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1971-11-16 第67回国会 参議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十一月十六日(火曜日)   午後三時八分開会     —————————————   委員異動  十一月九日     辞任        補欠選任      八木 一郎君     河口 陽一君     —————————————   出席者は左のとおり。    委員長          小柳  勇君    理 事                 小林 国司君                 世耕 政隆君                 松永 忠二君                 上林繁次郎君    委 員                 伊藤 五郎君                 河口 陽一君                 久保田藤磨君                 園田 清充君                 安田 隆明君                 若林 正武君                 渡辺一太郎君                 松本 英一君                 宮崎 正義君                 高山 恒雄君                 塚田 大願君    政府委員        総理府総務副長        官        砂田 重民君        農林政務次官   佐藤  隆君        農林大臣官房参        事官      大河原太一郎君        農林省農林経済        局長       小暮 光美君        農林省農政局長  内村 良英君        通商産業政務次        官        林田悠紀夫君        中小企業庁次長  進   淳君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        農林省農林経済        局金融課長    渡邊 文雄君        建設省河川局砂        防課長      谷   勲君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○天災による被害農林漁業者等に対する資金の融  通に関する暫定措置法及び激甚災害に対処する  ための特別の財政援助等に関する法律の一部を  改正する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十一月九日、八木一郎君が委員を辞任され、その補欠として河口陽一君が選任されました。     —————————————
  3. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法及び激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐藤農林政務次官
  4. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) 天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法及び激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。天災融資法は、昭和三十年に制定されて以来、農林漁業経営動向に即応し、天災による被害農林漁業者等経営の安定に資するよう数次にわたる改正を行ない、天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に大きな役割りを果たしてきたのであります。  しかしながら、最近における農林漁業経営推移に伴い、必ずしも経営実態に即しているとは言いがたい面も生じてきております。特に、北海道においては、今次の冷害により主要な農作物に大きな被害が発生し、これら被害農家に対する経営資金の円滑な融通が要請されております。  一方、激甚災害を受けた中小企業者に対する資金融通措置としては、昭和三十七年に制定された激甚災害法等により、その円滑化がはかられてまいりましたが、最近における中小企業経営動向及び経済規模拡大等から見て、中小企業者に対する貸し付け限度額引き上げが必要となっております。  以上の観点から、最近における被害農林漁業者及び被害中小企業者等資金需要の増大に対処するよう、今回これらの者に貸し付け資金にかかる貸し付け限度額引き上げるとともに、被害農林漁業者の負担の軽減をはかるため、これに貸し付け資金にかかる貸し付け利率適用区分の改善を内容とする法律案を提出することとした次第であります。  次に、法律案の主要な内容について御説明いたします。  まず、農林漁業関係でありますが、その第一点は、都府県二十万円、北海道三十五万円と定められている経営資金貸し付け限度額をそれぞれ都府県四十万円、北海道七十万円に引き上げることであります。  第二点は、政令で定める資金について、五十万円と定められている貸し付け限度額を百万円に引き上げることであります。  第三点は、政令で定める法人について、二百五十万円と定められている貸し付け限度額を五百万円に引き上げることであります。  第四点は、被害農林漁業者天災による損失額農業、林業または漁業による総収入額の百分の三十以上であるもののうち特別被害地域内の特別被害農林漁業者以外のものに対する経営資金貸し付け利率を年六分五厘から年五分五厘に改めることであります。  第五点は、以上の改正にあわせて激甚災害法における天災融資法特例措置に関する規定を改め、激甚災害の場合の経営資金貸し付け限度額について、都府県二十五万円、北海道四十万円をそれぞれ五十万円、八十万円に、政令で定める資金六十万円を百二十万円に、政令で定める法人貸し付けられる経営資金二百五十万円を五百万円にそれぞれ引き上げることであります。  次に、中小企業関係激甚災害法改正でありますが、その第一点は、激甚災害を受けた中小企業者について百万円と定められている貸し付け限度額を二百万円に引き上げることであります。  第二点は、協業組合及び中小企業等協同組合その他の団体について三百万円と定められている貸し付け限度額を六百万円に引き上げることであります。  なお、経過措置といたしまして、この法律の施行前に指定された天災及び災害につきましては、なお従前の例によることといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  5. 小柳勇

    委員長小柳勇君) これより質疑に入ります。  質疑のおありの方は順次御発言願います。
  6. 松永忠二

    松永忠二君 御質問いたします。  いまの提案理由説明の中に、「農林漁業経営推移に伴い、必ずしも経営実態に即しているとは言いがたい面も生じてきております。」とか、それからまた中小企業関係では八ページのほうに「最近における中小企業経営動向及び経済規模拡大等から見て」、こういうようなことが書いてありますが、これは具体的にどういうことを言っておられるのか。また、従来の貸し付け金を二倍にしたという一体根拠というのは、そういうことと関連してどういうふうに考えておられるのか。これを関係の方からお伺いします。
  7. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 現在の天災融資法のもとでの被害農業者当たり貸し付け金最高限度、これはただいま説明がありましたように、内地二十万円、北海道三十五万円ということに相なっておりますが、これは昭和三十八年度のいろいろな農家経済調査、あるいはその中に出ております農業経営費の大きさ、あるいは農業経営費の中の現金支出部分の姿といったようなものをある程度分析いたしまして、それらのものとのひとつのつながりを判断のおもな点として、当時内地二十万円、北海道三十五万円というふうに決定されたというふうに承知いたしております。その後、農家経済実態も逐次変わってまいっております。特に経営費金額等も変わってまいっておりまして、昭和四十五年の農家経済調査に基づきましてこれを見ますと、農業経営費におきましても、あるいはその現金支出部分で見ましても、おおむね三十八年当時の金額のほぼ二倍に相なっております。これらの点が、ただいま申し上げました必ずしも経営実情に沿っていないと申し上げる一つの重要な点でございます。
  8. 進淳

    政府委員進淳君) 中小企業者に対します貸し付け限度額引き上げにつきましても、この制度の始まりました昭和三十七年度から昨年までの実績をとって調べてみましたところ、おおむね大体二倍程度に全体として自然に増加してまいっておりますので、特利融資部分につきましても、実情に合わせるべく倍額に引き上げるということをお願いしたわけでございます。
  9. 松永忠二

    松永忠二君 そこで、その北海道東北冷害被害実情というのはどういうふうになっておるのか。特に北海道冷害被害というのは、北海道における農業のいわゆる総生産額に対してどういう程度のものなのか、あるいはその生産農家所得に対してどのくらいな被害というふうに考えるのか。北海道東北冷害被害実情とその農業の総生産額とかあるいは農家所得から考えてどの程度一体被害なのか、これをひとつ明確にしていただきたい。
  10. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) このたびの北海道冷害は、水稲について見れば、おそらく戦後最大と言われておるわけであります。全国の全作物被害面積が百四十七万六千ヘクタール、被害量は四百四十七万八千トン、被害見込み金額が千三百三十三億円、こういうことになっております。北海道の全作物被害面積は七十七万四千ヘクタール、被害量は三百八十四万八千トンで、被害見込み金額は七百六十三億であります。このうち水稲被害額は三十六万四千百トンで、五百十億円ということになります。  また、東北も相当な被害を受けておりますが、いまのは北海道だけのような御質問でありましたのですが、東北も申し上げますか。——東北の全作物被害面積三十六万五千二百ヘクタール、被害量は三十七万六千八百トンで、被害見込み額は三百六十一億円であります。このうち、水稲被害は二十万三百トンで、二百八十一億円であります。なお、作物別被害概況、これは官房参事官のほうから説明をさせます。
  11. 大河原太一郎

    政府委員大河原太一郎君) ただいま政務次官の御答弁に対して補足させていただきますと、被害見込み金額は、北海道におきましては、昭和四十五年度をとりますと、総産出額の三三%ということになっております。東北が六%という数字に相なっております。なお、作物別につきましては、事こまかにわたりますので、主要なものにつきまして申し上げますと、ただいまお話がございましたように、水陸稲被害量三十六万四千トンで五百十億円、そのほか大きなものとしては、北海道ではバレイショの十二万二千トン、雑穀類の六万一千トン、工芸農作物の九万トン、飼料作物が三百十四万六千トンというようなことに相なっております。それから東北につきましては、ただいま政務次官お話にもございましたように、水陸稲二十万五千トン、二百八十八億でございまして、そのほか飼料作物等について三万三千トンというような数字に相なっておりますが、東北被害水稲中心でございます。
  12. 松永忠二

    松永忠二君 いま三三%というのが農業収入に対する被害割合ですか。それで、その点はどうなんですか。
  13. 大河原太一郎

    政府委員大河原太一郎君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたのは北海道におきます農業生産額、この実は二千三百九億ということが四十五年度数字に相なっておりますが、被害額は、先ほどお話がございましたように、七百六十三億でございますので、これに対する割合が三三%ということに相なっております。
  14. 松永忠二

    松永忠二君 そこで、ここに資料が出ておるのですが、この中で北海道凶作、そしてその天災融資法発動した一体年度、これはここに資料が三十年から四十六年まで出ておりますが、北海道が、この出ている中で天災融資法発動されたのは一体どのくらいの割合になっているのか。この中で適用のなかったとき、その年度はわかるわけですが、まあ具体的に一つ一つ聞く必要もありませんので、たとえば、ここに出ている年度ですね——三十年、三十一年と、こう出ている四十六年までの間に、今回もこれに該当するわけですが、一体北海道天災融資法発動割合が何割になっているのか、どうですか。
  15. 渡邊文雄

    説明員渡邊文雄君) お答え申し上げます。  お手元に御配付申し上げてございます天災融資法発動状況の表で申し上げますと、三十一年の夏の低温、あるいは三十八年の低温、比較的大きかったのは三十九年の七月……。
  16. 松永忠二

    松永忠二君 ちょっと、一つ一つでないでいいから、三十年から四十六年まで何割、年度でいうと、何年、何年、何年と言ってもらいけれども、三十年には適用になって……。
  17. 渡邊文雄

    説明員渡邊文雄君) はい。
  18. 松永忠二

    松永忠二君 五割なのか七割なのか……。
  19. 渡邊文雄

    説明員渡邊文雄君) この中の相当部分北海道だろうと思います。
  20. 松永忠二

    松永忠二君 相当部分じゃわからない。それじゃ三十年から言ってごらんなさい。
  21. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) ただいまの数字、実はそろばんをはじいた数字を持っておりませんので、いますぐそれは出させますのでお許しを願います。
  22. 松永忠二

    松永忠二君 三十九年、四十年、四十一年、——四十六年と、全部北海道凶作天災融資法発動を受けているようですが、一体、全体の三十年から四十六年の間で何年、何年、何年が適用になれば半分以上——五〇%以上ということなのか、それを聞いているわけですから、ちょっと調べてみてください。  そこでもう一つ。そこに、天災融資の場合の経営資金の三%、それから普通の天災融資法発動した六・五%の場合、こういうふうに、なお五・五%今度これが新設になるわけでありますが、これは割合からいうと八〇%が年三分の利子というようなことになっているようですけれども、北海道の場合はどうなっているのか。北海道天災融資関係経営資金の中で三%の占めている比率というのはどのくらいになっているのか。これはどうですか。
  23. 渡邊文雄

    説明員渡邊文雄君) いまそろばんを入れますのでちょっとお待ち願います。
  24. 松永忠二

    松永忠二君 それでは、今度の北海道東北冷害というのは、激甚災害適用される場合の天災融資法適用に該当するという考えなんですが、これはそのとおりだと思うんですが、いかがですか。
  25. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 今回の北海道冷害は、激甚災の基準に適合すると思っております。
  26. 松永忠二

    松永忠二君 それはもうちょっと話を進めるには、いま北海道はほとんどこのあれの大部分を占めているわけですか。——わかりましたか。簡単なことで、別にこまかくどれがどれに当たっているというんじゃないのだから。
  27. 渡邊文雄

