運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1971-11-16 第67回国会 参議院 地方行政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十一月十六日(火曜日)    午後一時四分開会     —————————————    委員異動   十一月十日     辞任         補欠選任      小谷  守君     松井  誠君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         玉置 猛夫君     理 事                 寺本 広作君                 増田  盛君                 占部 秀男君                 河田 賢治君     委 員                 片山 正英君                 柴立 芳文君                 高橋 邦雄君                 原 文兵衛君                 若林 正武君                 神沢  浄君                 杉原 一雄君                 松井  誠君                 上林繁次郎君                 藤原 房雄君                 中沢伊登子君    国務大臣        自 治 大 臣  渡海元三郎君    政府委員        自治政務次官   小山 省二君        自治大臣官房長  皆川 迪夫君        自治大臣官房参        事官       森岡  敞君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君    説明員        警察庁警備局参        事官       斉藤 一郎君        文部省管理局助        成課長      松浦泰次郎君        運輸省鉄道監督        局業務課長    服部 経治君        日本国有鉄道旅        客局長      伊江 朝雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和四十六年度分の地方交付税特例等に関す  る法律案内閣送付予備審査) ○地方行政の改革に関する調査  (一一・一四沖繩返還協定批准阻止闘争に対す  る警備に関する件)  (地方行財政等の当面の諸問題に関する件)     —————————————
  2. 玉置猛夫

    委員長玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十日、小谷守君が委員を辞任され、その補欠として松井誠君が選任されました。     —————————————
  3. 玉置猛夫

    委員長玉置猛夫君) 昭和四十六年度分の地方交付税特例等に関する法律案議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡海自治大臣
  4. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) ただいま議題となりました昭和四十六年度分の地方交付税特例等に関する法律案提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  わが国の経済は、昨年後半以降停滞を続けてまいりましたが、本年八月のアメリカの新経済政策などの影響も加わって急激に悪化し、これが地方財政の上にもきわめて深刻な影響を及ぼすこととなってまいりました。すなわち、本年度においては、地方税収入において当初見込み額に対し一千三百億円余りにのぼる減収を生ずるものと推計されるのでありますが、これに加えて、今回経済情勢悪化に伴う法人税大幅減収のほか、景気浮揚策として所得税年度内減税を行なうこととされたのに伴い、国税三税の減額補正が行なわれることになり、その結果、地方交付税においても、当初予算計上額に対して一千二百七十四億円の落ち込みを生ずることとなってまいったのであります。  しかし、地方財政の現況は、このような事態にたえることができないと考えられますので、本年度においては、地方交付税落ち込み分のうち、国が所得税年度内減税を行なうことによる地方交付税の減五百二十八億円については、国の一般会計負担において全額補てんすることとし、このため臨時地方特例交付金一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れることとするとともに、経済情勢悪化による地方交付税の減七百四十六億円については、交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ措置を行なうことによって当初予算に計上された地方交付税総額を確保する旨の特例を設けることとし、別途、地方税減収に対処するための一般公共事業財源措置として地方債一千億円を増額発行するほか、景気刺激のための公共事業費等の増額に伴う地方負担の増については地方債一千五百二十二億円を措置することとし、これらの措置をあわせて地方財政の運営に支障のないようにいたしたいのであります。  次に、今回政府においては、人事院の勧告に基づき、本年五月一日から国家公務員給与改定を実施することといたしましたが、これに伴い、地方団体も国に準じ地方公務員給与改定を行なと必要があり、このため本年度においては、行政収費節約等を見込んでも、なお地方交付税交付団体において総額五百五十億円の財源不足を生中る見込みであります。この財源不足に対する措置として、交付税及び譲与税配付金特別会計において五百五十億円を借り入れて本年度普通交付税総額に加算し、これを地方団体に交付することにより、地方団体給与改定財源を付与することといたしたいのであります。  なお、これらの措置に伴う地方交付税借り入れについては、昭和四十七年度から昭和五十四年度までの各年度に分割して償還することとしております。  以上が昭和四十六年度分の地方交付税特例等に関する法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 玉置猛夫

    委員長玉置猛夫君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  6. 玉置猛夫

    委員長玉置猛夫君) 次に、一一・一四沖繩返還協定批准阻止闘争に対する警備に関する件を議題といたします。  警察庁当局から報告を聴取いたします。斉藤参事官
  7. 斉藤一郎

    説明員斉藤一郎君) 十一月十四日、極左暴力集団沖繩返還協定批准阻止闘争をやるということで、全国においてかなり過激な行動をしたのでございますが、その間において、東京渋谷でもって新潟県から応援に来ておる警察官が一人重傷を負いまして、昨夜に至ってついに死亡したという事件が起きております。この殉職を中心にして全体の背景、概況を申し上げたいと存じます。  まず、十一月十四日の全国における極左暴力集団動員状況でございますが、当日は、全国八十カ所で一万六千人の暴力集団動員されております。そのうち東京都内動員された者が一万三千人、したがいまして、この差の約三千人が地方でもって動員された者になります。地方動員された者は数も少ないことでございますので、さほど過激なことをやっておりませんので、警備の過程で逮捕者が合計八名出ております。北海道で二人、宮城県で五名、福岡で一名、そういう程度で、かなり荒れはしましたが、さほど御報告すべきような事案もなく終わっております。  東京状況でございますが、東京では、かねてから暴力集団の各セクトごと集会デモをやりたいという状況がございまして、当日は六カ所において、正確に申しますと一万二千九百六十人の極左暴力集団集会デモがあったわけでございます。そのうち一番過激な行動をすると思われたのが中核派と称するセクトでございまして、これは今回の沖繩返還協定批准阻止をする最大の山場は十一月十四日にあると、したがって、この日に全勢力を傾けて派閥の全国根こそぎ動員をやって東京都であばれ回る。特に連中の出しております「前進」という新聞号外を出しまして、十一月十四日は渋谷周辺騒乱状態——コザにおける暴動と同じような暴動を起こして騒乱状態におとしいれる。渋谷駅それからあの辺の銀行三井、三菱その他の銀行ガソリンスタンド警察署交番NHK、そういった施設を一斉にどれもこれも襲って混乱状態におとしいれるのだということをかねて豪語しておりました。そこで警察としましては、当日、社会党や総評系あるいは日共系デモもございましたので、警視庁警察官一万人を動員したのでありますが、まだ足りないということで、東京近辺の各県から、関東各県から二千人の警察官応援をとりまして、一万二千人の体制でもってこれの警備に当たったのであります。その結果、こまかく後ほど申し上げますが、渋谷中心として三百十三人の逮捕者を出しております。警察官負傷者が四十五人、うち一人が昨晩死にまして、入院した者が七名ございます。一般の人も十三人けがをしておりますが、これは入院された方はないようでございます。そのほか交番が八カ所襲われて、焼かれて、窓ガラスが破損したというのがございます。警察の車が五台焼かれております。そのほか渋谷周辺の民家、商店の板べいが破損したり、ネオンがこわれたり、車が焼かれたりしております。  先ほど申し上げたように、十四日の焦点は渋谷にございますので、渋谷周辺は、当日は日曜日でございますし、それから七五三の前の日曜日にあたっておるのでたいへん人が出盛る予定でございます。そこへ中核派連中市民を巻き込んだ大暴動を起こそうということを計画しておるということでございますから、警察では、当日、一般市民の方に迷惑のかからない警備実施をやるということで関係方面、ことに地元商店街の方々にいろいろ状況をお話ししまして御協力をいただいて、デパートは休んでいただく。一日四億に近い売り上げが損になるそうでございますが、お休みになっていただく。それから中小飲食店がたいへん多いので、なかなかまとまった協力は得られなかったのでございますけれども、それでも皆さん自発的に飲食店なんかもなるたけ閉鎖して、それからガソリンスタンド、これは火をつけると言っておりますので休んでいただく。それから歩行者天国と称するところに家族連れの方が出てこられて、明治神宮からの七五三の帰りに出てこられてけがをされてもいけないということで、歩行者天国についても、なるたけ人が出盛らないようにというような事前措置を講じ、渋谷周辺を主にして、要所要所には警察官を配置したのでございます。警視庁警察官の大部分主力渋谷周辺に充てた、そういう配備でございましたので、過激暴力集団連中はなかなか現場に近寄れない。宮下公園集会をして、そうしてデモをするという届け出をしたのでございますが、それに対して東京公安委員会は、以上申し上げたような情勢下では許可できないということで許可を出しておりません。にもかかわらず、計画どおり集まろうということで、東京の各周辺国鉄小田急線京王線地下鉄線、そういうものを利用して渋谷に続々集まってまいります。  で、中核派の戦術は非常に柔軟でございまして、当日は、事案のあるたびに状況が変わるんでございますが、十四日は、なるたけ背広姿で出て行けという指令を発しておるという情報が入っております。そうして一般市民と見さかいがつかないように、女子の人はミニスカートで出て行け。そうしてまぎれ込んでいって、どこかで武器をじょうずに入手して、そうして荒れ回るということでございますので、警察官のほうでも極力そういう不審者の動向を前々夜あたりから警戒しておったのでありますが、当日までにかなり火炎びんが隠されておるのを発見しております。また、当日になっても、早朝からいろんな場所をさがして歩いて、連中がひそかに隠しておった火炎びんを千数百本近く発見しております。それにもかかわらず、砂地に水が通るように、どこからともなく集まってきて、そうして集団となって荒れ回るという状況でございます。  当日、新潟警察官が殉職した現場を少し詳しく申し上げますと、NHK施設が襲撃されるということが、先ほど申しました「前進」の号外ではっきり宣言されておりますのでNHK施設周辺を守ろう。それで主力渋谷周辺に置いたのでありますが、施設に固定して守る警備は、比較的走り回らなくても、地理不案内部隊でもやりやすいということで、NHKを守るのは、管区機動隊といいまして、関東管区内の各県の若い警察官から編成されておる応援部隊を充てて警備を行なったのであります。それで二個大隊当たったのでありますが、そのうちの川島大隊という部隊の一個小隊新潟から応援警察官でございます。それがNHK——地図がございませんが、NHKのちょうど西北に当たるところに神山交番というのがございまして、そこが襲われるという状況も出ておりましたし、またNHKを守るためには非常に好都合のところであるということで、そこに一個小隊約三十人、正確に言いますと二十八人の部隊がおったのであります。ところが、そこに、やにわに北の方面から  代々木八幡方向になりますが、そっちの方向から三百人ばかりの白ヘルをかぶった暴力集団があらわれてきて、手に手に火炎びんを持って攻撃をしかけてきた。そこで守っておった三十人ばかりの小隊が、横に、道の上に阻止線をこしらえまして、そうしてこれを撃退しようとしてかかったのであります。ところが相手は、一瞬ひるんだのでありますけれども、数が少ないと見て、三百人の者が火炎びん鉄パイプを持って一斉に押しかけてきた。  それで殉職しました中村という巡査は、この小隊ガス銃の係でございまして、ガス銃を持っておって、この暴徒集団に対してガスを発射したにもかかわらず、火炎びんを盛んに投げて押し切って、衆寡敵せず、部隊が負けて後退して、NHKのほうに本隊がいるので、大部分の者はそっちへ退避したのでありますが、中村巡査を含む八人だけが、いとまがなくて、連中が通り抜けようとする方向へまっすぐ逃げて、しかも中村巡査ガス銃を発射しながら、うしろを向きながら逃げたので足もとがあぶなくなってひっくり返った。それを鉄パイプでもって襲いかかって袋だたきにした。そうして意識がなくなったところへ火炎びん——詳細もっと調べないとわからない状況でございますが、最初五つばかり投げ、あとからまた五つばかり投げた。そのころには本隊の者が急を知ってかけつけたのでございますが、暴徒集団はまっすぐ南のほうに通り抜けて逃げ去った。中村巡査火だるまになって大やけどをして、そして同僚にかつぎ込まれて、タクシーでもって飯田橋の警察病院へかつぎ込まれたのであります。同時にそのほか三名の者が負傷をしております。  で、どうしてこういうことになったのかということをまだこれからよく反省する必要がありますが、まず最近の過激集団やり方は少し前とだいぶ変わりまして、ことしになってから極端に変わっておりますが、前は過激集団連中デモをやってあばれると、それを警察官警備しに行く、規制しに出て行くと、出てきた警察官現場部隊部隊が衝突をして渡り合う。その結果乱暴をするというようなパターンが一般でありましたが、ことしの初めあたりから部隊同士の渡り合いではもうかなわないと見たのか無差別のゲリラに出てくるようになった。新聞等で御案内のとおりでございますが、警察官の住宅あるいは警察施設、あるいは場合によったら関係のない民間のところ、そういうところに爆弾をしかけたり火炎びんを投げたり無差別攻撃をしかけてまいります。警察官に対しても、以前は部隊出動しておる者だけに突っかかってくるということでありましたが、最近は戦争が始まる前の待機しておるやつをやっつけにくる、あるいは二、三人のあぶないから防備をしておるという者を、警戒をしておるという者を襲いかかってやっつける。非常にやり方が悪質に積極的になってきたし、無差別攻撃をするという状況がございます。で、この渋谷の場合も、そういうことでヘルメットも何にもかぶっておらない連中が無差別攻撃をしかけてくるということでございますので、あらゆる施設をまんべんなく守らなければならない。そのためには百人、二百人とまとまっておったのではしづらいので、つい三十人、二十人というぐあいになる。それをじょうずに見分けて押しかけてくる。非常に戦術的にずるく巧みになったところがございます。そういうものに対してのわがほうの警備のすきをねらって攻撃をしかけてくるということがございます。  それから火炎びんなんかはどうして事前に取れないかということでございますが、これは先ほど申し上げたように、もう二日ほど前から、警戒について一般の方にずいぶん御迷惑をかける面もございますが、自動車を検問してトランクの中まで見るというふうなことをやったりしておりますが、その間隙を縫ってやはり何とかかんとか運んでくる。いま申し上げた警察官が殉職した場面を、いま一生懸命捜査しておるわけでございますが、まだ正確なことはわかりませんけれども、小田急線代々木八幡までは国鉄を利用したり小田急線を利用したりして、普通のかっこうをして背広を着て買いもの袋をさげてやってくるわけです。そうして電車の中で一斉に脱ぎかえて、ヘルメットをかぶりゲバ姿になって代々木八幡におりて、そこから殉職した場所までは幾らもございませんので、一気かせいに風のごとく部隊になって突っかかってくる。その間においてどっかで用意しておった火炎びんを入手し、鉄パイプを入手して突っかかってきたという状況ではないか。しかも機動隊をせん滅する、権力をたたきつぶすのだ、自衛組織——渋谷商店街自衛組織なんかも全部たたきつぶすのだということを豪語しておりますので、意図的に計画的にやったのじゃないか、その結果、中村巡査はたいへんひどい目にあった。  彼が収容された直後、おとといの晩、私、警察病院に見舞いに参りましたが、やけどというようななまやさしいものじゃございません。もう人間バーベキューみたいなもので、まつ黒焦げに、顔は口がザクロのようにふくれ上がっておりますし、手は炭化して炭になって指はございません。足なんかもすっかりやられて、そしてもう危篤状態ですから、それこそ最後のうめきを上げておるのでございます。まことに見るもむざんなような姿でございます。親、兄弟がごらんになったらどんなにかという気がしたのでございますが、そういうむざんな状況に意図的にやったのだということは、状況からして明らかでございます。  警察としては、まことに申しわけない結果になったのでございますが、この捜査も十分やりますし、それから今後、今回のこういった事件を顧みてなお一そう、警備やり方というものはたいへんむずかしいのでございますが、無差別、しかも、一般市民を装ってくるので、あの晩も、新聞にいろいろ批判されておりますが、宮下公園へこの集団を集めて非常に長い警備——お昼前から晩の十一時ごろまでですから長時間の警備をやって、なおかつ連中が退散しない。したがって、公園の中へ追い込んで一挙に逮捕しようというので追い込んだところが、その中にほんとうのアベックがおられたり、あるいは関係のないどこかの主婦がおられたりして、たいへん御迷惑をかけたんだということなんかを新聞なんかで報道されておりますが、非常にやりづらい一面もございますので、なお一そうやり方をくふうし、そうしてこういう暴力集団連中がとうてい手足の出ないように十分な警備をやりたい。あまりどれもこれもやって百点満点をとろうと思うと、小さな交番もどれも守っておると急襲されるというので、ある程度部隊活動をして捨てるところは捨てなきゃならぬようないろんなむずかしさがございますが、なるたけ御期待に沿うような警備をやってまいりたいというふうに考えております。  以上申し述べて終わります。
  8. 玉置猛夫

