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政府委員(大津留温君) お
手元に差し上げました
沖繩関係法案要旨という
資料に基づきまして御
説明申し上げます。
関係法案は御承知のように七件ございまして、一ページに書いてあるとおりでございます。
内容に入らせていただきます。
まず、
沖繩振興開発特別
措置法案でございますが、この
法律は、
沖繩振興開発
計画を策定いたしまして、これに基づきまして各種の振興事業を推進しよう、それによりまして、
沖繩の振興開発と住民福祉の向上をはかるという目的で定めようとするものでございます。
この振興開発
計画は、
沖繩県知事が原案を作成して、これを政府に提出し、内閣総理大臣が、
沖繩振興開発審議会の議を経て、
関係行政機関の長と協議のうえ決定するという手続きに基づいて決定されることになっております。その中身といたしましては、産業の振興開発、
道路、港湾、住宅等の社会資本の整備、国土保全等につきまして定めることとし、これは十カ年を目標として達成されるように定められることになっております。
この振興開発
計画に基づきます事業並びに
沖繩の
災害復旧事業につきましては、本土のそれぞれの規定よりも、国の負担割合または補助の割合を引き上げるという特別
措置を講ずることとし、その割合を法案の別表に掲げております。
建設省関係では、
道路、公営住宅、住宅地区改良、都市公園、下水道、砂防設備、海岸、地すべり防止施設、河川につきましてそれぞれ特例が設けられることになっております。
さらに、振興開発
計画に基づいて行なわれます県道もしくは市町村道の新設、改築あるいは二級河川の改良工事、これには多目的ダムの
建設を含みますが、さらに維持、修繕につきまして、
沖繩の振興開発のために特に必要があるものにつきましては、
建設大臣が直轄で行なうことができるということにされております。また同じく振興
計画に基づきます基幹的な市町村道等の新設、改築で特に必要があるというものにつきましては、県が直接行なうことができるということにしております。
この法案におきましては、そのほか、
沖繩におきます産業、貿易の振興をはかり、雇用の増大に資するために、工業開発地区の指定、自由貿易地域の指定、または電気事業振興のための
沖繩電力株式
会社の設立、職業安定のための特別
措置等について定めております。
次に、
沖繩振興開発金融公庫法案でございますが、これは
沖繩県におきます経済の振興及び社命の開発に必要な資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通するために、
沖繩振興開発金融公庫を設立しようというものでございます。
この公庫は、あとの「3」に掲げております日本開発銀行あるいは住宅金融公庫等の政府機関が行なっております融資業務を、
沖繩におきましては一元的に行なうことによって、
沖繩の開発を
効果的にならしめようという趣旨のものでございまして、全額政府出資により設立され、主たる事務所を那覇市に置くということになっております。なお、この公庫の監督大臣は、内閣総理大臣及び大蔵大臣ということになっております。
第三に、
沖繩開発庁設置法案でございますが、総理府の外局として
沖繩開発庁を設け、次のようなことを行なわしめるという
内容でございます。
その一は、
沖繩振興開発
計画の作成及びその作成のための必要な
調査を行ない、並びに振興開発
計画の実施に関する事務を推進すること。振興開発
計画の実施に関し、
関係行政機関の事務の総合調整を行なうこと。
関係行政機関の振興開発
計画に基づく事業に関する経費の見積もりの方針の調整を行ない、及び当該事業で政令で定めるものに関する経費の配分
計画に関する事務を行なう。すなわち、これは現在の北海道開発庁にならいまして、
沖繩振興開発の事業経費をこの開発庁で一括計上いたしまして、
関係各省庁に移しかえて実施するという方法をとるのでございます。
この開発庁の長は、
沖繩開発庁
長官とし、国務大臣をもって当てる。それから内部部局といたしましては、総務局、振興局の二局を置く。なお、現地には、
沖繩開発庁の支分部局といたしまして、
沖繩総合事務所を置き、振興開発
計画に関する事務、それから地方
建設局、財務局等々の
各省の地方支分部局において分掌しておる事務をここで一括して行なうということになります。この事務につきましては、当該事務の主務大臣がそれぞれこの総合事務局の長を指揮監督するということに相なります。なお、先ほど申しました
沖繩振興開発審議会というのは、この開発庁の
付属機関ということに相なります。
次に、
沖繩の復帰に伴う特別
措置に関する
法律案、これは
沖繩の復帰に伴いまして、法令の適用につきまして暫定
措置その他必要な特別
措置を定めたものでございます。これはいろいろ各般にわたっておりまして、
沖繩県の知事だとかあるいは裁判の継承、通貨の交換、こういうようなことがいろいろございますが、
建設省に関連のあることを申し上げますと、
沖繩下水道公社の権利及び義務は
沖繩県が承継し、琉球
土地住宅公社につきましては、
沖繩県が設立いたします地方住宅供給公社とする。それから
土地区画整理法及び建築基準法の
沖繩への適用につきまして、経過
措置としていろいろな特例を設けますとともに、地代家賃統制令は、現に
沖繩にはそういう統制がございませんので、これは適用しない。そのほか各種の法令の
沖繩への適用につきましての経過
措置を政令で定めるということにいたしております。
建設省関係の法令では、3に掲げましたもののほか、
土地収用法あるいは
建設業法等々、二十五件の
法律につきまして政令で経過
措置を定めることになっております。
次は、
沖繩におきます公用地等の暫定使用に関する
法律案でございます。
沖繩の復帰に伴いまして、現に
沖繩におきまして公共用、公用等に使われております
土地または工作物に関しまして、新たな管理主体があらためてそれぞれの所有者または
関係者と契約を結ぶ必要がございますが、復帰からそれらの契約が制定するのに多少の時間が要するものと考えられますので、その間につきましては引き続き使用し得るという規定を設けようとするものでございます。その対象となります
土地または工作物といたしましては、2に掲げておりますように、その
一つはアメリカ合衆国の軍隊の用に供されている
土地または工作物、これが引き続き
自衛隊の用に供するもの及び引き続き米軍の用に供するものにつきまして、そういう
措置をするというわけでございます。二つは、琉球水道公社が水道事業等の用に供している
土地、三は琉球電力公社が電気事業の用に供しておる
土地、四は飛行場等の敷地で引き続き運輸大臣が設置する飛行場等の敷地となるもの、五番目が
建設省の
関係でございまして、一般交通の用に供されているアメリカ合衆国の軍隊の築造にかかる道の敷地である
土地で、引き続き
道路法による
道路を構成する敷地となるもの、これらにつきましては五年をこえない範囲内で政令で定める期間につき使用することができる、こういうことでございます。
さらに、
土地の使用につきましての手続、使用に伴う損失の補償、廃止の場合の返還及び原状回復等につきまして定めております。
このほか、
沖繩復帰に伴う
関係法令の改廃に関する
法律案、これはいろいろ復帰に伴いまして、
各省の設置法等の
関係法令の字句の修正等の整理を要するものにつきましての整理する法案でございますが、これにつきましては、
建設省関係の法令は該当するものがございません。
さらに、
沖繩の復帰に伴う防衛庁
関係法律の適用の特別
措置等に関する
法律案、これは琉球政府の
職員で防衛庁の
職員となる者に対する特別の手当の支給、
昭和二十七年四月二十八日講和発効以前にアメリカ合衆国の軍隊等により人身損害を受けた
沖繩住民に対する見舞金の支出払い、那覇防衛施設庁の設置等、
沖繩の復帰に伴い、防衛庁
関係法律の適用についての暫定
措置その他必要な
措置を定めたものでございます。これにつきましても、
建設省は直接
関係はございません。
以上でございます。