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山本(弥)
委員 先ほど、
大臣からも、
局長からも、今回の
沖繩国会に関連しての、過激集団あるいは請願
デモ等につきましての取り締まりの基本方針を承りましたが、私は、基本方針はそれでいいと思います。ただ、これをいかに実行していただくかということなんですね。おそらく、総評との打ち合わせからいいましても、できるだけ秩序のあるデモ、請願行進をしておると私
ども連日見ておるわけであります。したがって、検挙、取り締まり等におきましても、過激集団の取り締まりに私は相当の時間がとられると思うのであります。そういうさなかに、やはり依然として摩擦が絶えていない。ことに、
山口委員が
質問いたしました七日の
デモ行進の際は、制服側と話がついて、いざ行進を始めるというさなかに、制服側を押しのけて
機動隊が出動することによって、私
ども国
会議員あるいは
秘書団もけがをし、洋服を引き裂かれるというような事態、制服
警察官の制帽が飛び、けがをするというような事態が起こっているわけであります。現地の
指揮者のその統率ということが、適切な統率があるならばおそらく円滑に行進が行なわれたであろうと思われる時点において、こういう
事案が依然として起こっているわけであります。
デモ行進の数からいいましても、一万そこそこなんです。請願も一時間くらいで済むわけなんです。そういうことにつきましては、中堅
幹部あるいは総指揮官等の統率の徹底をよくはかっておいていただきたい。
先ほどの
お話によりますと、いろいろと検事の取り調べを受けている。秘書もいるようであります。事実は、話がまとまって行進を始めるさなかに、
機動隊が制服
警察官を押しのけてこれを規制するという行動に出た、そのために混乱が起きたということは、私
ども国
会議員その他が現に目撃しておるわけであります。逮捕されておる秘書は、落ちたヘルメットを拾って
機動隊に対して乱暴をした、数人の頭をなぐったということが大きな容疑のようでありますが、こういう事態はだれも想像していなかったわけであります。洋服を引き裂かれ、あるいは国
会議員も軽傷を負うというような事態の中で
——しかも、それらは、監視団といいますか、
デモ行進との連絡及び、
機動隊、
警備警察官との摩擦を少なくするために出ている監視隊に属しておった秘書であり、国
会議員であったわけでありまして、それが
機動隊の中に入って、もみくちゃになって、洋服を裂かれるというようなさなかに、ヘルメットで数人の
機動隊員の頭をなぐるということは想像のできない事態であるわけであります。これは、かつて沖繩の戸高さんも取り締まりを受けたわけでありまして、どういう罪名でこれを送検するかということが非常にちゅうちょされたという話も、これはうわさですが、聞いたわけでありますが、一応検挙すると、名目をつけて起訴しなければならぬという弊風は改めなければならぬと私は思います。当然、
警察官の中にも言い分があると思うのでありますが、七日の情勢は、国
会議員、
秘書団は全く被害者であります。もみくちゃになっているさなかに、いかに腕力が強いからといっても、数人の頭を拾ったヘルメットでなぐるということは、想像のつかない事態であります。制服の
警察官ですら制帽を飛ばされるといったような状態が出ておる現場であるわけであります。
警察の公正な取り調べと、現行犯としての検挙を私は疑うわけではありませんけれ
ども、
警察官に殉職者が出るとか、あるいは連日のデモの取り締まりなどで緊張しておるというようなときには、人間の通性といたしまして、往々にしてそういった行動に出ることは想像されるわけであります。富田
警備局長から、冷静に処置するようにという御発言もありましたけれ
ども、私は、そのことが
警察の信頼を失い、さらに、今後の
デモ行進、請願行進等において、秩序立った行進をしております
一般労働者との間に摩擦が起きるという悪い結果をもたらすのではないかということをおそれるものであります。したがいまして、現行犯で検挙しても、それが間違っていたということがわかれば直ちに釈放する
