○
岡部(保)
政府委員 お答え申し上げます。
ただいま
先生おっしゃいましたように、確かに
離職者対策ということで、この
会議にも私
ども参加いたしておりまして、地域開発の面で少しでもプラスにならぬかというお話もございまして、御協力は申し上げることを約束しておるわけでございますが、どうも現実の問題といたしまして、さしあたりの離職者に対する対策で、なかなか地域開発上有効な手段というものは見つけにくい点をこの
会議でも申し上げておるところでございます。
で、いまおっしゃいましたように、
東北のこれからの開発という問題につきまして私
どもが考えておる、これはまた、さしあたりといいますよりも、もう少し長期的な見通しと申しますか、ロングレーンジの話になって恐縮なんでございますけれ
ども、
東北の今後の開発という方向を概略お話し申し上げますと、私
どもといたしましては、やはり
東北の特性と申しますか、最近非常に
東北が今後の日本の開発のために貴重なところであるという感覚に立っておるわけでございます。したがいまして、新全総の中でもいろいろ
東北の特性を生かした開発という問題を第二部で記述しておるところでございますが、かいつまんで申し上げますれば、まずやはり交通通信のネットワークというものの整備が第一番であるかと存じます。たとえば
東北新幹線であるとか、あるいは
東北縦貫道であるとか、こういう交通のネットワークというものを少しでも早く整備をする必要があると存じます。これによって非常に、いわゆる時間、距離と申しますか
東北開発の可能性をすみずみまで伸ばしていくということが、まず第一点だと存じております。
さらに産業面で申しますならば、いわゆる農業と申しますか食糧供給基地としての
東北の立場という問題をやはり強く考えなければいかぬ。これはむしろ詳細については農林省から御説明申し上げるべきかと存じますが、私
どもといたしまして、いわゆる高生産性の稲作というようなもの、あるいは大規模な畜産基地の建設というようなもの、あるいは浅海、浅い海での増殖と申しますか、養殖の漁業の振興というようなことを考えなければいかぬのではないか。また工業面、先ほ
どもいろいろお話しのございました工業面におきましては、いわゆる臨海性の大規模な工業といたしましては、たとえばよく話に出ております、むつ小川原でありますとか、あるいは
秋田湾でありますとか、そういう遠隔地に大規模工業基地を建設していく、あるいは内陸の工業基地づくり、いわゆる内陸の工業団地と申しますか、こういうものの整備というようなものを続けていくという必要があるのではなかろうか。またそのほかにも自然というものの貴重な時代になってまいりましたので、自然を保護し、またそれを活用するという
意味で、たとえばレクリエーションの基地を山岳地帯に求めることも必要であるというふうに考えておるわけでございます。一応そういうような
考え方で、これからの
東北の
計画というものの
一つの
考え方をまとめておりますが、それではさしあたりの問題としてどう考えるかということになりますと、なかなかむずかしい点がございまして、これからもなるべく早い時期に、しかも有効な措置というものを検討してまいりたいという
考え方でございます。