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1971-12-09 第67回国会 衆議院 内閣委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十二月九日(木曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 伊能繁次郎君    理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君    理事 塩谷 一夫君 理事 湊  徹郎君    理事 大出  俊君 理事 和田 耕作君       阿部 文男君    天野 公義君       加藤 陽三君    辻  寛一君       葉梨 信行君    古屋  亨君       細田 吉藏君    上原 康助君       川崎 寛治君    木原  実君       華山 親義君    横路 孝弘君       鬼木 勝利君    鈴切 康雄君       受田 新吉君    東中 光雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      山中 貞則君  出席政府委員         人事院総裁   佐藤 達夫君         人事院事務総局         管理局長    茨木  広君         人事院事務総局         給与局長    尾崎 朝夷君         人事院事務総局         職員局長    島 四男雄君         総理府総務副長         官       砂田 重民君         総理府人事局長 宮崎 清文君         総理府恩給局長 平川 幸藏君         防衛政務次官  野呂 恭一君         防衛庁人事教育         局長      江藤 淳雄君         防衛庁衛生局長 鈴木 一男君         防衛施設庁労務         部長      安斉 正邦君         沖繩北方対策         庁調整部長   田辺 博通君         外務大臣官房長 佐藤 正二君  委員外出席者         内閣委員会調査         室長      本田 敬信君     ————————————— 委員の異動 十二月九日  辞任         補欠選任   笠岡  喬君     細田 吉藏君   中山 利生君     古屋  亨君 同日  辞任         補欠選任   古屋  亨君     中山 利生君   細田 吉藏君     笠岡  喬君     ————————————— 本日の会議に付した案件  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一二号)  特別職職員給与に関する法律及び沖繩復帰  のための準備委員会への日本国政府代表に関す  る臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一三号)  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一四号)      ————◇—————
  2. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 これより会議開きます。  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律及び沖繩復帰のための準備委員会への日本国政府代表に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。受田新吉君。
  3. 受田新吉

    受田委員 法律案が三つあるのでございますが、総理府総務副長官にまずお尋ね申し上げて、引き続き特別職へ入っていきたいと思います。  人事院はきょうはおいでになりますね。——総務長官職務を代行して副長官においでいただいたわけですが、私いまから、せっかく総裁来られたので、総裁にお尋ね申し上げ、確認を得た上で政府の決意を伺うということにさせていただきましょう。  佐藤総裁、長く精勤をしていただいて、総裁が長期にわたる御苦労によって、公務員給与というものに非常に確固たる基盤をつくっていただいておることを、一応敬意を払います。と同時に、私がいつも質問で繰り返し疑点を投げかけておるのですけれども公務員制度の最も大きな問題点は、その人事の公正と給与の適正であるということが公務員制度の根幹であることを指摘してきたのですが、給与が適正でないと、そこに職務に対する熱意も欠けてくる、したがって能率も上がってこないという欠陥が生ずる。そこで私が、昭和三十二年だったと思いますが、給与の大改正がされた当時から、上下格差ができるだけ圧縮された体制をとるべきだと繰り返し指摘してきました。つまり、上位にある者がばかげた高禄をはみ、下位にある者は標準生計費そこそこ文化生活を営む部分はほとんどない。いや、標準生計費にも達しないような俸給を設定した二、三年前までの歴史もあるわけですよ。この上下格差というものが、昭和三十二年当時のあの給与の大改正で、最下位と最上位が十二倍という格差であったのでありますが、それが漸次拡大されて、指定職を含むと、現時点において最下位俸給と最上位俸給はどれだけになっておるかは御存じのとおりなんですが、この開き時代とともに広がっていくという現象は、どこに一体事情があるのか、もう一度この国会で明らかにさせてもらいます。
  4. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 給与のあり方が、人事行政上の大きな柱の一つであるということは、全く仰せのとおりで、御同感に存じます。その給与のきめ方については、御承知給与法等におきまして、官職の職務責任に応じてなすということを鉄則にうたっておるわけでございます。私どもとしては、給与割りつけについては、その職務責任のいかんに応じて段階をつけておるということに御了解願ってよろしいかと思います。ただし、まだまだ、いまのおことばにもありましたように、生活給的な面もこれはないがしろにできませんので、その辺も考慮してあんばいをしておるわけでありますけれども、その上と下との比率というようなことは、いまの二つの原則から推していって、これは適正な比率であるかどうかということを判定すべきであると思います。  したがいまして、過去から見てどうこうということは、一がいには言えないことでありますけれども、しかし御承知のように、最近初任給が飛躍的に上がっております関係もあって、いま仰せになりましたような、昭和三十二年の時代と比べて、私どもはそう大きな違いはないと考えております。
  5. 受田新吉

    受田委員 昭和三十二年の改正では、当時行政(一)を例示いたしましても、八等級最下位が六千百円、最高位一等級最上俸が七万二千円、十二倍の差であった。今度の改正案で、局長さん、どう開いておりますか。指定職最高位との比較論でやっていただきます。
  6. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 十二・五倍でございます。
  7. 受田新吉

    受田委員 最下位号俸と最上位号俸開きは、いまの管理職手当など、そういうようなのを含めて十二・五ですね。
  8. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 高卒初任給試験採用者が、このたび八等級号俸になりまして三万二千百円でございます。それに対しまして指定職最高号俸が四十万円でございますので、俸給面で十二・五倍ということでございます。
  9. 受田新吉

    受田委員 その初任給俸給表の中にある最下位との比較論をひとつさしてもらいます。
  10. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 ただいま申し上げましたのは、俸給表上の上下の倍率が十二・五倍でございます。
  11. 受田新吉

    受田委員 八等級最下位、そして指定職の甲の最上位。そこでいま、それに伴う諸手当というものの合算から来たものはどうなりますか。
  12. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 諸手当と申しましても、下のほうには期末、勤勉手当が、このたびの改正といたしまして四・八月分、それから上のほうの指定職におきましては、勤勉手当が一・二月分ございませんので、三・六月分ということになるわけでございます。しかも、上のほうにはいわゆる住居手当あるいは通勤手当関係がございませんので、そういう関係を含めますと、もっと縮小するのではないかという感じはいたします。
  13. 受田新吉

    受田委員 行政(一)の八等級の初号は三万一千円ですね。それから指定職最高位は四十二万円、それで十二・五という基礎はどこから出てきたかひとつ……。
  14. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 私ども高校卒初級試験採用者について計算をいたしておりまして、八等級号俸——このたび八等級号俸は一応なくなりまして、従来の八等級の一号俸は二号俸、二号俸が三号俸ということになったわけでございますが、試験採用者計算しておりますので、八等級号俸が三万二千百円、それから甲六号俸が四十万円でございますので、まあこれは次官でございますが、高卒試験採用者次官との関係は十二・五倍というふうに申し上げているわけでございます。
  15. 受田新吉

    受田委員 私、三十二年の改正当時の俸給表と今日の俸給表に示されてある数字比較して申し上げているわけなんです。したがって、十四年前は六千百円と七万二千円、今度は三万一千円と、そして最高号俸は、事務次官というわけでなく、一般職最高号俸の四十二万円、その比較論を私、申し上げている。御都合のいいほうの計算じゃないようにしていただきたい。
  16. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 高卒の一番下の号俸試験採用者でなくて選考採用者でございますが、その場合には八等級の二号俸ということで三万一千円、それから一般職最高が東大、京大の学長になっておりますが、四十二万円ということで、その両極端を比較しますれば十三・五倍ということになります。
  17. 受田新吉

    受田委員 俸給表の最上位最下位比較して、十四年間の変遷をいま指摘したわけでございまして、十二倍足らずから十四倍近くまで伸びておる。人間を大事にする立場から、この俸給上下格差が広がる傾向は決して好ましくない。これを圧縮する方向へ行って、その責任における能率を高めていくようにさせる必要があるという意味で、私いま申し上げたような比較を申し上げたわけです。  そこで、また一つ指摘したいことは、教育職例示しますと、かつて高等学校教諭中小学校校長教育職の(二)と(二)の比較におきまして、中小学校俸給表一等級のほうが高等学校の二等級よりも高額であったのです、上位は。それがだんだんと逆転して、今度の俸給表を見ますると、教育職の口の一等級教育職口の二等級よりも下回ってきておる。この現象はどういうことか御答弁願います。
  18. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 教育口と日、つまり高等学校教員義務教育教員関係でございますけれども、この関係は、高等学校教諭等級義務教育校長一等級との関係につきまして、昭和二十九年の一月に、改正されましたいわゆる三本立ての関係議員提案で可決されまして、その趣旨をくみまして、現在まで両者均衡ということをはかってまいっておるわけでございます。そういう関係から、その関係を一応かたく考えまして、その他の関係はほかの関係とのバランスということで改正してまいっておるということでございます。
  19. 受田新吉

    受田委員 二十九年の給与三本立ての議員提案というものは変則であるものであって、自来これは手をつけてないわけです。ところが、それを参考にしてやられたのなら、三十二年の改正のときにそのまま出てこなければならない。三十二年の根本的改正のとき、すでに高等学校教諭よりも中小学校校長のほうが俸給最高位が高い水準にあったのです。それが今度逆に、高等学校教諭のほうが中小学校校長より高い水準に変わってきてしまっている。金額はわずかでありますけれども、八百円という差がついておる。つまり、中小学校校長のほうが高等学校教諭よりも下位給与をもらうことになるのです。これは、いつの間にか実に巧みに少額ずつ作戦展開をされて、ついに今日は逆転して、中小学校校長高校教諭よりも下位に立つという俸給表にりっぱにチェンジされました。いま局長の御指摘された給与三本立ての精神を生かして、高等学校中小学校よりも高位の月給を支払うべきである、つまり職務の内容、その責任の度合いというものが、中小学校教育よりも高等学校教育のほうが高いんだ、中小学校校長よりは高等学校教諭のほうによけい給与を払ってその責任を大いに高めていかなければならぬというかっこうになられた。ちょっと私、はなはだおかしきことなんですが、教育の世界というものは、そのような勤務する学校によって著しい差がつくような形のものじゃないんです。同じ学歴、同一勤務年数は同一給与を基準とするというたてまえで、高校中小学校は従来やってきたんですね。これはまことに巧みにじわりじわりとやってこられて、ついに今日は、わずかながら高校教諭のほうが中小学校校長を上回るという巧みな戦法がここへ出されておるのです。
  20. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 そうじゃございませんで、中小学校校長一等級高等学校教諭との関係につきましては、当時の議員立法に基づきまして、両者関係において対応する号俸におきましては、高等学校のほうが俸給面におきまして若干プラスアルファ、という形がつけられておったわけでございます。一方、中小学校校長につきましては、いわゆる管理職手当がつくという面もございまして、俸給面におきましては、高等学校教諭に若干プラスアルファをするという関係が当時確立をいたしまして、それを踏襲をしてまいっておるわけでございますけれども、昨年その号俸の幅の問題がございまして、その号俸の幅は、対応号俸から言いますと、中小学校校長に対しまして高等学校教諭のほうが一号俸低いという形、つまり高等学校教諭の場合には、大学を出て入りました場合に五十八歳というところが頭であったわけでございますけれども、ずっと号俸で昇給してまいりますと、五十八歳というのが号俸の幅でございましたが、中小学校の場合には五十九歳という関係がございまして、その一号俸対応号俸としては中小学校のほうが長い、高等学校のほうが短いという関係があったものでございます。かつ高等学校最高号俸につきましては頭打ちが非常に多いという関係で、文部省のほうから号俸延伸の要望がございましたので、教育口高等学校教諭号俸延伸を一号俸いたしたわけでございます。そうすることによりまして、大学を出ましてから最高号俸まで至るいわゆる耐用年数が、両方とも五十九歳という形で一応均衡がとれるということになるわけでございまして、基本的に申しますと、先ほどの両者の、同じに大学を出まして両方に入った場合の関係につきましては、当時の関係をそのまま維持しておるというのが現状でございます。  ただ、もちろんその後、時日としては十何年も経過いたしてきておりますので、だんだん大学卒という人が両方に入ってくるという関係がございまして、相互の関係でいろいろ問題が生じてきておるわけでございます。つまり、当時の三本立てにつきましてやはりいろいろ問題が生じてきておりますので、それに対応してどういう措置を講じたらいいかということは、いろいろ検討はしているところでございますが、現在の俸給表自体は昔の趣旨に沿ってつくられておるということでございます。
  21. 受田新吉