    説明員渡邊文雄君) 先ほどの天災融資法発動回数の中では、九割ぐらいが北海道に該当します、冷害について申し上げますと。
  28. 松永忠二

    松永忠二君 それからもう一つは、三%、つまり激甚災害天災融資の対象になったのは、三%になったのはどのくらいの割合を占めておりますか。
  29. 渡邊文雄

    説明員渡邊文雄君) お手元資料にございますように、全体で申しますと八一%が三分資金でございます。北海道の場合には冷害のときだけが該当になるわけでございます。冷害の場合の現象というのは薄く広い被害の場合が多うございますので、三分資金と申しますのは大体六割、それから六分五厘資金が、年によっても違いますが、大体三割ないし四割というような感じでございます。
  30. 松永忠二

    松永忠二君 その数字には間違いないんですか。それはおよその推定なんですか。それともきちんとした数字でそういうことを言っているんですか。
  31. 渡邊文雄

    説明員渡邊文雄君) いまこまかい積み上げは計算をさしておるわけでございますが、私の大体の感じで申し上げましてたぶん間違いないと思います。後ほどこまかい数字計算をいたしましてから再度御報告いたします。
  32. 松永忠二

    松永忠二君 この点については、農業共済金支払い状況北海道はどんな状況になっているかということとかね合わせて少し聞きたい問題なんですけれども、私たちのいまちょっとした話でも、ほとんど冷害の九割は北海道が占めているし、それから北海道における経営資金には年三分というのが非常に多い。そういうようなことも出ているわけです。また、農業共済金支払い状況というのは、被害に対する共済金の率が非常に高くなっているというように私ども承知しておるんです。こういうふうなことを考え合わせてみたときに、一体北海道のこういう冷害対策というものは、こういうふうに天災融資法経営資金ワク拡大するということで足りるのかどうなのか。もっと根本的にその問題を解決する方向というのがあるのではないか。この程度ワク拡大するというよりは、むしろ、そういうふうな北海道自身冷害というものは、どういうふうな一体結果が出て、しかも、共済金についても、水稲共済金は非常にたくさん出ていることは事実なんで、こういうふうなことを考えあわせてみると、一体どういう方向に持っていかなければできないものなのか。こういうことに関連して、北海道農業あり方というものは、一体どういうふうに考えているのか。この点を、ひとつちょっと考えを聞かしていただきたい。
  33. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) おっしゃるように、共済の手当ても相当するわけでありますし、それからこの天災融資法それ自体を改善しながらそれで足り得るか——おっしゃるとおりであります。  そこで、最近の北海道農業生産構成変化を見ますと、冷害に強くて寒地農業中心となるような飼料作物、それが四十五年においては作付面積の全体の四〇%、これは三十五年にはわずかに一八%でありました。これが四十五年には四〇%となっております。それから粗生産額構成においても畜産が全体の三〇%、これも三十五年にはわずかに一九%でありました。こういうことになっておりますが、畑作物についても、野菜のウエートが非常に上向いてまいりました。特にタマネギとかニンジンとか、そうして豆類、これの比重はむしろ低くなっている。こうしたことで、全体として畜産比重を高めながら北海道農業は発展してきているわけでありますが、米については作付面積構成、粗生産額構成とも、この十年間、大きな変化は実は見せていない、こういう趨勢にあるわけであります。  まあ、そうした中で、いまおっしゃるように、北海道農業生産構造自体一体どう考えているのかと——まあ昨年の十二月の農林省が示しました三地域十四ブロックからなるガイドポスト、あの中での北海道農業あり方というか、あれも一応ガイドポストとして、案として示したのでありまするけれども、しかし、あれは、ただ上からかぶせた網であるということで、むしろ各地域ごと実情、そこから割り出された地域分担、そういうものがむしろはっきりしてくることによって、農林省がさきに示した三地域十四ブロックからなるものの実現の可能性、そういうものも考えられるのではないか。こういうことで、実は、たとえば北海道におきましても、道自身が道の農業会議にその地域分担を実は諮問を先刻いたしまして、早ければ年内に、中間的な答申の出ることを期待をしております。おそくとも明年三月くらいには農業団体の意向を取りまとめた北海道自体地域分担、そういうものが答申をされることになっております。そういう各地域ごと地域分担をひとつ集めてみて、そうして三地域十四ブロックというガイドポストとどう重なるか、どの程度の無理があるか。また、たとえば北海道で詰めるときに、いろいろな付帯条件も出てくるかもしれません。価格政策をどうせよとか、ああせよとかいう要求も出てこようかと思いますが、そういうことも含めてひとつ検討していかなければ、ほんとうの北海道の、地域農業としての北海道農業はあり得ない、考えられない、こういうことで、いまそれを詰めている最中であります。
  34. 松永忠二

    松永忠二君 先ほど御説明があった所得の約三三%、調査室等で出してもらうと、生産農業所得の四割の被害があるわけですね。非常な被害額です。しかも、それも歴年ほとんど被害を受けている実情の中では、この程度の、ただ天災融資法経営資金ワクを広げてみても、根本的な解決にはならない。事実地元の人たちもそういうことを要望しているのですよ、積極的に。つまり北海道寒地農業開発法というようなものの立法化を促進してほしいというようなことを言っているし、それからまた今度の要望事項の中にも、現実営農が継続困難となる農家に対して措置をしてほしいという要望があるわけです。こういうようなところにしっかり力点を置いて十分な対策が持たるべきだと思うのですが、あとのほうの話はわかりました。しかし、たとえば営農継続困難となる農家に対する処置については、開拓者の離農とか負債整理の例に準じて制度化を進めてくれ。負債整理就職あっせん転職資金貸し付けという積極的な対策を講ぜられたいという要望が寄せられている。これはまことに何というのですか、そのものずばりの点を一面持っているわけです。片方の恒久的対策と一緒にこのことについては、今度の場合一体何を政府はやるのですか、具体的に。
  35. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 今回の冷害に対しましては、御承知のように、まず第一には暦年内共済金支払いがいくようにいたしますことと、それからまた暦年内天災融資個人別融資ワク個人にわかるようなところまで、現金がいくのは先としても、少くとも幾ら借りられるかというところまで、まずそこを先にやらなければいかぬと思っておりますが、そのほかに、過去におきましても、何年かに一度ずつ北海道におきましては、制度資金、その他の借入金が積み重なりまして、営農を継続するために、これを何らかの方法で対策を講じなければならないという形になりましたときに、負債状況を詳細に調べて、たとえばもっと償還期限の長い自作農資金と一部を振りかえるというような措置を過去において講じた例がございます。ただ、これらの点は、その必要がどのような形であるかというようなことについてかなり詳細の一戸一戸の調査をいたしませんと、抽象的にはきめがたい問題でございます。当面年内には、いま申しましたように、共済金天災融資の仕事を最大限の早さでこれを処理いたしまして、さらに、これは来年の営農資金ということでやるわけでございます。  あと負債の問題につきましては、四十六年に返済しなければならない期限のきている一年分があるわけでございます。これらの点については、それぞれの被災農家実情に応じて、農林漁業金融公庫による若干の支払い条件改定、あるいは近代化資金の場合の改定、こういうようなものを行なうように指導いたす手はずを整えております。先生御指摘の基本的な負債の累積の問題は、さらに、詳細に事態を把握して判断いたしたい、かように考えております。
  36. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  37. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 速記をつけて。
  38. 松永忠二

    松永忠二君 いま負債の問題について実態を調べて長期の返済資金に転換をしていくとか、あるいは自作農維持資金等に移していくとかいうような処置をするということは、これは口で言うだけでなくて実際にやってもらいたいと思う。それと同時に、天災融資法自身で借りていてまだ負債債務が残っているそのものを、今度は天災融資法で借りかえをして、今度は金額が少し大きくなったから少したくさん借りられるわけだけれども、旧来の債務を差し引いて、そうして、それを貸せるということは全部やっているわけです、そういうやり方を。だからワク拡大をされてみても、その中から古い天災融資法で借りた債務を差し引いて、そうして金を貸す、そういう措置現実に行なわれているわけですね。大体従来は五万円というような金額についてそれを差し引いて貸すという措置をされている。そういうようなことについては実際にはこの五万円という金額を、限度を、古い債務に五万円は含めて貸すという措置をやっている。で、天災融資法がこういうふうに歴年発動されているから当然農家の中には古い天災融資債務があるわけだが、それについては、新しい今度の適用天災融資法との関係をどういうふうにするんですか。何か盛んに首を振っているが、そういうことはないんですか。そんならそこはどうするのか。そういうことは全然考えないで、古い天災融資債務のほうはこれは償還の期限を延ばしていくとか、そういう措置を具体的にやっていくのか。そして完全にワク拡大されたものについてはそのワクを確保していくのか。これは単に北海道だけに限ったことじゃないけれども、北海道は特にいま言ったような状況からそういうことがあるので、その辺を明確にしてください。
  39. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 天災融資と自創資金融資の性格が違いまして、天災資金の場合には、次年度営農資金を円滑にすることによって次年度の作を間違いなくやってもらおうというのが主たるねらい、いわゆる経営資金でございますから、したがって、累積してもうこれ以上貸しませんというものの考え方じゃなくて、その種の被害に応じて次年度営農資金を貸すということですから、自創資金のような累積主義をたてまえとしてはとっていないわけです。ただ、連年災害を受けて連年借りるということになりますと、その年の償還の問題、その年に償還のきている部分、これを返して翌年の営農資金を調達しなければならない、こういうことになるわけでございますから、そういう被害が重なった場合に、特にそのワクの上に上乗せして借りかえの原資をつける、これが五万円と、こういうことになっているわけでございます。
  40. 松永忠二

    松永忠二君 そうすると、あなたの御説明では、たとえば、七十万円の上に五万円を乗せて七十五万円をつまり融資をして、そうして七十万円は完全に天災融資として本人の手に渡ると、こういうことですか。
  41. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) そういう必要のあるというふうに認定をされた場合には、五万円を上乗せしていま御指摘のような形になるわけです。
  42. 松永忠二

    松永忠二君 それをつまりそういうふうにするかどうかという問題なんです。毎回借りているんだから毎回返せるかというと返せないことは事実なんです。そういうような天災融資法に基づく旧債務については、それを五万円ということでなしにもっと上に上乗せしてほしいという要望もあるんですよ、現実には。いままではその貸す中から、つまり債務を取って貸すという、これはその他の銀行なんかではみんなそういうことをやっているわけです、書きかえるときには。旧債務を払うことによって、その借りた中から払わせて、そしてあと残りを貸すというような措置をやっている。天災融資法についても、そういうことをやっているんだという話をわれわれは聞いているんですけれども、そんなことはないんですか。そうじゃなくて貸すワクの上に乗せてやるのか。中から取るということは絶対やらぬというのか。それからその乗せるということになった場合には五万円というのが従来のようだが、それをもっと上に上げるというあれはないのか。この辺をはっきり、従来こういうふうにやっています、今度はこうしますということをひとつはっきり区分けをして言ってください。
  43. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 上乗せしております、これまでも。これまでも上乗せしておりますし、今回もそのように考えるわけです。  それからその上乗せの考え方は、要するに当該年度経営資金融通するのが本旨ですが、前からの経営資金の返済分、その年の分がこれに重なりますから、これをいわば経営費に勘案してこれを上乗せするという考え方でございます。
  44. 松永忠二