    委員長玉置猛夫君) 本件に対する調査は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  9. 玉置猛夫

    委員長玉置猛夫君) 地方行財政等の当面の諸問題に関する件を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 私が取り上げる問題に特に関連の強い問題、それは国鉄関係が非常に関連が強いので、まず国鉄関係からお尋ねをしていきたいと、こう思います。  まず最初に、新駅建設について運輸省はどのような考え方、あるいはまた方針を持っているかということですね。新しい駅をつくるにあたっての運輸省考え方、これについてひとつ。
  11. 服部経治

    説明員服部経治君) 国鉄新駅設置につきましては、現在、先生も御承知のように、既設の駅につきまして極力無人化あるいは貨物集約等合理化施策を進めているところでもございまして、新駅設置は、原則としてはこれを行なわないという方針で臨んでおりますが、ただニュータウンの造成等によります通勤者の増大があるところ、あるいは観光客誘致等営業上の効果が見込まれるところというものにつきましては、旅客利便性、そして輸送上の支障の有無というような問題を検討しながら駅の設置を考えていくという考え方でおります。
  12. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それでは昭和四十五年度において、これは全国的に申しまして、廃止された駅、あるいはまた新設された駅、これはどのくらいあるか。
  13. 服部経治

    説明員服部経治君) 新設の駅はすぐわかりますが、廃止の駅を調べますのでちょっとお待ちください。——四十五年度一年間におきまして廃止しました駅は六駅でございます。それから新設いたしました駅でございますが、計二十八駅でございます。その二十八駅の内訳を申し上げますと、新線建設に伴います新駅が二十三駅ございます。それから貨物駅といたしまして国鉄が新設いたしましたものが三、それから請願駅と申しまして、地元の強い要望があり、しかも国鉄営業施策上もその駅を設置することが好ましいというふうに考えられまして設置いたしましたものが二駅でございます。
  14. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ちょっと回りくどいお尋ねになりますが、そこで問題しぼりまして、千葉県内ではいま申したように廃止された駅、新設された駅、これはどのくらい、去年。
  15. 服部経治

    説明員服部経治君) ただいま千葉県内につきまして廃止したもの、新設したものという内訳手元に持っておりませんので、後ほど調べまして御報告させていただきたいと思います。
  16. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 千葉鉄道管理局ですね、これは去年の七月に房総東線沿線臨時乗降駅をつくったわけですね、これが一つあるわけです。なおこの臨時乗降駅を将来は本駅にしていきたいという、こういうことのようですけれども、この点についてひとつお答えを願いたい、その事情ですね。
  17. 服部経治

    説明員服部経治君) お答え申し上げます。  いま、先生御指摘になりました房総東線臨時乗降場行川アイランドという駅があるわけでございますが、この駅は実は昭和三十六年当時から地元千葉鉄道管理局のほうへたび重なる駅設置の要請がございまして、昭和四十五年の五月になりまして千葉鉄道管理局長から国鉄本社旅客局長あて設置方上申がございました。で、七月に臨時乗降場としての設備を整えまして、その後二カ月おくれまして、九月になりまして国鉄本社のほうから新駅設置について承認がおりるというような内部手続になっております。そしてこの件につきましては運輸省としても報告を受けております。
  18. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 その臨時乗降場というか乗降駅というか、その正式な名前の呼び方はわからぬですけれども、この誘致方についての申請ですね、最終的には——できたのは昨年七月ですね、そのできるまで一番、何と言うかな、最も近い時期に申請をしたその申請の時期はいつですか。
  19. 服部経治

    説明員服部経治君) ただいまの先生お尋ねは、千葉鉄道管理局長からの上申のことをお尋ねですか。
  20. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうではなくて、地元から最終的に行なわれた……。
  21. 服部経治

    説明員服部経治君) 私の手元にはそこまでの詳しい資料はございませんが、私が承知している範囲では、最終の要望書の提出は四十四年八月、臨時乗降場設置された直後に……、どうも失礼いたしました。千葉鉄道管理局長からの上申に先立ちまして、一番最近時点の上申というのは四十五年四月一日付で出されております。
  22. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そこで今度は、その千葉鉄道管理局長から旅客局長にその旨のいわゆる上申ですね、これはいつごろなされたんですか。
  23. 服部経治

    説明員服部経治君) 五月十八日付でございます。
  24. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それでは五月十八日に上申されて、そうしてそれがいつ決済されたか、いつの時点で。
  25. 服部経治

