○
松浦(利)
委員 いま
消費者のためにいかにすればいいかということで議論しておられるということですが、あまり議論しておってもらったら
消費者のほうが困るんです。だから、いいことは率先してさっとやってもらって、そういった不足するものは早く輸入する、そういうことは、私、積極的に両者間でやってもらいたいと思うのです。今週中にはめどがつく、こういうことですから、その点は一応了解をして、早急に結論を出してやっていただきたいと思います。
時間がなくなりましたので、私は簡単に結論だけ急がしてもらいますが、実は輸入牛肉と国内生産との関係から差益金というものを取っておるということは、この前の
委員会でお話を申し上げました。その差益金が
昭和四十五
年度で約五億円近くあるということもお聞きをしたのです。その差益金というのは一体何に使われるのかということをお聞きをいたしましたところが、農林省のほうの畜産局としては、国内の生産体制の強化、だから生産者ですね。それから
流通対策、食肉業者の教育・改善策、こういうことにこの金は使われるのだ、こう言っておられましたね。それで、その差益金というのは一体どこにいくのかというのを
調査いたしましたところが、加工業者ですね、加工業者は、
消費者を通じて差益金を出す。それから精肉用の業者は、直接精肉用業者が差益金を出す。その出す先は、この精肉用と加工用と合わせた団体で
日本食肉協議会というものをつくっておって、そこに全部出すのだ、こういう御説明だった。
そこで、この
日本食肉協議会の常務
理事さんにきょうは御
出席をいただいておるのでありますが、この決算書そのものずばりではありませんが、一応
資料をいただいたわけです。ところが、この差益金というのは牛肉の
流通対策、生産
対策あるいは小売り
対策その他について約五億近くの金が使われておりながら、依然として牛肉の生産というものが伸びておらない。この肉牛制度研究会
検討要旨の
内容を見ましても、和牛の場合には、五十四万頭というほとんど限界に来ておる。それで、そのあとは乳用雄脂育牛、それから乳廃牛、こういったものに主力を置かざるを得ないという状態に来ておるのだ。ですから、こういったものにこういう差益金が回っておるのだろう、複雑な
流通機構を簡素化し、改善していくためにこれが使われておるのだろう、実はそのことを私は期待をしておったのです。ところがこれを見ますと、この差益金のうち、生産者団体にいくのは一割ないのですね。五億円のうちに四千五百五十万円しか生産者団体にはいかない。しかも生産者団体からは、一頭について格づけのための手数料といいますか、豚の場合には二十円、牛の場合には六十円を生産者は別途納めておるのですね。ところが、そういう生産
対策に回る金というのは、差益金のうちからわずかに四千五百五十万円しかない。ところが一方、中間マージンをかせいでおる業者のほうはどうかと見ますと、
日本ハム・ソーセージ工業協同組合五千二百四十一万円、
全国食肉事業協同組合一億二千五百六十三万円、
日本食肉市場卸売協会七千七百三十一万円、
日本食肉罐詰工業協同組合二千四百五十四万円、こういった中間のところばかりにこの差益金というものが使われておるのですよ。
一体これは何ですか。今度農林省は、聞くところによると、この差益金をさらにふみすというのですね。輸入がふえればふえるほどふやす。私は、生産者のほうの生産
対策にどんどん回っていくというのならわかりますよ、国内生産を興すためにそちらに回るというのなら。そうじゃない。輸入牛肉でかん詰めをつくったり加工したりする業者あるいは生産者から取ってきて加工する業者、こういったところにこういう金がどんどん使われておるのじゃ、差益金の
意味がないのじゃないですか。差益金を出しているのは
消費者ですよ。納めておるのは業者だけれ
ども、この差益金は末端
消費者全部がかぶっておるわけですからね。生産者のほうは逆に六十円金を納めておるのです、一頭について。こういう差益金の使い方というのは、一体どういう
目的で、この差益金というのは何のために使われるのか、もう一ぺん明確にしてください。