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米田委員 いずれにしましても、この
制度というものは、弟のほうから見ますと、
多分に人権侵害の行き過ぎの
制度だということははっきりしておるのです。あなたのほうから出しておられる「
指導要領」、
東京郵政から出しておられる「
世話役必携」という、こういうのがありますけれ
ども、この中に、たとえばあなたが答弁されましたように、一対一の
関係でもって世話をするとか、それから二十四時間世話をしろとか、それからつけられた兄はとにかく一年間
関係を持つ。そうして、これはまた引き続いて再度任命するのがたてまえだそうでございます。だからその人が、どちらもよろしいと言えば二年も三年も続く。そんなに長く続かぬ
制度になっておるかどうか知りませんけれ
ども、任期は一年ということになっておるそうでございますが、また引き続きということは当然
考えられておるようであります。そうしてその中身というものはもうその人のあらゆる面、プライバシーまで含めてあらゆる面に関与せいということになっておる、二十四時間、一対一で。だから私がさっき申し上げましたように、
ブラザーの弟そのものを、あなたのほうの思うような人間に変えていくということなんですよ。これぐらい人権を無視したファッショ的なやり方というのは
郵政省だけじゃないですか。
民間のことを例に引いておられますけれ
ども、
民間の
関係で議論すると次元が違ってきますからやらない。こんなことが許されるかというのです、
大臣。私は、この
制度のことを聞きましてある
一つの連想をしたのです。私もこの年で八年間の軍隊の経験がありますけれ
ども、ちょうどあの戦友という組織、軍隊の場合は、軍国主義の時代であったということで時代が違う。それから社会から隔離されておるというようなことで、いろいろ条件は違いますけれ
ども、あの戦友
制度でもって寝るまで全部しぼられた、いいこともあるけれ
ども。とにかく、その戦友と
関係することにおいて人間も変わっていく。いま
郵政省はこの戦友
制度をやろうとするのです。こんなことは人権の面からいっても許されないのじゃないか、憲法の条文をあえて出すまでもないと思いますけれ
ども。若い人はもっとドライだ、そういう教育を受けておりますから。明けても暮れても、四六時中自分の兄だといわれる人が――それも恋愛結婚ならいいけれ
ども、押しつけ結婚でしょう。さっきのあなたの
説明によるとそうなんだ。入ってくるときに、おまえさん、ひとつ何のだれ兵衛を受け持ってくれないか。本人は
承知をした。そこで委嘱するのだ。その弟の意思に反してとにかく押しつけ結婚をやらされて、そうしてプライバシーまで含めてこれはどうしたのだ、あれはどうしたのだと言って相談させられる。これは弟のほうからすると、
労使、労務の
関係を離れて、人権に触れる問題じゃないかと私は思います。どうしてこんなことが近代的な
郵政省の労務管理の中に取り上げられたのかということなんです。
郵政省は、去年私
ども委員会でも問題にしましたけれ
ども、幹部を自衛隊に何か二週間か三週間入れまして教育をされました。どうも軍隊が好きなようであります。この間、
名古屋へ私
どものほうで現地
調査に行きましたら、軍歌「露営の歌」をかえ歌にして、「結束の歌」というようにして出かける前に全部歌わせる。「勝ってくるぞと勇ましく」を、何か「持って出るぞ」というかえ歌の歌詞がありますけれ
ども、持って出た限りは全部配ってこなければ帰らぬぞというかえ歌をうまくつくって、それをやらしておる。どうも
郵政省の人間管理というものはどこから見ても行き過ぎじゃないか。行き過ぎというのは、人権侵害という面でより重大な行き過ぎがあるんじゃないか、こういうことなんです。したがって、
大臣、これは十分検討に値すると思いますから、あなたはきょう私の問題提起に対してしばしば、検討するとおっしゃっておられるわけなんですけれ
ども、私率直に言わしてもらえば、これは検討に値する問題じゃなくて、やめてもらわなければならない問題だと思います。しかし、そういうことがまだできないとすれば、ひとつ検討してもらう、少なくともその間