    説明員服部経治君) 以後の手続は国鉄内部手続でございますので、国鉄の旅客局長のほうから答弁いたします。
  26. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) お答え申し上げます。  ただいまの御質問でございますが、実は臨時乗降場と申しますのは地方の管理局長の権限でございます。しかし本件は、将来そこに駅を設置していただきたい、こういう上申とダブっておりますので、それで新駅設置申請というのは、先ほど業務課長御答弁のとおり、五月十八日に申請が本社に上がってまいりましたけれども、新駅についてよろしいという返事は九月三十日でございます。
  27. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それではこの上申に対して、臨時駅を設置するにあたってはそういう上申は要らないのだ、千葉管理局長の権限でそれはできるんだ、こういうことになるわけですね。全然必要はないわけですね、上のほうに。
  28. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) そのとおりでございます。
  29. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 千葉管理局長から地元にその臨時乗降場をつくるにあたって、それはよろしいというふうに許可されたのはいつですか。
  30. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 新駅設置地元からの申請でございますので、新駅設置までの間は臨時の乗降場を設けたいという返事は、五月二十一日に千葉の局長から新駅設置の促進期成同盟会長あてに返事が行っております。
  31. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうしますと、この臨時乗降場をつくるにあたって、まあその権限は千葉管理局長にある、ですから申請する必要はないんだということなんですね。これに対して暫定的に、いわゆる新駅——新駅とは正式な駅ですね、その新駅をつくるまでの暫定駅としてこれをつくりたいのだというようないわゆる内容のもののようなんですけれども、その点はどうなんですか。その時点で、新駅をつくるための暫定的な措置なんだと、臨時乗降場をつくるということは。そういうようなことがいわれているようなんですけれどもね。またそういうふうに私は理解をしているのですが、その点どうですか。
  32. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 御質問の趣旨をこういうふうに受けてお答え申し上げたいと思いますが、本件は、先ほども申し上げましたとおり新駅設置申請でございます。千葉の管理局長といたしましては、新しい駅をつくります場合には、これは本社の権限事項でございますので、本社に新駅設置したいという上申をいたします。私どもも先ほど御答弁申し上げましたとおり、新駅の必要があるだろうということで新駅設置を認めたのが九月三十日でございますが、それまでの間、やはりここは国鉄の周遊指定地に指定いたしておりますので、そういった便宜のために新駅もつくるということになりますので、それまでの間はやはり夏場の輸送に間に合わせたい、夏場のお客さまの利便を考えて早目に臨時乗降場をつくっておきたい、これがいきさつでございました。それが地元の期成同盟会長への御返事が五月の二十一日と、こういうわけでございます。
  33. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 私の聞きたいところは、臨時乗降場は暫定的な駅なんだと、やがて新駅ができるんだということは、それは新駅をつくるということについては、上申をして上司の裁決を仰がなきゃならない、そうですね。にもかかわらず、千葉管理局長の立場で、その権限のない立場でもって、いわゆる暫定的な駅なんだという、もう新駅は間違いなくできるんだという、こういう感じなんですよね。だからそれはおかしいじゃないかと言うのです。権限はないんでしょう。にもかかわらず、新駅はもう絶対できるんだという感じなんです、暫定的な措置と言うと。
  34. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 私の答弁が多少おわかりにくかったと思いますが、もう一ぺんおさらいを申し上げますと、臨時の乗降場と申しますのは、一般的にいいまして、ある期間催しものがあるとか、あるいはシーズンに、たとえば常磐線でございますが、水戸の偕楽園の近くに毎年観梅のために臨時乗降場をつくる、そういった期間の長さ短さということもございますけれども、とにかく地元でお客さまの利便のためにつくりたいというのが臨時乗降場でございます。本件は新しく本格的な駅を設置したいという地元の御要望にこたえる措置といたしまして、しかも夏場の輸送ということを控えまして、それで臨時乗降場ということで措置したということでございます。したがいまして、その節に正式に返事いたしましたのは、新駅設置の認可は九月の三十日にいたしておりますが、事務的にはその間いろいろと千葉局とやりとりいたしました。新駅設置は、臨時乗降場設置の時点においてはもうすでに内部的には話は固めておったと、こういう次第でございます。
  35. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 その辺のところが私ちょっと、権限外のことをもうすでに千葉管理局長の段階で決定されておったと、そういう感じを受けるんです。ということは、もうすべて地元と、あるいはまたそのほかの機関と話が全部済んでて、わかった上でこういう上申書が——これが上申書ですが——行なわれているんじゃないかと、こういう感じを受けるものだから、いまのような質問をしているわけです。  そこでまあお客の利便とかいろいろな理由はあるでしょう、そういう臨時乗降場をつくるという。そうするとあの一帯の状況は私が言うまでもなくおわかりだと思うのです。たいした戸数もありませんし、将来はどうか知らぬけれども、現在のところは三キロほど離れたところに急行停車駅の興津駅というのがある、その三キロ先に。いわゆる興津−小湊との間につくったわけなんですけれども、常識的にいうと、いわゆる急行停車駅は三キロ手前にあるんだというそういう状況のところへ、しかも現時点ではその地域は発展していない。そういうところに臨時乗降場、あるいはまた将来新駅をつくるのだというその考え方、いわゆる全国的にわたってそういう考え方、そういうところに駅をつくるのだという、つくれるんだという、やはり地元の要請があればつくれるんだという、そういう姿勢でもっていままできたのか、あるいはまたこれからもそういう姿勢でいくのか。申請さえすればいつでも許可になるのだという、こういういわゆる感じもするわけなんですが、その点の考え方はどうなんです。
  36. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 一般論から先にお答え申し上げますが、先ほど運輸省の業務課長から御答弁申し上げましたとおり、全国に五千二百ほどの駅がございますが、人件費負担が非常に多うございますので、できるだけ駅の人件費節約という立場から、乗降客の少ない駅につきましては、極力経費節約の立場から無人駅と、あるいは委託駅というふうなものをつくってまいっておる状況でございますので、原則といたしまして駅はつくっていかないという方向でございます。ただ地域造成が非常に進んでまいりますと同時に、観光地もだんだん造成されてまいります。そういったことで地元の御要望に沿って、主として請願駅というふうに言っておりますが、地元に経費負担していただきまして、工事費を負担していただきまして設置するというのが原則でございます。  先生の御指摘の本件でございますが、これは房総東・西線は御承知のとおり循環している線でございまして、急行とは申しましても実は快速列車でございます。それが新宿から直通するかしないかということで急行という名称をつけているわけでございまして、この線内はどこでもどの地帯をとりましても実は観光地でございます。急行停車駅を非常にふやしておるわけです。それでこの新しく臨時乗降場としてつくりました行川駅は、実は東・西線の中で一番駅間距離の長いところで、上総興津−安房小湊の間は七キロございまして、あとは平均大体三キロぐらいでございます。駅間距離が非常に長うございます。そういった立場からここに臨時乗降場を設けた。また将来、地元の方の御要望もございますのでここを本駅にしたい、こういう経過でございます。
  37. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 あなたのおっしゃることはわからないわけではないのです。私の言わんとしている点についてのお答えがないわけなんですが、この点のところを繰り返しても堂々めぐりになりそうなので、その点はさておきまして、昭和四十四年九月十二日の閣議決定で、これは国鉄は現在赤字で苦しんでいる、赤字再建だ、そういう意味でいわゆる合理化の方向に進む。その合理化についてはいままでに御答弁があった。そういう時期に、たとえばいまお話がありましたいろいろと距離が長いとか——長いといってもあそこは七キロです。全国的にいうならば七キロくらいの長さというのは、もちろん山間部に行けば相当の箇所あると思う。それをいまあげてもらってもいいのですけれども、おそらくわからないでしょう、あるわけです。そこで私から言わせれば、同じような条件を持った個所というのは全国的にいえば幾らでもあるんだ。なぜあそこが選ばれたかというところに疑問があるわけです。  そこで、そういう国鉄は、赤字のいわゆる再建、そのためには合理化しなきゃならぬ、そういった時期に、そういったいま言ったようなことを踏まえて考えた場合、ここにいわゆる駅をつくるということが、国鉄にとってどのくらいのメリットがあるのかということが私は問題だと思う。その辺のメリットをどのくらい、国鉄はどの辺に置いているのか、この点についてひとつ。
  38. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 前に御質問がありました点についてお答えしてなかったことを補足させていただきたいと思いますが、申請があればどこにでも駅をつくるのかという御質問にお答えしてなかったのでお答え申し上げますが、原則論は、先ほど運輸省からも御答弁がありましたとおりで、したがいまして、地元の工事費の負担ということを前提にいたして、しかも私どもの営業上必要だと思われる両者の意見の合致したところに、地点に設けるというのが原則でございます。  それからいまお尋ねのメリットの点でございますけれども、実は周遊指定地を全国あちらこちらにいたしておりますが、できるだけ周遊指定地にアプローチのとれる駅をたくさんふやしていきたいということがございます。したがいまして、この地区は実は誕生寺とか太海海岸でございますとか、広い地域の数駅にわたるところの周遊指定地でございます。その周遊指定地にはどこからでも入って行けるという便利をふやしていきたいということで、本件については新駅設置したい、こういう考えでまいっておるわけでございます。なお将来のことになりますが、ここは相当輸送のネックの区間でございますので、あわせてそういった解決も含めて考えておるわけでございます。  ついでに申し上げておきますと、実は七月の十五日に予定いたしておりますが、この東・西線の電化が全部完成いたします。そういたしましたならば、これを新宿からずっと東・西線を通しましての電車の運行もいたす。こういう時期にもあたりますので、夏場の輸送にはやはりこういった乗降場はお客の御便利になるだろうと、こう考えております。
  39. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 その辺のところがちょっとかみ合わないのですがね。いまのお話によりますと、客の利便ということは、いわゆる観光客という、こういう感じが強い。そのためにいわゆる駅をつくるんだ、こういう考え方が強い。  で、ここに上申書に——上申する理由だ、それをこういうふうに書いてありますね、こういうふうに言っておりますよ。「バスの運行時間が七時から十九時までに限られ、通勤、通学は勿論、観光客、用務客にも不便な状態であります。」、まずバスの運行時間が非常に短い。そして通勤、通学ということがまず第一義で、次に観光客、用務客、こうなっているわけですね。「同地域は南房総国定公園に指定され、多数の観光地をかかえており特に行川アイランドは開業以来、入園者が激増しているので、早急に新駅設置し、関係部落民の福祉向上をはかるとともに観光客誘致等により地域発展に寄与したいとしております。」、こういうんです。やはり駅をつくるということについては、いろいろな角度で検討されなければならぬと思う。  そこで、ここに言われている、いわゆる地域住民に対する利便というもの、これがやはり第一義に書かれているように、またそれが第一義だと思う。それともう一つは行き先、いまあなたが言ったようにこの一帯は観光地である。これは観光地はわかります。だけれども、観光地だから何でも駅ができるというものではないのだ。将来性というものはどういうものであるか、こういうものを踏まえなければならぬ。そういった点について、将来あそこは、いまここで言ったように行川アイランドという遊園地がある、これだけです。あとは二百戸足らずの山間部である。そうして行川アイランドはいま左前ですね。そこまで調べましたか、いいですか。大事なことは、行川アイランドだけではなくて、これからどれくらいこの地域が発展していくかということが、やはり一つの国鉄新駅をつくるにあたってはねらいになると思う。その辺もこれは踏まえていると思う。この間どなたかに来てもらったときに、そういったことを言っておった。必ずこの地域は発展する、こう言っておった。ですからその辺、じゃどのように国鉄は、どの程度の発展を見込んでいるのか。少なくとも、この一帯の開発についての市、県のいわゆる開発計画というものはどういうものがあるのかというところまで、いわゆる国鉄調査が行き届いていなければならぬ。その辺の一帯が開けるというように、あなたのほうでは考えているわけなんですから。では市、県、それらの立場で、この地域に対する開発計画というのはどうなっているのか、その点ひとつ。
  40. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) この地域と申しますのは、この行川アイランドの付近の地域でございますね。
  41. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 さようでございます。そこに駅ができたのですから。
  42. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 先生の御指摘のとおりでございまして、新駅ができますときには、ローカル列車はもちろんとめてまいりたいと思っております。現在もバスの運行がございますが、非常に時間が限られているということでございますので、もっとも現在はこの地域から隣の駅にバスを利用していただいているわけでありますけれども、ここにローカル列車もとめるということになれば便利性がもっと進むだろうと思います。しかし、この地域の将来の位置づけという御質問からいたしますと、地域そのものとしての大きな発展性はないのじゃなかろうか。ただシーズンのときの入り込み客が——入り込み客というのはちょっとことばが悪いのですが、ここで乗降するお客さまが年々ふえてまいってくるであろうということでございまして、そうして、仮乗降場を設置いたしましたときに大体延べで平均二百五十名程度の利用客がございます。それから七、八月になると三百人近いお客さまが、今年に入りましても非常に利用客は多くなっておりまして、日によりましては五百人ということでございますので、それにつれまして地域の発展がなされるのではなかろうかと、こういうふうに考えております。
  43. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 この辺のところをこまかく詰めると、あそこに臨時乗降場ができて、今度はこういうふうにふえているのだ。私は私なりにとらえておりますよ。じゃ、その三キロ半前の興津だけではどのくらいの乗降——それができなかったときにですよ、そんなにあなた大きな変化はないんですよ。それは答えなくてもいいです。私から言わせればそういうことになる。ですから、決してあそこに臨時乗降場ができたから、いわゆる乗客が激増したという問題ではないということです。それが言いたい。  それともう一つ大事なことは、少なくともこの上申書にもあるように、その発展するという限りでは、いわゆる国鉄の感じではなくして、あそこはきのうきょうできたところではない。感じではなくして、それで将来どういうふうになっていくのだという、少なくとも地元の市であるならば勝浦市、県であるならば千葉県、その県ないし市のその一帯の開発計画というものをやはり確認した上で、私は駅をつくるにしてもつくると、いわゆる新駅建設についてはそういう姿勢が必要ではないか、こういうことなんです。そういったことが行なわれないで、ただ感じだけでもって、発展するであろうというような、ずさんないわゆる考え方ならば、これは国鉄の赤字の再建はとうていできない、こういうふうに私は感じたわけです。これは国鉄の赤字再建の問題を論ずるわけじゃないですからね、きょうはね。しかし、関連して言うならば、そういうことになる。そこで私がこの問題を提起しているのは、いま申し上げた臨時乗降場が、いわゆる一たとえば行川アイランドというその遊園地ですね、ここと何か特別な関係があって、そうしてそのためにつくられたという感じが非常に強い。それはこれからお聞きしていきますけれどもね。それで、そういう意味を含めてお尋ねをしているわけなんです。  そこで、駅ができるんだって非常に早い。臨時乗降場ができた。これは私はいわゆる現場を見てきたけれども、工事にかかったそういった期間はわかりません。わからないけれども、去年の五月二十日に許可になったと、臨時乗降場が。それから七月十二日ですか、これにはもう開設しておる。しかも百六十メートルの長さのいわゆるホーム、この工事ですからね。ばかに早いな、こういう感じがするわけです。だから、そういった点を踏まえて言うならば、許可になる前からもう工事にかかってたんじゃないかというような感じもするわけです。その点、私は明らかじゃないから、だから、断定的なことは申し上げられないけれども、どうもこの駅というのは、そういった地域住民のためといいながら、一企業のためにいわゆる便宜をはかっているのじゃないかという感じが強いのですよ。ですから、そういう内容を含めたものであって、これからその一つ一つについてお尋ねをしてみますけれども、的確に答えてもらいたい、こう思います。  そこで、その臨時乗降場には一日何回とまりますか。
  44. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 現在、土曜日と平日とは違いますけれども、急行が一日に上下四本とめてございまして……。
  45. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 毎日でしょう。
  46. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) はい、毎日ですね。それで土曜日にはこれが六本になるということでございます。
  47. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 あなたは急行でない、快速であると、こういうことをおっしゃったんですよね。快速と鈍行とどう違うかなんということもあるが、やはり快速は急行に近い。とまる駅はきまっておる。それでここにとまるのは急行だけでしょう。その四回停車する列車は全部快速列車、そういうことなんじゃないですか。
  48. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) そのとおりでございます。
  49. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 地元の人というのは短距離を利用する。通勤客にしてもそういう人が多いんだ。にもかかわらず、急行だけしかとまらないということはどういうことなんですか、地域住民のためになりますか。
  50. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) これは発足のいきさつを申し上げましたときに申し上げるべきだったかもしれませんが、主としてこれは観光地入り込み客のための臨時乗降場ということで発足したわけでございますので、暫定的にこの臨時乗降場は急行旅客のみと、こういうことにしていたのがそのまま現在まで続いているという状況でございますので、これは新駅設置される時点を目ざしましてローカルをとめてまいりたい、こういうふうに考えております。
  51. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ですからね、臨時乗降場をつくるということは、あなたはいま観光客目的だというふうに断定したけれども、だけれども、この臨時乗降場をつくるということは、ここにもあるように、また新駅設置ということについては、いわゆる地元住民の利便ということが第一義になっているわけですよ。そうでしょう。そうだとするならば、これはこの臨時乗降場をつくった場合に、地元の人たちの利便を考えるならば、それがいわゆる主体に考えられるならば当然これは普通列車をとめるべきだ。これを観光客だけに重点をしぼっているということは、行川アイランドという遊園地がある、そのために駅をつくったんじゃないかということになる。その点どういうふうに説明してくれるんですか。
  52. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) これは臨時乗降場設置いたしますときに、勝浦市の市長さんが会長になっておられます期成同盟といろいろやりとりがあったわけでございますが、その節、臨時乗降場設置している間は急行だけでよろしいのかということでお打ち合わせいたしました結果の御返事は、臨時乗降場の場合には急行だけの停車で異存はないという期成同盟からの返事をいただきました。返事をいただきましたということは、結局地元の御意向を反映いたしまして、当分の間は急行だけと、こういうふうな経過でございます。
  53. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それではね、これは勝浦市の市議会の行政報告、市長がやっているんです。これを見ますとね、「これによりまして、」、ここのところはいいですね、「長年の念願である新駅設置へ一歩前進いたしましたが、」とあるのです。これは臨時乗降場ができるということが決定したから、こういう書き方をしているのです。「地元大沢・浜行川両部落民の利便を図る観点から、」、ここに「地元大沢・浜行川両部落民の利便を図る観点から、通勤通学の時間帯における普通列車の停車を優先させるべきでありますが、ご承知のように、国鉄では、その財政状態から採算性を尊重することを重くみており、収益のあがる観光客の輸送を考えているようなわけでありまして地元市長の考え方とそごを来たしたのであります。」、こういうことを言っているんですよ、報告に。これは正式の場所ですからね。それをあなたのほうでは、地元のほうでそれでいいと言った、こういうふうに断定しているわけです。合わないです。地元のほうは、そんな返事をするわけはないということがここで証明されているわけですね。一方的なあれじゃないですか。これは正式なものです。あなたと私がここでもってやりとりするのは、多少のごまかしがあっても、それが通る場合もあるかもしらぬけれども、これはいわゆる市議会において報告された行政報告の内容なんです。こういうふうにはっきり市長は言っているわけです。それをあなたのほうでは、地元のほうと話し合って、地元のほうはそれでいいと、急行だけでいいと、こう言ったと、こう言っているんです。合わないですよ。これはあくまでも市長は、大沢と浜行川の住民の利便、こういうことがいわゆる第一義だと、にもかかわらず国鉄のほうは採算性ということからこれを受け入れない、こう言っているわけですね。この点どっちがほんとうなんですか。
  54. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 当方が臨時乗降場設置いたします場合には、急行だけをとめたいと、こういう正式の文書を五月の二十一日に新駅設置期成同盟会、そこの会長あてにお出ししているわけです。これに対しまして五月二十六日に正式の文書で異存はないと、こういう返事が参っておりますので、先生のいまの御指摘の点は、実は私は存じないわけでございます。
  55. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 存じないと言っても、これははっきり、これは写しですからね、コピーしてある。ですから、これは間違いあるとは考えられない。ことばの上ではいわゆるいろいろ言えるかもしれぬけれども、これはまぎれようがないんですよ。だから私が言ってることは、国鉄の言ってることと地元の言ってることは違うなと、こういう感じがするわけです。そうなると、あくまでも国鉄は、いわゆる地域住民という立場でなくて、そういう考え方でなくて、これにははっきり地域住民があるんですからね。いわゆる管理局長から上申された文書の中には地域住民とうたってるんですよ。それが優先しないということになれば、これはごまかしだということになる。いわゆる旅客局長は、なるほど地域住民のためになるんだと、こう思うから、だからこれに対していいだろうということになった。そういうものを、まずそういうことが含まれているんだから、たとえ臨時乗降場をつくるにしても、一時的なものにしても、それは地元の地域住民の利便ということを第一義に考えるということが私はほんとうではないか、こう思うんですね。その辺のところがどうもうまくないんですな。  そこでね、たとえば、これは聞かずに、私から言うと、この臨時乗降場にとまる急行ですね、快速。これだっていま言ったように、四本ないし六本だ、こう言ってる。ところが、とまる時間帯はどうだというと朝と夕方しかないんだ。全く地域住民の利便ということよりも、行川アイランドに行ったいわゆる観光客の行き帰りということでしかない。行川アイランドしかないんですから、あそこは。そうでしょう。あそこしかないんですよ、観光地といったって。いわゆるそこへ行く人たちの言うならば行き帰りの便利しか考えられていない時間帯ではないか、こういう感じも強い。  そこで、じゃあね、私がさっきから言ってることは、どうもおかしいと、行川アイランドと何かあるんじゃないか、こういうような感じが非常に強いわけです。それでいま問題提起しているわけですが、それではこの臨時乗降場の正式な駅名は何と言いますか。
  56. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 臨時乗降場としての駅名は行川アイランドという駅でございます。
  57. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 たとえ臨時乗降場といえども、それは国鉄のいわゆる一般的には駅です、一般的には。その駅にいわゆる地元の一企業の名称がそのまま駅名に使われているということは、これは私鉄ならいざ知らず、国鉄の立場で、全国的にないとは言わない。言わないけれども、ほんとうにいわゆる例が少ない。こういう行川アイランドという一企業の名称をそのまま駅名にした理由は何ですか。
  58. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) これは行川アイランドは非常に規模も雄大でございますし、これは周遊指定地にいたしております。したがいまして、たとえば日南線にもございますが、宮崎交通のやっております「子供の国」という大きな遊園地がございますが、そこの国鉄の駅名も実は「子供の国」というわかりやすい駅名にいたしております。もちろん周遊指定地でございますが、本件も行川アイランドそのものが周遊指定のコースの中に組み込んでございます。そういう意味で行川アイランドという駅名を使ったという次第でございます。
  59. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうなりますとね、国鉄はこれから、私鉄はいろいろの幾らでも例があるんです。たとえば谷津遊園だとかですね、いろいろ私鉄にはある。ところが国鉄にはあまり例がないんですよね。いわゆる一企業の固有名詞をそのまま利用するというような、「子供の国」とかなんとかというのはどういう経営になっているのかしらぬけれども、これは明らかに一企業ということ、これははっきりしているわけです。そういう場合に、全国的に今後それではどんどんそういう一企業の名称を使っていくという国鉄考え方を持っておるのかどうか、こういったことをひとつ。
  60. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) いや、これは別に企業と癒着しまして、ここを発展させるという立場ではございませんので、場所によって、正式に認めた周遊指定地であるならば、そういう名前を使う場合も、私どもの立場からいっても旅客誘致上必要ではないかと思います。しかし、何でもない駅にそのままそこの近くの企業の名称を使うということは、これは避けたい、こういうふうに考えております。その辺はケース・バイ・ケースによりまして、はっきり区別をしたいと思っております。
  61. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 その辺のところはそのくらいにしておきましょう。その辺のところも理屈の上から言えばどうにでも言えると思う。だけれども、いわゆるいままでの国鉄の姿勢というか、あり方からいうと、こういったことはそうざらにないことです。特にここにこういう名称が使われる。しかも、いままで言ってきたように、地域住民ということよりもいわゆる観光客ということになると、大体においてあそこの一帯は行川アイランドということが、これはもう代表的な名称、こう言ってもいいと思う。ですから、結局そういうことからどうしても、いわゆる行川アイランドなんかとどうもおかしいのじゃないか、こんな感じがする。しかもその経営者はどうであったか、地元のいわゆる言うならば権力者、そういうものとのつながりはどうであったか、そういったことを全部浮き彫りにすれば、ずいぶんおかしな話だなという、こういういわゆる感じが出てくるわけです、実際には。あなたはそこまで調べてあるか調べてないかわからぬけれども、そういったこと。そこで、いわゆるこういったことをお尋ねしておるわけなんだけれども、それでは行川アイランドという名称をつけたことは、いわゆるいま言ったような理由によってつけたのだ。  それでは行川アイランドのあの駅に出ておる広告料はどのくらい取っておるのですか、こまかいですが。
  62. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) これは非常に率直におわび申し上げますけれども、実はあそこの駅のベンチに、行川アイランドから寄贈を受けましたベンチにそのまま行川アイランドの名称が入っておりまして、これはまずいということで消させまして、寄贈というかっこうで受け取ったものでありますから広告料としては受け取っておりません。この点はおわび申し上げます。現在はございません。
  63. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 だからおかしい。国鉄が、いわゆる全国にたくさんの駅がある、そこに一企業の名前がでんと出ていて広告料一銭も取らないなんというような駅はどこにもないと思う。で、あそこだけがうっかりしておりました、うっかりしておるのもいいところだと思う。じゃ、まるであれじゃないですか、行川アイランドのいわゆる駅みたいなものじゃないですか。ですからお尋ねしておる。じゃ、広告料はどうした。そうしたら取っておりません。だからこの前私は問題提起をしたわけですよ。結局調べてみたところが、なるほどある、消さした。非常にその辺のところは、いわゆる広告料でも全国的にいえばばかにならぬでしょう。赤字再建とかなんとか言っておるけれども、合理化運動とかやっておるけれども、広告料というのはこれはばかにならぬでしょう。なぜ行川アイランドだけ広告料を取らぬのかというのが私の疑問なんです。そうしましたら消しました。実際は消して済むというものじゃないですよ。おかしいじゃないか、こういうわけですね。  そこでこれは、この臨時乗降場をつくるにあたって、いわゆる地元負担をした、だれがしたのか、どのくらいかかったのですか、経費は。
  64. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 期成同盟会を相手にいたしておりますので、その中の負担は私はつぶさに存じませんが、この臨時乗降場をつくります金としましては四百万円程度と聞いております。
  65. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 これにちゃんと書いてあるんですけれども、いわゆる市長の報告でね、四百四十万円です。市の財政、財政と言っているんです。市の財政が苦しいので、これはいわゆる行川アイランドに負担をしてもらうわけです。全額行川アイランドということになっております。行川アイランドが全額四百四十万円の寄付をしているということです。こういうことになっておるんです。で、その臨時乗降場をつくる、その全額の寄付は、いわゆる地元寄付は行川アイランドがやっているということ。で、その広告料は取っていない。急行だけしきゃとまらない、普通列車はとまらない。まあ一つ一つあげてみると、どう考えてみても、これは行川アイランドのために国鉄が一生懸命この駅設置に努力をしておる、こういうような感じが非常に強い。まだ言うならばですよ、県、市の開発計画もわかっておらぬ、何も。突っ込んで言うならば、一つもここに駅をつくる根拠なんというものは、それほど大きな根拠はありはしない。にもかかわらず、ここへ駅がやがてできるということ、それ自体が私はおかしいんじゃないか。こういうことでいまお尋ねして聞いておるわけですけれども、その辺のことについて、地元ではこれは政治駅である、こういう声が非常に強い。ある人の圧力でもってこの駅ができるようになったのだという、こういう声が非常に強い。これは名前は伏しますけれども、そういう声が非常に強いわけです。  そこで、そういう何らかの圧力がこの問題についてはかかったのか、かからないのか。かかったとするならば、それをひとつ明らかにしていただきたいと思う。
  66. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 正式に勝浦の市役所の中にできました設置促進の期成同盟でございますので、私どもは圧力というふうなものは感じていないわけです。したがいまして、今後もこういった請願駅などにつきましては、いろんな宅地の造成でございますとか、あるいは先ほど申しました観光地の開発という関連で、おそらく今後も出てまいると思いますが、これは一個人を相手にするんじゃなくて、やはりそこで公式な期成同盟というオーソライズされた同盟を相手にしてまいりたいと、かようにまあ考えておりますので、先生の御指摘の圧力というものはないというふうに確信をいたしております。
  67. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それでは今度は、この新駅、やがてできるであろう、計画されている新駅についてですね、お尋ねしてみたいと思う。そこでこの新駅、今度設置にあたって、千葉を起点にしてどの地点に、いわゆる新駅をつくる場合にはできるんですか、その新駅は。
  68. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 大体現在の臨時乗降場から少し三百メートルばかり東のほう、つまり上総興津のほうに寄ったところが一番適当なところだろう、こういうふうに考えております。
  69. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうしますと、いま行川アイランドがありますけれども、行川アイランドを中心にして、いま、ですから行川アイランドより先に、いわゆる安房小湊ですか、あの駅の駅寄りにおせんころがしのトンネルにくっついてつくってあるわけだから、だから行川アイランドより先に当たるわけだ。そうすると新駅はどういうことになるのですか。行川アイランドを中心にして考えたときに、千葉駅を起点にして八十キロ五百七十メートル付近になるということなんですが、この付近は行川アイランドを中心にしてどの辺になるのですか。
  70. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 実はその駅の設置の地点もはっきりきめておりませんです。いま私は三百メートルばかり東に寄ったところがおおよその見当でございますと申しますのは、そこは非常に輸送の隘路区間でございまして、将来はここに行き違いの——列車の行き違いですね、ここは単線でございますので列車の行き違いの設備をつくらなければならぬところだと思っております。したがいまして、それをどうアプローチをとるかによりまして、行き違い設備の場合に、新駅をつくるということになりますので、いまのところは正確ではございませんが、大体現在のところとしては東のほうにちょっと寄ったところというふうに聞いております。
  71. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ということは、行川アイランドより先になるのだけれども、行川アイランドのまん前になるのですよ。計算してください。そういうことになるのです。行川アイランドのまん前になる。だからそういった点もどうしてもおかしいなという感じが強いわけですよ。地域住民のことを考えるならば、浜行川か、あるいは大沢という部落があるわけですから、そちらのいずれかが中心になるというなら話はわかるけれども、行川アイランドのまん前になってしまう。いまの臨時乗降場をずらして、工場などもあるわけですね、その辺も的確にあなたのほうでとらえてないので、いま私のほうから申し上げたわけです。  そこで、行川駅建設にあたって一番問題になるのは、とにかく国鉄が赤字であるという、そういう立場でその駅をつくるということになれば相当ないわゆる経費がかかるということは当然です。その経費をどのようにしていくかということが大切なわけですけれども、このいわゆる新駅建設にあたって建設費をどのくらい、どの程度に見込んでいるのか、この点ひとつお聞かせ願いたい。
  72. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 先ほどの行川アイランドの前になるのかどうかという点は、御指摘のとおり、これは調べまして後ほどまた御報告申し上げたいと思います。  この建設費でございますが、大体概算いたしまして四億ばかりかかるということになっております。
  73. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 行政報告にはこういうふうに言っていますよね。合計しか言いません、こまかいことは言いません。合計五億百五十万円くらいかかるというのですね。ここにもちょっと違いがあるのですが、四億くらいでできるのですか、もう一ぺんその辺のところを。行政報告では五億百五十万円、これは国鉄と話した上でもって、こういういわゆる結論を出しているようですからね。
  74. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 先生の御指摘の五億という案もございます。したがって、基本的にはまだしっかり固まっておりませんのは、先ほど申しました行き違い設備をどういうふうにアプローチをとってつくるかということによりまして、工事費の概算が五億になったり四億になったりということで、いまはあまり固めてございません。地元とこれから話し合いが始められると思います。
  75. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そこで四億にしても五億にしても、どっちになるかはそれはいまのところわからぬ。そこでたとえ四億にしても、駅をつくるだけならばそんなにかかるわけはない。そこでこの駅をつくる場合、新駅をつくる場合にその周辺をどういうふうなにしていくのか。言うならば四億、五億の内訳ですね。これについて、大体の見通しというのは何らわからぬというわけにはいかぬでしょう、四億ということは何らかその概算基礎があるわけですから。
  76. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) したがいまして、この内容がはっきりしない点がございますが、この手持ちの資料で申し上げますけれども、用地などにつきましても別途地元と協議していきたい。こういうことで、これについての計画は別途検討ということになっておりまして、金は盛られておりません。ここで一番申し上げておきたいのは停車場、つまり停車場そのものでございますが、それとこの建物でございますね、それを含めまして大体約三億というかっこうになります。そのほかいろいろと設備がございますけれども、一番大きいのは停車場と建物と入れまして約三億という計画でございます。
  77. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それではこの駅を建設をするにあたって四億なり五億なりかかる、私は五億というふうに市長の行政報告を通して、いわゆる五億百五十万、これを地元では考えておる。そこでこの五億から、大体まあ五億程度かかる、その建設費は国鉄で持つのか、あるいは地元で持つのか、どっちなんですか。
  78. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) 先ほど申しましたように、工事のしかたが私の手持ちの資料だけでも六つか七つぐらいかの案がございますが、これにつきましては、当初新駅設置をしてもらいたいという地元からの管理局長あて、また並びに管理局長から私どもにあてたこの正式な文書の取りかわしの中では、新駅設置については経費は地元、この期成同盟が負担する、こういうことでございますので、地元負担の優先ということに計画をいたしております。
  79. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 この上申書を見ますと、この内容は、ここに駅をつくるということは国鉄に非常なメリットがあるのだ、国鉄側に。だからこの駅をつくるんだという、こういうことをここでもってうたっているわけです、管理局長がね。国鉄といえどもこれは現在では企業ですね、そうでしょう。そこでこの五億からの建設費が地元負担をするからといって地元まかせにする、地元に出させようとする、そういう行き方が、ほんとうにそういう行き方でもって今後いいのかどうかという。国鉄もいわゆる一面からいえば企業、一面からいえば国の機関。で、その地方行政、まあ地方財政というのは非常に逼迫してきている。そういう中でいわゆる五億からの、ちっぽけな勝浦市という、あなたは期成同盟とこう言っているけれども、これはいわゆるこれに対する行政報告がなされているように、これは必ず市が肩がわりをして出すという形になるにきまっているのです。これはだから行政報告されているのですから、何で期成同盟が五億からの金が都合できるわけないのです。これはそういう含みがあるからこういう行政報告がされているわけだけれども、とうてい私は、ここの予算規模というのは十一億かそこいらですよね。それが一つの駅をつくるために、誘致するために五億という巨額なものを地元負担する、そしてそれを国鉄に進呈をするというような行き方というものは私は全くまずい。まずいというよりも、地方行政を全く無視をしておる、こう言う以外に私はないと思うのですね。こんなことは絶対許されることではない、こう思うのです。  そこで、自治省としては、こういう行き方について、これがいいのかどうか、こんなことが許されるのかどうか。例をあげればこれだけじゃありませんよ。柏の駅だってそうですから。初めは全部国鉄が持つということであったんだけれども、いまでは二億の負担。そういうふうに初めは請願駅じゃなかったのが、いまは請願駅になっちゃった、何かのかげんで。で、二億出した。あちらこちらで国鉄は金を地元から出さしている。そうしてそれがどうだといえば、絶対にこの場合でも地元地方公共団体はこの五億といういわゆるくめんに四苦八苦している。これは書いてある。たいへんだと言っている。こういうことが許されるのかどうかということを私としては聞きたい。今後もこういう姿勢で国鉄はいくのか、あるいは自治省はそういったことは許されないというのか。許されなければ許されないように、やはり今後この点については検討されていかなければならぬ問題です。この点ひとつ両省から御答弁を願います。
  80. 小山省二

