるということは考えられるわけでございまして、そこで、この場合は警察官に協力したいというそういう事例に準拠いたしまして、三百万円という金額を出したようでございますけれども、まあ郵政省としましてはこういうことは近来初めてのことでございますし、しかし、まあ考えれば何かやっぱりある程度の基準をぼつぼつつくっておく必要があるかと思います。無人局に対して防犯ベル設備するという以外に何ら特別の方法がないということになれば、近所の御協力に依存するということが必要になってくるわけでございますから、そういうことを勘案いたしまして、ただいま経理局長からもお答えしましたように、これを一つの前例といたしまして、さらに十分に考えてみたいと、こういうふうに思っております。
  166. 森勝治

    森勝治君 いま横川さんから質問の中で指摘されたように、全日空の事故のときもそうですね。それからついせんだっての科学技術庁のなだれ事件のときも新聞記者等は三千万、四千万という額ですね。ところが、片や公務員が殉職してもいま言ったようにこの被害者のような同年代は百三十八万という少額ですね。これは一がいにほかの人がどうだからこうだというように直ちになぞらえることはできないにしても、しかし、こういう事故がたび重なったときに、たぶん閣議か何かだと思ったのですが、国家公務員のこの種の額が非常に少ないので、再検討するとか何とかいう新聞記事をたしか見たような気がするのでありますが、大臣、閣議等のいわゆる政府間ではこういうことについての措置は検討されておられるのですか。
  167. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 閣議の議題となりましたのは、警察官の弔慰金だったと思いますけれども、それは関係の省庁でも研究を進められておると思っております。しかし、まあそういう事柄はそういう事柄として、郵政省郵政省としての独自の立場でそういうことを例といたしまして、討検を重ねるということで考えておるわけでございます。
  168. 森勝治

    森勝治君 私はこう思うのです。私がなぜすし屋さんに局長が積極的にお願いしたのではないかという設定質問をいたしましたのはそういうことがあったからこそですね。自分の省の職員が殉職したときすらもお見舞いのできない——いわばこれは郵政当局にとってはおそらくどのくらい出すかでたいへん議論あったことでしょうね。おそらくたいへんな議論されたんでしょう。歳出根拠もない。どうするかよその省で、よその官庁で出してもうちのほうは出せる出せないで議論したんでしょう。その結果、勇断をもっていわばお出しになったんでしょうから、そのときにこの根拠を求めるのは広義における郵政協力者、常日ごろからお願いしているという広い視野に立って三百万円という集約された額を出されたものと私は実はそう考えておったのですよ。そうじゃないでしょうか。そういうものが含まれておるんでしょう。ですからかねてから広い意味におけるお願いをした方々と、こういうふうに私は質問設定をしているわけです。そういう意味もあるんでしょう、全然ないんですか。
  169. 森田行正

    政府委員森田行正君) おっしゃるようなことも含めまして、関係部局で相談した結果でございます。
  170. 森勝治

    森勝治君 そうなりますと、大臣いいですか、いま言った無人局等について夜間不在の場合には特に両隣とか特定の一軒に委嘱した場合あるいはそれは口頭であろうと、文書であろうと、いずれにしてもお願いしたことは事実でありますから、それを一歩進めて、さらにこういうこの種の不慮の災害が二度と起こらないようにもっと具体的な御協力のお願いをしたらどうです。たとえば一日留守にしても、隣近所へ、留守にしたら帰って来て、はい、おみやげですとやるわけです。額でもって人の心をつなぐことが目的ではありませんが、そういうこともあってもしかるべきで、これはぜひともひとつ御考究を願いたい。ブラザーで役に立たないようなことに使わないで、こういう生きた金の使い方をすることが国民郵政事業をつなぐ一つのかけ橋に私はなると思うので、その点ひとつそういう案を出したと言ってはおかしいですが、ぜひともそういうことについての御検討をいただきたい。そして無人局でもできるだけこういう事件の起こらないように当然御努力あってしかるべきだと思うので、この点ひとつ御検討いただきたい。
  171. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) いま森委員のおっしゃられたのは、夜無人になる、そういうところには防犯ベルを設置しておる、そういうような局に対しては、近所の方に一そうの協力を願うという気持ちで常日ごろ何か心づけをしたらいいという意味であればひとつ検討してみたいと思います。
  172. 森勝治

    森勝治君 それから防犯ベルの、特に夜間無人局防犯ベルの警察接続の問題、これは考えてみませんか。費用は二十五万円、大体その程度です。
  173. 森田行正

    政府委員森田行正君) ただいま省におきましては警察と直接連係をするようないろいろな無線による警報装置というものを考慮いたしております。ただ、いまおっしゃいましたように非常に高価なものでございますので、全局に取りつけるというふうなことは予算的に不可能であろうと思いますので、まずできますならば非常にあぶないような、都内で連権しているようなところというようなことで、目下一つ方法として考えておるような段階でございます。
  174. 森勝治

    森勝治君 この事件は不幸にして一命を失った青年のそういう犠牲がありましたが、物質的には盗難されたものは見当たらないのですね。そうですね。どうですか、館野さん。
  175. 舘野繁

    説明員舘野繁君) お話の点では物的損傷といたしましては、侵入いたしましたガラス窓及び引き出しがこわされておりました。
  176. 森勝治

    森勝治君 先ほどをちょっと触れたような気がするのですが、この局に入ったいわゆる強盗なるものは防犯ベルが高らかに鳴り響いているにもかかわらず、局内を物色したということなんですね。これはたいへんなことなんですよ。ですから、これからの防犯についても特に、もっとも白昼襲う強盗もあるわけですから、そういうものもいろいろ含めて今後ともひとつこういう災害を二度と繰り返さないように最善の努力を払らってもらいたい。特にいま私が一一〇番接続は大体二十五万円と言ったら、そんな多額な金と言ったが、そのくらいのことをやらないでどうしてそういう災害を防ぐことができますか。当然その程度のことは措置すべきではないかと私は思うのですよ。当然裏にも、直轄局の防犯装置は金網を張ったり、そういうことはやりましょう。請負のほうだから請負のほうは少しなおざりにしてもいいんだという潜在的な心がもしひそんでおるとするならば、これはたいへんなことでございますから、郵政事業に何ら変わりはないですから、そういう点はひとつごうまつも、直轄局、特定局というような——私は特定局なんというのは早く廃止をして直轄局にするのがしかるべきだと思うのですが、きょうはそういう中身ではございませんので、その問題についてはこれ以上触れたくありませんから、そういうふうに使い分けをするということはよくないのでありますから、建築の審査の中身からいたしましてもそういうことがないように、私は二十五万円程度でできるならば、全部やれるなら一一〇番で非常に密接に、これだってこれがあれば殺されないで済んだのですね。そういう装置があれば殺されないで済んだのです。だからそういうものをおやりになることをおすすめする。  それからもう一つ私の聞いたところでは、午前の部で触れましたけれども、表通りは格子戸のはまった防犯装置であるが、一歩裏へ回ればそういうたわいもないと言われている、そういうものではいけません。建築のほうでも、もう武装なんということばは物騒でありますけれども、おやりになるなら周囲全部をおやりになれば、これなんか未然に侵入を防ぐことができたということが明らかに指摘されておるんですから、そういうことも十分、それはもう建築の職員が少ないのはわかっていますよ、わかっているけれども、そういうところにまで細心の配意をめぐらさなければ、期待される逓信事業の発展は成り立たぬわけですから、そういう点を十分ひとつ考えていただきたい。
  177. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 十分承っておきます。
  178. 森勝治

