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国務大臣(
田中角榮君)
沖繩アルミにつきましては、これも日軽金、住友化学、昭和電工、三菱化成、三井アルミの五社均等の株主構成ということで、会社は四十五年の末につくられたわけであります。これはもうアルミ会社も進出するという意思がありますし、地元でも投資額が全部でもって九百三十一億円、約千億になる
企業でございますから、どうしても出てもらいたいということであったわけでございます。そういう
意味で、通産省としては公害を起こしてはならないという問題が
一つありますので、公害調整というものを十分考えながら、こういう基礎産業的なものでもって出る初めてのものでございますから、そういう
意味では、ひとつ何かうまく出したいということで、現地とも相談をしながらやっておったわけでございます。ところがその後、市況が非常に悪いということが
一つあります。それから御指摘にありますように、二万円ばかり違いますので、これは一体長期的に原油価格その他どうなるのかという問題もございます。電力の質的な
——電力供給というものは長期安定的でなければならない、その見通しがつかない場合も困るということで、いまボーリング等をやっておりますが、
実質的には足踏み状態ということもあります。半年ないし九ケ月、いよいよの場合一年間くらい延びるかもしらぬということで、
琉球政府との間にはいま連絡をしておるわけでございます。いまその二万円を一体どうして引き下げるんだという問題では、二万円を引き下げられるためには、金利を低下せしめて五%として四千二百円とか、投資
損失準備金三百九十円とか、
地方税の免除が千五十円、重油価格の低減で七千円とかいうことで
数字は合っております。合ってはおりますが、千億の投資をするということになって、しかも内地よりもきれいな海、金武湾の一角でございますから、そういう
意味では公害というものに対して万全の
対策が
前提であるということになると、やはりコストはどうしても上がりかげんであるということで、
企業そのものも
本土政府、これが投資に対する十分な保障ということがなければ、なかなか推進ができない問題でございますし、これは
本土まあ通産省も中に入って、それから
琉球政府とも、現地とも、またこの
沖繩アルミの構成会社の皆さんとも十分話し合いをしながら、これは一番初め出る千億の
企業がやめになったということは、これまた
沖繩のためにも問題があるんです。ですから、非常にむずかしい問題でございますので、いまの状態を直視をしながら、合理的な結論を出していくということでございます。ですから方向としてはいままでどおり、少し延びておるということだけであって、これを取りやめるというような状態ではないということだけは、結論的に申し上げておきます。しかし、現実問題としていろいろ通産省側でも、また地元でも、また
沖繩アルミそのものも確認をしなければならない問題がありますので、ボーリングを進める過程において、並行的に合理化というものに対する具体策を進めておるというのが状態でございます。