    政府委員(小山省二君) 本来国鉄の業務であります駅舎の建設等にかかる費用を地方公共団体が負担することは、地方公共団体の行財政運営の姿勢から考えても私は適当でないというふうに解釈をいたしておるわけであります。  御質問のその行川のアイランド、これは新駅設置につきましては、国鉄と折衝いたしておりますのは現在期成同盟でございます。またこの費用につきましては二億ないし五億といわれておりますが、これはあくまで表面は同盟が負担する形をとっております。したがいまして、この費用が将来勝浦市にとってどの程度負担になりますか、まだその内容というものが明らかでございませんが、かりに同盟の中に、市がどの程度負担をいたしますか、勝浦市の現在の財政規模から考えまして多額な負担をするようなことがあることは、勝浦市自体の財政能力の限界を越えるものだと考えまして、私どもとしては好ましいと考えておりません。
  81. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 その点はよくわかりました。そこで、そうなると、いわゆる国鉄の事業計画というのは、この問題について支障を来たしてくるわけですけれども、そうなった場合は、ここはどうなりますか。
  82. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) そうなりました場合には、これはまあ臨時乗降場の形をそのまま続けますか、あるいはやめてしまうかということになろうかと思いますが、先ほど申しましたように、観光地のまあ地域の住民の利便ということを考えれば、もちろんローカル車もとめてまいる方向を検討いたしますけれども、私どもといたしましては、地元負担をいただけないならば臨時乗降場の形を継続せざるを得ないのではないか、こういうふうに考えております。
  83. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そこでもう一つは、地元負担してもらえなければというあなたの話です。いま自治省のほうでは、地方公共団体がそういう巨額なものを寄付するということは、これはできない、国鉄に対して。こういうふうにはっきり言っているわけです。だからこれは、私が言いたいのは、この行政報告にもあるように——行政報告をしているわけです、新駅設置期成同盟というのが、それの会長になっているのが市長です。それがいわゆる市議会で報告しているわけですよ。そういうところから、これは五億というのは期成同盟じゃとてもできる金じゃない。できる金ではないとするならば、それではどうしてこれをつくっていくかということでやっているわけです。で、市に対して報告をしている。やがてはこれが市が肩がわりされる問題だと、こういうふうに私はにらんでいる。もしそうなった場合、いわゆる自治省ではそれは許されない、そういう寄付については。こういうふうに言っているわけです。それに対して、寄付をもらえない場合にはこうだと言うけれども、そうだとするならば、これは一この問題だけでなくて、国鉄が、全国的に見て、あそこにもここにも地元負担という、いわゆる地方公共団体が負担しなければならないという問題はいままでもあり、これからもあり、現在もある。そういう問題になってくるわけです。いわゆる地方公共団体から出させるといういままでの国鉄の行き方について、今後は、ここでもって自治省の責任ある立場の政務次官が話されたのですから、それを踏まえて、それでは国鉄としてはどうする、赤字再建をかかえて、そしてこれからなお地元負担はできないんだということになればどうなる、その点どういうふうに今後とらえてやっていきますか。
  84. 服部経治