    松永忠二君 当該の返済を上乗せするというのが筋としては筋かもしれない。それについてもっともう少し上乗せをしてほしいという要望もある、重なっての。その年はいいかもしれないけれども、その次の年へいくとすぐこれはたいへんなことになるわけですから、少しでもそれに上乗せをしておいてくれればいいわけです。むしろ、いままで残ったやつを全部上乗せしてくれればそこから書きかえ、天災融資の返済をしていくんだから、そういう要望があるだろうということはわかるわけですね。古い債務を根本的にめんどう見てやろうというならせめて天災融資法に基づくようなことをめんどう見なければ趣旨は成り立たぬでしょう。まず最初にそれをめんどう見てやることが大事じゃないですか。根本的に古い負債を洗い流してどこにどうしようということも大事だけれども、同じ天災融資法の問題なんだから、それじゃ旧来の返金の金額をそれに上乗せをして総体的に八十万円なりひとつあれをやっていこうと、こういう考え方をやってほしいというのですよ。そういうことのほうがむしろ大事じゃないかということを言っているわけです。だから、あなたのおっしゃっていることも一つの筋だけれども、そういう要望の出ていることも強く考えて、ひとつ政務次官もおられるわけですし、防災会議の事務局長もおられるのですが、そういう点があることをひとつよく承知をしてやっていただきたいと思います。  もう一つ続けてお聞きをいたしますけれども、いま北海道融資ワクというのは一体どのくらいに考えているのか、今度の天災融資法の該当の。これをひとつ聞かしてもらいたい。
  45. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 現在北海道庁から百五十億というワクの申請がまいっておりまして、これを基礎に結論を急いでおるわけでございます。
  46. 松永忠二

    松永忠二君 これはまあ実際において融資ワクとその実績が出ていないわけですがね、実績は必ずしも——融資ワクよりも非常に隔たりのあることも事実のようなので、まあ百五十億のワクを設定をしてもらえば、決してその融資に困るということはないと私たちも思うので、これはぜひ要望を入れてひとつ検討してもらいたい。まあ要望は百五十億であることは事実なので、その点をひとつ特に考えてもらいたい。先ほど申しましたいわゆる旧来の天災融資法債務関係の上乗せの問題、それから根本的にひとつ債務についてのいわゆる長期返済の転換というようなそういう問題について考えてもらうと一緒に、ただ、借金のことばかり言ったんじゃ話にならぬので、もう少し積極的な営農継続困難な者に対する対策というものを積極的に検討すべきじゃないか、こういう点もあわせ要望いたします。  そこで、今度はもうちょっとほかの面でお尋ねをしたいのでありますが、中小企業者に対する問題ですけれども、激甚災害法の規定による中小企業被害者に対する問題ですが、これは年度内の融資の総ワクというのは一体どのくらいになっているんでしょうか。
  47. 進淳

    政府委員進淳君) 中小企業の場合の激甚災害に基づきますその融資につきましては、そのつど金額もまちまちでございますし、予測困難でございます。また、片一方中小企業三機関の融資ワク全体から見ますと実績はきわめて小額でございますので、特に災害融資ワクというものは設定いたしてはおりません。
  48. 松永忠二

    松永忠二君 融資ワクでなしに実績を聞こうと思ったんですが、実績だけちょっと言ってみてください。
  49. 進淳

    政府委員進淳君) 本制度が始まりましてから現在までのところの総合計で申し上げますと、金額といたしまして百四十四億四千万円でございます。そのうち特に適用いたしました分が九十四億二千二百万円ということになっております。
  50. 松永忠二

    松永忠二君 これは副長官にひとつお答えをいただきたいんですがね。この今度の法律の中でも出ているわけですが、この中小企業人たち被害者、つまり激甚災害適用される地域に住んでいる中小企業被害者、これに対して融資というのは利子が六分五厘。で、たとえば同じ激甚災害地域にいる農業の例の特別被害者ですね、こういう者に対しての要するに融資の利子というのは年三分、今度は激甚災害の指定を受けない場所に住んでいる要するに農業被害——収入の百分の三十以上の被害者に対しては五分五厘の金を貸そうと、農業について。ところが、中小企業の人に対しては激甚地災害に指定される地域にいて、しかも、その被害を受けている者にあっても実は六分五厘の金利の金しか貸さないわけです。これはあまりに格差があり過ぎるのではないかということを私は感ずるわけです。これは単に今度の法律ではなくて、私は災害委員会等でもよく言うのは、たとえば普通の災害の場合でも、中小企業の皆さん、あるいは店舗を持っている皆さんが災害のために店舗をほとんど土砂で埋められてしまって破壊されたというのは、農家における農地に結局土砂が堆積して、大きな土砂によってそれがほとんど活用できないということと全く同じことだ。片一方には国の補助を出して、それをいわゆる除去することもやっているのに、中小企業のこうしたものについては全部金融一本、六分五厘の金しか貸せぬ、六分五厘というのはいい場合だと、普通の場合は中小企業金融公庫とか、あるいは政府三幾関だから大体七分八厘ぐらいなものを借りているわけです。これはもうもっと検討すべきではないかと思うんですがね。もしこれが正しいというのなら、この中小企業所得者と農業所得者の一体どこに科学的な根拠があってそれを差別をしているんだろうか。いわゆる中小企業の業者と農業所得者というのは差がある、差があるといっていたけれども、いまや格差はなくなってきているわけです。ほとんど。それどころか、所得の、いわゆる生計のほかに——資料がありますけれども、伸びなんというのは、消費支出はむしろこっちのほうが伸びているわけなんです。それは農業自身の所得でないにしても、農業所得を含めた所得としてとにかく伸びているわけでしょう。そうであるのに、中小企業の者に対しては、たとえば今度の法律なんかでも、激甚地にいてもなおかつそうだ。じゃ、激甚災害に指定するためにはどういう基準があるかというと、これはまた指定の基準があって、全国の中小企業被害とその土地の中小企業被害額とに対して、それを案分した基準に基づいていわゆる激甚災害発動の基準をつくっているわけだ。ちゃんとそっちのそういうようなものをして、めったにはさせないようにさせておいて、激甚災害に指定して、しかも、その中に入っている中小企業に対しては六分五厘、片方は三分というのはあまりに差があり過ぎるのじゃないか、こういうようなことについてはやはりもっと改めていく必要があるのではないかというふうに私は思うのです。こういう点についてはどういう一体議論が——たとえば、中央防災会議でどういう議論が出たことがあるのか、そういうような点について質問をすると、十分検討しますなんということばは返ってくるけれども、一向に何も改まらないですね。こういう点についても、あなたもそういう点をよくおやりのようであるので、どういうふうに一体していくのか、どう考えているのか、その点をひとつ聞かしてください。
  51. 砂田重民

    政府委員(砂田重民君) 先生の御意見、私も全く同感という気持ちをしながら伺っておりました。  従来、中小企業者に対します融資と農林漁業者に対します融資のそれぞれの金利について、激甚の場合の率だけを対比することは適切ではない、必ずしも適切ではない。それは中小企業者に対します基本的な金利と申しますか、それから農林漁業者に対します基本的な金利と申しますか、激甚の場合ではなくて、それぞれの本家の場合の金利体系が全く異なってきております。私は、これは中小企業対策農業対策、それぞれの歴史的な経過でいまなおこういう状態が、その本家において金利体系が全く異なるという状態が続いているのだろうと思います。そこで激甚の場合もいま先生御指摘のとおり、今回の措置でそれぞれ融資限度額というものが倍に引き上げられはいたしますけれども、中小企業の場合はいままでの百万円の融資限度が二百万円。ただこの場合考え方といたしましては、今回参議院でこの法律を成立させていただいても二百万円でございます。激甚の指定を受けるような大きな災害を受けた中小企業者がその災害を二百万円で回復できるわけがありません。やはり国、県力を合わせての融資あっせん等その他のただいま私が申しました本家のほうの金利に基づいての融資は別に行なわれると思うのです。ただその場合に国といたしましては、その金利をできるだけ薄めるお手伝いをしたいということが——今回の改正案での二百万円で六分五厘、これで薄めてくださいという意味での救済措置としてこの制度がある、私はそのように考えるのでございますが、従来ともそういったように、もとのほうの基本的な金利体系が全く違っておりますので、激甚の農業者に対する金利、中小企業者に対する金利、これを直接いまここで対比して、それが非常にアンバランスだというふうなことは必ずしも適切ではないということで政府は答えてまいりました。ただ今回の改正にあたって、私が中央防災会議で直接関係各省といろいろ検討、議論を重ねてまいりましても、依然として中小企業者に対しまする金利負担を軽減するということはまだまだ私ども努力をしなければならないと、そうでなければ、今日の中小企業者というものの経営規模の変化考えますと、百万円を二百万円に上げた、組合に対しても三百万円が六百万円、こういうことでは、その他の通常金利の分の金利をこの六分五厘で薄めてくださいという、これが必ずしも大いに喜ばれる程度のものにはなっていないということを私自身痛感をいたしておりますので、重ねてこの問題はひとつ努力をしたい、そういう決心をしているところでございます。
  52. 松永忠二

    松永忠二君 あなたとは私は意見が違うので、大もとの制度金融の場合に農業中小企業に差のあることは、これは従来やっているし、その点は認めるとしても、激甚災害地になって打撃を受けたとき、これは何も中小企業の人が打撃を受けたのと農業者の打撃を受けたのと違うというわけじゃないので、同一の災害を受けて被害を受けたときに、何で一体中小企業人たちが高い金を借りなければいけないのかということなんです。せめて、ふだんの制度金融の利子のことについては、それぞれいままでの歴史的な過程もあるし、経営実情も違っているわけだから、これについてすぐ改めるということは容易じゃない。それも差があり過ぎるけれども、一体被害を受けて激甚地の指定を受けたときに、何で農業者と中小企業者の差があるのか。同じ災害地にいて同じような被害を受けたときには、同じような金利の金が借りられてこそ初めて当然じゃないか。それを片方は六分五厘にしておいて、片方は三分にする。しかも今度は、いまやそういう激甚以外の地でさえも五分五厘で借りられるようにしたのに、中小企業だけにそういうことをやる理由は何もないじゃないか。大もとがそうだからといったって、災害実情においてそうじゃないか。そういう点につまり問題がある。だから当然被害実情に即して同一な条件をも与えるべき性質のものであって、これはもうそういう措置をすべきだというのが私の意見なんで、もとが違うからそこに違いができてくるという筋合いでは私はないと思うのです。だからそういう面で、決して私は農業所得者の人たちがよ過ぎるということを言っているのじゃないけれども、むしろ、やはり中小企業者のほうにそういう点について根本的に、少なくも激甚災害に指定されたときの中小企業融資なんというのはもう同一な措置をとるべきであると思うのです。それからまた、実は中小企業の場合における激甚災害の指定基準というのはまことにばく然たるものなんですね。たとえば、中小企業所得が三十兆八千億である。それは企業庁の計算見通しというものをもとにしているわけなんですね。片方のように、たとえば建設のように標準税収入をどうこうというようなものじゃないのです。経済見通しをもとにして、それに対して全国の中小企業所得被害中小企業所得とを割ってそれに係数をかけて出しているという、こんな激甚災害の指定基準もちょっとおかしい。こんないわゆる経済見通しというのはどんどん変わっちゃう。こんなもの以外に指定基準についてもっと検討すべきものがあるじゃないか。そういうばく然たる指定基準の上に立って激甚災害に指定されて、しかも、そこにいる中小企業人たちは同一なものすら得られない。しかも、店舗については八分ぐらいの利子のものを中小企業金融公庫から借りてきているわけです。これでは中小企業農業所得者の間の差がひど過ぎる。それはかつての農業所得者と中小企業所得者の間には生活上から格差もあったと思うけれども、いまやそういうものがなくなってきている。そういうデータは政府みずから出しているわけですよ。農業所得者の消費水準の伸びであるとか、そういうものと中小企業者と比べてみれば全くもう差はないのですよ。だからこういう矛盾をいわば防災会議のようなところでちゃんと突き詰めて検討していかなければ、中小企業庁がいつも主張したって、それはおまえらかってに自分のところを主張しているんだということになるわけですね。だからこの点を、あなたがいまおっしゃったような程度の認識じゃなく、もう少し認識を新たにしてひとつこういう措置をやってほしいということを私は言っているわけなんです。  それについてはひとつあとでお答えをいただくこととして、時間もきましたので、もう一つあなたにお聞きするのは、今度局地激甚の災害指定基準を改正をしたわけですね、建設事業についての。これについて、当該市町村の標準税収の二倍をこえる市町村というのを一倍というふうにしたわけです。これによって適用するようになった市町村というのは一体全国でどのくらいの数があるのか。特に災害のひどかった鹿児島、宮崎、熊本というようなのは——改めたために適用になった市町村の数は一体どのくらいあるのか、この実態をひとつお聞かせください。最初の点をお答えいただいてですね。
  53. 砂田重民

