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吉田忠三郎君 私が聞こうとしたことを、関連で成瀬さんが聞いたんですが、どうも
答弁が依然として釈然としません。しかも、私
ども大蔵省の方たちが、このことによって金もうけしたとかなんとかちっとも
考えておらぬわけです。この
新聞を見ると、解説でも、非常に資料そのものについても疑惑があるというんですよ、
新聞は
国民の世論喚起の機関でしょう。ですからその疑惑を解かなければならぬのですね。どうも私自身もまだ疑惑が解けない。なぜかというと、あなたの
答弁がそうなんです。
さっきもちょっと触れたが、十一月の九日の、今度は朝日ですが、これを見ますと、大手四社の決算状況が出ています。やはりでっかく「〃売逃げ〃たのに」、こういう見出しで、これは
ドルの売り逃げのことを書いてある。これと、あなた方からいままで出てきた前受け金の資料ですね、これを見ると、期せずしてぴったり一致するんですね。だからこそ、この十月の三十一日の
新聞でですね、大蔵省がさんざん国会への資料提出を渋ってきたことを
考え合わせると、大蔵省と大企業との癒着が具体的にここに端的にあらわれてきたと、こう見られてもしようがないじゃないかと、こう書いているんです。私もそう思うんです、この
関係だけ追っていくと。いまのこの成瀬さんへの答えに対しても、まだはっきりしません。
それから、金融
局長、ぼくはここにちょっといま週刊誌を持ってきましたが、週刊東洋
経済というのがございます。十一月の十三日号、この中の七一ページ、これは全部読みますと時間がございませんから、
委員長に迷惑かけますから読みませんが、やはりこのくだりがありますよ。で、大蔵省はいろいろ資料を出し渋ってきたけれ
ども、最初はちょっと先ほどの時間にぼくが触れましたが、九月二日に
戸田委員がこの問題について指摘しております。そうして今度は十月の五日に参議院の決算
委員会で社会党の和田君がこの問題を指摘して、例のA、B、Cのアルファベット符号で出てきた。それから十月の十二日に、これも社会党の
松井議員、それから共産党の渡辺議員もこの席上で触れているんです、触れているんですよ。その時に、ややいいかげんなものであるけれ
ども、やや全貌がわかるような
程度のものが出てきた。最後に、この間の衆議院の
予算委員会でこの問題を指摘されて、私は先ほどから一片の紙切れだとこう言ったんでありますが、いま私が指摘しているような
新聞等でも「大ざっぱな資料、疑惑は消えず」、こう書かれるようなものより出ていない。
この東洋
経済というのを見ますと、ある為銀の首脳は、何で大蔵省は公表したのかあれだけの資料では片手落ちだ、中途半ぱで、かえって疑惑を深めるもんだと、たいへんな不満をぶちまけている、ここで。だからやっぱり、つまりそういう
関係者が不満だというなら、不満なようなものを明らかにあなた方承知しているなら出すべきです。一面、私
ども国民の側は疑惑を持っているのだから、この疑惑を解消するために、あなた方は出さなくちゃならぬわけでしょう。それを関連質問で成瀬さんは聞いているわけだから、ぼくは聞こうと思ったが、関連で出ましたからダブったこと聞きませんが、これを出してくださいよ。
それから君も見たと思うよ、この雑誌を。この一五ページ、これは一体何ですか、この一五ページ。これは非常に問題ですよ。この一五ページに書かれておりまして、「
ドル売り追及でなめられたか国
会議員」、こうなっている。ここで、「当初、大蔵省は資料
要求に対してA・B・Cと実名を伏せた資料を提出し、お茶を濁そうとした。
大蔵委員会だけならば、“大蔵省シンパ”も多いのでなんとか切り抜けられそうな気配だったが、衆院
予算委できびしく催促され、ハタと困った。事務当局はA・B・Cであくまで通そうとしたが」、ここに写真が入っています。こぶだけが非常に
印象的に出ておりますが、似顔が。「国連、中国で大ゆれの
予算委審議を“円問題”でさらに紛糾させたくないという政治的決断から「実名を出してもいいじゃないか」といい出した。」
この
あとが問題だ、この
あとが。驚いたのは大蔵省内、金融局
——金融
局長はあなたでしょう。あんたも驚いたんだ、これ。驚いたのはしようがない。「
国際金融局は「実名を明らかにしてしまうと、これからの為替行政が行ないにくくなる」といい、銀行局な
ども「これが前例」
——そこに銀行
局長もいますがね、「「これが前例になって、実名による資料をつぎからつぎへと
要求されたら困る」と強く難色を示した。だが、
大臣の意向がOKとあってはやむなし。」そこであなた方大蔵官僚は何を
考えたかということがこの末尾のほうに記されているんでありますが、ここにちゃんと輸出の前受け金、こういうものがちゃんと出てきます、出てきますね。同時に一番私はここで問題にしなければならぬのは、私個人じゃありませんよ、ここに書いているのは、これはほんの、そのくだりだけ読みますが、「大蔵省の作戦がアリアリと読みとれる手口。大蔵官僚の中には「なーに、これだけの資料でつっこんだ質問ができるほどの勉強家は国
会議員の中にいるかなア」とナメた発言をする向きもあったが、このへんで実名を」あの
段階で公表しても何ら影響ないという陰の真意があった。
これはいまあれですよ、東洋
経済というのの一五ページの全部じゃないですよ、いま読んだのは。その
関係のくだりを読んだ、どうですか、これは。こういうあなた方に
考え方が出たから、いまの成瀬さんの質問に対しても、どうものらりくらりしている。資料を出す姿勢になっていないんじゃないですかこれがやはり
新聞紙上にトップ記事を出される、疑惑が解けないと言われている原因じゃありませんかどうですか。あまり国会をなめちゃいけませんよ、国会をなめちゃいけませんよ。ですから、いままで各商社の実名をあげたけれ
ども、その
あとに先ほど来私たちが
要求した資料が出てこなければわかるはずがない。ないから実名を明らかにしても、これ以上質問を続行してこれを明らかにできるような国
会議員がいないじゃないかと、こういうことを言って、きわめて不謹慎な、国
会議員を小ばかにしたようなことをあなた方やっているじゃないか。どうだ、これは。政務次官どうです。これは
大臣がおれば私は
大臣にこれを聞くんですがね。まずこの点は政務次官
答弁。それからその他の資料については金融
局長、君が答えなさい。