    森勝治君 そこで、まだこれからやってみたいんですが、時間がございませんから次の問題に移りたいわけです。  これは局の業務運営ということでは非常に範囲が広いんでありますから、私は一つだけこまかい問題に触れてみたいと思うんでありますが、過ぐる委員会において、私が郵便局の中におけるいわゆる加入電話の施錠の問題について反省を求め、この施錠を解くことを主張いたしましたところが、しばらく見さしてくださいということでございました。そこで、私はこれを信頼いたしましてしばらく見ておったのでございますが、郵政省まことにうそ偽りが多い。あれからこのかた全国職場でどのくらい施錠がふえたか。いままで施錠されたところだけ検討されるのかと思っておりましたところが、どんどんどんどん拡大するということに至りましては、私は口を緘して語らないというわけにはまいりません。したがって、この種の問題について再び私はここで質問を重ねますけれども、どうして皆さんはそういうふうに約束をほごにするんですか。大体常識といたしましては、そういう問題が指摘されれば、事態の発生したものにだけ限定して検討するのがしかるべきでしょう。たとえば、先ほどの労使慣行の中で私がつぶさに指摘いたしましたように、十年・二十年と組合の掲示板として認めたやつでも一方的に局側が撤去しなさい、撤去しなさいと一方的な通告で、それで、しばらく組合がだめだといっていると持っていってしまう。あなたは話し合いと言うけれども、話し合いなんというのは全然ない。いや、前の局長はどうでも、おれはおれの流儀だということで、そこには断絶があって信頼がない。パイプのつながりがない、パイプが詰まっておる。あるいはまたこわれる。アンテナもまたこわれ、かつまた乱れている。これが郵便局の中の状況であります。この電話の施錠の問題も私がこの前も指摘いたしましたが、これは相互信頼が重なっていない証拠。部下を信頼しないから錠をかける。私はこの前はあまりにもどぎつい表現であったために、時間外という表題を用いてその施錠を取りやめるように反省を求めたのでありますが、きょうははっきり申し上げますが、今度は、きょうは猶予いたしません。勤務時間中にも電話に錠をかけている。ある局は加入電話に、何と大臣、ばんそうこうを張っておる。これは一体どういうことなのか。しかもこのばんそうこうは、私が当委員会質問した後にばんそうこうを張り出した。一体どういうことなんですか。こういうことに至った経緯、人事局長は人事の面から、経理局長は経理の面から、官房長は庁舎維持の関係から、当該局長胸に手を当てて、関係あると考える人は全局長全部お答えいただきたい。このことについて。
  179. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 六十五国会であったと思いますが、去年の十二月の委員会であったと思いますが、先生から御質問がございました。当時私がおりましたので、当時その事態は初めてお伺いしました。よく事情を調査して不適切な措置であるならばこれを是正させたいと考えているということで、よく調査をいたしました。しかし、調査をいたしましたところが、これはいわゆる労務管理としてやっているのではなくて、要するに通信費というものの制約がございます。この通信費の節約という、純粋にその角度からやらざるを得ないところがやっているのだと、こういうことでございました。今後とも労務管理という角度からそういったことにかかわる考えは毛頭ございません。
  180. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) お答えいたします。  私のほうの立場からいたしますと、限りある予算、その中の特に通信費というものの効率的な運用という立場からいたしまして、それぞれ現場の所属長がいろいろと考えて切り盛りをしておるわけでございますが、いままでの経過は、御高承のように、たまたま通信費がかなりふくらむにつきまして、ちょうど数年前から遠隔の地から子弟を新規採用するように相なりました。その辺の個人的通信、私用の電話というものについて一部原因があるのではないかということで始まったもののようでございます。もののようでございますと申し上げますのは、実は本省とか郵政局がこうしなさいということを指導したわけではございません。そうして、今回全国的に見てみますと、なるほどおっしゃるように四六時中何かばんそうこうのようなものを張りっぱなしあるいはかぎのかけっぱなしという局舎もあるようでございますが、大半は官庁執務時間中はかぎをかけたりしないというのが実態のようでございます。そういうようなことがわかりましたので、どうも四六時中、つまり官庁執務時間、昼日中までかけっぱなしというのはまことに職場の雰囲気といたしましても好ましくございません。そういう意味合いからいたしまして、現在私が考えておりますのは、そういう昼日中の官執時間までかけることがないように指導いたしたい、こういうふうに考えつつあるわけでございます。
  181. 森田行正

    政府委員森田行正君) 局舎、庁舎の維持その他の点から考えますと、別に電話機にかぎをかけるなりばんそうこうを張るということは直接関係ございませんが、私としては、まあ全職員が私用で遠いところへ役所の電話をかけるというふうなことは慎むかわりにかぎなどかけないで、ちゃんと申し出て使用するというのが望ましいというふうに思います。
  182. 森勝治

    森勝治君 大臣、失敬でありましたが、あなたに午前の部で逓信一家とはそもそも何ぞやということであなたの所感をただしたところでございます。そこで、さらに具体的にお伺いいたしますが、もうすでに部下からお聞き及びでございましょう、数日前からこの種については、お伺いしたのですから。かりそめにも勤務時間中にかぎをかけたり、ばんそこうこうを張って加入電話を使えなくしているというこの現実の姿だね。大臣、これで全国当該局が正常に業務が運行されておるかどうか、それが正しいあり方かどうか。何かいま執務時間中はやらないとかという経理局長の話だが、そもそもかぎをかけるというこの考え方はどこから端を発したのか。これは局長がいわゆる自分の当該局職員ことばをかえますならば、俗っぽいことばで言えば、部下を信頼をしてないという最も端的な表現だと思うのです。逓信一家を熱心に説かれるあなたとしては、この姿をどうごらんになりますか。
  183. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 労務対策として、不信感を持ってはならないということは当然のことでございまして、先ほど私はそのことに触れたわけでございますけれども電話機に錠をかける、あるいはばんそうこうを張るというのは、現実において私用にかってに電話を乱用するという事実があることに基づきまして、局の管理者が経費の節約、経済的に電話の使用というものをやってもらいたいということでやむを得ずそういうことをやっていると思うのでございます。姿としましては、まことに好ましくない。そんなことをしなくても全職員が自粛自戒いたしまして、公私を明らかにして、そうして、かってに私用には電話を使わないというような、皆さんが自粛の気持ちを持ってそういうような職場に一日も早くなることをこいねがっておるだけでございますけれども、そうなりますれば、そのような、いま先生が御指摘になるような、外見いかにも醜態、みっともないような現象を呈しなくて済むというように考えます。これは労務対策として不信感を差しはさんで、組合に対して信頼しないというようなこととはいささか趣を異にすると、私は考えております。
  184. 森勝治