    政府委員(砂田重民君) 局地激甚の指定基準を改正をいたしましたので、機会がありましたときに当委員会に御報告をいたさなければならないと考えておりましたが、いま先生からお話がございましたので、従来から当委員会でもしばしば御検討をいただいたところでございますが、中央防災会議で局地激甚ではなくて本激のほうの検討をやってまいりました。ただ、最近頻発をいたします、特にことしの災害の状態を考慮いたしまして、本激のほうの、もとのほうの基準改正ということになおしばらく時間がかかる、かように考えましたので、とりあえず市町村を対象といたしました局激の指定基準というものを、公共施設災害復旧事業にかかわる基準を緩和したわけでありまして、十月十一日に中央防災会議で決定をいたしました。これはことしの一月一日以降発生いたしましたすべての災害にかかわってくるものでございます。  ただいま先生のお話のございました幾つぐらいの市町村というお話でございましたけれども、御承知のように、本激の場合と違いまして、局激の場合は査定事業費で決定をしていくものでございますから、まだ何市町村という数を実は申し上げられる段階にまいっておりません。ただ、宮崎でありますとか鹿児島でありますとか、あるいは千葉県でありますとか、こういう、ことしたいへんひどい災害を受けられました各府県の市町村につきましては、相当数のものがこの改正によって従来よりも追加して数がふえていく。正確な数につきましては、いましばらく事業費算定の結果の出るまでお待ちをいただきたいと思うのでございます。
  54. 松永忠二

    松永忠二君 それは明確なものが出たらひとつ出してください。適用になったものですね、市町村。しかし、もうそんなのは大体のところわかっていなくちゃしようがないように思うんですがね。  もう一つ最後に聞きますが、宮崎県で一日内閣をおやりになった。その際、宮崎の各方面からいろいろな要望が出ていると思うんですね。一体これを入れて何をやったんですか、現実に。そのときにあった要望の中の何を一体政府は具体的に指示をしたのか。たとえば、その際急傾斜地の指定の問題、あるいは急傾斜地下におけるわれわれもここで議論をした集団移転問題など強い要望が出ていたのは事実です。一体政府は一日内閣と称して災害地の宮崎に行って国会をやっていて、何を一体具体的にやったのか。こういうことを、この一日内閣で要望があってこういうものは実現をしましたということを言ってください。もしないならないというふうなことをはっきり言ってください。このときの要望に沿ってこれが実現できましたということをひとつお話をお聞きをしたい。
  55. 砂田重民

    政府委員(砂田重民君) ただいま御報告を申し上げました局激の問題もその一つでございまして、一日内閣で建設大臣からそういう方向お話がございました。一日内閣が十月の六日でございましたけれども、きわめて近い機会に決定するということを建設大臣表明をされまして、中央防災会議といたしましては、先ほど御報告をいたしましたように、十月十一日にこれが決定をしたわけでございます。なお建設省の関係で急傾斜地のいろいろな対策等の要望が出たことは先生おっしゃるとおりでございますが、建設省のほうから具体的にお答えを申し上げたいと思います。
  56. 谷勲

    説明員(谷勲君) 今度の災害で、急傾斜地の崩壊が非常に多発しまして、建設省としましては直ちに通達を出し、急傾斜地の再点検と、それから人家五戸以下のものについても調査するように現在指示しておりまして、目下調査中でございます。大体今年度にはその調査が済みまして、それに基づいてまた具体的な対策考えていくと、こういうことになっております。
  57. 松永忠二

    松永忠二君 その局地激甚の指定基準を緩和したという問題は、私は何も、宮崎の一日国会でもあったかもしれぬけれども、そんなことはもうとっくにここで言ったし、あなた自身からも、局地激甚の方向でいかざるを得ぬだろうという話もあった。その基準を適用していく地域を緩和をしたということは、これはもう前からの懸案であったことも事実だと思うんですね。で、具体的にはほかには何かあるんですか。それからまた、急傾斜地の指定を一体どのくらいふやしたんですか。特にこの宮崎、鹿児島、熊本あたりについて、いままでこのくらいの数だったのをこうしたという−いままだ検討中なんですか。一体、急傾斜地の指定をしてほしいと、その指定はこれだけふえましたということはあるんですか。幾つふえたんですか。それを言っていただいて、最後にひとつ副長官のほうから御答弁を聞いて終わりにします。先に、急傾斜地の指定の数をふやしてくれという、指定をして、計画を立てて、工事をしてくれという要望が具体的にたくさん出ていた。それを一体幾つ拾ったんですか。一体幾つ宮崎や熊本や鹿児島について追加をしたのか。いままでは取り上げなかったが、二つなり三つなり五つなりを取り上げてやることになったのかどうなのか。これを具体的に言ってください。検討中なら検討中でもしかたないけれども、いま何かお話をされたので、そういうものがあれば聞かしてください。
  58. 谷勲

    説明員(谷勲君) 現在県のほうへ連絡をしまして急がしておりまして、現在作業中でございます。具体的にはまだ手元数字がございませんが、資料として提出いたします。
  59. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 関連して二つだけ。  一つは、上のほうに宅地造成する場合に現在規制がぬるいから、宅地造成業者に対する規制をきびしくしてくれという問題が一つ。  それから急傾斜地の下のほうの人が移転する場合には移転に対する国の援助を頼みますと、こういう問題が建設省に出されまして大臣が答弁されておりましたが、具体的にどうしましたか。聞いておりませんか。
  60. 谷勲

    説明員(谷勲君) その問題につきましても現在検討しておりますが、移転に対する補助ということは、他の事業とも関係がございまして、なかなかその補助ということについてはこれは困難でございます。
  61. 小柳勇

    委員長小柳勇君) これは前もって質問通告してなかったから、十分検討してないようでありますから、すぐ調べて御返事ください。
  62. 谷勲

    説明員(谷勲君) はい。
  63. 砂田重民

    政府委員(砂田重民君) 宮崎の一日内閣、私も出席をいたしましたが、先生の先ほどのお話に抗弁するわけではありませんけれども、局地激甚の指定基準の緩和の問題は、そのときにも宮崎県の懇談会の席で、各地の市会の方々からも強い御要望がございました。一日内閣の席で建設大臣が表明をしておりましたけれども、具体的な方法を私から御説明をして喜んでいただいた一つであることは、先生、これは事実でございます。そのほかには、ただいまお話の出ました急傾斜地の対策、それから集団移転の問題、さらにもう一つ、県と市町村をつなぐ防災無線の御要望がございました。急傾斜地対策の問題、集団移転の問題は建設省に御検討を願っておるところでございます。県と市町村をつなぐ防災無線は自治省が四十七年度予算要求をしておるところでございまして、これの予算の確保に中央防災会議としても協力をすることにいたしております。
  64. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いま、急傾斜地の問題が出ておりますので、これに関連をいたしまして私はお伺いしたいのですが、その急傾斜地の指定になっていないところ、これが日本全国随所に集中豪雨を受けておるとか、あるいは地震によっての崩壊があり災害を受けておるという、その個人に対する災害対策というもの、これをどんなふうにお考えになっておるものか。私は、いまさら、長官に災害対策基本法なんか引っ張り出して申し上げるまでもございません。これは第一条にも、明らかに、「国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、」三条には、「国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することにかんがみ、組織及び機能のすべてをあげて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。」と、こういうふうになっています。ところが、いま申し上げましたように、全国の急傾斜地の指定を受けてない、がけの下に一軒ある、ずっと離れてまた一軒あるとか、そういったようなところが一ぱい被害を受けておる。さらに、ひょうが降りますと、御存じのように、ひょうは一つの道を通っていくだけで、それで被害を受けた個人災害、あるいはまた土砂くずれ等で、千葉のように一ぺんに大きな災害を受けている。今日までの災害の形態というものは個人的に受けているものが非常に多い。そういう人たちに対する個人災害の救済方法というようなことはお考えになっておられると思うのですが、これはどういうふうに、今後、具現していこうとするか、所見を伺っておきたい。
  65. 砂田重民

    政府委員(砂田重民君) 先生もうすでに御承知のところでございますけれども、いまおっしゃいましたような個人災害、これはまず第一には、先ほどからお話の出ておりますような急傾斜地対策等の防災的な措置はまだまだ不十分でございます。建設省でも、先ほど御答弁いたしましたように、四十七年度予算からでもこういった防災措置を拡充をしていきたい、そういう検討を建設省で続けていただいているところでございますから、さらに、そういう事態に直面をいたしましたそれぞれの個人の方の危険からの避難と申しますか、建設省あるいは消防庁が全国防災担当者会議等でそれぞれの府県、市町村が持っております地域防災計画の中に避難計画等万全なものを盛り込むように、不備な地方公共団体の防災計画等があることも事実でございますので、こういったことの改訂を指導する、こういったことを建設省あるいは消防庁でやっておるところでありますけれども、そういう被害を受けた方を経済的にどう救済するか、この問題については、先般来お答えをしておりますように、従来の国の方針といたしましては、また現行制度といたしましては、国には、自然災害によります被害者の保護と民生安定をはかるといういろいろな制度はございますものの、やはり個人災害というものは自力をもって更生していただくというのがたてまえで今日まできております。ただ、いつまでもこういうことで済むものではない。そこで、共済という制度を打ち出してみたならば、何らかのこれが救済制度がいままでよりも幾ぶんなりとも拡充していけるのではないかということから、総理府といたしましては個人災害共済制度を打ち出しまして、関係方面、各機関とただいま一緒に検討中であるわけでございます。
  66. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 先ほど松永委員からもお話ありましたけれども、これに対して、中小企業のほうでも六分五厘の利率で考えるということでありますが、たとえば、集中豪雨なんか受けて、商店の人たちなんかが商品を流されている、あるいは器具、機械類を破損さしてしまう。いま長官が言われているように、個人個人の費用でこれらは今日までまかなってきておるから、それに対する今度は共済制度というものを考えているんだと、こういうふうにいま御答弁ありましたけれども、その共済制度の問題も、私ここに資料を借りているものがありますが、内閣総理大臣官房審議室での調査結果というものが、個人共済制度に関する意向調査というものをおやりになっているようでございます、四十五年の九月。私どもの党は、このことにつきましては、四十五年の三月に災害共済法等を六十三国会に提出をいたしまして、そして、中央防災会議のほうにこれを陳情いたしております。これは第一次の調査だけで、第二次の調査というふうなことは終わっているのかどうか。そして、さらには、いま、もう少し具体的に、それはどれくらいの、たとえば、共済制度をつくるといいますけれども、じゃいつの時点にそういうことができるかというようなことは、これは国民が待っているんじゃないかと思う。この統計の資料内容を見ていきましても、賛成する者が、八八・一%も制度の趣旨に対しては賛成をしている。反対の者はわずか六・三%、わからない者が五・六%だというようなことがこの意向調査内容にも出ておりますけれども、こういうふうな形態になっているのに、なぜもう少し早くより積極的な——やっと四十五年度予算で四百七十万円くらいを計上して、調査段階に入ったというふうにしかなっていないのです。より積極的な面の考え方というものはどんなふうになっておりましょうか。
  67. 砂田重民

