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1971-11-16 第67回国会 参議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十一月十六日(火曜日)    午前十時三十分開会     —————————————    委員異動  十一月十五日     辞任         補欠選任      二宮 文造君     塩出 啓典君     —————————————   出席者は次のとおり。     委員長         小林  武君     理 事                 中津井 真君                 丸茂 重貞君                 山内 一郎君                 田中  一君     委 員                 小山邦太郎君                 古賀雷四郎君                 竹内 藤男君                 中村喜四郎君                 中村 禎二君                茜ケ久保重光君                 沢田 政治君                 塩出 啓典君                 村尾 重雄君                 春日 正一君                 喜屋武眞榮君    政府委員        建設政務次官   藤尾 正行君        建設大臣官房長  大津留 温君        建設省住宅局長  多治見高雄君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        建設省都市局都        市総務課長    小林 幸雄君        建設省河川局次        長        川田 陽吉君        建設省河川局砂        防部長      阿座上新吾君        建設省道路局次        長        吉田 泰夫君        建設省土木研究        所長       伊吹山四郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (川崎生田におけるローム斜面崩壊実験事故  に関する件)  (今期国会に提出された沖繩関係法律案に関す  る件)  (沖繩における道路住宅等建設省所管に関す  る計画及び現況に関する件)  (桐生、佐野、足利等の各バイパスの建設状況  に関する件)     —————————————
  2. 小林武

    委員長小林武君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず委員異動について報告いたします。昨十五日、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として塩田啓典君が選任されました。     —————————————
  3. 小林武

    委員長小林武君) 建設事業並びに建設計画に関する調査議題といたします。  まず、先般の川崎生田におけるローム斜面崩壊実験事故に関する件につきまして、建設省立場から報告を求めます。政務次官
  4. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) ただいま議題にお取り上げをいただきました、先般の川崎生田緑地公園内におきまするローム斜面崩壊実験事故につきまして、多数の死者並びに重軽傷者をお出しいたしまして、まことに私どもといたしましてこれら犠牲になられました方々に対しまして、心からの御弔意を申し上げますると同時に、その責任を十二分に感じておるものでございます。  この実験内容につきましては、私ども責任者でございます砂防部長から御説明をさせていただきたい、かように考えまするので、よろしくお取り計らいをいただきたいと思います。
  5. 川田陽吉

    説明員川田陽吉君) 川崎市の生田緑地公園内の試験地におけるローム斜面崩壊実験における事故につきまして御説明申し上げます。  まず実験概要でございますが、最近の頻発するがけくずれ災害の実態を解明するため、ローム台地におけるがけくずれに関する総合研究と題しまして、昭和四十四年から昭和四十六年度までの三カ年計画研究費約五千五百万円、そのうち昭和四十六年度分は約二千万円でございますが、その予算をもって科学技術庁主管とし、同庁国立防災科学技術センターを中心として消防庁通産省建設省付属機関がそれぞれの課題を分担し、総合研究を続けてきたものでございます。今回の野外実験はその一環としまして科学技術庁国立防災科学技術センター人工降雨によりがけくずれを発生させ、その発生機構解明するため行なったものでありまして、通商産業省地質調査所建設省土木研究所及び自治省消防研究所が参加いたしました。  次に、事故概要でございますが、昭和四十六年十一月九日十五時ごろよりレインガンによりまして散水を開始し、九日約五十ミリ、十日約百ミリ、十一日は約三百ミリを散水いたしましたところ、十一日の十五時三十分ごろがけくずれが発生いたしました。その崩壊は予想を越えた速度と規模で生じたため、実験関係者及び報道関係者二十数名が生き埋めとなり、川崎市、神奈川県、自衛隊等の必死の救出作業にかかわらず、十五名が死亡し、十名が重軽傷を負いました。  事故対策につきましては、十一月十一日に直ちに科学技術庁長官を長とし、関係四省庁で構成する本部を科学技術庁に設置し、川崎市、神奈川県警自衛隊病院等協力により、遺体の収容及び負傷者救出を行なったほか、事後の処理に当たっております。  なお、十一月十二日に総理府にローム斜面崩壊実験事故調査委員会が設けられまして、同日から直ちに現地調査を行なう等、事故原因究明に当たっている次第でございます。
  6. 田中一

    田中一君 知らないって言わんでくださいよ、知っているはずなんだから。この計画はむろん従来のがけくずれその他の事故発生からくる原因究明が主目的でありますが、なぜこの地点を選んだかという点が第一の質問であります。私が聞くところによりますと、この地点を選ぶために相当各所を見た結果、どうしてもここでなくちゃならぬということで、川崎市長に対してこの地点——これは市有地だそうでありましたが、この地点実験の場として提供しろということでありました。しかし川崎市長は、非常に危険があるから困るということで再三再四お断わりしたにかかわらず、圧力的な言動でこの地点実験場として選定したと聞いております。したがって、この地点を選んだという経緯、まず最初にそれを答弁してほしいと思うんです。これは所管科学技術庁であるから建設省は知らないんだということではなくして、これだけの大事件でありますから、それらの経緯というものを、むろんいま警察のほうでも調べておりますから秘密に属することは要りませんけれども、そのような経緯は、当然これは新聞には出ておりませんけれども、これはもう説明していいはずだと思いますから、御答弁願いたいと思います。
  7. 川田陽吉

    説明員川田陽吉君) お答えいたします。  この地点を選んだ理由につきましては、私どもはなはだ申しわけないのでございますが、正確な知識は得ておりませんが、おそらく交通が便利であるというところ、それから関東ローム層がはっきりと出ている地点であるというような理由で選択せられたものと考えております。
  8. 田中一

    田中一君 そうすると、これは国がこの土地を買い求めて、そうして実験場として国有としてこれを行なったということなんですか。それとも、周辺全部個人が持っておって、個人と契約を結んでそれを借りて実験に当てがったというのですか、どっちですか。
  9. 川田陽吉

    説明員川田陽吉君) 国有地として買収はいたしませんで、川崎市の市有地のままで専用許可を受けまして、借用という形で実験に使った模様でございます。
  10. 田中一

    田中一君 私が申し上げた市との交渉の経過というものを説明していただきたいと思います。
  11. 阿座上新吾

    説明員阿座上新吾君) お答えいたします。  今回の実験は、ローム台地におけるがけくずれに関する総合研究という課題で、昭和四十四年から四十六年まで三カ年計画でなされる総合研究でございます。……
  12. 田中一

    田中一君 私はそういうことを聞いているんじゃないんです。あの地点選定したという経緯説明してくれと言っているのです。
  13. 阿座上新吾

    説明員阿座上新吾君) その中で崩壊実験科学技術庁がやることになっております。それから通産省地質研究をやる、それから消防庁消防研究所は水の集取をやる、建設省土木研究所は地形と土質をやるという分担になっております。したがいまして、崩壊実験等につきまして、いま先生がおっしゃいましたことについては詳しくは私のほうは存じていないという立場に置かれておる状況でございます。われわれ、事故発生いたしましてから、非常に詳しい資料を求めたつもりでございますけれども、肝心の点につきまして御存じのような状態でございますので、遺憾ながら満足なお答えができないというような状態でございます。
  14. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) ただいま河川局次長あるいは砂防部長から申し上げましたように、非常に不勉強で申しわけがないわけでございますけれども、私どものほうで現時点におきまして、その土地選定並びにその選定使用に至る間の交渉経緯等々について詳しい勉強ができていないようであります。そこで私が責任を持ちまして、きょうじゅうにもこれを調べさせまして、委員長並びにお手元にお届けができるように処置をいたしますから、ひとつ暫時の御猶予を願いたいと思います。
  15. 田中一