    森勝治君 大臣、組合に対してどうかといって、実はそういう意味で言ってないのです。部下を信頼しない、最も雄弁に物語る事実の一つではないかということを言っておるのです。そうでしょう。いかがですか。上司が部下を信頼しないからかぎをかけるんですよ。そうでしょう。上司に信頼されないところに部下が上司に対する尊敬と服従の念が生まれてきますか。そうでしょう。あなたの言う逓信一家ということが、たとえば、山田郵便局なら山田郵便局局長は父であり、あるいはまたある意味では母でしょう。親子の中に断絶があって一家が栄えたためしがありますか。口を開けば大臣は逓信一家、逓信一家といいますが、逓信一家が親子相克、麻のごとく乱れ、口もきかない、電話もかけさせない、部下を見ればかってにそういう電話を乱用すると、そういう見方をして、どうしてそこに事業愛が生まれてまいりますか。私はそんなことでは断じて生まれてこないと思う。そうでしょう。大臣、この姿をどう考えますか。
  185. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) まことに不愉快な状況だと思うんです。で、管理者が一般の職員電話を乱用するということを考えまして、錠をかける、ばんそうこうを張るということは相手を信用してないというようなことに根ざしておるかもしれませんけれども、また、一般の職員もそういうような疑いをかけられるような態度であってはならないと思うのであります。どちらが先かということになってくると、これはなかなかむずかしい問題だと思いますが、むしろ一歩でも二歩でも管理者の側から先に進んで相手を信用するというような態度が好ましいと思いますけれども、また一般の職員におきましても、やたらにかってに私用のために電話を使うというようなことをされますと、やっぱり局の経理にもいろいろ経済的に困ります。経理の面で困るということがありますわけでございますから、やっぱり信頼感ということは申しながらも、その辺お互いにひとつ自粛いたしまして、一方が信頼感を持ちますとともに、一般の職員が自粛いたしまして、信頼されるような職員にならなくちゃならぬと思うのでございまして、両々相まって、朗らかな、明かるい職場が実現してくると、こういうふうに考えているわけでございます。
  186. 森勝治

    森勝治君 どうも総ざんげ論を展開されてもちょっと困るのでありますが、人の長たる器になる者はみずからが範を示すということになっていますね、ことわざで。人を使う立場の者はみずからを省みなきゃならぬでしょう。これはあたりまえでしょう。ならば、部下がかってなことをするからといって自分もかってなことをしてよいという理屈にはならぬでしょう。脱線した部下、足らざる部下があるならば、あなたが言う逓信一家という心を心として事業を推進する衝に当たらんとする管理者の皆さんは、若い職員やそういういたらざる者を善導してこそ、指導してこそ、よき管理者と呼ばれる人ではないでしょうか。したがって、まず管理者がそういう問題についてはかぎをかけたのははずすと、ばんそうこうもはがすと、ばんそうこうだって迷惑でしょう。ばんそうこうだってそう利用するものじゃないでしょう。かぎだって迷惑でしょう、あなた。かぎはどろぼうが入らぬようにかけるのですよ。電電公社だっておそらく迷惑でしょう。ですから、ぜひともそういうことは大臣ひとつやめてもらいたい。  それから官房長にお伺いします。まことに失敬でございますが、郵政省電話の総本山でございます。したがって、あえて御質問するんでありますが、電話の目的というのはそもそもいかなるものでしょうか、この点からお伺いしたい。
  187. 森田行正

    政府委員森田行正君) 学問的なお答えはできませんけれども電話機を利用して相互の意思を疎通するということが目的であろうと私は思います。
  188. 森勝治

    森勝治君 これはよいことばをいただきました。したがって、電話を使えなくしたのですから、管理者みずからが局内におけるパイプを閉ざした、こういうことですね。かって埼玉県の蕨郵便局というところに労使間に問題が発生いたしましたときに、当該局長はみずから局長室に閉じこもってかぎをかけて夜中になって出てきてくれといって警察にSOSを発して埼玉県のもの笑いになったという笑い話がありますけれども、そういうことはさておきまして、本来心と心を伝達する電話機にかぎをつけ、すみやかに心と心を伝達する文明の利器を国民にすすめている立場の役所においてみずからが使用にたえないような措置をするということは、まさにこれは天下に恥をさらしたものと残念ながら表現せざるを得ない。まことに私は残念な発言をしている。ほんとうに嘆かわしいんでありますが、そういう姿を今後ともお続けになるおつもりですか、どうですか。と同時に、全国の官公庁、民間でそういう具体的な事例があったらお聞かせ願いたい。いかに部下が脱線したと、あなた方が脱線したとおっしゃっても、一家の中でもよく金づかいの荒いせがれもいるそうですね、よく家庭では。そういう者がいるからといって、あなた方は自分のせがれを座敷牢等に、そういうところに入れますか。そういうことはしないでしょう。やっぱり親が借金をして、子供がつくってくれば文句をつけながらわが子かわいさにその借金を解消するでしょう。もう少しなぜ職場にいたわりの念が管理者の中でわかないのですか、どうにも私はふに落ちない。ですから、その点ひとつお答えいただきたい。
  189. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 切々とお訴えになるがごとき御意見を拝聴いたしまして、大いに感激いたしておりますが、私は、まあ私みずからのことを申してどうかと思いますけれども、人生のモットーといたしまして、信を人の腹中に置くと、信頼を相手の腹の中に置くんだということを強く平素考えております。そういう方針で従業員も指導いたしておりますつもりでございますけれども現実の問題になってきますと、すべてそういう尺度で、そういうモットーでまいれないというような実態もあると思います。そこで、不信感を持っちゃならないということを大いに強調しながら、また他面におきまして、電話を私用に乱用するという現実もあります現在の嘆かわしい姿でございますから、しかしこれに対しましては、管理者の側から一歩も二歩も先んじて、相手を信じて、むしろ、そういうことをなくするということも一つの手ではないかと思いますので、そういうことを種々考えまして、十分善処してまいりたいと、そういうような指導をしてまいりたいと、このように考えております。きわめてはっきりしませんけれども、私の気持ちは御推察いただけたと思います。
  190. 森勝治

    森勝治君 経理局長にお伺いしますが、まさにこれは強硬手段と申しましょうか、管理者によって行なわれた笑止のさたです。われわれ凡人から見ますと、この笑止のさたとも言える、この強行した局が一体どのくらい経費を節減いたしましたか。具体的にひとつお答えいただきたい。
  191. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 実は通信費を全国で八億余り使用しておるわけでございますがこのかぎ設備をいたしました局におきまして、それをする以前と以後とどのくらい通信費の支出に差があったかと申しますと、二〇%ないし三〇%、かぎをかけた以降節減された。と申しますよりも、だんだんに通常の使い方よりも二、三割ふえたので、おかしいなというようなことで実態を調査しまして、先ほど御説明申し上げました地方出身者が、しかもだんだんより遠くから求めるにつれまして、電話そのものもちょうど自動化が進んでまいりますし、安直に故郷通信をするというのがかなり大きな理由になりましてふくらみましたものが二、三割減少して平常の状態に戻ったというのが実態であると聞いております。
  192. 森勝治

    森勝治君 それは強行した効果の経済的な発表ですね。精神的な効果を、これはむしろ経理局長よりどちらでしょう、人事局長ですかな。かぎをかけてどんなに職員が朗らかになったか、やっぱり効果がなきゃだめですからね。効果論についてひとつお答えいただきたい。効果がなかったならばお答えはいただかなくてもよろしい。効果があったらお答えいただきたい。
  193. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 先ほど申し上げておりますように、本件は全く通信費を節約するといいますか、通信費を合理化するという問題その方法といたしましても、いわば公私の別を明らかにするという問題だと存じております。したがいまして、特にこの措置によりまして現実に経済的効果はあった。しかし、それがそれ以外どういう影響があったかということにつきましては、施策の趣旨がそういったことにございますので、私どもとしては、直接把握をいたしておらない次第であります。
  194. 森勝治