    政府委員(砂田重民君) 私ども非常に真剣に検討を続けているところでございますけれども、この機会に、若干中間的な御報告をまじえながらお答えをしておきたいと思うのですが、総理府が考えました案というものは、いわゆる共済制度でございまして、地方公共団体経営主体となって共済制度を設ける、これが第一点でございます。その住民が加入者となって掛け金を支払う。自然災害による被災者に対して一定の給付を行なう。国におきましては、基金を設けて、この共済を実施いたします地方公共団体の再共済をつける機能を果たしていきたい。こういう私どもの基本的な考え方で各関係機関とただいま折衝、検討中でございますが、いま、先生がおっしゃいました調査の結果、これは制度の趣旨については実に八八・一%という非常に高率の賛同者を得たわけでございます。ところが、私どもは一つたいへん心配になりますのは、いま、政府部内なり、地方公共団体で、いろいろと、一緒に検討をしております一つの重大な問題点にかかわり合ってくることでありますが、この調査の中で、市町村長さんからお答えをいただいた方——皆さんの市町村では何%ぐらいの方が加入してくださるでしょうか、こういう設問に対しまして、市長さん等のお答えが、実は一割しか入らないだろう、加入者は二割程度であろう、こういう二割以下と見通しておられる市長さん等が非常に多いということが、私どもが考えております共済という制度を成り立たしてくれるかどうかということが、重大な問題でございます。  これに関連をいたしまして、若干お答えをしておきますが、私どもは実は任意加入方式を考えたわけであります。ところが、任意加入方式では、いまのその賛同者の方の、八八%というふうな非常に多くの率の方が加入をしてくだされば、任意加入制度で十分共済として制度的は成り立ちます。ところが、市長さんなどの私どもに答えてくださったような二割しか入らないだろう、加入者は一割程度だろうという見通しが、もしも不幸にして当たるとしますならば、これは任意加入の制度の方式では共済というものが成り立ちません。ここに一つの問題点がございますので、私どもといたしましては、再度、この点を、もう少し明確な国民の皆さん、市町村長さんの見通しというものをつかみたい、かように考えまして、先ほど先生のお話にございましたが、四十七年度予算で、この基金の、国の分担するべきものを予算要求いたしておりますので、この予算の編成までに間に合うように、再度のアンケートをただいま出しているところであります。この答えで、もう少し確信を持って、任意共済、任意加入という方式で何とか成り立たしたい、かように考えて、この調査結果を待っているところでございます。  ちなみに申し上げますと、これを強制加入制度という方式をもしとるといたしますならば、これは共済という、採算的には十分安心がいくことではあります。ところが、強制方式をとろうといたしますと、また違う議論が出てくるわけでありまして、法律でこういう住民の強制加入方式ということをやりますのには、いわゆる私どもの考えております共済制度が、見舞金的なものでありますだけに、他の共済制度と違って、給付の目的、内容等があまり明確になっていない、こういう法制上の問題点が、強制加入という制度をとるとまた出てくるわけであります。  さらに、病気のときの健保、失業のときの失業保険、こういった強制加入方式の制度としてある他の制度と比べて、病気であるとか、失業であるとかということは、国民がほとんどそういうおそれがある。非常に広範な国民に対してそれだけの利益給付ができる。それに比べて、災害の場合は、きわめてわずかのパーセンテージしかその給付の対象にならない。法律的に見ますと、これを公益性というそうでございますけれども、他の制度に比べて、強制加入方式をとるのには、あまりにも公益性が薄い、こういう法制的な問題点も、強制方式をとる場合にはまた出てきておるわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、こういう点について、さらに引き続いて関係機関との折衝を続けながら、先ほど申しましたような任意制度、任意方式をとったときの加入者の数というものを、もう少し明確につかみたい、かように思って、再度の設問を出して、その回答を待っているところでございます。
  68. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 その共済制度のことは、大体これからの詰めできまっていくということでありますが、こうしている間にも個人災害を受けられるわけです。不幸にして個人災害を受けた人たちの金融的な措置等は、まことに何にも手を打たれていないという形になっております。共済制度もけっこうですが、まず個人救済というところの考え方というものを、この際もう一回はっきりしておかなければいけないのじゃないか、それが政府の当然考えを持っていくところじゃないか。これは長官の先ほどもお答えがありましたけれども、そこを先にきめていかなければならないように、国民の立場から考えれば、当然考えるのはあたりまえだと思う。重ねてその点について伺っておきたいと思います。
  69. 砂田重民

    政府委員(砂田重民君) 今回お願いをしておりますこの法律改正案の中でも、たとえば、中小企業者の方々に対します激甚の指定をいたしましたときの、六分五厘の特利による融資限度というものを、百万円から二百万円に今回ふやすことにいたしました。ただ、いままでの倍といいますものの、二百万円でございます。こういう改正は国会にお願いいたしておりますけれども、これで十分とは私どもも考えておりません。中小企業者に対します激甚災害を受けられた方々への救済も含めまして個人救済その他もございます。先生もう十分御承知のいろいろな方式がとられているわけでございます。災害救助法でありますとか、住宅金融公庫の融資でありますとか、世帯更生資金でありますとか、十数目にわたる制度制度としてございますけれども、これらの制度の改善に一そう努力をしてまいりたい、かように考えております。
  70. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 中小企業の話が出ましたので、通産省の人来ておられますか。——いま長官のほうからもお話がありましたが、さらには松永委員のほうからも金利の面についてのやりとりの答弁もありましたけれども、そこで考えなければならないと思いますのは、北海道の場合なんかもやはり自主規制や政府規制によってドル・ショックで相当痛めつけられている中小企業、そこへもってきて今回の冷害で激甚の災害を受けている、そういう人たちの救済に対する考え方といいますか、たとえば百万円を二百万円にした、三百万円を六百万円にした、救済の金額は上げるけれどもその金利のほうは以前と同じであるということになれば、結局それだけ多くの金を返済していかなければならないという形になる。例を繊維業の織機の買い入れ問題で、この繊維関係では救済措置を講じておられる。そういうふうに政府自体もひっくるめての救済措置考えておるけれども、零細企業あるいは小規模企業に対する、金を借りたくても担保もないという、そういう人たちの保護、そういうふうな保護政策といいますか、その面から考えていきますと、この金利の六分五厘というのは全くそういう人たちの立場に立ってみれば高額な利率である。これを当然、抜本的に法改正というものは別として、今回の激甚法という特別財政措置をするという観点の上から考えていきましても、この利率を引き下げるべきである、こういうふうに思うわけですがね。
  71. 林田悠紀夫

    政府委員林田悠紀夫君) 確かに先生のおっしゃいますように、農業と比べまして通産関係のほうの金利はきわめて高いわけでございます。先ほど総務副長官から答弁いたしましたように、これは従来から農業は収益性がない、しかしながら中小企業農業に比べまして、もちろん収益性が乏しいわけでございますけれども、まだ収益性はあるというような考え方から、そこに開きがあった次第でございます。しかし、おっしゃいまするように、この災害という面から考えましたならば、これは同じように考えていくべきものであるというようにも思われる次第でございます。しかしながら、従来のそういうしきたりがそのまま残っておりましてまことに遺憾でございまするが、いまの中小企業に対する金融は、御承知のように、商工中金あるいは政府の二金融機関、これによってやられているわけですが、商工中金にいたしましてもその資金源が、貯金とそれからまた資金運用部の資金が六分五厘というような状況でございまして、これは利子補給でもしない限りはどうしても金利が高くならざるを得ないというような状況でございます。繊維に対しましては別途に利子補給をするというようなやり方をやった次第でございまして、今後におきましては十分にこの冷害に対しては考えるべき問題であるというように存じておるのでございます。  それで、北海道冷害対策でございますが、この北海道冷害につきましては、中小企業の面からみますと直接の被害というわけにはいかないわけでございます。したがって、六分五厘という金利を適用することができないわけでございまするが、十一月の九日付けで政府三機関に対しまして通牒を出しまして、特段の配慮を払うようにという指示をいたしております。しかし、金利につきましてはこれは八分二厘でございまして、貸し付け限度とかあるいは貸し付け期間、そういうものを優遇していくというような通牒になっておる次第でございます。そういうことによりまして貸し付けワクをふやす、あるいは期間を延ばしていく、それからまた結局そういう中小企業は、農業冷害によって困りますると売れないという問題になってまいりまして利益があがらない、しかし、そういうものに対しましては、税制の面におきまして別途に税を猶予していくというようなことをも加味いたしまして、いろいろな角度からこれの救済をはかっていくことをやっておるわけでございます。またすでに従来の方法といたしまして、たとえば、担保がないとかいうような場合には信用保険制度を活用していく、こういうようなことでその救済をはかっておる次第でございます。
  72. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 信用保険制度というような場合、保証協会にいきましても保証人が要るわけでございます。どうしても担保が要るようなことで保証人を立てるとか、そういうようなことでなければ借りられない、融資規模の拡大を千五百億やった、これが中小企業のほんとうの零細企業のところに消化していっておるという形態というものを私は次官も御存じじゃないかと思う、どの程度に消化していっておるか、実際問題その小規模企業、零細企業の人たちというもののどの辺に消化しておるかということを実際に御存じじゃなかろうかと思うが、その点どうなんでしょうか、消化については。
  73. 林田悠紀夫

    政府委員林田悠紀夫君) いまの御質問はドル・ショックの場合のように承ったのでございますが、この場合におきましては、各府県の信用保証協会の保証限度というものが大体その基金の最高限五十倍というようなことになっておるわけでございます。それで、これを六十倍にまで拡大していくということにいたします。そうして保証協会の保証ワクをふやしていく、それをまた信用保険公庫が再保険をしていくというやり方によりまして貸し付けが円滑に行なわれていく、こういう方法をとったわけでございます。
  74. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それでは、繊維のほうのドル・ショックのほうのことにも触れましたのでついでに申し上げてみますと、機械購入によって何とかして保証してやろうというようなことで、一台二十五万円あるいは二十万円で機械を購入してやるという非常に保護政策、救済政策というものは考えられております。また、通産大臣の地元である新潟の洋食器のほうは全面的にカバーしてやるというみたいなうわさも、話も聞いているわけです。その機械の問題についても二台二十五万円なら二十五万円で買い上げても、その半額というものに対するものには税をかけていく、さらには一親等の間、十年間開業してはならないというようなことをやって、保証金のような形で三万円なり二万円なりを組合のほうに納めているという形態もある、そういうふうな機械の売れるもの、また、組合に入っているものはこの救済制度というものが適用されてくるけれども、家内工業、下請工業の組合に入ってないものに対する救済というものはほとんど手が打たれてない。親会社が倒産していけば一も二もなく倒産していく。親会社が残っていながらもそういう零細企業あるいは下請業者、家内工業のものはもう三分の一ぐらいに工賃も削られてしまう、こういうふうな人たちに初めて物質的にも金銭的にもカバーしてやるというのがほんとうの対策になるのではないか、こういうふうに思うわけです。そういう面から考えていきましても、この激甚法の利率にしましても、いまの中小企業の金利の面にしましても非常に妥当でない、税金の面ではカバーするとかというようなお話もありますけれども、この点についてのこれからの考え方といいますか、所見を伺っておきたいと思います。
  75. 林田悠紀夫