    田中一君 じゃあ藤尾政務次官ことばどおり委員長手元に届いたらお渡し願いたいと思います。  次に、かかる四省の研究ということになりますと、少なくとも山で、がけの上でありますから、がけの上から、上から見るところの崩壊の実況を調べるとか、あるいは側面、背面——前面テレビで拝見しましたけれども、あらゆる見地からカメラでも据えて、カメラといいますか八ミリでも据えて、そしてしさいに検討されなきやならないものだと思うんです。現象というものは、われわれも知っております。自分でぶつかったこともあります。しかし、それがロームの中でどういう形でくるかということは、十台でも十五台でも映写機を据えて、状況調べなければならぬと思うのですが、それはそういう研究建設省の分として行ないましたかどうか。また、建設省としては、一カ所くらいじゃとうていこんなものは間に合うものじゃない。多角的な条件で崩壊がくるものでありますから、その点の準備はどういう形にしているか、詳細に説明願いたいと思います。
  16. 川田陽吉

    説明員川田陽吉君) お答えいたします。  崩壊実験の測定にあたりましては、向かって、つまり山の斜面から見おろした場合の左側のほうに観測小屋を設けまして、そちらのほうに建設省職員がつきっきりで観測をいたしておりました。それから斜面から向かいまして右側と左側に、それぞれやはり建設省職員観測担当いたしまして、メモモーションカメラによる崩壊の実情の撮影というような仕事をやっていたわけでございます。両側とそれから観測小屋と三地点で測量、撮影、計器の目盛りを見るというような作業に従事いたしておりました。
  17. 田中一

    田中一君 建設省は、三地点から撮影したと言う。それでは通産省並び自治省消防庁その他の観測はどういう形で行なったか。これも政務次官のほうからひとつ詳細に御報告願いたいと思います。  次に、この計画を立てたのは四省からの意見をまとめ、その上科学技術庁実行計画というものを立てたのでありますか。それとも、科学技術庁主管であるから科学技術庁が独自の計画を立てたのか、その点を、これもいまここで答弁を求めるのはなかなかあなた方も困ると思うから、これも政務次官ひとつお調べを願いたいと思うのです。  次に、この計画を実施した担当請負人コンサルタントかだれかわかりませんけれども、この会社内容、この会社資本系統、この会社における技術者保有量、それからこの実験に用いたところの費用、直接そのコンサルタントとか何といいますか請負人か、これらに対する措置をひとつ。それからどういう経緯でその施工者選定されたか、あるいは入札なんという形式じゃなくて、特命でおそらくやったものだと思いますけれども、そういう経緯もひとつ、それもお調べを願いたいと思います。
  18. 阿座上新吾

    説明員阿座上新吾君) ただいまの、田中先生の御質問でございますが、このたびの実験は全部直営でございます。
  19. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) 田中先生の御指摘のとおりの報告書を出させていただきます。
  20. 田中一

    田中一君 直営というと、その働いている技術者並び労働者は、建設省あるいは自治省あるいは科学技術庁で持っている人を用いたということですか。それとも施行するのに、施工者はどこでこの計画を立てたのですか。あなたが言っているのは、直営でやりましたと言っている。しかしその企画はどこで立てたのですか。企画というのは、実験を行なうのにたとえば土量がどの程度、まあ雨量はレインガンで放射したのですからそれはわかります。それらの仕事も全部直営がやって、そして土どめとかなんとかも全部直営でやる。それから、ここまでしか崩壊しないであろうというその推定した計画そのもの立案したのはどこですか。
  21. 阿座上新吾

    説明員阿座上新吾君) 土どめ等のくい打ちにつきましては、請負に出しているようでございます。まことに申しわけございません。あとで調べましていたします。  それから、先ほど申しましたように崩壊総合研究については四省共同でございますけれども崩壊実験科学技術庁担当になっております。したがいまして、崩壊実験に関する計画は、科学技術庁のほうで行なったわけでございます。
  22. 田中一

    田中一君 私は、科学技術庁にそうした実験を行なうだけの直接の技術陣がいるとは思っておらないのです。したがって、だれかにこれは委嘱したに違いありません。土木コンサルタント相当、数百業者おりますから、どこかに頼んだのじゃないかと思うのです。これはこうして大事故を起こし、人為的な一種の殺人でありますから、これは司法当局が動くのは当然であります。したがって、その辺の究明が一番注目されるわけなんです。かりにそれは科学技術庁が第三者にそれを依頼して計画を立った、立案したということならば、これもあり得ると思う。しかし責任はどこにあるのかということになるのです。建設省はそれは知らぬらしいから、これはいま藤尾政務次官が言われているように、それは後刻御報告願います。  もう一つ。この実験成功したと思いますか、不成功に終わったと思いますか。むろん集中豪雨等で地盤がことにローム層でありますから、崩壊は必ず起きるんだという前提でやったと思うのです。それは建設省としては大成功であった、それ見ろ、十五人も人を殺したじゃないか、それ見ろ、これは大成功だ、こういう自己評価をしているか、その点はどういうぐあいに考えますか。これはあなた方が人為的にこれを行なったものであって、自然はもっとこわいんだぞという証拠がとれたという評価をしておられるか、あるいはこういう事態を招いたということは自分たち自分たちというのは四省ですよ、四省は的確な計画を立てなかった、同時にまた、砂防部にしても、全国どこでも起きる現象というものなんです。その基礎的な調査立案ができておらなかったということなのか、その辺の評価はどう考えますか。ひとつ砂防部長率直に言ってごらんなさい。
  23. 阿座上新吾

    説明員阿座上新吾君) お答え申し上げます。  ただいま調査資料すべて没収されている関係でございまして、私どものほうに一切の資料が入っておりませんので、申しわけないことながら……。
  24. 田中一