    説明員服部経治君) お答え申し上げます。  ただいまの具体的な案件でございます行川アイランド駅の問題につきましては、地元公共団体でございます勝浦市が支出するかどうかということの御判断は、ただいま自治政務次官から御答弁申し上げたようなことであろうかと思いますが、私どもの立場として一般論として申し上げさしていただきますならば、国鉄がここに駅をつくりたい、したがって、ついては裨益するところがある地元公共団体に、その費用を分担しろというふうなことは決してあってはならないことであろうと思います。ただ先ほどからも繰り返して御説明があったとおり、請願駅の本質というものは、地元の要請によりまして、それを国鉄が判断、分析いたしましてつくる駅でございまして、その地元の要請の中に、地元でもってこれこれの費用を負担するからつくってほしいという話でもございますので、そういう話に乗りまして、請願駅というものに限定いたしまして、請願駅については、地元負担の上で駅をつくるというふうな行き方は、決して私どもそういう行き方が妥当な行き方であるというふうに言い切ることには問題があろうかと思いますけれども、現状のように、国鉄の工事規模というものが国の財政面からいろいろと大きな制約を受けている現状では、やむを得ない行き方ではないか。したがって、そういう条件を提示されて、その上でつくってほしい、どうしてもつくってほしいという請願駅については、たいへん恐縮でございますけれども、今後もそういう方向で進むこともあり得るというふうに考えております。
  85. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そこで、あなたの立場からすれば、国鉄の立場からすればこうである、こうおっしゃったわけだ。しかし、ただこれはことばだとか文章の上ではないんだ。やはり現実問題、国鉄が苦しければ地方公共団体も苦しい立場にあるんだということ。決して地方公共団体は黒字ばかりではないんですよ。それが負担をするということは好ましくない。また、たとえば地方財政再建促進特別措置法、これによっても禁じられておる。それがいわゆる請願ならばやむを得ないのだという行き方は、私はその考え方が誤っておる、こういうふうに言いたい。何のために法律できめてある。法律は法律だけれども、国鉄のいわゆる急場を救うためにはそれはやむを得ないのだと、こういうことになるわけなんだけれども、そこで意見がかみ合わないわけです、自治省とおたくのほうとでは。で、結局は、自治省はそれはまずいと、こう言っているわけです、自治省の立場では。地方公共団体を行政指導する立場、その立場でもってそういう支出についてはそれはまずいのだと、こう言っているわけです。まずいのだということは出せないことです。それを踏まえた上で、あなたのほうは自分のほうだけ考えてそういうことを言われたって、うちのほうは赤字なんだからしょうがないんだという、そういう行き方というのは成り立たないのじゃないかと言っているんです。
  86. 服部経治