    受田委員 この俸給表というものは、すなおに体をあらわすものですから、俸給表に示された数字で、高校及び中小学校教員処遇というものを、教員自身も、また大衆も受け取るわけです。つまり同一学歴、同一勤務年数は同一対応号俸にしてある。それは、一方は五十九歳、一方は五十八歳であったのを、高校のほうへ一歳追加した、こういういまお説です。高校は、大体初任から四年たつと一号俸特別アップをしている。それから二十年か二十一年ころでもう一号アップする。二号俸アップ制度高校職員にある。その二号俸のサービスが高校にあるわけです。それは私けっこうだ。そういう中小学校にない高校だけの処遇があるんですね。就任して四年たつとまず一号上がるわけです、高等学校の場合は。そういう処遇のしかたは私、一応了承します。  ところが、最高位に到達するときに、同一年数にしたときに、校長であって一方の教諭よりも低い俸給をもらうという行き方は——いまは中小学校といえども統一統合がはかられて、相当基本的に整理統合されつつあるときです。高等学校の数も比較的数が多くなっております。実業学校等も入りましたからね。そうすると数の上においては、昔と比べたならばあまり大きな開きがなくなってきておる。それから高校には主事以上は、それぞれ比率は多少相違はあっても、管理職手当が出ておる。こういうことでございますから、少なくとも一校のマスターとなった人に対する処遇としては、一応教育職日俸給表は、校長の権威を保たせるということにおいて、私、同一学歴、同一勤務年数原則を貫く必要があるのじゃないかと指摘しておきたいのです。これは議論をしてもしかたがないので、御注意を申し上げておきますから、御検討を願いたい。前線の士気に影響をいたします。  そこで、私がもう一つ懸念しておるのは、たとえば羽田空港。私たちしばしば、夕ベもわが党の春日委員長を迎えにいってみて、入国管理業務をやっておる職員、関税でどうかを調べる税関皆さん、そして飛行機の管制を担当する皆さん、航空局の職員、こういうふうに、同じ羽田空港の中を見てもいろいろな職種があるのですが、その職種の中に、同じ建物の中で、窓を向こうにして相対峙しておる職員の待遇に差があるということになると、これははなはだまずいことになるので、そういう末端に至るまで公務員処遇というものはできるだけ均衡を保って、そしてその間に、双方がみがき合い、励まし合うて職務に精励していけるように、給与政策をはっきりしておかなければいけないと思うのです。  ところが現実に、そうした税を担当する職員入国管理業務を担当する職員末端における処遇は、それぞれの俸給表で差ができておる。また今度、同じ一般職で次に論議させてもらう防衛庁職員などを見ても、それぞれ幾らかずつ違いがきておる。こういうようなことを考えますと、人事院総裁給与政策上、できるだけ公務員に公平さを認識させるように、そして上下格差をできるだけ圧縮して、下級の者も生計最下位までは保障できるように、下位をある水準までは引き上げておくというその努力を、基本的に念頭に置かれながら勧告をしていただきたい。いかがでしょう。
  22. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 いま御指摘の、たとえば羽田空港関係で言いますと、あそこにおる、問題にされております人々は、すべて俸給表上は行政職(一)ということで、これはちゃんとバランスがとれております。問題はおそらく手当だろうと思うのです。ただし手当は、ガラス戸一つ隔てようが、同じ部屋の中におりましょうが、その一人一人の仕事性質種類が同じならば、その中にアンバランスがあってはゆゆしきことでございますけれども仕事性質が違えば、それぞれの仕事性質に応じた手当が必要だろうということがまず一つあるわけですね。  そこで、いまの例で私のほうで思いついたところを申しますと、たとえば夜間特殊業務手当というのは皆さんもらっておる。いろいろな種類人たち、これはみんな一日二百五十円。入国管理事務所、それから税関検疫所植物防疫所空港事務所、気象台、これは夜間特殊業務手当はいずれも二百五十円。ところが、たとえば昼間の業務を勘案しての手当の問題になりますと、検疫所の場合は検疫手当、これは検疫をやる人の一つ特殊性を認めて一日百円。それから植物防疫のほうでも、植物防疫検疫とは似たようなものですから、有害物取り扱い手当としてやはり一日百円差し上げておる。航空管制はまたえらいことですから、航空管制官まで同じにせよとはおっしゃらぬと思う。これはもうちょっとよくしてやるということで、これは一々説明を求められれば、りっぱに御説明を申し上げることができるような仕組みになっておるつもりでおります。
  23. 受田新吉

    受田委員 諸手当統合をはかるということも問題です。それは手当制度も変化があってけっこうでございますが、その間に大きな金額の差がないようにやらねばいかぬわけです。それで、管制官の場合などは、これは特殊の注意力も必要な職種でありますだけに、これは別ワクだ。だから、一々例示をすればということでございますが、例示をするまでもなく、この人事院できめてある手当の中で、同じ建物の中で著しい差異を来たさないような形にする。勤務形態も、夜間に勤務する職員については、夜間勤務というものは金額は同じなんだが、その間で頭の使い方が違うのだというような形で手当の差をつけるという形も、これは問題です。したがって、羽田のような特殊の勤務地において勤務する国家公務員は、できれば羽田空港勤務者としての手当調整をとる必要はないか。つまり、空港勤務者という意味において、空港勤務手当というような何かの名称をもって統一をはかっていく必要はないか。それは、あっちにおる密輸はどうかを調べるほうは、一々衣類まで引っぱり出してやるから忙しいが、しかし入国管理はたばこを吸うておるから楽だというわけじゃない。これは窓越しにみな見えるわけですから、その点はどちらも張り合うような研究をしていく必要はないかと思うのです。私しみじみあそこで、同じ国家公務員で、その手当差異が、一方はなまけてもいいのだという印象を与えれば、自然にそこで堕落する。だから、空港勤務仕事をする諸君には何かの調整をとる必要はないか。そういうことも研究一つ対象にしていただきたいと思うのです。  それから、話を進めますが、総裁のほうだけ先にお尋ねしておきたいのですが、人事院勧告時期を四月にせよという説がある。これは私も全く同感なんでございまして、それについては私も、調査時点にさかのぼった支給ということを勧告対象にしてもらいたいと、現状においては思っています。と同時に、研究問題として提起したいとは、実際、春闘等で四月の時点ですでに処遇がきまっているところと、六月、七月になってもまだはっきりしない——まあ七月に入ると大体片づくのですけれども、そういうところがあるのですが、ことしの場合、人事院が四月を基点にして調査された結果、六月とか七月とか、あとから人事院が追加して調査する、時期をずれて春闘の結論として給与がきまったところが、どのぐらいの比率になっておるか。つまり、おくれて人事院調査対象外に積み残した比率がどのぐらいあるかを、あなたのほうの御調査の結果がわかれば、ちょっとお示し願えませんか。
  24. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 私ども調査は四月分について調査をするわけでございますが、私どもがとらえますのは、やはり四月分の給与について官民比較をするということでございます。しかしながら、四月中に妥結をしてない、したがって支払われていないというものについては、実際その時点においては官民比較が十分できないわけでございますが、それを来年回しということにするのはどうかということで、昭和三十九年から、この関係を別に、つまりあとから妥結をして四月分に追い払いをするという関係につきまして、つまり積み残しにつきまして調査をしてまいっております。その分といたしまして、本年は二六・一%の関係が積み残されておりまして、その関係による積み残しが幾らあったかという水準の問題については、三・五五%というふうに見ておるわけでございます。
  25. 受田新吉

    受田委員 その積み残し部分を全部積み入れて、厳密な意味における四月時点民間給与実態調査という形にするよいくふうはございませんか。
  26. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 私ども調査は、よく御承知でございますけれども、結局、官民給与比較をいたします場合には、ただ平均で比較をするというわけにはまいらないわけでございます。したがいまして、実際問題といたしまして、こまかく比較をしていくということになるわけでございます。つまり、職務段階学歴、年齢、地域という条件が同じものについて比較をするということになるわけでございます。したがってそういう関係で、個人個人に支払われたものについて、個人個人にきまったものについて比較をするということになるわけでございます。そこで、四月中でなくて、あとから妥結をしまして追い払いをされるというものにつきましては、六月、七月ごろに妥結をして四月分に追い払いをするというものについても、個人個人についてさらに調べていくということにいたしまして、それを精密にプラスをする。四月、五月、あるいは六月、七月、八月という、それぞれの月において妥結をして、そうして個人配分がきまって、それを四月に追い払いをしたものについて、個人個人についてまた調べていくということをしませんと、ほんとうの意味の完全というわけにはいかないわけでございます。  しかしこの関係は、一つにはやはり勧告の時期という問題もございますし、一つには調査の経費、能力という問題もございますので、やはりそこは両方関係から、あるところで打ち切るという以外に方法がございません。そういう精密の関係は、いまのところはどうしてもちょっとむずかしいという関係がございますので、個々の会社で平均何円引き上げたか、そしておくれた会社は何企業あったかという、二つの平均的な関係から概算をしてプラスをするということをいまやっておるわけでございますが、その関係をさらに精密にいたしますためには、時期がおくれるとか、あるいは調査をさらにこまかくやっていかなくてはならぬとか、いろいろそういう点の難点がございます。
  27. 受田新吉

    受田委員 その難点を解決する一策として、つまり人事院の機能を十分フルに運転できるようにするためには、もう少し人間がほしいという問題が一つあるでしょう。それから四月の調査時点を、いまのような積み残しがないようにするためには、六月の末か七月の中旬ごろまで待てば、みな春闘は片づくわけだ。そうすると、いままで八月に勧告されるのを十月に勧告される、八月の時点から二カ月ずれて勧告をして、四月の時点の積み残しがない精密な調査をされていくという方法が一つあるんじゃないかと思うのです。どうせ現実の問題として政治的には、十一月に臨時国会が開かれて、十一月の末から十二月へかけて給与の審査がされておるのです。もうこれは恒例です。ことしは十月になっておるんだから。これは副長官、やる気なら、十月中旬から下旬までの間にばっぱっと給与法案が通って、いまごろみんなに差額支給が全部できるように——差額支給じゃない、法律に基づいて、期末手当など、十二月四日に内払いのようなかっこうで出さぬで、当然全部が支給されたはずなんです。  ちょっと聞きますが、臨時国会早々なぜやらなかったのか。ちょっとそれを先お聞きしましよう。給与の法案を、なぜ勧告が出ておったにかかわらずやらなかったか。これはそう時間かからぬわけですね。大臣が来る前にちょっとそれをお聞きしたい。
  28. 砂田重民

    ○砂田政府委員 十月の十五日に閣議決定をいたしまして、直ちに法案にまとめて臨時国会冒頭に法案を提出をいたしました。
  29. 受田新吉

    受田委員 臨時国会冒頭に出したのですね。だからこれはやる気ならすぐやれる。けんかしてからいいかげんな扱いをするような形でなくて、この問題はやる気ならすぐでもぴしっとできる。そういう配慮が政府にあるならば、一日あったらできるんだから、これは超党派でやれるわけですね。そういうことで、国会が召集されると同時にすぐやろうと思えばやれる。そういうサービスを公務員にするぐらいの心づかいが国会にも要るのです。そういう意味で、全国の公務員人事院勧告完全実施を一刻も早くと待っている、それにこたえる国会の責任があるのです。一日や二日の時間の捻出は、強行採決するほどの御意思があるならば、やろうと思えばそれはやれるのです。これをやって強行採決をやるべきであった、こういうことにもなるわけだ。だから、その政府の心づかい、超党派の心づかいが、これはきっと実を結ぶことになると思うのですが、現実の問題はそれはなかなかむずかしい。むずかしいので、現実としてそれが十一月から十二月の初めに審査されておるのですね。  したがって、勧告を十月にされて、そしてそれに基づく法案を十一月の中旬に出して、そして臨時国会に持っていって、四月を調査時点にして四月から実施して、積み残しのない完全な勧告を出すという行き方は、いまよりも一歩前進すると思うが、どうでしょうか。
  30. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 積み残しのないようにする方法いかんということは、われわれの一番当面している問題なんです。その第一の抜本的な方法としては、春闘を繰り上げて、昔のように三月くらいに片づけていただく、これが抜本的な一番の考え方だろうと思います。遺憾ながら、春闘の時期には人事院勧告権がありませんものですから、お願いするよりほかないのですが、これはしょっちゅうお願いしている。おやりになるなら早くおやりになってほしい。それから、あとをしょっちゅう追いかけさせられて、それで積み残しが多いの何の、みんなわれわれの責任にさせられてしまう。こんなばかげたことはないじゃないかという気持ちは持っているので、まずそれを一つ大きな声で申し上げさせていただきたい。  しかしそれはそれとして、積み残さないようにするくふうということになれば、いまおっしゃったようなことも一つのサゼスチョンになるわけです。私どもがいままで、四月調査ということで現実に調査員が調査を締め切りますその時期が、六月十五日まではお待ちしているのです。四月分を六月十五日までは、ほんとうに足を棒に各事業所を調べてやっているのです。しかし六月十五日をおくれると、勧告時期もまた自然にずれてくるだろう。われわれとしては四月の官民格差を埋めていただくためには、なるべく早目に支給をして、そして追い払いをしていただかぬことには、公務員各位がお困りになるだろう。したがって、勧告は八月半ばにして、そうして、いまのお話で非常に寛容なお心がうかがわれましたけれども、私どもとしては、勧告が出たら、九月早々に給与法のための臨時国会を開いていただいて、そしてそこで、いまおっしゃるように一日で可決していただくということになれば、さかのぼり方も非常に短くなる。早くいただける。そういう点から、やはり八月半ばころには無理しても勧告申し上げるのが公務員の利益であろう。それから来てこういうことになっておるわけです。  いまのお話のように、最近のようにたいへん国会上程の時期がずれてまいりますと、もうちょっとそれでは調査のほうも、念入りにゆっくり締め切りをずらしてやってもいいのじゃないかというお話が出てくるのは、これはまた当然のことなんです。そこのかね合いの問題なんです。われわれとしては、やはり早く公務員各位に追い払いを差し上げたいということでいけば、大体八月中ごろまでには締め切って勧告ができるように、そこのところのかね合い——もうちょっと詳しくお話を聞きたいと思いますけれども、しかし、これは予測の問題で、あるいは場合によっては、九月早々に臨時国会を開いてやろうとおっしゃるかもしれませんし、その辺のところに問題があるということです。
  31. 受田新吉

    受田委員 これはいろいろな方法をお互いに検討しなければいかぬ。つまり公務員をいかに優遇するかを考えていく立場からは、現在より一歩前進であるならば、つまり八月勧告、九月臨時国会、こういう形でいく。一番先に言ったそれが現実に困難であるとするならば、今度は次善の策。それは、四月で積み残しを全然しないでより有利な勧告を出してもらう、こういうやり方が次の問題としてある。こういうようなことを、これは総務副長官、七人委員会などは私がいま提案したような問題もかねて検討されておるのかどうですがね。七人衆の御会議はお聞きになっておりませんか。
  32. 砂田重民