    田中一君 これは何も調査とかなんとかの問題じゃないんですよ。かかる事故が起きてはならないから実験をしたんでしょう。実験をしてそういうものを未然に防ごうと思ったのでしょう。逆説言えば、幸いに大事故が起きたから、この重要性相当認識されたという評価をしているかどうかということなんです。皮肉な質問でありますけれども、これはやはりポイントなんです。良心ある技術家はむろん災害を避ける意味企画が完全に立たなきゃならない、立案されていなきゃならない。しかし無謀に近い計画でもってこういうことを行なったということ、これは当然反省しなきゃならぬ。しかし効果としては貴重な効果であったというような評価をしているかどうかということを——皮肉に質問しているんじゃないのですよ、真剣に聞いているのです。
  25. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) それは技術的な問題でございますから、私どもお答えを申すべき立場じゃございませんけれども、しかしながら御指摘のとおり、今回の千葉県の災害その他関東におきまする雨によりまする関東ローム層崩壊、それによりまして、多数の事故が起こっております。私どもといたしましては、鹿児島、宮崎等シラスに対しまする実験というようなものは、過去においてやっておりまするけれども、残念ながら関東ローム層に対しまする十二分の調査ができていなかった、こういうようなことで、これは私も災害特別委員会でもお答えをさせていただいたわけでございますけれども、それに対しまする科学的な調査をやってまいらなければならぬ、かような意味合いで私どももやらなければならぬ、こういうことで私どもだけでなくて、これは通産省地質研究所におきましても、あるいは科学技術庁防災研究所におかれましても、あるいは消防庁その他におかれましても、それぞれの立場からやらなければならぬことだ、こういうことで一連の勉強を、実験を積み重ねておられたのだ。したがいまして、今回このようなまことに申しわけのない事故を出してしまった、これにつきましてはほんとうに悔いても悔い足りない問題がございますので、これは私どもの趣旨が間違っておったということではございませんので、その立案実験その他に対しまする十二分の措置ができていなかった、非常に粗漏であったということであろうと考えます。結局、この事故が起こりまして、かような多数の犠牲者を出したということにつきましても、私どもは何ともはや、これに対しまして御弁解をする理由もございませんし、ただただひたすらに御弔意を申し上げ、おわびを申し上げるということ以外にないのでございまするけれども、この関東ローム層に対しまする雨が、これくらいの量に達しますとこれくらいの被害が出てくるのだということを天然自然によりまして非常に大きな一大痛棒といたしまして警告を受けた、かような受け取り方をさせていただく以外にないと思います。したがいまして、このいかなる地点、いかなる経緯によりましてこの事件発生をしたかという究明は、徹底的に究明をさせていただきまして、この事故がひとつ将来にわたって生きてまいりまするように、この事故一般関東ローム層方々の将来の被害の絶無を期し得られまするようにひとつ期してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  詳細な技術的な問題につきましては、これまた究明のされ次第、明確な科学的な、技術的な立場からの御報告書を差し出させていただきたいと思います。  どうぞかようなことで、御答弁にかえさせていただきたいと思います。
  26. 田中一

    田中一君 同感でよくわかります。わかりますが、おそらく、私のこれは推定ですよ、建設省はこの実験に対しては非常に大きな、積極的にあそこの地点でやろうというように意欲的なものがなかったのじゃないかと思うのですよ。私はそう思うのです。またこれも推定です。科学技術庁が独走した形が多少あるのじゃなかろうかという気がするわけなんです。というのは、きょうも新聞を見ると、科学技術庁長官は、これは責任をとらないでいいんだというような形の新聞記事がどの新聞か出ておりました。かりにそんなものであるならば、今後も科学技術庁というところにまとめないで、各省責任を持ってやるということにならざるを得ないのです。そういう実力を持っている建設省なんです。ことにそれらの法律施行面の監督は、建設大臣が行なっておるのです。したがって今後そうした意味行政一種行政というもののあり方に対して再検討されなければならぬのじゃないかと思うのです。もっときびしいものです。全然関係のない人間、そうして後のテレビを見ますと、おそらく死の瞬間までカメラを離さないで撮影し続けておったというような現象も見られておりますが、ただ砂防部建設省のほうでは二台か一台かの観測機でもって、映写したといいますが、ほかはどうなっているか。この一応事件が済んだら、各省が持っている撮影機、フィルム残っておるでしょうから、それから観測者たち自分の取り扱ったそれらのものを、われわれに委員会でもってひとつ見せていただきたいと思うです。そのことをひとつ政務次官は約束をしていただきたいと思う。
  27. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) お約束申し上げます。
  28. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 この問題は、一日時間をかけても足りぬぐらいの問題だと思うのです。きょうは主題がまあ別でありますから、またの機会もありますが、一つだけお伺いしたいのは、あの事故があってから一週間近い日時を経ております。さらにローム斜面崩壊実験事故調査委員会もつくっております。国民は一日も早く事故原因なり、まあどうしてああいうことが起こったのかについて不安を持っているし、知りたいと思うんですよ。まあ調査中ということになればこれは何ともいたし方ないですが、調査が完全に終わりませんでもですよ、調査を続けておるんですから、その時点時点で判明した原因なり手落ちなり、あるいは予想しない事態の起こったことに対するもろもろの問題があると思うんですが、そういったものは、現時点であなた方建設省は何らかのそういうものを把握しておられるのかどうか。把握しておられたら現時点におけるそういったものに対する御報告を願いたいし、もしわかっていなければ田中委員の要望とも含めて、早急にやはりもし委員会が開催できないならば委員長でひとつこれに対する具体的な御報告をお願いしたいと、こう思うんです。
  29. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) ただいま田中先生にもお答えをさしていただいたわけでございますけれども、私どもといたしまして、現時点におきまして調査委員会がなお調査中でございますので、この調査をあらゆる関心を持ちましてこの調査に遺憾のないように御協力を申し上げるということが、第一点でございます。そうしてその調査の結果を克明に技術的に解明をいたしまして、その対策を立てるということが、当然の私どもの責務であろうと思います。とりあえず私どもといたしましてはこの事故が起こりました直後、同じく関東ローム層あるいはシラス地帯、こういう地帯に対しまする、もうすでに私どもは痛いほど本年の災害で私ども不備に対しまする天罰を受けたわけでありますけれども、それに重ねてこのような実験の結果思わないほどの大きな犠牲を出してしまった、こういう事態、事実といいまするものを厳粛に反省をいたしまして、いかにこの弱いシラス関東ロームというような地層に対しまして、雨というものがおそろしいものであるかということを認識をさしていただきましたので、直ちに関係各県に知事を通しまして指令をいたしまして、このローム層地帯崩壊がわれわれが思っておるよりも非常に大きなものである。その地帯の直接関係のそのがけ下その他に建てておられる一般民家に対しましては、災害がかようなものにも立ち至る可能性が十二分にあるということをひとつ御認識をいただいて、できるだけその災害の起こらないような地点まで御移動を願えるものなら御移動願いたい。それに対しまして、私どもではその御移動を願う際の融資その他の措置はかようにいたしますということを、通達だけは出させていただいております。もちろん、これをもちましてよろしいというわけではございませんけれども、現在の段階におきましてはとりあえずできるだけそういった地帯関係のところに御住居を持っておられまする国民の各位、これに対しましてそういうことの起こらないように、次善の策を十二分にとらせていただくということに全力を傾けていきたい。そうしてこの技術的な問題の解明、私どものいままでの行政上の不備、そういったものがその間にどんどんと科学的、技術的に解明をされていきましたならば、そのつどそれに対しまして適切な手を打ってまいりたい、かように考えておるわけであります。
  30. 塩出啓典

    塩出啓典君 この報告に「予想を超えた速度と規模で生じた」とありますが、実験の当初計画したその速度と規模がどういう根拠のもとに大体どの程度と予想しておったのかですね、これはこの資料を御提出いただきたいと思います。まあそれに対してどういう計数が違ってこうなったかということは、あとでないとわからないと思いますがね。  もう一点は、崩壊実験計画科学技術庁が立てた、そういうように答弁がありましたが、建設省は地形と土質を担当しておった、そういうようなお話もあったわけでありますが、当然私は崩壊実験においてはその地形とか土質というものの関連のもとに、どの程度の速度と規模でいくかということが計算されるわけで、当然その崩壊実験計画科学技術庁が立てたけれども建設省も当然関与しておったと私はそのように判断をするんですが、いまの御答弁では、崩壊実験科学技術庁が立てて、建設省は関与していないようなことになるが、その点はどうなのか。この点はいまここで御答弁願いたい。  それからこの事故調査はいつごろに終わるめどでやっているのかですね。その三点。
  31. 阿座上新吾