    説明員服部経治君) 私の答弁のしかたが若干ことば足らずであったかと思いますけれども、私は請願駅一般につきまして、公共団体とは特に申し上げませんで、期成同盟会その他の負担があればと言ったつもりでございます。その負担者の中に地方公共団体等が入るかどうかという点につきましては、自治省御担当の法律その他に基づきまして自治省の適切な判断がなされて、地方公共団体が当該請願駅について財政負担をすることはまかりならぬという御判断であれば、それはそれでけっこうなわけでございまして、それでなお持ってほしいということを申しているつもりはございません。
  87. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 最後です。ここに、上申書ですね。上申書にこういうふうにあるのです。全部読むと長くなりますから……。「国鉄としても房総東線の電化が四十七年七月に計画されております」、だけれども、これはごまかしなんだ。ほんとうから言うと来年なんかできやしないのですよ、電化なんかはですね。この地帯はできませんよ、あなた。勝浦市のこの一帯はまだそこまで計画いっていないでしょう。これを見ると、あたかも来年全部できてしまうようなことになっている。「この区間は線路容量からみて同線のネックとなっているため、列車の増発も困難な状況となっています。経営改善計画を実施して収入の確保を図るためにも、行違設備のある新駅は必要であります。さらに、南房総における観光の拠点として、団体募集、エックの設定等を容易にし、経営上からも増収が期待できますので、新駅設置について特段の御審議をお願いいたします。」、こういうふうに言っておる。これほど有望な地域であるにもかかわらず、なぜ地元から負担させなければいかぬ。それだけの有望な地域だったら、普通の商売人ならば先行投資するなり何なりする、黒字になるのだから。あなたたちの見通しとしては、それは赤字だからといって地元負担させる、非常に安易だ。まだまだ権力の上にあぐらをかいているような姿勢、これはうまくない。こういうふうにはっきりと黒字が見込まれるというふうに書いてあるのですよ。ですから、そういうものについては当然地元の寄付なんということでなくて、国鉄が自分のいわゆる事業計画の一端として、これは責任持って地域住民の利便、あらゆる人たちの利便のために国鉄のいわゆる責務というか国鉄の存在意義、そういう立場からも国鉄みずからがこれを行なうべきだ、こういうふうに私は思います。こういうふうにはっきりと、将来は見通しはついておるのだ、こう言っておるのです。請願駅、この請願されたからやるのだということじゃなくて、こういうふうに非常に前向きのことがこの上申書に書かれておるわけです。  だから、こういうことは当然国鉄でもって、そういう有望なところについては黒字がはっきりと今後予定できる、予想できるというところについては、国鉄みずからがその国鉄の財源をもってやるべきである。いまの赤字は赤字です。しかし将来その赤字解消のための黒字に変わっていくわけですから、それを何でもかんでも赤字だから地元負担はしょうがないのだという行き方、そういう甘い考え方では国鉄の再建はできない。これは余分なことかもしれぬけれども、私はそういうはっきりしたものについては国鉄負担するのだ。しかもここは三百メートルの曲線だ。それを五百メートルに延ばす、そういうもの、あるいは行き違いの操作、そういうものから一切がっさい地元に寄付させようというわけですよ。あまりにもこれは酷、この行き方としては、考え方としては、その辺やはりこういう先が見込めるものについては、国鉄があくまで一企業と考えるならば、やはり国鉄みずからがこれはまかなうべきである。その姿勢、今後どういうふうにこの問題について国鉄は考えておられるか、この点ひとつ明らかにしておいてほしいと思います。
  88. 伊江朝雄

