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田中(恒)
委員 私も、この野菜の
価格安定事業団については、
内容がわからないからどうこうは言えないわけでありますけれ
ども、従来の事業団の果たしてきた
役割り等も見、特に野菜という特殊な
生鮮食料品の取り扱いで、はたしてこれがやれるかどうか。特にこの間の
委員会で、畜産事業団の問題につきまして、松浦
委員のほうから、食肉輸入をめぐってのいわゆる事業団商法なるものの正体が出たわけでありますけれ
ども、お役所商法で今日の複雑多岐にわたる市場の
価格操作が可能かどうか、そういう不安を持っております。ただ、いま聞きますと、多少、
農林省と
企画庁との間には、この問題について完全なる意見の一致をまだ見ていないようなニュアンスがあるわけでありますので、まだ検討中ということだろうと思います。
そこで、私はこの際一、二提案をしながら
質問をいたしたいわけですが、野菜の問題については、もうすでにこの
調査、それから問題点、提言、意見、こういうものが次から次に出て、
国会においても、
委員会でいろいろな議論がなされて、大体出るべきものは出尽くした感があるわけです。問題は、最近マスコミ等がいっておりますように、あるいは今度の予算
委員会でも議論になりましたように、
政府が
一体何をやるかというところが明確になっていないわけです。もちろん、この野菜の問題は非常に複雑で、品目も多種にわたるし、まことに多様でありますから、それぞれ関連を持っておりますだけに、何からやるかというところが、それは確かにむずかしい面があるわけです。ありますけれ
ども、ここまで参ってきたら、何か
一つか二つ、具体的にその問題を解決していくというものを明らかにしなければいけないと思うのです。いわゆる重点的に、この問題についてはこういう処置をして、これについては国として必要な予算が相当要れば、相当思い切ってやっていく、こういうものが明確にならないところに、この野菜問題の今日の重要な問題点があると思うのです。
そういう意味で、すでに出尽くしてきた意見でありますけれ
ども、行政監理
委員会の提案あるいは今度出されました
物価安定政策会議の「野菜の
価格安定に関する緊急提言」、こういうものの中に一貫して貫いておるものは、何らかの形で市場形成
価格あるいはもっとおりて
消費価格、この段階に
政府が関与していく。
政府の表示
価格なり標準
価格なりあるいは予想
価格というのですか、そういったようなものが貫かれるような筋道をこの際明確にすべきだという
内容が、あの提案や意見の中には出てきておると思うのです。この点いままで、たとえば公設小売市場において標準
価格制度がありますけれ
ども、全然用をなしていないわけですね。単なる表示
価格に終わっているわけです。こういうものではなくて、これにもう少し肉打ちをした処置をすべきだと思うのです。そのためには
政府が今日の野菜の
価格安定基金を中心とした制度を軸にして、責任をもって生産から
消費、
消費者の手元に渡るまでの間は、責任の体制はやはり確立をしなければいけぬと思うわけです。こういう
趣旨の提案が過般の一、二の野菜問題についての公的機関の問題提起の中に出てきておると思うのです。そのことで
長官としてはどういうようにお考えになっておるか。
特に行監の提案の中には、
小売り価格を公共的に誘導する処置をするために公設小売市場を五千くらいつくれ、こういうことをいっておるのです。私も市場をつくっていくということが
一つのポイントだと思うのです。したがって、中央卸売市場という問題もあるわけですけれ
ども、公設小売磁場というものを本格的に配置をして、そしてこの
小売り価格というものは
政府が規制をしていく、こういう形にすることが一番根っこを押えていくことじゃないかと思うのです。こういう点についてどういうふうにお考えになっておるか。これは行監の提言の中にもあるわけでありますけれ
ども、なおこの際お聞きをしておきたいと思います。