○戸田菊雄君 これは直接
ドル・
ショックに伴ってそういうところは全般的に判断をして今回の
措置を立てられた、こういうふうに思うのであります。ですから一つは緊急
対策要綱ですね、
政府が出している。そういうものと各般の施策、それ以外のものもあるわけですから、質問の方法としては全般的ということになると、これは総体的にやっていくのが至当だと思うのですね。あなたがいま私が
指摘したように佐藤
委員の質問に対して、これを読みますと、全般的に対応
措置をとりたいということに私は理解するのですが、これは詳細読んでみますと、こういうことでしょう。「私
ども、特に影響がありますのは
輸出産業であることは事実でございますが、その前に御承知のように、今年当初から一般的な
産業界の不況がございまして、その不況がやっと回復のきざしが見えたところに
ドル・
ショックが起こってまいりましたために、いわゆるなべ底といいますか、不況の回復がいつになるかわからない、全般的に
中小企業業界全体が非常に苦境におちいったという事情がございます。特に、私
どもが今回の
措置といたしまして特別に
考えましたのは、
輸出関連産業に対する
金融、
税制等を
考えたのでございますけれ
ども、
中小企業全般につきましては、
輸出関連を含めまして
輸出が停滞いたしますと国内向けにもそれが波及するというようなことを各
産地からいってまいっております。」ここなんですね。「そういうようなことから全般的に年末
金融対策であるとか
税制対策であるとかいうことを来年度施策を含めてお願いしているわけでございますが、」こうなっておる。ですから私の理解では、全体的なそういう波及影響も含めた
中小企業総合施策、こういうことにお
伺いしているわけですが、そういう意味で私は以下質問を進めてまいりたいというふうに
考えるわけです。
私はきょうの質問は時間ありませんから、当初の予定を変更して、主として緊急
中小企業対策について、いわゆる
政府の九月二十三日の
閣議決定内容、これにしぼって質問してまいりたい。その前に事務的な問題でちょっと……。これは答弁ができないものはあとで資料として提出をしていただきたいと思います。
八月十五日以降、
ニクソン声明以降、
中小企業で契約のキャンセルをしたものがどれくらいあるのか、件数と、その総額をひとつ示してもらいたい。
それからもう一つは、新規契約の停止、この状況は一体どうなっているか、ですね。これは八月十五日以降です。その
内容について、ひとつお示しを願いたい。これは、具体的には前年同期比で私はけっこうだと思う。でき得れば今後の
見通しを含めて、ひとつ教えてもらいたい。
それからもう一つは、
輸出手形の買い取り制限のために、非常に金繰りに困っている業者が非常にふえている。そういう状況は一体どうなっているか。これも件数で出せるものなら、ひとつ出してもらいたい。
それからもう一つは、さしあたってクリスマス用品あるいは毛織物、合成品、人造真珠、こういった季節流行ものですね、こういうものの滞貨は非常にひどいといま言われているのですね。この滞貨状況は一体どうなっているのか。この辺を
数字的にひとつ教えてもらいたい。
もう一つは、下請
企業の困難は著しいものがあるわけですけれ
ども、仕事は相当カットされてなくなっている。働きたくても働けない、こういうことです。あるいは加工賃がたいへんなダウン、非常に削られて、たたかれている。そういったことから、二重三重の苦しみを受けているわけですけれ
ども、こういった下請
中小企業の現在法人数ないし
企業数、それからいま現に作業停止をしているという、こういう
内容がわかるなら、具体的にひとつ事務的な面で資料として説明をしていただきたいと思うんです。
それで、まず、緊急
対策についての第一点は、
金融の問題です。今回のこの緊急
対策の骨格は、三つだと私は思うんです。その一つは
金融上の
特別措置、もう一つは
税制上の優遇
措置、それから
転換対策、こういうことだと思うんです。そこで、この
金融の問題点について、一つは、滞貨
融資を受ける場合、担保となる商品を持っていない
企業は特別
融資を受けられない。ざっと見てそういうことになっています。ですから、結局、半製品、仕掛け品、部分品、仕込み材料、こういうものを持ってもある工程を分担しているだけの下請
企業に対しては、そういうものは
融資を受ける場合の担保用商品にはなり得ないですね。こういう欠陥が一つあると思う。
それから第二は、新たな担保を設定し得ない場合、
企業は特別
融資を受けられない、こういう状況だと思うんです。だから、利益率が低くて自己
資本に乏しい
中小企業では担保に提供できる物件はないんですね。もし、かりに担保物件があったとしても、もうすでに二重三重に金を借りて、入れて、やっているわけです。ですから、そういうことになれば、衆議院でのあなた方の回答である五十八万何がしかの総数の法人
企業の大部分は、これからはずれていくということになりはしないか。以上のような無担保、無
保証に
融資制度はあるが、この
限度は非常に低いでしょう。現行の八十万円から百六十万円に、今回しましたけれ
ども。だから、そういう意味合いにおいて、別
ワクの
融資を私は
考えてもいいのではないかという気がする。
それから
融資でつなぐ場合、当然金利負担を生じますね。そうすると、その金利負担に応じ得ないという会社が一ぱいある。だから金は借りたい、しかし金利負担に応じられないから結局は手が出ないことになっちゃう。こういうものに対する
企業の補償
措置というものは今回の緊急
対策ではないのですね。
それからもう一つは、いま
政府は景気浮揚
政策のために、
金融機関全体に対して低利あるいは条件を緩和して相当数
金融対策措置をとりましたよと、こう言っておる。言っておるけれ
ども、いまの
金融上から見れば、中小三庫、いわゆる国の関係する
金融機関の中で、
中小企業に融通する割合というものは、私の理解では一〇・三%くらい。それが間違っていればひとつ
指摘していただきたい。そうなると、あとの九〇%近くのものは、皆民間
金融から
融資されておる。ところが民間
金融に対しての
融資対策に対しては何ら触れてない。そうだとすれば、全くこれは片手落ちじゃないかという
考えを持つのです。そういうもろもろの五点ほどのあなた方が今回出された
金融対策措置について相当の抜け穴がある。だからこういうものに対してどう一体今後補償体制というものをつくっていくか、ここを私は聞きたいと思う。具体的にひとつ項目ごとに説明していただきたい。