    森勝治君 一般の職員がかけたときは記録する、課長以上の幹部がかけたときはかぎをあけて何も記録しない。そして、使っても職員だけ規制していた。われ一人独占の姿じゃないですか。そういう局で課長、局長の私用の電話も全部記録していますか。正確におやりですか。間違いなくおやりですか。断言できますか、経理局長
  195. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 個々の局すべてにつきましての実態を承知しておるわけでございませんので申しわけございませんが、通常の場合には、市外回線の場合に管理者の手元に公用私用別の通話記録簿がございまして、それに登載をして、責任者の許可がありました場合に市外通話ができるわけでございまして、したがいましてその場合、管理者、一般職員の分け隔てはないわけでございます。
  196. 森勝治

    森勝治君 そのことばはよく記憶しておいてください。私はこう思うのですよ。課長や局長は、自分のかけるときはかってな時間にいつでもかける。部下は私用まかりならぬということばをかえて申しますが、人にはだれしもたった一人で住む心の秘密があるのですよ、どなたでも。——いいですか。電話かけるときにでも、課長や主事の前ですわっていて電話かけるのでは、私用にしたってないしょ話ができないんですよ。職員はどこへ行くんですか。たいてい郵便局の表には公衆電話があるからそこへ行くんですよ。そのときに、局の中に電話があるのに課長や主事が干渉していてどうにもならぬ。電話をかけるのだから貸してくださいよと言うと、どこにかけるんだと言ってにらまれる。そうして、電話の内容をこうやって聞いているんですよ、耳をそばだてて聞いている。この精神的な拷問にあったような姿は苦痛で耐えられない。皆さんはそういう点どう思いますか。——いいですか。あなた方が言う、ほんとうに労務管理でないと言うならば、何も主事の前ですわらなくても、かりに、私はそんなの大きらいだが、百歩譲って、施錠したことがあったとしても、それならばそのかぎをあけてやって、その話の中身は聞かないでやってほしいんですね。そのくらいのいたわりがあってしかるべきだ、施錠を前提とした場合。ところがそれがそうじゃないでしょう。施錠をして、それでしかもほかの話をしたら、直ちに課長は、あいつ、ああいうことをしゃべったといって行くところは便所ならぬ局長室でしょう。私は、この席上では、あまりにもなまなましくて、あまりにもそんな話ばかりするのは暗い気持ちに襲われるから、これ以上その点についての具体的な例証は避けます。どんなに職員が恥ずかしい思いをしているか。電話の総本山、元締めの郵政省で、職員がただで電話をかけるという、それのみで部下にも電話を使わせないんだということがもし世間に伝わったらどうでありますか、皆さん。あなた方は郵政事業の名誉があるからあまり内部の恥部は外にさらけ出したくないという気持があるでしょう。われわれもそういうのは進んであばきたいとは思っておりません。しかし、皆さんがやっておられることは厳重に反省をしていただきたいから、私はあえてこういう暗い、じめじめした、いやな、ほんとうに質問しているほうが悲しくなりますよ、こういうのはみっともなくて。あなた方はそういう状態をどう思われるんですか。本省で何をやっておりますか、本省では。失敬でありますが、ゴルフに行く連絡だってあなた方勤務時間中にやっているじゃありませんか。なぜ勇断をもって、よくないから、世間ていも悪いし、やめようということばがどの局長からも口はけないんですか。そういうことはあなた方だって、民間の自動車呼ぶときだって、私用に行くときだって、氷川荘使うときだって、何のときだって使用しているじゃないですか。こんなところでこんなはしたない発言はしたくない。したくないけれども現実に幹部の諸君はそういうことをやっておるじゃないかと、私は言うんです。自分たちがやっておって、電話料の年間予算が超過したからといって、すべてこれを職員を悪者扱いにして処置するということは、人の長たる器のなせるしわざではないと私は断言したいんですよ。そうじゃありませんか。なりふりかまわずおやりになるというんですか。郵政事業が赤字だから、なりふりかまわずおやりになるんですか。やっぱり国家事業であるから、おのずから郵政事業にふさわしい品位と行動が伴わなければ、国民の負託にこたえられない郵政事業じゃないですか。経理局長、そうでしょう。大臣、そうでしょう。官房長、そうでしょう。何でもかまわないというわけじゃないでしょう。それならば、多小の経費がかさんだとしても、あなた方が職場をよく目を通し、よく指導すれば、そんなに食い違いはないんです。私はそう思う。——何か経理局長お手をおあげの模様ですから、何か御意見があればいただこう。
  197. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) どうも早まりまして失礼しました。お説のとおりでありまして、電話使用を許可しておきながら聞き耳を立てるなどということは、たいへん、どこにも通りませんはしたないことでありまして、厳に戒めるべきことだと存じます。ただ大局などになりますと、窓口以外にも赤電話を引いたりいたしておりますが、どうしても他人に漏れては困るというような私的な通話につきましては、やはり休憩時間あるいは時間外におきまして一般の公衆通話を利用するほうが妥当であろうというふうに思うわけでございます。なお、かぎをかけないようにするとだれも言わぬというおしかりございましたが、先ほど私少し急いで申し上げまして申しわけございませんでしたが、執務時間中、昼日中かけることはやめるように指導いたしたいというのが現在の考えでございます。
  198. 森勝治

    森勝治君 ですから、それはまず管理者みずからが——大臣が言っておるんですから、いいですか、上に立つ者がみずからそれは改めましょうと言っているんですから、あなたはじめ直してくださいよ。本省の局長だからといってじゃかじゃか電話かけて——ほんとうに失敬な、こんなはしたない発言したくない、したくないけれども、あなた方、部下ばかりいじめて自分たちのやっていることはかまわないと、こういう考えのように見受けるから、私はあえてこんなつまらない発言するんですよ。  そこで再び聞きたいのでありますが、電話に聞き耳立てるほどですから、三人寄れば文珠の知恵ならぬ不穏分子と、こういうふうにきめつけて、何やってるんだ、君たちは早く帰れとか、そんなことするなとか、こういうことを言うんですね。まあ把束のしかたがいいとか悪いとか、そういう議論ならまだしも、あいつらまた不穏な計画しているといって飛んで行って、「おまえたち」と、こうやるんですね。一事が万事こうじゃないでしょうか。そういう点をどう考えていますか。そういうことは職場に全然ないとお考えでしょうか。——これは人事局長ですか。
  199. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 実は、御承知のように、先般、組合との年末交渉が、一応、妥結いたしましたが、その過程におきまして組合からもそういう訴えがございました。で、私どものほうでも実情を調べてみますと、何も全局というわけじゃございません。中にはそういったことに神経をとがらしておった局、これも、ずっととがらしておるわけではなくて、やはりそれ相応のいろいろの事態があった前後ということでありますけれども、三、四人集まっていると無断集会ではないかというようなことで神経をとがらすというような事態はあったようであります。したがいまして、これにつきましては、三、四人集まったという程度のことでそう神経をとがらすものではない。そこらにつきましては、十分常識的な指導をしようと、そのようにしたいと思っております。
  200. 森勝治