    政府委員林田悠紀夫君) 先生の仰せのとおり、確かに中小企業農業と比較しますると、いろいろな点において劣っているというように私も考えておる次第でございます。ただ、いまおっしゃいました繊維の自主規制の場合の機械の買い上げにいたしましても、あるいはまた融資にいたしましても、これは特別の対策といたしまして考えたわけでございまするけれども、しかし、繊維機械の買い上げについては、やはり組合によりましてある程度負担をさせるというようなこともいたしております。そういう点がどうもひどいじゃないかというようなお考えだろうと思います。確かにそういう点もございまするが、これからのまた繊維対策といたしまして、今度は政府によります規制が行なわれるわけでございまするが、そういう場合におきましては、十分いままでやってきたことも反省いたしまして、新たな対策を立てていきたいというような考えを持っておる次第でございまして、確かに中小企業に対する施策が十分に行なわれていないということは、まあそのとおりであろうと思いまするが、これから大いに努力をしていきたいというように考えておるわけでございます。
  76. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 関連でちょっと質問さしてもらいますが、いま繊維の問題が出ましたけれども、これは災害とは別に考えなければならぬと私は思っておりますが、中小企業の見方ですね、基本的な見方が違うのではないかと私は思うのですよ。いま繊維の例が出ましたから私申し上げますが、たとえば、ニット製品をつくる新しい機械がある、それを今度はどこの会社も中小企業はニット製品ということで輸出製品として機械の購入をやったわけです。それが大体七〇%ぐらいがこの規制で余分な機械になります。したがって、買うてまだ二年しかたっていません。これは全部借金で買うております。そこにこういう規制ができたんですからこれは別問題にしておきましても、私は災害に対する限りにおいては、この二つの金利のケースを持つということはやはり不当だと考えるのですね。なぜかと申しますと、中小企業であろうが、農業であろうがやはり災害災害なんですよ。この災害をやはり同等の立場に立っての金利で保護をしてやるということにしなければどうしても無理が出てくる。たとえば一つの例を申し上げます。天災地変の指定を受けます、あるいはまた激甚の指定を受けます、そうして台風十九号なら十九号という、その災害におけるものには五分五厘の金利で適用してやろう、こういうことになりますね。ところが天災地変というのは十九号だけではないわけです。たとえば千葉県のようなたつまきは一体どうするか、みなこれやはり天災地変です。したがって、いかなる場合でも中小企業であろうが、農業であろうが、金利は統一な五分五厘にしてやるべきだ、私はこういう見解を持つわけです。この点ひとつどうお考えになっておるかお答え願いたいことと、もう一つは、最後に先ほど次官が説明されましたが、この経過措置といたしましてこの法律の施行前に指定された天災及び災害につきましては、なお従前の例によるものとする、こういうふうになっておりますね。ところがこの法律は四十六年度のいまこれ十七日の本会議できまろうとしているわけです。ところが現在、ことし起こりました八月から九月、十月にかけての天災地変は全部六分五厘で適用するということになると思いますね。私はこれが来年の通常国会で通るというのならば、これは以前のものという区別もいいですけれども、本年の災害に今年の法律をつくってやる、こういう不公平なことはないじゃないか。この点はこれはたとえもうそういう手配はしておるでしょうけれども、何かの方法でやはり考えてやるべきじゃないかという私は観点に立ちますね。これは来年の、四十七年度の予算の中で本審議をするというのならば私はそう思いません。けれどもことし災害があってまだ二カ月もたたないのです。それは六分五厘でなければ借りられないというような、こういう法律改正は、ちょっと国民に対して申しわけない。被害を受けた人に対して非常に不公平ではないかという感じを持つわけです。この点のひとつ考え方についてどうお考えになるか、二つの問題についてひとつ御答弁を願いたいと思います。
  77. 林田悠紀夫

    政府委員林田悠紀夫君) おっしゃいますように、金利を引き下げていくべきものというふうには考えるのでございます。しかし、ただいまも申し上げましたように、今回の場合はとにかく百万円を二百万円というように倍にワクをふやしていく、あるいは三百万円を六百万円にするということによりまして金利を引き下げたい、そういう考え方から、すべて一度に取ってしまうということもできないというような事情もございまして、こういうふうなことにした次第でございます。しかし、それで十分であるというようには考えていない次第でございまして、今後大いにまた努力していきたいというようなことでございます。
  78. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) いまおっしゃいますような心配を与えるような形になっているということを残念に思うわけでありますが、実は天災融資法による貸し付けは、地方公共団体融資機関あるいは融資機関と被災農林漁業者、これとの間の契約関係を前提として仕組まれているわけであります。そういうことで、融資機関との利子補給契約あるいはまた損失補償契約、これを変更しなければならないとかあるいはまた融資機関と被災農林漁業者との間の借用証書を変更しなければならぬとか、非常にその手続が煩瑣になる、それからまたすでに被害を受けた農家は、市町村の損失補償に基づいて農協との契約においてすでに現行の制度に基づいて借りている、まあこういうことでありますので、この改正北海道中心とした冷害から適用すると、こういうことにしているわけでありますが、しかし、それにしてもやっぱりちょっとおかしいじゃないか、こういう御心配でありますが、いろいろな台風や何かの災害を受けた農家で、まだ天災融資法による融資では十分まかない得てない、何か方法はないか、それには実は自作農維持資金災害ワクを設けてあります。そして、それは金利は五分ということでありますので、むしろ性質が違いまするけれども、金利それ自体考えれば有利である、そういうもので十分まかなっていきたいと、こういうことを考えておりますので、おっしゃるような御心配はまずはないと、かように思っております。
  79. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 関連でもう一つ。  先ほど私が一つの例を申し上げましたように、その天災被害に対する融資措置とかいうような、あるいはまた激甚の取り扱いをしたという場合はいいですが、突如としていろいろな災害が起こりますね、その取り扱いの中に入らぬのがあります。それは六分五厘だろうと思うのですよ。そういうことをもっと具体的に明らかにしてやるべきじゃないか。たとえば先ほど申しましたように、千葉県のようなたつまきがいつ起こるかわからない、あるいはひょうの被害を大きく受けたとか、これは激甚に入るような例はいままでありませんね。したがって、そういうものも含めてやっぱり五分五厘というような低利でめんどう見てやるということが、災害におけるところの処置ではないかと、こういう点もひとつ今後お考え願いたい。
  80. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 大事な法律案が出ておるのに時間が非常に短いので、質問の意図を全然くつがえして質問をしなければならないような、情けない時間制約を受けるみたいな形で残念でございますが、ここで北海道冷害を受けました今日までの対策をどのようにしてきたか、また今日どのように道なり国なりは行なってきたか、時間の関係で私のほうからこの部分、この部分というふうに個条的に申し上げてみたいと思います。  来年度営農ができるような再生産資材の確保をどんなふうに考えているか。これは種子の問題もございます。牧草のほうのこともございます。また飼料の問題もございます。こういう方面にどのような手を打たれておるか。十月十五日の作況報告というものが道庁のほうから出されておりますが、すでに十一月の十五日、一カ月経過しておりますし、きょうのこの時点から考えていってどんなふうに救済をしているか。また救農土木に関することも、もうすでに北海道は一番冷害を受けているところは雪が降り始めております。それに関しての農家の方の現金収入、そのようなことにどのような手を打っておられるか。またもう一つには、今年度の品質の問題が、等外米というものが非常に多くて収入がもう想像以下であります。網走なんかはもうほとんど水稲なんかゼロでありますし、釧路方面の牧草関係でもこれはえらいことでありますし、空知にしましても、また米どころの旭川地区にいたしましても、そこでさえすでに等外米ばかりがふえている。この現実北海道のきびしい姿の面から等外米をどうするか。また北海道ばかりか東北等も例を申し上げますと、災害地はもう東北の六県も全部同じである。いま私は秋田県の一町村の状態を申し上げてみますと、これはあくまでも一つか二つの組合を対象にして調べたものでありますが、これは秋田県の千畑村というところであります。昨年度は一等米が〇・二%、二等米が一四・四%、三等米が四八・八%、四等米が三四・六%、五等米が二%。ことしはどうかと申しますと、一等米はゼロ、二等米に至っては九・三%あるかないか、三等米が五二・二%、四等米が三三・六%、五等米が九・八%。昨年度は三等米が四〇%、今年度は五二%、一、二等米については昨年度は二三%、ことしはわずか八%、四等米は昨年が二九%、ことしは三四%、三割以上の損害が一億四千万、こういうふうにも言われております。こういうふうな実態東北の一部でありますが、東北六県私ずっと歩いてまいりましてこの実情はもっときびしいものが一ぱいございます。こういうようなことを考えていきますと、それに上回っているのがやはり北海道の全体の状態でございますし、この等外米に対する買い上げについてどんなふうに考えていられるか、どういうふうにして救済していかれようとしているかということをお伺いをしてみたいと思います。
  81. 大河原太一郎

    政府委員大河原太一郎君) お答え申し上げます。  先生の御質問は各点にわたりますので概括的に御答弁申し上げます。  第一点の再生産を旨といたしました資材の確保の問題でございますが、これには道側の、地元側の要望も種子について、種もみ及び雑穀の種子、これについての共同購入の助成について強い要望がございます。これにつきましては、農家の所要量その他につきまして道側で最終需要調査をいたしまして、つい最近最終の数字を持ってまいりましたので、これをもとに財政当局と助成等についてただいま折衝中でございまして早急に結論を得たいというふうに考えております。  第二点の救農土木事業につきましては、先生御案内のように、先般の補正予算で総事業費四十一億円の事業を、救農的な目的に沿います客土なり、圃場整備なり、農道整備につきましての予算を可決していただきまして、これと既定予算の十三億、さらに道及び町村の起債といたしまして十五億が全部整いまして既定事業等については契約をすでに終わりまして、その他各種事業についても、北海道の気象条件等を考慮してそれぞれの事業を開始しようとしているというようなことに相なっております。  それから等外米、規格米については、本年の冷害の最も大きな問題でございまして、先生御指摘のとおり、これについての対策を急がれたわけでありますが、未熟粒混入規格外米、被害粒混入を甲乙と分けまして、三等級の規格外米を設定いたしまして、十一月一日に告示いたしまして、北海道の本年の低品質米に対処する政府措置というものをきめたわけでございます。  以上、先生の御指摘の点につきましては、それぞれ種子等について最終結論を得ていない部分もございますが、早急に結論を得たいというように考えております。
  82. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 牧草の問題等もございますが、非常に栄養価がない。それから種子の量が非常に減っている、そういうようなこと等も農水の委員会等でつぶさにわたっての質問をいたしました。いまの御回答ございません。配合飼料等のお話も欠けているようでございますが、時間の関係でその点は省略いたしますが、  もう一つお伺いしたいのは、今回の改正で四項の第三の六分五厘というのを五分五厘にするということでございますが、先ほどもお話が出ておりましたけれども、農業全体の抜本的な北海道対策をどうするかということが重要な課題になってくるのは当然でありますけれども、そこでとりあえずこの激甚法によって救済をしていこうという考えの上に立っての今度の法律でございますので、この処置に対しては非常に喜んでいるわけでありますが、ところが私に言わせれば、そうであるならば、この二条の四項の三でございます。ここのところの三の「利率が、特別被害農業者若しくは特別被害林業者で特別被害地域内において農業若しくは林業を営むもの又は特別被害漁業者で特別被害地域内に住所を有するものに貸し付けられる場合は年三分以内」と、このようになっております。これをもう少なくとも、こういう被害を受けたものについて今度は北海道の場合にはゼロにして、ほんとうの救済の意味の金を貸してやるんだというふうな考え方に立つのが、私はほんとうじゃないか。そうでなければ、少なくとも二分以内にこれを押えるべきじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、この点についてはどうでしょう。
  83. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) 三分資金を二分あるいはゼロにせいというお説でありますが、色よい返事をいたせばよろしいのでありますけれども、ちょっとゼロにする、あるいはまたいま直ちにこれを二分にすべきだというちょっと自信は、実ははっきり申し上げてございません。ただそうは言っても、実情はなかなか気の毒なそういう状態にあるのだから、もっと考えていけよという、またおしかりであれば、それをすなおに受けとめて検討はいたしていきたい、かように思っております。
  84. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そこで私は、北海道の酪農地帯の標茶町のことについて申し上げて御参考にしていただきたい。そして、いかに農家の方々が——北海道は酪農地帯にしていくんだという将来計画の中から、今日その業務に携わっておる方々の一部の実態を申し上げまして、そして、私のいま言いました二分以内にしろとか、あるいは開拓者の五分五厘というのを三分五厘にするように考えていかなきゃならないというようなことは、これから申し上げる事情をお聞きくださればうなづけられるんじゃないかと思うわけです。このことにつきまして、時間があれば政府のほうから標茶町の実態等を、北海道の酪農の総体の中からまた部分的にも説明を伺いながら、それに対する私は質問を続けていく予定でございましたけれども、先ほど来から時間がきているということでございますので、私のほうから早口で実態を申し上げて、ほんとうの農家実態というものを知っていただいてどうしなけりゃならないか、どうしてやらなきやならないかということを私は最後に聞いておきたいと思います。  開拓者負債整理に対して町長が訴えられているわけでありますが、「本町における開拓者負債整理対策については、要綱に定める諸手続を完了いたしておりますが、下記組合において必要として認定を受けた特例自作農維持資金については、資金ワク等の関係から、まだ借り入れ手続ができず、年末を控え、計画に少なからず影響をきたしております。何とぞこれが解決に特段の御配慮を賜わりますよう御願い申し上げます。」という手紙が来ておりますが、標茶町の農業協同組合百八十戸のうち七十三件で五億六千九百四十万円。それから標茶町開拓農業協同組合六十五件で一億五千万円。それから弥栄開拓農業協同組合五十八戸のうちの二十九件、一億八千七十万円、茶安別開拓農業協同組合五十八戸のうち二十七件、一億八百万円、合計で約二億三千六百四十万円、これが各プロパーにおけるその借金の実態でございます。そうして、さらに負債総額が全農家千十戸でございますが、二十三億八千九百九十三万二千円、負債総額というのがございます。いま申し上げたのは開拓農民でございます。ですから、一般のほうではございません。開拓に携わっている農家の人は、じゃどれだけあるかと申しますと、五百六十七戸でございます。そうしてプロパー系の借金をかかえている金額が五億四百八十一万四千円になっております。これを五百六十七戸で割りますと、一戸あたりの、プロパーに関係するものだけで、三百三十二万四千円ということになっているわけでございます。これは平均でございますから、一千万以上の借財の人もおります。これは酪農でございますから、金額も張ってはまいりますけれども、そのほかに申し上げるならば、政府資金を借りている融資資金の残が、四億八千九百二万一千円、公庫資金等のものを入れますと、十一億五千三百十九万六千円、その他の制度資金、これは組合員で担保に入れて借りているやつですが、これなんかでも二億四千二百九十万一千円、そうして、先ほど申し上げました個人の借金も入れますと、プロパーのものが五億四百八十一万四千円でございます。こういう実態の中で、今回の冷害を受けまして、まことにその被害総額にしましても、二億七千三百六十四万五千円ということになります。この町の一年間の一般会計の財政構成というのは、まことにお粗末なもので、町税が約一億五千万、交付金が五億三千万円というところで、被害額から考えていきますと、まことにこれから先一体どうしたらいいだろうか、八百頭の牛を売らなかったならば、町はもっていけない、町民ももっていけない、こういうふうな実態でございます。こういうふうな面からいきまして、もっと私は時間があれば、もっと詳しく実情——飼料、作物状況、これから来年に対する再生産の資材、それらに対して手が出ない、お金がないから。手を差し伸べて買うこともできない。その手を差し伸べるのは政府じゃなかろうか、こういうふうな、その組合から借りている金額を今度は低利な自創資金の金利でもいいから切りかえてもらえないだろうか、いま一割二分の利子を農協に納めている、こういう実情だ、少なくともその特別の自創資金、維持資金ワクに切りかえてもらえば、少しでもこの生活が保たれるんだが、何とか救済の方法はないだろうか、こういうふうな農民の声を聞かれたならば、私が申し上げましたように、この第二条四項三の年三分以内とか、それを二分以内に考えてあげるとか、あるいは開拓者の五分五厘を三分五厘にしてあげるとか、せっかく六分五厘を五分五厘にしたという考えのもとの上に立てば、私は当然うなずけるじゃないかというふうに思うわけですから、一つ実態を申し上げてお考えを伺って私の質問を終わりたいと思います。
  85. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) いまるる実情を、具体的な例をお伺いいたしましたが、確かに開拓の場合は、特に北海道における開拓農家、しかも酪農を基盤としておる開拓農家が、資本装備に相当大きなものをかけておって、借入資本というものが大きくて非常に困っておるということは確かにわかります。ただ、自作農資金にいま切りかえろというようなお話もいまございましたが、これも自作農にも開拓ワクというものもございますし、そうした面でひとつめんどう見れるものならばめんどう見ていくとか、ひとつ考えていきたいと、かように思います。  なお、いまの標茶町でありますか、その実態については、詳細私はいま存じておりませんので、なお調査をいたしまして、実情に沿うような方法を講じてまいりたい、かように思います。
  86. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これは標茶町ばかりではございません。北海道の根釧原野、そこで酪農に携わっている実態というのはほとんど変わりはございません。ただ一例を、時間がないために一つの町の内容を申し上げただけでありまして、全体の実態というものは、私の申し上げるよりもっときびしいものが多うございます。その点を踏んまえられて、いまの政務次官のおっしゃられたことを農民はどんなに心強く受けとめていくかということを希望を持ちまして、私の質問を終わりたいと思います。
  87. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) ちょっとことばが足りませんでしたが、標茶町のみならず、北海道開拓全般について、いま自作農資金の開拓ワク等についても強い要請がございますので、十分考えていきたいと、かように思っております。
  88. 塚田大願