    ○砂田政府委員 八月十三日に人事院から勧告を受けまして、その当日、直ちに先生おっしゃいました給与関係閣僚会議を開催いたしまして、勧告の実施にあたって財源等の問題がございますけれども、完全実施の方針を受けていこうということは、その日に実は内々の意見の一致を見ております。八月二十四日の閣議で、人事院勧告どおり給与改定を行なうことを正式に閣議決定をいたしまして、その後、閣議決定に基づいて改正案を準備しつつ財政上の手当てをして、この臨時国会の冒頭に提出をしたわけでございます。ただ、受田先生のおっしゃいます、できるだけ早くという御趣旨は私も同感でございますが、財源措置、法案の準備、それに臨時国会への提出時期、いろんなことがからみ合っているんではないかと思いますので、できるだけ早い時期にこれを実現するということについては、政府といたしましても、国会のほうとも御相談をまたしてまいりたい、かように考えます。
  33. 受田新吉

    受田委員 いま私が指摘したような、つまり公務員をいかに優遇するかについていろいろな方法がある。その一つの方法の中で、春闘の積み残しをしないようにして、完全にこれを組み入れた形の勧告をせしむるために、多少の時期的なズレというものが考えられる。そういう場合が公務員の側から見るといまよりも前進するわけです。そういうようなことが検討対象になったことがあるかないかということです。最善でない次善の策を考えたことがあるか。
  34. 砂田重民

    ○砂田政府委員 人事院の御調査というものは、非常に精密な調査をなさるわけでございます。それだけに私ども人事院勧告というものを十分信頼をしてきているわけでありまして、それだけに、春闘の積み残しのないように、その調査の時期をどういうふうにというふうなことは、私どもといたしましては、むしろ人事院の技術的な問題にその重点がかかっているんではないかと思います。人事院にむしろおまかせをしているというのがいまの実際の姿でございます。
  35. 受田新吉

    受田委員 政府は常にそれで逃げてきているわけです。それなら、人事院勧告があったらすぐ法案を出して臨時国会を開けばいい。しかしそれもやらない。やらないとなれば、もっと念入りな調査をした、現在の勧告よりももっと有利な勧告。積み残しを全部積めれば、それで勧告してもらったほうが、結果から見ればいいことになる。そういう形で公務員を一歩でも優遇するという配慮を政府が非常に念頭に置いた議論というのは、私はあってしかるべきだと思うのです。そういう心づかいが常に政府の配慮にあるならば、公務員だって、それに対して政府の心づかいを十分感じますよ。勧告を受けっぱなしで、臨時国会を十一月中旬以後に開いて、結局は、十二月のボーナスを払ったあとから追っかけて追加払いをするというような、ぶさまなかっこうになっているわけですね。ほんとうに残念な現象が起こっている。こういうことを一緒に御検討願いたい。  私、ここで今度は総理府に質問を集中したいと思っておるんですが、特別職の法案を御一緒にお出しになっている。また沖繩関係職員の優遇策も一緒に出しておられるので、そのほうにお話を進めていきたいと思います。  特別職という職務俸給表というのは、一般職を基準にしたといいながら、実は大ざっぱに従来これが結果的に見ると扱われている懸念があるんです。それは各種委員会の行政委員会の委員長委員というようなものに対しても、この職務は非常に重大な内容を持ち、責任が重大であるからというので、勤務の形態としてはほんにわずかな勤務であっても、これを常勤と同じような関係処遇している。  たとえば国家公安委員会の委員のごときものです。勤務日数はせいぜい一週間に一ぺん。短い人は二十日前後出て、そして一年分の給与をいただいておるという形になっておる。これは私しばしば指摘しておるんです。そこに、特別職というのは大づかみで、いかにも雲をつかむような形で給与がきまっておる。これを正常化する必要はないかということを常に考えてきておるんですがね。つまりポストを中心に給与をきめるものだから、勤務形態が、ほんとうに非常勤のような、月に一回か二回かちょっと顔を見せるだけで三十万、四十万という月給をおもらいになるというような顔の月給取りがあるわけです。こういうものはむしろ、国家公安委員会の藤井委員のように、出勤日数に応じて手当をもらっておるという、非常勤勤務者と同じような形で給与をいただくというほうが筋が通るんです。これは私、昨年も一昨年も指摘しましたが、特別職俸給のきめ方というものは、ちょっと私が不安に思っているような形になっているのではないか。御答弁を願いたい。
  36. 砂田重民

    ○砂田政府委員 受田先生、以前からこの問題は真剣に御検討いただいておるところでございますけれども特別職の、特に各種委員会の常勤の委員の方々でございますが、やはりその性格上、いま受田先生御指摘になりましたような、委員会の開催日数が少ない、そういう事実は確かにございます。しかし常勤の委員の方々は、委員会に出席しておられないときでも、常時義務を行なう態勢をとってもらっておりますところが、非常勤の方とやはり異なる点だと私は思います。そういう意味で常勤の委員と非常勤の委員とには差が設けてある。非常勤の方は必ずしもそうではありませんけれども、常勤の委員は、委員会の開催されてない日でも常時業務を行なう態勢をとってもらっている、そこに違いがあると思うのです。  いま日額支給の御意見が先生から出ましたけれども、これはやはり、その委員になっておられる方の他の所得、こういうことを勘案をいたしまして日額支給という制度を設けておるわけでございまして、一応の形はこれで整っている、そういうふうに私どもは考えているところでございます。
  37. 受田新吉

    受田委員 これは制度的に非常に問題があると思うのです。つまり他に所得がある方は非常勤の手当でよろしい。他に所得がある方は常勤的勤務でないから、国家公安委員としても、その御出勤になる日だけが責任で、ほかの日には責任がないのだ。つまり法律に国家公安委員会の委員としての官職名をはっきりうたってある以上は、その人がたとえ非常勤の手当をもらう人であっても、常勤の手当をもらう人であっても、勤務の形態は同じだと思うのです。非常勤で日額をもらっている人は非常に楽な勤務でよろしい、それから常勤の手当をもらっている人は非常にきびしい勤務をしなければならないというのが、どこか法律か何かにうたってあるのかないのか。その差があるのかないのか。
  38. 砂田重民

    ○砂田政府委員 先生がおっしゃいます勤務ぶりと申しますか、そういうことでこれは異なる範疇に入れているわけでは毛頭ございません。勤務する勤務姿勢、その精神、こういうことで分けてあるわけでは毛頭ございません。
  39. 受田新吉

    受田委員 これははなはだおかしいことなんです。ちょっと常識で見ても、普通の一般人の認識から見ておかしいことなんです。つまり、国家公安委員会の委員として四十万を毎月もらっておる、これは最高です。公務員最高をもらっておられる。それで出勤した日の日額は幾らですか。国家公安委員の藤井さんは日額幾らもらってますか。
  40. 宮崎清文

    ○宮崎(清)政府委員 今回の改正で、かりに特定をして恐縮でございますが、国家公安委員会の委員のうちの藤井委員は一万六千四百円を支給されることになります。
  41. 受田新吉

    受田委員 副長官、一万円ばかりいただかれるわけでしょう、勤務した日に。大体一週間に一ぺんということですが、藤井さんは昨年大体何日出ておられるか。国家から支払ったお金ですから、日数はわかるはずです。
  42. 宮崎清文

    ○宮崎(清)政府委員 昨年度におきまして、藤井委員が何日御出席になったかという資料は、現在持ち合わせておりません。ただ、一般的に申しますと、先ほど先生御指摘のように、国家公安委員会は現実には週一回定例日がございまして、週一回の定例日に御出席なさるように私たち承知しております。  先ほど、たいへん申しわけございませんが、間違えまして、一万六千四百円と申し上げましたのは、現行法によります額でございます。今回改正されますと一万七千三百円になります。たいへん申しわけございません。
  43. 受田新吉

    受田委員 大体一週間に一度といいましても、毎週開くといっても欠ける日がありますから、大体三十日ぐらい一年に出ればいいと思うのです。そうすると、一方は一万六千円です。三十倍として五十万そこそこ。もう一方は四十万に対して四百八十万。それに期末手当がつく。そういうものを計算すると、同じ国家公安委員であって、一方は十倍以上の所得があり、一方は十分の一でがまんしておられる。しかも勤務は全く同じ形になると私は思うのです。つまり、非常勤の日額をもらう人はその出勤される日だけの勤務でいいのだ、あとの月給はあげてないからどこへ旅行されてもいい、御自由ですということになっておられるのですかどうですか。勤務形態は、出勤日以外は自由行動、一切勤務の必要なしということになっておるのかどうか。
  44. 宮崎清文

    ○宮崎(清)政府委員 それはあるいは警察庁のほうからお答えするのが筋かと存じますが、私たち承知しております限りでは、やはり国家公安委員は、公安その他のいろいろな事件を取り扱っておる最高の意思決定機関でございますので、先ほど副長官が申されましたとおり、一応常時出られる態勢というものが必要ではなかろうか。現実に勤務なさることは、先生御指摘のように週に一回かもしれませんが、態勢としてそういうことになっておりますので、その他の国家公安委員のみをおやりになっていらっしゃる委員につきましては、御指摘のように相当額の報酬をお支払いしておる、このように理解いたしております。
  45. 受田新吉

    受田委員 地方に公安委員会というのがあります。それから地方に教育委員会というのがある。これらの委員の皆さまは手当というのはほんとに少額です。府県によれば、府県の教育委員でも二万程度のところがたくさんある。公安委員はそれにちょっぴり毛がはえている程度、二、三万ぐらいのところがたくさんある。それと同じような形で、私はある程度名誉的な意味を含めた待遇でいいと思うのです。したがって国家公安委員は、四十万円もらわなければ私は委員にならぬというような方を選ばなくてもいいのです。そういう方は御遠慮願って、地方の公安委員会や地方の教育委員会の委員の方が薄給に甘んじて精励恪勤していただいておるのと同じような熱意の方を、国家公安委員会の委員に選任していただければいいのです。  その意味において、こういうおかしな給与体系があるということは、特別職の法案審査をするにあたって非常に疑義がある。一方は四十万毎月払う、ある委員は日額でがまんしておる。一方に所得があるからがまんするというのとは問題が別ですよ。所得があろうとなかろうと、これは当然やるべきことであって、やる場合はやる、やらざる場合は一様にやらざるようにすればよろしい。だから国家公安委員の四十万という額は、他の職種委員会の委員などのように、もっと金額を減らしても、その地位は高いところにあると思うのですよ。金額を多く出さぬと地位や権威を失うという問題ではないのです。私は特別職俸給表を拝見するたびにこの疑義を抱いておるのです。きわめて大づかみに給与がきまっておる。地方の教育委員会や地方の公安委員会の実態を調査されておりますかどうですか。中央、地方を通じて同様の検討が必要だと思うのですが、全く地方は薄給に甘んじております。都議会の承認を得て、あるいは府県議会の承認を得て薄給に甘んじてやっております。どうもこれは、常勤的性格を持つ委員と、名誉的性格が相当強いのだから、その部分を混同されておる。  外務省の佐藤先生、私、去年、愛知外務大臣にお尋ねした質問です。これはやっぱり特別職の中の大使、公使の給与をお尋ねしたわけですが、大使五号俸、公使四号俸俸給というものの中に、名称公使と称する、事実は公使の仕事をしておるにかかわらず公使の月給をあげていない職種がある。佐藤官房長は認証公使でいらっしゃったから、その苦難をなめておられない。苦しいであろう名称公使の立場を、佐藤さんは御体験になっていない。認証官たる公使と名称公使の差があるというのは気持ちがいいくらいに考えておられるのじゃないかと思うのです。しかし問題は、公使の職務を行なっておることは、その国において公使として、対外的に公使をしておられるのじゃないでしょうか。これはどうでございましょう。
  46. 佐藤正二

    佐藤(正二)政府委員 昨年の暮れでございましたか、先生から御質問ございまして、私も全くそういうふうに持っていきたいということをお答えをしたことを記憶しております。したがって、その後関係当局といろいろ話をしておりますが、先生御承知のとおり、外務公務員法できめられております公使と申しますのは、いわゆる特命全権公使のことをいうというふうになっており、法律改正が必要でございます。それからまた、いま名称公使と申しますのは二十五人おります。これにやはり公使給与をやるには二つ問題がございます。一つは身分の問題と、あと給与の問題の両方ございますわけでございます。身分も給与も同じようにしてしまうということになりますと、やはり予算の問題がある。いろいろな問題、ネックがございまして、まだ解決しておりませんが、今後私は努力を続けたいと思っております。
  47. 受田新吉

