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吉田(泰)委員 私はいま二点を具体的な例で御質問しました。
そこで、私はこれから少し
長官に、現在のこの
法案ということではなくて、この
法案ももちろん中に含まれておりますが、
政府の
中小企業政策の見通しの甘さということをここで議論をしてみたいと思うのです。ということは、特恵関税問題がある、
ドル・
ショックがあると、すぐに手直しの
法案が出されなければいけない。そこに
中小企業政策
——寡少過多、寡少資本で過多
業種、高度化をやると高度化貧乏が始まる。しかし
中小企業政策のもとに保護政策をとらなければいけない。なんとなしにお茶を濁した政策をとる。たとえて言いますと、これは一例ですが、鋳物屋がたくさんある、みな高度化したいのだ、全部が高度化してしまって、需要と供給のバランスは、見通しはだれも教えてやらない。全部が高度化されたらとてもじゃない、売れないのですよ。そういうことが各
業種にいままでたくさんあると思うのです。そういうことがおざなりのままに、出てきた事象の、何か傷の手当てばかりしている。抜本的な政策を打ってない。したがって、私はこの問題が、
中小企業政策の
法案が今回
ドル・
ショックで提案されて、
中小企業者が
ほんとうに喜ぶかどうか。これは
自分だけが、
政府が、こうやって
ドル・
ショックで
中小企業のためにこの
法案を出したのだというひとりよがりになってくれたら困るのです、
ほんとうは。それを私はどうしてもこの際言いたいのです。もっと前に
政府が、
中小企業庁という庁があって、
長官がおって、たくさんのスタッフを持っているのだから、もう少し長期的な見通しで、いわゆる既存の企業を全部温存するという形のもとで企業
指導をするということでは、いつまでたっても、何か事があれば必ず
中小企業が代金においてもしわ寄せを受ける、また政策の変更においてもしわ寄せを受ける、そういう形になるのではないか。先ほど私が近代化をやりながら転業をした人がある、これについて否定しないと言ったことは、ここにあるのです。自主的に、たまたま中で優秀な
中小企業の経営者は、長年やってきた高度化
資金をいただきながら非常に内部体制を整えたけれども、
自分なりの長期見通しで、これはもう転業すべきだと勇気をもって転業していく、これは私はごくまれだと思うのですね。したがって、
中小企業の衝に当たられる
長官は、これは歴代そうなんですが、もう少し長期的な見通しを立ててやって、その業界、業界でグループで正しい情報を正しく伝えてやるということくらはしないと、何か事が起こったらちょっと
法律をつくる、いわゆるごまかしの
法律と言ったらはなはだ申しわけありませんが、根本的な
中小企業者の救済に私はなり得てないという気がするのです。だから、もう少しいわゆる寡少過多の本質的な
中小企業者の持った体質を変える
努力をふだんからしでいるなら、
ドル・
ショックがあろうが、特恵関税があろうが、いまほど大きなしわ寄せを受けずに済むのじゃないか、そんな気がするのです。それがいわゆる高度化
資金を受けながら、意欲に燃えてやろうとしながら、なおかつ、おたくは資料がわかりませんと言いますが、
ほんとうは転業した人が、私は大阪ですが、ずいぶんおるわけです。そういう人がたくさんおればいいのですよ。
中小企業庁が
指導しないからなんですよ。
指導を得て、寡少過多の
基本的な根本的な弊害を除去していくということでないと、私は真の
中小企業対策にはならないのだという気がいたします。これは
長官、どうですか。何かあればちょっとごまかした、金を貸そうとか、そういうことをするのです。ごまかしというのは、かんべんしてもらわなければいけませんがね、
ほんとうはそういう
法案なんです。もっと
基本的に
中小企業を抜本的にやるなら、その業界ごとに需要と供給の展望を示してやって、これを高度化したらこのくらいの
業種しかもたないぞ、それ以上のものは過当競争になって倒れるぞというようなことが、事前に行なわれるべきである。壊滅的な打撃を受けて手直ししても、金を貸してやろう、救済してやろう、いまから転業せいといって、中途はんぱな、お茶を濁したような
法律で
中小企業者を救ったと思っていますか。これはお役人の理屈だと思う。私は一人よがりだと思うのです。これは
長官、どうですか。