ブラザー制度というものはこれ以上進行させないように、あなたのほうが検討して、そうして答えを出されるまではこれ以上進行させないように、一定のこの次元でとめておいてもらわなければならぬ。そうして、これはあなたのほうで検討してもらう。
時間がありませんから、実は、
ブラザーの
関係で弟のほうが非常に苦情が多いことも私
資料として持っております。それからまたこの
ブラザー制度というものが、
労使関係ということの面でどういう
役割りを果たしているかということを、実は私
資料として相当持っております。
定着性を高めるという方向での、要するに
不平、
不満を解消するとか、あるいは若い人との断絶をなくするとか、そういう
関係を越えて、あるいはそういう
関係はよそへいってしまって、二十四時間つきっきりであなたのほうの労務対策を明らかにこの
ブラザーの兄がやっているのですよ。そういうふうに
ブラザー制度というものはすりかえられてきておる。私はすりかえという
ことばは、あえて善意を持って言っている。ほんとうはそれがねらいじゃなかったかと私は思うのでありますけれ
ども、しかし、あなたのほうの答弁からいきますと、必ずしもそうでなかったようです。しかし現状は、そういうふうに変わってきていることだけは認めてもらわなければならぬと私は思うのです。認められないなら、私はここでもう少し時間をかりて
資料を出しましょう。とにかく変わってきておる。
それから、もう
一つ出ているのは、
大臣、金の使い方について問題が出ております。不正が出ております。そのことをめぐってまた
労使の
関係で不安定な
状態が出てきておるし、
個人個人の
職員間で悪い
関係というものが出てきておるわけです。それはあたりまえですよ、こんなずさんな、いいかげんなかっこうで公金を使わせているのですから。私のここにある
資料によりますと、
局長が利用券というものを出しておる。その利用券を持たしてやって、そしてそこへ行って飲んだり食ったりすると、その利用券を店の主人が持ってくれば払ってやる、そういうようなところもあります。それはすし屋と飲み屋です。とにかく金の使い方
一つとりましても、これは相当検討してみなければならないルーズな支出の
方法になっている。それから
目的がとにかく映画、食事、 コーヒー、ケーキ、はとバス、劇場、ボーリング、すし、肉、からあげ、これは一人で千円ですから相当な金額です、一件に千円、一カ月に千円ということなんですから。とにかくこういうふうにして公金が使われているということはこれは問題だ。
それから
郵政省はいままでも
需品費や何かについては、たとえば保険や貯金の奨励とか、その他の面について
立てかえ
払いを認めておる
制度もあったようであります。しかし、今度
労使関係でこのことが使われれば、まるきり際限なくこういうふうになってきますよ。銀座のバーやそこらの飲み屋の支
払いは、みんなこうしなければならないようなことになってきますよ。規制がないでしょう。これは
業務のためにやったんだ、
定着性を高めるためにやったんだ、おれはこれだけ
立てかえて払ってあるのだ、いま金がこなければ、この
あと、この次にくるやつでひとつ
立てかえてください。いま私が出しておきましょう。だんだんそうなってくるじゃないですか。ですから、そういうふうに
目的はもう変えられてきておるわけでありますから、ひとつこれは十分検討していただいて、そしてこの
ブラザーというようなものがもっと一新されて、ほんとうに
事業のために必要なら、再スタートするように私はやってもらわなければならないと思う。
それから
局長も
大臣もおっしゃっておられるのでありますから、気になるから言うのでありますけれ
ども、全逓との
関係で、何か団交の対象になって云々というような
お話がありますけれ
ども、そういう立場で私
どもはきょう御
質問申し上げているのじゃありませんから、全逓の
関係がどうなろうと、私
どもが
調査をして得た
根拠、
資料に基づいてこれはお聞きしておりますので、
郵政省の方針がぱきっとしなければ、全逓の
関係がどうあろうと私
どもは今後もさらに
質問を続けていかなければならぬ、こう思っております。
大臣の見解をひとつ聞かせていただきたいと思います。