    ○塚田大願君 時間もあまりありませんので、私は時間内ではなるべく質問を終わりたいと思いますが、このたび提出されましたこの改正法案は、幾つかの前進面もあるかと思うのであります。そういう点は評価もできると思うのでありますが、しかし、被害農家の立場からいきますと、まだまだ非常に不十分である、こういう声を聞くわけであります。そこで、幾つかの質問をしたいと思うのでありますが、やはりただいまもお話がございましたが、いま農家が一番困っている問題は、固定負債の問題、借金がどんどんふえるばかりだ、その元利もなかなか払えない、北海道の酪農家の場合には特にその金額がかさんでおる、それだけに非常に苦しいというのが実態だと思うのであります。そこで、やはりこの固定負債の問題を解決するということが今日、日本の農家経営を改善し、また、日本の農業の発展に資するものではないかと考えるわけでありますが、そこで、いま問題になりました負債の利息の問題、これはやはり非常に大きい問題だと思うのであります。このたびの改正案では、六分五厘を五分五厘の資金にしたという前進面はございますが、しかし、やはりこの根本的な対策といたしましては、天災資金全体の利息を思い切って下げる、私はそれ以外にないんじゃないかと思うのであります。ものの考え方から言いましても、天災融資に利息をつける——先ほどゼロにしろという御意見もありましたが、むしろ根本的に考えればそういうことだと思うんですね。助けるんだから、それに利息をつけるというのはむしろおかしいわけです。無利子であって決してふしぎはないわけです。しかしいまの現行制度では、なかなかそう簡単にもまいらない、まあそういうことはあると思いますので、私は先月の農林水産委員会で赤城農林大臣に質問をいたしました。赤城さんは昭和三十九年にやはり農林大臣をおやりになっているときに、二分資金にしたいということをおっしゃった、その後昭和四十年に三分五厘の資金が三分になって今日にきた、こういう経過がある。しかし、それからまた六年も七年もたっているのでありますから、もっとこの三分資金を二分資金にする気持ちはないのかと、こうこの間質問いたしましたら、これは検討していくつもりだと。「私も確かに三十九年のときに二分資金ということを申し上げました。だからこれは今後検討いたします。」ということも言われておりましたので、その後私は農林省でもいろいろ検討されたのではないかと思うんですけれども、もし検討されたならば、その項目あるいは問題点、どういうことを検討されたのか、それをひとつお聞かせ願いたいと思うわけであります。
  89. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 農林水産委員会で御指摘のような問答があったことは、私もその場におって承っております。その後今回の御提案を申し上げるにあたりまして、関係の役所とも種々検討いたしたわけでございます。しかしながら金利の話は、国の全体の金利体系との関連がございまして、今日の営農実態から、当面急を要する借り入れワク拡大の問題が急務であろうという判断に立ってこの提案を申し上げたわけでございまして、借り入れワクをふやしますと、この返済の額もふえるわけでございます。しかしながら、これは農家経済調査等でも十分精査いたしまして、現金経営費等が三十八年から四十五年までに約二倍にふえております経過は、農家経済余剰もやはりほぼ同じような率で伸びておるというような形もございまして、私どもといたしましては、今回五分五厘の適用範囲を広めるということで、利子負担の平準化をはかるということで、当面の要請にかなりこたえ得るものと判断して、このように御提案した次第でございます。
  90. 塚田大願

    ○塚田大願君 ところが、やはりこれはこれなりに私どもも皆さんの努力を評価いたしますけれども、やはりこの程度では、ほんとうに困った農民が、せっかく貸し付け限度だけは引き上げてもらった、しかし利息を考えると、そう簡単に借りられない、こういう矛盾にやはりぶつかるわけです。せっかくこの貸しつけ限度を引き上げられたんですから、やはり仏をつくったならば魂を入れるという立場から見ますと、やはりもう一つこの金利問題を考えていただく必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。まあ、この問題はいまもだいぶ質問も出ましたから、これからのやはり課題として考えていただきたいということをつけ加えて次に進みます。  もう一つの問題は、やはり償還期限の問題であります。御承知のとをり、この天災融資は六年以内の償還期間であります。ところが、今回の改正案ではこの償還期間の問題については全く何もないわけであります。この六年間というのはやはり自創資金あるいは近代資金償還期限に比べますと、やはり非常に短いのではないか、六年間というのは。確かに考え方からいって、この資金の性格から言いまして、これは経営資金だと、だから短期でいいんだと、こういう考え方に立っているようでありますけれども、しかし、経営資金だから六年間で返さなければならないという理由はないんじゃないか。やはり天災でありますから、いろいろそこには困難な事情を見なければならない。そうすれば、やはり六年というのは少し短いんじゃないか。十二年あるいは二十年、いわゆる施設資金並みの期限をつけてもおかしくないんじゃないか、私はこう考えるわけです。私あまり専門でありませんので、詳しいことはわからないのでありますが、ヨーロッパなどで聞きますと、土地資金などは百五十年くらいの期間がある国があるということを私聞いておりますけれども、専門家の皆さんよく御存じだろうと思うんですが、百五十年というと孫子の代、ちょっと永久に借りるというふうなそういうことになるんじゃないかと思いますが、そういうヨーロッパ並みにしなくとも私はいいと思うんですが、とにかくこの六年というのを少しもっと延ばす考えはないのかどうか。そしてまた、それが可能であるのかないのか、その点をお聞きしたいと思います。
  91. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 先生の御指摘の中にもございましたように、いま農業関係融資は幾つかございますが、それらの融資をそれぞれの性格に即して償還期限等についても考えておるわけでございまして、土地の取得というような場合には、非常に長期の資金としてこれを考える必要がございます。あるいは畜舎、あるいは大家畜の導入、あるいは大型ビニールハウスの建設、あるいは漁船の建造、それらのそれぞれ投資いたします生産のための手段、それの償却の年限、あるいはこれから期待できます所得と申しますか、収益の見通し、こういうものからそれぞれ償還年限を考えておるわけでございます。したがいまして、天災資金よりも長い償還期限のものが農業金融の中にあること、御指摘のとおりでございます。この天災の場合には非常な災害を受けた場合の立ち直りのための資金でございますが、どこまでもこれは次年度以降の本来の業務に即してこれを貸していくということで、災害を受けました年の翌年の仕事に取りかかるための経営資金、これの現金部門、これを間違いなく融通できるようにしようという配慮でございますので、やはりこれは五、六年という間に回収されるような姿でないと困るわけでございます。ただ、不幸にしてそうならない場合があるわけでございますけれども、こういうものにつきましては、天災資金償還期限を延ばすということではなくて、結果的にその経営が遭遇いたしました姿に着目いたしまして、たとえば、自作農資金といったようなものへの転換をはかる等の措置が別途必要であろうと考えますが、天災資金農業の場合には経営資金融通という観点でございますので、ただいまの制度のような償還期限の中でこれが償還されることを期待しておるわけでございます。
  92. 塚田大願

    ○塚田大願君 いま、天災資金の場合には経営資金だから、償還期間は短いけれども、実際に困っておる人には自創資金で何とか振りかえて解決していくのだ、こういうお話がございましたが、そこで一つお聞きいたしますが、今度天災融資のほうは変わったわけですが、この自創資金のほうは、天災資金貸し付け限度が上がったのですから、当然振りかえるということになりますと、自創資金のほうも引き上げていかなければならない理屈になると思うのですが、これは引き上げるおつもりがあるのかないのか。そうしてまた、もし引き上げるとすれば、いつごろ引き上げをされる予定なのか。その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
  93. 大河原太一郎