——しかも、いろいろ取り調べなければならぬ。過労になっておる。
警察の能率的な運営をやるということからいいましても、おそらくこだわってはいないと思いますが、そういうメンツにこだわるような逮捕、取り締まりは今後避けていただきたいということを強く
要請しておきたいと思います。デモ、請願行進はまだ続くものと思いますが、いろいろな情勢判断からいいましても、その点は今後十分注意をしてやっていただきたい。現場の指揮系統、それから中堅
幹部の隊員の掌握、それらが適切に行なわれるということの
努力を願いたいと思います。
次に、この
非行事件につきましては、
山口委員から十分御
質問をし、
委員長もこれに
対処するという御答弁がありましたので、
対処願うものと存じますが、時間がございませんので、私はあわせて
質問いたしたいと思いますから、あわせて御答弁願います。
今日、
警察官は、若いときから非常な
使命感を持たされ、しかも、完成した人間としての処遇を受けて職務の執行に当たっておると思います。このことは、
警察官としても、純粋に考える
警察官は、非常な負担になり、重荷に感じていると私は思います。そのことによって、数は少ないわけでありますが、みずからの命を断つという
警察官も出てまいりますと同時に、いろいろな表彰を受け、模範
警察官といわれ、将来の
幹部昇進が約束されておる
警察官が、飲酒の結果人を死におとしいれるというような犯罪を犯したり、あるいはまた、詐欺をしたとか、その他、
警察官の権力を乱用して
懲戒免職になるというふうな
事例がややもすれば出ておるわけであります。いわば、緊張と、一個の善良な市民としての行動というものについて、少なくとも考えを切りかえていかなければならぬのじゃないかと私は思う。いままでは、
使命感、
責任感というものを
警察学校においても教えているのでしょうが、一年くらいの
警察学校の
教育において、人間形成と適正な
警察務の執行ができるわけのものでないことは皆さま方もおわかりになっておると思います。それを、個人としての、一市民としての責務を果たすというような人格形成をやりながら
警察務の執行をやるというからには、従来の、縦割りの、きびしい
責任感だけ押しつけるような、緊張の連続というような
教育では、今後の
警察の運営はできないのではないか。そして、ある時期には、社会の縮図のような犯罪が全部出てまいるということは、私は想像ができると思います。全体としての数は増加してはいないようでありますが、しかし、それが
警察官というようなことで出ておる、善良な、
勤務成績のいい
警察官にも出ておるということは非常に心配にたえないところでありまして、
警察内部において出てまいります問題は相当の数にのぼるのじゃないかということすら私は懸念をいたしております。
したがって、先ほど
山口委員の申し上げたような、いわゆるスト権まで認めた労働権というものは時期尚早にいたしましても、憲法に保障された一人の労働者の権利としての団交権だとか、あるいは
団結権というようなものは、将来の
警察官の
体制からいいましても、検討を加えておく必要があるのじゃないか。しかも、表彰、賞詞というような古くからのいろいろな
制度に対しましてもこの際検討を加え、
警察官が、
勤務中は
警察官としての縦割りの線で十分職務を果たすが、しかし、
勤務を離れた場合には、一個の市民として、上司とも友人のようなつき合いができるのだ、
一般市民、
一般の勤労者とも、同じ勤労者としての
話し合いができるのだというような、社会人としての教養もしていくべきじゃないか。
警察学校の教養等についても、どういうことをおやりになっているかということはなかなか出てまいりませんが、しかし、これらの教養にいたしましても、その後の
警察官の学校
教育にいたしましても、多少観点を変えてくふうをしていただきたい。そうでなければ、
懲戒免職するとか、あるいは
処分をするとか、次長から通達を出すとかいうようなことを幾らやっても、いままでの惰性で、従来のようなやり方をしておってはこの問題は解決しない。私はかように考えておりますので、十分御
配慮願いたいと思います。
第一点は
警備局長から、
あとは公安
委員長から御答弁をお願いいたします。