    説明員(伊江朝雄君) まず第一点の電化でございますが、これは来年の七月十五日に全線電化いたします。ですからこの地域も電化をいたしまして、東・西線通して電化が完成いたします。  それから第二点の黒字が見込まれるから当然その負担国鉄自体がすべきではないか、こういう御意見でございますが、非常に原則論を申し上げて恐縮でございますけれども、駅設置というものは原則として自分の手では行なわないということでずっと続けてまいっております。で、その是非論については先生の御意見をよく私尊重して、もちろん今後いろいろと考えてまいりたいと思いますが、本件に関しましては、せっかく地元期成同盟との約束が前提になってそういうことが進んでまいっておりますので、公共団体の勝浦市がこの負担をするかどうかということは実は私はよくわかりません。期成同盟という形で請願駅の設置申請がございますので、これは従来のルールに従った方向で建設をすべきじゃなかろうかと、かように考えておりますが、ことしすぐに着工するという性質のものでもございませんし、まだ時間がございますので、なおこれから期成同盟とのやりとりが、また工事の計画の実施につきましても、先ほど申しましたように六案も七案もいろいろございまして、先生御指摘の五億というのは一番最高の金額でございます。そういったこともございますので、負担方につきましては、工事費の決定につきましては、なお当方の工事計画とも合わせながら同盟とお話を続けていきたいと、かように考えております。
  89. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 最後、また一点になりましたけれども、この期成同盟というのは市長がいわゆる会長であり、それから副が議長かそういうメンバーですよね。ですから当然そこに、市のほうにしわ寄せがくるという感じが、これは感じというよりも、そうなることはもう当然だというふうに考えられるわけです。その場合にどうだということに対しての質問に対しては、いま話があったように、この自治省の考え方を尊重しますという答弁ですから、それは私納得しているわけです、その点については。だけれども、いまのお話を聞きますと、国鉄はいわゆる駅をつくるのに自分の駅でありながら全部他人につくらすんだ、こういうことなんです。そういう姿勢はどっちかといえば、どっちかということよりも、これは絶対にそういう姿勢はよくない。一つも民主化された国鉄じゃないじゃないか。民主化、民主化といいながらいろんな問題が発生しているわけです、いままで、いま現在自体。そこで、駅は原則として絶対国鉄はつくらないんだ、駅が設置したければ金を用意してこいという行き方は、これはほんとに民主化された国鉄じゃないと言う以外にないんであって、今後そういう姿勢を、じゃどう改めていくのかということを先ほどお尋ねしたんで、相変わらず今後もそういう姿勢でいくんだということになると、また自治省にひっかかってくるんですよ、これは。その辺もう一度明確に、今後もいわゆる駅建設については、国鉄としてはいわゆる地元負担でやる、一切国鉄は駅建設については金出さぬと、こういう考え方なのか、もう一回その点をはっきりしてください。
  90. 服部経治

    説明員服部経治君) ただいま旅客局長が御答弁申し上げました表現の中で、駅は原則的に地元負担でつくるというような話がありました点は若干ことばの不足であったと思います。先ほどこの質疑の冒頭に私御答弁申し上げましたように、たとえば昨四十五年度国鉄がつくりました新駅の数は二十八ございます。その中で請願駅、したがって地元、あるいは期成同盟のほうの負担でつくりました駅はわずか二駅でございます。したがいまして、今後とも国鉄の駅につきましては、国鉄の輸送計画上必要な駅につきまして国鉄がみずからの負担でつくりますことは、これは申し上げるまでもなく大原則でございます。ただその例外として、しかも新駅は原則としてはつくらないという、そういう請願駅は原則としてつくらないという方針の中で、ただ例外的に地元の強い要請というものを勘案して、しかもそれが国鉄営業施策と申しますか、輸送上の必要と背馳しないというような条件をそろえたものについては、話し合いの成立を前提として、そういう地元負担によって請願駅をつくるということが今後もあり得るということを申し上げたいわけでございます。
  91. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 もう一点だけ確認しておきます。  先ほど旅客局長が言ったんですけれども、地元のいわゆる期成同盟、これとの話し合いだ、そういう一般の団体がいわゆるこれを寄付するという場合、この場合にはしょうがない。だけれども、自治省はいわゆる地方公共団体が出すということについてはそれは好ましくない、これははっきりしたわけです。今後いわゆる地方公共団体がその寄付をするからということ、そういうことによって新駅設置という場合には、これは国鉄としてははっきりと法律上からもこれはお断わりする。いままでもやってきたんですから、船橋にしたって市川にしたって。あの高架線は十数億両市で出したんですから。小金線、あれはどういうふうになるか知りませんけれども、とにかくそういうふうに徹底的に地方公共団体がかぶっている。柏市もいま二億出さなければならぬということになっている。そういった地方公共団体が出すということについては、いわゆる自治省の意見を今後絶対に尊重していくという先ほどの答弁があったけれども、そのとおりに間違いないかどうか。
  92. 服部経治

    説明員服部経治君) 地方公共団体の負担の点につきましては、当然のことながら、当該支出をしようとしております地方公共団体が自治省当局の承認を求めた上でなければ、そういうことができないことになっております。したがいまして、自治省のほうで先ほど言明されましたような御方針が明らかであれば、今後そういうことは起こり得ないであろうというふうに私は思っております。
  93. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 非常にあいまいです。起こり得ないと言っても現在あるんだ。だから、いま例をあげて言っているんです。柏はこれからやるわけです。
  94. 服部経治

    説明員服部経治君) 柏市がそういう財政支出をするということであれば、その前提として、これは地方財政再建促進特別措置法という法律でございますが、その法律に規定されました手続を踏みまして、当該地方公共団体が自治省の御承認を得た上での支出でございますので、それ以上私どもとしてとやかく申し上げるわけにはいかない問題であろうというふうに考えております。
  95. 河田賢治

    ○河田賢治君 時間をできるだけ節約しまして、近く明年の予算折衝が大蔵省との間であると思いますが、いま地方財政がきわめて困難な事態におちいっておりますが、特に私がここでお尋ねしたいのは超過負担の問題なんです。  これは昭和四十六年の地方財政白書、ことしの白書にも「国庫補助負担金の単価、数量および対象範囲の不合理に起因する地方公共団体の超過負担については、事業費ベースで昭和四十一年度三百三十一億円、昭和四十二年度二百六十六億円、昭和四十三年度三百二十億円の解消措置がなされた。」、こういうふうにして確かにその解消措置ははかられておるんですが、この点について、この問題では地方自治体と自治省と大蔵省、その他の関係各省との間でだいぶこの解消問題については問題があったようでありますが、この点についてのこれまでの経過を、現在超過負担などについてどの程度出ておるものか、集計がありましたら一応御説明を願いたいと思います。
  96. 小山省二

    政府委員(小山省二君) 国庫補助負担事業にかかわる超過負担につきましては、昭和四十二年度と四十三年度におきまして超過負担が比較的多い事業につきまして実態調査を行ないました。この調査に基づきまして所要の処置をいたしておるわけです。つまり計画的に解消をはかるような措置をとっておるわけでありますが、この考え方は四十六年度においても引き続きこの方針のもとに超過負担の解消をはかっておる次第であります。  こまかい数字上の問題につきましては、局長のほうから御答弁を申し上げます。
  97. 森岡敞

    政府委員(森岡敞君) ただいま政務次官から申し上げましたような経緯をたどりまして、四十三年度以降四十六年度まで計画的な超過負担の解消をはかってまいりました。四十三年度措置額は三百二十億円、四十四年度措置額が三百十二億円、四十五年度措置額が四百五十三億円、四十六年度措置額が百九十億円、合わせて千二百七十五億円でございます。  その主要な内容は、職員の給与費、たとえば農業改良普及員あるいは保健所の職員などの給与費の補助単価の是正。それから国保でありますとか国民年金関係の事務費の補助金の単価の是正。第三に公立文教施設、学校施設でございますが、あるいは公営住宅の建設事業費についての建築単価の是正というふうなものを中心にいたしまして是正措置をはかってまいっておるわけであります。ただ、このように是正措置をはかってまいりましたけれども、なお各府県、市町村で超過負担が十分解消されていない、相当の超過負担がなお残っているという声が強うございます。私どもも政府、各省とそれぞれ話し合いまして実態をできるだけ早く調査をいたしたい。と申しますのは、四十六年度までいまのような形で是正してまいったわけでありますので、その是正後の事態がどうなっておるかということをすみやかに調査をして、適切な措置を将来に向かって検討してまいりたい、かように思っております。
  98. 河田賢治

    ○河田賢治君 この地方行政委員会で、この秋、宮城県と山形県に行政視察に参りました。そのときに県庁のほうから——これは県だけのあれでございますが、たとえば宮城県では超過負担状況が、全部は申しませんが、とにかく総計で十五億三千七百二十八万一千円、こういう計数を四十五年度で出しております。その負担率が四三・七%。その前年が四一・四%で、四十一年、四十二年から二、三%ずつだんだん少なくはなってきておりますが、四十五年度ではまた上がってきております。こういうふうに県の予算総額にしましても、あそこでは八百十九億六千万の歳入総額ですが、この中で六億五千六百万というものが超過負担額として宮城県では支出されておる。また山形県では九百八十億の総予算ですが、ここでは十五億三千七百万円で超過負担である。これは内容をある程度詳しく、いろいろ資料を向こうで出しております。これは自治省だけでなく、文部省関係、農林省、建設省、そのほか厚生省、こういう関係でも相当あるわけです。警察関係もありました。いずれにしても他の省にまたがるものが非常にあるわけです。ですから九百八十億のうち十五億超過負担だといって向こうで資料を出したわけです。  さらに、ことしになりまして、特に大都市この間指定都市に議員団の諸君が参りまして、大阪や京都の実例を持ってまいりました。そこでやはりこれまでの超過負担を解消するという自治省の方針でおやりになったものでも、なおかつ今日たくさん超過負担が出ておるということを申しております。そして数字をあげますと、大阪あたりですと大体百七十七億の超過負担、それに対する国庫支出金——当然国が支払うべきものが八十六億一千万、こういうような計算をしております。また京都でも超過負担の解消措置をとった事業だけで総額二十九億円に達する。これに伴う国の補助金十八億円に相当する額が一般財源の負担過重となっている。ですからこれは非常に今日の地方自治体——これは都道府県と大都市だけの例ですけれども、まだやはりそれぞれの市町村、特に過密都市なんかでは学校なんかひどいものだと思うのですが、こういうものの超過負担というものは今日ばく大な負担をさせられておるということですね。この点について、現在、全体をお調べになったのがないのでありますが、一つ一ついろいろ実際の単価なんかを見ましても、職員の問題にしましても、実際に実施しておるものが一人当たり保健所が二千五十四円とすれば、補助基準はわずか一千十二円ということで差し引き一千四十二円とか、あるいは学校の建設費にしましても、実施が一平方メートル四万六千二百円、これに対して補助基準が三万四千五百円、差し引き超過負担が一万一千七百円と、こういうふうにたくさん例が出ております。こういう問題について、私はこの問題はつまり国が当然支払うべきものを支払っていないという結果になるわけですから、昨日第十五次地方制度調査会がありまして、四十七年度に対するいろいろな財源問題、財政問題はこれから審議いたしますけれども、しかし自治体の超過負担というものは、これは非常に私は問題だと思うのです。この点を例をひとつ知りたいのです。これは文部省のほうにひとつ。実際に大体大蔵省あたりの査定や、また文部省が大体基準財政で建てられた学校、たしか名古屋の春日井市では、高蔵寺ニュータウンの小学校は文部省の管理局自身がそれを管理して建てた。ところがその学校が三年ばかりしますと、ひび割れが入り、壁が落ちると、こういう実態があるということを聞いておりますが、その辺実際にそういう基準によって建てられたものがどの程度部分であったかをちょっとあなたのほうでありましたら説明していただきたい。
  99. 松浦泰次郎