    森勝治君 私は、郵政における電話の使用というのは、先ほど労使慣行の中で伝統という表現を用いましたが、ある程度そういう流れがあるような気がするのです、正直言って。いわゆる郵便局電話局が逓信省の名のもとに一省のときには、郵便局の窓口の電話であろうと小使部屋の電話であろうと一切無料でございましたから、そういう問題が、ぱっと二省分割のときに割り切れないで、多少、残滓として残った傾向があったのではないかと思うのです。そこで、そういうのが流れ流れて、多少、電話に取り組み方が——百歩譲って考えているのですよ。——ちょっと、連絡ですぐ電話を使いたいという衝動にかられたのではないかというような見方をしているのです。たとえ、そうあったとしても、いまのようなやり方はよくないと私は思う。そこで、経理局長がはしなくも、電話の強硬手段を選ぶ理由の中で、遠隔地採用の職員の問題を提起されて、遠隔地採用の諸君が、あたかも電話を乱使用しているがごとき表現を用いましたが、まことにこれは残念しごくでございます。もし、あなたがそういうことをおっしゃるならば、ブラザー制度で飲ませ食わしているということと、この電話を使わせないというこの考え方は思想的に一致いたしますか、一致しないでしょう。あるいは一致すると言うかしらぬ。片やあめを持ち、片やむちを持っておやりになっているのかもしれない。昼間はむち、五時以降はあめを持って職員をかり立てるのかもしらぬ。そういうものこそあなた方が善導すればいいじゃないですか。もし、新規採用の遠隔地の諸君でそういう者があったとすれば善導するのが正しいんじゃないですか。あなた方がブラザー制度をわれわれに説明したときに何と言いましたか。生まれ故郷の親元を離れてただ一人都会生活をしている、若さをもてあますやるせなさ、悲しさ、望郷の念にかられて、ややもすれば定着性を欠くおそれがあるから、長く定着をして事業に献身してもらいたいというたてまえからブラザー制度をとりましたとおっしゃっておるではないですか。ところが、あなた方が電話の費用がかさむというゆえをもってこの新規採用の諸君に汚名を着せるとは何事ですか。そういう安易な考え方全国の至るところの職場の労使紛争の発足であります。私はそう断ぜざるを得ない。それではあまりに人間を、もっとも、近代文明が発達した世の中ですから、機械文明ですから、オートメーション時代ですから、あなた方は、失敬でありますが、郵政職員を物を運ぶ、品物を運ぶ機械と心得てそういうことをおっしゃるのかもしれません。しかし、かりそめにもそういうことを言うならば、あなた方の言う、ブラザー制度をわれわれに説明した主張の点と明らかに矛盾すると私は思うのでありますが、矛盾いたしませんか。
  201. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) たいへん舌足らずで申しわけございませんでした。かぎをかけるに至りました経緯の中に、確かに申し上げましたような遠隔地採用の者の故郷通信というものがあったということを申し上げたわけでございまして、一つの例としてあげた次第でございますが、なおブラザー制度との関連ということにつきましては、全く事の性質が違うものと考えます。
  202. 横川正市

    委員長横川正市君) 人事局長のほう答弁ないですか。
  203. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 私も経理局長と同意見でございまして、ブラザー制度というものは新規採用職員の定着性のための施策、本件電話の施錠の件は、通信費を合理的に使う、あるいはその中で電話を使わせないというのではございませんで、私用であるならば料金を払って使う、こういう要するに経済的な問題したがって別の問題であろうと考えます。
  204. 森勝治

    森勝治君 ちょっと話が違うんじゃないですか、経理局長。あなたの御答弁の中で、経済的効果は何ぞという質問を私がいたしましたときに、遠隔地の採用の諸君のかけていたものがあったから、それをやめさせたので二〇%ないし三〇%節約をできたということをあなたは明快に言ったでしょう。前段では新規採用の諸君もこうやったというふうに話したが、経済的効果はどうだと言ったときにそういう説明をされているんですよ。速記を見てもらってもいいですよ。いまの発言と違うんですよ、それは。
  205. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) もしおっしゃるとおり私が申し上げたとしますとたいへん舌足らずでございまして、おわび申し上げなければなりません。あくまで、通常の状態よりも通信費が増高したいろいろ理由があろうと思われますけれども、その一つに、先ほど申し上げたようなことも含まれておるという意味合いで申し上げたつもりでございます。
  206. 森勝治

    森勝治君 例としてあげられたそうでありますから例としてお返ししますが、それでは遠隔地採用の職員の一番かかった金は一回で幾らですか月に何回ぐらいかけましたか。
  207. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) ただいま資料は持ち合わせておりませんので、お答えいたしかねます。
  208. 横川正市

    委員長横川正市君) そんな資料出るんですか。
  209. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) ちょっと、だいぶ前のことでございますのであるいはないかとも思われますが、私が耳にいたしました中に、非常に、まあ東京からですと四国、九州というような遠いところになるわけでございますけれども、かなりの時間使ったと思われるような電話料の請求が電話局からあったということを耳にいたしております。
  210. 森勝治

    森勝治君 資料の持ち合わせがないとおっしゃるけれども、それはうそでしょう。何局の何のたれべえはと、そういう場合には指摘をしておるんじゃないですか、そうでしょう。具体的に四国とあるならば、その局で調べればちゃんとわかるでしょう。遠隔地採用のものとあなたは規定づけているんですから、そんな四国の人が一局に五人も六人もおるわけがないでしょう。失敬でありますが、私がこの前質問したときに、このことについてあなた方は調査を約束したんですよ、善処を約束したんですよ。善処しましたか、大臣調査をしたのは最近でしょう。ほったらかしておいたでしょう。だからどんどんどんどん広がっていったんじゃないですか、そうでしょう。善処をしましたか、善処を。
  211. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) 前回御質問を受けましたのは私でございます。そのときによく事情を調査いたしましてと申し上げました。事実これは確めましたところが、当時は実はたしか十二月十七日でございまして、去年の年末闘争が終わった直後でございました。したがって、たしかその席には経理局長等がおらなかったのでございます。したがって、私がその御質問を承ったわけでございまして、先ほどお答えしたようなお答えを申したわけでありますが、帰りましてよく事情を調べましたが、——調べましたと申しますのは、省内各局に当たりましたところが、と申しましても、結局電話の使用は大体経理局でございますから、当たりましたところが、これは統一的な指導ではない。しかし、通信費というものにはワクがあって、これがときにルーズにいたしますと非常にかさむ、したがって、そういった通信費を合理的に使う、そういう角度からやっておる施策だ、これを放置しておくと通信費がパンクする、経理上非常に困るので、そういった事情のある局ではこれはやむを得ないのだということでございました。したがいまして、そういう意味において調査をいたしました。  それから前回お答えしましたときに、調査の上不適切な措置であるならば是正すると申し上げましたが、そういうことでやむを得ない措置でございましたので、その局の分につきましては、やめさせるということはいたさなかったわけであります。
  212. 森勝治

    森勝治君 大臣、いま私が恥ずかしい思いをしながら郵政省の恥部に触れました。大臣もその点は同感の意を示されておられるはずでありますが、やむを得ない措置という人事局長の答弁は承服できません。大臣の先ほどの答弁と全く違った答弁でございますからお話になりません。
  213. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 私、先刻お答え申しましたのは森先生のおっしゃっておるお気持ちよくわかるけれども、いまにわかにこれをやめようという意味でお答えしたのではないでございまして、しかし、まあ信頼感を持つべきであるということを強調いたしております私といたしましては、管理者の側におきましてつとめて進んでそういうようなことはやめるように考えなくちゃならない。しかし、一方におきまして一般の職員におきましてもなかなか私用に乱用するという、そういう傾向もにわかになくすることができませんので、その辺を両々相考えまして善処してまいりたい、こういう意味で答えたわけでございます。
  214. 森勝治

