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中村(重)
委員 これで終わりますが、私もいまのような
お答えが返ってくるだろうと実は思ったのです。そういうことではどうもしようがないのですね。それぞれむずかしいことはよくわかるのですよ。わかるのですけれ
ども、私は事業、漁業と
中小企業を比較しようとは思いません。農業にしても漁業にしても生産性は非常に低いのです。担税力というものも非常にないわけです。しかしながら、個人事業税というものがどうして零細企業に対してのみかかるのであろうか、これは不合理であるというふうに私は考えているのです。それは、サラリーマンの税の問題その他いろいろ、税金は高い、これは決して楽ではないということは言うまでもないのであります。しかしながら、
バランスがはたしてこれでとれておるのかどうかということになってまいりますと、租税特別
措置法に
中小企業も当然該当するのだといっても、現実にそれがはたしてできるのかということになってくると、
中小企業がこの租税特別
措置法の恩典を受けることはなかなかむずかしい。経理面におきましても非常に条件がむずかしいので、なかなかそれをやることはできないということ等を考えてみると、
バランスの問題としては、
中小企業に対するところの税金というものは、税負担は決して楽ではない、非常に重税であると実は思っているのです。青色申告の特別経費の準備金の積み立てにいたしましても、これは一歩前進であったけれ
ども、これとても、やめるということになってまいりますと取りくずしによる一時所得というものが課せられてきておる。それではいけないのであって、これは退職金のほうに引き当てていくとか、あるいは資本の中にそれがそのまま引き当てられる場合は税の対象にしないとか、何かいろいろなことが考えられなければいけないのではなかろうか。同族会社の問題にいたしましても、
中小企業はほとんど同族会社である。ですから、これは抜本的に税の軽減
措置というものが講ぜられてこなければならない、そのように実は思うわけです。
なおまた、先ほど北田課長は国民金融公庫の例をおあげになりまして、百万円とか二百万円とか
——他の例ということは、これは構造
改善事業なんかのことをおさしになったのだろうと実は私は思うわけでありますけれ
ども、
数字だけでは見ることはできないと思うのですよ。どうしても絶対額というものが押えられてきている、だから借りたいけれ
どもなかなか借りられない。また第一線はどうしてもこれを押えていくというようなことになってくるわけです。そこを見のがしてはならぬ、こう私は思うのです。ですから、いま融資されている貸し出しの金額、それの平均がどうなのか、その
件数がどうなのかという現在の
数字だけでもってこれを律するということは実情にそぐわないものがあるというように私は思います。ですからその点は、先般三百万を五百万に引き上げた、それから何年もたってはおりませんけれ
ども、実態にそぐわないものがあるということで
十分検討される必要があるであろうというように思います。ただしかし、この限度額を引き上げたということだけではどうにもならない。絶対額をふやしていくのでなければ、先ほ
ども私が申し上げましたように、これはどうしても信用力が弱い面にしわ寄せされてくるということになってまいりますから、これは相兼ねた形で問題の解決がなされなければならぬと思うのです。
同時に、構造
改善事業にこれは匹敵するものであるかどうか、これは議論のあるところでありますけれ
ども、環衛金融公庫あるいは物価
対策としての生鮮食料品
中小企業の近代化、これはマル食と称せられる、一方はマル環資金といわれますが、これは六分五厘、七分七厘、八分二厘という形になっておる。一般のプロパーの
中小企業の設備の面において、より重要性があるものがありましても、これは国金から借りましても、構造
改善事業あるいは
中小企業の近代化融資、そういったような特殊なものを除いては八分二厘で融資を受けておるという実態、あるいは償還の条件等におきましても、プロパーの融資というものはこれは特別の融資よりも非常に条件が悪い、こういうことがありますから、この点は十分配慮される必要があるだろう、このように思います。
なお、厚生省の三浦
環境衛生課長に御
出席いただきましたが、時間の
関係がありますから、私は
意見だけを申し上げてひとつ
参考に資したいと思うわけです。
環衛金融公庫も、民間の金融機関に対して、これは環衛公庫の代理貸しというものに指定をせよという
要請が絶えず前からなされてきている。業界も、環衛金融公庫、厚生省も、一体となってそういうことを言っておられる。わからないでもありません。わからないでもありませんけれ
ども、離島、僻地に対してその
要請を受け入れたというような面も私は多々あるのだろうと思うのでありますけれ
ども、これは再々委託という形によって、民間金融機関が委託を受けて融資をしておる。ところが、現実にそれが弊害となってあらわれてきているということです。だから、歩積み両建てというものも、民間金融機関というものはその弊害がむしろ助長されてきておる。この弊害というものはなくなっておりません。したがって、いま民間金融機関ににわかに代理貸しをやらせるということは、私は必ずしも適当であるとは考えない。だからして、それらの点に対しては
十分検討されていく必要がある。ただ、決して私は環衛金融公庫がなわ張りでもって言っておるというように簡単に片づけばいたしませんけれ
ども、ともかくそういうような役所のなわ張り的な点から、環衛金融公庫が融資の決定というものを主導権を持ってやるというような
考え方からそういう主張があるとするならば、私はこれは改めてもらわなければならないというように思います。
同時に、これは
大蔵省の北田課長もぜひ聞いていただきたいと思うのですが、ともかく最近は環衛金融公庫の融資がどうしてもうしろ向きになりつつあるという事実は否定することができないと私は思うのです。償還期限の問題にいたしましても七年、十年になっている。それならほんとうに七年、十年というような融資が行なわれているのであろうか。あるいは設備の問題にいたしましても、なかなかきびしい査定というものが現実に行なわれておるということは否定できない。そういったいろいろなきびしい条件の中で、民間金融機関を窓口にして貸し出しが行なわれるならばもっと円滑にいくのではなかろうか、借り主の
要求というものが満たされるのではなかろうか、こういうような期待がそういう声となってあらわれてきているということも私は見のがしてはならぬと思うわけです。それらの点をひとつ十分勘案して、いま現に行なわれておるそうした
運営の方法の再
検討を行なって、現実に即して
対処をしてもらいたいということを私は強く
要請をいたしまして、たいへん長くなりまして恐縮でございましたが、質問を終わりたいと思います。