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野上元君 私は、その
精神条項の問題については、また時間があれば触れたいんですが、これは、いま
日米間における
精神条項というものがどれだけ信憑性があるものか、どれだけ有効性があるものかについては、残念ながら国民の間には相当疑惑があるわけですよ。これはもう
佐藤総理も苦い汁を飲まれたわけですから、よく体験されると思うんですが、その問題はいま触れませんが、もう少し具体的に触れていきますが、要するに、
VOAというものはきわめて物騒なものであるということだけは間違いないと思うんですよ。いま、あなたが五年の
期限が切ってあると言っておるけれ
ども、実際に
協定の中を見ていくと、ずっと幾らでもできるようになっておるのですよ、これ。協議するということになっておるわけですからね、二年後には。この運営について継続するかどうかを協議するということになっている。協議には同意がなければならぬ、合意がなければならぬわけですから、合意しない場合にはどうするんだというものがないわけですよ。私は、いま西ドイツと
アメリカのものを持っておりますが、これは
外務省からもらったんですが、一九五二年に結ばれておるんですね。いまだにあるわけです。しかも、五年後、五年後で切っておるけれ
ども、いまだに存続しておるわけです。だから、最近の
新聞を見ると、ブラント首相が、戦後二十何年にもなってなおかつ
VOAがミュンヘンにあり、そして共産圏に
放送されることは迷惑千万だと、こういうような発言を
新聞に書いてありますけれ
ども、そういうことになるんだと思うんですよ。特に私は、いまおそらく
日本の外交で最も重要な問題は、何といっても中華人民共和国との問題だと思いますが、これにひびが入るようなことがあるということになると重大な問題だと思うんですよ。その犠牲を払ってまでこれを
沖繩に置かなければならぬという
理由は私にはわからぬし、
アメリカがなぜそこまでこれをがんばらなければならぬのかという
理由が私にはわからないんです。