    受田委員 今度改正案で、大使と公使の俸給表の一号俸はどっちも三十一万円なんです。大使と公使の最下位は同額なんです。これを下に下げればいいのです。指定職は十八万から始まるのだから、十八万くらいの公使があっていいのです。十八万、二十万というようにもっと間隔を開いていいわけです。つまり名称公使のための俸給表を追加すればいいのです。そういう点、やはり法律改正は、外務公務員法の中にある、名称公使を置くという規定を改正すればいい。仕事はごく簡単です。そうして国民もそのほうが安心します。あの方は、公使ということで海外で御苦労されて、くにでは、わが郷里から公使が生まれたというので非常に喜んでいたら、実は名称公使で参事官の月給をもらっておる。それじゃかわいそうですよ。名称だけだそうだということになる。羊頭を掲げて狗肉を売るということばがある。外交的には羊頭でいっているが、中身は参事官の狗肉で処遇しておる。  私は、その職務に適切な月給を払うというのが給与政策の基本であると思っておるのですが、これは私も何回かそういう方々にお目にかかったが、御苦労しておられる。海外では公使の御招待ということですからね。公使とお話をして非常な御苦労がわかることにも、何回も遭遇しておる。ところがその方というのは名称であった。名刺へ名称とは書いてない。認証と名称の差は一つも書いてない。何々公使何とかと書いてある。厳密に外務省へ行って身分調査しないと、認証か名称かはわからない。いま名称が二十五人、認証が二人おられる。だれがそれに当たるか、国会議員の皆さんだってなかなかわからないです。  そういうことを考えてみると、やはり公使の俸給表を延伸して、法律改正して、名称を用いる場合であろうと——認証の公使と名称の公使があっていいのですよ。両方があっていいのです。認証と名称の二つはあっていいのですが、名称公使であっても公使だから、公使の給与を出す。ごく簡単です。佐藤さんは、外務省をささえられる、まだこれから将来あるお方ですから、あなたがそうして仁政を施していただくと、外務省にとって非常にプラスです。つまり月給の高い公務員がふえるということは、外務省の権威が高まるわけです。名称だけで、えさで、待遇は低い待遇を与えておくという職員が実はおるのです。御存じですね。(「アメリカで公使と食事をしたのは名称だったんだ」と呼ぶ者あり)そうですよ。そういうことなんです。人事院などがこういうことをやると、人事院は国民から非常にあれされるから、特別職であるとついいいかげんになって、総裁も実際は嘆いておられると思うのです、こういうやり方は。私、みんなでほんとうに職務に忠実な給与をあげるというかっこうでお手伝いしたい。昨年からの懸案の解決にひとつ一歩前進の御努力をお願い申し上げておきます。お答えをいただきます。
  48. 佐藤正二

    佐藤(正二)政府委員 そのとおりでございます。今後努力を続けたいと思います。
  49. 受田新吉

    受田委員 そこで今度は防衛庁ですが、委員長、私の質問は何時までになっておるのですか。
  50. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 おおむね一時間程度ということで。あと三名おりますから……。
  51. 受田新吉

    受田委員 それでは少し急がなければならぬ。私だけかと思ったが、失礼しました。  それでは防衛庁のほうへ移らしていただきます。外務省、けっこうでございます。  防衛庁職員特別職でいらっしゃるので、俸給表を拝見して、一般職に準じた扱いをしておられることがよくわかるのですが、私、どうも気にかかることは、この防衛庁職員の中に特別の任務を持った職員がおる。たとえば警務担当の職員、医師の業務を担当される職員、あるいは看護婦の職務を担当する職員、こういう職員がいろいろおる。これらの皆さん給与が一応自衛官という給与で一括まとめられておるわけです。ところがそのまとめられている本家は一般職である。一般職職員俸給表を参考にしながら自衛官の月給をおきめになったということになっておるのでございますが、そこで問題が起こるのは、医師である自衛官の給与というものは、大学制度上の二年間という長い学歴計算をして、特別の処遇をされておることも伺っております。ところが、看護婦の任務にある自衛官の場合は——医療職の(一)を適用されておる医師たる自衛官と、それから医療職の看護の俸給表を適用しておられる婦人自衛官とは、この医療職の俸給表をどういうふうに利用しておられるか、御説明願いたいのです。
  52. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 看護婦の給与につきましては、確かにこの医療職の(一)と(二)と二つに分かれております。しかしながら、この防衛庁給与は階級別に、その階級に相応する一般職の類似の職種俸給表を基準にしましてきめておりますので、看護婦でありましても、その下のほうのグレードの者につきましては、それは医療職の(二)を使い、ある程度管理監督の任についてまいりますと、看護婦にはその階級に応じて一般職の医療職(一)の俸給表に見合う程度のものを支給しておるというようになっております。
  53. 受田新吉

    受田委員 それで、一般職の医療職の看護勤務者の俸給表は結局参考にしない、そんなものは要らないんだという御説ですかどうか。
  54. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 自衛官である看護婦は、その職種に応じまして階級昇任を早めるとか、あるいは一般職俸給表を適用をしましても、その際には、一般の他の病院の看護婦と均衡のとれるように俸給表を考えながら、その階級昇任と号俸の特別調整措置いたしております。
  55. 受田新吉

    受田委員 そこに、一般職俸給表を参考にすると言いながら参考にしない職種がある。御都合主義で一般職俸給表は利用されておるというそしりは、私は免れないと思うのです。つまり、看護勤務をする職員は、自衛官になっても国家公務員の看護俸給表を適用する。その適用の例外規定を設ければいいのに、その俸給表は全然参考にしないんだというようなことであるならば、都合のいいところは一般職俸給表を利用する、都合の悪いものはそれは採用しない、そういう身がってな俸給表をおきめになる自衛隊ということでは、私、筋が通らぬ。つまり、一般職俸給表をどう参考にしたかがもとでなければならぬのに、俸給表はもとにしていませんというのは、これはおかしな話ですね。そんな無責任な、都合のいい分は採用するが、都合の悪い分は国家公務員一般職は採用しないのでございますと言う。いまの看護自衛官のは採用しないことになっておるのですね。それはしておるのですかどうです。している部分があるかどうかです。
  56. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 自衛官の俸給表は階級別に単一号俸表でできておりますが、階級別に一般職のそれに類似する職種号俸をそのまま基準として持ってまいりまして、それに自衛官の特殊な勤務態様を加味して俸給表をきめております。したがって看護官の場合には、実際に他の病院において看護婦がどの程度の月給をもらっておるかということを参考にしながら、われわれのほうでは、その階級の昇任速度と、それからその階級における号俸との関係におきまして、十分均衡のとれるような措置をとっておる、そういうことでございます。
  57. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 時間の都合もございますので、できるだけ早くしてください。
  58. 受田新吉

    受田委員 自衛官の場合には、医療職の口も日もほとんど問題にしていない。階級ということでみんな片づけておる。したがって、この医療職の自衛官から見ると、看護婦の俸給表は不適当である。総婦長という制度もある。総婦長という制度に該当する給与というものがここにある。俸給表がね。そういうものはほとんど参考にしないで、階級で片づけるというお話のようです。これは非常に問題があって、婦人自衛官の待遇を改善していかなければならぬ。しかし、それは医療職の(一)と(二)と(三)との関係をどう扱ったかを十分明確にして——普通の医師の場合は医療職の(一)を採用しておる。(一)を採用して、とんとんとんと上のほうに飛ばして持っていっておる。それから今度、医療職の口と日は全然参考にしないで、国家公務員俸給表というものは要らないのだ、そんなものはもう要らぬのだ。つまり医療職の口と日は採用していないということですね、事実問題として。
  59. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 確かにこの医療職の場合は、医師である自衛官の場合は医療職(一)を十分参考にしながら、階級別単一号俸表でありますけれども、それを加味するように、たしか五年ぐらい前に法律制度改正しまして、医師たる自衛官はそれに見合うようなふうに給与調整することになっております。看護官の場合はそのような法令の改正をいたしておりませんので、したがってそういうような御指摘がございますけれども、実際に下位等級の看護官の場合におきましては、一般職の医療職口あるいは日ですかの給与をもらっている者よりも、実質的には自衛官のほうが現在のところは幾ぶん高くなっておる。したがって、その調整をする必要は現在のところはないという実情でございます。
  60. 受田新吉

    受田委員 事実参考にしてないという問題が一つあるわけです。これは参考にしながら特例をきめればいいので、これを無視したやり方というものは私は非常におかしいと思うのです。つまり国家公務員俸給表を利用するものもある、利用せぬのもあるという行き方でなくして、原則はこれを適用してそれに特例を設ける、そして処遇をはかっていくということにすればいい。おしまいに、時間が来たようですから、最後に一言自衛隊員の処遇についてお導ねしておきたいことがあります。  殉職者の扱いが非常に問題があるのです。私は、平時における国家公務員災害補償問題のほうは一応お預けにして、せっかく防衛庁責任をもってやらさねばならぬようになっておる、防衛庁職員給与法の中にある防衛出動、治安出動等をした場合における隊員の処遇という問題。災害を受けて負傷し、死亡した場合の処遇という問題が、防衛庁職員給与法の第三十条の中に、「出動を命ぜられた職員に対する出動手当の支給、災害補償その他給付に関し必要な特別の措置については、別に法律で定める」となっている。ところが、自衛隊法ができ給与法ができて何年たっているか知らぬが、そういう防衛出動の際の法律の制定も怠っておられて今日に来ているのです。自衛官には、そういう出動をした場合、敵の侵略を受けて、これを防ぐためにのみ、専守防衛で死亡しあるいは傷ついた場合に、どういう処遇をしてもらえるかが法律できめてもらってないのです。つまり「法律で定める」と書いてあるのになぜ法律で定めないのか。なぜなまけておられるのか。ちょっとお答えを願いたい。
  61. 野呂恭一

    ○野呂政府委員 いま先生御指摘のとおり、防衛出動及び治安出動の場合における給与につきましては、防衛庁職員給与法の第三十条に、これに対する支給、災害補償その他給付に関して、特別な措置について法律で定めなさいということが明確にされておるわけであります。これは、いまのところ別途法律が定めておりませんので、今後これについては十分検討した上で成案を得たいというふうに考えておるわけでございます。
  62. 受田新吉

    受田委員 「法律で定める」と書いてある以上は定めなければならない。これは政令委任じゃないのですから。これは法律事項になっておる。それを、法律事項を国会にも御提出に相ならないで、そして現に隊員たちに対して、外部の侵入があったときに一体自分はどうしたらいいのかというときに、外部の侵略に対して勇敢にこれを排除するために努力した者が、普通の国家公務員災害補償の手当ぐらいしかもらえぬということでは、これはあまり気の毒だ。隊員の士気を鼓舞する上からも、そうした不幸な事態だけれども、外部の侵略で国土、国民のために命を捨てた場合はこういう処遇をしてあげるんだよということを、ちゃんと「法律で定める」と書いてあるのだから、これは早くおきめになったほうがいいです。何か作戦計画があるのでございますか。どうも「法律で定める」と書いてあるのに定めぬのは法律無視である。法律無視ですよ。
  63. 野呂恭一

    ○野呂政府委員 庁内におきましていま研究会をいたしておりまして、なるべくすみやかに御趣旨に沿って法律案を制定し、御審議をいただきたい、かように考えております。
  64. 受田新吉

    受田委員 これで終わります。
  65. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 華山親義君。
  66. 華山親義

    ○華山委員 いま議題になっておる法律の問題についてもお伺いしたいのでございますけれども、時間が二十分ということでございますから、そのほうはあとのほうに回しまして、ちょうどいい機会でございますので、人事院総裁に伺いたいのでございます。  去る十一月一日に東京地方裁判所の判決がありました。郵便局の職員が、昭和四十一年でございますか、「ベトナム侵略に加担する佐藤内閣打倒」というプラカードを持って歩いた。そういうことについて戒告処分がなされた。それについて人事院に審査請求をしたところが、これにつきまして審査請求棄却をなすって、このたびの裁判所の判決で、御承知のように取り消しを命じたわけであります。  この点について伺いたいのでございますけれども、私は、現在政府が控訴していらっしゃいますから、いろいろなことについて判例の批判等はお話もしにくいでございましょうし、お伺いいたしません。ただしかし、この判決は将来の公務員に対する拘束の上で非常に参考になる判決ではないか、こういうふうな立場からお伺いいたしたいのでございます。  この判決の中にもありますとおり、この法律昭和二十二年十月に制定されまして、昭和二十三年に法律改正されている。その改正されたときの状態につきまして、これは当時のアメリカの占領軍のほうからきつい通達があって改正したのだ、ということがいわれているわけでございますけれども総裁はその当時その方面を担当していられたのではないかとも思いますので、その間の事情をひとつお伺いいたしたい。
  67. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 当時は私が内閣の法制局におりましたころでございます。私は偶然現在の公務員法の立案にもタッチしておりますし、当時の司令部関係とも往復しておった関係もありまして、いま御指摘の規則は、これは純粋に人事院規則でございまして、政府側の何らタッチすべき事柄ではありませんけれども、しかし、そういう縁故を踏まえて、当時のたしか浅井人事院総裁だったと思いますが、いろいろ協力を求められたという経緯がございます。  最初の考え方は、一つの案としてあったように私、記憶しますけれども、それから先の話は、いまおっしゃるように、当時司令部は厳然として控えておったころで、あちらとの折衝もひんぱんに行なわれておったらしい。これはらしいと申し上げるほかないので、私はそこまではタッチしておりませんから。そういう経過もあって現在の規則ができた。きわめて大づかみに申し上げると、そういうことであったように思います。
  68. 華山親義