    説明員阿座上新吾君) 第二点の問題についてお答えいたします。  先ほど私御答弁申し上げましたのは、計画がわかるかという意味で、その御質問に対してお答えしたわけでございまして、計画のほうは私のほうで立てたものではないと、こういう言い方をしたわけでございます。総合研究そのものは四者共同でございまするが、別に責任のがれでそういう言い方をしたわけではなしに、御答弁ができないことを御説明に入れたわけでございます。  それから事故調査委員会のほうにつきましては……。
  32. 塩出啓典

    塩出啓典君 いや、実際は崩壊実験にも関与しているわけでしょう、その計画には。崩壊実験そのものには建設省は全然関与していないんですか、そこを聞いているのです。
  33. 伊吹山四郎

    説明員伊吹山四郎君) この実験の打ち合わせば今年二月、科学技術庁からの招集で一回行なわれております。そのときに実験計画書を、科学技術庁の防災センターのほうでおつくりになった実験計画書を、実験に参加しました三名の者に渡され、説明を受けたというふうに聞いております。
  34. 塩出啓典

    塩出啓典君 それから一番の問題、よろしいですか。
  35. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) 御指摘のいろいろな問題に対しましては、冒頭において田中委員お答えを申さしていただきましたように、私どもで詳細に調べまして、これは文書をもって委員長並び委員会に対しましてお答えをさしていただきたいと思います。  それから、第三点のいつごろ調査が終わるのかという問題につきましては、これは調査委員会で現におやりになっておられまするし、その権限内でおやりになられることでございますから、これに対しまして、いつまでにやられるであろうというようなことは、私の口からは申し上げられない、かようにひとつ御了承いただきたいと思います。
  36. 塩出啓典

    塩出啓典君 崩壊実験に対しては、ほとんど計画科学技術庁が立てて、建設省は二月に説明を、でき上がったものを聞いただけで、いまこの文にありますように、崩壊の当初考えた速度と規模についての予想とか、そういう点については建設省は関与していなかったと、そう判断していいわけですね。
  37. 伊吹山四郎

    説明員伊吹山四郎君) この速度と規模につきましては、具体的な数字の検討等につきまして、私現在不十分でございますので、後ほど調べまして御回答したいとかように思います。
  38. 塩出啓典

    塩出啓典君 私、よく意味がわからないのですけれども、結局いまここでは詳細わからない。この報告書に「崩壊は予想を超えた速度と規模」と書いている。これは建設省の文書なんですから、これに書いてあることくらいは、責任ある文書ですから、人から聞いたことばをただ書くのではなしに、いやしくも建設省が書く以上は、少なくともととに出ていることぐらいは、「予想を超えた速度と規模」ということであるのですから、予想とは何か、おそらく単なる第六感的な予想であったはずはないと思いますし、建設省実験における土質と地形等に関与するならば、当然予想の立て方についても建設省が関与しなければこれはできない非常にむずかしいものだと、ぼくはしろうとでよくわかりませんけれども、そういうのにほんとうに建設省が関与していたのかしていなかったのかという、それぐらいのことは、ぼくは数字的なデータをここで出せというのじゃないのですから、そういうことくらいのことは、この報告書を出す以上はちゃんとわかって私は書いていただいたのじゃないかと思いますけれども、そういう意味で聞いたけど、それがわからないというのは、ここに書いているのはいいかげんなことを、たとえば事務屋さんが新聞でも見て書いたのじゃないかという気もするのですけれどもね。そういう点が非常に納得いかないわけですけれども、まあ納得いかないといってこれを幾ら言っても時間もたちますし、それはほんとうにそこまではわからないというならわからないということで、次のまた機会に、いま田中さんからも要望のあった書類とともに出していただきたい。特に予想というのは実験の前にできているものですから、これは別に時間はかからなくても、あしたでも、きょうでもすぐできる問題じゃないかと思うのですけれどもね。それを、だからぼくは早く出していただきたいと思いますがね。
  39. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) 田中先生にもお答えさしていただきましたように、そういうわかっておりますデータはきょうじゅうにもお届けを申し上げます。
  40. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 ひとつお尋ねいたしたいと思いますが、こういった調査報告というのはできるだけ正確を期すということがたてまえだと思いますが、ここで特にその中でも人命にかかわることは最も慎重を期さなければいけない、こう思っております。そういう立場から読んでみますと、生き埋めになった方が「二〇数名」とありますね。これははっきり何名ということを確認できないのですか、できなかったのですか。
  41. 川田陽吉

    説明員川田陽吉君) お答えいたします。  実験概要及び事故概要等につきましては、科学技術庁のほうから、ただいま当委員会に対して提出いたしました資料とほぼ同じ資料をちょうだいいたしまして、それを御報告した次第でございまして、決して私ども新聞等による記事の作文というようなものではございませんので、その旨一応お答えさせていただきます。  それから「二〇数名」というのも、やはりいろいろ生き埋め——ほんとうに腕だけ出しまして埋められた人もおりますし、そうして救出された方もおられますし、それから生き埋めという程度が半身程度どろの中にひたればそれが生き埋めであるのか、頭ごと埋まれば生き埋めであるのかという、そういう仕分けのむずかしさの点から「二〇数名」という、「数名」というあいまいな表現になった次第でございます。建設省職員は幸いにしてけがをした方はおられないのでございます。死亡者もおられないのでございますが、どろだらけになりまして、生き埋めというか半分埋まったというような人も、すぐ自分で立ち上がりまして、腕だけ出して完全に生き埋めになった人を救い出したというような経過がございますので、こういう表現になった次第でございます。
  42. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 こういう瞬間的な予期しない事故の処理というのは非常に困難性もあると思いますが、私は要望を兼ねて申し上げたいことは、「二〇数名」というこの表現そのものが何か非常に事務的な形式的な報告書のような気がいたすのですね。人一人の命は地球より重いといわれておるこの大事な人命の問題、一応何名埋まった、あるいはどの程度埋まった、そうしてそれが死亡か、重傷か軽傷か、このようにはっきり明確に調査し、それを数字にあらわしてもらわないと、何か「二〇数名」ということばから受ける感じは、非常に人間の命が粗末にされておるような印象を受けてならないのです。そういうことは、あながち私一人の感じではないと思いますね。そういう点、ひとつ微に細にわたって最善の努力をはらって、たとい科学技術庁報告がどうであろうが、それを逆に皆さまの立場から、これはどうなのか、あれはどうなのか、こういうことでひとつこまごまなだれが見ても納得のいくデータを出して報告をしていただきたい。これは今後にもなりますので、強く要望を申し上げておきたい。
  43. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) まことに喜屋武先生の御指摘のとおりでございまして、つつしんで私どものただいまの報告の態度、そういったものにも大きな不備があるということをこの際おわびを申し上げ、今後かかる報告書の作成につきましては、私ども省をあげ、政府をあげまして、仰せのとおりの人命尊重ということに立った立場から報告をさしていただくということをお約束をさせていただきます。まことにありがとうございました。
  44. 小林武

    委員長小林武君) 本件につきましては、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  45. 小林武