    説明員松浦泰次郎君) いま先生から御質問のございました春日井市の具体的な例につきましては、ちょっといま調査したものはございませんのでございますが、建築単価につきましては、実際の建築単価と国の補助基準単価との間に一般的に差があるのは事実でございます。先ほど自治省のほうから御説明がありましたように、四十三年から三カ年で超過負担の解消ということを公立学校施設関係についても進めてまいりました。結果的に現在なお、事情によって違いますが、一般的に一〇数%ないし二〇%をこえる程度の差があるのは事実でございます。国の補助といたしましては、標準設計に対する単価の補助をするというたてまえで従来からやってまいっておるのでございますが、実際にはだんだん施設の内容がりっぱになってくるような傾向にございまして、実施単価が上回るというような状況でございまして、先ほど申し上げましたような数字にあらわれておるんじゃないかと思います。そのようなこともございますので、その単価をできるだけ解消していくという目的から、四十七年度の概算要求につきましては、物価上昇に伴う引き上げ分のほかに質的改善をはかるための内容充実というような要素も加味しまして単価の要求を行なっておる状況でございます。
  100. 河田賢治

    ○河田賢治君 いま人口の急増地帯、特に大都市あるいはまたその近郊都市や新しい新産都市、ここなんかはいま人口が非常に急増のために建設が追っつかずにプレハブなんかずいぶんやっておるようなんですが、いま七千ぐらい教室があるということを聞いておりますが、そのくらいあるんですか。
  101. 松浦泰次郎

    説明員松浦泰次郎君) いまお話ございましたように、プレハブばかりじゃございませんが、プレハブの校舎を含めました教室不足というのが小学校で七千数百、中学校と合わせますと約八千から九千程度あるのが現状でございます。従来から過密が非常に激しく進展するものでございますから、そういう不足教室も従来の統計から見ますとだんだんふえておる状況でございます。それで、そのような学校をともかく整備するという事業量の拡大に従来非常に追われておったのでございますが、おかげさまで本年度はそういう過密地域につきましても、現在の児童・生徒数に対応する不足のほかに、翌年度の学級増加による不足教室等を見込みます補助もある程度加味することができました。来年度は、実際には統計をとってみませんとわかりませんが、その不足教室も若干減少してくるんではなかろうかというように推測しておる状況でございます。なお従来制度的には三百戸以上の住宅が建設される場合には、一年半の前向きの見込みました児童・生徒数で校舎の補助ができるという制度がございましたが、実際には当面の、現在の児童・生徒数に伴う不足教室の整備に追われておったのが現状でございます。しかし、先ほど申し上げましたように、本年度はある程度そういう要素も加味することができましたが、来年度予算要求におきましては、三百戸以上あるいはそれを下回るものにつきましても、三年ぐらいを見込んで校舎整備ができるように概算要求を行なっております。
  102. 河田賢治

    ○河田賢治君 教育施設中心で、たとえば渡り廊下だとか理科実験の準備室とか給食施設等が補助対象から除外されているんですか。
  103. 松浦泰次郎

    説明員松浦泰次郎君) 理科の準備室等も一応補助基準の積算には入っております。ただ学校給食室が基準ができました後に非常に普及してまいりまして、現在では、一〇〇%じゃございませんが、ほとんどの学校がやっておるような状況でございますが、なお基準に入っておりません。そのような事情でございますので、実際の補助の場合には、学校給食室の面積につきましては基準計算上別ワクにいたしまして、そのようなかっこうで支障のないよう運用してまいっております。
  104. 河田賢治

    ○河田賢治君 こういう学校の施設は、われわれの時代の次をになう少年なんですからね、どれだけ子供たちがそういう、設備はプレハブなんかで寒いし、夏は暑いし、なかなか授業なんて……、そういうところですが、こういう悪条件のもとでは勉強も身につかぬと思うんですよ。こういうものは文部省やはり責任持って整備すべきだし、またある程度最近の建築はだんだん不燃化物を使うとか、いろいろな建築技術が発展しておるんですから、常識的にいっても、いまだんだんとそういう経済成長率も上がり、また国民生活一般も上がっているんですから、それなら学校の施設でも、やはり時代に即応した建築の様式あるいは基準をとらせるべきだと思うんですよ。  ところがこういうふうな、これは文部省だけじゃございません。建設や農林あるいは厚生省、いろんな各省が全部私は責任を負わなければならぬ。そういうことをあなた方が、こういう建築基準を設定して、そうしてこの基準を実際にやっているかどうか、自分たちの建築基準——一応の予算を組みます、基準として。それで地方自治体が実際に学校を建ててやっているかどうかということは点検しなくちゃいけない。これは全部でなくても、少なくとも過密あるいは過疎地域とか、いろんな都市の代表的なものを、大体どのくらいできておるか、それを実際見てきて、これは少しデラックスだといって大蔵省あたり文句言うかもしれないが、実際にそれがどうなのか、そして超過負担がないようにしないと、私は国の政治を誤ると思うんですよ。国が補助する補助する、あるいは二分の一持つといっても、実際にその二分の一がきていないと、地方の住民、地方自治体諸君にとってもたいへん問題なんです。この点はまあ大蔵省あたり、きょう来ておりませんから、この次は大蔵省呼んで私は聞くつもりにしておりますけれども、やはりそういう点で文部省は文教教育に関する一ほかの社会教育の問題もありますが、こういう施設などについても十分この点はきちんとしたものを、何もそうぜいたくでなくてもいいんですけれども、時代に即応したものをちゃんと予算を組み、その予算がどう執行されて、その結果がどうであるかというようなことはやっぱり点検していただきたい。これは点検しなければ話にならぬのですよ。いつも下は超過負担だ超過負担だという、上は規定どおりやってるんだ、そういうトラブルばっかりが今日地方自治体と中央の政府間にも起こるわけです。  この点私は、特に沖繩あたり御承知のとおり、これからいろいろ文教問題特に重大なんですが、あそこあたりでもう何ですか、三教室が中にベニヤ板、これを一枚置いてそれで教育やってるわけですね。もう隣の部屋のことが筒抜けになって、まじめな教育ができないわけですね。そういう事態もたくさんあるんです。だから、特に教育を担当される文部省は、大蔵省が何と言うかしりませんけれども、この点はしっかりやってもらう、そして点検してもらうということを私は要望しておきたいと思います。文部省のほうはこれでいいです。  今度は自治省です。いま文部省の方が、実際の基準で建てたものがどうだということは見てないからわからぬとおっしゃいましたが、実際私たちの聞いた範囲では、そういう基準で建てたものがたいしたぼろ校舎になってしまう、間もなく。そういう事態があるわけですね。だから、どこの学校にしましても基準どおりでやってないことは事実なんです。そうすると地方自治体がみんなこれ超過負担、超過負担でひっかぶるわけでしょう。そうするとこれはばく大なものになるわけですね。  そこで私はちょっとお尋ねしたいんですが、つまりこういう超過負担に対して「地方財政運営の基本」——地方財政法ですね、第二条の第二項は「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」と、この条項があるんですね。それからまた今度は支出の場面ですね、「国の支出金の算定の基礎」というところには、第十八条ですね、「国の負担金、補助金等の地方公共団体に対する支出金(以下国の支出金という。)の額は、地方公共団体が当該国の支出金に係る事務を行うために必要で且つ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。」、だから地方財政法ではこういう超過負担ということはあってはならぬはずなんですね。ところがずらっと、まあ自治省はだんだんなくしたと言っておりますけれども、事実どんどんまたふえてきておる。ことしなんかはまたふえるんじゃないかと思いますが、こういう問題と、それから中央に対して地方自治体が、私たちが調査に行きましてもすぐ超過負担これだけあるというような、こういう資料を出すわけですね。また自治省自身も超過負担の例を欠いておらぬ。国が約束しておるんですから、補助金は二分の一と。地財法にのっとって十分な、つまり必要な、あるいはあれを出していくということは約束なんですから、その約束が果たされぬような実際ならば、これはもう何とか改めなきゃいかぬですね、もう補助金は出さぬなら出さぬとか。そうすれば筋道が通るんですよ。そうでなければ、国は出す出すといって、ある程度出しますよ。しかし、出したけれども、それは現実とそぐわない。そうすると国がうそをついてることになるんですね。これは地方自治体が絶えず皆さんのところに陳情に来るでしょう。また議員のところに参ります。こういう関係を  各省関係みんなありますけれども、こういう状態が私は国の内部関係としてあることは決して正しいことじゃないと思う。まあこれは地方制度の調査会では、今後の財政の収入やなんかについては、一応これからまた諮問受けたところで相談があると思いますけれども、しかし、国の内部で、そういう政府がうそをついたようなやり方で補助金を出しておると、下は下でちっともくれぬからといって、これはけしからぬ、けしからぬといいながら問題が起こっているわけですね。ですから法律的に見ましても、また現実におきましても、こういう超過負担というものはあるべきでないと私たちは思うわけなんですが、こういう点について、きょうは大臣おられませんから、ひとつ次官のほうからその問題についての政府の見解を述べていただきたいと思うんです。
  105. 小山省二

    政府委員(小山省二君) 御指摘のとおり、国庫負担事業の超過負担というものが大きく地方財政を圧迫しておることは、いま先生の御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、本来市町村が行なうべき事業が、こうした超過負担などというようなことで、かなりこのために犠牲になるというようなことは、われわれとしては断じて排除しなければなりませんので、先ほど御答弁申し上げましたように、四十二年以来計画的に実態を調べまして解消の措置を講じておるわけでございますが、いまだ十分でないようでございますので、明年度は、特にこの超過負担については自治省としても留意いたしまして、できるだけ早期にこれが解消をはかれるよう、私どもとしては万全の措置をいたしたい考えでございます。
  106. 河田賢治

    ○河田賢治君 まあこの次にまた機会があると思いますので、大蔵省あたりも呼んで私は聞きたいと思うのですが、とにかくこのような超過負担というようなことは、本来ならあってならぬはずだと思うのですね。ですから、まずそういう地方行政における、これはもう自治省だけの問題でありません、大蔵省との関係ありますから。しかし、大蔵省が幾ら何と言いましても自治省がやはりこれは全部かぶるわけですから、地方自治体として。そうして地方自治体のいろいろな仕事をここはバックアップもし、また援助もし、指導もしているわけですから。そうしますと、自治省が大蔵省に対しても、また各省がそれぞれの要求できちっとですね、この財政基準についての絶えず是正をやっていくと、そうして超過負担のないようなそういう施策をまず講じて、それからまあ予算をさらに必要なものは獲得していくという私は順序でなくちゃならぬと思うわけです。こういう点で、この問題は全部済みませんけれども、やがて大蔵省関係私は追及したいと思いますから、特に超過負担という問題は、早急に自治省もひとつ勇気をふるってこれの解消につとめるように努力していただきたいと思います。  以上で終わります。
  107. 玉置猛夫

    委員長玉置猛夫君) 本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十三分散会      —————・—————