    ○華山委員 詳しいお話は御存じないのか、あるいはおっしゃらぬのかわかりませんけれども、判決等によりますと、当時、国家公務員の反政府の運動が非常に激しいので、これに対して占領軍のほうから政府のほうに要請があって改正されたというふうにいわれているわけであります。そういう事実について伺おうと思ったのでございますけれども、あまり御存じないのか、お話ししにくいのか、おっしゃいませんから、これでとめておきますけれども、私は現在の法律、それに基づく特に規則というものはあまりにひど過ぎるんじゃないか。投票以外の一切の政治的行動はこれは禁止している、こういうふうにしか思えないわけであります。ことに法律のほうでは、人事院規則の定むるところによってやるのだということで、これを人事院規則にまかしているわけです。現在の法律において規則にのみ多くまかせるということはどうかと思う、非常に危険だ、というふうな考え方もあるわけでありますけれども、その典型的なものはこれだと私は思うのです。選挙等について法律の中では二つばかり書いてありますが、その他は人事院規則の定めるところによってやるのだ、こう書いてある。人事院規則は事こまかにこれを規制しているわけです。  こういうふうなやり方でございますが、これにつきまして私、考えますのに、判決を見ますと、この人事院規則を合理的に憲法と合致するようなふうに適用することによってのみ、この法律及び規則の合憲性がかろうじて保たれているのだ、したがってこの適用については合憲性を考えながらやらなければいけないということを、主としてこの判決は言っているようであります。それにつきまして、この判決というものとは別にしまして、現在のように選挙の投票以外はどんなことをやってもひっかかるようなこの規則というものはやはり、あの当時の戦後のような状態から脱却した今日においては再考すべき問題じゃないか、こういうふうに考えますが、総裁いかがでございますか。
  69. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 問題を突き詰めてまいりますと、憲法第十五条の第二項にあります「公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」、これはワイマール憲法から来たものであることは御承知のとおりでございますが、ワイマール憲法では「一政党」云々とうたって、政治的な活動についてのまっ正面からの条文になっております。われわれの憲法ではこれを広めておりますが、やはりその焦点は政治的活動であろうと思いますが、その条文の趣旨と、それから今度の判決でもたしか取り上げられておりましたように、二十一条の表現の自由等の問題とのかね合いになるかと思います。  それからもう一つは、最初におことばがありましたように、法律でもう白紙委任的に人事院規則にまかしておることについての批判というものもありますが、最後に申しました白紙委任のほうの批判は、これは前に、御承知のように最高裁の判決がございまして、それは合憲だと言っております。  それはそれでいいのですが、ただその人事院規則のあり方の問題につきましては、先ほど二つ申しましたが、二つの柱の間でいかにこれを適正に扱うかという問題があるわけであります。これは見方によって、それぞれのお立場によりまして、それでさえも甘過ぎるという批判もある。また今回もお話しのように、少し辛過ぎやしないかという御批判もあるわけであります。したがいまして、われわれとしては、これはなかなか扱いにむずかしい問題を多々持っているということは、これは真実でございます。したがいまして、これも御記憶でございましょうが、前にILOの条約の批准の際に公務員法の改正案が出まして、人事院を二つに分割するというようなことがありまして、私どもこれは大反対を申し上げたわけでありまして、幸いに今日のようなことになりまして、その中に、政治行為の規制に関する人事院規則、これは規則で書くのはおかしい、むしろ法律で直接書くべきだということも現に実はあったわけですね。それは私どもも、内心それが筋だろうとその点は賛成しておりましたが、これは不幸にして実現しなかったということも、やはり問題のむずかしさというものをそこに暗示しているのじゃないかという、これはほんとうにひが目かもしれませんけれども、そういう感じがいたします。したがいまして、運用の面の適正ということは判決も言っておりますから、それは別問題でありますけれども、規則のほうの問題としては、そう軽々しくこれを直すまでのわれわれとしての心がまえはできておらないと、はっきり申し上げたほうが正直だろうと思います。
  70. 華山親義

    ○華山委員 ワイマール憲法のことをおっしゃいましたが、ワイマール憲法では、しかしとにかく両立するようにできている。せっかく両立するようにつくっているわけです。それで一般の人々の考え方は、アンケートをとってみたわけでもございませんけれども、私は新聞そのものがすべての世論であるというふうには考えませんが、しかしあの当時の新聞の世論というものは、非常識だということばが使われている。郵便局の職員がそういうプラカードを持ってメーデーに参加したから、これが懲戒だなぞということは非常識だとさえ言っておるわけであります。それで、こういうふうなことは、人間として、民主国家の国民として許すべき範囲に属するのじゃないか、私にはそういうふうに思われるわけでありますし、この法律の制定された当時とは事情も違っておりますから、反省さるべき時期に来ているのではないかと思うわけであります。  そこで一つ伺いますけれども、地方公務員法と国家公務員法につきまして、政治に対する公務員の立場、こういうことについての立法が違っている。これはどういうわけで違っておるのか。なぜ国家公務員がきびしくて、地方公務員はそういう点は国家公務員ほどきびしくなっておらないか。これはどういうところから出てきたのか。
  71. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 最初に、前のお尋ねに対して私は少しはっきり言い過ぎたなということを反省いたしまして、多少これをやわらげておきたいと思います。すなわち、問題の所在は所在として、われわれとしてば今後も検討すべきであろう。もう直すつもりはありませんなんと言い切ったようなことになっておるようでありますが、これは訂正いたします。  さらに、いまは地方裁判所の判決の段階でありまして、さらにこれは控訴もなされておるという段階でありますから、そういう見方もできますけれども、やがてこれが最高裁の判断が下って、われわれとしてはこれは何とかしなければならぬという立場になれば、これは当然それに即した措置をとらざるを得ない、そういう気持ちでおることを申し添えておきたいと思います。  それからもう一つのいまのお尋ねは、国家公務員法と地方公務員法との制定時期のズレということもあった。それをまたおっしゃりたいのだと思いますけれども、しかし全体の法のたてまえとして、国家公務員法の実体と地方公務員法の実体とは相当変わっておる。それは地方の公務員、国家の公務員ということからくる区別だろうと私は考えております。そういう意味で、地方公務員のほうについてはあまりとやかくここで申し上げる立場にありませんから、その程度にとどめておきたいと思います。
  72. 華山親義

    ○華山委員 だから私は、初めから申し上げましたとおり、いま進行中の訴訟でございますから、この判決等につきまして、あるいは今後あるべき最終判決等につきまして、私は言っているのじゃありません。ただしかし、そういう裁判結果、裁判の進行とは別に、この法律、あるいは規則になりますか、規則を変えるなり、規則は変えなくて、も、この適用についてもっと常識的な適用があっていいんじゃないのか、そう思うのですよ。メーデーに郵便局員が、あるいはほかにもそういう連中がおりましたけれども、そういう連中が、内閣打倒というふうなものを持って歩いたからといってこれを懲戒にするならば、一体何人の人が懲戒にされるか。私は刑事訴訟法をよく知りませんけれども、これは現行犯なんです。警察官があれだけいる。そういうものを持って歩いたら全部引っぱったっていいじゃないかというふうな議論さえも出るわけでありますけれども、それをやらないということは、やはりそういうことをやることが常識に反するからなんですよ。そういう常識に反するようなことを公務員に義務として課することは、私はどうかと思う。  それからこの規則を見ますと、こういうふうなことのあった場合には、官庁はすぐ人事院に対して報告をするということになっている。また報告につきましても、当時の占領軍のもとにあったときのことでございますから、きわめて詳細に報告をすることになっている。このたびの沖繩の問題につきまして、多くの公務員がゼッケンをつけまして、沖繩協定反対、佐藤内閣打倒と言って歩いた。そういうことにつきまして、どこかの官庁から報告がございましたか。
  73. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 報告は、御承知のとおり、懲戒処分を行なった場合に、こういう処分を行なったという報告でございますから、まだそういうなまなましい現実の関係のものは、懲戒処分もなされておるかどうかわかりませんし、報告もありません。
  74. 華山親義

    ○華山委員 それは私、そういう事実があった場合に報告するというふうにこの法令を読みましたのですが、これをまた読む時間もありませんから、もう一ぺんよく法律を読んでみます。  そういうふうなことで、私、実際見ているのですけれども、メーデーの際に地方では、地方公務員と郵便局の職員が一緒にやる。これは当然なんです。県庁の職員や役場の職員は、佐藤内閣打倒と書いたところがそれはいいんだ、郵便局のほうのグループはそれは悪いんだなんて、そんな非常識なことは世の中で通らないですね。地方公務員といえども国家公務員と同じでしょう。  そういうふうなことからいいまして、私は、少なくともこの規則というものは、非常に出過ぎた規則なんだと思う。法律で規定すべきものを、その当時だから許されたんでございましょうけれども、規則できめている。それですからこの規則を改正する。しかし私も政府の立場に同情いたしますけれども、現在訴訟が進行中なのだから改正はできない、こういうことも私はわかる。そういうふうなことで、この適用につきまして私は相当考えていただきたい。常識的な適用をしていただきたい。少なくともそういうふうな御配慮を人事院総裁のほうからお考えになって、そして一般にもわかるようにしてもらいたい、そういうふうに思うのですが、総裁いかがでございますか。私は、先ほど総裁が言われた、最終判決のあった場合には直すか直さないかきめます、そういうふうなことは、判決とは全く分離して考えておりますから。
  75. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 おっしゃる御趣旨はよくわかります。貴重な御示唆としてわれわれも今後に臨みたいと思います。
  76. 華山親義

    ○華山委員 もう一点だけ、あまりそのことばかり言って法律関係あることを言わないといけないからちょっとお伺いしますが、いま実情を見てみますと、こまかな話ですが、用地職員というものはたいへんな苦労をしておるわけですよ。これから公共事業が多くなりますと、用地職員の苦労というものはもっともっとひどくなると思う。とにかく土地を持っている人のところに行くときには夜か日曜日、これも頭を一生懸命下げて行く。そういうふうな非常につらい仕事をしておりますし、今後公共事業が多くなるということになりますならば、用地職員の苦労も増すだろうと思うのです。それで、この点について何か考えたらいいじゃないかということを建設大臣に言いましたところが、建設大臣は、私の記憶に間違いなければ、自分で人事院総裁にも会ってよくお願いしてあるんだ、それで華山さんもひとつ御協力願いたいというお話でございますから、この場所で申し上げるのが一番協力するゆえんだと思いますので、ひとつその点伺っておきたい。
  77. 尾崎朝夷

    尾崎政府委員 用地関係職員といたしましては、北海道開発庁、それから建設省、農林省に全体として約千名ほどおりまして、普通の職員とは違った仕事で、困難な内容で仕事をしているということが確かにございまして、各省から給与法の関係についていろいろお話がございました。私どもとしましても、いろいろ検討をしてまいっておりまして、これらの職員につきましては、仕事が普通の職員とは異なるということで、職務評価といたしまして、特別な専門職であるということで、一般職員といたしましても、特に格づけということでなくても四等級までは行けるという形で等級別定数上で優遇するような評価をいたしております。  なお、特殊勤務手当等を支給してほしいという意見もございますけれども、こういう職員は、たとえば夜中に行っていろいろ仕事をするといったような関係がございまして、そういう点の関係は認められますけれども、特殊勤務手当というのは、やはり毎晩毎晩同じような仕事に対して定額的なものをやるという感じがございまして、用地職員は毎晩同じような仕事であるということではないものでございますから、どうも特殊勤務手当措置するのは適当でないんじゃないか。やはりそれは本来の職務でございますので、夜中に行って仕事をすればそれだけの超過勤務手当を出すということのほうがむしろ適当ではないかということで、現在そういう形で処理いたしておりまして、本法のほうで優遇措置を講じてきておるという状態でございます。
  78. 華山親義

    ○華山委員 ひとつよろしく検討していただきたいと思うのです。私はわきで見ておりましても、地方のことでございますけれども、ほんとうに見るにたえないものがある。そして、自分たちがこれがいいと思ってやっているわけじゃないんですよ。頭から地主というものは強欲なものだ。自分の良心を殺しながら仕事をしている、そういう点にやはり非常に公務員としての苦労があるわけですから、ひとつ何らか具体的にみんなにわかるような精神的激励を与える意味の御配慮をお願いいたしたい、こういうふうに思います。  寒冷地手当につきましても言うことがございますけれども、時間がございませんし、これは前々からのことでありまして、また上がってお願いいたしますから、よろしくお願いします。
  79. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 上原康助君。
  80. 上原康助

    ○上原委員 きわめて限られた時間でありますので、二、三点お尋ねをしたいと思います。ぜひ政府の前向きの御答弁をあらかじめ要望して質問に入りたいと思います。  まず第一点は、公務員関係の賃金がいよいよ委員会審議を終える段階になっているわけですが、漏れ聞くところによりますと、駐留軍労働者の賃金改定について、従前、人事院勧告を尊重し、公務員の賃金改定に準じて行なわれてきたことが、本年は、米側が従来の賃金改定方式といいますか、公務員並みの賃金改定を渋っているということがいわれております。まあドル・ショックとかいろんな面が背景にはあろうかと思うのですが、少なくとも本土駐留軍の労務者の賃金改定というものは即沖繩の軍関係労働者にも大きな影響を及ぼしていく。そういう意味で、防衛施設庁ですか、あるいは人事院も含めて、軍側と駐留軍関係者の賃金改定についてどういう話し合いが持たれているのか、その点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
  81. 安斉正邦

    ○安斉政府委員 駐留軍従業員の給与体系と申しますか、労働条件というものは、基地の労働と一般の国家公務員の労働とが必ずしもぴったりは一致しないという特殊性がございます。しかしながら、これをできる限り国家公務員に準じていきたいという考えから、昭和三十八年にこの体系を公務員に準ずるという体系に改めたわけでございます。自来、大体国家公務員に準じた形での形態が保たれて、そういう慣行が敷かれているわけでございます。  御指摘の問題でありますけれども、本年度のベースアップの問題、この委員会で御討議になっている国家公務員のベースアップの問題に関連いたしまして申し上げるならば、通常、この国家公務員のほうのベースアップが行なわれますと、それを受けた形で、これに準じて改定をするというふうな仕組みになっております。  本年の問題でございますが、八月に人事院勧告がありまして、防衛施設庁としましては、九月に入りましてそれに基づく案を米側に提出いたしました。十一月になりまして、先方の検討が終わり、私どもの手元に対案が参ったわけでございますが、その中にかなり重大な問題が含まれておるわけでございます。ただいま先生御指摘なさった点と思いますけれども給与形態の一番基礎になりますところの時間制の問題が含まれております。これは三十八年に公務員方式に切りかえましたときに、四十時間の勤務の現給で公務員の四十四時間の現給に切りかえたわけでございます。それに対しまして、時間制を切るといいますか、増すといいますか、時間的単価が減るという提案があったわけでございます。  なお、そのほかに大きな問題としては二つばかりございますが、一つは実際の給与の改定が行なわれたときに、それを在籍者限りであって、すでにやめられた方には適用しないというような問題、あるいは高齢者の定期昇給の延伸の問題というようなものも含まれているわけでございます。  一番大きなのは一番先に申し上げました時間制の問題でございます。この問題につきましては、その後数次にわたって米側と交渉を繰り返しておりますが、現在の段階では、やはり完全な形ではないにしても、ある段階的な形ででも今年から実施したいという意向がアメリカから来ておりまして、その点についていままだ折衝を継続しておるわけでございます。
  82. 上原康助

