○山本(弥)
委員 政務次官も、こういう情勢につきましての責任をお感じになっておるようであります。この議論は、私はここでそう論議をする気持ちはないわけでありますが、私
ども、行政につきましては、国と
地方とが必ずしも相反すべきではない、国、
地方公共
団体を通じて、行政の事務にしても、その
財源にいたしましても、適正な
配分をいたしまして、相協力して地域住民の生活向上につながる体制をつくるということはやるべきだと思うのであります。しかし、国の
経済政策が地域住民のほんとうの生活向上につながるということについての配慮をするために、
地方公共
団体に密接した地域住民の要望が国の政治に反映するという体制、国の
政策に
地方公共
団体を協力させるということよりも、むしろ地域の要望を国の政治の上に反映させるという体制をとることによって、国、
地方が一体としての行政運営をするということが好ましいのだという考え方に立っておるのでありまして、多少国と
地方とが対立しておるという認識に私が立って議論を進めておるような御発言がありましたが、これは、私
どもはそういうことなんです。ですから、国の政治に追従していっておりますと、こういった
地方公共
団体が非常な苦境に立った場合、当然、国の政治としても、ある転換をし、責任を持っていただかなければならぬのじゃないか、かように考えるわけです。
今度の国会の総理大臣の所信表明におきまして、私非常に興味深く感じました点は、——これは実行していただけるのかどうか、そのことは疑問でありますけれ
ども、
一連の
景気対策といいますか、大幅減税だとか、あるいは財政投融資の拡大だとか、公債の増発だとか、そういったものをお話しになったあとで、「この
景気対策は単なる高度
成長への
復帰を意図するものではなく、この
政策展開の過程で、環境保全、公害防止など国民生活の質的充実を目ざした発展に重点を置く考えであります。すなわち、
経済の
成長のあり方を改めて、活力に満ちた福祉社会の建設に向かうことが、基本的な課題であります。この切りかえを円滑に進めるためには、
制度や心がまえの面でもそれに対応した改革が必要であります。」と言っておられるんですね。
経済成長というような、単に
景気を浮揚させるとかいう問題ではないんだ、大きく
政策を変えなければいかぬ、このためには心がまえも
制度も変えなければいかぬということで、
相当私
どもの年来の主張に近いお考えを述べておられるのですよ。これはいろいろうわさされておりますように、そういうことで来年から、あるいは今回の
補正予算から、引き続きまして総理は決断を持っておやりになるのかどうかはわかりませんけれ
ども、この考えはある
程度まで強力に推進してもらわなければならぬ、私はかように考えておるわけであります。
あとでも質問申し上げたいと思いますが、来年もことに
地方財政としては苦境に立つわけですね。危険に当面するわけです。そのときの基本的な考え方として、こういったように、単に高度
成長への
復帰で
景気対策を考えるのではないのだといたしますと、非常に
地方公共
団体の使命というものは高くなる。それと同時に、
財源も考えていかなければならぬ。あるいは
制度的にも、
行政事務の
配分あるいは
財源の
問題等も——ここに言いますように「改革」ということばを使い、
相当制度や心がまえも変えていかなければならぬと強い口調で言っておるからには、こういうことを推進する中核となる
自治省は、来年度
予算の
編成にいたしましても、何にいたしましても、あるいは
制度の問題にいたしましても、すべてに
相当強く
地方公共
団体のために要請願わなければならぬ、かように私は考えておるわけであります。その点につきまして、政務次官は引き続き政務次官を担当されると思うのですが、どういう方向で
制度や心がまえを変えて——総理の考えておるこの考えは、
地方団体を通じて実現されることが多いわけですから、その
地方自治体のあり方にどう対処していかれるのか、その気持ちだけを伺っておきたいのであります。