    委員長小林武君) 次に、本国会に提出された沖繩関係法律案のうち、建設省所管部分につきまして建設省より説明を求めます。藤尾政務次官
  46. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) 今回この沖繩の返還協定というものに伴いまして、この沖繩の返還に伴いまする関係法案を一括をいたしまして御審議をお願いいたすために、臨時国会を開催をさせていただき、御審議をお願いをいたしておるわけであります。  その中におきまして私どもは、沖繩振興開発特別措置法案という法案の中におきまして、私ども建設省といたしましては、沖繩におきます道路、河川、あるいは港湾、海岸、住宅、あるいは都市計画等々、国土保全に伴います非常に大きな仕事をこの法律案の中でいろいろと考えさせていただいており、御審議願うようにお願いをいたしておるわけでございます。どうかこの法律案に対しまして、委員会の各先生方の御懇切なひとつ御審議をお願いをいたしたいと存じまするが、その内容につきましては官房長からただいま説明をいたさせたいと思います。御了承願います。
  47. 大津留温

    政府委員(大津留温君) お手元に差し上げました沖繩関係法案要旨という資料に基づきまして御説明申し上げます。  関係法案は御承知のように七件ございまして、一ページに書いてあるとおりでございます。内容に入らせていただきます。  まず、沖繩振興開発特別措置法案でございますが、この法律は、沖繩振興開発計画を策定いたしまして、これに基づきまして各種の振興事業を推進しよう、それによりまして、沖繩の振興開発と住民福祉の向上をはかるという目的で定めようとするものでございます。  この振興開発計画は、沖繩県知事が原案を作成して、これを政府に提出し、内閣総理大臣が、沖繩振興開発審議会の議を経て、関係行政機関の長と協議のうえ決定するという手続きに基づいて決定されることになっております。その中身といたしましては、産業の振興開発、道路、港湾、住宅等の社会資本の整備、国土保全等につきまして定めることとし、これは十カ年を目標として達成されるように定められることになっております。  この振興開発計画に基づきます事業並びに沖繩災害復旧事業につきましては、本土のそれぞれの規定よりも、国の負担割合または補助の割合を引き上げるという特別措置を講ずることとし、その割合を法案の別表に掲げております。建設省関係では、道路、公営住宅、住宅地区改良、都市公園、下水道、砂防設備、海岸、地すべり防止施設、河川につきましてそれぞれ特例が設けられることになっております。  さらに、振興開発計画に基づいて行なわれます県道もしくは市町村道の新設、改築あるいは二級河川の改良工事、これには多目的ダムの建設を含みますが、さらに維持、修繕につきまして、沖繩の振興開発のために特に必要があるものにつきましては、建設大臣が直轄で行なうことができるということにされております。また同じく振興計画に基づきます基幹的な市町村道等の新設、改築で特に必要があるというものにつきましては、県が直接行なうことができるということにしております。  この法案におきましては、そのほか、沖繩におきます産業、貿易の振興をはかり、雇用の増大に資するために、工業開発地区の指定、自由貿易地域の指定、または電気事業振興のための沖繩電力株式会社の設立、職業安定のための特別措置等について定めております。  次に、沖繩振興開発金融公庫法案でございますが、これは沖繩県におきます経済の振興及び社命の開発に必要な資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通するために、沖繩振興開発金融公庫を設立しようというものでございます。  この公庫は、あとの「3」に掲げております日本開発銀行あるいは住宅金融公庫等の政府機関が行なっております融資業務を、沖繩におきましては一元的に行なうことによって、沖繩の開発を効果的にならしめようという趣旨のものでございまして、全額政府出資により設立され、主たる事務所を那覇市に置くということになっております。なお、この公庫の監督大臣は、内閣総理大臣及び大蔵大臣ということになっております。  第三に、沖繩開発庁設置法案でございますが、総理府の外局として沖繩開発庁を設け、次のようなことを行なわしめるという内容でございます。  その一は、沖繩振興開発計画の作成及びその作成のための必要な調査を行ない、並びに振興開発計画の実施に関する事務を推進すること。振興開発計画の実施に関し、関係行政機関の事務の総合調整を行なうこと。関係行政機関の振興開発計画に基づく事業に関する経費の見積もりの方針の調整を行ない、及び当該事業で政令で定めるものに関する経費の配分計画に関する事務を行なう。すなわち、これは現在の北海道開発庁にならいまして、沖繩振興開発の事業経費をこの開発庁で一括計上いたしまして、関係各省庁に移しかえて実施するという方法をとるのでございます。  この開発庁の長は、沖繩開発庁長官とし、国務大臣をもって当てる。それから内部部局といたしましては、総務局、振興局の二局を置く。なお、現地には、沖繩開発庁の支分部局といたしまして、沖繩総合事務所を置き、振興開発計画に関する事務、それから地方建設局、財務局等々の各省の地方支分部局において分掌しておる事務をここで一括して行なうということになります。この事務につきましては、当該事務の主務大臣がそれぞれこの総合事務局の長を指揮監督するということに相なります。なお、先ほど申しました沖繩振興開発審議会というのは、この開発庁の付属機関ということに相なります。  次に、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案、これは沖繩の復帰に伴いまして、法令の適用につきまして暫定措置その他必要な特別措置を定めたものでございます。これはいろいろ各般にわたっておりまして、沖繩県の知事だとかあるいは裁判の継承、通貨の交換、こういうようなことがいろいろございますが、建設省に関連のあることを申し上げますと、沖繩下水道公社の権利及び義務は沖繩県が承継し、琉球土地住宅公社につきましては、沖繩県が設立いたします地方住宅供給公社とする。それから土地区画整理法及び建築基準法の沖繩への適用につきまして、経過措置としていろいろな特例を設けますとともに、地代家賃統制令は、現に沖繩にはそういう統制がございませんので、これは適用しない。そのほか各種の法令の沖繩への適用につきましての経過措置を政令で定めるということにいたしております。建設省関係の法令では、3に掲げましたもののほか、土地収用法あるいは建設業法等々、二十五件の法律につきまして政令で経過措置を定めることになっております。  次は、沖繩におきます公用地等の暫定使用に関する法律案でございます。沖繩の復帰に伴いまして、現に沖繩におきまして公共用、公用等に使われております土地または工作物に関しまして、新たな管理主体があらためてそれぞれの所有者または関係者と契約を結ぶ必要がございますが、復帰からそれらの契約が制定するのに多少の時間が要するものと考えられますので、その間につきましては引き続き使用し得るという規定を設けようとするものでございます。その対象となります土地または工作物といたしましては、2に掲げておりますように、その一つはアメリカ合衆国の軍隊の用に供されている土地または工作物、これが引き続き自衛隊の用に供するもの及び引き続き米軍の用に供するものにつきまして、そういう措置をするというわけでございます。二つは、琉球水道公社が水道事業等の用に供している土地、三は琉球電力公社が電気事業の用に供しておる土地、四は飛行場等の敷地で引き続き運輸大臣が設置する飛行場等の敷地となるもの、五番目が建設省関係でございまして、一般交通の用に供されているアメリカ合衆国の軍隊の築造にかかる道の敷地である土地で、引き続き道路法による道路を構成する敷地となるもの、これらにつきましては五年をこえない範囲内で政令で定める期間につき使用することができる、こういうことでございます。  さらに、土地の使用につきましての手続、使用に伴う損失の補償、廃止の場合の返還及び原状回復等につきまして定めております。  このほか、沖繩復帰に伴う関係法令の改廃に関する法律案、これはいろいろ復帰に伴いまして、各省の設置法等の関係法令の字句の修正等の整理を要するものにつきましての整理する法案でございますが、これにつきましては、建設省関係の法令は該当するものがございません。  さらに、沖繩の復帰に伴う防衛庁関係法律の適用の特別措置等に関する法律案、これは琉球政府の職員で防衛庁の職員となる者に対する特別の手当の支給、昭和二十七年四月二十八日講和発効以前にアメリカ合衆国の軍隊等により人身損害を受けた沖繩住民に対する見舞金の支出払い、那覇防衛施設庁の設置等、沖繩の復帰に伴い、防衛庁関係法律の適用についての暫定措置その他必要な措置を定めたものでございます。これにつきましても、建設省は直接関係はございません。  以上でございます。
  48. 小林武