    ○上原委員 いま三点ほど、米側と政府の対立点といいますか、問題点が具体的に指摘されたわけですが、やはり米側がこういう姿勢を示すということは、御説明にもありましたように、昭和三十七年に政府、米側、そして全駐労三者が合意をして、三十八年の一月一日から、公務員の賃金改定に準じてやっていくというのが、少なくともそれ以降は労使の慣行ということになっておったと思うのです。賃金改定の一つのルールとして。それを一方的に変更するということは、労使慣行の意味からいっても、賃金改定方式からいっても、好ましくないというのは当然なんですね。したがって、その後数度にわたって交渉を続けているが、その一部についてでも今年から実施をしていきたいという米側の姿勢だということですが、いま説明のありました三点のうちで、米側が最も重視をしている点はではどの点ですか。
  83. 安斉正邦

    ○安斉政府委員 特にこの点、あの点という順序のつけ方というのはないと思いますけれども、交渉の過程で私どもが得ておる心証といたしましては、一番先に申し上げました時間制の問題だというふうに考えております。
  84. 上原康助

    ○上原委員 最近の米側の賃金改定に対する姿勢をいろいろ考えてみますと、基本給というものをできるだけ値切る。これは今年沖繩においても、当然基本給に繰り入れるべきものを暫定手当的なもので、実質的なベアをやらなかった。まさしく本土においてもそういう姿勢というものをいま示そうとしておる。このことは、本土の駐留軍労働者の問題であると同時に、復帰時においてより拡大をされていく米側の雇用の面から、なるべく安上がりの労働政策といいますか、賃金方式というものを新たに打ち出そうとする、非常にあり得べからざる姿勢だとわれわれは見ているわけですよ。したがって政府としてはどうしても、今回のこういう米側の姿勢に対して、強く従前の方式というものをとるのだということをやっていただきたいし、賃金改定において駐留軍関係がいささかの損失もこうむらない、またこうむらしてはならないということをぜひ確約をしていただきたいし、三十八年以降施行された賃金改定方式というものを、今後も、慣行として、あるいはルールとして踏襲していくのだということを、ぜひ明確にしていただきたいと思うのです。
  85. 安斉正邦

    ○安斉政府委員 私どもといたしましては、三十八年以来確立された慣行というものをくずすべきでない、また、何ゆえにそういうものを持ってきたかという理由づけ等についても理論的根拠があるということで交渉しておるわけでございまして、労使関係給与の問題と申すならば、一般的に全く何でもない平穏のときに、この給与をどうするか、体系をどうするかというような話し合いを労使間でするということは、これは認められると思うのでございますけれども、このベースアップの時期に、先ほど申し上げました遡及の問題を見ないというようなことまでも含めて、この基本的な時間制の問題に触れてくるということは、これはまことにけしからぬことだというふうに考えております。したがいまして、私どもといたしましては、従来からの体系をくずさないということについて強く交渉しております。  この点について、交渉の内容でございますが、また相手があることでございますので、この場ではっきりは申し上げられませんけれども、少なくとも、いまの時点でやるのはけしからぬではないかという問題につきましては、交渉上ややある程度の譲歩があるのではないかというところまでは来ております。しかし、基本的な問題でございますし、いずれにしても、まだ数次の交渉をこれから重ねるわけでございますので、姿勢としては私どもは絶対くずしたくないという形でやっております。
  86. 上原康助

    ○上原委員 さらにこまかい点に触れたいわけですが、きょうは時間がありませんので割愛いたしますが、いま御答弁がありましたように、少なくとも法律上の雇用主は政府ですから、そういう立場で、特殊な職場環境にある駐留軍労働者の現状というもの、あるいはまたいろいろな首切り合理化の問題でも、ほかの民間産業にももちろんそういうことはないとは言いませんが、いろいろな意味で労使関係が違う、そういう面で、私は政府の特別な政策的な配慮というものがやはり必要だと思うのです。ぜひ、従前の慣行というもの、ルールというものが実施されるように強く要求をいたしておきたいと思います。  それともう一点だけ、沖繩の間接雇用の問題についてどう話し合いが進められているのか。そして特に間接雇用移行の場合に、賃金改定というのが一番重要なポイントになろうかと思うのです。特に、円切り上げの問題あるいはドル切り下げの問題等が出ている中で、きわめて重要な問題としてクローズアップされてきている。これに対して政府としてどう対処していかれようとしているのか。何回か、間接雇用の問題について、あるいは賃金改定、変更の問題についてもお尋ねをいたしましたが、まだ具体的な方向というのは出ておりません。現段階でどうなっているのか、ひとつ簡単に——中身は簡単でなくて、簡単に説明していただきたいと思います。
  87. 安斉正邦

    ○安斉政府委員 間接雇用に切りかえるということですけれども制度的には、確かに沖繩制度よりも本土に切りかえられることがよろしいというふうに客観的には申し上げられると思います。したがって、総体的に有利になるのではなかろうか、制度的には少なくとも有利であるということは申し上げられると思います。ただいま対米交渉を外交レベルでやっております。具体的には、いろいろな労働条件、雇用条件が食い違っておりますので、原則としては本土並みということでございますので、現在本土で使われております契約、これに入れてくるわけでございます。しかしながら、現在沖繩にあって本土にないという条件で、沖繩のほうが有利であるという条件も中にはございます。そういうものをも含めて一つのパッケージと考えますか、できるだけそういうものをも配慮をしながら本土の体系の中に吸収するような、無理のない形でやっていきたい。そして、対米交渉がある程度まで大筋がきまった段階で、関係の方々、組合の方々にも御協議申し上げる、またしかるべき調整を経た上で改正していきたいというふうに考えているわけでございます。  そこで、対米交渉の問題でございますけれども、これは外交レベルの交渉なので、その中身については、私もいまここでは差し控えさせていただきたいのでございますけれども、いろいろな条件についてのある程度の話し合いは進んでおります。しかし、一番基本的な問題としての給与そのものの切りかえの部分、また先ほど先生が申されましたところの円・ドル問題、これは非常に重要な問題だということはわかるのでございますけれども、たいへん申しわけないのでございますけれども、これは単に給与の問題だけでなくて、すべての沖繩と本土との間の円・ドル問題というのに関連がありますし、また公務員給与の問題も、あるいはほかの一般の貿易の問題も、その他一切の沖繩との関係の円・ドル問題というものに波及する問題でございます。その点がありますので、私としてはその問題について触れるということが、私自身ちょっと適当でないのじゃないか、こういうふうによろしく御了承願いたいと思います。
  88. 上原康助

    ○上原委員 そうしますと、まだ外交ルートを通して交渉しておられるということですが、もちろんそういう一面もあるかと思うのです。しかし実際的に、実質的な面としてはいろいろ問題含みの面もあるわけですが、防衛施設庁が間接雇用の当事者になる、そういう面からしますと、具体的ないま御答弁のあった諸準備が整う時期というのは、一体いつごろになるのですか。
  89. 安斉正邦

    ○安斉政府委員 これは、これまた返還の日取りというようなものがからむわけでございまして、私もきっぱり申し上げるということの立場にないわけでございます。しかしながら、仕事を進めるスケジュールと申しますか、そういうようなことで私ども一応の目安と考えておりますのは、年内にはアメリカ側との大筋の話し合いを終える形にして、それから関係者との協議を進め、さらにその調整を進めた上で決定の段階に至る。しかも、それをやりましてから並行いたしましてこの間接雇用の問題となりますと、事務を沖繩県に委任するという問題になります。そこで、月給の支払いにしても、あるいはいろいろな従業員の方の台帳をつくるとか、各種の非常に雑多な業務がたくさんあります。しかも時を追ってどんどん処理しなければならない、体制をつくらなければならない。現在琉球政府のほうにもお願いをしまして、業務研修を本土でやりまして、その方たちがまたいま沖繩に戻っておられます。そういう方たちを中心にしてつまり事務体制も整えなければならないという状況でございまして、復帰の時点までには何とか間に合うようにやっていきたいというふうには考えております。
  90. 上原康助

    ○上原委員 この点も、賃金の中身あるいは諸制度の問題等を含めて、いずれかの機会にもっと突っ込んだお伺いもしたいわけですが、要するにきょうの段階で申し上げておきたいことは、はっきり申し上げて、事、人の問題、働いている労働者、なま身の人間の問題ですから、押しつけがましいことは絶対やってはいかぬということ。年内といいますか、年内というとあとわずかしかございませんが、そういう米側との合意に達したならば、早急に、政府、そして琉政、あるいは全軍労、全駐労、駐労共等がございますから、そういう中で十分話し合って、何でもかんでも中央から押しつけるというようなことでなくして、少なくともある公約数的なものが見出せるように特別な配慮といいますか、そういう政策を、姿勢をぜひとっていただきたいということ。その中で、賃金、諸制度の問題、あるいはいろいろ組合側の意向というものも、要求というものもあると思います。ぜひやっていただくように、今日の段階ではその点を付言しておきたいと思うのです。  時間がありませんので最後に。当面の沖繩の基地関係労務者の問題としては、何といいましても、かんといいましても、間接移行の問題と第四種雇用員の問題なのです。この件につきましても、これまで政府当局に何回か私が現職時代からいろいろと御要望も申し上げたし、またある面においては、かなり前進をし解決を見ていただいた面もあります。私はその点については、これまで政府のとっていただいた御労苦に対しては、敬意を表することやぶさかでありません。しかし実際問題として、第四種雇用員の問題というのが遅々として進まないという現状、さらに年末手当の問題等含めて、いま現地においては新たな労働争議に発展をしていこうとする気配がございます。ここまで来ると、もちろん日本政府だけの責任でなすべき問題でないということは私も了解をいたしますが、第四種雇用員の問題について、何らかの措置を講ずべき時期に来ていると思いますが、この件について、どういう取り組みなり、あるいはお考え方でやっていらっしゃるのか。まず政府のお考えというものを聞いて、二、三点さらに質問を続けていきたいと思うのです。
  91. 安斉正邦

    ○安斉政府委員 四種というのは、米軍がある仕事を業者と契約していて、その業者に雇われている方ということになります。したがいまして、本土にも、契約によって米軍の仕事を基地の中でしているという会社がありまして、そういう点では、四種というものに該当するというものも本土には存在しているということは言えるわけでございます。しかしながら、沖繩の場合は布令第百十六号というのがございまして、四種の中でも、団結行動権と申しますか、そういうものの制約を受けている方々もおられます。また、そういうことから、いわゆる一種、二種と申しますか、米軍そのものが雇っているといいますか、直接雇用の形態で働いていらっしゃる方というのとさして変わらないじゃないかというような態様の労働条件にあるという方もおられますし、また、ものによりましては、一種、二種よりも労働条件、給与条件というものはよくないというものもあるようでございます。この辺のところは、なお完全な調査ができませんのではっきりしたことは申し上げられませんけれども、そういうものが存在しているということは、大体私どもも把握しているわけでございます。  したがいまして、そういう観点からすれば、何か一種、二種との差があるのではないかということから、そういう劣悪な面を何かの形で保護しなければならぬではないかという考えが浮かんでくるわけでございますが、実はまだ十分な調査ができておらない段階でございますけれども、一応来年度の予算として、それの対策というものに必要な経費というものを財政当局に要求はしております。
  92. 上原康助

    ○上原委員 確かに、第四種という雇用形態は非常に複雑多岐でございます。画一的に、一がいに第四種ということで同一ではない、それはわかります。時間がありませんから私から申し上げますが、第四種でも大体三つの形態に大別される。いわゆるサービス部門。それからまたいま説明がありました布令百十六号の十三条で規定されている重要産業部門。三点目に不定期の軍工事を請負している部門。これは非常に不定期でありますから、第四種といいましても民間関係の請負業務とさほど変わらない。そういう意味でこれは全然関係ないとは申しませんが、特にいま問題になっているのはサービス部門と重要産業部門となんです。これの雇用員数が大体締めて五千二百前後だと私は踏んでおります。従来政府は、重要産業の部門については何らかの対策を考えたいという意向もあった。また琉政からそういうような要望もあったというようなこともございましたが、しかし、私がいろいろ調査をしている限りにおいては、琉政は、サービス部門を含めて四種問題として解決してもらいたいという要求だということなんです。その是非は別といたしましても、ここで政府としては何らかの方策を講じなければいかないということで、次年度の予算要求もおやりになっているということですから……。  そこで具体的に申し上げて、これまでの全駐労あるいは全軍労の政府に対する要求としてはいろんな面が出されてきているわけですが、やはり一つには、従来第一種まだは第二種雇用員であった者で米軍の合理化によって請負制度に切りかえられた者、メスホールとかミルクプラント、情報学校、清掃関係の第四種雇用員、この部門については第一種に切りかえてもらいたいということなんです。もちろんこれは米側との関係もございます。そしてさらに復帰の時点では、間接雇用に、MLCまたはIHAに切りかえなさいということ。いま一つ、第一種または第二種であった雇用員で、四種に切りかえになった当初から継続して雇用されている者については、第一種並みの退職手当を支給してもらいたい。これは記録を調べればわかるわけですから。そして最後に臨時措置法を適用してもらいたい。大体四点の要求がこれまで出されてきているわけなんです。これは原則として踏まえなければならない。  だが、現時点で五千名の四種雇用員に対してすべてこの方法で解決をするということは、これは最もベストでありますが、米側との関係政府との関係あるいは労使の関係において困難な面もある。これは私も理解をいたします。したがって、査府がいま予算措置をおとりになるというような問題を含めて、少なくともいま大きな労働争議に発展をしようとする段階で四種問題というものを何とか——四種の方々の要求を一〇〇%でなくても満たし得る限度というものはどういう方法があるとお考えなのか。またその点についての対策というものを検討されておられるのかどうか。この点については、いま大臣もお見えになりましたので、ひとつ中身のある御答弁をいただきたいと思うのです。あるいは防衛政務次官でもいいし……。
  93. 野呂恭一

