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鈴木(一)
委員 どうも
文部省のやり方は、いまここで火が燃えておるのだ、消さなければならないというときにさっぱり消そうとしない、いずれ中教審あたりの
答申を待ってというふうなまことに手ぬるい
態度でいままできていると思うのです。私が
大臣にきょう要望したことは、いま
山中君から言われた基本的な姿勢もさることながら、とりあえず、とにかく
値上げを
抑制する、できなければその幅を狭めるという
努力をしてもらいたい、まず火事を消してもらいたい、こういうことで要望しているわけでございますが、どうかひとつそういう私たちの線に沿うて積極的な
努力をしていただきたいということを強く要望しておく次第でございます。あまりやっていると健康にお悪いですからこの辺にしておきます。
なお、約束の時間は一時間でございましたが、大体一時間近くなりましたので、簡単にもう一つの問題をお伺いしておきます。これは
文部省としても十分
調査もしてないでしょうから、答弁のしにくい点も多々あろうかと思いますけれ
ども、いずれあらためて別の機会に本格的な
質問をしてみたいと思うのでありますが、きょうはその前段というかそういう
意味で申し上げますので、わかることはわかる、わからぬことはわからぬでけっこうですから、お答え願いたいと思います。
最近、新聞やテレビをにぎわしておる日本相撲
協会の暴力団との
関係とか、あるいは弟子入りしている子供の
教育の問題なんかが報道されているわけでございますが、こんなことを
委員会で聞かれると、あるいは
文部省迷惑かもしれませんが、幸か不幸か
財団法人日本相撲協会の監督官庁は
文部省なんですね。そうですね。そういうふうな関連がありますので、お伺いしてみたいと思うわけであります。
たしかいまから十年くらい前だと思いますが、同僚議員の辻原君が日本相撲
協会の
あり方について相当突っ込んだ
質問をされて、それに沿うてかなりの改革が行なわれ、大きな成果があがったと私は思うわけでございますが、相撲
協会が今日まで命を長らえ、また一面繁栄しているのは、そうした時代の要請を入れ、また本
委員会の要請を入れて改革を断行したことにあると思うわけでありますが、どうもあの
協会は封鎖された社会のようでありますので、中からはなかなか改革がしにくいだろうと思うのです。ですから、やはりはたから窓を開いて、新風を吹き込んで、そうして改善改革の方向に向けていかなければならない面が多々あるのじゃないかというので、きょう御迷惑でしょうけれ
どもお尋ねをするわけでございます。
最初にお伺いしたいことは、現在相撲
協会のやっている相撲というふうなものは一体健全なスポーツなのか、私は非常に疑問を持つわけなんです。というのは、力士の健康
状態を
考えてみますと、たとえば横綱をやった人の平均寿命というものは五十五、六歳だ。非常に早死にしているわけです。健康上そこに相当の無理があるのじゃないか、そういうふうな
感じがするわけでございます。元相撲診療所の所長をやった岩崎さんの談話が雑誌に出ておりましたが、その中には、二百八十四人の力士の心電図をとったところが、健全な者はたった三十六人しかなかったというのですね。そうすると、心電図をとってみますと、不健全な、病人に近いような人たちがああいう相撲をとっておる、激突しておるというふうなことは、これはもう健康を害するのはあたりまえであって、はたしてこれが健全なスポーツであるかどうかということを、私は非常に疑いを持たざるを得ないわけでございます。しかも日常の食生活は、普通の人の摂取する必要カロリーの倍以上のカロリーをとって、一日に三十分ぐらいけいこをして、
あとはぶらぶらしておるというふうな
状態だという。順天堂
大学のスポーツ医学の北村和夫博士の話によりますと、確かにプロスポーツというものは片寄ったからだをつくってしまう。これはやむを得ないものかもしれませんけれ
ども、特に相撲の場合は、短時間に瞬間的な爆発的な力を要請されるために、とにかく食え食えと腹一ぱい食って皮下脂肪をうんとたくわえ、それでばんとぶつかって勝負を決するというふうなことでありますけれ
ども、これは医学的に見て、多量の皮下脂肪を体内に蓄積するなんということは健康とは全く逆な方向だと思うのですね。こういうふうな健康管理のもとでありますから、いろいろな病人が出てくる。それに場所も六場所制だ。そうすると、一場所十五日でしたか、年間九十日間本場所がある。その間また地方の巡業があるというふうなことで、したがって興行の収入をあげるためにはみんなが無理しなければならない。特に看板力士、たとえばこの間なくなった玉の海のような、気の毒な目にあっておるわけでありますけれ
ども、盲腸だということがわかっておっても治療するいとまもない。しかも皮下脂肪をたくさんだくわえていますから、ほとんどほかの人には
考えられないような、肺血栓なんという病気で突如なくならざるを得ないというふうなことでございますが、一体、こういうふうな力士の健康
状態をこのままにしておいて、健全なスポーツであり、はたして国技に該当するものかどうかという点について非常に疑問を抱かざるを得ないわけでございます。
私も日本人でありますから、またわが郷里からはいろいろと名力士が出ておりますので、また相撲が始まったのかとそのときはそう思うのでありますけれ
ども、やはりだんだん地元の相撲が勝ったりなんかして関心を持ち、大体六場所大かたはテレビなんかを見ておるわけでありますが、そうした相撲に対しては、私もファンの一人だと思っておりますが、いまの
状態では行く先が非常に心配なんで、こういう点についてひとつ監督官庁である
文部省のほうとしては、簡単にどうこうしろ、ふとるのはやめてやせろとか、めしを食うなというわけにはまいらないかと思いますけれ
ども、
協会のしかるべき責任者を呼んで、暴力団との
関係もさることながら、こういうふうな面についても相当の注意を喚起しておく必要がありはしないかというふうにも思うわけでございます。
それから、
あとで一括して答弁をいただきたいと思うわけでありますが、暴力団との
関係でございますが、事実については申し上げません。ただ、同じプロスポーツでもプロ野球なんかの場合は、暴力団と
関係があった、疑わしかったというだけでも出場停止の処分を受けている者もあるわけですね。あるいは暴力団との
関係がはっきりし、しかも八百長をやったということがはっきりした場合は、永久追放というふうな重い制裁を受けておるわけでございますが、相撲
協会の場合は、特殊な社会かどうか知りませんけれ
ども、あやまればいいんだというふうなことで簡単に見過ごされておるわけでございます。しかし暴力団との
関係というものはこの種の興行にはつきものであろうと思います。その度合いの強さ薄さは別といたしまして、つきものだと思うわけでございます。ただ
特定の力士二、三人の者が悪かったというだけじゃなくて、
協会そのものが、特にまた
協会をリードしておる俗にいう親方、幹部連中がやはり長いそういうふうなもののつき合いの中にあって、
世間から言われてみて、ああそれは悪いのかという
程度のものであって、実際は身にしみてこれは悪いんだという気は私はないのじゃないかというふうにも思うわけでございます。しかし、それはそれとして、こうした相撲
協会に対して、国技であるということで、大正十四年以来天皇賜杯とかあるいは最近では総理
大臣杯まで贈られておるわけでありますが、こういう点がはっきりしない限り暫時賜杯は取り上げるというくらいのきびしい
態度も、こうした姿勢をただすためには必要じゃないかというふうにも
考えるわけでございます。
まずこの二つについてお伺いしたいと思います。