    森勝治君 善処とおっしゃっても一年かかっておるんですよ大臣。拡大しないという約束ですよ、あのときのやりとりのときのものは。拡大しない、ただ現在行なわれておるところではしばらく見さしてくださいというから一年黙っておったんですよ、どんどん拡大されていっているんじゃないですか。失敬でありますが、あなた方それで正しい業務運行ができますか。私用とか何とかはしたないことを言っておって郵政事業がすらすらいきますか。かぎを持っている人がいなかったらどうしますか。現にかぎをかけておってかぎを持っている人がいない事実をこの目で見てきておりますよ、どうするんですか、事業はどうするんですか。ある局の郵便課です。郵便自動車の事故のときにどうするんです。差し立てに間に合わなかったらどうします。赤行のうの事故のときにどうするんです、大臣。正常な業務運行ができやしませんよ、そんなことでは。ぬけぬけとそんな必要悪だとか何とかいってもとんでもない話ですよ。そんな個人が使う、使わないということは枝葉末節じゃないですか。国民の負託された郵政事業運営できないじゃないですか。そんな勤務時間中に、業務運行中にかぎをかけておって、ばんそうこう張っておって、それでもあなた方は恥じないのですか。いいと思っているのですか、大臣。正常な業務の運行を阻害したり、私はこの目で見てきておるのですよ。何ですか、そんな答弁。
  215. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) この前承りましたのは昨年の十二月、人事局長が拝聴したそうでございますが、その後調査の結果やむを得ない、続けざるを得ないという結論になったということをただいまお答えしたのでありまして、決して誇るべき現状ではございませんけれども、経費の節約、通信費の節約という観点から、まことにやむを得ない現状だと、かように考えております。業務の運行についてはどんな支障があるか知りませんけれども、どうやらやっているかと思いますので、かぎをかけたり、ばんそうこうを張ったりしていることがさして業務に大きな支障を来たしておるというふうには考えておりません。
  216. 北雄一郎

    政府委員北雄一郎君) これは都内某局の場合でございますが、郵便課に実は二台電話がございまして、一台は先生お話しになりますようにかぎをかけてある。で、その前におる課長代理か主事がそのかぎを持っておる。その人がいないとあかないわけでありますけれども、もう一台の電話かぎはかけてなくて普通に使えると、こういう状況、これはある一局のことでございまして、たいへん恐縮でございますけれども、そういう局のことを存じております。
  217. 横川正市

    委員長横川正市君) いまのは大臣、答弁ちょっと勇み足のところがあるようですね。拡大しないということよりか、そういうことは執務時間中やらないという経理局長の答弁であります。それを調査のあと善処しなかったということにつられて拡大したことを現状はやむを得ないとお答えになったようですが、訂正しておいたほうがいいと思います。
  218. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) それはまさに舌足らずでございまして、さっき経理局長がお答えしましたように、執務時間中はさようなことはすべきでないと、こういうふうに考えております。そういう意味を含めての答弁でございました。
  219. 森勝治

    森勝治君 人事局長はどうも先回りして答弁されていますね。私は具体的に局長の名前あげないのですよ。あなたがいま言われたのは、あなたがそこまで言われたんですから私も具体的に局名あげますが、浅草郵便局のことですね、あなたが言ったのはどうも。二台あって一台はあいてた、うそおっしゃい、一台はかけっぱなしでだれもいやしない。一台はかけてあったけれどもそこに人がいた。私が貸してくれと言った、そうしたらかぎがかかってて、それじゃ公衆電話使おうと言ったら、先生あけてあげますよと言ったんですよ。何を言っているのですか、あなた一体。でたらめを言いなさんな、ぬけぬけと。そういうことを私はこの目で見てきたのだから。うそを言うからどんどん問題が起こるのですよ。あまりうそを言いなさんな。われわれが国会で質問するほどの問題なんですからもっと慎重に対処しなさい。でたらめもほどほどにしなさい。私は一人で行ったんじゃないのです。必要ならばいつでも証人出すよ。あなた方のその姿、現状を認識している人がいるのだから。いいですか。そういうぬけぬけとうそを言うのだから。両方かかっていたんですよ。はずしてあげましょうとその係が言ったのです、一つのほうにすわっている人が。だめですよ、出先の局の報告をあなた方はうのみにして、われわれが労働者側に立つ発言をすると、あなた方はわれわれが偏見を持ってするとおっしゃるかしらぬが、あなた方こそ偏見を持ってわれわれを見ているのですよ。だからそういう答えになるのですよ。浅草の局長に言いなさい。局長がそれで、われわれ戻って来て、局長何と言ったか。先生勤務時間中にかぎかけるなんてばかなことはありやしませんよあははと笑ったんですよ。いいですか人事局長。私ひどい局だねと言ったんですよ。せせら笑ったんですよ。ところがいま何と言ったんですか、あなたは一つかぎかかっていたといっているじゃありませんか、あなたの言うように二つあった一つは、かりに一歩譲ってかぎがかかっていないといったって一つはかかっていた、だれもいやしなかったじゃありませんか。具体的な事例が一つ一つあるじゃありませんか、なぜそういうことがやまないんです。かりにあなた方の言う、あなた方が見て電話の乱使用する職員がいるとして、郵政の予算の中で何%影響あるんですか。それよりも郵政省というところは自分の従業員にも電話使わせない、かぎをかけているというその世間から受ける指弾と嘲笑をあなた方はどう受けとめているのですか。恥ずかしいと思いませんか。逓信部内を十年も十五年も前に去った私でさえも、昔の職場の悪口を言われると恥ずかしい思いをして職場を本能的にかばおうと思う。なぜあなた方は全部やめないのですか、そういうことで通信費がかさんだけれども、もうそういう方はいないだろうから、この辺で全部かぎをかけるのはやめて、二、三カ月様子見ましょうと、なぜ言うことができないのですか、なぜそういう答弁できないのですか。大臣、そうでしょう。そういう問題が過去あったけれども、だからやむなくやったと、ただ、経済的な問題でやったとするならば、いま言ったように効果が上ったのだから、それならとりあえずはずしてみましょう。あなた方はその一人が千円使ったか二千円使ったか知らぬが、そのことよりもおれの局長はおれたちを信用してくれないんだという、この従業員の精神的な打撃というものをあなた方のものさしではかってあげたことありますか、ないでしょう。あなた方は宴会を全部やめなさい。職員が一回二回電話を使ったぐらいでそういうことを言って今後もやるならば、一切大臣も金を使いなさんな。自分たちがやって部下のそういうささいなことを目くじら立てていじめるならあなた方も一切やめなさい。そういうことは恥ずかしいと思わぬですか。そんなことやるのはどこの省にいますか、どこの省に電話を乱用する職員がいますか、部下の悪口ばかり言って。無理を言って、部下の悪口言っている。自分の部下をかわいいと思いませんか。失敬でありますが、愛情がないのですか。部下を信頼する心に欠けるのではないですか。あなた方はなぜ今回問題はあるだろうが、もうこの辺で一年たったから効果が生まれてきた模様だから一応はずして様子を見ましょうと、なぜそういうふうに職場の信頼を取り戻すような、信頼を勝ち取るような、心と心をあたため合うような方策をとれないのですか、大臣
  220. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 何度お尋ねがありましても、さっきお答えしたとおりでございます。
  221. 森勝治