    委員長小林武君) それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  49. 田中一

    田中一君 建設省関係資料を出してほしいんですが、これはどういうことになってますか。沖繩関係の特別委員会にどういう資料建設省が出しているか、伺っておきたいのですが、どんな種類の資料が出ていますか。
  50. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 衆議院の沖繩及び北方特別委員会から御要望がございまして、いろんな種類の資料、提出しております。たとえば沖繩道路の現状と復帰後の管理整備の計画、その予算というような項目あるいは沖繩の河川の現状、下水道の現状と開発計画というような項目の御要求がたくさん出ておりまして、とりあえず今日まで数種類の資料を提出しております。
  51. 田中一

    田中一君 その資料、当委員会に出していただきたいと思うのです。いま現在までに、衆議院の沖特何というのか、本家かな分家かな、衆議院のあれは。それに提出している建設省関係資料、とりあえず出してください。
  52. 小林武

    委員長小林武君) よろしいですか。
  53. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) 承知いたしました。
  54. 田中一

    田中一君 あとの質問沖繩委員会でやりましょう。
  55. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 私、七月の二十三日の建設委員会で二、三の問題について質問をいたし、またそれに対して大臣からのある程度の回答もありましたので、それに関連しまして確認をしておきたいと、こう思いまして、二、三お尋ねいたしたいと思います。  それは、七月二十三日の時点で、西村建設大臣は今後の沖繩に対して建設行政を進めていくためにはつとめて沖繩県民の要望に沿いたい、こういった姿勢を示していただいていろいろと御意見があったわけですが、その後西村大臣は沖繩に直接調査にいらっしゃったわけであります。そういった現地を調査されて、それがその後どのように沖繩問題が煮詰められておるか、こういうことで、まず第一にお尋ねしたいことは、水資源の開発の具体的な構想と、それの予算の裏づけですね、予算の裏づけがどのように具体化しておるか、このことについて第一点。もう時間もありませんので、  一応問題点を申し上げてお答え願いたい。きょう大臣がおられればなおよかったと思いますが、やむを得ぬと思います。  第二点は、沖繩の都市開発、市街地の開発は本土の現行法の土地区画整理法で実施していくと、こういう御答弁があったわけですが、それが具体的にその案ができておるのかどうか、そのことを第二点にお尋ねいたしたい。  次に、第三点は、沖繩における道路計画ですね、国道、県道、市町村道、この道路計画が具体的にその後どのように煮詰まっておるのであるか。次に住宅計画ですね、住宅計画がまた具体的にどのように進められておるのであるか。  以上の点と、それからもう一つ、福地ダムの建設ですね。あの時点でも六月には完成するということでしたが、その後の建設状況がどういう状態になっておるのであるか、以上の点お尋ねいたしまして、その後の具体的な煮詰まった計画を御答弁願いたい。
  56. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) 喜屋武先生の御指摘のとおり、大臣は直接みずから沖繩においでになられまして、また同時に局長を全部沖繩にやりまして、地元の御要望を全部取り入れた案を作成せよというきびしい内部に対する御指示がございます。したがいまして、ただいまの御質問の各部門に対しまして、各部局の責任者からそれぞれのお答えをさしていただきたいと思います。
  57. 川田陽吉

    説明員川田陽吉君) お答えいたします。  まずダム事業につきましてでございますが、ダム事業については水自給の逼迫に対処するため、新川ダム、普久川ダム、それから安波川ダムのこの三ダム、それから、との三ダムを相互に連結し、かつ福地ダムと結ぶ調整水路の建設工事に着手することといたしまして、五億五千百万円の予算を計画いたしました。そのほかに、治水ダムといたしまして、これは石垣島でございますが、石垣島に宮良ダムの実施計画調査を行なうこととしております。一番大きなダムであります福地ダムにつきましては、一日平均十万立方メートルの新規給水を目的といたしまして、現在琉球水道公社が米軍工兵隊に委託いたしまして、来年のおそくとも六月には完成させるということで鋭意工事を進めておりますし、逐次河川局から調査団が参りまして工事の進捗等について把握いたしておりますが、現在のところ六月完成ということで、鋭意工事が急がれている模様でございます。  そこで、このような工事によりまして、現在とそれから一九七六年時点の水自給のバランスをいろいろ比較してみますと、現在おおむね一九七一年時点では三十万トンの水需要がございまして、供給能力は若干不足しておりますが、水資源自体は三十万トンでまあ見合っておるような次第でございますが、一九七二年になりますと、福地ダムの完成によりまして自給は四十万トンということでほぼ均衡いたします。それから、一九七六年時点になりますと、安波川、新川、普久川の三ダムが完成いたしますので、この三ダムの完成によりましておおむね二十二万トン水が新たに生み出されまして、総量といたしまして需要五十二万トンに対して供給も五十二万トンということで見合う計画になっております。  また、一九七六年以降におきましては、ただいま申し上げましたダムはすべて東海岸のダムでございます。一九七六年以降はさにら西海岸のほうのダムの建設、大保ダム、辺野喜ダム、田嘉里ダム等の建設に取りかかまして、水自給に絶対不足をかけないような体制で計画並びに予算化をやっている次第でございます。
  58. 多治見高雄

