○岡田
委員 私も、徐々に気づき始めて、軌道の修正は行なわれてないというんじゃなくして、行なわれつつあるということは認めているわけです。たとえば、アフリカのザンビアであれば、銅資源は三井、三菱が
融資買鉱で金を出して、そして
貿易は結局七対一で、
向こうのほうが
わが国に対して
輸出超過になっている。これは
融資買鉱でいっても、
貿易収支からいってもいいでしょう。あるいはベルギー支配にあった今日のザイール、キンシャサ・コンゴですね、ザイールの場合は、ベルギーがかつて取得しておった権利を、独立によって
わが国がこれを取得した。こういう経過からかんがみると、この開発に協力すると同時に、これに対する輸送手段とか、この面についての協力を
考えていく。これは
一つの典型的な例になっています。昨今ようやく重い腰を上げて調査団が派遣されたようでありますけれ
ども、しかし、それも聞くところによると四千万
ドルの頭打ちだということでは、初めからワクをかけておるんだという
情報すらあるわけで心配しているわけですが、一方、ケニアの場合は資源がございませんし、農産物の場合は、これはなかなか
わが国に受け入れるような農産物はない。そうすると、結局
貿易収支は十二対一、たいへんな状態にあるわけですよ。それでもいま
日本製品を
輸入しているといって、目新しい
援助はないわけです。四百万
ドルですか、もう来年あたりで終わるはずですが、前にそういう
援助があるだけ。いろいろな構想が出されるけれ
ども、どうも
日本が乗っていかない。そうすると結局、こういうところには農業プロジェクト、北海道あたりでやっているようなパイロット方式といいますか、圧倒的に農業人口が高いわけでありますから、やはりそういろ
援助をするとか、当然何か
考えられてこなければならぬのではないか。私はそういう
意味で、もう大体実績はできているわけですから、一応いま言われた方向に合っている例を三つ出してみたのですけれ
ども、そういう点でぴしっとした構想というものをぜひ確立をしてもらいたい。
それと同時に、アメリカは文化センターなんかつくっていますけれ
ども、文化的にはやはり
日本の国のほうが、伝統が、歴史が長いわけでありますから、そういう点で特に、教育、文化
——教育の中にはもちろん医療も入るわけですね、こういう面などがもう少し積極的に取り上げられていかなければならぬのではないか。国内でも医師が足りないのだから、とても医療なんというのは手が回らないということもあるでしょうけれ
ども、なかなかこれは「わかもと」を飲んでいるようなもので、即効的にはいかないように見えますけれ
ども、結局
日本を知らない、
日本の高官は知っておっても、
日本もまた知らないという非常に歴史の浅い最近の独立国家がどんどん誕生して、これが国連でもう半数に近い勢力を持っているという面から
考えても、金がたくさんなければ、あまり金がかからないようなことも
考えていく。もちろん、それは体制を整備しなければできないことでありますけれ
ども、どうも外務省あたりを見ていると、
日本人の居留民や、あるいは移住している中庸米なんかの場合は、
日本人がおるから文化的な面が進んで、傾斜しているようでありますけれ
ども、それは悪いことではない。積極的に詰めなければならぬことでありますけれ
ども、いずれにしてもそういう点をもう少しぴしっとして、先ほどの
質問じゃありませんけれ
ども、少なくともそういう構想が提示され、こういうあれでいくんだというものが示されるような体制、方向をきめるべきではないのか。やはりこれだけの
援助総額になってきておるわけでありますから、そういう
意味でこれはぴしっと
——これはわれわれ国
会議員の問題で、いずれまた別途に議論を申し上げなければならぬ問題でありますが、対外経済協力白書というようなものまでぴしっと出す体制にならなければならない。これは十年後の
わが国のGNPを
考えたらたいへんな額ですよ。一九八〇年の経済協力を一%と
考えたら、たいへんなことになるわけでしょう。もし倍にしたって、四千億をこえるわけでありますから、その一%ですから、たいへんなことになるわけです。そういう点で、特にこの点の勉強を心からお願いをしておきたいと思います。
それと同時に、経済協力開発は、これから大型化してまいります。この大型化していくものにどう対処していくか。広域化して範囲が世界にまたがるということと同時に、大型化するものにどう対処するかというもう
一つの
——これに関して、
輸出プラントの大型化というか、
保険法の改正が今回出されておるんでしょうけれ
ども、たとえば資源開発等によりましても、現在われわれが
考えている
考えを上回る大型化になっていく、こう私は動向を見ておるわけです。先ほど言いましたように、たとえば目玉商品であるムソシ開発の場合はキンセンタが開発されれば、銅量に換算して十一万トンですね。
日本では一年間で全部で十二万トン程度だ。
一つの鉱山が
日本の一年間分を産出するわけですから、そういう下敷きはさらに大きくなっていく。たとえばオーストラリアなどを見ますと、いまはあまり金を投じないで鉄鉱山を開発して、西オーストラリアあたりから鉄鉱石を
輸入しておる。しかし、アメリカがやっておるのは、鉱山を開発すると、道路は、舗装整備される、働く人たちの住宅も同時に建てなければならない、港湾設備も同時にしなければならない、こういうプロジェクトがどんどん開発されていかなければならない段階に入りつつあると思うわけです。ですから、われわれの従来の大型プロジェクトといってもいろいろありますから、超大型プロジェクトといいますか、そういう構想に特に七〇年代の後半にはいやでもおうでも入っていかなければならない状態になる。そうすると、貧弱な
日本の一
企業ではもはやできない段階になる。それを受けとめるナショナルセンターの構想をどうするかということは、当然
考えられなければならない問題なんです。せっかく海外鉱物資源開発株式会社というセンターがあっても、いま資本がかってにやって全部食いちぎってしまって、ここは何もやることがないから、行管のほうから、こんな会社はやめてしまえという
指摘を受けてしまう状態なんです。そうではなくて、各
企業が協力し合って、そして
日本として
一つのプロジェクトに取り組んでいく、これくらいの姿勢が要求されてくるわけです。石油資源開発についてもまさしくそうでしょう。そういう点で発想の転換をはからなければならない。広域ということ、範囲が広いということは案外あれですけれ
ども、大型化の展望というか、一体どうなっていくのかという
意味では、相当発想の転換をしなければならぬ段階に入っている、私はこう思うのですけれ
ども、この点について見解を承っておきたいと思います。