    森勝治君 何回でも。絶対おやめになりませんか。
  222. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) いま大臣が簡単にお答え申し上げましたが、先ほどこれの一つ前にお答え申し上げましたように、私が申し上げましたことも、省といたしまして今後そういうふうにやってまいりたいということでございまして、重ねて申し上げますと、官庁執務時間中、つまり昼日中そういう思わしくないことはなくすようにしたい、そういうことで取り運びを考えておるということで御了承いただきたいと存じます。
  223. 森勝治

    森勝治君 大臣、私は率直に聞いているのですから——いいですか、あなたは、失敬だが、部下に言われて部下をかばってそういうことをおっしゃっておるけれども、あなたは前に約束されているのですよ。廃止する方向だということで約束されているのですよ。いいですか、大臣。心得違いされては困るのですよ。かんばしくないとおっしゃっているのだから。そこで、それを受けた経理局長が、官執、いわゆる午後五時まで、一般の官庁の勤務時間中——まあ郵政は夜中までやりますから、そういうことを言っているのじゃない。五時までの官執の間はかぎをかけませんと言っているのですよ。ところが、今度は人事局長の一年前の談に端を発して、廃止する覚えはないというあなたのお答えなんですから、あたはすでに君子豹変になっているのですよ。前段で、かんばしくないからやめる方針だと明快に言っているのですから。それを受けての経理局長の、じゃとりあえず時間内だけは、午後五時まではひとつやめていきましょう。ただし五時以降は、いまついているのは五時以降のものはいましばらくそのままにしておいてくださいというのが、経理局長の答弁でしょう。二回にわたって言っているでしょう。あなたがふんぞりかえる前に、そういう答弁を経理局長はしているのですよ。それをいま大臣として取り消しているから、私は腹を立てているのですよ。速記録を見てくださいよ。
  224. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 速記録をよくごらんいただきたいと思いますが、廃止の方向で検討するなんということは毛頭申しておりません。そういう不信感を有するようなことを管理者が考えざるを得ないということは、まことに悲しむべきことだ。双方が信頼感を持っていかなくちゃならぬけれども管理者の側が一歩進んで、多少ゆるめるというようなことについては考えなくちゃならぬかもしれませんけれども、全廃するなんということについて検討するということは申しておりません。そこで、先ほど申しましたように、従来、執務時間中も時間外もやっておったということでございますれば、執務時間中はそのようなことをしないようなことにさしたいというふうに具体的に申し上げたわけでございます。
  225. 森勝治

    森勝治君 それでは私が恥ずかしい思いをしてという表現を用いて質問したにつきまして、好ましくないからと言って、あなたは廃止をほのめかされているけれども、それはうそだったということですね、大臣。よくないとあなたはおっしゃっているのですよ。少なくとも、よくないということにして、よくないと明言しておりながら廃止する意思はないと言うのですよ。いいですか、そういう受け取り方をして。
  226. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) 従業員を信頼しないということはよくないけれども、一方におきまして一般の職員も自粛が足りない、かってに私用に使うというようなこともあるので、それでいまにわかにやめるなんということはできませんというのが主眼だったわけです。しかし、両方とも——そういうようなことなんかにつきましても、管理者側のほうが多少進んでそういったことを実は考えるべきだということを申したのでありまして、全廃しようという方向で検討しようなんという意味ではなかったわけです。そこで、従来昼も夜もやっておったということであれば、昼間の執務時間中はそういうことをしないようなことに考えてまいりましょうということを重ねて申し上げたわけです。
  227. 森勝治

    森勝治君 そのあなたが後段に言われた、管理者のほうでまず考えるべきだという手始めとして、午後五時までの間はそういうことはやめましょう、こういうことでしょう。だから、それはやはり好ましくないから、廃止の方向でしょう。当然でしょう。日本語はそうしたものですよ。失敬でありますけれども、あなたは私があまりきついことを言うから腹を立てているのか知らぬが、しかし、私もこんなにつらい悲しい思いをして質問している。われわれの気持ちがわかりませんか。全国の官庁の中でどこにありますか、そんなことは。あなた方が何と抗弁、陳弁につとめようと百万弁を費やそうと、あなた方が使っている大切な部下を信頼しない、信用しないからかぎをかけているのじゃないですか。ほかに理由がありますか。信用しないからでしょう。そういう愚はおやめなさいと言うのです。当然これは廃止していくのが正しいでしょう。ただ、局にはいろいろ局、局のケースバイケースがあるから、廃止したいけれども急には廃止できない。だからもう少し、昼間だけはやめる。しかし、夜間の分についてはもう少し検討さしてくれというのがあなた方のいまのやりとりの中の、本来それならば答えになるのじゃないですか。何でそんなにこだわるのです、郵政の恥を。大臣もう少しフランクに考えてくださいよ。私は率直にいやな思いをしてこんな質問しているのですから。
  228. 横川正市

    委員長横川正市君) 事実上は庶務、会計その他の人は執務時間が終わって退庁すれば、部屋にかぎがかかるわけですがね。そうすると、窓口とか郵便の作業場だけがオーブンの電話がある。したがって、そこには窓口にも人がいなくなる、そうすると郵便の作業場だけになる。この問題は施錠するかしないかということの解決でしなくて、使い方をどうするかということでの解決のしかたのほうへ転換をして善処するという方向がとれませんか。部屋に錠をかけて電話に錠をかける手はないですよ。あわせてひとつお答えいただきたい。
  229. 浅見喜作

    政府委員浅見喜作君) 前段の森先生お話につきましては、全くそのとおりにお考えておりますというお答えに相なります。いま委員長の御指摘の点でありますけれども、庁舎の管理となりますと、ちょっと私の所管でございませんが、いずれにしましても、官執時間帯以外におきまして、かぎをかけなくても使われない、実効があがるということであれば、そういうことも検討さしていただきますが、これは局の構造その他施錠の、これはそれぞれ局によりまして管理規定が違いますので、もう少し検討させていただきたいと思います。
  230. 森勝治