    ○野呂政府委員 上原先生御指摘の第四種被用者の問題でございますが、職場におきます管理は実際は米軍が握っておるではないか。また労務提供という形においていろいろ問題点があわけるでございます。そこで、今日までの第四種被用者に対する何か対策を立てるべきだという点でございますが、総務長官からもお指図があり、第四種の被用者にかかる特別給付金を支給したらどうだろうかということで、来年度予算として所要経費を要求いたしまして、関係各省庁と折衝中でございます。  そこで、御指摘になりましたその対象、あるいは支給の具体的な方法でございますが、重要産業被用者に限らずに、第一種、第二種から第四種被用者にかわった者、こういう人も含めて何とか復帰時に一時金として支給する方法を検討したいということで、前向きにいま準備を進めてまいっておるわけでありますが、しかし、第四種被用者の勤務の態様がたいへん多種多様でございます。十分実態を調査いたしまして、在職期間等に準じて段階的に何とかいい方法を考えなければならぬ、こういうことでございます。したがいまして、まだこれは多少の時間がかかるかと思いますが、御趣旨の点に沿うようにその努力をいたしたいということを申し上げる次第でございます。
  94. 上原康助

    ○上原委員 いま政務次官の前向きの御答弁がありましたが、私は防衛庁というのはあまり好きじゃないのですが、しかし、こういう具体的な解決をしていかないとならない問題があると思うのです。重要産業に限らず、現在提示されている四種を含めて、復帰時点に特別給付金ないしは一時金の形で支給すべく、ようやく関係省庁との予算折衝なりいろいろやっておられるという前向きの御答弁であるわけですが、ぜひ、全軍労あるいは琉政から出されている要求等も御勘案の上で、いまの御回答が早急に政府統一見解として実現できるように、特段の御配慮をいただきたいと思うのです。  そこで、これは総理府とも関連いたしますので、大臣に一言だけお伺いいたします。  従来、重要産業ということ——私は重要産業はいいということではありません。もちろん、それも含めてやらなければいけない問題でございますので、いま政務次官のお答えになった方向で、ぜひ予算折衝を含めて大臣としてもやるということを、ここでずばり言っていただきたいと思うのです。
  95. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは、当初私の手元でやるつもりでおりましたので、私が責任をもって折衝を琉政側といたしたわけであります。その際、宮里副主席、仲松労働局長と一緒に作業いたしました。そのときに、先ほどの政務次官の答弁のように、種々雑多な態様であるので、やはり客観的に筋の引けるところで何か手当てができないか。まず何らかの措置をしようということから始まりまして、そこで布令第百十六号の第十三条、重要産業に該当するとなされた、かつての第一種被用者であった人たちがスト権を禁止されておるという実態は非常に重要でありますので、言いかえると、これは米軍からすれば間接雇用に移した——直接雇用と同じ職場の重要性を持っているから、そういうスト禁止などという措置をとっているのであろう。したがって実態は直接雇用に準ずるものであるということで、両者合意で、そこで線を引いたのが二千名余りでございました。これは、私の手元ではそこまで合意して、そのあと防衛施設庁に移管をしたわけであります。したがって、私の段階はそこまでしか行っておりませんが、防衛施設庁の予算要求積算の根拠はそこに基づいておるものと思います。しかし、防衛庁に移したのでありますから、防衛施設庁が今後の円滑な軍労務者対策という立場から、私と琉球政府責任者との間の合意の線と違っていても、それがいいことであって、現地にも歓迎されるように内容が修正されることについては、私自身も異存はありませんし、協力してもよろしゅうございます。
  96. 上原康助

    ○上原委員 いま委員長から時間だからというあれがあるので、終えたいのでありますが、いろいろいきさつはあろうと思うのです。しかし、若干そこに食い違い等もありますので、重要産業だけを見ても四種問題の解決にならないというのが、従来からの私たち政府に対しての強い要請でありましたし、先ほどの政務次官の御答弁、またいま大臣の御答弁で、ぜひこの問題が解決をされるように、あらためて強く要求しておきたいと思うのです。  そこで具体的に、一時金の支給問題等は、今後政府のほうでも、また資料なり、いろいろ御検討いただくと思うのですが、琉政なり全軍労のほう、全駐労のほうからも、いろいろ御相談もあろうかと思います。勤務年数一つの基準として、三段階ないし四段階に分けて支給するという方法もあると思います。そういう面を早急にやっていただきたいし、資料等も私の手元にいろいろございますから、そういうものも政府にも、できるだけ協力できる面はお上げをして、この問題が早急に前進をするようにやっていきたいと思いますので、特にこの点を申し添えておきたいと思います。では、予算の確保については、ひとつ山中大臣並びに防衛庁でぜひやっていただくことを申し添えて、きょうの質問はこれで終えたいと思います。
  97. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 大出俊君。
  98. 大出俊

    ○大出委員 長官の時間が限られているようでありますから、まとめる意味で何点か承りたいのでありますが、いま上原委員から質問をしておりました問題は、特に復帰時点というところをとらえての問題が多々ございまして、私も実は昨日、少し突っ込んだ質問をしようと思っておりましたが、これまた時間の関係がございまして、関係法律がなおこの委員会にございますから、あらためてひとつじっくり承りたいと思います。  そこで、いまの上原君の質問とも合わせまして、冒頭に、復帰時点にかかわる公務員並びに軍労働関係皆さん給与あるいは諸待遇をめぐる問題は、原則としてひとつ幅を持たしていただきまして、少し大まかにものを考えていただく余裕を持たして判断をしていただく、そういう姿勢をぜひとつていただきたい、こう思うわけであります。  あわせて、これは長官にお願いをしておきたいのでありますが、いずれも関連国内法がいま別な委員会に上程をされており、かつ論議をされているのでありますが、なかなか件数が多うございますから、こまかい点にわたる論争が行なわれていない、これが現実であります。「沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案に基づく人事院規則案要綱」というようなものが参考に私の手元にありますが、たとえば五十三条関係であるとか、五十五条関係であるとか、あるいは五十六条、あるいは百五十六条、たくさんございます。本来なら、これは一つ一つ詰めなければならぬ問題なんですが、その中で、特に政令委任の形をとっているものがたくさんあります。きのう、私、砂田副長官がおいでになるところで質問をいたしましたが、まだそれは煮詰まっていない、調査が済んでいない、大半そういうことであります。  ところで、これはいずれにせよ政令との関連が出てくるわけでありますから、そこらのもう少しはっきりしたものをひとつ今週中あたりにまとめていただけぬかと思うわけでありまして、それらのものを出していただきませんと、どうも論議が詰まってまいらない、こういうふうに思います。したがって、それらは一体いつごろ煮詰められて、かつ出せるのかという点、これを承っておきませんと、あとの法案にかかわり、そう簡単にこれは法案を通すわけにはまいりません。そういう意味で、そこらの準備の段階等を含めて、政令を詰めたものをお出しいただけるのかいただけないのか、そこらをまず承っておきたいのであります。
  99. 山中貞則

    ○山中国務大臣 政令というのは、御承知のように、法案が国会を通過した後に閣議において決定されるものでありますから、ここにお出ししてありますものは、政令において書くことになるであろうということについて表現してあるわけでありますから、これに基づいて疑問点を質問していただけば、あいまいなものはほとんどないわけでありまして、したがって、人事院関係人事院、その他については私なり他省庁で明確な答弁ができるようにつくってあるわけであります。  しかしながら、たとえば刑事裁判の引き継ぎなどの問題について、一部、布令、布告等を適用しないものがあるというようなものが政令にゆだねられておりますけれども、こういうものは、その内容上、この国会でそれを明らかにしますと、この国会以降復帰までの間において、その件に該当する犯罪は復帰のときに何にも問われないということになると、その犯罪が横行するということにもなるわけでありますから、こういうものは、復帰直前の閣議で決定しなければならぬものがあると思うのです。しかしその他のものは、ほとんど例外なく答弁できるものを出しておるわけでありますから、そうあいまいなものは出しておらないつもりであります。
  100. 大出俊

    ○大出委員 ところが、きのう私、そうたくさん質問しているわけじゃないのでありますが、いずれもまだそこまで行ってない、検討中であるという答弁で、えたいの知れぬことばかり出てくるわけであります。だから、これはますますもって審議日数、審議時間がない。これはあまりあせらぬで——国内法関係は、いまの長官の御発言で、一つ一つ質問していただければという、そんな時間が薬にさえしたくてもない特別委員会の審議日程で、ぬけぬけとそう言われてみたって、六百何件もあるものがそうはいかない。そんなことは百も御承知で答えておられる。私はけしからぬと思うのであります。  そこで一つ承りますが、円レートが変わりますけれども、いま沖繩で恩給の既裁定者といわれる方々、これは私、資料を調べてみましたら、既裁定者がここに千五百二十七人おいでになる。公務員であります。公務員であった方といったほうが正確でございましょう。ぱらぱらっとめくってみて、どのくらいの恩給をもらっているかといいますと、きのう二百ドルという話が出ましたが、大体平均して千ドル。千ドルということになりますと、これは年間三十六万円。ところが、これは三百六十円だから三十六万円なんでありますが、きのう大蔵省はふざけた答弁をいたしまして、返ってくれば同じ円体制になるのだからというのでありますが、既裁定者証書をもって金をもらっておるのでありますから、現在千ドルの恩給をもらっておる。邦貨換算三百六十円のレートとすれば、三十六万円であります。ところが、かりにこれが三百十五円ということになりますと、ドル当たり四十五円の目減りをする。だから千ドルの恩給をもらっている人であるとすれば、四万五千円落ちることになる。だから、三百十五円というレートで復帰時点においてこの恩給を本土並みに直すとすれば、三十六万円マイナス四万五千円になる。これは少なからぬ目減りであります。  私きのう申し上げたのでありますけれども、総務長官あとから視察においでになった。このドルにぽんと赤いのをくっつけて、こういうかっこうにして、現金そのものは手をお打ちになっておるのだけれども、恩給証書にぽんと赤い判こをお押しになって、三百六十円換算で引き取りますというなら話は別です。きのう大蔵省は、全体の関係だからしようがない。しようがないなどと言われて黙っておる筋合いのものではない。この辺のところはどういうことになりますか。
  101. 山中貞則

    ○山中国務大臣 恩給のほうは比較的問題がないので、これは円表示で書いてございますから、そのままの移りができるわけでございます。
  102. 大出俊

    ○大出委員 そうすると、きのうの大蔵省答弁と違うのですが、どっちがほんとうなんですか。
  103. 平川幸藏

    ○平川政府委員 先生御承知のように、恩給証書は内地の受給者と全く同一表示がいたしてあります。したがって、表示は全部円で表示されておりまして、現在の状態でいきますと円高でありますから、たとえば三十六万円の恩給証書でありますと一千ドル以上のドルが給付される、こういうことであります。
  104. 大出俊

    ○大出委員 時間がございませんから手っとり早く聞きましょう。  総務長官、何時までに向こうに入ればよろしいのですか。
  105. 山中貞則

    ○山中国務大臣 一時半です。
  106. 大出俊

    ○大出委員 それでは、ずっと申し上げまして、附帯決議の件は一番最後にいたしますが、一つずつ聞きますので、手っとり早くお答えいただきたいのです。  まず第一は、琉球政府公務員の希望退職者、そしてまた勧奨退職者、こうあるわけでありますが、勧奨退職該当者がおおむね二百人、希望退職者がおおむね六百人、これが現地の現状であります。ところが、退職手当支給率が向こうの場合百分の三百でございますから、本土の倍くらいになるわけであります。ところで百分の百五十というような基準がございます。そこらとの関係で、これは財源ともからみますけれども、満足のいくように復帰時点において処理ができるのかどうか。きのう副長官の御答弁は、必ずしも百分の百五十にはこだわらない、人数についても二百人くらいというふうなことにもこだわらない。ここまでの話はあるのですが、そこから先はまだ詰まっておりません。これからどう詰まりますか。
  107. 山中貞則

    ○山中国務大臣 この勧奨退職あるいは整理退職の場合等において、確かに整理退職はかつての琉政法では二倍、勧奨退職では三倍、こうなっております。しかしながら、本年の十月二十二日に琉政のほうはこれを改正いたしまして、本土と同じように、支給割合の最高限度額六十月分というものに改めております。そこだけ改めたわけではなくて、適用の範囲を昭和二十七年四月一日以後となっていたものを、二十一年一月二十九日までさかのぼるというふうに、メリット、デメリット両方——デメリットとも言えませんが、そういうふうに、一応本土並みにしたものと、本土並み以上にさかのぼったもの等の改正が行なわれておりますので、その点は復帰前は、勧奨退職債等によって、いままでの琉政の法律の基準に定めたものに従って本年度予算も手当てをいたしております。しかしながら、復帰いたしましても、法律が一緒になっておりますから、問題は起こらないということであります。
  108. 大出俊

