○阪上
委員 一昨日、御案内のように、
中国が祝福されまして
国連に迎えられました。実質上その一阻止につとめた日米などいわゆる
国府擁護派が惨敗したわけでありますが、そこで、この間の本
会議以来、
佐藤総理の
責任追及の論議が戦わされる、こういうわけなんであります。しかし私は、負けたから
責任をとるというような単純なものでなかろう。私もいろいろスポーツをやっておりますが、勝ったり負けたりするわけであります。問題は、やはり
佐藤内閣が最近のこの歴史の流れにさからって、実質的に
中国阻止というようなものに狂奔したが、もっと大事なことは、そういった中でわれわれが
感じられるのは、うしろ向きの対
中国政策であったということでなかろうかと思うのであって、ここが
責任のよりどころだろう、私はこういうふうに
考えるわけなんであります。もちろん君子は豹変するということがありますので、最近では
アルバニア案に対する逆重要事項
提案というもので少し変わっておりますが、そこで私がきょう言いたいのは、そこじゃなくして、それと同じようなことが国
内政治の場面でも言えるのじゃないだろうか、こういうことなんであります。
佐藤内閣はやはり歴史の流れにさからったといいますか、わが国の経済社会発展の流れの中で、やはり人間軽視の新しい、これはソシアルダンピングといいますか、そういった型の高度成長
政策に狂奔してきた。そこで社会資本の充実を怠り、一国民生活を非常な危機に追い込んだ、こういうことでなかろうかと私は思います。ここにやはり
佐藤内閣が国内的にも
責任を問われるところでなかろうか、こう思うのであります。
そこで、私はここで、きょうは
責任を問うわけではありません、お伺いしたいと思っておりますが、この間うちからの
佐藤総理の所信表明演説、この中でこういうことを次々と言っておられるわけであります。景気の落ち込みを防ぎ、そのすみやかな回復をはかるため、財政金融面から積極的な景気浮揚策を展開する。あわせて社会資本、社会保障を充実するんだ。さらに国民福祉と経済成長の調和のとれた新たな繁栄への条件をつくり出していく、そういう所存だ。さらにまた、今後公共投資の大幅な増加をやるんだ、財政投融資の拡大をやるんだ、公債の増発をやるんだ、さらに年内大幅減税を実施するなど、広範な景気
対策を推進する。こういうような所信を表明されております。さらに、しかもこの景気
対策は、単なる高度成長
政策への復帰を意図するものではなく
——なかなかいいことばだと私は思います
——福祉社会の建設に向かうことが基本的な課題である。こういうふうに述べられておるわけであります。
こういったものを
考えてまいりますときに、
先ほど言いましたように、やはり国
内政治の面において
責任を問われなきゃならぬ問題に対し、
佐藤総理の切々たる
反省というものがここに出ておるんじゃなかろうかと私は思うのであります。このことは私はいいと思います。ぜひここでこういった方向への転換をされることがもうきわめて必要だ。
先ほど田中委員の
質問にお答えになりまして、はっきりと、大転換の時期であるということは私にもわかる、こうおっしゃっているわけでありまして、これは非常にけっこうなことだと私は思いますが、しかし、このようなことは、
総理、毎国会ごとに目標を出されておるわけなんであります。それが一向実現に移ってこないというところに、私は問題があるんじゃないかと思うのであります。ほんとうにそういう
反省をなさって、ここで新しい繁栄の道を見出していくんだ、在来のような高度成長の姿に戻るのではないんだ、こういうことをおっしゃるならば、やはりその
政策実現の手段というものをここで明らかにされなきゃいけない。言いっぱなしではこれは何の
意味もないんだ。結局いままでどおりの、転換どころか、同じような方向をたどっていくんじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでありまして、ぜひひとつここで大きな転換をするために、いま申されたような目標がさらに検討されて、正しい目標であるということになりますれば、それとあわせて、同時にその
政策実現の手段というものをここで示されなきゃいけないと思います。これをここで申しておきませんと、結局予算
委員会で論議をしたという程度にとどまってしまうのであります。それをわれわれ何年間か繰り返してきた。こういうふうに私は記憶いたしております。ことに、同じ演説の中で、社会資本充実のための公共投資の重要性がますます増大する。そこでいろいろなことを言っておられますが、強力な地価
対策並びに土地利用の合理化をはかる必要があるんだということを切々と訴えられておるのでありますが、
総理、これはあなたも御存じのとおりだと思うのですが、このことについてはわれわれは何回かここでやっているのであります。一向実らないのであります。これはやはり
先ほど言いましたように、目標はきまったけれ
ども、その計画の中においてその実現の手段というものが一向明確になってこないから、こういうことになって今日まで続いているのだ。同じことを
総理は繰り返されております。
そこで計画ということになりますると、こういった経済計画はやはりわが国におきましては経済企画庁がやるのでありましょう。しかしながら、この経済企画庁は実際は計画だけやりまして、あとは知らぬ顔しているわけなんであります。やはりこういったところに問題があろうと思います。一体、
総理は目標を示されたのでありますから、しかも、その目標は私はおおむね正しいと思いますので、どういうふうにしてそれを実現していくか、制度の面もありましょうし、いろいろな面もありましょうが、そういったところをひとつこの場合お聞かせ願っておきたいと思います。