    政府委員多治見高雄君) 沖繩に関します住宅の問題につきましては、従来からわれわれ琉球政府とよく打ち合わせしまして、まあほかの諸問題に比べまして非常に緊密な連絡をとってやっておるというふうに考えております。したがいまして、いろいろな点で琉球政府と十分従来も打ち合わせをしております。先ほど政務次官からお話ございましたように、今回私自身現地に参りまして、いろいろ現地の政府とお打ち合わせしまして、十分こまかい点までお打ち合わせできているというふうに考えております。  そこで、考え方でございますが、まあ御承知のように、振興開発計画で十年の目標というものをお立てになるということになっておりますが、住宅行政立場だけから考えますと、現在、ことしを初年度といたしまする五年計画というのが本土にございます。これに合わせまして昭和五十年度には本土と同じ住宅水準を確保したいということを目標に計画を立てるつもりでございます。
  59. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 沖繩道路につきましては、一般交通の用に供されている軍道、軍営繕政府道、それから一般政府道。この中から本島の交通幹線となるべき道路、これを国道として原則としては国の直轄区間として国が直接建設、管理を行なうという計画にいたしております。その延長はいま予算要求中でございます。建設省としては六路線二百七十六キロメートル程度を考えておるわけでございます。国道、県道、市町村道すべてにつきまして琉球政府の原案を極力尊重いたしまして、これを予算要求いたしておるわけでございますので、これによりまして、明年度以降計画的に道路整備を格段に推進したい。その目標としては今後五年くらいの間に改良率、舗装率等で本土並みにいたしたい、こういうことであります。もう少し具体的に申しますれば、国道につきましては、直轄区間は一次改築は終わっておりますので、あとは交通混雑区間があちこちに見られます。こういうものから優先順位を考えまして拡幅などの短いのをやり、あるいは局部的に線形が悪い、あるいは危険個所があるという個所の改良あるいは側溝の整備、舗道の設置等の交通安全的事業、こういうものをやってまいりたい。  それから、国道のうち沖繩県でやっていただくいわゆる補助国道につきましては、一号線の辺土名から北側に向かって、現に琉球政府で復帰記念事業として行なっております区間をさらに進めたいと思います。  それから地方道につきましても、当面復帰記念事業として行なっております本島の東海岸の十三号線、あるいは離島におきます循環線として計画されて実施中のもの、こういうものを進めまして復帰記念事業につきましては離島関係は四十七年度中、本島関係も四十八年度中くらいに完了するようなスピードで進めてまいりたい。その他立ちおくれの著しい交通安全施設につきましては、各道とも大幅に推進したいと考えております。
  60. 小林幸雄

