○宮崎正義君 そこで私は、
北海道の酪農地帯の標茶町のことについて申し上げて御参考にしていただきたい。そして、いかに
農家の方々が
——北海道は酪農地帯にしていくんだという将来計画の中から、今日その業務に携わっておる方々の一部の
実態を申し上げまして、そして、私のいま言いました二分以内にしろとか、あるいは
開拓者の五分五厘というのを三分五厘にするように
考えていかなきゃならないというようなことは、これから申し上げる事情をお聞きくださればうなづけられるんじゃないかと思うわけです。このことにつきまして、時間があれば
政府のほうから標茶町の
実態等を、
北海道の酪農の総体の中からまた
部分的にも
説明を伺いながら、それに対する私は質問を続けていく予定でございましたけれども、先ほど来から時間がきているということでございますので、私のほうから早口で
実態を申し上げて、ほんとうの
農家の
実態というものを知っていただいてどうしなけりゃならないか、どうしてやらなきやならないかということを私は最後に聞いておきたいと思います。
開拓者負債整理に対して町長が訴えられているわけでありますが、「本町における
開拓者負債整理対策については、要綱に定める諸手続を完了いたしておりますが、下記組合において必要として認定を受けた特例
自作農維持
資金については、
資金ワク等の
関係から、まだ借り入れ手続ができず、年末を控え、計画に少なからず影響をきたしております。何とぞこれが解決に特段の御配慮を賜わりますよう御願い申し上げます。」という手紙が来ておりますが、標茶町の
農業協同組合百八十戸のうち七十三件で五億六千九百四十万円。それから標茶町開拓
農業協同組合六十五件で一億五千万円。それから弥栄開拓
農業協同組合五十八戸のうちの二十九件、一億八千七十万円、茶安別開拓
農業協同組合五十八戸のうち二十七件、一億八百万円、合計で約二億三千六百四十万円、これが各プロパーにおけるその借金の
実態でございます。そうして、さらに
負債総額が全
農家千十戸でございますが、二十三億八千九百九十三万二千円、
負債総額というのがございます。いま申し上げたのは開拓農民でございます。ですから、一般のほうではございません。開拓に携わっている
農家の人は、じゃどれだけあるかと申しますと、五百六十七戸でございます。そうしてプロパー系の借金をかかえている
金額が五億四百八十一万四千円になっております。これを五百六十七戸で割りますと、一戸あたりの、プロパーに
関係するものだけで、三百三十二万四千円ということになっているわけでございます。これは平均でございますから、一千万以上の借財の人もおります。これは酪農でございますから、
金額も張ってはまいりますけれども、そのほかに申し上げるならば、
政府の
資金を借りている
融資資金の残が、四億八千九百二万一千円、公庫
資金等のものを入れますと、十一億五千三百十九万六千円、その他の
制度資金、これは組合員で担保に入れて借りているやつですが、これなんかでも二億四千二百九十万一千円、そうして、先ほど申し上げました
個人の借金も入れますと、プロパーのものが五億四百八十一万四千円でございます。こういう
実態の中で、今回の
冷害を受けまして、まことにその
被害総額にしましても、二億七千三百六十四万五千円ということになります。この町の一年間の一般会計の財政
構成というのは、まことにお粗末なもので、町税が約一億五千万、交付金が五億三千万円というところで、
被害額から
考えていきますと、まことにこれから先
一体どうしたらいいだろうか、八百頭の牛を売らなかったならば、町はもっていけない、町民ももっていけない、こういうふうな
実態でございます。こういうふうな面からいきまして、もっと私は時間があれば、もっと詳しく
実情を
——飼料、
作物の
状況、これから来年に対する再生産の資材、それらに対して手が出ない、お金がないから。手を差し伸べて買うこともできない。その手を差し伸べるのは
政府じゃなかろうか、こういうふうな、その組合から借りている
金額を今度は低利な自創
資金の金利でもいいから切りかえてもらえないだろうか、いま一割二分の利子を農協に納めている、こういう
実情だ、少なくともその特別の自創
資金、維持
資金の
ワクに切りかえてもらえば、少しでもこの生活が保たれるんだが、何とか救済の方法はないだろうか、こういうふうな農民の声を聞かれたならば、私が申し上げましたように、この第二条四項三の年三分以内とか、それを二分以内に
考えてあげるとか、あるいは
開拓者の五分五厘を三分五厘にしてあげるとか、せっかく六分五厘を五分五厘にしたという
考えのもとの上に立てば、私は当然うなずけるじゃないかというふうに思うわけですから、
一つの
実態を申し上げてお
考えを伺って私の質問を終わりたいと思います。