    ○大出委員 実はそこに問題がありまして、これはストライキ権を持っておる組合もあるわけでありますから、それではおさまらないというところに問題がございます。山中さん、琉政、琉政と、こう言うのでありますが、現場の公務員段階からすると、なかなかおさまらない問題が出てくるということでありまして、ここから先はけんか支度になるのだと思うのであります。だから冒頭に、少し幅を持たせてものを考えないと、そのためにまた復帰時点をめぐってトラブルが起こる、こういうことになりはせぬかという点なのでありますが、現状をどういうふうに把握しておられますか。琉政とだけの話し合いでございますか。
  109. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは琉球政府だけでなくて、琉球政府法律として定めたということでありますから、現在の琉球法というものを私はそのまま説明しておるわけであります。恣意的な意見を加えておるわけではありません。
  110. 大出俊

    ○大出委員 この点はひとつたな上げにしておきます。どうせ関係法律がまたあとにございますから。  それから二番目でありますが、年次休暇の買い上げの問題、これにつきましては、人事院規則の面——案でありますが、五年以内に消化するという筋の書き方になっているわけですが、これまた実際におさまらない。つまり二十日残している人、あるいは本土の場合でいえば、かつて百日からあった方々がたくさんあるわけです。手持ち休暇というのは、相当多数の方々が相当な日数持っておるわけです。だから、年間二十日以内とした場合に、十日なら十日ずつさせていって消化させるということになりますと、これはなかなか二十何日もとれるものじゃない。そこに現在の制度とのからみで買い上げという問題が起こる。だから、買い上げられないとすれば、退職時に積み上げろという問題が出てくる。これらの点については、どういうふうにお考えになりますか。
  111. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは復帰の日に退職をされる方は既得権のまま退職されるわけでありますから、そのことについては手当てをせざるを得ないと思うのです。しかし、復帰の日以降は、かつて沖繩公務員であった者だけが、復帰後本土の公務員になっても、公務員の仲間でその人一人だけが休暇買い上げ制度を持っているというのも、おかしな制度になりますから、そこの原則論はちょっと動かせないと思うのですが、しかし、いままで積み立てた日数はやはり既得権であろう。したがって、なまけろという指図は国としてはできないわけでありますけれども、それだけの日数についての権利は人事院規則のほうで尊重いたしますということであります。
  112. 大出俊

    ○大出委員 つまり、なしくずしに消化しろ、こういうことですな。こう理解してよろしいですか。
  113. 山中貞則

    ○山中国務大臣 その分野になりますと、人事院のほうで説明してもらうのが妥当だと思いますが、私の段階における処理はそのように考えております。
  114. 大出俊

    ○大出委員 きのう人事院その他には聞きました。そして規則案も持っておりますから、そういう意味で中身はわかっておる。わかっておりますが、まさに現地の意見と人事院措置と全く一致しない。したがってこれは大きくぶつかるところであります。ぶつかるところだけ残していま質問しているのです。琉政の法律がこうなったからこういうことにするのだと言ってみても、そういう便法的な措置には応じられないという現場、職場の皆さんの考え方、このぶつかる点だけを申し上げておく。したがって、これはどうせ将来ぶつかるのですから、ぶつかるまでには、何とかそのことのためにストライキが打たれるようなことのないように、こういう気持ちでございまして、総務長官の意見を聞いてみて、なおこれはぶつかるということになれば、その時点でどうするかということを考えなければならない、そうお受け取りをいただきたいのです。現場はあくまでも今日的制度に基いて買い上げろ、そうでなければ退職時に清算をしろ、積み上げろといろことでありますが、この点も一応しないということ。  次に、身分引き継ぎによる賃金格差の問題。たとえば三十歳でクロスするとすれば、それ以下の方は本土に返ってくれば減る、本土法へ乗せれば減る、こういう問題がある。この点については、どういうふうに措置をなさるおつもりですか。
  115. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これはお話のように、初任給から始まって、大体三十歳ぐらいまでと推定されますが、本人の相当する地位と号俸から見て本土よりか高い。これは現実であります。したがって、今回の措置によって、その不足分については特別手当を支給していく。これはどうなるのかといいますと、三十歳以上は本土のほうがいいわけでありますから、そのまま本土方式引き写しで相当号俸に移り変わるわけでありますから、年数を経るに従って高いほうに入っていきますので、トラブルなしで消化されていくということであります。
  116. 大出俊

    ○大出委員 ここでぶつかったものを一致するまで論議するとすれば時間がありませんから、明確に違う点だけを違うということにしておきたいと思って申し上げているのですが、いまの特別手当方式というのは、かつて自治体警察を国家警察に改めるときなどには前例がある。たとえば一万円の開きがあった。自治体のほうが二割なり三割なり賃金が高いという関係でそういう格差が出る。その場合に特別手当の方式をとった。賃金勧告がある。そのときに、まず二千円なら二千円を、勧告のベースアップの上に特別手当を出した。一万円のうち二千円は特別手当に出したのだから、残りは八千円です。昇給なら昇給のところでまた千円か二千円が積み上がった、これが特別手当です。だから四千円消えたから六千円だというなしくずしをやる。その一万円全部を特別手当で払ってしまったら、一万円払うだけだ。ベースというかっこうでものを考えれば、つまり低いほうの俸給体系に乗ったということになる。こういうことでは納得がいたしかねるというのが問題の焦点である。そこには手をつけるおつもりはない、かつての自治体警察を国警にしたときのような、つまり特別手当の方法で差額だけをなしくずす、こういう考えであったわけですな。
  117. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは、全体が出ている場合にはやはり問題があると思うのですが、しかし、おおむね三十歳以上見当からあとになりますと、本土の国家公務員給与体系のほうがいいということで、それはそのまま移るわけでありますから、それより高いものは収入が減ってはいかぬから手当を支給しますが、先ほど申しましたように、それは年齢的に逐次高いほうに入っていくわけでありますから、そこで消化されるということだと思います。
  118. 大出俊

    ○大出委員 これは、減るところとふえるところとあるのだからという理屈が、なかなか通らぬのが世の中なんですね。調整手当なんという問題は、減るところもあるのだ、上がるところもあるのだという理屈もあるのですけれども、なかなかそういうわけにいかないので、時の総務長官あたりまで自分の足元を心配されて、減るところをつくっては困ると言う。人事院は減るところをつくるのを出している。とうとう減るところがなくなってしまって、既得権だというので全部押えてしまった、こういう結果になっている。世の中というのはそういうものなんですね。だから、これもまた大きな争いが起こるところでありますが、長官の考えがはっきりしていますから、相違点だけこれまた明確にしておきます。  次に、労使慣行の問題でございますけれども、休職専従の問題であります。三年がプラス二年で五年になりましたから、現地の計算でいきますとこれは六年で、うち一年は休暇、こういうかっこうになる考え方なんでありますけれども、三年を五年にしたあと、この問題は復帰にあたってどうお考えでございますか。
  119. 山中貞則

    ○山中国務大臣 そのまま沖繩公務員の諸君も、本土で先般通過しました法律趣旨に従って、一年の猶予を置いて五年間ということになるわけであります。
  120. 大出俊

    ○大出委員 これまた三年の時点で現地が出しております要求は、四年のうち一年は休暇扱い。だから、二年延長されれば六年で、うち一年は休暇扱い、こういう主張なんですね。これもまた、したがって意見の一致しないところということにいたしておきます。  次に、恩給公務員の期間の問題を少し承っておきたいのであります。沖繩の場合に、元南西諸島特別措置法に基づく吏員、元沖繩県の吏員、それから琉球政府の二級一般事務職相当以上の人、この方々は恩給相当期間と見るというかっこうでいいのでありますけれども、琉政の三級一般事務職の人、あるいは技能労務職の方々、ここらの方々についてはどういうふうにお考えでありますか。
  121. 平川幸藏

    ○平川政府委員 お答えいたします。  現在沖繩の恩給公務員に対しましては、どういう恩給公務員が恩給法の適用を受けるかということは、別表に書いてございます。その別表に書いてある種類は、いわゆる恩給公務員といいまして、判任官以上、あるいはそれに相当する職務でございます。いま先生が言われましたのはおそらく雇用人かと思いますので、実は恩給局所管ではございませんが、恩給局所管のものにつきましては、現在まで恩給法を適用しております。問題は、その恩給法の適用の内容をこれから概算要求いたしまして是正していくという方向でございまして、いま先生がお尋ねになりました点は、おそらく雇用人関係で地方共済あるいは国家公務員共済その他の問題かと思います。
  122. 大出俊

    ○大出委員 その答弁を聞いてもいたし方ないのでありまして、だから、さっき三つ例をあげまして、元南西諸島特別措置関係吏員の方々、あるいは元沖繩県の吏員の方々、あるいは琉球政府の二級一般事務職相当以上の職の方々、これはいいのです。おたくのおっしゃるとおり問題ない。それを私は言っているのじゃなくて、ここまではいいが、このあとに琉政の三級一般事務職の方々なり技能労務の方がある。これが本土と制度的に違う。なぜかといいますと、地方自治体の場合に、こちらにも技能労務職があったり、あるいは県なんかでは行(二)式なものがある。これは御存じのとおりであります。ところが、これは横浜市なんかの場合には、昭和三十九年からは一応試験という形で渡る。職種の転換をする。それ以前は大体三年、この辺が限度で職種転換ができていた。ところが、琉政にはそれがないから、そういう職種転換ができない。そのまま引き継いできている。だから、本土の制度に乗せれば当然職種の転換ができている、こういう方々なんですね。ここに差ができるから、これを一体どうするかという問題ができてくる。これを私いま聞いているのでして、おたくのいま言っているのは本土の恩給法に乗る人なんだから、これは問題ない。  時間がかかりますから、これはひとつ懸案にしていただきまして、次の機会にもう一ぺん承ります。  ところでストライキ権の問題ですが、これは市町村関係には現在権利がある。禁止をされる法律はない、こういうわけであります。ところで、協約の有効期間が三年になっているから、この三年間は現状を認めてもらいたいというのが現地の主張だと思うのです。ここのところはどうお考えですか。
  123. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは教職員の政治活動の問題等もいろいろあると思うのですが、やはり一地域の同じ公務員であって、それが大部分の他の地域と違う制度公務員としての別な行動が行なわれるということは好ましくないと思います。したがって、私自身のみが責任を持つわけではありませんが、やはりこれは本来の地公法の適用ということが正常な姿であろうと考えます。
  124. 大出俊

    ○大出委員 これまた意見が一致しませんで、そのためにまたストライキでも起こっても困ると思うのです。したがいまして、いまお隣のほうから、しゅうと、小じゅうとが多うございまして、長官を何とか一時半にはやらなければいかぬ、こういう御親切な御発言がございますので、だから個条的に、論争しないで進めているわけでありまして、相違点だけはっきりさせておく、こういう意味でございますから、いまの点で相違点が明確になりました。したがって、あと法案をかかえている当委員会でございますから、無理を申し上げる機会はたくさんございます。そういうことでこれからやっていきたいと思うのであります。  そこで最後に、きのう人事院総裁その他といろいろやりとりをいたしまして、四月実施云々の件につきまして、せっかく、さきの国会におきましては山中総務長官から、人事院が四月一日とお書きになれば蛮勇をふるって実施をいたします、こういう答弁が一つある。一にかかって人事院総裁の筆先一つというか、腹一つ、こうなる。ところが総裁は、いかなる理由か知りませんけれども、院議のたいへん重要な課題であります。ならばそれは政治的問題じゃないかと言ったら、そう言ってくれるなと言われましたが、大蔵省の、百億というものをめぐってのさいふの口がかたかったのか、その辺から政治的な問題になるのか知りませんけれども、ついに書き切れなかった。一理も二理もあって三理がない。したがって三理をつくる意味で、本委員会は附帯決議を四月一日ということでつける方向で動いておるわけでありまして、この勧告の権限は明らかに人事院でございますから、そういう意味では、附帯決議の趣旨に基づきまして努力いたしますという答弁は、長官にはできないのだろうと私は思っておるわけでございますが、そこらはひとつしかるべく四月一日を、蛮勇をふるってとおっしゃった長官でございますから、この決議をめぐっての締めくくりをいまからお考えをいただきましてうまく御答弁をいただきますように、これはいずれにせよ公務員皆さんの利益のためにこう言うわけでありますから、その点ひとつお願いをいたしまして終わります。
  125. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 各案に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  126. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 これより各案について討論に入るのでありまするが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決をいたします。  まず、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  127. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、特別職職員給与に関する法律及び沖繩復帰のための準備委員会への日本国政府代表に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  128. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  129. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
  130. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 ただいま可決いたしました一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、塩谷一夫君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の各派共同をもって附帯決議を行なうべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨説明を求めます。塩谷一夫君。
  131. 塩谷一夫

    ○塩谷委員 ただいま議題となりました、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、五党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   国家公務員給与改定については、実施時期に関する国会審議の経緯並びに民間における賃金改定の実情にかんがみ、その実施時期を四月一日とするよう配慮すべきである。  右決議する。  本附帯決議案の趣旨につきましては、本委員会における質疑を通じまして明らかであると存じますので、よろしく御賛成をお願い申し上げます。
  132. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 本動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  133. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 起立総員。よって、本案に対しては附帯決議を付することに決しました。  この際、山中総理府総務長官及び佐藤人事院総裁より発言を求められておりますので、順次これを許します。山中総理府総務長官。
  134. 山中貞則

    ○山中国務大臣 給与改定の実施時期については、人事院勧告にかかる事柄であり、政府としては、実施時期を含め、人事院勧告を尊重する所存であります。
  135. 伊能繁次郎

  136. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 人事院といたしましては、ただいまの附帯決議の趣旨を体しまして、十分検討いたしたいと存じます。(拍手)     —————————————
  137. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 なお、ただいま議決いたしました三法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  139. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 次回は、来たる十四日火曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十八分散会