    説明員小林幸雄君) 区画整理につきましては、先ほど官房長から御説明申し上げました沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案の中におきまして、経過措置に関する規定を設けております。第一点でございますが、御承知のように一九七〇年七月一日の琉球土地区画整理法に基づくものと、一九五三年八月十七日の都市計画法に基づくもの、この二つが区画整理事業として現在沖繩で施行されておるわけでございます。  そこでまず琉球土地区画整理法でございますが、これと本土の土地区画整理法はほぼ同様の規定でございますので、沖繩土地区画整理法によります土地区画整理事業は、本土の土地区画整理法による相当土地区画整理事業とみなしまして、これに伴う沖繩土地区画整理法による処分を本土の土地区画整理法による相当の処分とみなす等の経過規定をとることとしております。  次に旧都市計画法による土地区画整理についてでございますが、これにつきましては本土の土地区画整理法による土地区画整理事業と比べまして、構成組合の設立要件がございまして、土地区画整理審議会の制度がない等の相違点がございますので、沖繩の旧都市計画法の拘束力を存続させることといたしまして、市町村につきましては五年間、土地区画整理組合につきましては復帰後三年間引き続き事業を施行できるものとし、さらにまたこれらの期間内におきましても、所定の手続をとれば本土の土地区画整理法による土地区画整理事業等に移行することもできる、こういうふうな経過措置を講じてございます。
  61. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 国道五〇号線バイパスについて少しお尋ねいたしたいと思います。  御承知のように、国道五〇号線は群馬県の前橋から栃木県を経て茨城県の水戸に至る区間の線路でありますが、その間たくさんの都市を通過しております。したがって、今日のように交通の渋滞が激しいので、バイパス線の継続を計画され、また一部の完成ないしは工事進捗状態——しかし、なかなか思うように工事が進んでおりませんし、まだ路線自体も確定をしてないところもあるように伺っております。これが計画の全貌と今日までの工事進捗状況ないしは路線決定についての実態を、最初にお聞きしたいと思います。
  62. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 仰せのとおり国道五〇号線はきわめて重要な、また交通需要の多い路線でございますので、非常に延長の長い路線でございますが、漸次緊要の個所からバイパスの建設及び逐次それを継続、連続していくというような方法によりまして計画的に進めておる次第でございまして、全線の計画となりますと、なかなか現在のところ計画を策定するための調査中のところなどが多うございまして、これからの問題になりますが、私どもとしては少なくとも桐生市から小山市までの約五十キロの延長の区間について、やはり将来にわたっては全線バイパスを建設して、バイパスのみで貫通させる計画でございます。
  63. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 当面、桐生−小山間ということでありますが、その間、今日完成しているものもあるようであります。完成した部分と、それからすでに工事に着手している部分、そしてまだその間においても路線の決定を見ないところがあるやに伺っておりますが、そういったパーセンテージなりあるいは実際のキロ数なりが判明しておりますならば、それぞれの区間の御説明をお願いいたします。
  64. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 桐生−小山間の現況を逐次申し上げますと、現在、桐生バイパス、足利バイパス、佐野バイパス、これを建設いたしておるわけでございます。  まず、桐生バイパスでございますが、これは全長約十三・五キロメートルございますが、西側の現道からの分岐点笠懸村から国道の一二二号と交差する桐生市の広沢四丁目、この間約四キロはすでに本年四月供用開始をいたした次第でございます。現在はその一二二号との立体交差計画を、工事を実施しておる段階でございます。  次に、この広沢四丁目から東のほうにつきましては、建設済み区間の建設に引き続きまして、本年度から公共事業費によって用地買収に着手しております。これの見通しとしては、現第六次五カ年計画の中で極力事業を推進したいと考えておる次第でございます。  それから次に、足利バイパスが延長約八・六キロメートルについて、現在、用地買収を行なっておる段階であります。この足利市の関係につきましては、足利市当局による用地の先行取得とあわせて、公共事業費による用地買収も進めておる次第であります。  次に、少し離れまして佐野バイパスは延長十二・六キロメートルにつきまして、そのうちの東北縦貫自動車道のインターチェンジ関連区間約八キロメートル、これを特に急いで建設を行なっておるわけでございます。いずれも、今次五カ年計画の中で建設を促進したいと考えております。このうち、佐野パイパスのインターチェンジ関連の部分につきましては、昭和四十七年度には完成いたしたい、その他の部分については、おおむね昭和五十年供用を目途といたしております。  そこで、残ります区間は、足利バイパスと佐野バイパスの中間部延長約六キロと、それから佐野バイパスの東から小山市までの約十キロの区間でございまして、これにつきましては、現在、施行あるいは用地買収中のバイパスの建設に引き続き整備を行なう考えでありまして、現在準備のための調査等を実施している段階であります。
  65. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 大体、この桐生−小山間の完成は、五十年度に予定をしているということですね。
  66. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 桐生バイパス、足利バイパス、佐野バイパスの区間は、五十年を目途にしておりますが、先ほど申し上げました足利−佐野間の六キロ、佐野−小山間の十キロにつきましてはさらに若干おくれるかと存じます。
  67. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 バイパス建設、主要な都市の周辺は早くやっていらっしゃるようですが、私けっこうだと思うのです。しかしそこが早くできましても、やはり他の部分ができませんと、さらにそれが五〇号に入ったりしますと、結局渋滞が解消できないということですね。もちろんいろいろ関係もありましょうからやむを得ぬ点もありましょうけれども、どうも私ども建設省仕事を見ておりますと、これはいろいろな条件もありましょうから、いま申しましたようにやむを得ぬという点もあるやに存じますけれども、あちこち食いかけ的な仕事がなされて、結局全線開通しないために、その計画が思うように実を結ばぬということが多いわけであります。したがって、このバイパスも、これはもういわゆる五〇号線の現状から見てどうしてもこれを完成しなければならぬというところでありますから、ひとつなるたけ促進して工事を進めていただきたいし、特に数日来、これはおそらく政務次官のところにも陳情が行っているかと思うのでありますが、群馬、栃木、茨城の関係都市の市長ないしは町村長から強い要望が参っております。特に桐生バイパスの東にいわゆる足利につながる点が非常に今日混雑しているというので、端的に申し上げまして、この区間だけでも早急に建設のめどをつけてもらいたいという要望も強いわけであります。予算その他の関係もありましょうが、これは先ほどちょっと御説明がありましたが、もう一回予算あるいは省側のいわゆる計画の具体的な点についてもう少し突っ込んだ御説明をお願いしたいと思います。
  68. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 足利バイパスの東側残区間につきましては、用地買収の地元の態勢がなかったために多少おくれぎみであったわけでございますが、そのほかにも一部区間につきまして地元の反対がございまして、まだ立ち入り調査ができないような個所もございます。また用地買収には御協力いただける区間につきましても、稲刈りを待ってくれなければ困るというようなところもありまして、その間の事情も考慮いたしまして、極力円満に話を進めるべくやっておりますために、用地買収が少しおくれかげんでありますが、このおくれをできるだけ今後におきましては取り戻しまして、五十年の供用に何とか間に合わしたいと考えております。
  69. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 桐生バイパスと足利バイパスの中間における地点に対する用地買収は完了しましたか。まだならばどういう進捗状況にあるのか、そしてまたこれに対する具体的な工事の着手予定その他についてお伺いします。
  70. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 現在完成いたしております足利広沢四丁目から東に四百メートルの区間、これは先ほど申しましたように一二二号との立体交差及びそれに関連する事業でございますが、この四百メートルの区間については用地買収が完了いたしておりますから、本年度中に工事を終えたい、こう思います。そこから東側の区間につきましては、区間によりまして詳細設計中の個所、まだ立ち入りのできない個所、立ち入りは認められたけれども、少し待ってくれという個所、いろいろありまして、これにつきましては、これから鋭意地元との接衝を詰め、中心ぐいや幅ぐい等も打たしてもらい、さらに用地価格の提示、交渉を進めて一日も早く工事——ほんとうの工事に着手できるように進めてまいりたい、このように考えております。
  71. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 藤尾政務次官に、これはまあ要望として申し上げますが、次官も関係がある地区でございますし、いま申しましたように、これはもう、国道五〇号線の渋滞は目をおおうものがあります。したがいまして、このバイパスの完成は、もうただ単に関係住民だけではなくて、これは利用する多くの人々の強い要望であります。したがいまして、ひとついろんな問題点もありましょうけれども、われわれ地元といたしまして、用地取得その他についてはできるだけの御協力は惜しまぬ次第であります。したがいまして、建設省といたしましても、その点もお含みの上、促進方を強力にお願いしたいと、こう思いますので、ひとつ次官の御決意のほどをお伺いして質問を終わります。
  72. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) これは先生御案内のとおり、大部分が私の選挙区でございます。したがいまして、本来でございますと、何が何でもまっ先にやると言いたいところでございますが、全般を総括をいたしておりまする立場からいたしましても、全般との関連を考えて、そうして用地の買収を進め、準備の整っておるところから予算をつけていくという私は道路当局の方針が正しい、かように思いまして、ただいまの道路局次長の申し上げましたとおり進めさせておるわけであります。ただいま申し上げましたとおり、いまだ買収のめどのつかない地点、あるいは買収には応ずるけれども稲刈り後に測量をやってほしい、こういう地点等々に対しましてはその御要望どおりにさしていただかなきゃならない。また土地の取得につきましては、徹底的な御納得づくでやらしていただかなければならぬ、こういうことで、ややおくれぎみになっておるということは非常に残念でございます。しかしながら、何と申しましても五〇号線一本であれだけの交通量を処理するということは、どだいこれはできません。何としても五〇号と、それと並行いたしまするバイパス全線というものの二本によりましてその交通量をさばかなければならぬということは、地元の一議員といたしましても、最も私は痛切に感じておる一人でございます。どうか私も全力をあげまして土地の取得その他に対しまする地元との話し合いを完成させるということに努力をいたし、かつ買収のできましたところは早急に工事にとりかからせるということをこの際お約束申し上げます。どうか先生方におかれましても、手のつけられないというところのないように、ひとつ土地の取得その他につきまして、お力をお貸しをいただきたいと思います。
  73. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 ちょっといまのに関連しまして。  群馬、栃木、茨城、五〇号線と同じように、将来さらにこれに大きな複合的な意味を持って高崎、前橋、それから宇都宮、水戸、日立、いわゆる百万都市と称されるこの巨大な都市を結ぶ北関東横断道路の問題、高崎、前橋から東太平洋に通ずる北関東横断道路の問題、昨年の予算委員会で、大臣は北関東横断道路をできるだけ早急にこれを具体的にできるようにしたい、そのためには調査予算等もつけていきたい。その結果、調査予算がついたようですが、いままでの調査状況、これからの進め方等について説明ができる点をひとつ詳しくお願いしたいと思います。
  74. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) 私も栃木県を代表さしていただきまして、この問題に対しまする責任者の一人でございます。したがいまして、中村先生指摘のとおり、昨年、根本大臣が御指示をせられまして、そうしてその調査費もつけていただきまして、調査費一億円ということで道路を通じます総括的な調査を進めさしていただいておるわけであります。この北関東の各都市を結びます横断線と、もう一つ従来からずっと言ってこられました新潟から北関東を結びまする関越自動車道といいまするものがやや似た性格を持っておるわけであります。この問の調整をどのようにしていくかということも一つ調査の対象となりまして、現在、分析中であると私は聞いております。特にこれらの問題につきましては、茨城県側に対しまする終着点、これが南部の鹿島地帯に行くのか、あるいは北部の水戸地帯に行くのかということによりましてその路線が変わってくるわけでございまして、今回の調査費等々を十二分に使わしていただきまして、特段といままでの関越自動車道と違いました北部の最終点、つまり水戸近辺におきまする港湾建設というものがどうなるかということにつきましての調査に重点が注がれておるというように聞いております。ただいままで、まだ調査の結果等々につきまして最終的な報告は聞いておりませんけれども、これが一貫をいたしまして双方の計画がりっぱに調和ができまするようなりっぱな結論を生み出してもらいたい、かように考えておるところでございます。
  75. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 いまの次官の御説明よくわかるんですが、高崎、前橋と宇都宮、さらに水戸、日立、この五つの百万都市を結ぶための北関東横断道路、したがってその終着駅というのは、北部のどこに置くかということになると、東太平洋に通ずる射爆場地帯に結ぶつくことが合理的であるという判断のもとに、根本建設大臣は予算委員会でそのようなところを結ぶ一つの線として、これを想定して進めていきたい。その際にネックとなるのは、水戸の射爆場が自由なものとして移管されるかどうか、ここの一点にしぼってかかっておるわけでございます。しかし、終着駅の問題は、すでに私は東太平洋の一環に通ずる勝田、水戸地帯、そして宇都宮と高崎、前橋、こういうふうに想定を持っているんですが、その後の調査の結果、そのように少し変わりつつあるんですか。変わりつつあるというより、両面を調査しているということに解釈できるんですか。
  76. 藤尾正行

    政府委員藤尾正行君) 両面と、いまのところはお考えになっていただきたいと思います。
  77. 小林武

    委員長小林武君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時十九分散会      —————・—————