    政府委員大河原太一郎君) 自作農資金について御質問でございますが、道側からも強い要望がございまして、天災融資法法律事項でございますので、今回御審議を願っておりますが、公庫の業務方法書等で限度を引き上げられますので、その引き上げについて可能な限り現地の御要望に即するような形で結論を得たいと思いまして、ただいま努力中でございまして、早急にその引き上げについて成案を得たいというふうに考えております。
  94. 塚田大願

    ○塚田大願君 早急というのはいつごろですか。
  95. 大河原太一郎

    政府委員大河原太一郎君) 天災融資法の今回法律を可決していただきますと、それについても、来週末までにはその準備を整えたいというふうに考えておりますので、諸施策あわせて結論を得る必要がございますので、それを目途にいたしまして結論を得たいというように考えております。
  96. 塚田大願

    ○塚田大願君 わかりました。そういうことも考えて、この償還期間の問題は、今回の改正案には提案されなかったようでありますけれども、その問題、それはそれといたしまして、やはり基本的に考えるならば、借金の返還の期間というもの、この天災資金というものの償還期間というものは、やはりもっと余裕を見て、ほんとうに天災に対する援助の手を差し伸べるという精神を私は発揮しなければいけないのではないかと思うので、長期低利の融資制度というものを、この辺でやはりひとつ考えてみる必要があるのじゃないか。特に固定負債がだんだん焦げつきまして、実際には払う意思はあまりない、しかし、制度があるのだから金は借りられるだけ借りておこうと、こういうようなことを繰り返していくことは、決して賢明なことではないと思うので、やはりこの辺でただ自創資金に振りかえればいいだろうというような考え方でなくて、固定負債を解消するための長期低利の特別金融制度、こういうものを私は考えてみていいのではないかと思うのですが、この点は政務次官からひとつお答えを願いたいと思います。
  97. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) 長期低利のものをもっと考えてもいいのではないかというお話でありますが、天災融資法にかかわる融資については、先ほど来申し上げておるとおりであります。また、自作農資金につきましても、いま官房参事官から御説明を申し上げましたように、現地の要望の線に沿うように、いま最善を尽くしております。   〔委員長退席、理事松永忠二君着席〕 もう実現可能な限りとにかくやるつもりでおります。こういうことで、大蔵省と折衝を続けておるところでありますから、御理解をいただきたいと思いますし、まあ一つずつ、何もかも一挙にというようになかなかまいらないむずかしい問題がありますが、しかし、先ほど来お話出ておりますように、固定負債が非常に多い、そういうこともやはり考えるべきだということで、実は既往借り入れ金——すでに借り入れをしておるものについて、相当大幅な実情に合う条件緩和措置をしていくべきである、こういうことで、このたびも従来よりは一歩前進をさせまして、なるべく簡便にしかも的確に、被害程度に応じて、固定負債、既往借り入れ金の条件緩和措置ができるように条件緩和のタイプというものをつくらせまして、そうして、なおまた受託金融機関等の専決の範囲も考え直させまして、そういう措置を講じようとしておる、こういうことでありますので、実情に合った形で一歩ずつ前進をしておるということだけは、ひとつお認めをいただきたいと思うのであります。
  98. 塚田大願

    ○塚田大願君 農林省の努力は大いに多とするわけでありますが、やはり今日非常にこの切迫した情勢にございますから、その点はひとつ今後とも大いにがんばっていただきたい、こういうふうに思うわけです。そこで、せっかく今度この改正が行なわれましてまあ参議院で可決されれば、これは法律になるわけでありますが、そこでお聞きしたい問題、実際的な問題があります。それはせっかく法律が、いい法律ができましても、その適用が迅速に行なわれませんと、実際画にかいたぼたもちといいますか、仏はつくっても魂が入らないというようなことが間々あるわけであります。実際地方に行って聞きますと、天災融資法適用を受けてありがたかった。しかし、金がなかなか手に入らないで困っているということをよく聞くわけであります。そこで一体この法律が、天災融資法適用してそして金を貸すまで一体どのくらいかかるのか、そういうこのシステムといいますか、手続といいますか、それが一体どうなっているのか、また、そういう現行のシステムでは実際に敏速にいかない面があるのかどうか、だとすれば、そういうシステムを変える必要がありましょうし、その辺をひとつ聞かしていただきたい。特に北海道は御承知のとおりもう雪が降っております。この夏は災害冷害を受けたのでこの正月はせめてまああたたかい正月を送らしてやるというのが政府の責任ではないかと思うのですが、実際にこの法律適用されて、そして実際に現地の農民に金が渡るそれまでのこの時間といいますか、どんなふうなぐあいになっているのか、その辺の見通しもひとつ教えていただきたい。   〔理事松永忠二君退席、委員長着席〕
  99. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) こまかいことは局長から答弁させますが、なるべく早く、これはまああしたの本会議で参議院お通しいただけるのであれば、なるべく早く手順を踏みまして来年早々、来年と申しましてもすぐでありますが、早々にはもう実際に現金が行き渡るように、その辺に目標を置いてひとつスピードをかけていきたいと、こういうふうに考えております。  手続きにつきましては局長かち答弁させます。
  100. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) 天災融資法発動並びに激甚災の手続きにつきましては、先ほど官房参事官も申しましたように、来週末を目途にその手続を急ぎたいというふうに考えております。そういうことで、国の方針が明示されましてからなぜ若干の時間がかかるか、最大のポイントは、実は各市町村を通じまして被害の認定のあらかじめの準備はもうどんどんやらしておるわけでございますけれども、この仕組みは利子補給それから損失補償契約というのがそれぞれついております。これをただ大ざっぱに国のところだけでやっておくというわけにはまいりませんので、それぞれの融資機関と地方自治体の間にそれぞれ利子補給並びに損失補償についての契約が必要でございます。それぞれの地方自治体においてはやはりこれを地方自治体の議会における議決を必要とするというわけでございまして、それぞれにできるだけ準備を急いでおりますが、やはり方針が確定いたしまして、いま申しましたような利子補給にかかわる経費の予算上の承認、あるいは損失補償契約の承認、こういったような手続を踏みましてそれぞれ農家別に資金が渡るようになりますためには、政令が公布されましてから早くて二カ月、おそい場合には四カ月程度かかっておるのが従来の例でございます。ただ北海道庁におきましては、特に今回非常に早くから諸般の準備を急がせておりますし、できるだけそういう面からの事務日数を短縮するように国ともども努力してまいる考えで現地もおるはずでございます。私どももできるだけそういう点については指導をいたしたいというふうに考えております。
  101. 塚田大願

    ○塚田大願君 いまのお話ですと、大体適用がきまってから金が手に入るまでに二、三カ月でいいようなお話でありましたけれども、実際はそんなに早くいったためしはないんじゃないですか。大体半年かかる。まあ、いま言われましたような市町村長の認定であるとか、議会の議決であるとか、まあとにかく適用がきまるまでに二、三カ月、それからまた二、三カ月かかってようやく金が入る。ですから大体半年というのがいままでの常識のようだったようですが、しかし、この災害というものはまことに予想外のときにくるわけでして、だからこそこの災害救助というものが必要なんで、それがまあ半年待て、一年待てでは少しお役所仕事にいたしましても少しのんびりし過ぎはしないか、もっと迅速にやる方法はないのか、いまのシステム、仕組みでいくなら、ほんとうに半年かかるのだったら、そのシステムを変える方法はないのか、こういうことを質問しているわけですけれども、その辺もう一回確かめておきたい。
  102. 小暮光美

    政府委員小暮光美君) まあ災害の場合に、たとえば、当面の生活というようなことになりますと、いわゆる飯米の補給とか、そういう臨時応急の措置、もちろんこれはその場でやらなければなりませんが、そのあとに引き続きまして、こういう稲作の場合でございますれば、農業災害補償制度に基づく共済金支払いの問題がございます。  まず第一段には、むしろまとまった金としては共済組合からの共済金が出てくる。これは私もしばしばいろいろな機会に申し上げておりますが、暦年内現金被害農家に渡るようにということを強く末端に指導いたしております。  それからいま申しました天災資金の場合には、さっき申しましたように、それぞれのやはり手続がございますので、現実被害農家の農協の勘定にそれだけの借入の可能なような形に手続が整いますには、二、三カ月ないし四カ月かかるわけでございます。しかしこれは非常に、おことばを返すわけでございませんが、この資金の性格からいいまして、次年度営農を間違いなくやるということのための資金という形でございまして、もちろん金に色はついておりませんから、冬を越す生活の金と翌年の営農資金とこん然一体をなすものでございますが、資金の性格としてはそういうものでございます。たとえば、飯米の安売りといったような直接手から口へというものを援助する仕事と、共済金のこれは必要な場合には前払いもいたしますから共済金を早急に払うという仕事と、それからできるだけ早く個人別には幾らぐらい天災融資で借りられるか、個人別には幾ら期待しているか、このところは決して四カ月や五カ月もかからないで、いろいろ仕組みがきまりますと、できるだけ早くこれを被害農家に明らかにするという努力を別途いたしますから、その上で具体的な金が春の農作業に間に合うように出てくる、こういう形になるというふうに私どもとしては期待しておるわけであります。ただ、御指摘のように、おそらく末端におきましては、私どもの意図どおり必ずしもいかないで、間々事務上問題を生じている点がないとは言えないと思います。そういう点につきましては、なお十分留意をいたしまして、事務の渋滞のために迷惑をかけることが少なくなるように努力いたしたいというふうに考えております。
  103. 塚田大願

    ○塚田大願君 時間も来ましたから私はもうこれで一応質問を終わりますけれども、なお、北海道の場合には救農土木事業などはもちろんやられているはずであるから、しかし、それなども実際に現実には非常に後手後手になって、たとえばせっかくの応急の土木事業も待ち切れなくて出稼ぎに出てしまって、人手が足りなくて今度は業者に下請をさしたというような話もあるわけでありまして、こういういろいろないままでの経験から見ますと、ほんとうにこの天災災害を受けられた農民に対するあたたかい手が必ずしも迅速に伸びていなかったようでありますから、しかし、こういう点をこれからひとつ改めていただいて、ほんとうに今度のこの改正案に盛られた、これはもちろん十分とは言いませんけれども、この精神は私は前向きなものだと思っておるので、ひとつそういう前向きの姿勢を大いに生かしてもらって、先ほどから出ましたように、いろいろな課題、問題点はひとつ早急に解決していただくよう努力を要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  104. 河口陽一

    河口陽一君 ちょっと一点だけ。先ほど同僚委員から北海道災害に対して前向きの御質問をいただいて、まことにありがとうございます。この機会に具体的な一点だけお願いを申し上げておきたいのですが、種の助成についてですが、種について助成を実施されることが決定されておりますが、先ほど農業団体から一品目だけ落ちておるという要請がございましたので、デントコーンの種子の購入に対する助成の要請が落ちておったという要請がございましたので、このデントコーンの種子に対しても助成をするようこの機会に要望申し上げて私の質問を終わります。
  105. 小柳勇

    委員長小柳勇君) いいですね、答弁しますか、政務次官
  106. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) ただいまの御趣旨はよく拝聴いたしましたので、検討いたしたいと思います。
  107. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法及び激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  110. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいま可決されました天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法及び激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案が委員長手元に提出されておりますのでこれを議題とし、便宜私から案文を朗読いたします。    天災による被害農林漁業者等に関する資金融通に関する暫定措置法及び激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律のを部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   本法の施行にあたって政府は、左記事項の実現に努め、被災者の救済に万全を期すべきである。       記  一、今回の北海道中心とする冷害被害が激甚であることにかんがみ、必要な融資枠の確保、被災者に対する制度資金の償還条件の緩和その他、本法の迅速かつ円滑を運用を図ること。  二、各災害融資制度を通じて、被災者の速かな再建に資するため、金利負担の軽減措置等貸付条件の緩和に努めること。    右決議する。  以上であります。  それでは、本附帯決議案の採決を行ないます。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  111. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、佐藤農林政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤農林政務次官
  112. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) 附帯決議をいただきましたが、御趣旨に基づきましてさらに検討いたしたいと存じます。
  113. 小柳勇

    委員長小柳勇君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時四十五分散会      —————・—————