    森勝治君 私は何度も繰り返しますけれども、ほんとうにいやな思いをして、大臣、この質問をしているのですよ。こんな質問だれもしたくないです。しかしわが愛する逓信事業、郵政事業がいままさにこの電話のことだけをもってしてすべてを世間から推しはかられようとするときだから、あえて私はこういう失礼なことばも申し上げているのですよ。自分の大切な部下、大事な部下、信頼される部下がこぞってその局に集まるならば、そういうようなことをしなくて済むのでしょう。あなたの言う昔のような逓信一家のうるわしい情景がそこで描き出されるのでしょう。そこで営まれるのでしょう。断絶があるからそれができない。断絶があるから、敵視すれば相手もそう思うのです。相手もこう思う。失敬でありまするが、犬だってそうであります。このやろうと思えば犬だって変な人間だと思って見るでしょう。私は犬好きだからよくわかるのでありますが、そういう敵対的な行為で職場を収拾する時期ではなかろうというのです。いまの郵政事業の置かれている立場、とうに皆さん専門家だから十分先刻御承知のはずでしょう。一家が相克を続けて相乱れ、ののしり合う、そこには憎悪と不信感だけが植えつけられて解決することもできない。きのうも不毛、きょうも不毛、残念ながらあしたもまた不毛で、友好の芽ばえすらないといわれているこの職場をどうして再建をするかというのでお互いに心を悩ませ、努力をしているのでしょう。この先頭に、その頂点に、その最高にあるのが大臣でしょう。失敬でありますが、釈迦に説法で先輩に恐縮でありますが、しかしそうでしょう。だからあなたが逓信一家ということで、ことごとにあなたが昔の逓信一家の職場をつくろうじゃないかという提案をされているというので、先ほど来私は素朴に承っているのですよ。逓信一家をつくろう、こういうならば、そこに相互信頼の芽ばえがなくては、逓信一家なんというのはまっかな偽りだと私は申し上げているのですよ。そのためにやはり職場の不信を取り除くために、これは当局側は当局側の立場がありましょう。組合は組合側の立場があるでしょう。職員個々は職員個々の人権があるでしょう。組合は組合側の立場があるでしょう。職員個々は職員個々の人権があるでしょうから、それぞれの意見が開陳されるでしょう。しかし、その頂点にあるものは、友情と相互信頼と事業愛に結びついて初めて職場が明るくなるのではないでしょうか。私はこう思うのですよ。職場の定着性がないと人事局長はことごとに言っておられるが、若い諸君が何とささやいているか、おれのところはね、職員電話かってに使うというのでかぎかけているんだ、いやんなっちゃうんだ、お前そんなつまんない職場やめちゃったらどうだ、おれのところへこないか、こういうことが、職場の片隅でささやかれているのはあなた方御承知ですか。ブラザー制度をもって定着させよう、あめを持っていざなおうとしても片一方で部下を信頼しない、職場へついてこいと言ったってついていけないでしょう。郵政事業の大きな事業から見るならば、なるほど電話部門が予算からは多少出るであろうけれども、予算上は出るであろうけれども、しかし、事業の総体的な分野から見ればほんの一握りじゃないですか。そのことですら、職場の断絶はそこから私は始まっているような気がする。何だ、管理者や課長は自分たちがかってに電話使っておいて、おれたちだけ使わせない。これは一家が貧窮のどん底におちいったときに、子供たちの目の前で父親と母親があさってきた残飯をむさぼり食って自分たちの子供たちに与えようとしない、その姿によく似ておる。残念ながら私はそういうふうに思わざるを得ないのですよ。大臣、どうかひとつ、私は他意はありません。げすですから、声も大きいです。気性が激しいもんですか、ら、かみつくような声も出します。そこは私は重ねて申しますが、私心はありません。整然たる職場では、相互信頼がかもし出された職場では、事業愛に燃えた職場では、パイプのつながった職場では、電話かぎかけるなどというような愚かしき行為はこんりんざいありゃしません。どうかひとつ過渡的措置として、あるいは皆さんがおっしゃったのを私の押し売りばかりしてはなりませんから、少し立場を変えまして、譲りまして、いま残り時間をかしてくださいというなら、それはかしましょう。少なくともきょうは、いわゆる勤務時間中にはかぎをかけないというのですから、現状よりも回復されたんですから、その点では私はあなた方が多少やっぱりえげつないからやめようということに考えられたんだろうから、今度はそれをやって、それぞれの職場の相互信頼を取り戻すように、廃止の方向にいくような御努力をしていただきたい。大臣この点はひとつお約束をいただきたい。
  231. 廣瀬正雄

    国務大臣廣瀬正雄君) お答えいたします。  ただいまの森先生のおっしゃることよくわかるわけでございまして、さしむき官庁執務の時間中はかぎをかけないということにいたしまして、その後しばらく様子を見たい、こういうふうに考えております。
  232. 森勝治

    森勝治君 どうかひとつそういうふうにして、だんだんだんだんけばけばしい、あるいは険しい職場をやわらかな愛情の通う職場にひとつつくり変えてもらいたいと思うのです。それで、この問題についてもっとお話を申し上げたいと思ったのでありますが、電話に関する問題はこれで終わります。  あと労務関係の問題があるのでありますが、もうすでに間もなく五時をさそうというところでありますから、私がこれ以上しゃべることは時間的に許されません。したがって、この労務問題については後日に譲りたいと思うのでありますが、ただ一言、皆さん方にひとつこの際お願いをしておきたいと思うのです。  六人委員会あるいは労使とお話をいただいて、とにもかくにも、この年末時を国民の期待にこたえようと御努力されて、当面する問題については双方あるいは御不満があったかもしれないが、やや事態の紛争ですか、紛糾を回避の道に歩まれたことは非常にけっこうだと思うのであります。したがって、私はこれから雪の降る季節に向かってこんなことを言うのはどうかと思うのですが、どうかそれを契機として、世俗でいう、労使とも雪解けの道を歩んでもらいたい、このことをお願いしたいと思うのです。  そこで、数々の問題があります。たとえば、六人委員会をやっているときに、当局から言わせれば組合が提訴したのはけしからぬなどと、次官は言っておられる模様でございますが、けしからぬ、けしからぬということはしばらくおいていただいて、どうすればまず職場が正常化できるか、どうすれば、立場の違いこそあれ、パイプのつながった話し合いができるか、そういう問題について、十分ひとつ私は組合側の皆さん方にも後ほどそういう問題についてお願いするつもりでありますが、まず、皆さんがそれを考えてもらいたい。長い間の懸案事項でございましたが、皆さんの心の中でもこれ以上もう事態を悪化させてはならぬと皆さんは思っておられるはずなんですよ。これは失敬でありますが、先日も私はまことに失礼なことを幹部の皆さんに申し上げましたが、私の目で見ますと、私もいかにもかみつくような顔をして、あまり人相上はよくありませんが、失敬でありますが、皆さんの顔を見ましても非常に焦燥感にかられて、お疲れの模様でありますし、明るさというものがないのですよ。かつて若き日におったところの職場もまさに昔の夢いまいずこでありますよ、残念ながら。だから時代が変わったわけですから、何も昔の夢をむさぼったり、追う必要はないかもしれませんが、新しい時代に対応する郵政事業のあり方というのは、皆さんもう専門家の方でございますから十分御承知のはずであります。したがって、ぜひとも相互信頼を取り戻していただいて、たとえば、私は組合の掲示板の問題等、たくさんありますけれども、時間がないので一つしか指摘いたしませんが、あの労使慣行の中にもありますように——長い伝統と歴史にはぐくまれた労使慣行でありますから、新しい新任局長が来たからといってそれをぱっとやることは、これは職場の従来の平和を乱すものだと思うのです。それは当局側には、いわゆる局長側には局長側のいわゆる根拠がおありだろうし、主張がおありだろうけれども、労使慣行の、そういう協約以外のそういう慣行の問題につきましては、労使が合意に達するまでは、やはりそれはそちらの意向で撤去しろとか、御意見を出されることはそちらの立場ではけっこうでありましょうけれども、合意に達するまで現状のままにしておくというのが、私は普通のやり方ではないかと思うのです。気に食わないからやっちゃうということは、いわゆる高圧的な考え方ではないかと思うのです。したがって、そういう面から見るならば、いわゆる経営的な、失敬でありますが、特にこの人事面につきましては、新時代に対応できるような、かりそめにも人さまに笑われるような労使になってもらいたくないし、そういうふうに落ちぶれた事業の道を選んでいただきたくないのであります。この点は特に皆さん方にお願いをして、労働問題については、後日、委員長、申しわけありませんが、ひとつきょうのところはこれ以上時間がありませんからやめまして、あとまた発言をお許しいただきたいと思います。  きょうはこれで終わります。
  233. 横川正市

    委員長横川正市君) 残余の問題については、自後にこれを譲りたいと思います。  他に発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四十九分散会      —————・—————